The ft砂attese
,
fournal of Ps}’
chonomic Science 2009、
Vo1.
28,
No、
1,
23−
34画
視覚 的短 期
記
憶
に
お
け
る
視 覚 情 報
の時
間 的統 合
に
関
わ
る
神
経 基 盤
の検
討
実
吉
綾
子
* ・新
美
亮
輔
*2 ・末
續
朋
子
*3神
長
達
郎
*4・横
澤
一
彦
*5 帝 京 大 学 文 学 部*・
東京大 学 先 端 科 学 技 術 研 究セ ン ター
/日本 学 術 振 興 会*2・
東 京 大 学 文 学 部*3 帝京大学 医学部*4・
東京大学 大学院 人文 社会 系研 究科*5The
neural
basis
for
temporal
integration
of
visual
information
in
short
term
mernory
Ayako
SANEYosHI
*,Ryosuke
NIIMI
*2,Tomoko
SuETsuGu
*3,Tatsuro
KAMINAGA
*4,
andKazuhiko
YoKOSAwA
*5Teihyo 伽 加θ7S尠究 The 翫 ivers尠 qブTokyo/
fmp
αn Societyfor
the Promotion o.
プScience*2,
フ
「
加 σ痂 召rsity (ゾ7「
ehyo *3,
Teileyo
ひ吻 ¢ ア鋤 ノ*先andThe
Universit
)・q厂7b
緲o*5
The
neuralbasis
for
temporaMntegration of v{sual information in short term memory,
We
investigated
the neuralbasis
ofintegration
Qf temporaUy separatedbilateraL
asymmetricaldot
pattcrns
bY
using functiona] magnetic resonance imaging (fMRI ).
A symmetricaldot
pattern withasmall asymmetric region was temporally separated into two patterns and presentcd sequentially
.
The particjpants were asked to find the asymmetrical region by temporally integrat孟ng the
patterns
,
When
the second array was presented after a brief(40 ms >or a long (2560 ms )intervalthe
performance was gQod.
However ,
the
performancedeclined
whenthe
interval
wasintermedi−
ate (160ms )
.
For
all stimulus onset asynchrony (SOA
)conditions the prefrontal cQrtex and theposterior parietal cortex were activated
.
For the Long SQA condition the superior parietal lobulewas strongly activated
.
Furthermore ,
the
inferior
tern.
poral gyrus,
whichis
正nvolvedin
form
perception and oblect recognition
,
was activated.
This
resu }t suggested that thedot
patternswould be encoded ln visual short term 皿 emory as globaユfigures
.
Key
words :temporalin
しegration,
sensory memory,
visual short term memory,
symmetry percep−
tion
,
functional magnetic resonanceimaging
日常 生 活の中で ヒ ト の視 覚が受け取る情 報は
,
瞬 目や 遮 蔽とい っ た さ まざま な妨 害に よっ て空 間 的ま た時 間 的 に遮 ら れ,
不連続に入力さ れる こ と が多い。 道 を歩い て い ると き,
車を運 転 して い る と き,
ま た対 象そ の ものが 運動してい ると き,
視 覚 情報処理 シス テム は空間的・
時 間的に常に変 化 し細切 れになっ た視覚 情報をっ な ぎ 合 わ せ,
統合 して安 定 し た視 覚 世 界の 表 象を作 り上げて い る。 そ れ を可 能に して い る認 知 機 能の一
っ が,
視 覚 的 記 憶で ある。 外 界か ら入 力さ れた視 覚 情 報を記 憶と し て内 的に保 持 し,
利 用 する ことに よ っ て,
外 界 か らの入 力の *Depart
皿 ent of
Psychology.
TeikYo
University,
3590tsuka ,
Hachioji−
shi,
Tokyo l 92−
0395時 間 的
・
空 間 的な不 連 続 性を克服する こ と が 可能に な る。 視覚 的記 憶が単一.
・
の機 構でな く,
視覚 的な長 期 記 憶や 短 期 記 憶が存 在 する ことは よ く知ら れて い る。 さ ら に そ れ らとは異な り,
保持可 能な時 間が非 常に短い視覚 的感 覚記憶 が 存在する こ と も,
Spcrling (1960)の部 分 報 告 法に よ る研 究に よっ
て 明ら かに され た。 こ の感 覚 記 憶 は,
視 覚 的 持 続 (visible persistence)ま たはア イ コ ニ・
y ク・
メモ リー
と呼ばれ,
さ ま ざ まな研 究が な さ れて きた (Coltheartt
l
980
)。
感 覚 記 憶は,
保 持 期 間は1
秒に満た ないが,
非 常に大きい もし く は無 制 限の容 量を持っ て い るのが 特 徴で, こ の 特性の ため に, 刺 激が消 失 して し まっ て も わ ず か な時 間であ れ ば あ だ か も刺激が内的に存24 基 礎 心 理 学 研 究 第 28 巻 第 1号 在し続け てい る かの よ う に処 理 を継 続するこ と が可 能に なる と考え ら れて い る。 し た が っ て
,
意 識 的な知覚が成 立 するの に必 要な時 間よ りも 非 常に短い 時 間 (例えば10ms
) し か提 示さ れ ない刺激で も,
ヒ トは その知 覚が で き な くなる とい うこ とはない。 視 覚 的 感 覚 記 憶 を 研 究 する実 験パ ラ ダ イ ムが.
欠落 ドッ ト検 出課題 (missing−
dot task)で ある (Brockmo !c,
Wang &Irwin,
2002 ;Di
Lollo,1977,1980
;Di
Lollo
&Ilogben,
1985; Hollingworth,
Hyung,
& Zhang,
2005 )
、
, 欠 落 ドッ ト検 出 課 題で は,
刺 激と して,
例えば 25個の光 点 (ドッ ト) を5
×5
の ます 目 状に配 置し,
こ の う ち ラ ンダム に選 ば れ た 1ヵ所の ドッ トだ け を消 し たパ タ ンを 用 意 する 。 残る24 個の ドッ トをランダム に 12 個と 12個に分け,
ま ず片 方の グルー
プを 最初に短時 間提示 し (第1
刺激 ),
ご く短い問 隔 (例え ば100ms
) の空 白 画 面の 後に残 りの グルー
プを 短 時 間 提 示 する (第2
刺激 )。 観 察 者は,
欠けて いる ドッ ト (欠 落 ドッ ト)の 位 置を圓 答 すること が課せ ら れ る。 すなわち,
時 間 差〔SOA ;stimulus onset asynchrony )をっ けて提示 さ れ た 二っ の ドッ トパ タンを時 間 的に統 合し
,
ど ち らのパ タ ンに も含ま れな い ドッ ト の位 置を報 告しな けれ ばな ら な い。 両パ タ ン間の SOA が非常に短い場 合に は, 第 2 朿1」 激が出現し た と きに第 1刺 激は消失 して い て も その感 覚 記 憶が保 持され て い る た め,
両 者は重な っ た単一
の パ タン と して知覚す るこ と がで き, 課題 は容 易で あ る。 し か しSOA が長 く (100ms 以 上 )なる と,
第 1刺 激の感 覚 記 憶は消失し て し まい,
統合し たパ タンの知 覚と欠落 ドッ ト位 琶の報 告は難 し く な る。 とこ ろ が近 年,
Brockmole et a1.
