特 集
27
号
特 集
有識者から学ぶ
スポーツ事故の現状とその対策!
(後編)
∼スポーツ庁委託事業 スポーツ事故防止対策推進事業∼
「学校でのスポーツ事故を防ぐために」セミナー報告
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p.1
地域だより
心肺停止事故に対する取組
ー迅速な判断と対応事例ー
…
p.3
回 覧 ※学校内での回覧にご使用ください。学 校の 体 育 活動中や部 活動で 発 生 した 重 篤 な ス ポ ーツ 事 故 に つ いて、 有 識 者の現 地 調 査 等を基に、事 故の 発生要因を分析し、最新の知見も踏ま え、類 似 事 故 を 繰り返 さな いた め の 方 策 等 を広く関 係 者と共 有 する 事 業 です。その中で、平成27年度は、北海道 から沖 縄まで の6箇 所(仙台、福井、 さいたま、札幌、沖縄、広島)でセミナー を開催しました 。 開催地域の教育委員会に、開催に向けた準備や地域パネリストの選定などご協力いただきました。 全会場でスポーツ事故防止対策協議会(以下:協議会)の戸田芳雄委員長(東京女子体育大学教授)が 事業概要説明を行い、パネリストの方からは学校でのスポーツ事故防止に向けた様々な発表が行われ ました。パネルディスカッションコーナーでは、各会場とも参加者と活発な質疑応答が行われました。 前号でお伝えしたとおり、本号では札幌、沖縄、広島会場での地域パネリストの発表を中心に様子を お伝えします。
[特 集]
~スポーツ庁委託事業 スポーツ事故防止対策推進事業~
「学校でのスポーツ事故を防ぐために」セミナー報告
~スポーツ庁委託事業 スポーツ事故防止対策推進事業~
「学校でのスポーツ事故を防ぐために」セミナー報告
有識者から学ぶ スポーツ事故の現状とその対策!
(後編)
有識者から学ぶ スポーツ事故の現状とその対策!
(後編)
札幌会場 平成28年 1月8日 開催
札幌会場 平成28年 1月8日 開催
沖縄会場 平成28年 1 月22日 開催
沖縄会場 平成28年 1 月22日 開催
北海道高等学校体育連盟(以下:道高体連)会長 藤岡二朗氏から「道高体連 におけるスポーツ事故防止の取組」について発表が行われました。道高体連 では、学校でのスポーツ事故防止はもとより、万が一事故が発生した場合の 対応や補償などについて、以下のような取組を行っています。 ● 初めて運動部の顧問を引き受けた場合や、経験のない種目の顧問になったとき に活用できるよう、事故発生時の対応や応急処置、スポーツ障害とその予防、 スポーツドクター一覧などを掲載した「運動部活動顧問のため指導ハンド ブック」を作成し、配布した。 ● 体育活動中の事故防止のポイントや種目ごとの事故防止のためのチェック リストを掲載した「運動部活動顧問のための安全対策マニュアル」を、 全加盟校に配布した。 ● 道高体連主催の大会で事故にあった生徒及び教職員に対して補償をする ための道高体連主催大会参加者災害補償制度を、平成18年度から導入した。 ● 道高体連主催大会参加者災害補償制度に給付申請のあった事故の発生状況 や障害の傾向を分析し、障害防止 に関する指導研修会を開催した。 事故を未然に防ぎ、生徒の積極的 な体育活動を支えるためには、指導・ 監督に当たる教職員が安全に配慮、 す な わち危 険を予見し、回 避して いく義務を着実に履行していく必要 があるとの説明がありました。 井口 成明JSC協議会委員 紙谷 武JSC協議会委員 藤岡 二朗氏 安井 利一JSC協議会委員 水泳の飛び込みにおける危険性とその対策 医師の立場からみた柔道による重症頭頚部外傷の現状と予防 道高体連におけるスポーツ事故防止の取組 学校での安全教育・安全管理を歯・口腔の外傷予防から考える 公財)全国高等学校体育連盟水泳専門部 常任委員 公財)全日本柔道連盟 医科学・強化委員(整形外科医) 北海道高等学校体育連盟 会長 明海大学 学長 発表タイトル 発表タイトル 発表タイトル 発表タイトル 事業概要説明を行う戸田氏 コーディネーター戸田氏 藤岡氏発表の様子 札幌会場パネリスト(左から井口氏、紙谷氏、藤岡氏、安井氏) 〔発表内容〕 沖縄県柔道連盟理事長 天久功一氏から「安心・安全かつ効果的な柔道授業 ∼受け身の効果的指導方法∼」と題し て発表が行われました。2012年の学習指導要領改訂により武道が必修化され、柔道の重大事故に対する不安の声 があります。そのような中で、指導者に求められる安全配慮義務や、安全を考慮した段階的な指導実践について説明 がありました。特に柔道が専門外の先生でも指導がしやすい、受け身の修得方法等について紹介がありました。また、 沖縄県教育委員会では、学校体育武道指導者養成講習会を実施し、学校体育における指導の充実に取り組んでいると のことでした。パネルディスカッションの様子
