使用上の注意等は,本文5∼10頁及び製品添付文書をご参照ください. 禁 忌(次の患者には投与しないこと) (1)本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏 症の既往歴のある患者 (2)消化 性 潰 瘍 のある患者[プロスタグランジン 生合成抑制作用により,胃の血流量が減少し, 消化性潰瘍を悪化させることがある.(ただし, 「1.慎重投与」の項参照)] (3)出血傾向のある患者[ 血小板機能異常が起こ ることがあるため,出血傾向を助長するおそ れがある.] (4)アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等 による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある 患者[重篤なアスピリン喘息発作を誘発させる ことがある.] (5)出産予定日12 週以内の妊婦[「6.妊婦,産婦, 授乳婦等 へ の投与」の項参照] (6)低出生体重児,新生児又は乳児[「7. 小児等へ の投与」の項参照]
製 品 情 報 概 要
2009年12月作成 日本標準商品分類番号873399目 次
■開発の経緯 ■特徴 ■製品概要 禁忌 1.組成・性状 2.効能・効果 3.用法・用量 4.使用上の注意 ■臨床成績 1.臨床効果 1)血栓・塞栓形成の抑制:ATTによるメタアナリシス 2)川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む) 2.副作用 1)副作用発現状況 2)抗血小板薬としての副作用発現状況 ①副作用の発現状況 ②消化管症状の推移 3)川崎病治療薬としての副作用発現状況 3.臨床薬理 1)抗血小板作用 2)アスピリン腸溶錠と素錠の抗血小板作用の時間的推移 3)反復投与による抗血小板作用 4)川崎病患者における抗血小板作用 5)粉砕又はかみ砕いて服用時の抗血小板作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・・11 ・・・・・・・・・・・・・13 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・17 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 ・・・19 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・・・22 ■薬物動態 1.血中濃度 1)単回投与時 2)反復投与時 3)食事の影響 2.分布 3.代謝 4.排泄 ■非臨床試験 1.薬効薬理 1)抗血小板作用 ①シクロオキシゲナーゼ阻害作用 ②トロンボキサンA2合成阻害作用の選択性 2)解熱・抗炎症作用 2.毒性試験 1)単回投与毒性 2)反復投与毒性 3)生殖発生毒性 ■製剤学的事項 製剤の安定性 1)「PTP包装」及び「バラ包装」中での安定性 2)開封後の安定性 参考:識別コード印刷部分における安定性 粉砕後の安定性 ■その他 取扱い上の注意 包装 薬価収載 製造販売業者の名称および住所 関連情報 ■主要文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 ・・・・・・・・・・・・29 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35開発の経緯
開 発 の 経 緯
アスピリンはドイツ・バイエル社が1897年に開発して以来,すでに100年以上の長きにわたって,世界で繁 用されている非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤である.また1967年,Weiss, H.J.ら1)によりアスピリンが血 小板凝集抑制作用を有することが見出されて以来,アスピリンの抗血小板剤としての有用性は,多数の大規 模臨床試験によって証明され,虚血性心疾患,脳血管障害をはじめとする動脈硬化性疾患における血栓塞栓 形成抑制の目的に使用されてきた.1998年には,米国食品医薬品局(FDA)がアスピリン製剤(一般用医薬 品)全体について,これら動脈硬化性疾患における血栓塞栓形成抑制の目的の適応を追認するなど,現在では 世界各国で抗血小板剤としての適応が認められている. 本邦においても,抗血小板剤としてのアスピリンの承認の要望は次第に高まり,日本脳卒中学会,日本循環器 学会から厚生省に対して要望書が提出された.バイエル薬品は,平成11年2月1日付厚生省医薬審第104号 通知「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて」の適用条件※に本剤が該当すると判断し,虚血性 心疾患,脳血管障害に対する臨床試験成績2∼36)等, 国内外の既存文献を収集して申請資料を提出,承認に 至った. 一方,川崎病に対しては,本邦の医療機関における臨床試験,厚生省川崎病研究班による無作為化比較試験 等によって臨床的に有効かつ安全な治療法であることが実証されていることから,バイエル薬品は,本剤発売 後,当該効能についても上記通知の適用条件に該当すると判断し,臨床試験成績37∼53)等,国内外の既存文 献を収集して川崎病を本剤の追加効能として一部変更承認申請を行った.申請後,当該効能追加に関しては 日本小児循環器学会から厚生労働省に対して要望書が出され,2005年10月31日付で承認に至った.本 製 品 情 報 概 要 の 記 載 内 容につ い ての 留 意 点
虚血性心疾患・脳血管障害に関連した効能・効果に対する本剤の承認申請に用いられた試験のほとんどは海 外で実施されたものであり,また本剤と異なる剤形・用量の試験成績が含まれているが,いずれも本剤の承認 の際に審査資料とされたものである(本剤承認後に発表されたAntithrombotic Trialists' Collaboration によるメタアナリシス54)を除く). また,川崎病の承認申請に用いられた試験では,本剤と異なる剤形・用量の試験成績が含まれているが,いず れも本剤の承認の際に審査資料とされたものである. ※厚生省医薬審第104号通知の適用条件 適応外使用について関係学会等から要望があり,医政局研究開発振興課より効能追加について検討するよう要請があった場合には,臨床 試験等の実施及びその試験成績等に基づく必要な効能追加の申請を考慮することとなるが,以下のケースでは効能追加の申請に際して 臨床試験の全部又は一部が省略できることがある. ①外国において,既に当該効能又は効果等により承認され,医療における相当の使用実績があり,その審査当局に対する承認申請に添 付されている資料が入手できる場合. ②外国において,既に当該効能又は効果等により承認され,医療における相当の使用実績があり,国際的に信頼できる学術雑誌に掲載 された科学的根拠となり得る論文,又は国際機関で評価された総説等がある場合 ③公的な研究事業の委託研究等により実施されるなどその実施に係る倫理性,科学性及び信頼性が確認し得る臨床試験の試験成績が ある場合特 徴
特徴
1.
抗血小板剤として承認されたアスピリン製剤です.
川崎病の効能も追加されました
注1).
2.
本剤は,腸溶錠です.
●アスピリン特有の有害事象(胃障害・十二指腸障害,胃出血など)を軽減させるため, 腸溶錠を採用しました. ●アスピリン腸溶錠は, 抗血小板剤として用いられるアスピリンとして 本邦のみならず,欧米でも繁用されている剤形です.3.
飲みやすい小さな錠剤です.
4.
調剤・服薬時の利便性を考慮しました.
●製剤の安定性が高く(吸湿性が低く),分包使用が可能です. ●急性期に粉砕又はかみ砕き服用が可能です注2, 3). ●バラ包装,ウイークリーシートなどの包装を準備しています. PTP包装 500錠(10錠×50),700錠(14錠×50),1,000錠(10錠×100) バラ包装 500錠5.
本剤の副作用発現率は2.67%でした.
[市販後調査:ドイツ・バイエル社]
(73/2,739例)
●副作用の器官別分類の内訳では,消化器障害(胃炎,消化管出血,潰瘍など)が最も多く 2.63%でした.6.
