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アジアの大都市制度と経済成長に関する検討委員会(参考資料)

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(1)

アジアの大都市制度と経済成長に関する検討委員会

(参考資料)

2012年6月7日

アジア調査部主任研究員

酒向浩二

(2)

○アジア大都市(首都級)の行政単位は、「特別市」や「直轄市」で、香港は1国2制度の下で国家級の自治権を有する ○大都市が国内外のインターフェースとして機能(大型空港やメインボード証券取引所を有する物流・金融ハブ)し、 後背地に大規模な工業地帯や学園都市が控える姿が一般的 ○中国は、広大な国土を反映して都市の規模も巨大(上海市の面積は東京都の約3倍、常住人口は約2倍)、 その他の国・地域は東京と同等以下

はじめに、アジア大都市の概況

【 アジア大都市の概況 】 (資料)各種資料をベースにみずほ総合研究所作成 東京 ソウル 上海 台北 香港 シンガポール 行政単位 都 特別市 直轄市 直轄市 特別行政区 国 後背地 神奈川・埼玉・千葉 京畿道 浙江省・江蘇省 新北市(旧台北県) 広東省 ジョホール(マレーシ ア)・バタム(インドネシ ア) 面積 2,189 平方キロメートル 605平方キロメートル 6,341平方キロメートル 272平方キロメートル 1,104平方キロメートル 707平方キロメートル 人口 1,392万人(2012年) 979万人(2010年) 1,412万人(戸籍人口 2010年) 2,303万人(常住人口 2011年) 265万人(2011年) 707万人(2010年) 508万人(2010年) GDP 国連を基にPrice Water Coopers試算 PPPベース 2025年 19,810億ドル 4,310億ドル 6,920億ドル - 5,060億ドル - GDP 国連を基にPrice Water Coopers試算 PPPベース 2008年 14,790億ドル 2,910億ドル 2,330億ドル - 3,200億ドル 2,150億ドル 証券取引所 〇 〇 〇 〇 〇 〇 空港 羽田・成田 金浦・仁川 虹橋・浦東 松山・桃園 チェクラップコク チャンギ Price Warer Coopers

「Cities of Opportunity」 2011ランキング 14位 16位 19位 調査対象外 10位 9位 Z/Yen Group「Global Financial Centers Index」2012/3ランキン グ 5位 9位 8位 27位 3位 4位 森記念財団都市戦略研 究所「Global Power City Index」2011 研究者 ランキング 2位 6位 25位 26位 10位 7位 森記念財団都市戦略研 究所「Global Power City Index」2011 経営 者ランキング 8位 13位 7位 20位 3位 2位

(3)

【 PPPベース名目GDPの都市別ランキング 2008年および2025年 】

1.東京は今後もGDP世界最大の座を維持するが、中印都市の台頭で相対的な地位は低下

(註)都市の定義は国連基準、アジアに網掛

(資料)国連統計を基にしたPrice Waterhouse Coopers試算をベースにみずほ総合研究所作成

○東京は、GDP(PPPベース)で世界1の 座を長期に亘って維持する見込み (2008年→2025年世界1位) ○香港(16位→14位)、ソウル(21位 →22位)も、現在のポジションを概ね維 持する見込み ○一方で、相対的な高成長と共に中国 (上海(25位→9位)、北京(圏外→17 位)、広州(圏外→21位))とインド(ムン バイ(29位→11位)、デリー(圏外→19 位))の大都市が急速に台頭する見込 み

Rank in 2008 Cities ranked by estimated 2008 GDP at

PPPs

Est. GDP in 2008 ($bn at PPPs)

Rank in 2025 Cities ranked by projected 2025 GDP at PPPs Est. GDP in 2025($bn at 2008 PPPs) Real GDP growth rate (% pa: 2009-2025) 1 Tokyo 1,479 1 Tokyo 1,981 1.70% 2 New York 1,406 2 New York 1,915 1.80% 3 Los Angeles 792 3 Los Angeles 1,036 1.60% 4 Chicago 574 4 London 821 2.20% 5 London 565 5 Chicago 817 2.10% 6 Paris 564 6 Sao Paulo 782 4.20% 7 Osaka/Kobe 417 7 Mexico City 745 3.90% 8 Mexico City 390 8 Paris 741 1.60% 9 Philadelphia 388 9 Shanghai 692 6.60% 10 Sao Paulo 388 10 Buenos Aires 651 3.50% 11 Washington DC 375 11 Mumbai (Bombay) 594 6.30% 12 Boston 363 12 Moscow 546 3.20% 13 Buenos Aires 362 13 Philadelphia 518 1.70% 14 Dallas/Fort Worth 338 14 Hong Kong 506 2.70% 15 Moscow 321 15 Washington DC 504 1.80% 16 Hong Kong 320 16 Osaka/Kobe 500 1.10% 17 Atlanta 304 17 Beijing 499 6.70% 18 San Francisco/Oakland 301 18 Boston 488 1.80% 19 Houston 297 19 Delhi 482 6.40% 20 Miami 292 20 Dallas/Fort Worth 454 1.80% 21 Seoul 291 21 Guangzhou 438 6.80% 22 Toronto 253 22 Seoul 431 2.30% 23 Detroit 253 23 Atlanta 412 1.80% 24 Seattle 235 24 Rio de Janeiro 407 4.20% 25 Shanghai 233 25 San Francisco/Oakland 406 1.80% 26 Madrid 230 26 Houston 400 1.80% 27 Singapore 215 27 Miami 390 1.70% 28 Sydney 213 28 Istanbul 367 4.20% 29 Mumbai (Bombay) 209 29 Toronto 352 2.00% 30 Rio de Janeiro 201 30 Cairo 330 5.00%

