文部科学省における
ライフサイエンス分野の取組について
平成29年6月
1.わが国の医療分野の研究開発等
の推進体制について
医療分野の研究開発等の新たな推進体制について
健康・医療戦略推進本部
文科省・厚労省・経産省
内閣府
所
管
府
省
日本医療研究開発機構
医療分野研究開発推進計画 中長期目標への意見 理事長・監事の人選への意見 予算の総合的な要求配分調整調整費による進度調整本部の意を受けて予算の集約と一体的な実行の実現
○研究費等のワンストップサービス化
• 研究支援と研究環境整備の一体的な実施(例えば、国際水準の臨床研究の実施環境の整備を研究支援と体制整 備の両面からサポート) • 研究費等の配分を受ける研究機関・研究者の事務負担の軽減○基礎から実用化までの一貫した研究管理
• 基礎から実用化までの切れ目のない研究支援の実現(知財戦略等についても基礎段階から総合的にサポート) • 基礎から実用化までの一貫した研究マネジメントの実現(研究段階に応じた専門的・技術的な助言、公正かつ 適正な研究の実施の確保等)【
本
部
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総
合
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営
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研究機関・研究者に対する研究費等の配分・管理 理事長・監事の任命・解任 中長期目標の提示 補助金・運営費交付金の交付2
医療分野の研究開発関連予算の推移
■ 健康・医療戦略推進本部の下で各省が連携し、医療分野の研究開発を政府一体で推進。
健康・医療戦略、医療分野研究開発推進計画の実現を図る。
※ 科学技術イノベーション創造推進費(500億円)のうち35%(175億円)を医療分野の研究開発関連の調整費として充当見込み。 (注)この他、平成28年度第2次補正予算にAMED対象経費として618億円(内550、厚58等)、インハウス研究機関経費として11億円(厚)を計上。25年度
26年度
27年度
28年度
29年度
日本医療研
究開発機構
対象経費
【下段:
調整費】
1,012億円
(文447、厚402、 経163)1,215億円
(文570、厚476、 経169)1,248億円
(文598、厚474、 経177)1,265億円
(文599、厚478、 経185 等)1,265億円
(文603、厚475、 経183 等)―
175億円
175億円
175億円
175億円
インハウス研
究機関経費
713億円
(文155、厚476、 経81)740億円
(文200、厚455、 経85)723億円
(文211、厚429、 経84)734億円
(文214、厚430、 経90)777億円
(文253、厚435、 経88) ※ 29年度 (対28年度) 増▲減額 増▲減率+0.1
億円+0.0
%―
―
+43
億円+5.8
% ※ ※ ※3
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制
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③革新的医療技術創出拠点プロジェクト
(基礎と臨床の連携強化による医薬品開発等の体制整備)②オールジャパンでの医療機器開発プロジェクト
(医療・介護機器の開発促進によるQOLの向上)⑤疾病克服に向けたゲノム医療実現プロジェクト
(個人の特性を考慮したきめ細かい医療の実現)①オールジャパンでの医薬品創出プロジェクト
(革新的医薬品・希少疾病用医薬品などの開発促進によるQOLの向上)【
横
断
型
統
合
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ト
】
がん
脳とこころ
感染症
難病
医薬品・医療機器
開発への取組
臨床研究・治験への取組
早 期 診 断 ・ 新 た な 治 療 法 ( 免 疫 療 法 ) 等 を 通 じ た 生 存 率 の 向 上 精 神 ・ 神 経 疾 患 対 策 等 に よ る 健 康 寿 命 の 拡 大 治 療 ・ 診 断 薬 、 ワ ク チ ン 開 発 等 を 通 じ た 感 染 症 対 策 の 推 進 難 病 の 病 因 ・ 病 態 の 解 明 、 画 期 的 な 診 断 ・ 治 療 法 の 開 発 の 推 進 に よ る Q O L の 向 上④再生医療実現プロジェクト
(iPS細胞・ES細胞等の利活用促進を通じた疾患対応への貢献)世界最先端医療の
実現に向けた取組
【横断型事業】
(ICT関連研究基盤構築・研究開発(※)、革新的先端研究開発、産学官連携に よる研究開発・研究基盤整備、生物資源等の整備、国際展開 他)横断型統合プロジェクト(①~
⑤)・事業
と
疾患領域対応型統合プロジェ
クト(⑥~⑨)・事業
を連携させ
て推進し、
AMED全事業で目的を達成。