重大な副作用(頻度不明)として,
ショック, アナフィラキシー様症状,出血,
皮膚粘膜眼症候群
(Stevens-Johnson症候群)
,
中毒性表皮壊死症
(Lyell症候群)
, 剥脱性皮膚炎,
再生不良性貧血,血小板減少,白血球減少,喘息発作,
肝機能障害,黄疸,消化性潰瘍,小腸・大腸潰瘍が
報告されています.
祿
「効能・効果」「用法・用量」「禁忌を含む使用上の注意」「用法・用量に関連する使用上の注意」については5∼10頁 「副作用」については14∼17頁をご参照ください.特 徴
注1)承認効能・効果
●下記疾患における血栓・塞栓形成の抑制 狭心症(慢性安定狭心症, 不安定狭心症) 心筋梗塞 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞) ●冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後 における血栓・塞栓形成の抑制 ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)注2 )用法・用量に関連する使用上の注意[ 抜粋 ]
(1)急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療において,抗血小板作用の 発現を急ぐ場合には,初回投与時には, 本剤をすりつぶしたり, かみ砕いて服 用すること.注3)適用上の注意〔抜粋〕
(1)服用時: 1)本剤は腸溶錠であるので,急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治 療に用いる場合以外は,割ったり,砕いたり,すりつぶしたりしないで,そ のままかまずに服用させること.■
禁 忌
(次の患者には投与しないこと) (1)本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者 (2)消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により,胃の血流量が減少し,消化性潰瘍を 悪化させることがある.(ただし,「1.慎重投与」の項参照)] (3)出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため,出血傾向を助長するおそれがある.] (4)アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤 なアスピリン喘息発作を誘発させることがある.] (5)出産予定日12週以内の妊婦[「6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照] (6)低出生体重児,新生児又は乳児[「7.小児等への投与」の項参照]製品概要
禁忌を含む使用上の注意の改訂につきましては十分ご留意ください .
販売名 成分・含量 添加物 色・剤形 外 形 (識別コード) 直径 (mm) 厚さ (mm) 重さ (mg) 白色の腸溶錠(フィルムコート錠) 7.3 3.2 137.0 ■有効成分に関する理化学的知見 構造式: 一般名:アスピリン (Aspirin) 化学名:2-acetoxybenzoic acid 分子式:C9H8O4 分子量:180.16 融 点:約136℃ 性 状:本 品は白 色 の 結 晶,粒 又は粉 末で, においはなく,わずかに酸味がある. 本品はエタノール(95)又はアセトン に溶けやすく,ジエチルエーテルに やや溶けやすく,水に溶けにくい. 本 品 は 水 酸 化 ナトリウム 試 液 又 は 炭酸ナトリウム試液に溶ける. 本 品 は湿った 空 気 中で 徐 々に加 水 分解してサリチル酸及び酢酸になる.O
CO
2H
CH
3O
[**2008年8月改訂(第8版),*2006年4月改訂]1 . 組成・性状
粉 末セルロース,トウモロコシデン プン,メタクリル 酸コポリマ ー L D, ラウリル 硫 酸 ナトリウム,ポリソル ベート80,タルク,クエン酸トリエチル バイアスピリン錠100mg 1錠中,日局アスピリン100mg含有製品概要
用法・用量に関連する使用上の注意 (1)急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初 期 治 療において,抗 血 小 板 作 用 の 発 現を 急ぐ場合には,初回投与時には本剤をすり つぶしたり,かみ砕いて服用すること.[「臨 床成績1.臨床薬理」の項参照] (2)心筋梗塞患者及び経皮経管冠動脈形成術 (PTCA)施行患者の初期治療においては, 常用量の数倍を投与することが望ましい. (3)原則として川崎病の診断がつき次第,投与 を開始することが望ましい. (4)川崎病では発症後数ヵ月間,血小板凝集能 が亢進しているので,川崎病の回復期にお いて,本剤を発症後2∼3ヵ月間投与し,そ の後断層心エコー図等の冠動脈検査で冠 動脈障害が認められない場合には,本剤の 投与を中止すること.冠動脈瘤を形成した 症例では,冠動脈瘤の退縮が確認される時 期 まで 投 与 を 継 続 す ることが 望 まし い. (5)川崎病の治療において,低用量では十分な 血小板機能の抑制が認められない場合も あるため,適宜,血小板凝集能の測定等を 考慮すること.3 . 用法・用量
●狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞, 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞) における血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術 (CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施 行後における血栓・塞栓形成の抑制に使用する場合 通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回 経口投与する. なお,症状により1回300mgまで増量できる. ●川崎病( 川崎病による心血管後遺症を含む )に使 用する場合 急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kg あたり30∼50mgを3回に分けて経口投与する. 解 熱 後 の 回 復 期から慢 性 期 は,アスピリンとして 1日体重1kgあたり3∼5mgを1回経口投与する. なお,症状に応じて適宜増減する.2 . 効能・効果
●下記疾患における血栓・塞栓形成の抑制 狭心症(慢性安定狭心症, 不安定狭心症) 心筋梗塞 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞) ●冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制 ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)製品概要
4 . 使用上の注意
1.慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること) (1)消化性潰瘍の既往歴のある患者[ 消化性潰 瘍を再発させることがある.] (2)血液の異常又はその既往歴のある患者[ 血 液の異常を悪化又は再発させるおそれがある.] (3)出血傾向の素因のある患者[ 出血を増強さ せるおそれがある.] (4)肝障害又はその既往歴のある患者[ 肝障害 を悪化又は再発させるおそれがある.] (5)腎障害又はその既往歴のある患者[ 腎障害 を悪化又は再発させるおそれがある.] (6)気管支喘息のある患者[ 気管支喘息の患者 の中にはアスピリン喘息患者も含まれており, それらの患者では重篤な喘息発作を誘発さ せることがある.] ( 7 )アルコー ルを常飲している患者[ アルコー ルと同時に服用すると,消化管出血を誘発 又は増強することがある.(「3.相互作用」の 項参照)] (8)高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照] (9)妊婦(ただし,出産予定日12週以内の妊婦は 禁忌)又は妊娠している可能性のある婦人[「6. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照] (10)小児[「7.小児等への投与」の項参照] (11)手術,心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間 以内の患者[手術,心臓カテーテル検査又は 抜歯時の失血量を増加させるおそれがある.] (12)非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による 消化性潰瘍のある患者で,本剤の長期投与 が必要であり,かつミソプロストールによる 治療が行われている患者[ミソプロストール は非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消 化性潰瘍を効能・効果としているが,ミソプ ロストールによる治療に抵抗性を示す消化 性潰瘍もあるので,本剤を継続投与する場合 には,十分経過を観察し,慎重に投与すること.]2.重要な基本的注意
