Ⅶ.ドイツの森林吸収量の算定・報告の情報について I.条約の下での森林吸収量の算定・報告の情報 1 基本事項 森林の特定及び変化の面積(1990 年~2008 年)と把握方法 表Deu1 旧西ドイツ地域 ○1987 年と 2002 年にインベントリがサンプル抽出方法で実施されており、それらの値を 内挿して森林の転用を含む土地利用変化を求める。これら2 時点の間の各年の変化量は一 律としている。変化の値は2007 年までは外挿しているが、2008 年に関しては、ATKIS デ ータ(公的地誌・地形図情報システム(Amtliches Topographisch-Kartographisches Informationssystem)) を利用している。2002 年のインベントリにおいて、森林に転用さ れた土地の情報の記載がなく、2008 年についてはのみ ATKIS データからその土地の情報 が得られる。
表Deu2 旧東ドイツ地域 ○一部の州を除き、1990 年から 2005 年の間の土地利用変化を GSE 地図(Landsat 等の衛 星データをベースに、旧東ドイツ地域の土地利用変化面積をATKIS データ、空中写真、地 形図、標高モデル等から割り出している)から判断している。 土地利用が変化した結果生 じる偏差はATKIS データを用いて処理をする。旧西ドイツ地域と同じく、1990 年から 2005 年、及び2005 年~2007 年における値が内挿によって計算され、各年、一律の変化量が適 用される。2008 年に関しては ATKIS データを使用。 (注:土地利用転用前後のマトリックス表は報告されていない) 2 吸収量 表Deu3 森林吸収量の経年変化 CO2 equivalent (Gg ) CO2 GHG 合計 1990 -65,693.71 -65,637.69 1995 -66,267.24 -66,218.27 2000 -66,840.93 -66,792.07 2005 -22,592.62 -22,546.71 2006 -22,719.18 -22,671.07 2007 -22,845.75 -22,799.33 2008 -23,056.24 -23,007.59
2.1 転用のない森林 2.1.1 方法論 2.1.1.1 転用のない森林における生体バイオマスの炭素ストック変化量 ○1987 年のインベントリ(BWI 1)の際の計測樹木数が 23 万本、2002 年(BWl 2)には 37.7 万本という豊富なデータが利用できるためにストックチェンジ法を用いる。2008 年 Inventurstudie からは約 83 千本についての継続調査データにより国家森林インベントリー データが補完されている。 ○中央ヨーロッパでの適用に適したバイオマス係数がなく、ローカルな情報しか含まない 小規模のサンプル抽出を基本にした研究しかなく、適切なバイオマスの推計が望めない。 そのため、立木材積を地上部バイオマスに換算する手法が採用された。 ○立木材積から材積を推計するのに、地上部立木材積と地上部材積の関係を示す GRUNDNER & SCHWAPPACH (1952)のデータから得られた線形回帰式を用いた。 地上部生体バイオマスの質量は材積から、KOLLMANN (1982)の容積密度データを用いて 求めた。
地下部生体バイオマスは蓄積-質量の関係から推計される。順序としてまず、樹種別の地 上部バイオマスを各ランダムサンプルプロットの面積に外挿し、そこで得られた数値から、 各々の地下部バイオマスの値が、IPCC のデフォルト値(IPCC-GPG, 2003 Table3A.1.8)を 用いて求めた。 以上の方法による炭素蓄積を求める式は以下のとおり。 式中: C = 炭素蓄積 t = インベントリ作成時 D = 立木材積 rdstamm = 幹材積 rdast= 枝条材積
BEF = バイオマス拡大係数 VEF = 材積拡大係数 R = 地上部/地下部比率 CF = 炭素含有率 2.1.1.2 地上部生体バイオマスの推計 ○各樹木の立木材積D は BWI の材積関数と DBH(胸高直径)、樹高、7m の位置における 直径から割り出し、樹種別の幹材積 rdstamm を用いてバイオマス量に換算される。材積 密度は下記の式9 から得られる。 Equation 9 式中: r = 材積密度 r0 = 粗密度 βV =損失材積量 このうち、粗密度はKOLLMANN (cf. Table 154)のデータから得ている。 ○立木材積D は地上部材積 B に PISTORIUS et al. (2006) の材積拡大係数を用いて変換さ れる。以下は関係式。 Equation 10 VEF = B / D = (a + bD) / D 式中のa, b は別途表で定めている(例:カンバ(birch) a=0.017493, b=1.121933) 2.1.1.3 地下部生体バイオマスの推計 ○地下部バイオマスは地上部バイオマスの値から推計される。 地上部/地下部比率は IPCC の GPG-LULUCF(2003)の値を採用し、バイオマスの炭素蓄積 への変換はIPCC のデフォルト値 0.5 を用いた。 2.1.2 転用のない森林における枯死木・リター・土壌の炭素ストック変化量 2.1.2.1 枯死木
