サイバー攻撃の変遷
個人的な悪戯ではなく、金銭奪取や軍事・政治目的達成のための手段としてサイバー攻撃は行
われている。
稚拙な攻撃者
(スクリプトキディ)
洗練された攻撃者
(ハッカー)
産業スパイ
(悪意ある内部者)
組織犯罪
(犯罪者集団)
国家が支援する
何者かの新しい
タイプの攻撃
(APT)
スクリプト
キディ
ハッカー
悪意ある
内部者
犯罪者
集団
APT
娯楽
実験
迷惑行為
悪評
金銭
困惑させる
政治的・社会的・
環境問題等の理由
復讐
個人的利益
株価操作
現金/Bitcoin
クレジットカード
ID
組織内部の情報
国家が支援するスパイ活動
市場操作
競争優位の獲得
軍事・政治目的
Marriot、United Airlines、OPMが繋がると
https://seekingalpha.com/article/4293174-united-airlines-riskier-bet-ahead-of-earnings
https://wired.jp/2018/12/01/marriott-hack-protect-yourself/
セキュリティ侵害の実態
情報漏洩を自ら発見するのは困難、インシデント未発見期間は数か月の単位
情報漏えいを発見する主体
法的機関
第三者
不正利用検知
内部
出典: Verizon 2016 Data Breach Investigation Report
70%を超える情報漏えいが法的機関や外部の
専門家による指摘による発覚
インシデントの所要時間
秒 分 時 日 週 月 年
感染(対象=127)
発見(対象=390)
侵入(対象=140)
脱出(対象=87)
出典: Verizon 2019 Data Breach Investigation Report
個人情報漏洩の状況と原因
漏えい人数
561万3,797人
インシデント件数
443件
想定損害賠償総額
2,684億5,743万円
一件あたりの漏えい人数
1万3,334人
一件あたり平均想定損害賠償額
6億3,767万円
一人あたり平均想定損害賠償額
2万9,768円
漏洩原因
個人情報漏えいインシデント概要データ
(出典)https://www.jnsa.org/result/incident/2018.html
情報漏洩だけを見ても莫大な損害が推定されているが、原因は“ヒト”が大半。
日本のセキュリティは低予算、人不足が課題
日本はセキュリティにお金を掛けていないにも関わらず、他国に比べてセキュリティ人材の不足を懸
念している。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
10%未満 10%以上 不明
【凡例】
IT予算に占めるセキュリティ予算の割合(%)
経営層がCISO
セキュリティ人材の
不足
35.5
%
71.2
%
68.5
%
70.5
%
71.8
%
86.9
%
16.2
%
10.6
%
14.3
%
10.4
%
(出典)https://www.nri-secure.co.jp/report/2018/analysis_global2018.htmlをもとに作成
無理解との闘い:セキュリティプロフェッショナルの置かれる環境
私は何もしていません
業務があるので早く
作業を終えてもらえませんか
(予算、要員の依頼を無視していたのに)
今まで何をやっていたんだ!
300
万人
今後2年間の
要員不足
66
%
ストレスによる
新たな職探し
51
%
ストレスが
少ないなら
減給OK
(出典)RSA Conference 2019 Ann Jonson氏講演をもとに作成
セキュリティ自動化の遅れが対応費用の明暗を分ける
0%
20%
40%
60%
未導入
【凡例】
セキュリティ自動化の未導入割合(%)
51%
42%
46%
44%
48%
(出典)https://www.ibm.com/downloads/cas/ZBZLY7KL?_ga=2.178520740.1027700476.1577855539-887529877.1575095829をもとに作成
情報漏洩時の対応費用
2.65MUS$
5.16MUS$
セキュリティ自動化
導入済
セキュリティ自動化
未導入
ASEAN
不足しているセキュリティ人材とは
インシデント対応とセキュリティ企画の要員が不足が人材面の課題。
57%
53%
44%
0% 20% 40% 60%
ログを監視・分析して危険な
兆候をいち早く察知できる
セキュリティ戦略・企画を策定
する
インシデントへの対応・指揮が
できる
日本(n=93)
自組織に不足していると考える人材種別
セキュリティ担当者として最も困っていること
セキュリティインシデント発生時
の緊急対応
自社セキュリティ対策の遅れ
(最新技術・動向の未反映)
グループ会社・国内外拠点の
セキュリティ統制・管理
サイバー攻撃高度化への対応
https://www.nri-secure.co.jp/report/2018/analysis_global2018.htmlをもとに作成
サイバーセキュリティ人材育成取組方針
(出典)https://www.nisc.go.jp/conference/cs/jinzai/dai09/pdf/09shiryou0201.pdf
経営層
戦略マネジメント層
実務者層・技術者層
• ビジネスやサービスの着実な遂
