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若者 合計 人 % 人 % 人 % 人 % 合計 1, , 男性 , 女性 ,

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(注1) 団塊Jr…昭和46~50年生の33~37歳      アラフォー…昭和41~45年生の38~42歳

若者のライフスタイルと消費行動

∼若者は本当にお金を使わないのか!?∼ (要 約) 平成21年7月 財団法人 地域流通経済研究所 はじめに 近年の少子高齢化に伴う人口構造の変化は、市場や消費動向などに多くの変化をも たらしている。このような中で、若者世代は、“車離れ”、“アルコール離れ”などの 言葉に象徴されるように、消費に対して消極的な世代であるような捉え方をされる機 会が多いように思われる。 若者世代をメインターゲットとした市場は、確かにシルバー世代や団塊世代などに 比べると、貯蓄をはじめとする資産が少ないといった点で必ずしも魅力的とはいえな いかもしれない。しかしながら、若者世代が、これからの消費市場の一翼を担ってい くことには間違いなく、顧客層拡大のために若者をターゲットにしたマーケット戦略 の構築・展開は、重要性を増してきている。そのためには、消費に対して“消極的で ある”という先入観を排除して、若者の“本当のすがた”を理解することが不可欠で あろう。 そこで今回の調査は、過去に当研究所で実施した“シルバー”、“団塊”に続く、世 代シリーズの第 3 弾として、23 歳から 32 歳(昭和 51∼60 年生)の社会人の男女を 「若者」と定義し、そのライフスタイルや消費行動に関する分析を行い、若者の市場 をどのように取り込んでいくかについて考察を行った。また、分析にあたっては、 「団塊 Jr」、「アラフォー」(注 1)とそれぞれ定義した上の世代との比較で相違点を明 らかにしている。さらに、若者のうち、特に「未婚者」に焦点を絞り込み、5 タイプ に分類し、地方企業の声を交えながら、タイプ別の消費スタイルの考察とアプローチ 方法の提案を行っている。

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人 % 人 % 人 % 人 % 1,431 48.5 797 27.0 724 24.5 2,952 100.0 男性 636 46.6 385 28.2 344 25.2 1,365 100.0 女性 795 50.1 412 26.0 380 23.9 1,587 100.0 607 46.4 389 29.7 312 23.9 1,308 100.0 男性 224 41.1 183 33.6 138 25.3 545 100.0 女性 383 50.2 206 27.0 174 22.8 763 100.0 412 50.0 206 25.0 206 25.0 824 100.0 男性 206 50.0 103 25.0 103 25.0 412 100.0 女性 206 50.0 103 25.0 103 25.0 412 100.0 412 50.2 202 24.6 206 25.1 820 100.0 男性 206 50.5 99 24.3 103 25.2 408 100.0 女性 206 50.0 103 25.0 103 25.0 412 100.0 東京都 合計 若者 団塊Jr アラフォー 合計 熊本県 福岡県 人 % 人 % 人 % 人 % 895 63.1 295 20.8 229 16.1 1,419 100.0 男性 449 61.6 165 22.6 115 15.8 729 100.0 女性 446 64.6 130 18.8 114 16.5 690 100.0 311 60.5 121 23.5 82 16.0 514 100.0 男性 120 55.8 62 28.8 33 15.3 215 100.0 女性 191 63.9 59 19.7 49 16.4 299 100.0 280 67.1 71 17.0 66 15.8 417 100.0 男性 158 66.1 42 17.6 39 16.3 239 100.0 女性 122 68.5 29 16.3 27 15.2 178 100.0 304 62.3 103 21.1 81 16.6 488 100.0 男性 171 62.2 61 22.2 43 15.6 275 100.0 女性 133 62.4 42 19.7 38 17.8 213 100.0 東京都 合計 合計 熊本県 福岡県 若者 団塊Jr アラフォー 調査概要 ○調査時期:平成21年3月 ○調査対象:熊本県、福岡県、東京都の23歳から42歳までの学生を除いた社会人の男女 ○調査方法:調査会社登録モニターへのネット調査。 ○有効回答:2,952人 ○回答者の属性 [全体] [未婚者]