(1)サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異 なるものの,米国においてサリチル酸系製剤 とライ症候群との関連性を示す疫学調査報 告があるので,本剤を15歳未満の水痘,イ ンフルエンザの患者に投与しないことを原 則とするが,やむを得ず投与する場合には, 慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分 に観察すること.[ライ症候群:小児において 極めてまれに水痘,インフルエンザ等のウイ ルス性疾患の先行後,激しい嘔吐,意識障害, 痙攣( 急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪 沈着,ミトコンドリア変形,AST(GOT)・ALT (GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇,高 アンモニア血症,低プロトロンビン血症,低 血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率 の病態である.] (2)脳梗塞患者への投与にあたっては,他の血小 板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意 するとともに,高血圧が持続する患者への投 与は慎重に行い,投与中は十分な血圧のコン トロールを行うこと.[「3.相互作用」の項参照] ( 3 )川崎病の急性期に対して投与する場合には, 適宜,肝機能検査を行い,異常が認められた場 合には減量,休薬等の適切な措置を講ずること. (4)川崎病患者(川崎病による心血管後遺症を含 む)に対して長期投与する場合には,定期的 に臨床検査(尿検査,血液検査及び肝機能検 査等)を行うこと.また,異常が認められた場 合には減量,休薬等の適切な措置を講ずること. *製品概要
* * * * * * *3.相互作用
併用注意(併用に注意すること) クマリン系抗凝血剤 ワルファリン 血小板凝集抑制作用を 有する薬剤 チクロピジン シロスタゾール等 血栓溶解剤 ウロキナーゼ チソキナーゼ等 ヘパリン製剤 トロンボキサン合成阻害剤 オザグレルナトリウム プロスタグランジンE1 製剤及びI2誘導体 糖尿病用剤 ヒトインスリン トルブタミド等 メトトレキサート バルプロ酸ナトリウム フェニトイン 副腎皮質ホルモン剤 ベタメタゾン プレドニゾロン メチルプレドニゾロン等 リチウム製剤 チアジド系利尿剤 ヒドロクロロチアジド等 ループ利尿剤 フロセミド クマリン系抗凝血剤 の作用を 増強し,出血時間の延長,消化 管 出 血 等を 起こすことがある ので,クマリン系抗凝血剤を減 量するなど慎重に投与すること. 出 血 傾 向が増 強されること がある. 糖尿病用剤の作用を増強し, 低 血 糖を 起こすことがある の で,糖 尿 病 用 剤を 減 量 す るなど慎重に投与すること. メトトレキサートの作用を増 強し,汎血球減少症等を起こ すことがある. バルプロ酸ナトリウムの作用 を 増 強し , 振 戦 等 を 起こす ことがある. 総フェニトイン濃度を低下さ せるが,非結合型フェニトイ ン濃度を低下させないとの 報告があるので,総フェニト イン濃度に基づいて増量す る際には臨床症状等を慎重 に観察すること. 本剤(高用量投与時)との併 用時に副腎皮質ホルモン剤 を減量すると, サリチル酸中 毒を起こすことが報告されて いる. また, 消化管出血を増 強させることが考えられる. リチウム中毒を起こすことが 報告されている. これらの薬剤の作用を減弱 させることが報告されている. 本 剤は血 漿 蛋 白に結 合した クマリン系抗凝血剤と置換し, 遊離させる.また,本剤は血 小 板 凝 集 抑 制 作 用,消 化 管 刺激による出血作用を有する. 相互に作用を増強すること がある. 又 は増 強 すると考 えられる. 本剤(高用量投与時)は血漿蛋 白に結合した糖尿病用剤と置 換し,遊離させる.また,本剤は 大量で血糖降下作用を有する. 本 剤( 高 用 量 投 与 時 )は血 漿蛋白に結合したメトトレキ サートと置換し, 遊離させる. また, 本剤はメトトレキサー トの腎排泄を阻害すると考 えられている. 本 剤( 高 用 量 投 与 時 )は血 漿 蛋白に結合したバルプロ酸ナ トリウムと置換し, 遊離させる. 本 剤( 高 用 量 投 与 時 )は血 漿 蛋 白に結 合したフェニト インと置換し,遊離させる. 機序は不明. 本 剤( 高 用 量 投 与 時 )は腎 のプロスタグランジンの 生 合 成を 抑 制し, 腎血流量を 減少させることにより, リチ ウムの腎排泄を低下させる ことが考えられる. 本剤は腎のプロスタグラン ジンの生合成を抑制して, 水, 塩 類 の 体 内 貯 留が生じ, 利 尿剤の水, 塩類排泄作用に 拮抗するためと考えられる. 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 β遮断剤 プロプラノロール塩酸塩 ピンドロール等 ACE阻害剤 エナラプリルマレイン酸塩等 ニトログリセリン製剤 尿酸排泄促進剤 スルフィンピラゾン プロベネシド 非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤 インドメタシン ジクロフェナクナトリウム フェノプロフェンカルシウム等 イブプロフェン 炭酸脱水酵素阻害剤 アセタゾラミド等 塩酸ドネペジル タクロリムス水和物, シクロスポリン ザフィルルカスト プロスタグランジンD2, トロンボキサンA2受容 体拮抗剤 ラマトロバン, セラトロダスト 選択的セロトニン再取り 込み阻害剤(SSRI) フルボキサミン等 アルコール これらの薬剤の作用を減弱 させることが報告されている. ニトログリセリンの作用を減 弱させることがある. これらの薬剤の作用を減弱 させることがある. 出血及び腎機能の低下を起 こすことがある. 本剤の血小板凝集抑制作用 を減弱するとの報告がある. アセタゾラミドの副作用を増 強し,嗜眠,錯乱等の中枢神 経系症状,代謝性アシドーシ ス等を 起こすことが報 告さ れている. 消 化 性 潰 瘍を 起こすことが ある. 腎障害が発現することがある. ザフィルルカストの血漿中濃 度が上昇することがある. ヒト血 漿 蛋 白 結 合に対 する 相 互 作 用 の 検 討(in vitro) において,本剤によりこれら の薬剤の非結合型分率が上 昇することがある. 皮膚の異常出血(斑状出血, 紫斑等 ),出血症状( 胃腸出 血等)が報告されている. 消化管出血が増強されるお それがある. 本剤は血管拡張作用を有す る腎プロスタグランジンの 生 合 成 , 遊 離 を 抑 制し , 血 圧を上昇させることが考え られる. 本 剤はプロスタグランジン の生合成を抑制することに より, 冠動脈を収縮させ, ニ トログリセリン の 作 用 を 減 弱させることが考えられる. 本 剤( 高 用 量 投 与 時 )はこ れらの薬剤の尿酸排泄に拮 抗する. 機序は不明. イブプロフェンが血小板のシク ロオキシゲナーゼ-1(COX-1) と本剤の結合を阻害するため と考えられる. 本剤は血漿蛋白に結合した アセタゾラミドと置換し,遊 離させる. コリン系が賦活され胃酸分 泌が促進される. 腎障害の副作用が相互に増 強されると考えられる. 機序不明. これら薬剤が本剤と血漿蛋 白 結 合 部 位で置 換し,遊 離 型血中濃度が上昇すると考 えられる. S S R I の 投 与により血 小 板 凝 集が阻 害され,本 剤との 併用により出血傾向が増強 すると考えられる. アルコールによる胃粘膜障 害と本剤 のプロスタグラン ジン合成阻害作用により,相 加的に消化管出血が増強す ると考えられる.製品概要
4.副作用
