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(1)

2009

3

No.43

Yokohama National University

特集「卒業号」

(2)

写真:常盤台キャンパス全景  横浜港、みなとみらい21地区やベイブリッジを望む

写真:常盤台キャンパス全景  横浜港、みなとみらい21地区やベイブリッジを望む

卒業生・修了生に贈る言葉

2

学  長

飯田 嘉宏

理  事(副 学 長)

來生  新

理  事(副 学 長)

鈴木 邦雄

理  事(副 学 長)

渡辺 慎介

理  事

長島  昭

教育人間科学部長

小野 康男

経済学部長

大門 正克

経営学部長

茂垣 広志

国際社会科学研究科長

溝口 周二

工学研究院長

國分 泰雄

環境情報研究院長

有馬

退職雑感

7

教育人間科学部   佐々木弘明/塗師  斌

秋葉 繁夫

国際社会科学研究科 久留島 隆

工学研究院      野 清治/山崎  裕

安藤  柱

環境情報研究院   井上 誠一

卒業生・修了生からのメッセージ

9

受賞関係

11

お知らせ

12

2009

No.43

特集

『卒業号』

目次

(3)

この度、卒業または修了を迎えられた皆さん、本学での厳

しい学業を無事に果たされたことを謹んでお祝いいたしま

す。また、多くの方々が4月から社会に門出します。皆さん

のご健闘を心から祈って、ごあいさついたします。

小学生から始まって、永い勉学時代でした。沢山の思い出

に感慨深いものがあると思いますが、その時代をしっかり支

えて下さったご家族やご関係の方々に、先ず感謝の気持ちを

表して下さい。そしてこれからは、今までの勉学で培った素

養や知識を勤務先や地域等の実践の場でさらに高めつつ、や

がては多くの場面で指導的な役割を果たして、組織や社会の

発展と周囲の方々の幸せのために貢献して下さることを、切

に期待しております。

永い勉学時代は、皆さんそれぞれが健全な社会人としての

生活を送る準備のためだけにあった訳ではありません。特に

本学のような高度の高等教育機関で学んだ皆さんには、組織

や地域等の中核となり指導的人材となって活躍してもらうこ

とを、社会全体が期待したためでもあることを常に自覚して

努められるよう願っています。

さて、皆さんがこれから直接参画する世界は、資源や環境

問題、人口問題や各種の紛争などが解決困難なままであり、

今後の皆さんにも大きく関係してくるでしょう。さらに最近

は、過度の市場原理主義など、人や社会にそぐわない考え方

や経済行為が暫く横行いたしました。その挙句の果てに起き

た昨年末のリーマンショックですが、それ以来我が国だけで

なく世界中の経済情勢が急速に悪化して、これからどうなる

だろうと世界の先行きに危機的な不安が広がっております。

また、私たちの身近には理由が良く判らないような犯罪の報

道が溢れるなど、多くの方々が心配を深めている社会状況の

現在です。

新たな社会生活に対して希望を抱きながらも皆さんは、こ

うした状況が気になっているのではないかと思います。

しかし、同じく最近ですが、以上と逆に私たちを感嘆させ

ると共に、人間や社会全般についても希望を抱かせる出来事

がありました。去る1月16日のことです。ニューヨークを

飛び立った飛行機が鳥の群れに遭遇し、両方のエンジンが止

まったためハドソン川に不時着したが、155名全員が無事だ

った出来事です。高度が低い悪条件の中で、機長が沈着果敢

に判断した上で適切な操縦で機を着水させました。乗客退避

後にも再度機内を確認するなど、誰もが感嘆する冷静さでし

た。しかも機長はその後、当たり前のやるべきことをやった

だけだと謙虚です。ただ一人の機長の行動が、何十万人以上

のウォール街等関係者らの不定見さを凌駕するほどの清涼感

を与えました。またこのことは、人が深い知識と経験と強い

意志によって行動すれば、どんな危機をも回避できることを

証明し、人間とその知性の素晴らしさを象徴的に示しました。

この出来事は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれていますが、サ

レンバーガー機長にすれば奇跡と言うより、自分の知識と経

験に従った当然の仕事を果たしたに過ぎないと考えているよ

うです。こうした謙虚な知性と責任感を見て多くの人々は、

資源・環境問題・紛争など人類の未来に係わる多くの問題

も、人間が知性を発揮すればクリアできるのではないかと希

望を抱くことができました。

飛行機事故という例外的な出来事でありましたが、社会人

として育ち行く皆様に是非覚えておいていただきたいことが

この機長が示した姿勢です。往々にして私たちは、経済バブ

ルに狂奔した方々のように自分で考えることを忘れて世の中

の大勢に流されたり、一部の世相を見てネガティブな発想に

捉われたりしますが、混迷のときこそ人間の知性を信頼し自

らの知識や経験に全面的に依拠して責任を果たすことが大切

です。そしてこれに加えて、もし前向きなビジョンを描いて

その実現に努力できれば、世の中の指導的役割を果たせるこ

とになります。

この混迷したかに見える世の中を再生し持続させること

を、皆さんに期待しております。

横浜国立大学長  飯田 嘉宏

皆さんに期待します

卒業生・修了生に贈る言葉

(4)

皆さん、ご卒業、ご修了おめでとう。心からお祝いを申し上げます。皆さん に何か言葉をというご注文ですので、私の好きな詩人である長田弘さんの『一 日の終わりの詩集』(みすず書房 2000年)の中にある「間違い」という詩に寄せ て、これから様々な人生にチャレンジしようしている皆さんへ、私からのはな むけの言葉を贈りましょう。 この詩を最初に読んだ時に、この詩は、私がこれまでに幾度もくりかえして、 自分の子供たちやゼミナールなどで親しく接した学生諸君に、さらにここ数年 は、事務の研修で話をした若い職員の皆さんに、語り続けてきたことのエッセ ンスに重なるように思えました。そのエッセンスは、私の職業上の専門である 「競争の法」が、私たち一人一人の人生にもたらすものについての自らの究極の 理解を規定するものであり、自分の内部で、常に己に語りかけ、日々の実践を 心掛けてきたことです。私たちの凡庸な思いや行いも、すぐれた詩人の手にか かると、このように鋭利で美しい日本語となって凝縮しうるという事実に感動 した詩です。 間違い いつかはきっと/いつかはきっとと考える/いつかがくるまでは/実現されて いないもの/かたちになっていないもの/いまここにないもののうちに/真実 のなかでもっとも/真実なものがあるのだと信じる いつかはきっと/いつかはきっとと思いつづける/それがきみの冒した間違い だった/いつかはない/ いつかはこない/いつかはなかった/人生は間違いで ある/ ある晴れた日の夕まぐれ/不意にその思いに襲われて/薄闇の中に立ち つくすまでの/途方もない時間が一人の人生である ひとの一日はどんな時間でできているか? 皆さんはこの詩をどう受け止めるでしょうか。 「いつかはない」「いつかはこない」「いつかはなかった」「人生は間違いであ る」という重い言葉の、背後にある積極的で肯定的な意味に思いを致してほし いと思います。 同じ詩集の「意味と無意味」という詩の中に、「正しさは間違いだ間違いが正 しい/間違いをおかさぬものは誤たない/誤たないものは悲しまない悲しまな いものは/笑わない笑わないものは笑うものを憎む/憎むものは憎むことを憎 むことができない/必要なも のは不必要なものだ」という フレーズがあります。 私はこれまで、わたしより 若い世代の諸君に対して、い ま過ごしているこの一瞬一瞬 の外に、額縁に飾られて「自 分の本当の人生」があると思 ってはいけない、「真の人生」 のために犠牲にする「仮の時 間」があると思ってはいけな い、と語り続けてきました。しかし、同時に、人生にとってかくも大切なこの 刹那の充実の度合いは、自らの長期の目標を実現する過程に規定される、とも 語ってきました。 「一日の終わりの詩集」の「あとがき」を、長田弘さんは「よろこびを書こうと して、かなしみを発見する。かなしみを書こうとして、よろこびを発見する。 詩とよばれるのは、書くということの、そのような反作用に、本質的にささえ られていることばなのだと思う」と結んでいます。 詩に、あるいは書くことにそのような反作用があるのは、人生の実体にそれ があるからだと私は考えます。 競争とのかかわりでいえば、競争は勝ちと負けを必然的に生み出すものです。 だからこそ、競争に臨んで勝とうとする意欲や努力が、個人にも、社会にも豊 かな成果をもたらすのだと私たちは信ずるのです。しかし同時に、そうである からこそ逆に、競争は、「ある晴れた日の夕まぐれに」私たちに「いつかはなか った」という、不意に襲う、結果における思いをもたらしうるものであること を免れえません。それで良いのだ、と私は考えます。 この作用と反作用の狭間にあって、私たちは、その「途方もない時間が一人 の人生である」過程の一瞬一瞬を、よりよき最後を求めつつ、なお最後に何が あるかにはこだわらずに、この上もなく大切にする覚悟を持たねばならないの です。間違いを犯しつつ、喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、憎まずに笑う瞬間か らなる時間で一日を構成し、そのような一日一日からなる歳月で、私たちの一 生を構成しようではありませんか。

