従来の接遇研修で施設の接遇が改善されない理由
一部の職員対象の散発的な研修では「できる」ようにはならない
1.研修で理解して覚えても身に付かない
「普通にできる人」のレベルを上げるより「できない人」無くすことが先決
接遇研修で正式な接遇方法を学習して覚えても、身に付いていなければ役立てることはできません。接遇
技術は繰り返し訓練して身に付けなければ、絵にかいた餅です。また、組織全体の接遇レベルを上げるた
めには、一部職員対象の研修では徹底することができません。施設に電話をすると、色々な応対をする人
がいますが、これでは接遇が徹底されているとは言えません。
2.完璧な接遇技術を学習することに大きな意味はない
「施設の接遇レベルが低い」という評価の原因は、一般社会人としての基本的接遇さえできない職員がい
「施設の接遇レベルが低い」という評価の原因は、一般社会人としての基本的接遇さえできない職員がい
ることです。普通に接遇ができる職員を完璧なレベルに向上させるより、評価を下げている「できない職
員」を最低限のレベルまで引き上げることが優先なのです。
どの業種にも業種に相応しい接遇方法がある、介護に相応しい接遇方法とは?
3.他の業界の素敵な接遇方法を真似しても意味がない
介護施設の職員がキャビンアテンダントと同じお辞儀をする必要はありません。お客様は違和感を持つだ
けです。どの業種にも業種に相応しい接遇方法がありますから、その業種の接遇方法を身に付ければ良い
のです。
小集団による接遇改善活動の狙い
毎月1テーマの接遇トレーニングシートを使い、声と身体を使うので“自然に身に付く”
1.職場ごとの接遇トレーニング中心の活動だから接遇が身に付く
接遇訓練シートは基本動作を中心に構成されているので全職員が身に付けられる
職場ごとに週1回20分の接遇方法のトレーニングを行います。毎月1テーマを全員で訓練して、1年で
12のテーマをマスターします。繰り返し訓練することによって、職場全体の接遇レベルがアップします。
言葉遣いや態度・立ち振る舞いがていねいになるだけでなく、場面に合ったお客様への対応方法が自然に
身に付きます。
2.基本に絞り込んだ接遇方法なので“できない人”がゼロになる
トレーニングシートは、高度な接遇方法を修得するためでなく、基本動作を身に付けることを目的に作ら
トレーニングシートは、高度な接遇方法を修得するためでなく、基本動作を身に付けることを目的に作ら
れています。ですから、普通にできる人には当たり前かもしれませんが、普通に接遇ができない人ができ
るようになります。パートや嘱託も例外なく全員で取り組むことが重要で、全ての職員が最低限の接遇を
身に付けることで、施設の評価は一変します。
他の業界の接遇方法ではなく、介護職員に相応しい方法なので身に付けるのも簡単
3.介護職員に相応しい接遇方法を身に付ければお客様も満足
肘を両側に広げて手を組んだ挨拶が介護職員に相応しいとは感じられません。接遇方法には言葉遣いや態
度という基本動作も重要ですが、“きめ細かい気遣い”“優しい配慮”も接遇の大きな要素です。カタチ
よりも気遣いのある一言のほうが、お客様の好感度はアップします。
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
接遇リーダー研修から職場のトレーニングまでお手伝いします
各職場から1名接遇リーダーを選出し、3時間の研修
を行います。接遇向上によるサービス向上の意味(講
義)・ていねい語の使い方・接遇態度(ビジネスマ
ナー)のトレーニングを行います。
導入時の接遇リーダー研修(3時間)
サポート体制
●講師が施設に伺い研修を行います
各職場での接遇トレーニング(1年間)
介護職場用と事務所用の2種類のトレーニングシート
●月1回トレーニングシートを提供
を使って、1回15分程度のトレーニングを週2回程
度行います。各シートにはていねい語の話法例が付い
ていますので、これらも
接遇リーダーは各職場のトレーニング実施状況を把握
して、遅れている職場があればトレーニングを促しま
す。また、個別の場面の接遇方法などについての、疑
問やトレーニング実施上の問題点があれば、リーダー
