下水道台帳情報システムの概要
平成26年11月
東京都下水道局
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目次
1 はじめに ... - 1 - 2 下水道台帳情報システムの概要 ... - 2 - 2.1 開発の経過 ... - 2 - 2.2 下水道台帳情報システム(SEMIS)の構成 ... - 3 - 3 下水道台帳情報システムの各機能 ... - 4 - 3.1 図面検索機能 ... - 4 - 3.2 表示機能 ... - 4 - 3.2.1 表示制御機能 ... - 4 - 3.2.2 表示切替機能 ... - 5 - 3.3 属性確認機能 ... - 5 - 3.4 下水機能 ... - 6 - 3.4.1 上下流追跡機能 ... - 6 - 3.5 条件別検索機能 ... - 7 - (1) 条件指定による条件検索色分け ... - 7 - (2) 管路診断結果の色分け ... - 8 - 3.6 クリップボードコピー機能 ... - 9 - 3.7 印刷や出力機能 ... - 10 - 3.7.1 図面印刷及びPDFファイル作成機能 ... - 10 - 3.7.2 SXFデータの出力面機能 ... - 11 - 3.8 下水道台帳情報のデータリサイクル ... - 12 - (1) 管きょ設計CADシステムによるデータリサイクル ... - 12 -1 はじめに 東京都区部の下水道事業は、「神田下水」の建設に始まり、昭和 30 年代から本格的に普及事業を進めてきた結 果、平成 6 年度末に 100 パーセント普及概成となった。平成 25 年度末には、東京都区部の管きょ管理延長は約 16,000km を有しており、東京の都市活動を地下から支えている。しかし、下水道管きょの台帳図は、今日のよう に情報機器が発達する前までは、ケント紙ベース(昭和 6 年から)の公共下水道台帳の調製することで行ってき たが、下水道の整備が進むと共に公共下水道台帳の調製に労力と時間が多く必要となった、また、ケント紙(図 1) を使用しているため頻繁な図面修正も難しくなったことから、東京都下水道局では、下水道普及拡大に伴い膨大 となった台帳図を適切に管理するため、昭和 60 年度に下水道台帳情報システム(SEMIS)を全国の地方自治体に 先駆けて導入した。その後、平成 12 年度には、パソコンを活用したシステムを再構築し、各事務所の専用パソコ ンで下水道台帳情報システムの利用が可能となった。平成21年4月には、東京都高度情報化推進システム(T AIMS)の情報系ネットワークを利用したTAIMS版下水道台帳情報システムが利用できるようになり、維 持管理のため下水道管きょの情報を必要な職員はすべて利用できる環境が整った。
ケント紙の公共下水道台帳
図 12 下水道台帳情報システムの概要 下水道台帳情報システムは下水道施設情報を一体としてデータベース化し管理できる地理情報システム(GIS) です。データベース情報は、図形情報と属性情報及び画像情報で構築されている。図形情報は施設情報、地形情 報等で構成され、属性情報は管きょの管径、材質、工事年度、土地管理者等 90 項目以上の情報が登録されており、 画像情報は完了図、特殊人孔構造図等を蓄積している。 この情報を活用するため、図面検索、ファイリング、工事件名簿、定型出図、集計、SXFデータ(CAD データ 交換標準)出力等の機能を付加している。図面検索機能には条件別表示、上下流追跡、流量計算、縦横断図作成、 延長面積計算等があり、計画や設計業務で活用され業務の効率化に寄与している。このようにあらゆる情報を集 計・集約できる GIS である。 2.1 開発の経過 システム開発の経過を次に示す。 昭和 55 年:下水道台帳情報の近代化に着手(管きょ・人孔情報、工事情報の電子データ化) 昭和 57 年:下水道台帳情報システムの開発に着手 昭和 60 年:ミニコンを使用した下水道台帳情報システム(SEMIS)の完成 昭和 61 年:下水道台帳情報システム(SEMIS)本格運用開始 平成 12 年:パソコンによる新下水道台帳情報システム(SEMIS)導入 平成 17 年:下水道台帳情報システム(SEMIS)のインターネット閲覧開始 平成 18 年:実施設計作業等に下水道台帳情報のSXFデータ提供開始 平成 21 年:東京都高度情報化推進システム (通称TAIMS(タイムス))を利用した下水道台帳情 報システム運用開始