ひとの一日を構成する時間

理事(総務担当)

・副学長 來生 新

2009.1.14エネルギー法研究所での講演 2009年春にご卒業・ご修了される学生の皆さん、おめでとうございます。心 よりお祝い申し上げます。 横浜国立大学に入学してからの学生時代は、楽しく有意義な日々を過ごすこと ができましたか。専門として選択した学問分野への知的好奇心から始まり、新し い知見の探求と発見、考え方・技術の習得、出会い、喜び、そして時には挫折を 経験されたことでしょう。講義や実験実習、卒業研究、ゼミナール、図書、イン ターネットなどメディアを通して得られた「知」と同様に、アルバイトやサーク ル活動、ボランティア、多くの友人との出会いが印象に残っているのかもしれま せん。また、卒業式・修了式に参加することで、皆さんを今日まで支えてこられ た御家族や指導受けてきた教職員からの祝福も伝わっていることでしょう。 大学を卒業・修了して就職または大学院に進学をする今を機会に、自らの 将来を改めて考えてみませんか。40年ほど前に大学を卒業した私の経験でも、 30代、40代、50代、…の姿を当時思い描いた記憶がありますが、30年後 の50代に遭遇する21世紀の社会は1970年代の社会システムの単なる延長と 考えていたようです。現在の状況・社会がこれほどまで劇的に変わっている とはまったく予測できませんでした。例えば、データ処理に重宝していた手 動のタイガー式計算機(1923年に大本寅次郎氏が「虎式計算機」の名前で製造 販売し、1970年頃までに50万台製造されています)や計算尺が消えて、コン ピュータやインターネットの普及というような技術革新があります。ソ連・ 東欧の崩壊や地球環境問題、中国でのオリンピック開催など、世界秩序・文 化まで、全ての領域で劇的な変化が起きています。最近の日本では、東洋の 伝統、技術と文化の良さを再認識されてきている一方で、年功序列や終身雇 用を必ずしも前提としない社会構造へと大きく踏み出しています。常時30− 40人の教職員学生が留学や研究で国外に滞在している横浜国立大学の現状を みても、日本という枠組みで考えることが古くて狭いのかもしれません。予 想される変化を考えても、これから5年・10年後に「横浜国立大学」「社会」 が現在の姿のままであることが許されない状況です。 しかし、かって私が卒業論文のデータをまとめるために手動のタイガー式計 算機を回し続けた知的かつ肉 体労働的経験は、単に過去の 思い出としてだけではなく、 現在でも時折遭遇する数理的 事象やコンピュータの理解に 役立っています。皆さんが横 浜国立大学で学んだ知識、身 につけた技術そして考えたこ とは、状況や社会がどう変わ ろうとも、自らの重要な知的 インフラストラクチャー(基 盤)として今後折々に様々な 状況で出番があり、生き続けることでしょう。 江戸時代のことわざに「商人(あきんど)と屏風は曲がらねば立たぬ」という のがあります。「屏風はまっすぐに立てたらすぐに倒れてしまう。商人も同じ で、理屈に合わなくても感情を抑え、状況を機敏に把握できる大らかな心を持 ち、客の意を迎えて商売をしなければ成功しない」という意味です。商品に関 する知識が豊富で、経済力も優れている商人であっても、武士(現代風には、 上司、先輩あるいは社会システムと読み替えると分かりやすいです)に対する 基本的姿勢を教えています。これまで身につけた知識や技術が社会・就職先で 受け入れられない場面に遭遇した際に、一歩下がってみることの重要性を教え てくれています。一歩下がることに抵抗があるなら、状況に応じた対応・言い 方としてもかまいません。また、広大深重で、逞しく揺るがぬ心を持つことが、 豊かさと人格を高める源泉となるということでもあります。焼けただれたアン コール王朝の遺跡(写真)を訪れた際にも、その意を強く感じました。 祝福される新しい旅立ちとなるこの時期に、しばし立ち止まり、人生の夢 と社会のあるべき将来を大いに語りあってください。そして、これからは、 健康に日々留意されて、自らの夢の実現に向けて前向きに突き進んでいただ き、近未来・知識基盤社会において活躍されることを期待しております。

次代の担い手として期待します

理事(教育担当)

・副学長 鈴木 邦雄

アンコール王朝盛衰の歴史が表現されている コーケー遺跡(カンボジア)にて

卒業生・修了生に贈る言葉

(5)