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22.1 33.6 37.7 42.1 32.9 28.7 22.7 22.3 18.0 13.1 11.2 15.7 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 はい いいえ どちらでもない 就職活動をしなかった 9.6 36.6 9.2 25.6 3.5 10.3 38.9 19.3 38.3 20.1 40.3 29.0 49.3 39.5 49.5 49.8 52.2 55.8 2.2 4.6 3.1 4.5 4.0 4.9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 未婚者 未婚者 未婚者 ア 団         若 自分の持ち家 親・祖父母の持ち家 賃貸住宅 社宅・寮、その他  若者 団塊Jr アラフォー 1.若者のすがた (報告書P.25∼P.34) 「仕事」、「住まい」、「親との関係」の分析を通して考察を行った、“若者のすがた” を整理すると以下のようになる。 (1) 仕事 ∼ 就職氷河期を経験しているうえに、将来への不安が色濃くにじむ ∼ 「仕事」では、若者は就職氷河期(注 2)を経験していることが、他世代(特にアラフ ォー)との意識の違いを生み出している。他世代は、アラフォーが就職事情に比較的恵 まれていたのに対し、団塊Jrが就職氷河期に直面し、就職での苦労を経験しているう え、雇用形態の多様化の影響も受けている。そして、若者は団塊Jrの仕事事情を通じ て就職氷河期に対する“免疫”を身に付けているため、将来の不安と付き合いつつ、仕 事と向き合っている姿が浮かびあがる。 [就職活動は大変でしたか] (注 2)平成 5∼平成 17 年頃 (2) 住まい ∼ 未婚者の4割は、親・祖父母の家に同居 ∼ 「住まい」では、若者は賃貸住宅に住む人の割合が最も多く、世代が上がるにつれて、 持ち家率が高くなる傾向にある。その中で、未婚者に限ると全ての世代で賃貸住宅が約 5 割を占め、親や祖父母の家に同居する割合が約 4 割になり、若者の未婚者は、親や祖 父母との同居によって家賃負担が少なくて済むなどのメリットを受ける割合は多い。 [現在の住まいの形態]

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4.8 13.5 13.8 11.1 17.6 12.1 18.3 13.5 16.6 19.0 19.9 26.5 23.9 15.3 16.2 21.6 23.4 28.5 25.1 45.0 47.0 37.3 32.2 28.3 27.1 4.5 3.7 3.9 4.3 2.9 8.1 2.6 7.2 2.5 1.6 1.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% 未婚者 未婚者 未婚者 ア 団 若 週に2~3回以上 月に2~3回 半年に2~3回 1年に2~3回 それ以下 親はいない  若者 団塊Jr アラフォー (3) 親との関係 ∼ パラサイトは、シングルのみならずダブルもある ∼ 「親との関係」では、若者は親との同居率が他世代より高いうえに、「パラサイト・ シングル」だけでなく、結婚後も親に依存する「パラサイト・ダブル」といわれるよう な生活スタイルを送る人の割合が多い。若者は、他世代と比較すると親への依存度は高 い。 [親に食事を作ってもらう頻度〈親と別居〉]