2.2 下水道台帳情報システム(SEMIS)の構成 TAIMS 情報ネットワークを利用した職員用システムとインターネットを利用した下水道台帳閲覧用シ ステムにより構成されている。 図 2
施設管理部
図面 図面・調書 図面検索 ファイリング、集計など マッピングDB ファイリングDB 公共下水道台帳閲覧室 プロッタ プリンタ PC サーバ ホームページ用下水道事務所
図面 図面・調書 マッピングDB ファイリングDB プロッタ プリンタ PC サーバ 注)マッピング : 下水道台帳情報(下水道施設図形情報、施設詳細情報) ファイリング : 工事完了図・特殊人孔構造図情報 TAIMS : 東京都高度情報化推進システム TAIMS版SEMIS 閲覧機 図面検索 ファイリング、集計など 図面・調書 図面出張所、基幹施設再構築事務所
本庁各部
TAIMSネットワーク TAIMSネットワークインターネット
データセンタ
インターネット
インターネット閲覧
都庁第二本庁舎
ADSL回線水再生センター等
TAIMS-PC TAIMS-PC TAIMS-PC TAIMS-PC TAIMS版SEMIS TAIMS版SEMIS TAIMS版SEMIS PC プリンタ プロッタ 図面検索,ファイリングなど 図面検索,ファイリングなど 図面検索,ファイリングなど 図面検索,ファイリングなど 図面検索 ファイリング、集計など インターネット配信サーバ 4台3 下水道台帳情報システムの各機能 システムの代表的な機能について、表示画面等を使用して説明する。 3.1 図面検索機能 住所、下水道台帳図面番号、下水道関係施設等を目標とした目標物、人孔番号等各種条件により下水 道台帳を画面に表示する機能である。 3.2 表示機能 「表示制御機能」で図形や引き出し線の表示の切り替えを、「表示切替機能」はツールバーボタン機 能にある「表示切替」ボタンで簡易に行える。 3.2.1 表示制御機能 表示制御機能の例として「桝・取付管データ」の表示例を示す。 図 3 図 4
3.2.2 表示切替機能 ツールバーボタン機能にある「表示切替」ボタンでの道路管理センター地図表示切替例を示す。 3.3 属性確認機能 「属性確認」タブをクリックすると属性内容が確認できます。以下は管渠を選択して連動する各機能 の画面である。 図 5 図 6 管路の現況表示 工事件名簿表示 管きょ情報エクセル表示 完了図表示
3.4 下水機能 ツールバーにある下水機能の各ボタンで、管きょ上下流追跡、流量表作成、縦断面図作成等が行える。 3.4.1 上下流追跡機能 ツールバーにある上下流追跡機能による上流追跡の例を示す 図 8 図 7 プロッタ出図 追跡管渠番号一覧をExcelに出力 追跡結果図をPDFファイルにして表示
3.5 条件別検索機能 ツールバーにある条件別検索機能の各ボタンで、事前に登録してある情報を使用して、条件指定に よる条件検索色分け等が行える。 (1) 条件指定による条件検索色分け ツールバーにある条件検索機能で条件指定を行い、条件検索色分けを行った例である。「条件 検索」ボタンを選択すると、タブ機能に条件検索機能を起動する。条件指定ダイアログを表示し て条件を指定して色分け表示を行う。 図 9 図 10
(2) 管路診断結果の色分け
ツールバーにある条件別検索機能による管路診断結果の色分け例を示す。
3.6 クリップボードコピー機能 地図上で指定した領域を、クリップボードにコピーが行える。 ※システムでは、ビットマップイメージ以外にメタファイルで出力可能。 図 12 ワード出力例 エクセル出力例
3.7 印刷や出力機能 プリンタやプロッタへの印刷、PDFファイル作成、CAD用データとしてSXFデータの出力が 行える。 3.7.1 図面印刷及びPDFファイル作成機能 図面を印刷した例及びPDFファイル出力した例を示す。 プロッタ出図 図 13
3.7.2 SXFデータの出力面機能 設計CAD用SXFデータを出力した例を示す。 図 14
属性情報(XML)
SXFバージョン情報
図形情報(SFC・P21)
3.8 下水道台帳情報のデータリサイクル 平成 16 年度から、下水道台帳の既存データを活用するため、全国に先駆けて SXF Ver3 の出入力機 能を追加した。これにより、施設情報をSXFファイルとして出力し、設計、工事で活用し、完了図 を再び下水道台帳に戻すというデータリサイクルの仕組みを確立している。 (1) 管きょ設計CADシステムによるデータリサイクル 下水道台帳の既存データを管きょ設計CADシステムで利用した例を示す。 図 15