(4)

○東京は、「知的資本・イノベーション」、「交通・インフラ」、「ライフスタイル関連資産」 、「環境・衛生」では高評価 ○一方で、「資金力」、「ビジネスのし易さ」、「ビジネスコスト」、「居住快適性」などでは、シンガポール・香港に見劣り ○さらに、テクノロジー水準ではソウルよりも低評価、再生可能エネルギー利用では中印よりも低評価

2.東京はアジア大都市に比べて、「知的資本・インフラ」は強く「資金力・ビジネスし易さ」は劣後

【 10項目でみた世界都市ランキング(26都市中)における東京の得点 】

(資料) Price Waterhouse Coopers 「Cities of Opportunity」2011 総合ラン キング 知的資 本・イノ ベーショ ン テクノロ ジーの水 準(含む IT活用) 交通・イン フラ 環境・衛 生 持続可能 性(含む 再生可能 エネル ギー利 資金力 ビジネス のし易さ コスト(含 む法人 税) 人口構 成・居住 快適性 ライフスタ イル関連 資産 総合得点 1 参考:ニューヨーク 174 90 158 93 49 163 178 77 97 147 1,226 6 参考:ロンドン 162 68 149 90 52 170 166 59 83 123 1,122 9 シンガポール 119 78 126 97 52 140 188 64 113 90 1,067 10 香港 118 77 149 66 47 149 191 60 107 97 1,061 14 東京 168 74 152 91 45 114 140 45 81 103 1,013 16 ソウル 130 89 145 58 56 89 119 57 83 56 882 17 北京 77 45 133 37 47 114 76 39 78 83 729 19 上海 83 47 127 37 54 119 54 41 49 86 697 26 ムンバイ 41 18 80 25 71 88 61 29 49 30 492 アジア1位 アジア2位

(5)

○東京は、研究者からは、以下の点が高く評価されている ①質の高い研究機関・研究者・指導者の存在 ②研究機関や研究者の集積 ③研究活動における発想や思考に対して刺激となる空間・機 会の存在 ④受け入れ態勢(研究費助成や生活費補助など) ⑤自らの研究分野における就業機会 ⑥日常生活の環境(住みやすさ) ○東京は、経営者にとっては、以下の点で改善余地がある ①企業や商取引の一定以上の集積

②ビジネスの成長性

③ビジネスの容易性

④ビジネス環境

⑤人材プール(人材の豊富さ)

⑥関連サポート産業の集積 ⑦家族及び従業員にとっての良好な環境

⑧政治・経済・災害リスク

3.東京はアジア大都市に比べて、研究者の評価は高いも経営者の評価には改善余地あり

【 アクター別世界都市ランキング 】 (注)アジアに網掛

(資料)財団法人森記念財団 都市戦略研究所「Global Power City Index」2011

ランキング 研究者 経営者 1 ニューヨーク ロンドン 2 東京 シンガポール 3 ロンドン 香港 4 パリ ニューヨーク 5 ボストン 北京 6 ソウル パリ 7 シンガポール 上海 8 ロサンゼルス 東京 9 サンフランシスコ チューリッヒ 10 香港 ジュネーブ 11 シドニー アムステルダム 12 シカゴ コペンハーゲン 13 ベルリン ソウル 14 バンクーバー バンクーバー 15 大阪 ウィーン 16 アムステルダム ベルリン 17 チューリッヒ フランクフルト 18 ジュネーブ シドニー 19 北京 トロント 20 ウィーン 台北 21 コペンハーゲン クアラルンプール 22 トロント マドリード 23 ブラッセル ボストン 24 モスクワ ブラッセル 25 上海 大阪 26 台北 サンフランシスコ 27 フランクフルト サンパウロ 28 ミラノ ロスアンゼルス 29 マドリッド シカゴ 30 福岡 福岡 31 サンパウロ バンコック 32 バンコック ミラノ 33 クアラルンプール モスクワ 34 ムンバイ カイロ 35 カイロ ムンバイ