○枯死木の炭素蓄積推計に用いるデータはBWI 2 (BMELV 2005)と Inventurstudie 2008 から採用した。BWI 2 では、倒れた枯死木はより直径の大きい側の末端直径 が 20cm 以上
あること、立枯木はDBH が 20cm 以上あること、幹は 50cm 以上高さがある、もしくは切 株直径が最低でも60cm 以上あることという 3 つの条件のいずれかを満たす枯死木のみを 計測対象としている。Inventurstudie 2008 では、より直径の大きい側の末端直径 が 10cm 以上の枯死木を計測している。 ○どちらの調査のデータも3 つの主要樹種群に分類される:針葉樹、落葉樹(オーク類を除 く)及びオーク。さらに、枯死木は 4 つの分解レベル別に分類される。 分解レベルに応じて分類された枯死木バイオマス量は、針葉樹は FRAVER et al (2002) の 材積密度データを、落葉樹についてはMÜLLER-USING & BARTSCH (2009) のデータを 適用して推計した。
○Inventurstudie のデータを用いて直径が 10cm から 20cm までの枯死木の枯死木-蓄積 の関係式を定めた。BWI2 のデータ収集時にもその仮定が当てはまるという前提で 10cm 以 上の直径の枯死木の2002 年時における炭素蓄積が推計された。
○枯死木の炭素蓄積を求める式はEquation 3.2.12 (IPCC 2003)を利用。0.09 MgC/ha*a と いう結果が得られた。
2.1.2.2 リター、無機土壌
○リター、土壌中の炭素蓄積は、1986 年から 1992 年に実施された第1回の全国的な森林 土壌状況調査"Bodenzustandserhebung im Wald" (BZE)をベースにして外挿された。 ○現在、2013 年に終了予定の第 2 回目の調査データが処理中であるため、これらのデータ は報告には使っていない。データが不完全である問題とともに、方法論について多くの点 が不明確のままとなっている。 ○土壌とリターが炭素の発生源でないことを占めす観点から、既存のデータを用いて土壌 被覆、土壌状況の計算が実施された。結果的に、炭素の発生源である可能性は排除されて いる。このため、BZE1 と BZE2 の間の炭素蓄積変化の計算は実施されていない。 ○GHG インベントリにおいて、既存の森林内でのリター、土壌中の蓄積変化はないと仮定 している(Tier1 に相当)。 2.1.2.3 有機土壌 ○有機土壌中の炭素蓄積変化はIPCC(2003)の table3.2.3 の数値を用いて推計された。全て の有機土壌は排水の影響を受けており、蓄積の変動は排水のみに帰すると考えられる。有 機土壌に被覆されている土地の確定はBÜK 1000 and ATKIS data をオーバーレイするこ とにより、ジオリファレンスにより実施された。
2.1.3 不確実性と時系列の一貫性
○炭素蓄積の計算の際、主に不確実性のために様々な誤差が生じる。誤差が計算されても、 実際に数値に影響を及ぼす偏差の近似値しか把握できず、可能性のある全てのエラーソー
スが考慮されるわけではない。個々の誤差の相関関係は無視される。利用可能なデータの うち、次のエラーソースが数量化することができる: • 土地利用変化面積の推計における不確実性 • 立木材積から木材積への変換における不確実性 • 特定の樹種群の材積密度に関連する不確実性 • 地下部バイオマスの推計の際の不確実性 • 炭素変換係数の不確実性 • ランダムサンプリングエラー Inventurstudie 2008 の統計研究から、計測エラーは考慮しなくてもよいという結果が出て いる。 誤差全体を合算すると、誤差が2 方向に拡散する。2 つの値が合算、もしくは差し引かれる と誤差伝播は相加的になる。 (cf.Equation 20) Equation 20 式中: U = 全体の不確実性 Ui = 計測地 i の不確実性 xi = 計測地 i の量 一方で、2 つの値が掛けらるか割られたりすると、それらの値の誤差が増幅される。- cf. Equation 21: Equation 21 2.1.3.1 時系列の一貫性 ○時系列は、それ自体が一貫性を保っており、何の矛盾も発生することはないならば、一 貫性が保たれている。関連する全ての時系列は一貫している。 方法論上、いくつかの時系 列が“飛躍”している場合でも、それらの“飛躍”は有効なデータに帰するものであり、 時系列の一貫性に関しての矛盾を呈することはない。 2.1.4 QA/QC