を通じていつでも相談し指導を受けられます。
トレーニング期間中のリーダーの役割
●月1回トレーニングシートを提供
●トレーニング期間中の相談・指導
リーダー研修の講師がトレーニング期間
中も疑問や質問に的確にお答えして、ト
レーニングをサポートします。
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
1.接遇リーダー研修
各職場から1名接遇リーダーを選出し、3時間の研修を行います。研修内容は、接遇改善活動の進め方、
基本的な接遇訓練です。研修終了後は、各職場の接遇リーダーが1年間接遇改善活動をリードします。
・・接遇向上の意義(講義)
接遇手法は人に心を伝える技術であると同時に、施設のサービスの質を評価する鏡でもあ
ります。心無い一人の職員の行動が施設全体の評価を下げます。
・・ ていねい語の使い方:尊敬語・謙譲語などのていねい語について学習します。
・・ 接遇態度(ビジネスマナー)訓練
まず、接遇態度(ビジネスマナー)を次の3つのランクに区分します。
A:特定の業種や職種の華美な接遇態度
B:社会人として当然の標準的接遇態度
C:社会人としてやってはいけない悪い接遇態度(非礼)
◎本研修の接遇態度訓練では、Bの「社会人として当然の標準的接遇態度ができる」こと
を目指すと同時に、Cの「悪い接遇態度」を無くすことを徹底します。
《訓練する接遇態度》
あいさつする(お辞儀・自己紹介・名刺交換など) お客様を案内する
お客様を訪問する クレームを受ける 詫びる 電話応対
・・ 介護職員に相応しい接遇方法とは?
本来接遇とはカタチだけではない
お辞儀や名刺交換などの態度+ていねい語などの言葉遣い+
?
「気遣い」「気配り」「気が利く」「気働きをする」など“相手の状況に応じた配慮”
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
2.施設内伝達研修(接遇研修)
各職場から研修に参加した接遇リーダーが、職場で伝達研修を行います。ていねい語の使い方や基本的な接
遇態度を1時間程度の研修で学びます。正職員だけでなくパートや嘱託職員も含め必ず全員参加行います。
・・ ていねい語の使い方の学習(例)
次の日常生活で使う言葉をお客様に使うていねい語に直して下さい。
ていねい語(敬語)の正しい使い方
No 日常会話で使う言葉 お客様に使うていねい語
1
山田さんが午後施設に来ます。
2僕が山田さんの家に行きます。
3何でも言ってください。
次の日常生活で使う言葉はていねい語では次のように使います
ていねい語(敬語)の正しい使い方:回答
No 日常会話で使う言葉 お客様に使うていねい語
山田様が午後施設にお見えになります。
山田様が午後施設においでになります。
2僕が山田さんの家に行きます。 わたくしが山田様のお宅へ参ります。(伺います)
何でもおっしゃってください。
1山田さんが午後施設に来ます。
3
3何でも言ってください。
4
私がここで待っています。
5山田さんは居ますか?
6お客さんが自分でしますか?
7
わたしがします。
8山田さんが来てくれると言いました。
9わたし山田と言います。
10
聞きたいことがあるんですが…
11わたしが用件を聞きます。
12
すぐに見ますか?
13
見てもいいですか?
14その場所は知っています。
15
もう一つ食べませんか?
何でもおっしゃってください。
何なりとお申しつけ下さい。
わたくしがこちらでお待ち申し上げます。
わたくしがこちらでお待ちしております。
5山田さんは居ますか? 山田様はいらっしゃいますでしょうか?
6お客さんが自分でしますか? お客様ご自身でなさいますか?
わたくしがいたします。
わたくしがさせていただきます。
8山田さんが来てくれると言いました。 山田様がおいでになるとおっしゃいました。
9わたし山田と言います。 わたくし山田と申します。
お聞きしたいことがあります。
お伺いしたいことがございます。
わたくしがご用件をお伺いいたします。
わたくしがご用件をお聞きいたします。
わたくしがご用件を承ります。
12
すぐに見ますか? すぐご覧になりますか?