行(任務保証)が重要
• 事業継続と価値創出のための
リスクマネジメントの一環として、
対策を推進
• 事業継続と価値創出に係るリ
スクマネジメントを中心となって
支える役割
• 経営層の方針を踏まえた対策
立案、実務者・技術者の指揮
• 方針を踏まえたセキュリティ対策
の企画・構築・実施
役割
課題
• リスクマネジメントに向けた、経営
層の理解と意識改革の推進
• 業種・業態の違いを踏まえた、サ
イバーセキュリティの位置付けの
明確化とリスクマネジメントの浸
透
• 取組に対する経営上のインセン
ティブ付与
• マネジメント機能の中でサイ
バーセキュリティリスクの考慮
• 戦略マネジメント層向けの適
切な教材やプログラムが存在し
ない
• 経営層・戦略マネジメント層を
支え、他の専門人材とチームの
一員として対処できる人材の育
成
• 新たな技術やシステム開発手
法の知識・スキルの育成
登録セキスペはセキュリティ専門職、実務者・戦略マネジメント層をカバー
(出典)https://www.nisc.go.jp/conference/cs/jinzai/dai09/pdf/09shiryou0201.pdf
経営層
戦略マネジメント層
実務者層・技術者層
演習
教育
資格・
評価基準
NISC 重要インフラ分野横断演習
金融庁Delta Wall III演習
警察庁重要インフラ業者等との共同対処訓練
IPA産業サイバーセキュリティセンター責任者向け短中期プログラム
NICT CYDER、サイバーコロッセオ
東京電機大 Cysec
IPA産業サイバーセキュリティセンター中核人材育成プログラム
IPA情報処理安全確保支援士
IPA情報セキュリティマネジメント試験
(参考)セキュリティ関連の年俸は幅広く、上限も他職より高い傾向
500
800
1100
1400
1700
2000
単位:万円
情報セキュリティ
(銀行・証券・投信以外のサービス)
プロジェクト・プログラムマネージャー
(銀行・証券・投信以外のサービス)
データアナリスト・サイエンティスト
(銀行・証券・投信以外のサービス)
セキュリティ・エンジニア
(ベンダー・コンサルティング)
システム・エンジニア
(ベンダー・コンサルティング)
RPAコンサルタント
(ベンダー・コンサルティング)
(出典)https://www.robertwalters.co.jp/content/dam/robert-walters/country/japan/files/salary-survey/J-Book2019.pdfより一部抜粋
転職会社調査結果(2019)にみる国内正社員年俸レンジの一例
集合講習の目的・タイムスケジュール(2019年度)
オンライン講習で学習した知識を実践で使えるよう、レベルアップし、定着させる
⚫
シナリオに沿った演習に取り組むことで、情報セキュリティインシデント対応の検知・分析から再発防止までの
一連の流れの理解を深め、実業務への応用のための“気づき”を得る
⚫
情報セキュリティインシデントの原因に対し、情報セキュリティ技術のみならず、組織内で対策を推進するた
めの実践的な知識・知見を駆使し、実効性のある対策を取りまとめする
⚫
情報セキュリティ関連業務に従事する者として、倫理・コンプライアンス上の責任を理解し、それに基づく判
断及び行動ができるようにする
時間 講習内容
9:45~12:00
(途中休憩10分)
オリエンテーションなど
事前チェック
理解度確認テスト
講義(インシデント対応手法、情報セキュリティにおける倫理)
トピックス検討ワーク
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~17:00
(ケーススタディ毎に休憩10分)
ケーススタディ概要
ケーススタディ① インシデント対応
ケーススタディ② 予防策の検討
ケーススタディ③ 倫理的な判断・行動に関するケース
17:00~17:30 まとめ・質疑応答
事後チェック・アンケート等
情報セキュリティ対策を担う実践的な能力の習得・維持・向上をはかる
目
的
タ
イ
ム
ス
ケ
ジ
ュ
ー
ル
講習受講の特徴
サイバーセキュリティ分野の高度な知識・技能
の習得だけでなく、講習で学んだことを登録セ
キスペとして日常の業務に活用できることに重
点を置いた内容となっています。
倫理観の醸成にも重点を置いています。
これまでの主な教材改訂内容
・実践的な事例を追加
・いくつかの箇所で、役割別の学習内容を追加
・集合講習のケーススタディの実施において、
「CISOへの報告」形態を強化
業務に活用できる内容に重点
毎年の講習内容の見直し
認定された講師が2人体制で
受講者同士の相互交流による学び
オンライン講習・集合講習ともに、毎年内容の見直
しを行い、さらにサイバーセキュリティ等の専門家の監
修を受けた内容となっています。
これにより、最新の情報や、今セキュリティ人材に求
められている内容を学べます。
⚫
セキュリティや人材育成の専門家によって構成さ
れる有識者委員会にて認定された講師が担当し
ます。
⚫
セキュリティ分野の第一線で活躍し、ファシリテー
ターとしても高い実績を持つ専門家です。
⚫
常に2人の講師が担当します。様々な経験を持
つ講師の知見に触れられます。
⚫
講師勉強会を定期的に開催するなど、講習品
質向上のための取り組みを行っています。