学部卒業、大学院修了、おめでとうございます。晴れ晴れとした気持ちで この日を迎えたことと思います。 卒業論文や修士論文の審査を無事に終えた2月からは、楽しかった大学生 活を振り返りながら、4月から進学する大学院や就職する会社の生活に思い を馳せ、気もそぞろの毎日を送っていることでしょう。今日からの数日は、 本格的な春の訪れを迎える季節の変わり目であり、また新しい生活がはじま る人生の分水嶺でもあります。新しく経験することになる環境が皆さんをど のように迎え入れてくれるのか、皆さんがその環境をどのように受け入れる ことができるのか、その予想は誰にもできません。人生は不透明、不確実。 だから確信をもてないまま、迷いながら生きることに価値があるのであり、 逆に、先の見える人生など何の魅力もありません。 先が見えない、予測ができないけれど、これからの生活は何とかなるだろ うと安易に考えるなら、それは大きな間違い、勘違いになります。予想もで きない事態や状況とは、自分がこれまでに経験していない場面に遭遇するこ とにほかなりません。そんなときに、経験豊かな先輩に教えを請うことは現 実的な解決方法になるでしょうが、そのような先達の知恵を活かしつつ、自 分なりの独創的な解決策を探り出す努力が皆さんを成長させます。そのよう な解決法を大学の勉強で習得したかもしれません。しかし、おそらく大学の 勉学だけでは不十分でしょう。大学で得た基礎的な知識・技能・考え方の上 に、さらなる学習による積み重ねがない限り、周囲から信頼を受け、社会で 活躍する存在にはなり得ません。その意味では、生きていくことは、学びを 継続し、新たな知を創造する作業です。世界的な経済不況の中で、意識の高 い企業のトップは、今だからこそこれまでにない創造的な問題解決策の探求 を社員に求めています。 実は、私もこの3月に、皆さんと一緒に横浜国立大学を卒業します。学生 の頃から数えますと、45年以上もYNUに在籍したことになります。残り少な くなった日を数えながら、ようやくの任務終了にほっとするとともに、何と なく楽しい気分になり、卒業・修了する皆さんと同じように、これからはじ まる新しい世界にわくわくしています。YNUの優れた学生とのめぐり合いに よって、教員としての生活は 私にとって実に実りの多いも のでした。多くの卒業生に深 く感謝しています。 前途洋洋たる皆さんに対し て、YNUを退職する私ですか ら、同じ卒業でも、皆さんと 私とでは立場はまったく異な ります。しかし、生きている あいだは社会に対して責任を持たなければならないという意味では、年齢に よらず社会人として同じ土俵の上に立っています。先ほど、世界同時不況の 話題を取り上げました。不況になると従業員の解雇がどこの国でも最初に話 題となります。日本では非正規社員の契約打ち切りの問題として取り上げら れています。不況には従業員の首を切り、好況には大量採用、その繰り返し ばかりではいかにも能がありません。その課題解決策としてワークシェアリ ングが話題に上がったことはありますが、一時的なトピックスに終わり、日 の目を見ませんでした。日本固有の深刻な課題として、少子高齢化社会が現 実味を帯びてきています。労働者確保の対策として受け入れが進んでいる外 国人労働者の雇用促進だけではなく、人口の半分を占める女性が安心して働 くことのできる環境作りが機能すれば、状況はかなり違ったものとなるはず です。ワークライフバランスの概念をいち早く導入し、女性にとっても働き やすい職場作りを実現している企業は少なくありません。21世紀は知の大競 争時代であると声高に言い立てる人がいます。競争は優勝劣敗の世界です。 競争ではなくむしろ協調が、いま、必要です。男性と女性が、子供と若者と 壮年と老人が、それぞれの個性を発揮していきいきと生きる社会、一つの組 織が他の組織をつぶすのではなく、互いの強みと弱みを補完しあえる社会、 そうした協調社会の形成こそが、これからの課題です。協調によって豊かな 実りを生み出す社会の構築にむけた皆さんの独創的なアイディアと創造的な 行動に期待しています。

競争から協調へ

理事(研究担当)

・副学長 渡辺 慎介

夏目漱石の「それから」という小説では、青春の煩悶がユーモラスに描かれて います。内容は読んでいただくとして、これが映画化され、その映画がまた名 作でした。その最後の場面、松田優作演ずる若き主人公は、定職につかず、恋 人に死なれ、友人に背かれ、家は経済的に破綻、家族たちの前で詰問される主 人公。未来の見通しもまったく無いのに、自分の生き方を固く守る若さ。そし てとうとう親兄弟に絶縁を宣告されて家族会の席を立つ。父や兄の座る座敷か ら立ち上がって、ひとりだけ部屋を出て行く主人公の背中が大写しになり、宙 に浮いたままの後ろ足が画面上で突然停止してそこに「それから?」という文字 が大きく写って終わる。なかなか絶妙な終わり方でした。“それから”・・・主 人公の人生はどうなるのでしょうか?  毎年卒業式に出席すると思うのですが、卒業を迎えたみなさんは「それから」 どうなっていくのでしょうか。もちろん夏目漱石の小説の主人公のような八方 ふさがりの状況とは違って、明るい希望に満ちていることでしょう。それでも 今年の社会情勢、特に経済情勢が大きな混乱の時代に入っていることは確かで、 これから皆さんもその混乱の波を真っ向からかぶることになります。さらに、 過去を振り返ってみると、企業の新登場、繁栄や衰退、破局はたびたび繰り返 されて、予測はできないらしい。不動産バブルやITバブル、金融バブルで社会 は何回も振り回されてきました。ひとつの企業でも、入社のとき繁栄していて も、何年かで変動して行く。今年も、あんなに全盛を誇った自動車会社の赤字 が話題になっています。このような経済変動の特に経済危機は普通の人にとっ てはある日突然出現します。しかし長期的には、人間の忘れやすさで一定年数 ごとに繰り返されるために、予測できる部分もあるようです。経済学者ガルブ レイスの「満足の文化」は1992年に米国不況や日本のバブル経済を書いた本で ありながら、現在の金融不況の経過予測がびっくりするほど当てはまっていま す。変化の時代であるほど、 目先だけでなく長期の“これ から”を考えることが重要で す。 卒業して、それから? ま ず大洋の航海で南十字星を探 すように、長期の目標を立て ることです。混乱の時代に大 切なことは、ただ時代や目の前の社会に流されたり振り回されるのでなく、ず っと先の目標を設定して、それを見失うことなく毎日生きて行くことなのです が、もちろん容易ではありません。私たちの能力では予測も当たらないでしょ う。でも、たとえ失敗しても、たとえ達成できなくても、自分の立てた目標や 原則を追求した生き方であれば、心の満足は得られるのです。悔いの無い目標 を立てることは必ずできます。 映画の話から始めたので、映画でこの文を締めくくります。昔のフランス映 画に「舞踏会の手帖」というのが有りました。ビデオで観ることができます。 アルプス湖畔の立派な邸宅を整理していた美しい未亡人が、自分の古い手帖を 見つけます。若い頃に舞踏会で出会った男性たち、自分に思いを寄せていた若 者たちの名前の書いてある懐かしいリストを見て、元の若者たちが今どうなっ ているのか訪ね歩くことにする、それが映画の主題です。彼女が訪ねたうちの 一人、田舎町の町長になっている男性が、思いがけない出会いに感動しつつ若 い頃の気持ちを思い出す。そして自分の人生を振り返っていうセリフ。「朝、 遠くまで行くつもりで歩き始めたのだったが、気が付くともう日が暮れかけて いる」。手遅れにならないうちにということです。

ご卒業おめでとう・・・それから?

理事

(国際担当)長島 昭

卒業生・修了生に贈る言葉

(6)

卒業生・修了生の皆さん、ご卒業・ご修了おめでとうございます。 ここ数年、1970年前後の日本のフォークやロックのレコードがCDの復刻 版となって盛んにリリースされています。そう、ちょうど私が皆さんと同じ ような年代、あるいはもう少し下の年代だったころの音楽です。どうも業界 的には、若い人の聴取形態がダウンロード中心になったので、私のような中 年のおじさんがターゲットになっているようです。そういうわけで、このと ころ、岡林信康という人の歌を聞いていました。 彼の歌に『私たちの望むものは』という歌があります。この時代、「政治の季 節」と呼ばれ、世の中が騒然としていた時代でした。この時代の寵児だったの が岡林信康です。この歌は、「私たち」は「あなた」とともに生きるのが望みな のだという歌い始めから、曲が盛り上がるにつれて、「私たち」が望むのは「あ なた」を殺すことなのだと内容が変わっていきます。高校生のころ最初に聞い たときは、階級的な関係や男女の関係を背景として、建前と本音の関係を歌 ったものとして聞いていたような気がします。他人は地獄だし、他人を地獄 としてしか認識できない自分も地獄だなんて、ちょっとマゾっぽい聞き方だ ったかもしれません。 カラオケでこの歌を歌うこともあっ たのですが、よく覚えているのは、今 でも付き合いのある恩師に向かって、 その人を指差しながら歌ったときのこ とです。そんなことを許してもらえる と思ったのは、私の甘えかもしれませ ん。でも、近頃思うことは、矛盾する 2つの言い方というのは、どちらが真 実だということでもないということです。岡林の歌は葛藤することを教えて くれたし、指導教員であった恩師は私の攻撃性を受け止めながら、葛藤に決 着をつけるのはそもそも生をないがしろにするものだと教えてくれました。 結局、あらかじめ定められた真実なしに状況の中で判断していく能力と責 任が人にあるのだということを、このエピソードが教えてくれたように思い ます。そして、そのためのある種の自信を。大学という場で、教員や職員と 皆さんで築いて残していく財産は、葛藤を育んでいく能力だったのだろうと 改めて思っています。