成果目標(KPI)を設定し、1人のPDの下で複数の事業を統合的に推進する必要があるものを「統合プロジェクト(①~⑨)」としている。 ※ 健康・医療戦略推進本部の下の次世代医療ICT基盤協議会での具体的検討等を踏まえる。【疾患領域対応型統合プロジェクト】
AMED事業について
4
文部科学省における医療分野の研究開発の推進
【精神・神経疾患】 脳神経回路の機能解明に向けた研究開発等を進めるとともに、国際連携 も視野に入れた革新的診断・予防・治療法の確立や、行動選択・環境適応 を支える脳機能原理の解明に向けた取組を推進。 ○健康・医療戦略(平成26年7月22日閣議決定)等に基づき、iPS細胞研究等による世界最先端の医療の実現や、疾患の克服に向けた 取組を強力に推進するとともに、産業応用及び臨床応用・治験へとつなげる取組を実施。 ○日本医療研究開発機構(AMED)における基礎から実用化までの一貫した研究開発を関係府省と連携し強力に推進するため、 特に文部科学省においては、大学・研究機関等を中心とした医療分野の基礎的な研究開発を推進する。概 要
世界最先端の医療の実現
【再生医療】 京都大学iPS細胞研究所を中核拠点とした研究機関の連携 体制を構築し、厚生労働省及び経済産業省との連携の下、 iPS細胞等を用いた革新的な再生医療・創薬をいち早く実現 するための研究開発を推進。 ○再生医療実現拠点ネットワークプログラム 90億円(90億円) ○脳科学研究戦略推進プログラム・脳機能ネットワークの全容解明 プロジェクト 58億円(58億円)疾病領域ごとの取組
【ゲノム医療】 既存のバイオバンク等を研究基盤・連携のハブとして再構築すると ともに、その研究基盤を利活用した目標設定型の先端研究開発を 一体的に実施。 ○東北メディカル・メガバンク計画(健常者コホート) 30億円(26億円) うち、復興特別会計 16億円(12億円) ※コホート研究:疫学調査臨床研究・治験への取組
その他の重点プロジェクト等
【感染症】 アジア・アフリカの海外研究拠点を活用した感染症の疫学研究や、創薬 シーズの標的探索研究、BSL4施設を中核とした感染症研究拠点に対する 研究支援及びそれを支える研究者の育成等を行う。 ○感染症研究革新イニシアティブ 7億円(新規) 【医薬品・医療機器、基礎研究や基盤整備、国際的な取組等】 医薬品創出・医療機器開発、医療分野の先端的な基礎研究、 バイオリソースの整備、国際共同研究、産学連携の取組等を推進 【老化メカニズムの解明・制御に向けた取組】 老化メカニズムの解明・制御を目指す基礎研究や疾患への 応用・研究基盤の整備等を推進。 実用化 基礎研究 切れ目のない実用化支援 基礎 研究 応用研究 臨床試験 (治験) 審査 ・承認 保険 適用 【橋渡し研究】 アカデミア等における革新的な基礎研究の 成果を臨床研究・実用化へ効率的に橋渡しが できる体制を我が国全体で構築し、革新的な 医薬品・医療機器等をより多く持続的に創出 することを目指す。 ○橋渡し研究戦略的推進プログラム 43億円(60億円) 【がん】 がんの生物学的な本態解明に迫る研究等を推進して、画期的な治療法 や診断法の実用化に向けた研究を推進。 ○老化メカニズムの解明・制御プロジェクト 13億円(新規) 平成29年度予算額 :82,934百万円 (平成28年度予算額 :82,607百万円) ※復興特別会計に別途 1,593百万円(1,218百万円)計上 ※運営費交付金中の推計額を含む ※この他、理化学研究所や量子科学技術研究開発機構等において、ライフサイエンスによるイノベーション創出に向けた研究開発を推進。 ※日本医療研究開発機構に係る経費:総額603億円(前年度599億円、4億円増)6
A A A 発生原理の解明に基づく 組織再生の基盤技術の開発等 「創薬支援ネットワーク」を強化に向けた新たな研究支援テーマ の推進、創薬分子設計技術等の基盤技術の開発等 疾患の発症メカニズム・予防法の解明、 個別化医療のための基盤技術の開発 ・理化学研究所においては、第3期中期計画期間(2013~2017年度)において、ライフイノベーションの実現に向けた取組みを推進中。 ・これまでの取組みで培われたポテンシャルを活かし、「健康・医療戦略」に位置付けられた国家的・社会的ニーズの高い取組みを支えるた めの基礎・基盤研究として「健康・医療フロンティアプロジェクト」を推進。 ・従来の取組みや理研の総合力を発揮する分野横断的先端研究を着実に推進・拡充し、健康・長寿社会の実現に貢献。 【背景(理研のポテンシャル)】 ○我が国で最大規模かつ最高水準にある、自然科学全般に関する総合的研究機関。 ○SPring-8、SACLA、「京」等の世界最先端の研究インフラを所有し、幅広く利用機会を提供。 等 こ れ ま で の 取 組 み
再生医療に向けた
基盤研究の推進
創薬支援ネットワークの強化
疾患克服に向けた
研究の推進