広島会場 平成28年2月22日 開催
広島会場 平成28年2月22日 開催
発表タイトル 発表タイトル 発表タイトル 発表タイトル 広島市教育委員会指導主事 常井慎太郎氏から、保健体育科の授業における事故防止の取組について発表が行われ ました。広島市では、平成 22 年に中学生が保健体育の授業中に死亡するという大変悲しい事故が発生しました。 これを受け、再発防止に向けた取組として、学識経験者、中学校長、中学校教諭、事務局職員で組織する「保健 体育科の授業における事故防止委員会」を設立しました。安全指導の一層の徹底を図り、生徒の有意義な体育的活動 に資することを目的に、今日の学校事故の現状や課題を踏まえ、学校体育における事故について検証改善を行い ました。その後、検討した報告内容を基に、安全対策のポイントを具体的に 示した「保健体育科の授業における事故防止ガイドライン」を作成しました。 その冊子を学校へ配布するとともに、広島市教育委員会の研修会で資料と して活用しているとの報告がありました。 渡辺 一郎JSC協議会委員 月村 直樹JSC協議会委員 常井慎太郎氏 渡邉 正樹JSC協議会委員 ラグビー競技における重傷事故の傾向と防止策 ∼特に頭頚部重障害事故に着目して∼ 口腔領域の外傷へのアプローチ ∼スポーツ歯科の立場から∼ 保健体育科の授業における事故防止の取組 スポーツ事故防止のための学校危機管理 東京都市大学 教授 日本大学歯学部 准教授 広島市教育委員会 学校教育部 指導第二課 指導主事 東京学芸大学 教授 発表タイトル 発表タイトル 発表タイトル 発表タイトル 〔発表内容〕 金岡 恒治JSC協議会委員 山中 龍宏JSC協議会委員 天久 功一氏 望月浩一郎JSC協議会委員 飛び込み事故をなくす 学校でのスポーツ事故予防への科学的アプローチ ∼ムカデ競争を例題として考える∼ 安心・安全かつ効果的な柔道授業 ∼受け身の効果的指導方法∼ スポーツ事故予防のための具体的ガイドライン 公財)全日本水泳連盟 理事 医事委員長 緑園こどもクリニック 院長 沖縄県柔道連盟 理事長 弁護士 虎ノ門協同法律事務所 所長 〔発表内容〕 常井氏発表の様子 広島会場パネリスト(左から渡辺氏、月村氏、常井氏、渡邉氏) 天久氏発表の様子 沖縄県柔道連盟理事長 天久功一氏から「安心・安全かつ効果的な柔道授業 ∼受け身の効果的指導方法∼」と題し て発表が行われました。2012年の学習指導要領改訂により武道が必修化され、柔道の重大事故に対する不安の声 があります。そのような中で、指導者に求められる安全配慮義務や、安全を考慮した段階的な指導実践について説明 がありました。特に柔道が専門外の先生でも指導がしやすい、受け身の修得方法等について紹介がありました。また、 沖縄県教育委員会では、学校体育武道指導者養成講習会を実施し、学校体育における指導の充実に取り組んでいると のことでした。 セミナーには、全国で延べ 1,100 名を超える皆様にご参加いただき、改めて学校でのスポーツ事故防止に対する 関心の高さを感じることができました。御協力くださいました関係各所の皆様に、心よりお礼申し上げます。 なお、本年度もセミナーを開催します。今年度の研究課題は、眼部の事故防止と組体操を含む体育的行事(運動会等) における事故防止です。眼部は、学校の管理下で平成18 ∼27年度に発生した体育活動中(体育の授業、運動部 活動、体育的行事等)における事故で、障害見舞金を給付した事例のうち最も多い部位となっています。組体操 を含む体育的行事(運動会等)では、毎年多くの負傷者が発生し、メディア等でも取り上げられ、社会的な関心を 集めているところです。また、研究課題だけでなく、突然死や熱中症についてなど有識者の方々の専門分野の講演も 予定しています。学校関係者の皆様にとって非常に有意義なものになると思いますので、是非ご参加くださいます よう宜しくお願い致します。