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-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 漫 画 を よ く 読 む お し ゃ れ に 関 心 が あ る 祭 り や イ ベ ン ト が 好 き だ 朝 食 は と ら な い こ と が 多 い  記 念 日 を 大 事 に し て い る 買 い 物 を す る の は 楽 し く て 好 き だ ﹁ 限 定 品 だ ﹂ と 言 わ れ る と 欲 し く な る 値 段 が 高 い ほ ど そ の 商 品 を 信 頼 す る 料 理 を す る こ と が 好 き だ 身 体 を 動 か す こ と が 好 き だ フ ァ ー ス ト フ ー ド 店 を よ く 利 用 す る ク ー ポ ン を よ く 利 用 す る 占 い に 関 心 が あ る 地 元 に 愛 着 が あ る で き る だ け 長 く 使 え る も の を 買 い た い 同 じ も の を 買 う な ら 安 い 店 を 選 び た い 既 製 品 で は な く 手 作 り の も の が 好 き だ と に か く 安 く て 経 済 的 な も の を 選 び た い 高 級 ブ ラ ン ド 品 が 好 き だ 価 格 が 品 質 に 見 合 っ て い る か 検 討 し て か ら 買 い た い 休 日 は 家 で 過 ご す こ と が 多 い ほ う だ ま だ 使 え る も の を 捨 て る の は も っ た い な い と 思 う リ サ イ ク ル シ ョ ッ プ を よ く 利 用 す る ネ ッ ト シ ョ ッ ピ ン グ を よ く 利 用 す る 食 品 の 安 全 性 が 気 に な る 食 品 は 国 産 の 製 品 ・ 商 品 を 選 び た い 今 、 ど う し て も 欲 し い と 思 う も の が な い 地 域 の 行 事 や 会 合 に は 積 極 的 に 参 加 す る 若者 団塊Jr アラフォー 高い項目 2番目に多い項目 低い項目 2.若者の生活 (報告書P.35∼P.50) 「意識と行動」、「情報収集」、「車」、「お酒」の分析を通して考察を行った、“若者の 生活”を整理すると以下のようになる。 (1) 意識と行動 ∼ 今どきの若者と従来の若者の価値観は、明らかに異なる ∼ 今回の調査では、意識と行動に関する 29 項目を設定し、ポイント換算により若者と 他世代との比較を行った。その結果、若者が最も高くなっている項目が 29 項目中 19 項 目あり、今どきの若者の特徴が明らかになった。例えば、「おしゃれに関心がある」の 項目では、若者のおしゃれへの関心が他世代に比べてかなり高く、特に男性はアラフォ ーの女性と同程度の関心を示しており、若者は男女ともにおしゃれを意識している。ま た、若者は、「買い物をするのは楽しくて好きだ」の項目でも、他世代より高くなって いることから、若者は消費意欲が低いとはいえないようである。 一方で、景気の長期低迷が続く中、「とにかく安くて経済的なものを選びたい」の項 目は、若者だけでなく他世代も高く、世代にかかわらず節約志向を強めていることがわ かる。そのような中でも若者は、節約志向の中におしゃれ感覚を上手に取り込んでおり、 “お金をかけずにおしゃれを楽しむ”ことがショッピングのポイントになっている。例 えば、若者女性は、ロングスカートをハイウエストに合わせてキャミソールとして着こ なしたり、アクセサリーではリボンの取り外しができるタイプを好んだりと、“着回 し”のできる商品を支持している。 このような若者の意識と行動の分析結果をみると、今どきの若者の価値観は、従来の 若者の価値観とは明らかに異なる。若者は、アラフォーや団塊 Jr とは異なり、節約志 向を持ちつつ、消費を楽しむことを身につけているところに違いがあることがわかる。 [意識と行動〈世代別〉]

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48.1 51.1 40.8 32.3 27.8 18.9 15.0 14.9 15.3 25.0 4.9 3.6 1.0 0.9 0.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 自分専用の車がある 配偶者と共有 親と共有 車を持っていない その他 8.3 10.7 19.9 28.2 31.0 29.8 24.4 22.1 19.9 36.3 39.1 30.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 5年前に比べて増えた 5年前に比べて変わらない 5年前に比べて減った 活用していない 23.3 29.5 44.1 21.4 22.2 21.7 51.4 43.7 27.9 6.4 3.9 4.6 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 5年前に比べて増えた 5年前に比べて変わらない 5年前に比べて減った 活用していない (2) 情報収集 ∼ 若者の情報収集手段は豊富 ∼ 「情報収集」では、「新聞」と「雑誌」という従来型メディアの活用状況をみると、 「新聞」は若者が他世代より活用していないことがわかるが、「雑誌」は若者向けファ ッション誌などが豊富にあることから、他世代より活用する機会が多く、若者の重要な 情報源の一つとなっている。一方、インターネットの活用は、特に「携帯電話経由」の インターネットの活用では若者が高くなっている。 [雑誌の活用] [携帯電話経由のネットの活用] (3) 車 ∼ 若者の車離れは進む ∼ 「車」では、巷間言われるところの“若者の車離れ”を裏付ける結果となった。今回 の調査では若者の車保有率は他世代に比べ低く、また、若者が車を保有しない理由とし て、コスト面や日常生活に不要であることが挙げられているとともに、「車に興味がな い」とする若者が他世代より多くなっている。ただ、自分専用の車を持っていない人の 中では、若者が他世代より、将来自分の車が欲しい人が多く、若者は価格を重視すると ともにデザインを重視していることは注目される。 [車の所有形態]