29 年 度 か ら の 取 組 み 【政策的位置づけ】 医療分野研究開発推進計画(p.33) ○理化学研究所などの研究開発法人においてこれまでの多用な研究で培われたポテンシャルを生かし、革新的シーズの創出等に貢献する 基礎・基盤研究を実施する。 平成29年度予算額 :14,265百万円 (平成28年度予算額 :12,876百万円) 1細胞から分子・個体レベルまで統合的に理解する強い生命科学研究の推進と創薬基盤の構築(FY27より開始) 細胞の複雑な振る舞い、発生や免疫等の生命の動的性質を1細胞レベルで解明し、次世代の革新的シーズ・創薬基盤創出に貢献 生命機能の本質的な理解に向けた後天的なゲノム修飾制御機構の解明(FY27より開始) 生活習慣等の環境要因によるDNAの後天的な化学修飾等(エピジェネティクス)が生命機能に及ぼす影響の解明等 ●FY28: 総合力を活かしたアプローチにより、理研全体で新たに「老化」の解明に向けた横断的基礎研究に着手 ●FY29: ・慶応大学と連携した百寿者(100歳以上の高齢者)の血液サンプルのオミックス解析、老齢マウスの飼育・解析等ライフサイエンスの横断的取組みによる超高齢社会課題解決への貢献
(FY28より開始→FY29拡充) 創薬に貢献する疾患特異的iPS細胞バンクの高度化、疾患特異的iPS細胞を活用した大規模表現型解析系の構築疾患特異的iPS細胞創薬基盤の構築
(FY29より開始予定) 健康・医療及びライフサイエンス分野における産学官が結集したビッグデータ利活用プラットフォームの構築、データサイエンティストの育成健康・医療及びライフサイエンス統合型プラットフォーム
(FY29より開始予定) 国立研究開発法人理化学研究所健康・医療フロンティアプロジェクト事業
7
これまで放医研が取り組んできた分子イ メージング技術を用いた疾患診断研究に ついて、原子力機構から移管・統合され た荷電粒子、光量子等の量子ビーム技 術等を融合し、精神・神経疾患における 定量的診断の実現など、国際競争力の 高い将来の医療産業を担う研究開発を 行う。
(1) 光・量子イメージング技術
を用いた疾患診断研究
新たながん治療薬の開発 (内用療法) 放射線 腫瘍細胞 抗体 RI(放射性同位体) 原発がん 転移がん 転 移 局所制御 全身治療 HIMAC 重粒子線がん治療の改良・高度化(HIMAC)分子イメージングによる精神・神経疾患やがんの病態解明・診断・治療等の研究開発を行う。また、重粒子線がん
治療について、国民医療への普及・定着のため、保険収載に向けた取組みを重点的に進める。
重粒子線を用いたがん治療は局所治 療であるが、多発病変・微小転移がんに も有効な放射線治療として、これまで放 医研が取り組んできた分子イメージング技 術を治療に応用し、副作用の少ないがん 治療用の新規放射性薬剤を開発する。 保険収載に向けた取組として、重粒子 線がん治療を実施している他機関と連携 し、治療の再現性・信頼性の確保のため の比較研究を行い、治療の標準化を進 めるとともに、質の高い臨床研究を実施す る能力を有する機関と連携し、既存治療 法との比較研究を行い、重粒子線がん治 療の優位性を示すほか、原子力機構から 移管・統合された技術等を活用し、照射 法の改善等治療装置の性能の向上に向 けた取組など、普及・定着に向けた研究 開発を行う。 認知症やうつ病の新たな診断法の確立 (小型普及型頭部専用インサートPET)(2) 放射性薬剤を用いた
次世代がん治療研究
(3) 重粒子線を用いた
がん治療研究
概 要
平成29年度予算額 : 9,707百万円) (平成28年度予算額 : 7,033百万円) ※運営費交付金中の推計額 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線の革新的医学利用等のための研究開発
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我が国におけるライフサイエンス研究の成果が、広く研究者コミュニティに共有かつ活用されることにより、基礎研究や産業応用研究につな がる研究開発を含むライフサイエンス研究全体が活性化されることを目的として、国が示す方針の下、科学技術振興機構バイオサイエンス データベースセンター(JST/NBDC)が、様々な研究機関によって作成されるライフサイエンス分野データベースの統合に向けた、戦略の 立案、 ポータルサイトの構築・運用及び統合化に必要な研究開発を推進する。 (参考)政府方針等における位置付け: 「統合データベースタスクフォース報告書」(H21.5.27 総合科学技術会議ライフサイエンスPT) ・我が国のライフサイエンス分野のデータベース統合にかかる実務や研究開発の中核機能を担うものとして「統合データベースセンター」を整備 ・産出されたデータを利用者の視点に立って統合化し、効率よく研究者、産業界、さらには国民に還元していく、統合データベースの構築が必要 ・高度な専門性を備えた人材の継続的な育成や、大学、各独立行政法人研究機関等、産業界とも連携したキャリアパスの構築を進めていくべき