日程、会場等の詳細は、折り込みチラシ及び学校安全 Web をご覧ください。学校の管理下では、様々な事故が発生します。中には命に関わるケースや、重い後遺症が残る ケースがあり、事故発生時の緊急対応が大切になります。 独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)では学校の管理下で重大な事故が起こった 際 に は 現地に出向き、事故の詳細な状況と事故に対する対応内容及びその後の再発防止に向けて 行っている取組について、調査を行っています。 今回は、合宿中に起こった心肺停止事故発生時の「現場での迅速な判断と対応」によって、 現在、当該生徒が身体に異常も後遺症もなく、部活動(ラグビー部)にも完全復帰し、元気に学校 生活を送ることができている事例を紹介します。
[地域だより]
ー迅速な判断と対応事例ー
ー迅速な判断と対応事例ー
心肺停止事故に対する取組
心肺停止事故に対する取組
東京地域
事故内容
事故内容
事故発生の状況
【高等学校 1年生 男子】 夏期休業中、部活動の合宿で行われた練習試合開始数分後、選手たちが団子状態になった後、当該生徒 が元のポジションに戻る際に、崩れ落ちるように倒れました。 なお、試合開始前に1時間程度の準備運動を行っており、事故前は生徒に特段の変わった様子はなかった とのことです。事故発生直後の生徒の様子
仰向けに倒れ、眼は開いたままで、周 囲からの声がけに反応はなく、脈、意識がない状態でした。そして大きく 死戦期呼吸※が1回認められました。 ※死戦期呼吸とは…しゃくりあげるような不規則で時おり出現する異常な呼吸です。JSCでは教職員・生徒向け DVD として HP 等でも紹介しています。事故発生時の現場での対応
現場にいた顧問などがすぐに当該生徒の元へ駆けつけ、気道確保、脈の確認を行い、救急車を要請しました。 グラウンド管 理 事 務 所へ AED を取りに行っている間、消防士の卒業生が、本人の状態を見てすぐに心肺蘇生 (CPR)が必要と判断し、顧問と一緒に心肺蘇生を開始しました。AED が到着し、3 回の電気ショックを実施した 後に心肺機能が回復しました。その後、到着した救急隊により病院へ救急搬送されました。事故発生前の取組
今回の事故発生以前から、 「3 年毎に全教職員を対象とした救命講習を実施」 「保健体育科教員の一部は、日本赤十字社による救命講習を受講」 また、「中学 2 年生の生徒を対象に、保健体育の授業で心肺蘇生とAED 講習を実施」するなど、日頃から心肺蘇生 に関する講習を実施する機会を設けていました。 平成26 年度文部科学省委託事業スポーツ事故防止対策推進事業 DVD「その時あなたは」参照 http://www.jpnsport.go.jp/anzen/tabid/1765/Default.aspx 心停止のサインである心室細動と死戦期呼吸についてCGとドラマでわかりやすく表現しています。また、 心肺蘇生とAED使用の必要性を理解できる構成となっています。事故発生後の取組
「校外活動時に AED を持っていく」など、AED の携帯を充実させています。 具体的には、 ○ 学校に設置されている 4 台のAED のうち、2台は部活動の遠征や合宿などに貸出可能とした。 ○ 遠征や合宿など学校外で活動を行う際、事前に必ずAED設置場所を確認するよう指導した。 ○ ラグビー部については、専用 AED1台を OB 会が購入した。事故実地調査を終えて・・・
事故実地調査を終えて・・・
今回の事故実地調査から、改めて、以下のようなことが分かりました。 ● 学校において、教職員及び生徒に繰り返し心肺蘇生の講習を行うことで、判断力や対処能力が身に付き、事故に 居合わせても躊躇することなく行動に移り対応ができること ● 常に身近に AEDを備え使用できるようにしておくことが、心肺停止事故発生の際には救命の成功につながること 今回は、事故発生時の対応が適切で、当該生徒が今は元気に学校生活を送ることができている事例を紹介させて いただきました。今後も、安全指導対策の成功例や事故防止対策などの情報を積極的に収集して提供していきたい と考えています。ご協力をお願いします。 