13
見てもいいですか? 拝見してもよろしいですか?
14その場所は知っています。 その場所は存じております。
もう一つ召し上がりませんか?
もう一つお召し上がりになりますか?
16
~してもいいですか? ~してもよろしいですか?
15もう一つ食べませんか?
7わたしがします。
10聞きたいことがあるんですが…
11わたしが用件を聞きます。
3何でも言ってください。
4私がここで待っています。
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
3.トレーニングシートを使った職場での接遇訓練
職場での接遇訓練に使うトレーニングシートは、介護職場用と事務所用の2種類に分かれています。介護職場用は、
ユニットやフロアなど職場ごとに分かれて行い、事務所用は事務職員や相談員・ケアマネジャーなどが一緒に訓練し
ます。職場ごとに週1回20分の接遇方法のトレーニングを行います。毎月1テーマを全員で訓練して、1年で12
のテーマをマスターします。繰り返し訓練することによって、職場全体の接遇レベルがアップします。言葉遣いや態
度・立ち振る舞いがていねいになるだけでなく、場面に合ったお客様への対応方法が自然に身に付きます。
介護職場用
■トレーニングシート
面会に来られた家族への対応や
事務所用
■トレーニングシート
ご家族からの電話応対や
面会に来られた家族への対応や
ご家族への電話連絡場面など
■ていねい語の練習
敬語の使い方を話して覚える
ご家族からの電話応対や
ご自宅を訪問する場面など
12か月間継続
全ての職員に自然な接遇が身に付く
12か月間継続
■ていねい語の練習
敬語の使い方を話して覚える
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
《参考》トレーニングシート(介護職場用)
・・トレーニングシートの使い方
毎週1回たった20分間、トレーニング
シートの言葉を読み合わせるだけで、
自然な接遇態度やていねい語が身に付
きます。介護職員は接客のプロではあ
りませんから、接客態度に高いレベル
の技術は要求されませんし、お客様も
望んでいません。それよりも、「気遣
いのあるていねいな言葉」がお客様に
大変良い印象を与えます。そこで、
高橋様、こんにちは。いつもお世話になります。お母様のご面会でいらっしゃいま
すね。いつも遠いところをありがとうございます。
○職員2名1組で向き合って会話を読みあいます(シートは手に持ったまま話します)。
○職員役とお客様役を交替してそれぞれ2回読み合いをします。
○2回目はできるだけ感情をこめて話すように心がけて下さい。
トレーニング場面:ご家族が面会にいらっしゃった
接遇トレーニングシート
ーNo.1ー
こんにちは、こちらこそいつも母がお世話になります。今日はどんな調子ですか?
職員
ご家族
大変良い印象を与えます。そこで、
様々な場面でのお客様対応の事例を、
実際に演じて話してみることで、てい
ねい語が自然に使えるようになり、気
遣いの力も身に付きます。
介護職員の接遇で最も重要な能力はき
れいなお辞儀ではなく、「お客様を気
遣う力」なのです。
こんにちは、こちらこそいつも母がお世話になります。今日はどんな調子ですか?
今日もお母様は元気にお過ごしです。お昼ごはんもたくさん召し上がられました。
今、オヤツの時間で、お母様はデイルームでようかんを召し上がっております。高
橋様もいかがですか?ご一緒に召し上がれば、お母様も喜ばれますよ。
いつもありがとうございます。
遠慮なさらずにどうぞ。今用意をさせますので。こちらへどうぞ。
ええ?いただいてもいいんですか?
恐れ入ります。
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
《参考》トレーニングシート(事務所用)
・・トレーニングシートの効果
事務所用のトレーニングシートは、事
務職員・相談員・ケアマネジャーなど、
介護職員以外の職員用に作成してあり
ます。家族からの電話応対や利用者宅
への訪問、在宅のケアマネジャーの来
所など、想定場面は多岐に亘ります。
施設では家族やケアマネジャーなど事
業者からの電話応対が多く、電話応対
の印象が悪ければそれだけで施設の
○職員2名1組で向き合って会話を読みあいます(シートは手に持ったまま話します)。
○職員役とお客様役を交替してそれぞれ2回読み合いをします。
○2回目はできるだけ感情をこめて話すように心がけて下さい。
トレーニング場面:ショートステイのお客様からの電話応対
接遇トレーニングシート
ーNo.1ー
職員
ご家族
施設長いらっしゃいますか?