(1)重大な副作用(頻度不明) 1)ショック,アナフィラキシー様症状:ショックやア ナフィラキシー様症状(呼吸困難,全身潮紅,血 管浮腫,蕁麻疹等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い,異常が認められた場合には 投与を中止し,適切な処置を行うこと. 2)出血: 脳出血等の頭蓋内出血:脳出血等の頭蓋内出 血(初期症状:頭痛,悪心・嘔吐,意識障害,片麻 痺等 )があらわれることがあるので,観察を十 分に行い,このような症状があらわれた場合に は投与を中止し,適切な処置を行うこと. 肺出血,消化管出血,鼻出血,眼底出血等:肺 出血,消化管出血,鼻出血,眼底出血等があら われることがあるので,観察を十分に行い,こ のような症状があらわれた場合には投与を中 止し,適切な処置を行うこと. 3)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性 表皮 壊 死 症( Lyell 症候群 ),剥 脱 性皮 膚炎:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),剥 脱性皮膚炎があらわれることがあるので,観察 を十分に行い,このような症状があらわれた場 合には投与を中止し,適切な処置を行うこと. 4 )再生不良性貧血,血小板減少,白血球減少:再 生不良性貧血,血小板減少,白血球減少があら われることがあるので,観察を十分に行い,異 常が認められた場合には投与を中止し,適切な 処置を行うこと. 5)喘息発作:喘息発作を誘発することがある. 6)肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT), γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄 疸があらわれることがあるので,観察を十分に 行い,異常が認められた場合には投与を中止す るなど,適切な処置を行うこと. 7)消化性潰瘍,小腸・大腸潰瘍:下血(メレナ)を 伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があ らわれることがある.また,消化管出血,腸管穿 孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがあ るので,観察を十分に行い,異常が認められた 場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと. 頭痛 心窩部痛 鼻炎 耳鳴,難聴 倦怠感 注 1)症状があらわれた場合には投与を中止すること. 注2)異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を 行うこと. 注 3)症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること. 注 4)減量又は投与を中止すること(血中濃度が著しく上昇して いることが考えられる). なお,本剤の抗血小板剤としての海外市販後調査では, 調査症例数2,739例中副作用発現症例数は73例(副 作用発現件数は87件)で,副作用発現率は2.67%で あった.副作用の器官別分類の内訳では,消化管障害(胃 炎,消化管出血,潰瘍等)が最も多く2.81%で,出血・ 凝血障害(血腫,網膜出血等)0.15%,過敏症(発疹) 0.07%,精神神経系障害(めまい)及び血液障害(貧血) はいずれも0.04%であった. 祿 卷 * * * 皮 膚 精神神経系注3) 肝 臓 腎 臓 循環器 呼吸器 感覚器 その他注4) 腎障害 低血糖 痒痒,皮疹,膨疹, 発汗 めまい,興奮 AST(GOT)上昇, A LT(GPT)上昇 血圧低下,血管炎 気管支炎 角膜炎,結膜炎 過呼吸, 代謝性アシドーシス 蚤 祿 (2)その他の副作用 本剤の効能・効果,用法・用量で副作用頻度が明 確となる国内での調査を実施していないので,解 熱鎮痛消炎剤として使用されているアスピリン製 剤による副作用頻度等に基づいて記載した. 消化器 過敏症注1) 血 液注2) 貧血, 血小板機能低下 (出血時間延長) 悪心, 食欲不振, 胃部不快感 発疹,浮腫 5%以上 又は頻度不明 0.1∼5%未満 0.1%未満 胃腸障害,嘔吐, 腹痛,胸やけ,便秘, 下痢,食道炎, 口唇腫脹,吐血, 吐き気 蕁麻疹5.高齢者への投与
一般に高齢者では腎機能,肝機能などの生理機能が 低下しているため,副作用があらわれやすいので,患 者の状態を観察しながら慎重に投与すること.製品概要
(5)本剤投与中の15歳未満の川崎病の患者が水痘, インフルエンザを発症した場合には,投与を中断 することを原則とするが,やむを得ず投与を継続 する場合には,慎重に投与し,投与後の患者の状 態を十分に観察すること.[「2.重要な基本的注意」 の項参照]8.過量投与
徴候と症状:耳鳴,めまい,頭痛,嘔吐,難聴,軽度の頻呼 吸等の初期症状から血中濃度の上昇に伴い,重度の過 呼吸,呼吸性アルカローシス,代謝性アシドーシス,痙攣, 昏睡,呼吸不全等が認められる.[「薬物動態」の項参照] 処置:催吐,胃洗浄,活性炭投与(ただし,催吐及び胃洗 浄後),輸液注入によるアシドーシス是正,アルカリ尿 促進(ただし,腎機能が正常の場合),血液透析,腹膜透 析を必要に応じて行う.9.適用上の注意
(1)服用時: 1)本剤は腸溶錠であるので,急性心筋梗塞なら びに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以 外は,割ったり,砕いたり,すりつぶしたりしない で,そのままかまずに服用させること. 2)本剤は空腹時の服用を避けることが望ましい. ( 2 )薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから 取り出して服用するよう指導すること.[PTPシー トの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し, 更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併 症を併発することが報告されている.]10.その他の注意
(1)In vitro
の試験において,アスピリン等のグルク ロン酸抱合により代謝される薬剤が抗ウイルス剤(ジ ドブジン)のグルクロン酸抱合を阻害したとの報 告がある. (2)非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されてい る女性において, 一時的な不妊が認められたとの 報告がある.6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
(1)出産予定日12週以内の妊婦には投与しないこと. [ 妊娠期間の延長,動脈管の早期閉鎖,子宮収縮 の抑制,分娩時出血の増加につながるおそれがあ る. 海外での大規模な疫学調査では,妊娠中のア スピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否 定的であるが,長期連用した場合は,母体の貧血, 産前産後の出血,分娩時間の延長,難産,死産,新 生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそ れを否定できないとの報告がある.また,ヒトで妊 娠末期に投与された患者及びその新生児に出血 異常があらわれたとの報告がある.さらに,妊娠 末期のラットに投与した実験で,弱い胎児の動脈 管収縮が報告されている.] (2)妊婦(ただし,出産予定日12週以内の妊婦は除く) 又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上 の有益性が危険性を上回ると判断される場合に のみ投与すること.[動物実験(ラット)で催奇形性 作用があらわれたとの報告がある.妊娠期間の延長, 過期産につながるおそれがある.] (3)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせ ること.[母乳中へ移行することが報告されている.]7.小児等への投与
(1)低出生体重児,新生児又は乳児では,錠剤である 本剤の嚥下が不能であることから,投与しないこと. (2)幼児には本剤の嚥下が可能なことを確認して,慎 重に投与すること. (3)小児等では,副作用があらわれやすいので,患者 の状態を観察しながら慎重に投与すること.川崎 病の治療において肝機能障害の報告があるので, 適宜,肝機能検査を行い,注意すること.[「 2.重 要な基本的注意」の項参照] (4)15歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与し ないことを原則とするが,やむを得ず投与する場合 には,慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分に 観察すること.[「2.重要な基本的注意」の項参照] * *臨床成績
1)血栓・塞栓形成の抑制:ATTによるメタアナリシス
[海外データ]
54)国際共同研究ATT(Antithrombotic Trialists ’Collaboration)によるメタアナリシスにおいて, 以 下のような抗血小板療法(アスピリン等)の2次予防効果が認められている. ①アスピリンは,心筋梗塞既往,急性心筋梗塞,虚血性脳血管障害等の脳・心血管イベント高リスク患者に おける再梗塞,死亡の発症を有意に抑制した(承認外用量を含む).