(2002 )は,
欠 落 ドッ ト検 出課 題に おいてSOA
を さ ら に長く す る と,
再び課 題の 遂 行が可能になる こ と を見いだ し た。 彼 ら は,
4x4 の ドッ トを 分 割 提 示 する欠 落 ドッ ト検 出 課 題で,
二 っ の パ タ ン の 提示 時間は そ れ ぞ れ33nls
と し,
SOA
を33
ms か ら1500 皿 s を超え る長 さ まで 操 作 した。 その 結 果,
前 述の先 行 研究 (DiLo ]]o,
1980)と同 様に SoA が非 常 に短い (33ms 〕場 合に は正 答 率が 高 く,
SOA が 133 ms の長さの 場 合に は正 答 率は大 きく低 卜’
し た。
し か し SOA を よ り長 くする と,
し だ い に 正 答率は上 界し,
SOA が 1533 ms と非 常に長い条 件で はSOA
が33 ms の条 件 とほぼ同 等にまで 達し たので ある。 こ の結 果は,
第 1刺 激の情 報が感 覚 記 憶で は な く 短期 記 憶に保 持さ れて おり,
そ れ と第 2刺 激と が時 間 的に統 合され た た め だと解 釈さ れ た。
つ まり,
1500ms 程 度の長い SOA の 間に第 1刺激の情報は 短期記 憶 に転送・
符 号 化 さ れ,
第 2刺 激が 出現 す る まで 保持されて い た と考え ら れ る、
,
な ぜ,SOA
の長さ が中程度(133
ms )の と き に だ け時 間的統合は失 敗 する のだろ うか。 第 1刺 激が出現して か ら 133ms が経 過 する と,
第 1刺 激の感 覚 記 憶はすで に 減衰して利 用 不 可能と なっ て し まっ て い るが,
か といっ
て第 1刺 激の情 報を短 期 記 憶と して符 弓化 する処 理は ま だ完r
して い ない と考え ら れ る。 こ の よ う な場合に は,
第 1刺 激と第 2刺 激の時間的 統 合は成 立せず,
む し ろ第2
刺激の出現が逆向マ ス キン グ 〔backward
mask−
jng;see Enns & DiLollo
,
2000 )と して第 1 刺激の知 覚 を 妨 害 して し まうの だろ う。
Brockmole
et al.
(2002
)が報 告し たこの 現象は,
感覚 記 憶か ら短期 記 憶へ と視 覚 情 報が転 送・
符 号 化さ れる プ ロ セ ス と深 く関 係 すると 考え られ,
異な る 記憶メカニ ズ ム 問の相互作 用につ いて の 示唆 を 含 んで い る。 しか し,
SOA
が長い ときに短 期 記 憶に符 号 化 さ れ 利 用 さ れてい た 情 報 とは,
どの よ う なもの なのだろ う か。 欠落 ドッ ト 検 出 課 題におい て課 題 遂 行に必 要な情 報は,
整 然とます 目 状に配 置 さ れた ドッ トの 位 置である。
こ の ような 情 報 を 記 憶 す る ため に は,
い くっ かの意図的 な方 略を と るこ と が可 能だ と考え ら れ,
観 察 者が短 期 記 憶に保 持して い た第 1刺 激の 情 報は純 粋に視 空 問 的な もの で は な い可 能 性が高い 、、 実際, 同様の 課題を追試し たJiang
&Ku ・
mar (2004 )に よ れ ば,
長い SOA の ときに観 察 者は短 期 記.
「意に保 持さ れ た 第1
刺激と,
新 し く 入力さ れ た第2
刺 激を完 全に統 合し, 両 者を 重 ね合わ せ た視 覚パ タン の単一
の表 象を短 期 記 憶に形 成 し て い るわ けで は な い こ とを 示峻 して いる。 ま たHollingworth
et al.
(2005
)は,
観察 者は第 1刺 激の い くっ かの ドッ トを グルー
ピ ング して 記憶 し た り,
ある い は第 1 刺激の ドッ ト その もの で は な く む し ろ第1
刺激で ドッ ト が存 在し な か っ た場 所を記 億す る,
とい っ た方 略を用い て い たこ と を示 峻 して い る。
もしこれ らの指 摘が正 し けれ ば,
視 覚 的 短 期 記 憶に 保持さ れ た第 1刺 激の 情報は個々 の ドッ トない しグ ルー
ピ ングさ れた ドッ トの集 団の位 置を一
っ ずっ 個 別に 符 号 化 し た もの で あっ て,
空 間 的に グロー
バ ル なパ タ ン の情 報で は な いとい うことに な る。 すな わ ち,
視 覚 的 短 期 記 憶に保 持さ れ た第1
刺 激と第2
刺 激 との時 間 的 統 合課 題は,
パ タ ン認 識とい う よ りも,
そ れ ぞ れの ます 目 (Brockmole
らの 場 合 には 16 ヵ所 )にっ い て,.