卒業生・修了生に贈る言葉

教育人間科学部長 小野 康男

学部の卒業生のみなさん、卒業おめでとう。大学院生の皆さん、修了おめ でとう。 毎年、春が近づくと、卒業生や修了生の今までを振り返ります。学部の4 年間、大学院の2年間、あるいは5年間が、それぞれの人にとって実りある ものだったことを願います。ゼミナールに所属した一人ひとりの顔を思い浮 かべ、来し方行く末を案じます。 今年の卒業生でとくに印象に残ったのはM君でした。2年生の後半からゼ ミに入ってきたM君は、私の目からみて決して器用なタイプではなかったの ですが、スポーツの部活と講義とゼミの3つをどれも欠かさずに成し遂げ、 最後にとても素晴らしい卒業論文を書き上げました。 M君は4年生の秋まで部活を続け、後進の指導に熱心にあたっていました。 M君から、部活のために、卒論の準備報告をする夏のゼミ合宿を休みたいと 申し出がありました。部活とゼミの両方を真面目にとりくんでいたことをよ く了解していた私は、迷ったうえでM君の申し出を受け入れたのですが、私 にとって嬉しかったのは、部活の終わった秋からM君が卒論に最大の努力を 傾けたことでした。私のゼミでは3年生の終了時に12,000字の単位論文に取 り組みます。そのときの単位論文とくらべて、M君の卒論はスケールの大き なものになりました。自分の出身地の地域産業を主題にした卒論について、 M君は徹底した調査で資料を集め、他の地域産業と比較してその客観的位置 を測定しました。出身地の地域産業の過去・現在・未来について思う存分の 健筆をふるった卒論は、研究対象に対 する愛着と客観視しようとする冷静な 思考の両方が伝わってくるすがすがし いものでした。 卒業を迎えたM君は、ゼミに入った ころとくらべて、一回り人間が大きく なったように感じられました。おそら く、部活と講義とゼミに地道にとりく み、ゼミや講義での勉強や討論を通じた切磋琢磨がスケールの大きな卒論と M君の成長を導いたのでしょう。卒業生の少しまぶしい成長ぶりを見ること ができるのは、教師冥利につきます。 卒業生や修了生の皆さんの今までの道のりは、決して平坦でなかったこと と思います。でも、今までの道のりを振り返ってみると、試行錯誤のうちに とりくんだ過程が自分にとって貴重な財産と思えるのではないでしょうか。 ゼミや部活、サークルで他の人たちと交わった時間は、知らず知らずのうち に皆さんを成長させています。ゼミや研究室の人たちとともに勉強し、意見 を述べ、人の感想に耳を傾けた時間の積み重ねが、卒論や卒業制作として結 実しているはずです。M君の2年半から私はそのように確信しています。今 までの道のりのなかでつくりだされた財産にぜひ確信をもち、これからの新 しい道をあゆんでください。

今までの道のりの財産に確信を!

経済学部長 大門 正克

ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。 昨年の「リーマン・ショック」以降、世界経済が混迷しているこの時期に、 卒業を迎え、社会に羽ばたいて行くことで大きな不安を抱えている方もおら れるかもしれません。特にそれ以前の数年間は企業業績も回復し、失われた 10年から脱却したと思われていただけに、今回の日本経済へのダメージは心 理的にも大きな影響があると思います。しかしものは考え方です。混迷の時 にこそ新たな機会を見出し、新たな発想で取り組むことでイノベーションが 生まれ、それが経済の回復につながっていくのですから。経営学部の卒業生 である皆さんこそ、その役割を果たすべきであり、在学中にそのための基礎 能力を十分に培っているものと信じております。もちろん、社会に出てから の経験も創造性の発揮には不可欠ですが、なかでも自分の持つ人的ネットワ ークは、仕事上のみならず自分の視野を広めるためにも重要です。 人間は過去の経験の積み重ねでいつの間にか目の前のことを「当たり前のこ と」と認識してしまうことが多くなります。それを棄却するには、これまでと は異質な情報に接し、それを取り入れ、自己の持として消化することが求め られますが、それは容易なことではありません。そこに自らの新たな「気づき」 を得ることが必要となります。その気づきには、自分の仕事外の本や雑誌を 読んだり、多様な経験をすることも有用ですし、またこれまでの自分とは異 質な人的ネットワークを広げることに よって、新たな気づきの機会を増やす ことも有効でしょう。 その際、人との接し方も重要となり ます。自分の考えと違うといって拒絶 するのではなく、多様性があるからこ そいろいろ学ぶことができると考え る。交渉力を磨くにはディベートも重 要ですが、新しい気づきには「対話」こそが重要となるでしょう。また、人的 ネットワークの基底にあるのは人と人との信頼関係です。信頼関係がなけれ ば重要な情報も入ってきませんし、またその情報を信頼することもできませ ん。大学時代に築いた友人も貴重なネットワークとなり続けるでしょう。社 会に出てからも新たな人との出会いにより多様なネットワークを築かれてい くことと思います。そのためには自分を磨き、相手からも信頼される人間に なってください。 「逆境にこそ成長の可能性があり、絶頂時にこそ危機がある」と言われます。 皆様のこれからの社会でのご活躍を祈念し、お祝いの言葉とさせていただき ます。

ピンチこそチャンス

経営学部長 茂垣 広志

卒業生・修了生に贈る言葉

(7)