【参考資料として下記もご参照ください】 ・スポーツ事故防止ハンドブック https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/anzen_school/handbook.pdf ・平成27年度8月教材カード 命を救う大事な一歩(小学生中・高学年向け)PDF http://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/pdf/card/H27/H27_8_1.pdf ∼突然死∼知って救おう大事な命(中学生・高校生向け)PDF http://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/pdf/card/H27/H27_8_2.pdf 突然死の予防と応急手当(教職員向け)PDF http://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/pdf/card/H27/H27_8_3.pdf <グラウンドの側にAEDを設置> <学校内にAED設置場所への案内を掲示>災害発生時の学年・組を入力してください。 ( 幼稚園・幼保連携型認定こども園・保育所等は年齢になります。) 「いつ、どこで、何をしていて、どうなったため、身体のどの部位を、どうした。」を 簡潔に入力してください。 負傷部位は、「左右」等の違いに気をつけてください。 (不明確な場合、確認照会のため、請求書類を返送させていただくことがあります。) 「応急処置や医療機関への移送など災害発生に対して学校側のとった措置状況のほか に、時間の経過等について入力します。発生日と診療開始日に間がある場合、理由や この間の症状について入力してください。
災害報告書
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災害共済給付オンライン請求システムに入力する際のポイントをお知らせします。
なお、学校・設置者向けに配布している「災害共済給付請求事務ガイドブック」もご参考ください。 ご不明な点は、担当地域事務所へお問い合わせください。 診療開始日の翌日以降と なっていないか確認して ください。 時間は必ず入力してくだ さい。 (特定できない場合は推 測できる一番近い時間を 入力してください) 第 三 者 加 害 行 為(交 通 事 故・飼い犬にかまれた 時等)に関 連 す る 災 害 の 場合は、その他参考とな る事 項 を 入力する欄に、 損害賠償の有無及びその 金額について入力してく ださい。 こちらの様式は学校用で す。幼稚園・幼保連携型 認定こども園・保育所等 の様式とは一部異なりま すが、入力のポイントは 一緒です。 平成 28 年 1月から、災害 共済給付オンライン請求 システムの入力欄に「公費 負 担 医 療 制 度」の入力欄 が追加されました。公費 負担医療制度利用の有無 について必須入力となり ます。 災害発生の場所及び場合 を選択してください。 「医療等の状況」と負傷 部 位 が 異 な っ て い な い か確認してください。【災害共済給付】知っておきたい!! 手続き方法!!
【災害共済給付】知っておきたい!! 手続き方法!!
❶ 継続分の請求に使用します。初回請求した月と同月分(例えば、転医分や調剤分など)を後日請求する場合も 「災害継続報告書」を使用します(作成後設置者へ申請を行ってください。書面での提出は必要ありません。)。 ❷ 診療月の間が空いている場合は、その旨を「経過報告等記入欄」に入力してください(受診していない月と その理由など)。 ❸ 転入・進学してきた場合は、転入・進学する前の学校・保育所等名、一番最近(最後に)支給を受けたの が○年○月分で、その支給を○年○月に受けた旨を併せて「経過報告等記入欄」に入力してください。 ❹ 複数の災害分が1枚の医療等の状況用紙に証明されている場合は、災害ごとに災害継続報告書を作成 してください。 経過報告等記入欄に入力した内容はこの部分に 表示されます。 ・医師の指示等により受診しなかった期間がある場 合は、「○月∼○月受診なし」等の状況を入力し てください。
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療養年月時点の学年・年齢 を入力してください。【災害共済給付】知っておきたい!! 手続き方法!!
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発行日:平成 28 年 9月(第27号)