PostGreSQL というプロジェクトの枠組みの中で開発したプログラムを用いて、炭素蓄積 と炭素蓄積変化の計算について, インベントリのベースとなっている vTI-WOI の計算と 独立してvTI-WFW が行った結果、どちらの数値とも整合性を持つことが確かめられた。 ○今回初めて、広範なエラー分析が行われ、エラーソースの数量化が図られた。エラー分 析の結果、全体の誤差許容量が導き出された。 ○本インベントリの編纂にあたり用いたデータソースは、QSE マニュアルの設けるデータ ソースの基準を満たしている。ATKIS®及び BÜK のインプットデータの QA はそれらのデ ータ管理者の責任下にある。 2.1.5 再計算 ○GSE 森林モニタリング調査(2009)において、旧東ドイツの 1990 年時の森林被覆状態と 2002 年から 2005 年の間のその変化に関する地図が得られたことで、土地利用分類別の面 積とそれらの変化が今回初めて推計された。そのため各土地利用分類の面積が必要に応じ て再計算、補足された。有機土壌面積はBÜK 1000 の全体地図データを用いて特定された。 ○バイオマスの炭素蓄積の変化は、Inventurstudie 2008 (IS08) のプロジェクトでとられ た追加的なデータを基に再計算された(cf. Table 172 及び Table 173)。IS08 調査に枯死木 データが入ったことで、その変化の計測が可能になった。土壌状況についてのBZE 連邦調 査のデータを基に、森林減少ともなう林床のリターからの炭素の排出の再計算が行われ、 また vTIAK 研究所も土壌の炭素排出量に関連するデータを補足した。i 2.2 他の土地利用から転用された森林 2.2.1 カテゴリーの説明 ○IPCC の GPG は、土地が転用され、新たに森林となった土地が、20 年間その状態を保っ た後に転用された森林というカテゴリーに移行されるとしている。 ○連邦森林インベントリのBWI 2 には転用された森林に関する記載がなく、ATKIS データ から2008 年分のみ関連する数値をとることができる。 3 排出カテゴリーの情報 3.1 施肥に伴うN2O排出(5I) ○通常、窒素肥料は施されていない。そのため、CRF Table 5(I)では施肥活動は”NO”(N2O 排出はない)としている。 3.2 土壌排水に伴うN2O排出(5Ⅱ) ○無機質土壌における排水に伴う排出のデータはない。排水はないと仮定することもでき る。そのため、N2O 排出はないとされる。 ○有機質土壌については、上記2.1.2.3.に記載のとおり。
3.3 農地の転用に伴うN2O排出(5Ⅲ)
○土地の転用に伴うN2O 排出は IPCC-GPG (2003)に従って決定された。窒素蓄積の変化 量を土壌炭素/窒素比で分割し、窒素蓄積を出した。計算した結果出てきた変化はデフォル ト値0.0125 t N2O-N/t N で合算し、窒素排出量を算出した。
3.4 バイオマスの燃焼(5Ⅴ)
○森林火災によりCO2 及びその他の温室効果ガス (CO, CH4, N2O and NOx)が排出され る。ストックチェンジ方式で計算する中で、バイオマス燃焼によるCO2 の排出はバイオマ ス蓄積の変化の一部としてすでに推計に入れられている。そのため "IE"との表記になる。 ○ドイツの管理された森林においては人工的な火入れは行われていない。 ○その他のガスの排出量については式 3.2.20 (IPCC 2003)で計算される。 ○1990 年から 2008 年の間に森林火災の影響を受けた面積のデータは農林食料省の森林火 災統計 (BLE;Waldbrandstatistik – BLE 2008)から得ている。 ○各年の地上部バイオマスの平均値は、2002 年及び 2008 年のインベントリの値から線形 外挿と内挿によって得ている。KÖNIG (2007)のデータでは、森林火災の 80%は地表面のみ が焼け、残りの20%は樹冠にまで及ぶ火災となることが示されている。IPCC 2003 の Table 3A.1.12 の、地表面の焼ける火災の燃焼効率:0.15、樹冠に及ぶ火災の燃焼効率:0.45 を用 いた。CH4 及び N2O の排出係数は IPCC 2003 の Table 3A.1.16 ()を参照した。