1.臨床効果
■ 各種高リスク患者における抗血小板療法の脳・心血管イベント抑制効果 ■ 各種高リスク患者における抗血小板療法の脳・心血管イベント抑制効果(絶対効果) 心筋梗塞, 脳卒中, 血管死 99%信頼区間 95%信頼区間 1000人あたりの ベネフィット(標準誤差): 平均治療期間(月): p値 : 36(5) 27 <0.0001 38(5) 1 <0.0001 36(6) 29 <0.0001 9(3) 0.7 0.0009 22(3) 22 <0.0001 心筋梗塞 既往 急性 心筋梗塞 脳卒中・ TIA既往 脳梗塞 急性期 その他の 高リスク 対象患者 試験数 オッズ比(信頼区間) (標準誤差) リスク減少率 心筋梗塞既往 急性心筋梗塞 脳卒中・TIA既往 脳梗塞急性期 その他高リスク 患者 小計(脳梗塞 急性期を除く) 計 12 15 21 7 140 188 195 25%(4) 30%(4) 22%(4) 11%(3) 26%(3) 25%(2) 22%(2) 1,345/ 9,984 (13.5%) 1,007/ 9,658 (10.4%) 2,045/11,493 (17.8%) 1,670/20,418 (8.2%) 1,638/20,359 (8.0%) 6,035/51,494 (11.7%) 7,705/71,912 (10.7%) 1,708/10,022 (17.0%) 1,370/ 9,644 (14.2%) 2,464/11,527 (21.4%) 1,858/20,403 (9.1%) 2,102/20,543 (10.2%) 7,644/51,736 (14.8%) 9,502/72,139 (13.2%) 1.0 0.5 0.0 1.5 2.0 抗血小板療法 が優る 抗血小板療法 が劣る 治療効果 p<0.0001(Z検定) 脳・心血管イベント*数 抗血小板療法群 対照群 抗血小板療法群 対照群 * 0 10 20 (%) * 脳 ・ 心 血 管 イ ベ ン ト 発 症 率 ︵ ± 標 準 誤 差 ︶ 1345/ 9984 (13.5%) 1708/ 10022 (17.0%) 1370/ 9644 (14.2%) 2464/ 11527 (21.4%) 1858/ 20403 (9.1%) 2102/ 20543 (10.2%) 1007/ 9658 (10.4%) 2045/ 11493 (17.8%) 1670/ 20418 (8.2%) 1638/ 20359 (8.1%) 本剤の承認は,平成11年 2月1日付厚生省医薬審第104号通知による.臨床に関する評価資料として,「血栓・ 塞栓形成の抑制」については,ドイツ・バイエル社の社内資料 3報,参考資料として国内外の84報の公表学術 論文が審査された.また「川崎病」については,参考資料として国内17報の公表学術論文が審査された. 「効能・効果」「用法・用量」「禁忌を含む使用上の注意」「用法・用量に関連する使用上の注意」については 5∼10頁をご参照ください.臨床成績
②アスピリンの用量別解析において,超低用量(75mg/日未満),低用量(75∼150mg/日),中等用量(160 ∼325mg/日),高用量(500∼1,500mg/日)の4群間で検討した結果,超低用量群を除く3群では,い ずれも脳・心血管イベントの発症を有意に抑制した(承認外用量を含む). ■ アスピリンの用量別 脳・心血管イベント抑制効果 心筋梗塞, 脳卒中, 血管死 99%信頼区間 95%信頼区間 1.0 0.5 0.0 1.5 2.0 (Z検定) アスピリン が優る アスピリン が劣る 治療効果 p<0.0001 アスピリン用量 試験数 オッズ比(信頼区間) リスク 減少率 (標準誤差) 500∼1,500mg/日 160∼325mg/日 75∼150mg/日 <75mg/日 計 34 19 12 3 65 19%(3) 26%(3) 32%(6) 13%(8) 23%(2) 1,621/11,215 (14.5%) 1,526/13,240 (11.5%) 366/ 3,370 (10.9%) 316/ 1,827 (17.3%) 3,829/29,652 (12.9%) 1,930/11,236 (17.2%) 1,963/13,273 (14.8%) 517/ 3,406 (15.2%) 354/ 1,828 (19.4%) 4,764/29,743 (16.0%) 脳・心血管イベント*数 アスピリン群 対照群 * ※本剤の「血栓・塞栓形成の抑制」についての対象疾患は「狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性 脳虚血発作(TIA),脳梗塞)」と「冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後」である. また,その際の承認用法・用量は,「通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する.なお,症状により1回300mgまで 増量できる.」である. 対象 : 心筋梗塞既往, 急性心筋梗塞, 虚血性脳血管障害等の脳・心血管イベント高リスク患者約20万例 方法 : アスピリン等抗血小板療法の無作為化比例試験287試験のメタアナリシス臨床成績
1.臨床効果
対象 : 川崎病患者男女203例 方法 : 「原田のスコア」3項目以下の症例はアスピリン(ASA)単独療法, 4項目以上の症例はASAとIVIG併用療法とし, IVIGの投与方法は2g/kg×1日と400mg/kg×5日に無作為に割付けた. ASAの用量 : 急性期有熱期間 30mg/kg/日,解熱後 5mg/kg/日(分1) * : p<0.05,** : p<0.01,*** : p<0.001 (ASA+IVIG 400mg/kg×5日群との比較) † : p<0.05 (ASA+IVIG 2g/kg×1日群との比較) (χ2検定) 参考 原田のスコア 1) 白血球数: 12,000/mm3以上 2) 血小板数: 35×104/mm3未満 3) CRP: 3+以上 4) ヘマトクリット: 35%未満 5) 血清アルブミン: 3.5g/dL未満 6) 年齢: 12ヵ月以下 7) 性: 男 以上7項目のうち4項目以上(経過中の最悪値)を, 9病日以内に満たした場合にIVIGの適応とする.2)川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)
アスピリンの単独療法及びアスピリン+免疫グロブリンの併用療法は,川崎病に対して有効であることが, 他のアスピリン製剤を用いた多くの臨床試験成績及び無作為化比較試験成績のメタアナリシスにより立証 されている37∼53).以下にその代表的な成績を示す. 川崎病患者に対しアスピリンを急性期有熱期間中には30∼50mg/kg/日(患者の重症度に応じて免疫 グロブリン製剤(IVIG)併用療法又はアスピリン単独療法を選択),解熱後には5mg/kg/日を投与した試 験等において,冠動脈障害の発症に対する抑制効果が認められた37,53). 群 (症例数) 退院時冠動脈所見発現頻度 有熱期間 その他の指標 冠動脈瘤 冠動脈 一過性拡張 0/58 (0%) 2/72 (2.8%) 4/73 (5.6%) 6.7±1.6***,† 7.5±1.8** 9.2±5.2 11.0±3.6***,† 13.1±6.0* 15.9±7.2 23.8±5.9***,† 63.1±12.4* 69.6±16.7 0/58 (0%) 1/72* (1.4%) 7/73 (9.6%) アスピリン(ASA) (58例) ASA+IVIG 2g/kg×1日 (72例) ASA+IVIG 400mg/kg×5日 (73例) 有熱期間 (日) 入院日数 (日) 総治療費 (万円) ■ 川崎病におけるアスピリン単独療法及びIVIG併用療法の臨床効果53) ※本剤の川崎病についての承認, 用法・用量は,「急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30∼50mgを3回に分けて経口 投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1日体重1kgあたり3∼5mgを1回経口投与する.なお,症状に応じて適宜増 減する.」である.臨床成績
2.副作用