皆さんの大学院修了に心からお祝いを申し上げます。またこれまで皆さん を支えてこられたご家族をはじめ、親しい方々にもお慶びを申し上げます。 皆さんは学部学生や社会人の経験などの多様な経歴を持ちながら、国際社 会科学研究科の入学式に臨み、入学してから学位を取得するまでの数年間は 時間が飛ぶような速さで経過し、あっという間に大学院から社会に巣立って ゆく時がきたことを実感していることと思います。修了を前にして、大学院 在籍中にやり残した悔いはないのか、満足した研究生活を送ってきたのか、 心に影を落とす空しさは感じなかったか等々の様々な感慨が脳裏をよぎるこ とでしょう。 皆さんの知恵が深まれば悩みも増し、知識が増せば痛みも深まるため、こ れからの人生は常に試練の連続ともいえるでしょう。試練を労苦とせずに、 知恵の源として精神の糧とするためには希望が必要です。希望なき試練は単 なる労苦ですが、希望を持つことにより試練から人間は知恵を授かることが できます。それでは人は物事に対して何を試練と認識し、何時これに備える ことができるのでしょうか?「時と機会は誰にも臨むが、人間はその時を知 らない」という言葉もあり、時に適い、機会を捉える感性を磨き、それを受け 止める知識がこれからの皆さんの人生に大事になるでしょう。 皆さんは大学院で学問の基礎として 幅広い知識を身につけて、その上に専 門的知識を築き上げてきました。それ だけでなく、その知識に対して絶え間 ない創造的破壊作業により、皆さんは 常に新しい情報を取り入れ、真の知識 に到達するプロセスを正しくたどる訓 練を受けてきたと考えられます。 しかし学問や理論から帰納的に導かれる知識だけでは、「時と機会」を的確 に捕捉し、現在の自分に合った適切な行動をとることには十分ではありませ ん。試練に対して希望を持って適切に行動するためには、知識に加えて経験、 判断力、行動力などの知恵が必要となります。後天的に獲得された知識を吟 味し、取捨選択して咀嚼するプロセスが自己の中で日常化すれば、知恵を伴 う感性が真の知識となって、「時と機会」の正しい認識に大いに役立つことと 思います。これからの人生に目標を高く定め、希望を持って真の知識を求め て日々新たに精進して下さい。 今後の皆さんの大いなる活躍と豊かな人生を心から願ってやみません。

「希望を胸に ― 時と機会 ―」

国際社会科学研究科長 溝口 周二

卒業・修了おめでとうございます。緑豊かな常盤台キャンパスで学び培っ た知識と経験、そして知恵をもって新しい道に出発される皆様にエールを贈 るとともに、皆様の活躍をおおいに期待しております。 皆様は今、横浜国立大学を卒業・修了するにあたって、常盤台で過ごされ た時間をどのようなに振り返っておられるでしょうか。大きな目標を持って 希望に胸をふくらませ入学した頃のこと、蝉時雨のなかで受けた数々の授業 や実験、卒業論文や修士論文で悩んだ日々、多くの友人と行なった課外活動 など、多くの経験を積まれたことでしょう。今、皆様は大学のアンブレラか ら離れ、時には嵐が荒れ狂う社会に船出する時を迎えています。 21世紀の社会はグローバル競争社会と言われ激しく変容しています。皆様 の前途には、地球温暖化と気候変動、情報化・グロバリゼーション・イノベ ーションによる社会の急速な変化、環境破壊、食料・人口問題、エネルギ ー・資源問題等々、複雑で解決が困難な問題が横たわっています。多くの 国々で、新しいパラダイムを基軸とする挑戦が始まっています。人、資源、 情報、資本が国境を越えて移動・流通する今日、有限である資源やエネルギ ーを無視し、右肩あがりの成長を求めてきた従来の社会のありかたからの転 換、すなわち持続的社会の実現を目指すパラダイムの変換が求められていま す。人類の福祉と社会の持続的発展のためには、人間圏の急激な増大を抑制 し、人間圏と他の地球サブシステムとのフローを制御することが重要であり、 さらに人間圏内部における不均衡な資源分配や情報・技術伝達の調整がます ます求められています。困難な問題を解決・改善するための人類の選択肢を 拡大する科学技術の発展も重要です。 未来になかなか明るさの見えない閉塞感に満ちた昨今ですが、大学院・大 学で学び培った知識と経験そして知恵をもって、皆様がこれら多くの問題に 正面から向き合い果敢にチャレンジしてくださることをおおいに期待します。 輝かしい未来にむけた皆様の健闘を祈ります。

皆様の活躍に期待します

環境情報研究院長 有馬 眞

大学を卒業される皆さん、あるいは大学院を修了される皆さん、おめでと うございます。皆さんは勉学の甲斐あって、これからさらに大学院に進学さ れる方、あるいは社会人になられる方、ともに人生の節目の日を迎えられた 訳です。この節目は皆さんにとって「勉学期間の終わり」ではありません。大 学院に進学する人も、数年後に大学院を修了しても勉学期間は終わりません。 社会に出ても自己研鑽を積み、さらに困難に遭遇しても自分で考えて解決す る過程を経験して、人は常に成長し続けます。勉学は単に知識を授けてもら うだけではなく、勉めて学ぶ姿勢は何歳になっても、どのような状況でも必 要だからです。そして、人間は自ら考えて問題解決のプロセスを改善するこ とに悦びを感じることが出来るのが、結果を最適化する事を目標にプログラ ムされるコンピュータとは異なるところです。学ぶ事と考える事の大切さ、 愉しさが分かったら、それを次の世代にも伝えて下さい。それが、先人の知 恵と努力の上に築かれてきたこの人間社会を持続発展させる基本だからです。 ところで、最後に妙な標題の解説をしますと、標題の言葉は28年ほど前の 映画の主題歌『夢の途中』の一節ですが、そのあとは「ふたたび会うまでの遠 い約束∼」と続きます。つまり、出会いがあれば必ず別れがあり、別れの挨拶 は次にまた必ず会いましょうねという約束の意味だと言っているのです。在 学時代の友人との絆は、皆さんの隠れた大切な財産です。したがって、皆さ んも大学を卒業され ても、きっと様々な 機会に旧友と会いた くなって連絡を取り 合うでしょう。一方 で、同級生だけでは なく、先輩や後輩と の絆も、卒業して何 年か経つと貴重な財産と分かります。その絆を保つには、同窓会に参加する 事が大切です。したがって、同窓会の催しには、何年かに1度は参加して下 さい。そして、時には大学も訪れてみて下さい.本学では毎年11月初旬の休 日にホームカミングデーを開催して、卒業生にキャンパスに戻って来ていた だき、様々な分野で活躍している先生方の講演会や楽しい催しを企画してい ます。卒業生と大学の絆は大学にとっての貴重な財産であり、さらに大学発 展の隠れた力なのです。 皆さんが人生を切り拓く過程を愉みながら活躍される事を信じて、そして また大学を訪れてくれることを信じて、「さようなら」と約束しましょう。

さよならは別れの言葉じゃなくて∼

(歌の一節)

工学研究院長 國分 泰雄

マダガスカル調査のおり子供たちと(2008年10月) 帆船日本丸の前で

卒業生・修了生に贈る言葉

(8)

横浜国立大学に就職が決まったのが31歳のときそれから65歳までの34年間と

いう長きに渡って勤めさせていただけたのは、皆様のおかげです。どうもありがと

うございました。厚く御礼申し上げます。

病気で倒れてからは、職場の皆様や学生たちには、随分迷惑をかけてしまいまし

たが教え子たちや同僚に励まされ何とか職務を全う出来た事は、私にとって最大の

喜びです。

この間、それなりの仕事をさせていただき、学生にも恵まれ学生と共に学びあい、

教育実習の時期には、神奈川県全域の学校を回ったこと、またゼミ生たちと毎年のようにスキー合宿をしたことなどは、健康であればこそ出

来た事です。

病気をしてからは、同僚の先生方や学生たちには本当に迷惑をかけてしまいました。

病院で卒論や修論などを読んだ事、またマイクをセットしてもらって授業をした事など、自分一人では到底叶わぬことを大勢の人たちから

の手助けを受けて、今日まで勤務を続ける事が出来ました。

いろいろな面で援助をしてくださった職員や同僚の先生方、暖かい励ましをしてくれた学生、院生の皆様には心から感謝しております。ど

うもありがとうございました。

退職にあたって

教育人間科学部 教授 佐々木 弘明

退職雑感

昨年秋 研究室を訪ねてくれた卒業生と

ここ6年間、心理科(教育人間科学部心理発達専門領域)での数々の催しの締めと

して必ず行われる儀式?がある。それは私が「心理科」と叫んだ後に、参加者全員が

「サイコー!」と右手を挙げジャンプしつつ絶叫することである。数々の催しとは新

歓、追いコン、忘年会、運動会等のことで、3年生がリーダーシップをとり、大勢の

心理科の学部学生、院生そして教員が年齢を超えて参加する。このような催しが私の

27年間の在任中ほとんど休みなく続けられてきた。これはまさしく心理科の伝統で

ある。こうした全体的な雰囲気の中でゼミも大いに盛り上がった。今振り返ると次か

ら次と懐かしい顔が思い出される。学生からは実に多くのことを学ばせてもらい、同僚からは大変お世話になった。本当にありがとう。皆さん

との出会いは私の一生の財産です。退職に際して私の国大生活の締めはこれしかありません。万感の思いをこめて、

「心理科サイコー!」

心理科サイコー!