燃焼面積から見ると、森林火災の影響は微少であり、CH4 と N2O の排出量も僅かである。 1992 年を除き、CH4 の排出量は 0.03 から 0.43 Gg の間で、N2O の排出量は 0.0005 から 0.0067 Gg の間で推移している。1992 年は酷暑に見舞われ、大幅に上記の水準を上回り (CH4: 1.33 Gg; N2O:0.021 Gg)、4,908ha が焼けた。
Ⅱ.京都議定書第3 条 3 項及び第 3 条 4 項に関する情報 1 京都議定書 3 条 3 及び 4 の下での排出・吸収の推計の概要 表Deu4 3 条 3 項および 4 項の活動の報告情報 吸収源活動 カーボンプール GHG発生源 地上 バイ オマ ス 地下 バイ オマ ス リ タ ー 枯 死 木 土 壌 施 肥 土 壌 排 水 土 地 転 用 石 灰 施 用 バイオマス燃焼 N2O N2 O N2 O CO 2 CO 2 CH 4 N2O 3 条 3 項 新規植林・再 植林 R R R NO R 0.00 R R R R 森林減 少 R R R R R R NO NO NO NO 3 条 4 項 森林経 営 R R NO R R NO R R R R R 農地管 理 NA NA NA NA NA NA NA NA NA NA 放牧地 管理 NA NA NA NA NA NA NA NA NA 植生回 復 NA NA NA NA NA NA NA NA NA 引用:KP-LULUCF Table NR1
表Deu5 3 条 3 項および 4 項の活動による排出・吸収量(2008 年) GREENHOUSE GAS
SOURCE AND SINK ACTIVITIES BY(5 ) Net emissions/removals(1) Accounting Parameters Accounting Quantity 2008 Total (Gg CO2 equivalent) A. Article 3.3 activities A.1. Afforestation and
Reforestation -2,615.20
A.1.1. Units of land not harvested since the beginning of the
commitment period -2,615.20 -2,615.20 -2,615.20 A.1.2. Units of land
harvested since the beginning of the
commitment period NA,NO
CSC KP.A.1.2_1 NA,NO NA,NO NA,NO N2O emissions from N
fertilization KP.A.1.2-1 NO NO NO Carbon emissions from
lime appl KP.A.1.2_1 NA,NO NA,NO NA,NO Biomass Burning KP.A.1.2_1 NO NO NO A.2. Deforestation 16,393.58 16,393.58 16,393.58 B. Article 3.4 activities B.1. Forest Management (if elected) -20,331.82 -20,331.82 -20,331.82 3.3 offset 13,778.38 0.00 FM cap 22,733.33 -20,331.82 B.2. Cropland
Management (if elected) 0.00 NA NA 0.00 0.00 B.3. Grazing Land
Management (if elected) 0.00 NA NA 0.00 0.00 B.4. Revegetation (if
elected) 0.00 NA NA 0.00 0.00 引用:KP-LULUCF Table Accounting
2 一般的情報 2.1 森林の定義 最小面積:0.1ha 最小樹冠被覆率:10% 最小樹高:5m 2.2 選択した 3 条 4 の活動 ○3 条 4 項の活動として森林経営を選択。 2.3 3 条 3 活動、3 条 4 活動に関する定義の一貫性 ○ドイツの "新規植林", "再植林" 及び"森林減少"の定義は GPG (IPCC 2003)に従っている。 国の“森林”の定義に従った森林の造成に十分なrejuvenation がなされる場合に、開けた 管理地において植林がなされることを新規植林(もしくは再植林)とする。一般的に、新規植 林(もしくは再植林)の時期というのは、更新プロセスの中で初めての活動を行う時期とされ る。天然更新がなされる場合、新規植林の時期は国の定める森林の定義を満たした時期と 合致する。 