一
・
つ ずっ ドッ トが あっ
た か な か っ た か を 確 か め る よ う な 処 理 に よ っ て遂行さ れて い る と考え ら れる。 し か し な が ら,
上記の よ う な批 判 研究 も,
さ ま ざ ま な 方 略に よる利 得が存 在 する こと を示して は い るが,
それ だ けに よ っ てSOA
が長い と きの課 題 成 績の向 上が すべ て説明 さ れ るこ と を示 した わ けで は な い。
そ こ で本研究実吉
・
他1 視 覚 的 短 期 記 憶における視覚 情報の時間 的統合に関わ る神 経某 盤の検討25
で は,
長いSOA
で の 時 間 的 統 合 課 題の 遂 行におい て 本 当に第1
刺 激 が 空間的パ タン と して短 期 記 憶に保 持 さ れパ タン形 状の グロー
バ ル な処理 が行わ れて い ない の か,
新 しい実 験 課 題によ っ て検 討 する ことに し た。 本 研 究で は,
ま す 目状の ドッ トパ タンで は な く,
左 右 対 称に配 置さ れ た ドッ トパ タン を一
部 崩し た刺 激を用い て同 様の時 間 的 統 合 を 行っ た。
ドッ トを2個 ずっ 1組と して,8
組16
個の ドッ トを そ れ ぞ れ左右 対称に配 置 し た。
そ の うえで,
刺 激の上 もしくは下の領 域に配 置 され た ドッ トの う ち2
個の ドッ トの位置 を変え る ことで,2
組の対 称 牲を崩 し た。 次に ドッ トパ タン に含ま れ る ドッ トをランダム に半 数 ずつ 選び,
第 1刺 激と第2
刺 激に分 けて提 示 し た。 第1
刺 激と第2
刺激そ れ ぞ れ は非対称な パ タ ンだ が,
両 者を重ね合わせ る と刺 激の上下の領 域が それぞれ対 称も し く は非対 称なパ タンとな る。 すなわ ち 時 間的統合が成功 すれ ば,
上F
ど ち らの領域で対称 性が 崩れて い るの かが知 覚さ れ る。 100ms に満た な い短いSOA
で, 第1
刺 激の感 覚 記 憶に基づ いて対 称パ タン の 時 間 的 統 合が なされ る こ とは,
実 際に先 行 研 究 (Niimi,
Watanabe ,
&Yokosawa ,20
〔〕5
;see alsoHogben ,
Ju−
lesz,
&Ross,
1976 )で示さ れて い る、
,
こ こ で,
ドッ ト の位 置は先 行 研究 〔DiLollo,
1980)の よ う に ます目状に整 然と配置さ れ ておらず,
全 く ラン ダ ム に決 定さ れて い る こ と が 重要で あ る。 16 か所の ま す 目の位 置 を 記 憶 するの と は異な り,
対 称 性の検 出の ため に は対応 す る二 っ の ドッ トが対 称軸 をは さ んで対 称に なっ
て い る かを 処 理 しなけ れ ば な らないた め,
空 間 的に 非 常に正 確で,
しか も局 所 的で は な く全 体 的 (グPt・
一
バ ル )な情 報が 必要と な る。 対 称 性知 覚 は,
個 々の ドッ ト の位 置を逐 次 的に調べ る よ うな処 理で は な く,
並 列 的で グロー
バ ルな処理 に よる ものだ か らで あ る (Wagemans ,
1995
)。 し た が っ て,
先 行 研 究において容量 に制 限が な い感 覚 記 憶を利 用 可 能な短いSOA
の条 件で対 称 性の時 間的 統合が成 立し た こ とは不 思議で は な い。 で は長いSOA
の 場 合に は ど う だ ろ う か。 第1
刺 激の すべ て の ドッ ト の位 置を,
対 称 性 知 覚の処理 が可 能なほ ど高い精 度で短 期 記憶に符号 化・
保持すること は.
か な り困難だ と考え ら れる。
よっ て,
本研究の課題で は,
も し第 1刺 激の 情 報 を,
視覚 的パ タ ンと して全体的に符 号 化・
保 持 す ること がで き な け れ ば,
欠 落 ドッ ト検 出 課題 と は異な り時 間的 統合がで き な く なる と考え ら れ る。 実.
験 1で は こ の 点にっ いて検 討し た。 本 研 究で はさ らに,
機 能 的 核 磁 気 共 鳴 画 像 法 (fMRI ) に よ り時 間 的 統 合 課 題を遂 行 中の観 察 者の脳 活 動 を 計 測 する こ と で,
SOA の違い に よ っ て ど の よ うに異な る処 理 が 行 わ れてい るの かを検 討 した (実 験 2)。
脳 活 動の計 測によっ て,
視覚 的 記 憶 とい う内 的な表象・処理の 特性 を知 る こ と がで き る。 感 覚 記 憶は,
感 覚 野の 活 性の持 続・
処 理に従 っ た脳 部 位の活 性の持 続で あること が示 唆さ れて い る(
Ferber,
Humphrey,
&Vilis
,2004
;Large,
Aldcroft
,
& Vilis,
2005 ;Mukamel,
Harel,
Hendler,
& Malach,
2004 )。
短い SOA で は,
時 間 的 統 合に感 覚記憶が働 くこと が示 唆さ れて い るの で
,
比 較 的 強い視 覚 野の活 性 が 予 測されるが
,SOA
が長 くな るにつ れて その 活性は弱ま る と考え ら れ る。
一
一
方 で視 覚 的短期 記 憶は,
頭頂 葉 後 部と前 頭 前 野のネッ トワ
ー
クに よっ て実 現さ れてい ると考え ら れて い る (D
’
Esposito,
Aguirre,
Zarahn,
Ballard,
&Shin,1998
;Todd
&Marois,2004
)。 し たが っ て
,
短 期 記 憶に基づいた時 間 的 統 合が行わ れる と考え ら れ る長い
SOA
条 件で は, こ れ ら短期記憶に関わ る部 位の活 性が強 く認め ら れ る だ ろう
。
実 際,
欠 落 ドッ ト検 出課 題にお け る脳 活 動 を 検 討 した研 究で は
,SOA
艮条 件に お け る頭 頂葉後 部と前頭 前 野の 強い活 性が認め ら れて い る (Saneyoshi
,
Niimi,
Suetsugu,
Kaminaga,
&Yokosawa ,2eo8
)。
しか し,
課 題 遂 行に短 期記憶 を必要 と し ない短いSOA
で は,
短期記憶に関わ る部位の活性 は低い だろ う。
さ らに,
第2刺 激が逆 向マ スキ ン グ と な る1−
ti
程度のSOA
条件で は,
感 覚 記憶・