教育人間科学部 教授 塗師 斌

追いコンで最後のゼミ生と

在職40年のうち、おおざっぱに言って20年が教員養成、10年が数理科学、最後の10年がマル

チメディアということになる。数学の授業者としては、次第に系統性が失われていく過程であった。

どの授業も並列で系統性がなく、予備知識を期待できない。はじめのうちは私自身がとまどい、受

講生たちには迷惑をかけたことと思う。そのうち次第に腹が座って予備知識を一切前提としない授

業を開発する決意をかため、新旧の素材を探索した。探せばあるものだ。行列も複素数も使わない

平面合同群の表現、論理計算の予備コース抜きの不完全性定理、哲学と数学の中間を行く「無限」な

ど。伝統的な分野である「解析学」でも、物理学、経済学、地質学の問題を例題に借用して現実味を

付加した。学生諸君がどう思ったかは分からない。大方は授業者の自己満足に終わったかも知れないが、それがなければ授業をやる気力が低

下し、迫力のないものに終わっただろう。ふりかえってみれば、この授業環境は私を鍛えてくれたと思う。これから自分自身を教育するため

に貴重な経験になった。

受講者への感謝をこめて

教育人間科学部 准教授 秋葉 繁夫

私が本学経営学部に着任したのは、昭和50年4月1日である。大学人として34年間、大過なく過ごすこ

とができたと思われる。字数の関係で、短く思いで深い経験をまとめてみた。

第一に、社会系学部の改革・改組が続いたが、国際経済法学研究科が新設され、4代目の研究科長に就任

した。しかし、その後、発展的解消ということになり、結局、最後の研究科長としての仕事を、2年間、さ

せていただいた。つまり、幕を閉じる役目をお引き受けした次第である。このような経験は、珍しいと思わ

れるが、貴重な経験でもあった。

第二に、技術移転機関としての、TLO(Technology Licensing Organization)の設立に関与したことを挙

げることができる。横浜国立大学と横浜市立大学の教員が株主となり、平成12年12月20日に、設立され

た株式会社である。現在、資本金が1,800万円、株主数147名、役員数16名となっている。このTLOの役

割の1つは、地域と連携した知的創造サイクルの確立である。このTLOの益々の発展を願って、この記事の幕を閉じることとする。

退職にあたって

(9)

退職雑感

私はこの春定年を迎える。私はこれまで大変長い間大学とかかわり続けてきた。この間いつも心にとめて

きたことがある。それは「勇気とこだわり」の心である。新しいことを学び応用する。それをさらに発展さ

せるために努力を重ね、新しい結果へとつないで行く。これは全く素晴らしい経験であり、これ程やりがい

のあることはなかったとさえ思う。この過程で、「勇気とこだわり」が深くかかわってきた。

私の生きてきた世界では、どのようなことを主張するにも多くの人の考えを素直に聞き入れ、場合によっ

ては不適当とさえ思われる修正でも受け入れる「勇気」が必要であった。一方、何事にあっても本質的な部

分に「こだわり」、安易には考えを変えない心構えも大事であった。「温故知新」。「勇気とこだわり」。一見相

反する概念が絶えず一体となって、私達の歩みを支えている。忙しい毎日の中で、こうした事にちょっと関

心をもって考えてみるのも面白いことのように思われる。

「勇気とこだわり」

工学研究院 教授  野 清治

平成11年7月に当時の建設省建築研究所(建研)の所長の職を退いて横浜国大の建築学教室に着任

した。着任後は、かつて、当研究室で木造を専門とされた、著名な飯塚五郎蔵先生が居られたことも

あり、その木造研究を復活することとした。もちろん、私が建研時代に遭遇し、建研を挙げて被害調

査や2次被害防止に向けた取り組みを行うこととなった、あの阪神淡路大震災で、木造家屋による圧

死者が過半を占めるほどの大被害をもたらした事も大きな理由だ。テーマは決めたが、実験研究に必

要な加力装置や計測装置など一切が無いという状況で、それらの整備から取り掛からなければならな

かった。幸い、工学研究院から250万円ほどの資金貸付を受けるなどして最低限の整備はできた。外

部資金も得て試験体を製作し、研究助手、技官、卒論生、修論生とともに多数の実験も出来た。10年

という短い研究期間であったが、それなりの成果を上げることが出来たと思う。大学がどんどん変わ

って行く中でも、この研究が今後に引き継がれることを期待している。

木造研究への取り組み

工学研究院 教授 山崎 裕

私が助手として着任したのは大学院工学研究科修士課程が設置されて間もない頃で、その入学定

員も学部定員の20%という細々としたものでした。また、キャンパスと建物も、鎌倉、清水ヶ丘、

弘明寺と、前身の師範学校、高等専門学校当時のままで、教育研究の環境には恵まれていませんで

した。にも拘らず、先取の気鋭に満ちた先生方と、向学の志に燃えた学生たちとで、高度な教育と

研究が行われていました。それが次第に功を奏し、常盤台へのキャンパス統合を経て、大学院博士

課程や法科大学院を擁する大学へと発展してきました。このような大学の足跡とともに歩むことが

できたことは感慨無量で、お世話になった教職員の方々、若いパワーをもらった学生たちに感謝し

ます。特に、国立大学法人化前後は、評議員、学長補佐、副学長、大学院環境情報研究院長、学長

選考会議議長等を経験させてもらい、大学の変遷を目の当たりにすることができたのは強く記憶に

残ることです。これからは(財)横浜工業会理事長として後方からの支援を通じて、大学の更なる発展を願っております。

このほかにも、次の先生方が定年退職されます。

教育人間科学部 井本  二教授、成田 博之准教授   国際社会科学研究科 三邊 夏雄教授

工学研究院   廣瀬 靖雄教授、竹内 三了助手    環境情報研究院   原  孝夫教授

大学の発展とともに

環境情報研究院 教授 井上 誠一

私は、昭和46年4月に横浜国立大学工学部材料基礎工学研究施設助手として採用

され、同49年3月に東北大学より工学博士の学位を授与されました。その後、エネ

ルギー材料研究施設、物質工学科を経て今日に至りました。この間、所属機関の目

的等に沿って、専門を溶接工学、原子炉構造工学、化学プラント安全工学、セラミ

ックス工学及び複合表面改質工学に拡げて参りました。そのお蔭で、学際的となり、

広い分野の専門を融合することが出来、非才であるにも係らず望外の幸運に恵まれ

ました*。此れは偏に、本学の優れた研究環境、自由な雰囲気、諸先輩の適切な御指

導並びに優秀な学生達との共同研究のお蔭であり、心より厚く御礼申し上げます。

末筆となりましたが、本学と皆々様の益々のご発展及びご活躍をお祈り申し上げます。

*世界で始めて使用中に発生したき裂を使用中に完全自己治癒するセラミックスの開発に成功、その他では科学技術庁長官表彰「注目発明選定

証」、厚生労働大臣表彰「功労賞」、経済産業大臣「原子力安全功労者表彰」、天皇皇后両陛下より「園遊会」に招待される等。

定年退職に際して

工学研究院 教授 安藤 柱

天皇皇后両陛下主催の園遊会にて(妻と二人で)