(事務所の電話が鳴り呼び出し音2回で受話器を取る)
お待たせしました。特別養護老人ホームあいおい苑の山田と申します。
の印象が悪ければそれだけで施設の
サービスの評価が悪くなってしまいま
す。
施設長いらっしゃいますか?
昨日までそちらのショートステイを利用した山田滋の家族で、山田と言います。
失礼ですが、どちら様でしょうか?
昨日午後そちらから父が戻ってきたのですが、食事をしようとしたら入れ歯がない
んですよ。
昨日まで私どものショートステイをご利用いただいた山田滋様のご家族様ですね。
いつもお世話になっております。施設長はただ今外出中で、3時に戻る予定です。
お急ぎのご用件でしょうか?
ああ、いいですけど。
わたくし生活相談員の田中と申します。施設長に代わって私がお話を伺ってもよろ
しいでしょうか?
昨日ショートステイをご利用の山田様のお父様が、手前どもの施設で入れ歯を紛失
されたらしい、ということでございますね。それはご迷惑をおかけして大変申し訳
ありません。利用者様の忘れ物はこちらに保管させていただいておりますので、す
ぐ見て参ります。折り返しお電話させていただきますが、よろしいでしょうか?
職場で取り組む接遇改善活動の流れ
《参考》ていねい語の練習(介護職場・事務所共用)
ていねい語も覚えただけでは自然に会話の中で使うことができません。何度も会話で訓練して初めて自然に話せるよ
うになります。トレーニングシートには必ず「ていねい語の練習」が付いていますので、接遇場面の訓練が終わった
後に、ていねい語を実際に声に出して練習してみましょう。
・・ ていねい語の練習
ていねい語には、敬語(尊敬語・謙譲
語)とていねい語表現(敬語以外のて
いねいな表現)があります。
これらのていねい語は、接遇には欠か
せませんから、「覚える」だけでなく
ていねい語の練習
ーNo.1ー
「来る」をていねい語で話してみましょう。
お客様が施設に来るような場合、「来る」は、「お見えになる」「おいでになる」「いらっしゃ
接遇とトレーニングが終わったら、ていねい語の練習をしましょう。ていねい語は表現を覚えて口で練習し
なければ、日常会話で自然に使えません。次の表現練習を2回ずつ2人で交互に話して下さい。
せませんから、「覚える」だけでなく
「自然に使える」ようにならなければ、
役に立ちません。
トレーニングシートでは、実際に職員
がお客様に敬語を話す場面を設定して、
その表現を話して練習するようになっ
ています。どんなにしっかり覚えても、
実際の会話の中で使うことができなけ
れば、絵に描いた餅になってしまいま
す。何度も言葉にして話すことで、自
然にお客様への会話で使うことででき
るようになります。
お客様が施設に来るような場合、「来る」は、「お見えになる」「おいでになる」「いらっしゃ
る」「来られる」「お越しになる」などの表現を用います。
本日午後3時に山田様の息子さんが、施設長に大切なご相談があって施設にお見え
になります。もしも、早くお見えになるようでしたら、相談室にお通しして少々お
待ちいただいて下さい。
来月初めてショートステイをご利用になる山田様のご担当のケアマネジャーの方が、
打ち合わせに来られました。糖尿病の持病がある方なので栄養士も同席させていた
だきましょう。
「行く」をていねい語で話してみましょう。
自分がお客様のお宅に「行く」場合など、「伺う」「参る」「お邪魔する」などのていねい語を
使います。また、施設の人間が「来る」場合にも、「参る」を使います。
以前ご自宅にお邪魔させていただいた折には、ご家族の皆様にもお話を伺うことが