従って、農地が樹木の自然発生を経て、非管理放牧地と森林地に転用となる可 能性もある。 そのような土地の転用は再植林とみなされる。また、かつて管理、もしくは 農地ではなかった土地において、樹木が自然に発生することは新規植林とはみなされない。 例として、気温上昇の結果、高地に樹木が生えても、新規植林とはならない。新規植林と 再植林の区別はなされない。というのも、区別化するためのデータがないからである。 ○"森林経営"はその森林が本来有する環境・経済・社会・文化面での機能の発現を支援するこ とである。このカテゴリーには、土地利用意図が目に見えるか否かを問わず、社会に開か れている森林全てを含む。 2.4 選択した 3 条 4 の活動間の階層構造及び土地区分の一貫した適用 ○森林管理及び新規植林/再植林にブロード定義が使われているため、3 条 3 項活動、3 条 4 項の活動はUNFCCC への報告様式に従った次のカテゴリーに準じている。 新規植林 /再植林: • 5.A.2.1. 農地から森林 • 5.A.2.2. 草地から森林 • 5.A.2.3. 湿地から森林 • 5.A.2.4. 住居地から森林 • 5.A.2.5. その他の土地から森林 森林減少: • 5.B.2.1. 森林から農地
• 5.C.2.1. 森林から草地 • 5.D.2.1. 森林から湿地 • 5.E.2.1. 森林から住居地 • 5.F.2.1. 森林からそのほかの土地 森林経営の排出/吸収影響: • 5.A.1. 転用のない森林 ○これらの活動データを導く方法論と排出因子はⅠ章の2.1、2.2 に記載した。 3 土地に関する情報 3.1 3条3項のための土地ユニットの面積を決定するための空間評価単位 ○GPG(IPCC2003)に従った報告方法 1 を選択している。ドイツ全土の面積が報告に含まれ ている。1990 年から 2002 年の間の西ドイツ及び 2002 年から 2007 年までのドイツ全土の、 森林と分類されている土地の面積は 森林インベントリから採っている。 1990 年から 2002 年までの旧東ドイツ領の面積は GSE/FM プロジェクト(GSE, 2009)で確 認され、2008 年のデータに関しては ATKIS データを参照している。 3.2 土地転用マトリックスの作成方法 ○旧ドイツの森林面積の決定と土地利用変化の算定方法は国家森林インベントリーに基づ き、新ドイツの土地面積の算定方法は環境安全保障地球モニタリングサービスエレメント により作成された地図に基づく。
京都議定書対象活動に着目した土地転用マトリクス 3 条 3 項の活動 3 条 4 項の活動 その他 今年度の 始まりに おける面 積合計 新規植 林およ び再植 林 森林減 少 森林経営 (選択し ている場 合) 農地 管理 (選 択し てい る場 合) 放牧 地管 理(選 択し てい る場 合) 植生 回復 (選 択し てい る場 合) (kha) 3 条 3 項 の 活 動 新規植林お よび再植林 357.84 NO 357.84 森林減少 138.65 138.65 3 条 4 項 の 活 動 森林経営 (選択して いる場合) 21.72 10,710.34 10,732.06 農地管理 (選択して いる場合) NA NA NA NA NA NA 放牧地管理 (選択して いる場合) NA NA NA NA NA NA 植生回復 (選択して いる場合) NA NA NA NA NA その他 64.26 13.72 0.00 0.00 0.00 0.00 24,473.10 24,551.08 今年度の終わ りにおける面 積合計 422.10 174.09 10,710.34 0.00 0.00 0.00 24,473.10 35,779.63 引用:KP-LULUCF Table NR2
4 活動別の情報 新規植林・再植林による吸収・排出量算定結果総括表 2008 Gg-CO2 Gg-C AR -2,615.20 713.24 地上バイオマス -1,603.20 437.24 地下バイオマス -507.43 138.39 枯死木 NO NO リター - 406.27 110.80 土壌 - 98.30 26.81 その他のガス CO2 +:排出、-:吸収 C +:吸収、-:排出
KP-LULUCF Table 5(KP-1)A.1.1.より作表
森林減少による吸収・排出量算定結果総括表 2008 Gg-CO2 Gg-C AR 16,393.32 -4,470.91 地上バイオマス 9,887.21 -2,696.51 地下バイオマス 2,417.80 -659.40 枯死木 422.07 -115.11 リター 3,413.83 -931.04 土壌 252.41 -68.84 その他のガス CO2 +:排出、-:吸収 C +:吸収、-:排出