(10)

課程での授業やゼミ、部活のラク

ロスと歩んだ4年間、その中で多く

の財産を得ました。

様々な価値観。目標への困難さ、

その達成感。横浜に戻れる場所。尊

敬できる先輩方と後輩達。4年間苦

楽を共にし、切磋琢磨してきた同期。

そして、成長。他では決して得難く、

かけがえのないものばかりです。

これらを胸に、

“今”を楽しんでい

きたい。

「学生時代に戻りたい」と言

う様なつまらない大人になるつもりはありません。僅かでも、前へ。

メッセージ代わりにこの言葉を残します。

「Jump(

“飛躍”

)するた

めには、しゃがまなければいけない」DJ Jin(Rhymester)

縁ある皆さん、ありがとうございました。

入江 士郎 

教育人間科学部 国際共生社会課程

「今日教わったナッシュ均衡が

明日使えないかもしれないけど、経

済学を習うことによって自分の人

生を考えるもう一つの道を発見し

たこととなる。それでいいんじゃな

いか」経済学を学ぶ意味を探して

いた私に真夏の授業が終わった後、

ふっと先生がおっしゃったことは

今でも鮮明に覚えています。卒業を

迎えて大学4年間を振り返ってみ

ると今後自分が何を学び、何を求め

ていくべきなのかを真剣に考える大切な時間でした。もっともっ

と素敵な大人になれるよう精一杯がんばります。皆さんもぜひ充

実した大学生活を送ってください。

安 世羅 

経済学部国際経済学科

「人間は企業化している」。それ

が大学4年間の私の感慨である。今

を生きる私達は、自分の収支をアカ

ウンティングしなければならない。

自分の資産をファイナンスしなけれ

ばならない。そして自分自身をマネ

ジメントしなければならない。ポー

ターの5フォース・モデルを知った

時、この企業の市場選択モデルが私

達の進路選択モデルに適用できるこ

とを発見した学生は、私だけではな

い筈だ。だから私はこれを読む君に誓おう。人間として更に成長

するためのイノベーションに努めることを。人生の目標を再設定

するリバイバル・プランを定めることを。そして私達が企業にC

SRを求めるように、私も私の社会的責任を果たすことを誓おう。

遠藤 達也 

経営学部経営学科

学部3年次に編入学して、あ

っという間に卒業を迎えようと

しています。

編入学して強く思ったこと

は、大学生として得られるもの

は多いので、何事もチャンスだ

と思って行動しようということ

でした。やはり周りの環境が変

わるということは、多くの刺激

があっていろいろな経験が積めるというものです。

後輩の皆さんには短期的でもいいので、目標を持ってもらいた

いと思います。

私は4月からは本学大学院に進学するので、新たな責任感も持

って大学院、研究室の生活を楽しく送っていくことが、いまのと

ころの目標です。

高橋 智亮 

工学部建設学科

仕事をしながら大学に通うという

生活は苦しくもやりがいのある生活

でした。また、苦しい反面、自分を

大きく成長させてくれる良い機会に

なったと思っています。大学の勉強、

卒業研究の中では、先生方はもちろ

ん友人達のおかげで、とても充実し

た大学生活でした。

これからは大学院に進学し、さら

に高度な研究をしていく予定です。

大学というのは今までの経験を生

かしつつ新たに自分を表現できる場所です。

皆さんもいろいろなことに挑戦し、大学生活を大いに楽しんで

ください。

田村 和也 

工学部第二部生産工学科

私は私費留学生として学部・大学院

の6年間、横浜国立大学で学びました。

その6年間はとても充実した楽しい時

間でした。日本への理解を一層深める

時間にもなったし、また新しい世界で

自分を成長させる時間でした。振り返

ってみると、あの時もう少し頑張って

たら…と思われる時間もたくさんあり

ます。当時はなんとも感じなかった事

が今になって考えると、学生時代の心

残りになっています。現在に満足し安

住するのではなく、何事にもチャレンジし、たくさんの経験をす

ることが大事だと思います。学生時代だからこそできることにた

くさん挑戦して自分の財産として残してください。

金 惠榮 

教育学研究科 芸術系教育専攻

卒業生・修了生からのメッセージ

(11)

Our life is a series of events, starting from birth and ending with death. Any of such events can be a crucial one leading to a complete change of one’s future and des-tiny. Winning a scholarship to pursue my study at Yokohama National University was one of such an instrumental events in my life. I am not the same person who was three years before. My future has also changed. Due to this opportunity I spent part of my life in a different culture and atmosphere, made close friends, learned one more foreign language, enhanced my knowledge in the sphere of my interest, and soon I am going back home with enduring memories pic-tured in my mind, printed in papers and saved in cameras. I will miss you all. My dear friends, Japanese language teachers, professors, people who sup-ported me to make my stay here so wonderful. I will try to use any chance to be again here, that’s why I will not say good-bye, but rather ITTE KIMASU!

Bobomurod Muminov

国際社会科学研究科博士課程前期国際関係法専攻

50人に満たない少人数で終日講

義や演習に取り組むことで、勉強

面だけでなく、学生生活全般にお

いて密度の濃い時間を過ごせたよ

うに思います。また、先生方が学

生一人一人を気にかけて熱心に指

導してくださるのを日々感じるこ

とが多かったです。実務科目、法

律科目のいずれでも自分の興味の

赴くまま自由に履修できる環境は、

将来どのような法曹になりたいか

を考える上で私にはとても有益で

した。あっという間の2年間でしたが、先生方や友人達に恵まれ

充実したロースクール生活を送ることができ、感謝しています。

檜垣 智子 

国際社会科学研究科 法曹実務専攻

実務における問題意識を抱え、

在職のまま門を叩いた大学院は、

研究活動の拠点として、先生方や

院生仲間から得られる知的刺激や、

物事の捉え方に工夫を凝らして考

えをめぐらせることの面白さに満

ちた、とても居心地が良い場でし

た。そして、学部(1984年卒業)