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34.3 27.7 22.9 48.9 54.2 57.3 19.8 16.9 18.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 よく飲む たまに飲む 全く飲まない 2.7 12.5 22.1 34.6 38.5 27.9 53.2 40.4 70.3 4.0 9.2 17.3 32.8 39.1 35.7 52.4 45.5 71.1 4.2 7.4 17.6 28.3 38.9 49.1 40.6 53.7 64.3 0 10 20 30 40 50 60 70 80 その他 ウイスキー等 日本酒 ワイン 焼酎 カクテル 発泡酒 チューハイ ビール % 若者 団塊Jr アラフォー (4) お酒 ∼お酒を楽しむスタイルは、「飲んで、食べる」から「食べて、飲む」へ∼ 「お酒」では、「車」と同様に若者のお酒離れがいわれているが、確かに今回の調査で は、若者が他世代に比べてお酒を飲む頻度は少ない結果となった。しかし、若者がよく 飲むお酒の種類は多様化しており、プライベートや職場でのお酒を通じたコミュニケー ションを取る機会も多い。また、熊本県内で実施した企業へのヒアリング調査では、今 どきの若者が、従来の若者のお酒を飲むスタイルである「(お酒を)飲んで、(料理を) 食べる」から、「食べて、飲む」といった具合にそのスタイルの主従を逆転させていると いう声が聞かれており、今どきの若者は、お酒とはほどほどに付き合っていることがわ かる。 [お酒を飲みますか] [よく飲むお酒の種類]

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41.0 41.8 39.8 19.5 21.5 18.1 19.4 11.7 11.2 14.4 16.7 17.6 5.0 6.2 6.1 4.8 3.0 2.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 2万円未満 2~3万円未満  3~5万円未満   5~10万円未満   10万円以上 自由に使えるお金なし 61.9 56.1 23.5 30.1 14.6 13.7 団塊Jr 若者 3.若者のサイフ (報告書P.51∼P.75) 「フロー」、「ストック」、「お金の使いみち」の分析を通して考察した、“若者のサイ フ”を整理すると以下のようになる。 (1) フロー ∼ 1ヶ月に自由に使えるお金は、他世代とあまり変わらない ∼ 「フロー」では、若者は就職してから日が浅いこともあり、1 ヶ月に自由に使えるお 金が 5 年前と比較して増加しており、金額も他世代とあまり変わらない結果であった。 [1 ヶ月に自由に使えるお金] (2) ストック ∼ 今できることは、貯蓄だけ ∼ 「ストック」では、若者は、他世代と比較すると貯蓄総額は少なめである。また、い わゆるリスク商品の運用などを通じて金融資産を増やそうという意欲が他世代と比較し て強いわけではない。ただ、若者は月々の平均貯蓄額は他世代と比較すると最も高く、 貯蓄意欲が強い結果となる。そして、若者の貯蓄目的は「将来への備え」が最も高く、 続いて「貯めること自体」が上位にくる。 また、「生活水準」と「1 ヶ月に自由に使えるお金」、「貯蓄総額」の関係をみると、若 者は、それぞれ金額が高い層になるにつれて、他世代よりも生活水準が厳しいと意識す る人の割合が減少する傾向にある。一方で、若者は、「月々の平均貯蓄額」では、貯蓄 額が高い層ほど生活水準が厳しいと意識する人の割合が多くなることから、“今を我慢 して、無理をしてでも貯蓄する”という若者は多い。 [月々の平均貯蓄額]