森林経営による吸収・排出量算定結果総括表 2008 Gg-CO2 Gg-C AR -20,440.94 5,574.80 地上バイオマス -13,346.33 3,639.91 地下バイオマス -4,011.16 1,093.95 枯死木 -3,681.59 1,004.07 リター NO NO 土壌 598.14 -163.13 その他のガス CO2 +:排出、-:吸収 C +:吸収、-:排出 KP-LULUCF Table 5(KP-1)B.1.より作表 4.1 地上バイオマス、地下バイオマス 樹木の計測は旧西ドイツのみで実施された。というのも第一回目の森林インベントリはそ こでしか行われなかったためである。炭素蓄積は各土地利用ごとに計算され、最後に森林 減少分と合算される。旧東ドイツにおける蓄積の減少分を2 つのインベントリの差分から とるということはできないので、旧西ドイツのデータを参考に数値を推定している。森林 減少に伴うバイオマス蓄積は排出として推計される。 4.2 間接及び自然要因の分離(ファクタリングアウト) 間接的もしくは人為的でないGHG の排出、削減は考慮されていない。よってインベントリ にはそれらの情報は含まれていない。 5 京都議定書 3 条 3 の活動 5.1 90 年 1 月 1 日以降の人為的活動の判定 ○森林から他の土地利用への変化の確認のプロセスは、旧西ドイツにおいては1990 年から、 旧東ドイツにおいては1987 年からしかなされていない(用いている方法論の結果、現在の インベントリには旧東ドイツの1990 年以降の土地利用変化状況のみが含まれる)。 ○森林経営についてのブロードの定義と人為的影響を適用すると、景観美化計画が現存し 実施されればすでに直接的な影響があるとみなされることとなる。 ドイツは人口密度が高く、集中的に管理された国であり、実質的に景観管理及び森林経営
が全土に行き届いている。これらの管理経営計画が遵守されているかは連邦政府、各州政 府などの行政組織によって綿密にモニタリングされている。 よって、全ての森林から、もしくは森林への土地利用変化は人為的な活動に帰するといえ ることができる。 5.2 一時的なストック減少と森林減少を区別する方法 ドイツの森林(全てが管理森林)では下記のように大面積の土地を管理することが慣行とな っている(ドイツは法律で皆伐を禁止):自然発生的なrejuvenation(天然更新を有効活用)、 もしくは人工的なrejuvenation(植栽)を促して(両方を組み合わせることもある)、計画 的なrejuvenation が迅速に行われる。天災(風によって樹木が倒れる場合等)による被害が あった場合にも類似した対処方法がとられる。自然災害によう被害が大きい場合、州政府 によってrejuvenation/回復措置がとられる。森林の定義に管理された森林が含まれること で、一時的に森林ではない土地を制度上含めることが可能となる。 6 京都議定書 3 条4の活動 6.1 90 年 1 月 1 日以降の人為的活動の判定 森林地、土地利用の変化および、関連する活動による蓄積変化の調査には統一された手順 がとられるため、上記5.1 の記述が森林管理活動に準用される。 6.1.1 森林経営活動 ドイツでは、森林が適切に持続的な方法で管理されるように法律で定められている。木材 の供給源として、動植物種、土壌、天候、水源保全を果たすものとして、また公共のレク リエーション資源としての森林の機能を考慮に入れた経営、管理活動がなされる。そのた め、森林経営は、長期的に森林の様々な機能を保全するために、経済的、環境的、社会的 な利益の均衡を目指すことが必要とされる。 7 その他の情報 7.1 キーカテゴリー キーカテゴリーとして,GPG(IPCC,2003)の 5.4 章の方法論の特定に従って森林地(5.A)の CO2 排出/吸収の追加的な分析が行われた。以下の表がキーカテゴリー分析に関連する情報 をまとめた表である。
表Deu6 キーカテゴリー 森林地がさらに、転用のない森林と森林に転用された土地のサブカテゴリーに分類され た。 それらの選択におけるキーファクターは排出量割合と排出のトレンドである。 3 条 4 項で選択された活動(ドイツの場合は森林管理のみ )がこれらのサブカテゴリーと関連付 けられた。 7.2 京都議定書 6 条に関する情報 プロジェクトメカニズム法 (Projekt-Mechanismen-Gesetz; ProMechG)の第 5(1)条 1 項の 規定により、LULUCF 分野におけるいかなるプロジェクトもドイツ国内では承認されない。