と大学院をあわせ、実に9年間も国

大にお世話になったことになりま

す。母校の一層の発展を願うと共

に、時を隔てて大学に戻ることの

意義が決して小さくないことを、

経験者からのメッセージとしてお伝えしておきます。お世話にな

ったすべての皆様、ありがとうございました。

湯沢 雅人

国際社会科学研究科 博士課程後期 企業システム専攻

物質の最小構成要素とその間の

基本法則を探る「素粒子物理学」。

世界各国で研究されているこの分

野を大学院では研究しました。日

常とかけ離れたスケールでの物理

には不思議な現象が多々存在し、

いつも驚かされました。

指導教官である佐々木賢教授か

らは研究に取り組む姿勢や物理の

面白さを学ばせていただきました。

また、個性豊かなメンバーとすご

した研究室での日々は忘れがたい思い出となりました。

修了後は博士課程に進学し、さらなる素粒子物理学の発展に貢

献していきたいと思っています。

渡辺 則之 

工学府 博士課程前期 物理情報工学専攻

私は学部から博士課程まで9年

間という長い間、横浜国立大学で

学ばせていただきました。幸運な

ことに素晴らしい環境、指導教官、

先輩、同期、後輩に恵まれ、毎日

が楽しく、有意義な学生生活を送

ることができ、私にとって9年間

はあっという間でした。特に大学

院に進学してからは国内外での学

会発表を始め多くのことを経験さ

せていただきました。将来につい

て考える折、現代ではその選択肢

は非常に多岐に渡りますが、ご自分の確固たる意志をもって将来

の選択をして頂ければと思います。

上野 和英 

工学府 博士課程後期 機能発現工学専攻

大学院2年間、大学時代とするな

らば6年間、この横浜国立大学とい

う場所で精一杯

「学ぶ」

ことができた、

それが私の学生生活だったと思いま

す。学ぶというのは、学業に限らず。

夢・目標を持った私という木が学

業・研究により幹を太くし、サーク

ルやバイトでの経験や友人との交流

により、色鮮やかな枝葉をつけるこ

とができた、そんな6年間でした。

在学生の皆さんも、目標を持って

「学ぶ」ということを心がけてみてく

ださい。最後になりましたが、研究の機会を与えてくれた先生方、

支えてくれた友人、家族に感謝します。

川上 大介

環境情報学府 博士課程前期 情報メディア環境学専攻

卒業生・修了生からのメッセージ

小林 亮太 

環境情報学府博士課程後期環境システム学専攻

研究者になることを志望し、現在の研究室に所属してから6年間、材料開発の面白さ・奥深さを自ら体験

できたことは貴重な経験でした。研究成果を積極的に学術雑誌や国際会議で発表し、多くの研究者と交流す

る機会にも恵まれました。この6年間で、自身の研究者としてのベースを作り上げることができたと確信し

ています。横国大は優秀な先生方、高度な研究設備、緑豊かなキャンパスなど恵まれた研究・教育環境を有

しています。皆さんもぜひ、自分を鍛えつつ、楽しみながら学生生活を送ってください。自信を持って社会

に出て行くことができるはずです。

(12)

受賞関係

平成20年9月7日(日)、慶応大学三田校舎で開催された経営哲学学会第25回全国大会において、大

学院国際社会科学研究科博士課程後期3年の津久井稲緒さん(指導教員:三戸浩教授)の研究が、学会

奨励賞を受賞しました。

受賞対象となった研究発表は、「企業の社会的責任をとらえる二つの責任:役割責任と結果責任」で、

企業の社会的責任論の現状の混乱を、役割責任と結果責任という二つの責任概念により整理したもので

す。企業の社会的責任は「役割責任」と「結果責任」に分類され、その両者のダイナミズムな関係性とコ

ンフリクトを分析し、企業は何に責任をとらねばならないのか、また責任をとることの困難性を明らか

にしています。

(平成20年8月『経営哲学』第5巻1号P.182∼185掲載)(国際社会科学研究科)

国際社会科学研究科の学生が学会奨励賞を受賞

7月9日(水)∼12日(土)に第43回地盤工学研究発表会(主催:

(社)地盤工学会)が広島国際会議場で開催され、大学院工学府社会空間シ

ステム学専攻建設システム学コース博士課程前期2年の中村緋奈子さん、博士課程前期1年の高下達也さんと田中悠一さん(いずれも指導教

員:谷和夫教授、早野公敏准教授)の3人が「地盤工学研究発表会優秀論文発表者賞」を受賞しました。

演題名は、中村緋奈子さんが「PS灰改良材を用いた改良土における植生試験」、高下達也さんが「凝灰岩と泥岩に対する低い動水勾配におけ

るフローポンプ透水試験」、田中悠一さんが「地盤内埋設型センサーの補正に関する実験的検討」です。

(工学府)

工学府の学生が優秀論文発表者賞を受賞

大学院環境情報学府博士課程後期3年の石下円香さんと同前期修了(平成20年3月)の佐藤充さんと指導教員の

環境情報研究院 森辰則教授が、11月29日(土)に東京で開催された情報社会学会・ヤフー(株)共催「知識共有コ

ミュニティワークショップ」で優れた研究論文発表1件に授与される「優秀賞」を受賞しました。

受賞論文のタイトルは「任意の型の記述的回答が可能な日本語Web質問応答システム」です。Web上の文書を事典

のように利用して利用者からの質問に答えるシステムに関する研究で、大量の質問応答事例から質問の種類に応じ

た「答の書かれ方」に関する情報を取得し、利用することにより任意の種類の質問に答えることができることを示し

た手法の独創性、有効性が高く評価されました。

(環境情報学府)

環境情報学府の学生と環境情報研究院 森辰則教授が優秀賞を受賞

11月22日(土)∼24日(月)に東京都大田区で開催された日本経営診断学会第41回全国大会において、大

学院環境情報学府環境イノベーション・マネジメント専攻博士課程後期3年の久保田典男さん(指導教員:三

井逸友教授)が、優秀賞を受賞しました。

この優秀賞は、研究発表された大学院生の論文の中から、院生発表論文審査委員会の審査を経て優秀であ

ると認められたものに対して授与されます。

受賞対象となった論文は「事業承継を契機とした経営革新∼非親族承継における所有と経営の分離につい

ての研究∼」です。中小企業の事業承継という関心の高いテーマを採り上げ、独自の視点から今後の中小企

業の事業承継の円滑化に資する提言を行った研究として高く評価されました。

久保田さんは、中小企業診断士の資格保有者でもあり、今後学術的な理論と、現場での具体的な経営診断

とを融合させた更なる研究の発展が期待されます。

(環境情報学府)

環境情報学府の学生が優秀賞を受賞

8月22日(水)

・23日(木)、カナダのバンクーバーで開催された「和道会ワールドチャンピオンシップ2008」の

女子個人形の部に空手部の岩崎ほなみさん(教育人間科学部4年)が出場し、優勝しました。

この大会に出場する記念に、清空会(空手道部OB会)が会員に賛助金を募ったところ、後輩への期待は大きいよ

うで、清空会の年会費とほぼ同額が集まりました。

(本人の申し出により、清空会に一部寄付されました)

岩崎さんがOB会や空手部に宛てた、援助や応援へのお礼と報告が届きましたのでご案内します。

去年11月、初めて和道会の強化練習に参加してから約10ヶ月、大会を意識しながら練習し、周囲の多くの

方々から色々な事を教えていただきました。選手に選ばれてからも、自分なりに日々練習を重ねてきましたが、

自分の実力が和道会チャンピオンにふさわしいものだとはまだまだ思えません。しかし、高いレベルの日本選手

団と一緒に行動したこと、日本人以外の「空手」を近くで見られたことなど、今までにない貴重な体験をするこ

とが出来、とても刺激を受けました。この経験をこれからの練習につなげて、名前に負けないようにレベルアッ

プしたいと思います。

OB会からは援助金をいただき、横浜国大空手道部全体から大きな心温まる応援をいただいていることを実感

し、大変励みになりました。この場を借りてOBの先輩方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

これからもご指導ご鞭撻くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

空手部の学生が和道会ワールドチャンピオンシップ2008で優勝

見事な形 メダルをかけて

(横浜国立大学空手部)

受賞した高下さん、中村さん、田中さん(左から)

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