短期 記憶に関わ るど ち らの活 性も弱い と予 測さ れる。 加え て重 要なの は,
対 称 性 知 覚の よ う な視 覚パ タン形 状の グロー
バ ル な処理に関わ る脳活 動を 調べ ることであ る。Sasaki,
Vanduffel,
Knutsen,
Tyler,
&Tootell
(
2005
}は,
対称性 知 覚の 神 経 基 盤 をヒ ト とマ カ ク ザルを 対 象と して検 討 し た。 その結 果,
有 線 外 皮 質の V3 か ら V4,
LO 〔後 頭 葉 外 側 部 )な ど が対 称 な刺 激に対 して非対 称な刺激よ り も 強い活 性を 示 し た と報告 してい る。 これ らの領 域は,
対 称パ タ ンに限 らず図 形や物 体 像な どの視 覚パ タ ン の形 状 処 理に関 わる領 域で も ある(Malach et aL,
1995;Pasupathy
&Connor ,
2002
)o さ らに,LO
か ら続 く紡錘状 回や下 側 頭 回とい っ た側 頭 葉 下 面 も,
複 雑 な形 状の 認 知に 関わ る こと が示 唆 されて い る(Kan−
wisher,
2003
)。 短いSOA
で は感覚 記 憶 内で統 合さ れ た 対 称パ タ ン の グロー
バ ル な処理に よ っ て課 題が遂 行さ れ る と考え ら れる ため,
これ らのパ タン 形 状 処理 に関わ る 領 域の活 性が予 測され る。 長い SOA の場 合に も,
もし 短期 記 憶に保 持さ れ た第 1刺 激の情 報を第 2刺 激 と統 合 して対 称パ タンの 表象を形 成 し,
そ の グロー
バ ル な処 理に よ っ て対 称 性が処 理さ れ る と し た ら,
同 様の部 位の 活 性が 見 ら れ る だ ろ う。
これ に対 して も し 長いSOA
で の 時 間 的 統 合が視 覚 的パ タン の グロー
バ ル な処理 を行う26
基 礎 心理学 研 究 第 28 巻 第 1号 こと な く,
個々 の ドッ トを 逐 次 的に調べ る よ う な処 理に 基づい て い る な ら ば,
これ らの領 域の 活性は短い SOA の ときと異なり見 られない と考え られる。
実
験1
方 法 A Response (250Gms > 実験 参 加 者 大 学 生 および 大 学 院 生
13
名が実験に参 加 し た (男 性 7名,
女 性6
名,
年 齢 20 歳か ら28 歳 )。 実 験 参 加 者は全 員が右 利 きで あり,
裸 眼 も し くは矯 正によ り正 常 な 視 力 を有 して いた。
実験 参 加 者 に は事 前に実 験の概 要が 説明 さ れ,
同 意を得たうえで 実 験が行 われ た。 実 験の目 的は 参 加 者に知ら されな か っ た。
装 置と刺 激 実 験 刺 激は,
パー
ソナ ル コ ン ピュー
タ (SS MX27AE,
東 芝 製 )か ら,
DLP プ ロ ジェ ク タ (DQ3120 −X2 ,
InFo−
cus 社 製) に よ っ て ス ク リー
ンに投 射さ れ たc 回 答に は テ ン キー
が川い ら れた。 刺 激 提 示 と反 応 記 録 は MAT−
LAB
6.
0
(Mathworks
社 ) と その ス ク リ プ ト集で あ るPsychtoolbox
(Brainard,1997
)によ っ て制 御さ れ た。 刺 激は,
16個の白い ドッ トを垂直軸を中心 と し て 左 右に8
個ずつ 線 対称に配 置し た う えで,
その う ち2
個× 2組の計 4個の ドッ ト の位 置を動か すこ とで一
部を非 対 称に し た画像で あっ た(Figure
1B
)。 こ のと き, 非対称に する ドッ トはパ タ ン の上部も しくは下部に存 在する よう に操 作された。 さらにこ の刺 激 を二つ に分 割 し,
第1
刺 激 と第2
刺 激 とし た。
第1
刺 激に は16
個の う ち8
個,
第2
刺 激に は 残 り8個の ドッ トが 提 示 さ れ た。 ま た各 刺 激 は そ れ ぞ れ が完 全な対 称と な ら ない よ うに分 割 さ れ た。
し た がっ て,
二 っ の 刺 激を 統 合 す る まで は非 対称 と な るドッ トが図 形の ト1下ど ち らの領 域に存 在 するかはわ か ら な か っ た。
ドッ トは,
白で描かれた 四角い枠の中に 収ま る ように提示さ れ た。 背景は黒であっ
た。 手 続き 課題 は,
連続 提 示され る第 1刺 激 と第2刺 激を統 合 し,
刺 激の対 称 性を崩 す ドッ トが図 形の上 部 下 部ど ち ら に存 在 するか を答える 二肢 強 制 選 択 課 題で あっ た。 刺 激 提 示 間 隔 (SOA )を独 立 変 数とする,
1要因8水 準 (SOA :Oms ,
40 ms,80
ms,
160ms,
320 ms,640ms .
1280ms,
2560
ms )の参 加 者 内 計 画で あっ た。
従 属 変 数 はF .
答 率で あっ た。
実 験 参 加 者はス ク リー
ンか ら約 220cm の距 離を保っ 状 態で座っ た。
試 行で は,
まず 画 面 中 央に白い枠が 500 ms 呈示さ れ た。 次に,
画 面 中 央に第 1刺 激が 30 ms 甼 BFigure
1,
A;Sequence
of tria1.
Each
trialbegan
with a white squareframe
appcaredfor
500 ms,
followed by the initial array,
Thefirst array Gf each trial appeared for 30 ms
and
disappeared,
leaving
the
squarefrarne
onthc screen
.
After
a variableSOA ,
a secondarray was
presented
for 30 ms.
Participantswere asked to report whether the
dGt
breaking
symlnetry were Qnthe
upper or
lower
ha
ユ『 of the stimulus.
In
this trial,
correct answer
is」
‘
lower half”
.
B:An exampleof integrated stimulus
.
The dot breakingsymmetry was on the lower half of
the
stimulus.