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12.5 13.0 13.9 16.5 18.7 18.8 19.7 19.9 20.8 22.8 24.6 37.7 37.7 42.5 47.2 0 10 20 30 40 50 ドライブ 温泉 資格取得、習い事 音楽鑑賞 ゲーム 恋人との付き合い 家族との付き合い DVD・ビデオ 旅行 映画、ライブ等 パソコン 書籍 外食 友人との付き合い ショッピング (%) 0.8 1.0 1.2 20.4 33.8 30.1 39.7 47.0 44.1 54.0 61.8 52.4 51.9 47.1 45.1 7.8 12.3 11.5 10.0 8.0 3.0 4.2 2.6 17.9 38.2 8.8 18.8 11.8 20.8 34.6 34.3 36.9 17.5 15.8 24.7 2.0 2.9 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 アラフォー 団塊Jr 若者 アラフォー 団塊Jr 若者 上 中の上 中 中の下 下 5 万 円 以 上 2~ 5 万 円 2 万 円 未 満 0.8 1.0 1.2 20.4 33.8 30.1 39.7 47.0 44.1 54.0 61.8 52.4 51.9 47.1 45.1 7.8 12.3 11.5 10.0 8.0 0.3 0.6 3.9 18.8 8.8 13.3 38.2 7.1 17.9 24.7 15.8 17.5 36.9 34.3 34.6 20.8 11.8 3.0 4.2 2.6 2.9 2.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% アラフォー 団塊Jr 若者 アラフォー 団塊Jr 若者 アラフォー 団塊Jr 若者 上 中の上 中 中の下 下 5 万 円 以 上 2~ 5 万 円 2 万 円 未 満 [生活水準と月々の平均貯蓄額の関係] (3) お金の使いみち ∼ 他世代より高い消費意欲 ∼ 「自由に使えるお金のうち、現在お金をかけていること」を尋ねた設問をみると、若 者のお金の使いみちは意外と幅広いことがわかる。また、「将来お金をかけたいこと」で も同様の結果となる。「お金の使いみち」からみた若者の消費意欲と、貯蓄意欲の高さの 影響を受けた消費行動の間には、ギャップが生じていることが推察される結果となる。 [現在お金をかけていること]

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4.若者の関心事 (報告書P.76∼P.80) 「現在の生活の中での関心事」について尋ね、さらに最も優先する項目を尋ねると、 上位 5 項目は、「自分や家族の健康」、「仕事」、「趣味」、「子供の教育」、「恋愛」と続く。 一方、未婚者の上位 5 項目は、「仕事」、「趣味」、「自分や家族の健康」、「恋愛」、「結婚」 となる。これらの結果をみると、未婚者は「自分や家族の健康」より「仕事」への関心 が高く、「子供の教育」は低くなる。このように、家族構成によって回答結果が異なるこ とから、ここからは、特に若者の未婚者に焦点を絞り、そのライフスタイルと消費行動 を分析する。そして、関心事に基づいて、若者の未婚者を以下の 5 つのタイプに分類し、 タイプ別にその特徴を明らかにしていく。 分類する 5 タイプは、「仕事」を最も重視する[仕事]最優先タイプ、「趣味」を最も重 視する[趣味]最優先タイプ、「メタボ対策、ダイエット」、「資格取得」、「スポーツ」の 3 項目を 1 グループにまとめた[自分磨き]最優先タイプ、「恋愛」、「結婚」の 2 項目を1グ ループにまとめた[恋愛・結婚]最優先タイプ、「自分や家族の健康」を最も重視する[健 康]最優先タイプとする。タイプ別の構成比は、[仕事]が 27.8%と最も多く、次に[恋 愛・結婚]が 21.0%と続き、以下[趣味]が 20.3%、[自分磨き]が 13.1%、[健康]が 10.6%となり、若者の未婚者のうち、この 5 タイプが 9 割以上を占める。 [関心事の中で最も優先する項目〈若者 未婚者〉] 5.1 4.9 7.7 13.3 10.6 20.3 27.8 資格取得 メタボ対策、 ダイエット 結婚 恋愛 自分や家族の 健康 趣味 仕事 【健康】 【恋愛・結婚】 【自分磨き】 【趣味】 【仕事】