■ その他の副作用 消化器 過敏症注1) 血 液注2) 皮 膚 精神神経系注3) 肝 臓 腎 臓 循環器 呼吸器 感覚器 その他注4) 貧血, 血小板機能低下 (出血時間延長) 腎障害 低血糖 5%以上又は頻度不明 0.1∼5%未満 0.1%未満 注1)症状があらわれた場合には投与を中止すること. 注2)異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと. 注3)症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること. 注4)減量又は投与を中止すること(血中濃度が著しく上昇していることが考えられる). 胃腸障害,嘔吐,腹痛, 胸やけ,便秘,下痢, 食道炎,口唇腫脹,吐血, 吐き気 蕁麻疹 痒痒,皮疹,膨疹,発汗 めまい,興奮 AST(GOT)上昇, ALT(GPT)上昇 血圧低下,血管炎 気管支炎 角膜炎,結膜炎 過呼吸, 代謝性アシドーシス 蚤 悪心,食欲不振, 胃部不快感 発疹,浮腫 頭痛 心窩部痛 鼻炎 耳鳴,難聴 倦怠感 卷1)副作用発現状況
本剤は,承認された効能・効果,用法・用量での副作用発現頻度が明確となる国内での調査を実施してい ない.よって解熱鎮痛消炎剤として使用されているアスピリン製剤による副作用の発現頻度などに基づき 以下のように設定された. また 重 大 な 副 作 用として,ショック,アナフィラキシー 様 症 状,出 血,皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群( S t e v e n s -Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),剥脱性皮膚炎,再生不良性貧血,血小板減少,白血 球減少,喘息発作,肝機能障害,黄疸,消化性潰瘍,小腸・大腸潰瘍が報告されている. 祿臨床成績
2)抗血小板薬としての副作用発現状況(ドイツ・バイエル社実施)
[海外データ]
55)①副作用の発現状況
本剤の抗血小板剤としての海外市販後調査において,調査症例数2,739例中, 副作用発現症例数は73例 (副作用発現件数は87件)で,副作用発現率は 2.67%であった.副作用の器官別分類の内訳では,消化管 障害(胃炎,胃部不快感, 糜爛性胃炎など)が最も多く2.81%で,血小板・出血凝血障害(血腫,網膜出血な ど)0.15%,皮膚・皮膚付属器障害(発疹)0.07%,中枢・末梢神経系障害(めまい)及び赤血球障害(貧血) はいずれも0.04%であった. ■ 副作用発現状況 副作用発現件数(%) 2(0.07) 2(0.07) 1(0.04) 1(0.04) 77(2.81) 11(0.40) 9(0.33) 7(0.26) 7(0.26) 5(0.18) 5(0.18) 4(0.15) 4(0.15) 4(0.15) 3(0.11) 3(0.11) 3(0.11) 2(0.07) 2(0.07) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 副作用 皮膚・皮膚付属器障害 発疹 中枢・末梢神経系障害 眩暈 消化管障害 胃炎 胃部不快感 糜爛性胃炎 胸やけ 胃痛 胃潰瘍 逆流性食道炎 嘔気 胃腸症状 上腹部痛 圧迫感(胃部,上腹部) 胃腸出血 十二指腸潰瘍 黒便 上腹部不快感 胃・十二指腸潰瘍 出血性潰瘍 嘔吐 吐血 膨満感 胃不耐性 胃鏡検査異常 副作用発現件数(%) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 4(0.15) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 1(0.04) 副作用 血管(心臓外)障害 血管断裂(右中指) 赤血球障害 貧血 血小板・出血凝血障害 血腫 血栓性静脈炎 網膜出血 鼻血 泌尿器系障害 糜爛性尿道炎 調査症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 2,739例 73例 87件 2.67%2.
副作用
臨床成績
■ 他のアスピリン製剤から本剤へ切り替えた場合の消化管症状の推移 本剤服用開始前 796/1,568(50.8) 843/1,568(53.8) 925/1,569(59.0) 474/1,567(30.2) 84/1,565( 5.4) 226/1,565(14.4) 49/1,565( 3.1) 42/1,565( 2.7) 367/1,565(23.5) 429/1,565(27.4) 368/1,565(23.5) 132/1,565( 8.4) 20/1,565( 1.3) 164/1,565(10.5) 29/1,565( 1.9) 7/1,565( 0.4) 195/1,478(13.2) 285/1,478(19.3) 178/1,478(12.0) 80/1,476( 5.4) 14/1,477( 0.9) 125/1,479( 8.5) 25/1,479( 1.7) 3/1,476( 0.2) 144/1,333(10.8) 252/1,333(18.9) 120/1,333( 9.0) 47/1,332( 3.5) 15/1,333( 1.1) 114/1,330( 8.6) 19/1,331( 1.4) 0/1,330( 0 ) 3ヵ月 12ヵ月 24ヵ月 消化管症状 発現症例数/調査症例数(発現率%) 胸やけ 膨満感 胃部不快感 嘔 気 嘔 吐 便 秘 下 痢 黒 便②消化管症状の推移
他のアスピリン製剤から本剤に切り替えた患者の消化管症状の推移を検討したところ,本剤に切り替え後 3ヵ月の時点で消化管症状を愁訴する患者の割合が減少した.臨床成績
■ 副作用発現状況(療法別,器官分類別) 総症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 副作用の種類 [皮膚・皮膚付属器障害] 皮疹 [中枢・末梢神経系障害] 振戦 [自律神経系障害] 血圧亢進 血圧低下 [消化管障害] 悪心 [肝臓・胆管系障害] 肝機能障害 GOT上昇 GPT上昇 LDH上昇 [心・血管障害(一般)] チアノーゼ 末梢循環不全 四肢冷感 [赤血球障害] 直接クームス試験陽性 [白血球・網内系障害] 好酸球上昇 好中球減少 リンパ球上昇 無顆粒球症 単球上昇 好塩基球上昇 [血小板・出血凝血障害] 鼻出血 血小板減少 汎血球減少 [一般的全身障害] 発熱 悪寒 体温低下 [抵抗機構障害] CH50上昇 アスピリン単独療法 260例 10例 17例 6.54% 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 15(5.77) 15(5.77) 0(0) 0(0) 0(0) 2(0.77) 1(0.38) 1(0.38) 0(0) 0(0) IVIG併用療法 1165例 50例 79例 4.29% 副作用発現件数(%) 2(0.17) 2(0.17) 4(0.34) 4(0.34) 2(0.17) 1(0.09) 1(0.09) 2(0.17) 2(0.17) 18(1.55) 3(0.26) 8(0.69) 6(0.52) 1(0.09) 4(0.34) 2(0.17) 1(0.09) 1(0.09) 3(0.26) 3(0.26) 26(2.23) 14(1.20) 7(0.60) 2(0.17) 1(0.09) 1(0.09) 1(0.09) 1(0.09) 1(0.09) 16(1.37) 9(0.77) 6(0.52) 1(0.09) 1(0.09) 1(0.09) 計 1425例 67例 96例 4.70% 2(0.14) 2(0.14) 4(0.28) 4(0.28) 2(0.14) 1(0.07) 1(0.07) 2(0.14) 2(0.14) 33(2.32) 18(1.26) 8(0.56) 6(0.42) 1(0.07) 4(0.28) 2(0.14) 1(0.07) 1(0.07) 3(0.21) 3(0.21) 26(1.82) 14(0.98) 7(0.49) 2(0.14) 1(0.07) 1(0.07) 1(0.07) 3(0.21) 1(0.07) 1(0.07) 1(0.07) 16(1.12) 9(0.63) 6(0.42) 1(0.07) 1(0.07) 1(0.07)2.