示 さ れ た。 刺激 が消 去さ れ た後,
再び白い枠が画 面 中 央 に各 SOA 条 件に応 じ た時 間,
提 示された、,
続い て第 2 刺 激が30ms
提 示された (FigureIA
)。
実 験 参 加 者は第 1刺 激と第 2刺 激を統 合し,
図 形の対 称 性を崩 して いる ドッ トが図 形の上部 下 部ど ち らに存 在 し た か を判 断 し て,
正確に キー
を押すよ うに求め ら れt:。 実 験 参 加 者に は反 応 時 間 を取っ
てい ない こと が伝え られ た。 反 応が取 得さ れて か ら,
次の試 行が始まるように設 定さ れ た。 実 験 は各 SOA 条 件 8種 類 ×非 対 称 ドッ ト の 位 置 2種 類 (上 下 ) を 各24
試 行ずっ行う計 384 試 行か ら な り,
64 試 行 を ]ブ ロ ッ ク とする6 ブロ ッ クで構 成さ れ た。
ブ ロ ッ ク問で は参 加者 任 意 の 休憩 が 設 け ら れ た。
刺 激 の提 示 順 序,
ブロ ッ クの順 序は疑 似ラ ンダム に定め ら れ た。 実 験に先 立ち,
32 試 行の練 習が行われ k。
練 習で は,
各 SOA 条 件8種×非 対 称 ドッ ト の位 置2種 類が各 2試 行実吉
・
他:視 覚 的 短 期 記 憶にお ける視 覚 情 報の時 間 的 統 合に関 わる神経 基 盤の検 討27
ずっ 含 ま れ た。 ブロ ッ ク の 順 序は参 加 者 ご とに カウ ン ター
バ ラ ン ス が 取 ら れ た。 結 果 と 考 察 参 加 し た13
名の う ち2
名は課題 を 遂行で き な かっ た た めそ の デー
タを除 外し,
11 名の デー
タを分 桁 対 象と し た。SOA
条 件ごとの 平均正答率は, Figure 2に示す。SOA
の効果にっ い て の対応のあ る1
要因の一
元 配 置 分 散 分 桁の結 果,
主 効 果が 有 意で あっ た (F(7,
70)=
28.
48,
p
<、
01
)。Tukey
の多 重 比較の結 果,
SOA
がOms
と80
ms
,
160 ms,
320ms,
640 ms,
1280 ms,
2560ms の 間に は,
Oms の ほ うが,
正 答 率が高いとい う有 意な差が あっ た (p
く,
05
)。 ま た,SOA
が40
皿s と160
ms の間,40
ms と2560 ms の間に は 40 ms の ほ う が成 續がよ い と い う有意な差が あっ た(p
く.
05
)。 さ ら に,160ms
よりも 2560ms の ほ う が,
有意に成 績がよか っ た (p<.
05)。
す な わち,SOA
が40
ms の ときに は成 績がよ いが その後 低下し,
160ms
で最も低 く な る。 しか し,
その後 緩や か に成 績が向上 し,
2560ms で成 績が回 復す る こと が示 唆 された。
ま とめ る と,
SOA
が80
ms か ら1280
ms の 間は成 績 が低 下して い た と言え る。 これ は,
短いSOA
条 件で は 感 覚 記 憶に よ り,
長いSOA
条 件で は短期 記憶の働きに よ り二っ の 刺 激が統 合,
照 合さ れる とい う欠 落 ドッ ト検 出 課 題 を用いた先 行 研 究 (BrockmoLe et al.
,2002
)と合 致す る 結 果で あ る。
し た が っ て,
短期 記 憶に基づ い た時 間 的 統 合は対 称 性の検 出とい う形 状の全 体 的 処 理におい て も可 能で あ り,
必 ず しも個々の ドッ トの位置 を抽 象 的 に符号化す るよ う な方 略に よっ
て のみ遂 行さ れて い る わ 100 go 翁B。 :§
§
7。 く 60 5D O160 640 40 320 80 r 」 L けで は ない こと が示 さ れ た。 しか しなが ら,
先 行 研 究で は長 いSOA
で の欠 落 ドッ ト検出 課 題 の 成績は短いSOA
の と き と同 等に まで高か っ たの に対 し,
本 実 験の 結 果で は長いSOA
で の 成 績は部 分 的に しか 向 上してい ない。 これ は,
欠 落 ドッ ト検 出課題で は個々の ドッ トの 位 置を方 略に よ っ て短 期 記 憶に効 率よく符 弓化 すること で 課題成 績が大 幅に向上して いた が, その よ う な方 略が 役立た ない本 実 験の対 称 性 課 題で は その利 得が失わ れ た た めだ と考え ら れ る。
実 験2
実験2
で は,
fMRI に よ っ て異な るSOA
の 時 間的 統 合に関わ る神 経 基 盤を検 討 し た。 検 討す るSOA
と して,
実 験 1で 有意 差の認め られ た 3 種類の SOA を 用い た。 すな わ ち,SOA
短条件と して40
ms,
SOA
中条 件と し て 160 ms,
SOA 長 条 件と し て 2560 ms を採 用 し た。
実 験は ブロ ッ ク デザ インで行わ れ, 各SOA
条件に関わ る 脳部 位の活 動を全体 的に計測 し た。 実 験 2で は,
実 験 条 件に加え,
各 SOA に統 制 条 件が 設け られ た。
統 制 条 件で は実 験 条件で用い ら れ る刺 激が 提 示さ れ た が,
第 1刺激 と第 2刺 激は 全 く同一
の もの で あっ た。 これは,
特にSOA
短 条 件の と きに,
鶺動 的に時 間 的統合が起こる可能性を排 除する た めであっ た。 し た が っ て,
実 験 条 件の よ うな刺 激の保 持,
統 合は行 わ れ ず,
対 称 性の判 断 も行 わ れ な かっ た。
実 験 条 件の 活性と統制 条 件の活 性の 差分を 見 るこ とで,
実 験 条 件にお け る刺 激 の保 持と統 合,
対 称 性の判 断とい う心 的 過 程 を反 映 した 脳 活動を得ること がで き る だ ろ う。 方 法 1280 SOA 〔ms ) 2560Figure 2
、
Accuracy rate for al ! SOA condi−
tions in experiment
1,
Error
bars
are stan−
dard
errors.