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今できることは 貯蓄だけ 今の消費も 楽しむ [仕事]  [恋愛・結婚]   [趣味] [自分磨 き]   [健康] 従来の 若者 今どきの若者 5.関心事でみるタイプ別の若者 (報告書P.81∼P.113) 若者市場を自社のマーケットに取り込もうとしている企業にとって必要な若者の消費意 欲と実際の消費を結び付ける “仕掛け”を紹介する。 まず、関心事でみる5タイプの若者のイメージは、下図で示す位置づけになる。縦方向 で、“今できることは、貯蓄だけ”、“今の消費も楽しむ”というフレーズで貯蓄意欲と消 費意欲の強弱を表し、横方向で“今どきの若者”のイメージとアラフォーに代表される “従来の若者”のイメージの強弱を表している。 5 タイプをそれぞれプロットすると、左側の領域には、“従来の若者男性”に近い消費ス タイルを持つ[仕事]最優先タイプと、“従来の若者女性”に近い[恋愛・結婚]最優先タイ プが位置する。この 2 つのタイプは、人数の約半数を占め、消費スタイルも従来の若者に 近いことから、企業側からはアプローチしやすい面がある。一方、残り 3 タイプの[趣味] 最優先タイプ、[自分磨き]最優先タイプ、[健康]最優先タイプは、今どきの若者らしさが 消費スタイルに表れており、アプローチが難しい面がある。ただ、今後はこの 3 タイプの 消費スタイルが多くなることが予想され、上手く取りこむ一工夫、“仕掛け”が必要にな る。 なお、若者のタイプ別の紹介は、ネットアンケート調査結果の特徴的な項目を整理し、 タイプ別の消費スタイルと我々が提案するアプローチ方法を企業ヒアリングを踏まえなが ら紹介している(具体的内容については、本報告書をご参照ください)。 [関心事でみる若者の 5 タイプ]

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6.現代の若者像 (報告書P.117∼P.134) 今、若者の消費意欲と消費行動の間には不安という壁がある。 景気低迷の長期化、雇用の不安定化など世の中全体が不安な時代であり、若者に限ら ず、どの世代でも節約志向はブームとも言えるほどになっている。中でも右肩上がりの 経済成長の時代を知らない若者は、将来への漠然とした不安と向かい合う術を、特に強 い節約志向や将来に備えての貯蓄などによって身に付けている。このため、若者はアラ フォー世代や団塊Jr世代より積極的な消費意欲があるにもかかわらず、消費行動は抑 制気味であり、将来への漠然とした不安が、若者の消費意欲と消費行動の間に障壁を作 り出している。 一方で、若者は自分なりの“幸せ感”を持っている。なぜなら、彼らの幸せは、「ほ どほどに」、「まったり」などの言葉で表現される“身の丈にあった”ライフスタイルや 消費行動により実現されるものだからである。対照的に、高度成長期やバブル期を経験 した右肩上がりの時代の若者は、そのライフスタイルや消費行動に“背伸びをしてでも いい生活をしたい”という思いが表れていた。このため、この時代の若者の幸せは、今 どきの若者の幸せとは明らかに異なっている。さらに今どきの若者は、消費意欲と消費 行動の間にある壁を積極的に乗り越えようとはしないため、若者をターゲットにしてい る企業はその消費意欲を捉えにくくなっている。他方、右肩上がりの時代の若者は、壁 を自ら乗り越えようとしていたため、企業はその消費意欲にアプローチしやすかった。 このため、いつまでもこの時代の若者が作り上げた若者像に振り回されて、今どきの若 者像が見えづらくなっていると言えるのかもしれない。今回の調査における企業へのヒ アリングの中でも、「今どきの若者の印象を一言でいうと“ケチ”。しかしながら、“ケ チ”といわれることを嫌い“節約上手”といわれることは好きなようで、価格にシビア で賢い消費を実践しようとしている」という声が聞かれた。例えば、今どきの若者は、 右肩上がりの時代の若者と同じようにショッピングを楽しんでいるが、その消費スタイ ルはより堅実なものへと変貌している。 「若者は本当にお金を使わないのか」という問いに対して、企業が答えを導き出すた めには、消費に対して消極的であるという先入観を取り除いたうえで、自分なりの“幸 せ感”を持った若者の本当のすがたを把握する必要があると思われる。今回、我々は、 若者を関心事でタイプ別に分析し、若者の市場を取り込むためのアプローチ方法の提案 を行った。ただしこれらは、ひとつの切り口に過ぎず、各企業はそれぞれ独自の答えを 見つけていかなければならない。答えを見つけることは、容易ではないかもしれないが、 若者の本当のすがたを見据えた上でのアプローチは、将来にわたる少子化によって縮小 する市場において、次の世代の若者への対応を可能とするための試金石となるであろう。

参照

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