副作用
3)川崎病治療薬としての副作用発現状況
本剤については,川崎病における副作用発現状況に関する成績はない.ちなみに厚生省川崎病研究班37∼39) 及び日本人患者を対象に実施された無作為化比較試験に関する公表文献40,48∼50,52,53)に記載されて いる副作用の成績から,副作用の発現頻度を,アスピリン単独療法とアスピリン+免疫グロブリンの併用療 法(IVIG併用療法)別,及び器官分類別に集計した.結果は,以下に示すとおりである. 副作用は,アスピリン単独療法では260例中17例(6.54%)に,IVIGとの併用療法では1,165例中50 例(4.29%)に認められた. 主な副作用としては,アスピリン単独療法においては肝障害が5.77%に認められた.IVIGとの併用療法で は白血球・網内系障害(好酸球上昇,好中球減少等)2.23%,肝障害1.55%,一般的全身障害(発熱,悪寒 等)1.73%であった.臨床成績
■ アスピリンのADP及びコラーゲン誘発血小板凝集に対する抑制率の推移 0 −20 −40 −60 −80 −100 −120 −140 100 80 60 40 20 −20 −40 20 60 80 (%) (%) (%) 40 −20 −40 −60 −80 −100 −120 −140 60 80 40 100 (%) 80 60 40 20 0 −20 −40 投与後時間 投与後時間 投与後時間 投与後時間 2μM 1μM 1μg/mL 2μg/mL ●ADP ●コラーゲン 凝 集 抑 制 率 凝 集 抑 制 率 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24(hr) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24(hr) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24(hr) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24(hr) 100mg群 300mg群 平均値±標準偏差 n=6 20 0 01)抗血小板作用
56) 日本人健康成人男子に本剤100mg及びアスピリン腸溶錠300mg錠を,空腹時単回経口投与した. アデノシン二リン酸(ADP)1及び2μM,コラーゲン1及び2μg/mLにより誘発された血小板凝集のいず れについても,本剤投与6時間後に平均凝集抑制率は最大になった.コラーゲン誘発血小板凝集に対して, 本剤は用量依存的な抑制作用を示した. 対象 : 健康成人男子 6例(年齢22∼29歳) 方法 : アスピリン腸溶錠100mg及び300mg 各1錠をそれぞれ早期空腹時(午前9時頃 )に水100mLとともに単回経口投与し,血小 板凝集能検査を実施した.3.臨床薬理
※本剤の承認用法・用量 ●狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)に おける血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑 制に使用する場合 通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する.なお,症状により1回300mgまで増量できる. ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合 急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30∼50mgを 3回に分けて経口投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1日体重1kgあたり3∼5mgを1回経口投与する.なお,症 状に応じて適宜増減する.臨床成績
2)アスピリン腸溶錠と素錠の抗血小板作用の時間的推移
[海外データ]
57) 健康成人男女にアスピリン素錠650mg及び腸溶錠650mgを空腹時単回経口投与した.いずれの製剤を 投与した場合でも,血小板シクロオキシゲナーゼ(COX)活性は95%以上阻害され,素錠と腸溶錠の効果 の同等性が示された.血小板COX活性の阻害は,腸溶錠投与時は作用発現が遅れ,投与後4時間目から認 められた.素錠投与時では投与後45分目に活性阻害が最大になったのに対して,腸溶錠では投与後10時 間目に最大となった.COX活性の回復は線形的で,製剤間に差は認められず,いずれも投与後7日目には 投与前の80∼90%まで回復した.3.臨床薬理
■ 血小板COX活性の推移 ※本剤の承認用法・用量 ●狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)に おける血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑 制に使用する場合 通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する.なお,症状により1回300mgまで増量できる. ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合 急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30∼50mgを ●アスピリン素錠 100 (%) (%) 80 60 40 20 100 80 60 40 20 2 4 6 8 10 24 2 3 4 5 6 7 8 hr day TXB2 PGD2 及 び 合 成 率 TXB2 PGD2 及 び 合 成 率 投与後時間 投与直前のCOX活性に対する比活性の 平均値±標準誤差 n=6 投与直前のCOX活性に対する比活性の 平均値±標準誤差 n=4 ●アスピリン腸溶錠 2 4 6 8 10 24 2 3 4 5 6 7 8 hr day 投与後時間 対象 : 健康成人男女 6例(年齢22∼37歳) 方法 : アスピリン素錠及び腸溶錠650mgを空腹時単回経口投与した.血小板COX活性は14C標識アラキドン酸と インキュベート後,TXB2及びPGD2の標識体を分離し,その総和として算出した.臨床成績
3)反復投与による抗血小板作用[海外データ]
58) 健康男子にアスピリン腸溶錠製剤(腸溶性顆粒)80mgを1日1回,7日間反復経口投与した. 血清中トロンボキサンB2(TXB2)濃度は経日的に阻害効果が累積し,4日間投与後には90%を超える阻 害が認められた.アラキドン酸(AA)1mM及びコラーゲン1μg/mLにより誘発された血小板凝集及びアデ ノシン三リン酸(ATP)放出がほぼ完全に抑制された. ■ アスピリン腸溶性製剤80mg1日1回,7日間反復投与期間中の血清中TXB2濃度の推移 ■ アスピリン腸溶性製剤80mg1日1回,7日間反復投与開始前及び終了後の血小板凝集能とATP放出 (ng/mL) (ng/mL) ↓: アスピリン投与 7例中の代表例 AA : アラキドン酸1mM 1Coll,5Coll : コラーゲン1μg/mL,5μg/mL 300 400 300 200 100 200 100 血 清 中 試験期間 試験期間 1 2 3 4 5 6 7(日) (時) TXB2 1 2 3 4 5 6 7 24 対象 : 健康男子(19∼41歳) 方法 : アスピリン腸溶性製剤(腸溶性顆粒)80mg を1日1回,朝食1時間前に7日間反復経口 投与し,血清中TXB2濃度,血小板凝集能及 びATP放出を測定した. 腸溶製剤(1日目の詳細) 素錠(アスピリン素錠80mgを同一の 被験者に投与した際の推移) ※本剤の承認用法・用量 ●狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)に おける血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑 制に使用する場合 通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する.なお,症状により1回300mgまで増量できる. ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合 急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30∼50mgを 3回に分けて経口投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1日体重1kgあたり3∼5mgを1回経口投与する.なお,症 状に応じて適宜増減する. 0 AA 1Coll 5Coll 100 (%) 0 100 0 100 透 過 率 ATP放出(nM/108血小板) 投与開始前 終了後 投与開始前 終了後 投与開始前 終了後 3.93 0.28 2.23 0.07 4.11 0.78臨床成績