実 験 参加者 大 学 生,
大 学 院 生お よ び社 会 人12
名が実 験に参 加 し た (男 性 6名,
女 性 6名,
年en
21歳か ら28歳 )。
実 験 参 加者は全員が右利きで あ り,
裸眼 も し く は矯正によ り 正常な視 力を有 して い た。
実 験 参 加 者に は事 前に実 験の 概要と MRI に っ いて説明さ れ, 同意を得た う えで 実験 が行わ れ た。 実 験の 目的は参 加 者に知ら さ れ な かっ た。
実 験デ ザ イ ン 実 験デ ザ イ ンは刺 激 提 示 問 隔 (SOA >を独 立 変 数とす る,
1要 因 3水 準 (SOA
短 条 件 40 ms,
中 条 件 160 ms,
長 条 件2560ms )の参 加 者 内計 画で あっ た。 実 験は ブロ ッ ク デ ザ インで行わ れ た。
各SOA
は 異 な るセ ッ シ ョ ンで行わ れ た。
各セ ッ シ ョ ンには 課題ブロ ッ ク, 統制ブロ ッ ク, レ ス トブロ ッ クの3
種類が含ま れて いた。1
ブロ ッ ク は24
秒で あ り,
4試 行で構 成さ れて い28
基礎心 理学研究 第28
巻 第 1号 た。1
セ ッ シ ョ ン で は まずレ ス トが 1 ブロ ッ ク分 施 行 さ れ,
そ の後 各ブロ ッ ク が,
課題 ブロ ッ ク,
統 制,
レ ス ト の順で6
回 繰り 返 さ れ た。 し た がっ て,1
セ ッ シ ョ ン は 19 ブロ ッ ク,
7分 36秒で あ っ た。
最 初の レ ス トの ブ ロ ッ ク はMR 信号が安 定 し ない ため分 析に は用 い ら れ な か っ た。 装 置と刺 激実験に は,
1.
5
テス ラのMRI
ス キャ ナ(
Signa
LX .
General Electric社 製 )が 用 い られた。
刺 激と反 応記録 の制 御,
刺激 提 示に は実 験1
と同様の装 置が用い ら れ た。 実験参加 者は,
ス ク リー
ン に提 示さ れた刺 激を頭 部 RF コ イ ル に設 置さ れた鏡 を通 して 観 察 し た。 反 応取得に は
,MRI
用反応キー
(LUMINA
,
Cedrus
社 製 )が用いら れ た。 参 加 者ご とに
,
全 脳の機 能 画像を グラ ジエ ン ト エ コー ・
エ コー
プラナー
(GRE −EPI
)法に よっ て 撮 像した。 全 脳が 4mm の厚さの 29 枚か ら31 枚の水 平 断 面
で 撮 像され
,
全 脳の撮 像 1回に要 する時 間 〔repctitiontimc二TR )は
6
秒で あ っ た。
ま たエ コー
時間(echo time:TE )は 40 ms で あ
っ
た。 断 面の大 きさ は,
24 cm ×24 cm の大 きさで あっ た。
ボ ク セ ル サ イズ は3.
75
rnrn ×3,
75mm,
ス ラ イス 厚 は 41nrn で あ っ た。 ス ラ イス ギャ ッ プ は設 け なかっ
た。 また,
参 加 者ごとに高 解 像 度 の構造 画像を機能 画像と同様の装置に て撮 像し た。 全 脳 を 1.
5mm の厚さの 124 枚の水 平 断 面で撮 像 した。
TR は15ms
で あっ た。
またTE
は7
ms で あっ た,
,
断 面の 大 き さ は,
24cm ×24 cm で あっ
た。 刺 激は,
実 験 1と同 様で あっ た。 手 続 き3
種類の 課題 が設け ら れk
,、 非 対称 性検出課 題で は実 験 1 と同 様に,
対 称 性を崩 す ドッ トが存 在 するの は上 下 ど ち らの 領域か を キー
押しに よっ て答え させ た。 統 制 課 題で は,
非対称 性 検 出 課 題と同 様のSOA
を用い て刺 激 が提 示さ れ た。
た だ し,
第 1刺 激と第 2刺 激は全 く同 じ 刺激が提示さ れ, 実 験参 加者は第2
刺 激提示 後に左 あ る い は右の キー
を 交 互に押 す よ うに求め ら れ た。 レ ス ト課 題で は,
画 面 中央に点滅 す る ト字 が提 示さ れ,
実 験参 加 者は何も考えずに十 字を注 視す る よ うに指 示さ れ た。 ど の SOA 条 件で も,
1 ブロ ッ ク は 24秒で あ り,
試 行 数は 4 試 行で あ っ たn 実 験 1と1
司様に,
最 初に白い枠が 500 ms 提 示さ れ,
続い て第 1刺 激が 30 ms 提 示さ れた。
次 に 再 び自い枠がSOA
条 件に応 じて提 示さ れ た後,
第2
刺 激が30ms
提 示 さ れ た。 第2
刺 激が消 失 して か ら 2500ms 白い枠だけが提 示さ れ,
参 加 者は白い枠が提 示 さ れて い る問に反応 を行うよ う に教 示され た。 次の試 行 まで の試 行 間 間 隔はSOA
条 件に よっ
て異な っ た。 実 験 参 加 者には左 右の 手に キー
パ ッ ドが 渡さ れ,
非 対 称な ドッ トが図 形の 上部にあるか,
下 部に あるか を,
右 手 また は左 手のキー
を押 して答え るよ うに指 示 された。
非 対 称 ドッ トの位置 (ヒ・
下 ) と キー
(右・
左)の 組み 合わ せ は参 加 者ご とに カウ ンター
バ ラ ンスが と ら れ た。 な お キー
パ ッ ド に は 二っ ずっ キー
が配 置されて い た が,
参 加者には ど ち らの キー
を押して も よい こと が教示さ れ た。 レ ス ト か ら次の 課題ブ ロ ッ クに移 行す る1300ms
前 に注視 点の点滅が停 止し,
次が課 題ブロ ッ クで あ る こと を示 した。
また,
各 ブロ ッ ク の最 後300ms
に は赤い十 字が提 示さ れ次の ブロ ッ クに移行す るこ と が示さ れ た。 実 験に先 立ち,
練 習が行わ れ た。
SOA 条 件ご とに,
検 出, 統制, レ ス トの3
種類の課題を1
ブロ ッ クずっ 観察 さ せ た。 次に, 検出と統制を そ れ ぞ れ1
ブロ ッ クずっ行 わ せ た。
練 習は MRI 装 置の外で行わ れた。
MRI
デー
タ 分析 数値解 析ソ フ ト ウエ ア (MATLAB 7.
0.