(6)

○アジア金融センターとしての東京は、香港、シンガポールに次ぐランキングに甘んじ、上海と5~6位を争う状況 ○さらに、近年は、ソウルの台頭が著しい(韓国企業(サムスン電子、LG電子、現代自動車など)の好調な業績を受 けたものと推測される、 ○近年は、日本国内よりもアジアにおける上場を目指すケースも

4.アジア金融センターの地位は、香港・シンガポールに劣後し、上海・ソウルに追われる立場

【 グローバル金融センターランキング 】

(資料)Z/Yen Group 「Global Financial Centers Index」 0 5 10 15 20 25 30 35 40 2009年9月 2010年3月 2010年9月 2011年3月 2011年9月 2012年3月 ロンドン ニューヨーク 香港 シンガポール 東京 上海 ソウル 台北 (順位)

(7)

○中国(上海)は、成長率を緩やかに落としつつも内需拡大を目指すことによって相対的高成長を維持 ○NIES(韓国(ソウルはデータ未公表)、台湾(台北はデータ未公表)、香港、シンガポール)の成長率は、輸出依存度が 高いために世界経済の動向にほぼ連動するも、世界経済を下回る傾向はみられず ○日本(東京)の成長率は、世界経済の連動した動き、かつNIESよりも低成長にとどまる

5.日本(大都市)の景気浮揚のためには、アジア(大都市)の成長を取り込むことが不可欠

【 アジア諸国(地域)および大都市の実質GDP成長率 】 (注)日本・東京は年度ベース (資料)CEIC、IMF、東京都 -10 -5 0 5 10 15 20 2005 06 07 08 09 10 11

韓国

台湾

香港

シンガポール

中国

(上海)

世界

日本

(東京)

(年) (%)

(8)

○東京は、アジア(大都市)の成長を日本に取り込むために、インターフェースとしての機能拡充が求められる →羽田国際化・成田LCCハブ化・証券取引所の提携などのさらなる強化が不可欠 ○東京は、 「知的資本・イノベーション」、「交通・インフラ」、「ライフスタイル関連資産」 、「環境・衛生」では高評価、 技術開発力はまだ世界的に高く評価されているのが実情 →この強みを活かす(アジアの研究開発ハブになることを目指す) ○一方で、シンガポール・香港は、東京が競争力を落としている 「資金力」、「ビジネスのし易さ」、「ビジネスコスト」 に強みを持ち、上海・ソウルも追い上げてきているのは確か →この弱みを改善(所謂6重苦是正により、外資系企業誘致の強化を目指す) ○なお、中央(国)と地方(大都市)の関係をアジア諸国・地域でみると、 内需規模が限定的なNIESにおいては中央と地方がベクトルを合わせて一極集中を加速させており、 広大な国土と人口を抱える中国では、複数のブロック毎に、中核都市が形成されている (華北(北京)・華東(上 海)・華南(広州)・中部(武漢)・西部(重慶)、各ブロックの人口は1~2億人) →アジア諸国・地域の例に倣えば、首都機能を強化することで、アジアとの競争に勝ち抜くという選択肢がある

考察1 アジア大都市との競争を勝ち抜くために(東京・首都強化のケース)

(9)

○日本の中でも、とりわけ九州はアジアに近い。ソウルまでは500km、上海までは東京までとほぼ同じく900km →九州が地の利を十分に活かせば、アジアの成長をより取り込める可能性あり ○九州を地理的条件が似る台湾と比較すると、GDPはほぼ同規模ながら、九州の輸出額は台湾の約3分の1にと どまる。九州は国内経済への依存度が高く、台湾に比べるとグローバル化に後れ →九州が、独自にグローバル化を進めることができれば、外需拡大による成長余地は大きい (なお、為替レートや通商政策は国単位で決まる事項である点には留意)

考察2 脱東京でアジアの活力を取り込む(九州・地方分権強化のケース)

福岡 2,000km 1,000k m 500km ソウル 東京 上海 香港 台北 【 アジア大都市の中心に位置する福岡市 】 (資料)フリーマップhttp://www.freemap.jp/をベースにみずほ総合研究所作成 【 九州と台湾の経済力(2010年) 】 九州 台湾 名目GDP 約3,900億ドル 約4,200億ドル 人口 1,326万人 2,316万人 輸出額   858億ドル 2,746億ドル 外資系企業進出数 約100社 約25,000社 (資料)久留米大学 永池克明教授資料をベースにみずほ総合研究所作成

(10)

本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の勧誘を目的としたものではあり ません。本資料は、弊社が信頼に足り且つ正確であると判断した情報に基づき作成されております が、弊社はその正確性・確実性を保証するものではありません。本資料のご利用に際しては、ご自 身の判断にてなされますようお願い申し上げます。

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