⚫
集合講習は、ケーススタディ形式のグループディス
カッションが中心となります。1つの正解を学ぶこと
ではなく、様々な立場の受講者の考えを引き出
すことに重点が置かれています。
⚫
ユーザ企業の方のご意見や、他社の取り組みを
知る機会として活用される方もいます。
集合講習
集合講習
登録セキスペとしての義務遵守
法律で定められた制度であるため、義務、罰則の影響を気にされる声もあるようだが、
内容は常識的なものに限定されており、
この内容の理解も講習で深めることになって
いる。
情報処理の促進に関する法律
該当条項 内容
罰則
(第51、53条)
取り消し・
名称使用停止
(第19条)
第24条
信用失墜行為の
禁止
情報処理安全確保支援士の信用を傷
つけるような行為をしてはならない
第25条
守秘義務の違反
第26条
講習の未受講
第27条
名称の使用制限
正当な理由がなく、その業務に関して知
り得た秘密を漏らし、又は盗用してはな
らない。情報処理安全確保支援士で
なくなった後においても同様
経済産業省令で定めるところにより、機
構の行うサイバーセキュリティに関する講
習を受けなければならない。
情報処理安全確保支援士でない者は、
情報処理安全確保支援士という名称
を使用してはならない。
○
○
○
ー
○
1年以下の懲役
または50万円以下の罰金
ー
○
30万円以下の罰金
ー
登録セキスペ
上記以外
(取り消し、使用停止
該当者含む)
(参考)情報処理安全確保支援士倫理綱領
【前文】
情報処理安全確保支援士は、社会的通念やモラルに従い、情報セキュリティの専門家としての矜持を保ちつつ、サイバーセキュリ
ティの確保を通じて、公衆の生命・安全・財産を保護し、安全・安心な社会の維持に貢献する。
情報処理安全確保支援士は、その使命を全うするため、品位を保ち、技術の研鑽に励み、
国家資格「情報処理安全確保支援士」として、この倫理綱領を遵守し、公正・誠実に行動する。
【基本原則】
1.公正と誠実
情報処理安全確保支援士は、業務上の判断を行うにあたり、先入観をもたず、他者からの不当な影響を受けず、常に公正
な立場を堅持し、公正・誠実に業務を遂行しなければならない。
2.秘密保持
情報処理安全確保支援士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
3.法令等の遵守
情報処理安全確保支援士は、法令等や専門職としての倫理を遵守しなければならない。
4.信用保持
情報処理安全確保支援士は、専門家としての自覚をもち、信用を失墜する行為をしてはならない。
5.自己研鑽
情報処理安全確保支援士は、専門家としての能力を必要とされる水準に維持し、かつ自らの知識・技能を
高めなければならない。
情報処理安全確保支援士が、その役割と責任を果たすために従うべき規範
登録セキスぺの業務分類
登録セキスペはセキュリティを専門としている方以外も多数登録している。
登録セキスペの
セキュリティ対策
関連業務の分類
※「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の活動に関する実態調査」調査報告書
P77 「3.2.2 役割の分類とレベル」をもとに作成
集合講習の様子と満足度
集合講習の参加者は毎回25名程度。業界の第一線で活躍する講師が2人体制で手厚く指導を行います。講
習の中心となるグループ演習形式のケーススタディでは、参加者がそれぞれの知見を持ち寄りながら議論し、相互的
に新たな視点や知識を習得することを狙いとしています。
被害の拡大防止だけでなく、それに伴
う経営・運用への影響、ポイントなどを
学んでいきます。
講師も参加者の要望に合わせ、自身
の経験や過去の事例などを交えながら
丁寧にアドバイス。
「顧客企業のシステム監査で重大な
脆弱性を発見したが、顧客企業から
公表を控えるよう指示された。」など、
実習で直面しがちな業務上の役割と
倫理の相反をテーマに議論。
企業でのウイルス感染による情報漏え
いを想定し、対策をディスカッション
倫理的な判断・行動に関するディス
カッション
講習の満足度
4.3
/5
多岐多様な場で活躍する登録セキスぺから高い評価
(次ページ参照)
集合講習受講者の主なコメント
集合講習は、セキュリティの理解や対応力の向上だけでなく、
セキュリティ対策を実際に推進する際に必要となる、異なる立場の人の観点を理解する、
登録セキスペ同士の繋がりを作る場としても、効果を発揮している。
未経験業務の疑似体験
• 資料での学びに加え、経験者の意見を聞
きながら、インシデント対応を体験できた
• 当事者ならパニックになってしまい、間違っ
た対応をしてしまうかもしれない事案を講
習で試せた
• 具体的なインシデントを想像したポリシー
改訂やセキュリティ設計に繋げられる
異なる視点からの考え・“気づき”
• 最新のセキュリティ対策の進め方を経験
者から聞くことが出来た
• インシデント対応に関連する異なる立場
の方の考え方を知ることが出来た
• 技術だけなく、コストとリスクのバランス、情
報公開の判断といったビジネス判断に必
要な観点を得られた
登録セキスペの繋がり
• 受講者間の交流が期待以上だった
• 倫理上の現実的にあり得るグレーゾーン
の体験談を具体的に話を聞くことが出来
た
• 技術だけはなく、倫理知識が必要である
ことが分かった