4,
Mathworks 社 )上で動 作 するソ フ ト ウェ ア SPM5 {Statistical Para−
metric
Mapping
software )を 空 間 的な補正処理 と統計的 分 析の た め に使 用 し た。 各 条 件の賦 活を検 討する前 に
,
異な る参加者ごとの脳 画 豫を,
標 準 的な脳 画像に統.・
す る た めの空 間 的な補正 処理 を行っ た。 まず,
動きの 補 正 を する た めに,
最 初に撮 像さ れ た画 像に すべ ての機 能画 像の位 置が整合する よ うにパ ラ メー
タが求め ら れ た。 続い て,
各 参 加 者の構 造 画 像を,
参 加 薪 個 人の最 初 に撮 像された機 能 画 像に適 合さ せ るパ ラ メー
タを 求め た。
各 参 加者の構 造 画 像は,
Montreal
Neurological
ln−
stitute T1 テ ンプレー
ト に,
線 形 変 換を用いて正 規 化さ れた。
この構 造 画 像を T1 テ ンプ レー
ト に正 規 化 する た め に求めたパ ラメー
タ を用いて, 機 能 画 像に も 正規 化を 行っ た。 これ らの処 理に よっ て,
異な る形 状で あっ た各 参 加 者の 脳画 像が 同…
の 空間座 標で表 現さ れ た。
本 論 文におい て脳座標は
,Montreal
Neurological
Institute
T1テ ン プレ
ー
ト にお ける座標の 値 をコ ン ピュー
タソ フ ト ウェ
ア (Bret↓,
1999)によ りTalairach & Tournoux (1988>の 脳 座 標に線 形 変 換し た ものを用いた。 また,
各 画 像に お ける参 加 者ご との差 異や高 周 波 数ノ イ ズ を取 り除 くため,
機 能 画 像に対 し半 値 幅 8mm の ガ ウ シ ア ンカー
ネ ルを用い た平 滑 化 を行っ た、
,
各 参 加 者の 機 能 画 像にっ いて,
各 条 件にお け る賦 活 領 域を調べ た。
各ボクセ ル にお け る実 験条件の効果が,一
般線形モ デル に従っ て推 定さ れ た。
各 参 加 者か ら得 ら れ た 空閙パ ラ メ ト リッ クマ ッ プ を用い,
個人差を 誤 差 と して 用い る ラン ダム効 果モ デ ル に よるt検 定 を 行っ
た。 さらに,
各SOA実 吉
・
他:視 覚 的 短 期 記 憶にお け る視 覚 情 報の時 問 的 統 合に関 わる神 経 基 盤の検 討29
条 件に応 じて活 性 が 有 意に変 化 した 部 位 を検 討 するため に,
検 出と統 制の コ ン ト ラス ト画 像を用い て 1要 因3水 準の ANOVA 分 析 を 行っ た。 すべ て の分 析の有 意 水 準 に は,FDR
5
% (多重 比較の 修正 あ り)を 採 用 し た。結
果 実 験 課 題の成 績12
名中,
4名の 行 動デー
タ が 反 応取 得 装置の ト ラブル に よ り取 得さ れ な か っ た た め,
8名の デー
タ を分 析に用 いた。
SOA
を要因 と す る一.
元 配置の分散 分 析の結果,
主A
:Task
vs
.Cont
「oI
lnferiorfrontal
gyrus
Short
SOA
intermediate
SOA
Long
SOA
lnferiortemporal
gyrusMiddle
occipitalgyrus
ngUlategyrUS
Middle
frontaI
gy
「USsuperior
parietal
Iobule
/inferior
parietal
Iobule
B
:Main
匚 什ec
壷for
SOA
z
ニ31
Middle
occipitalgyrus
z
=43
enor
parietal
bule
Precuneus
l
superior
parietal
Iobule
Figure 3
.
A :Significant
activations under the short , intermediate,
and long SOA corld [tions at thethreshold of
p
〈.
05 (corrected )with an extended threshold of 150 voxeLs.
B
:S
工gnificant activationsshowing main effect
for
short,
intermediate
and longSOA
conditions.
We
adopt a Pく.
10
(corrected }for
threshold in order to make acti.
vation 皿 ore visible.
30 基 礎心 理学 研究 第 28 巻 第 1号
Table
l
Coordinates of activated areas
for
Short,
Intermcdiate and Lorlg SOA conditions compared withControl
conditions.
Region
9 TSho
γt慰 θrsors Conttて)l Conditio咒s Prefrontal cortex
LMiddle
frontal
gyrus 〔BA46
/BA6 /BA9
)
RMiddle
frontal
gyrus (BA46 /BA6 /BA10 )LInferior fronta工gyrus (
BA44
>
LInfcriQr
frontal
gyrus (BA44
)Posterior parietal cQtex /Occipita】cortex
LPrccune
.
us (BA7 )
RPrecuneus
(BA7 >LMarginal gyrus/L Inferior parietal lobu圭e (BA40 )
R
Marginal
gyrus (BA40
)LAngu ]ar gyrus (
BA39
)RAngular gyrus (BA39 )
Qccipital
cortexRLingual gyrus 〔BA17 )
RMiddle
occipital gyrus (BA l 8)Latera
]occipita1 /Temporal
cortexLFusifQrm gyrus (
BA37
/BA19
)
LInferior
tempora 工sulcus (BA37
)Other
regionsInsula (
BA13
)RInsula
(BAI3
)
LCingulate
gyrus
(BA32 )LThalarnus
RPostcentral
gyrus (BA2
}Interme
(iiate
versusControZ
Con
(titions
Prefrontal cortex
LMiddlc frontal gyrus (BA46 /BA6 /
BA9
)
RMiddle
frontal
gyrus (BA46
/BA6
/BAIO
)
Llnferior
frontal
gyrus (BA46
/BA44 /BA9 )RIrlferior frontal gyrus (BA9 )
LSuperior
frontal
gyrus (BA6
)
RSuperior
frontal
gyrus (BA6
)Posterior parietal cortex
LPrecuneus (BA7 )
RPrecuneus
/Superior
parietallobule
(BA7
)
LInferior
parlieta!lobule
(BA40
)Lateral Qccipital /Te皿 pQral cortex
LFusiform
gyrus (BA37
)
LSuperior
temporal gyrus 〔BA39
)Other regions
LInsu
!a (BAI3
)LPrecentra 工gyrus (BA44 >
RPosterior cingu 三ate (BA311
RPrecentral gyrus (BA9 )
LCingulate gyrus/
Medial
frontal gyrus (BA32 )一41
40
−
4152
一
29 27− 36
36
−
43 33OQ
)
2
ワ]
0
じ
054一
一
一
41 34−
8− 6
47
一32
36
−
38 43−
824
一
2922
−
418144
一
一
一36
−−
43 26 43−
4 只 V4亠
0 ウ]
29
臼
11一
71−
71− 46
− 44
−
52− 56
Qり
7QQ76245
一
一
14 6 20− 17
− 27
一122321014
1
一67
− 65
−
460
ρ
0ハ
05一
6
6−
60 18202911
2222
474626 21り
0∩
δ RUQ り −ρ
0351
一
6131824
2078723
42255
32
」344
」
4712一
lQ)
1用
4ρ
0 ワ日
20 り3
12,
911
.