■ 川崎病の解熱後回復期の患者におけるアスピリンの抗血小板作用4)川崎病患者における抗血小板作用
発症後1ヵ月以上経過した川崎病患者にアスピリン1∼50mg/kg/日を投与した.その結果,アスピリンの 投与量に関係なく大多数の症例で,アドレナリン,ADP及びコラーゲン凝集の抑制並びに血漿中トロンボキ サンB2(TXB2)値の低下が観察されたものの,2.5mg/kg/日以下の投与例では一部に抑制が認められ ない症例が存在した59).なお,本剤の『用法・用量に関連する使用上の注意』において,「川崎病の治療に おいて,低用量では十分な血小板機能の抑制が認められない場合もあるため,適宜,血小板凝集能の測定 等を考慮すること.」と記載している.3.
臨床薬理
※本剤の承認用法・用量 ●狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)に おける血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑 制に使用する場合 通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する.なお,症状により1回300mgまで増量できる. ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合 急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30∼50mgを 3回に分けて経口投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1日体重1kgあたり3∼5mgを1回経口投与する.なお,症 状に応じて適宜増減する. ●アドレナリン凝集1μM ●コラーゲン凝集2.5μg/mL ●ADP凝集2μM ●血漿中TXB2値 ●ADP凝集10μM ●血漿中6-keto-PGF1α値 血 小 板 凝 集 能 血 小 板 凝 集 能 血 小 板 凝 集 能 血 小 板 凝 集 能 100 (%) 80 60 40 20 0 100 (%) 80 60 40 20 0 ≧1200 (pg/mL) (pg/mL) 1000 800 600 400 200 500 400 300 200 100 0 <50 100 (%) 80 60 40 20 0 100 (%) 80 60 40 20 0 非投与時 50 30 10 アスピリン投与時 5 2.0-2.5 1 (mg/kg/日) 非投与時 50 30 10 アスピリン投与時 5 2.0-2.5 1 (mg/kg/日) 非投与時 50 30 10 アスピリン投与時 5 2.0-2.5 (mg/kg/日) 非投与時 50 30 10 (mg/kg/日) アスピリン投与時 5 2.0-2.5 非投与時 50 30 10 アスピリン投与時 5 2.0-2.5 1 (mg/kg/日) 非投与時 50 30 10 アスピリン投与時 5 2.0-2.5 1 (mg/kg/日) 50 対象 : 発症後1ヵ月以上経過した川崎病患者41例 方法 : アスピリン1∼50mg/kg/日を投与し,血小板凝集能,血漿中TXB2値,血漿中6-keto-PGF1α値を測定した.臨床成績
5)粉砕又はかみ砕いて服用時の抗血小板作用[海外データ]
60) アスピリン腸溶錠 325mgをかみ砕いて服用した場合(空腹時単回投与)の血小板凝集阻害の時間推移 について検討した. 服用15分後にはADP及びアドレナリンにより誘発された血小板凝集を10例中7例で完全に阻害,30分 及び60分後には全例で完全に阻害した.また,血清中TXB2は服用15分後には著明に低下し,30分及び 60分後もその状態が継続した. 以上より,粉砕又はかみ砕いて服用することで,腸溶錠においても速やかに抗血小板作用が発現すること が示された. ■ アスピリン腸溶錠をかみ砕いて服用後の抗血小板作用の推移 ■ 血清中TXB2濃度推移 ●ADP誘発血小板凝集 ●アドレナリン誘発血小板凝集 300 200 100 0 15 30 60 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 15 30 60 15 30 60 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 変化なし 部分的に阻害 完全に阻害 (例) 被 験 者 数 血 清 中 濃 度 かみ砕いて服用後の時間 かみ砕いて服用後の時間 (例) (分) (分) (ng/mL) 服用前 (分) 被 験 者 数 かみ砕いて服用後の時間 TXB2 ※本剤の承認用法・用量 ●狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)に おける血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑 制に使用する場合 通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する.なお,症状により1回300mgまで増量できる. ●川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合 急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30∼50mgを 3回に分けて経口投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1日体重1kgあたり3∼5mgを1回経口投与する.なお,症 状に応じて適宜増減する. ※本剤の用法・用量に関連する使用上の注意 (1)急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療において,抗血小板作用の発現を急ぐ 場合には,初回投与時には本剤をすりつぶしたり, かみ砕いて服用すること. ※本剤の適用上の注意(1)1)本剤は腸溶錠であるので,急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以外は,割ったり,砕 いたり,すりつぶしたりしないで,そのままかまずに服用させること. 対象 : 健康成人男子 10例(年齢20∼33歳) 方法 : アスピリン腸溶錠325mgをかみ砕いて服用し(空腹時単回投与),血小板凝集能検査を測定した.薬物動態
1.血中濃度
■ アスピリン腸溶錠 空腹時単回投与時の血漿中未変化体(アセチルサリチル酸)及び代謝物 (サリチル酸及びサリチル尿酸)の血中濃度推移ならびに薬物動態学的パラメータ1)単回投与時
56) 日本人健康成人男子に本剤100mg(100mg錠1錠)及びアスピリン腸溶錠300mg(300mg錠1錠) を空腹時単回経口投与した.未変化体(アセチルサリチル酸 )のCmax及びAUCは, 用量にほぼ比例して増加したが, tmax,t1/2及び
MRT には変化は認められなかった. 10,000 ●100mg投与時 血 中 濃 度 投与後時間 (hr) (μg/L) 1,000 100 10 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 アセチルサリチル酸 サリチル酸 サリチル尿酸 幾何平均値±幾何標準偏差, n=6