08.
04
.
613.
17
.
48
.
913.
76.
210.
5
1854 43.
44 7.
210.
414
.
55
.
47.
5 12.
15.
79.
26
.
93
.
37.
52Q
)
27
ρ
07 3354 530Q79 746ρ
0尸
0 効 果が有 意で は な かっ た。
た だし,
結 果のパ タンは予 測 と合 致 して いた。
すなわ ち,
短 条 件の 成 績が高 く (mean ±SE,
67.
9%±0,
05%),
中 条 件で は低.
ドし (54、
8%± 0.
02% ),
長 条 件で は成 績が向 ⊥し た (58.
9%⊥ 0.
04% )。 fMRI デー
タ まず,
統 制 条 件よ り も有 意に活性 し て い る部 位を検 討実 吉
・
他:視 覚 的 短 期 記 憶にお ける視 覚 情 報の時 間 的 統 合に関 わる神 経 基 盤の検 討 31Table
l.
(continued )RegionLong
versus Control Cenditions
Pre〔rQntal cortex
LMiddle frontal gyrus (
BA6
〆BA9 /BA46 )
RMiddle
frontal
gyrus (BA9
/BA6
)LInferior frontal gYrus (BA9 )
RInferior frQ冂tal gyr
.
us (BA9 /BA46 )
LSuperior
frontal
gyrus (BA6
)
RSuper
玉orfrontal
gyrus
(BAIO
)Posterior parietal cortex LPrecuneus (BA7 /BA 上9)
LSuperior parictal lobule (BA7 )
RSuperior
parieta1!obule (BA7
>
Llnferior
parietal lobule/Supramarginal
gyrus (BA40
)RInferior parietal Iobule (
BA4G
)Occipital cor 色ex
LMiddle
occipital gyr.
us (BA19 )
RMiddle
occipital gyrus 〔BA19
)Lateral occipita1 /Tenlporal cortex
LInferior tomporal gyrus (BA37 >
LFus
呈forln gyrus (BA
19
)
LInferior
occipital gyrus (BA17
)RIrlferior occipital gyrus (BA 】8) Other regions
RCingulate
gyrus (BA32
)
RInsula
(BA
工3
) yT
一27
41
−
41 43−
10
34
一
11−
2926
−
3836
Qり
323一
45− 43
− 17
2718
3
ρ
0086000 315
一63
− 60
−.
63
−
42.
・
.
36
518(
6一
一
一
.
60
・
.
−
67−
93−
898
ワ回
11
18
尸
0113522251
78408 34.
月
443 1尸
Dll一
16− 13
−
5−
31142
15.
29
.
58
.
47,
24
.
46
.
2
15,
47.
212.
811
.
211
.
8
0444 9日
FD6冖
0763
尸
0702111
Note
.
BA (Brodmann
area );p
<.
05
(corrected };h
>150.
Tab
!e2
Activation
areas derived from main effct of SOA conditions.
Region
yT
Posterior parietal cortex
RPrecuneus
/Superior
parietallobuLe
(BA7
)
LSuperior
parietalIobule
(BA7
)RInferior parietal lobu玉e (BA40 )
Occipital
cortex
LMiddle
occipital gyrus (BA19
)
20
.
− 11
36一31
一69
−
67−
42一71
003
444
22
27.
722
.
89
.
712.
2
Note
.
BA (Brodmann area);ヵ<.
05 (corrected >;k
>150,
した 〔Figure 3A
,
Table 1参 照 )。
すべ て の SOA 条 件におい て
,
帯状 回,
前頭前野 (中前頭回,
下前 頭回 ),
中心 回,
頭 頂 葉 後 部 (楔 前 部,
下 頭 頂 小 葉,
上頭 頂 小 葉 ),
中 後 頭 回,
紡 錘 状 回,
小 脳,
視 床の活 性 が 認め ら れた。
こ れ らの部位に加えて,SOA
短条件で は,
頭 頂葉後 部の縁 状 回,
角 回,
後 頭 葉 視 覚 野の舌 状 回,
側 頭 葉の下 側 頭 回,
SOA
中条件で は,
前 頭葉の上 前 頭回,
側 頭 葉の 上側 頭 回,
下 側 頭 回,
ま たSOA
長 条 件で は頭 頂 葉 後 部の縁 状 回,
角 回,
後 頭 葉の ド後 頭 回に統 制 条件よ りも強い活性 が 認 め ら れ た が,
どの SOA 条件に おいて も 活性部 位は おお むね共 通し て い た。SQA
に よっ て活 性が有意に異な るパ タン を 示す部 位 を検 討 するた めに ANOVA を行っ た。
そ の結 果,
上 頭 頂 小葉,
下 頭 頂小葉 と中後 頭回の活性にSOA
の主効果 が 認め ら れ た (Table 2参 照)。 主効果が認め ら れ た活性の ピー
ク ボク セ ルを 中 心 とし た半 径4mm
球 を 関 心 部 位 と して活 性 値を抽出し,
統制条件か らの 関連部 位内のボ クセ ル の平 均 信 号 変 化 率を求め た。
そ の平 均 信 号 変 化 率 を用い て,
多 重 比較を行っ た。 その結.
果,
中後頭回で は 長 条 件と中 条 件の活 性が同 程 度で あり,
短条 件の活 性が32 基 礎 心 理 学 研 究 第 28巻 第
1
号 0.
8o.
765
4
3
2 0 0 D O D
〔
訳)
響 盤9
・
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勗 碕 D.
10Left superior parietaHebule
Short lntermediate Long SOA 0
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80.
7 0.
6 §G5罍
碧
身
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3 0.
20.
10Right superior parietal lobule/
Short lntem]edlate Long SOA
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80.
7 O.
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重
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4身
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3 D.
2D.
1oLefモmiddle occipital gyrus
Sho比 Intermediate Long SOA
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0、
80.
7 06 §e.
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耄
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4身
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3 0.
2.
LI100Right inferior parietal lobule
*
Short Intermediate Long SOA
一
一Figure
4,
Percent
signal changes froln Control conditions fQr short,
intermediate and 王ong SOA taskconditions
.
Reported brain regions showed main effeGt forSOA
condition.
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bars
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