2013年10月3日(木)
東京都院内感染対策強化事業研修会
地域における
耐性菌対策について
公益財団法人ライフ・エクステンション研究所
付属
永寿総合病院 感染制御部
感染管理認定看護師 佐藤 久美
病院で感染がおこりやすい理由
●易感染性患者、高齢者の増加
●院内に耐性菌が増加
●易感染性患者が限られた空間に密集
病原性の低い菌(弱毒菌)でも
感染症(日和見感染症)を起こす
ウイルス、細菌、寄生虫などの病原微生物が
身体に付着
→定着→侵入→増殖することを
感染
といい、
感染によって引き起こされた疾患を
感染症
と
いいます。
定着
侵入
増殖
感染とは?
感受性のある宿主
病原体の抵抗力を欠き 感染を起こしやすい人病原体
微生物の存在 (人・器具・環境)病原性
病原体の力病原体の量
感染への必要量 病原体による格差伝播経路
接触感染 飛沫感染 空気感染侵入門戸
体内に侵入するための経路×
感染が成立するには
感染制御の5つの柱
サーベイランスと監査
感染コントロールの実践の効果を監視
手指衛生 患者隔離 PPE 適正使用 抗菌薬 器材消毒 無菌操作 環境 (清掃、廃棄 物処理) 感染コントロール微生物とは?
非常に微小な生き物の総称
寄生虫→原虫→細菌→リケッチア→クラミジア→マイコプラズマ→ウイルス
疾病を引き起こすまたはその可能性があるものを病原微生物
ヘルペスウイルス
インフルエンザウイルス
大腸菌
リケッチア
ブドウ球菌
(約1μm)
ヒトの赤血球(6.5~8μm) 肉眼 光学顕微鏡 電子顕微鏡細菌の形と種類
グラム陽性球菌 グラム陽性棹菌 グラム陰性棹菌 グラム陰性球菌GPC
GPR
GNC
GNR
病院で問題となりやすい菌
グラム陽性球菌 グラム陰性桿菌グラム陽性球菌・グラム陰性桿菌
Escherichia coli :大腸菌 Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌 (ESBL) Serratia marcescens Pseudomonas aeruginosa : 緑膿菌(耐性化でMDRP) Acinetobacter baumannii(耐性化でMDRA) Citrobacter freundii Enterobacter cloacaeGPC
GNR
Staphylococcus epidermidis :表皮ブドウ球菌 Staphylococcus aureus :黄色ブドウ球菌(耐性化でMRSA) Streptococcus pyogenes :化膿性溶血性連鎖球菌 (A群溶連菌) Streptococcus agalactiae :B群溶血性連鎖球菌 (B群溶連菌) Enterococcus :腸球菌(耐性化でVRE) 属名(姓) 種名(名)SPACE; HAIの原因菌となりやすい菌
院内で問題となりやすい微生物の特徴
薬が
効かない
伝播
しやすい
日和見感
染を起こ
す
院内環境
に生息
入院患者
医療従事者
多剤耐性菌
(
multidrug-registant organisims:
MDRO)
耐性菌はなぜ増加するのか?
感染対策の基本=感染経路を断ち切る
標 準 予 防 策
感染経路別予防策
空気感染予防策
飛沫感染予防策
接触感染予防策
STEP1
STEP2
病原体の有無に関わらず いつもでも誰もが、 実施する対策 病原体が分かった時点で、 病原体の感染経路にあわ せ、標準予防策に加えて 実施する対策 空中を浮遊している 病原体 例)結核、麻疹、水痘 咳やくしゃみで飛び散る 病原体のいるしぶき 例)インフルエンザ、風疹、 流行性耳下腺炎 病原体を持っている人との接触や 病原体に汚染している環境との接触 例)薬剤耐性菌、ノロウイルス、多剤耐性菌の予防とコントロール
1.抗菌薬適正使用プログラムの実用化と監視
2.ACSによる患者把握
3.迅速な患者隔離と接触感染予防策
4.医療施設内での拡大防止
5.微生物検査室の役割
6.器具の保清および除染
7.環境保清と消毒
8.教育・トレーニング
多剤耐性菌の予防とコントロール
1.抗菌薬適正使用プログラムの実用化と監視
AUD推移多剤耐性菌の予防とコントロール
2.ACS(アクティブサーベイランス)による患者把握
水際対策
多剤耐性菌の予防とコントロール
接触感染予防策
患者配置
●
個室管理、無理なら同一微生物で集団隔離(コホーティング)
※やむなくコホーテイングする場合 ・同じ病原体に感染していること ・他の感染が認められないこと ・薬剤耐性(感性)の水準が同じ病原体であることPPE
手袋と手指衛生
●
入室時、手袋着用(非滅菌で可)
●
便、創部・汚物など汚染源に接触後は交換
●直接、素
手が環境表面や物品に触れないよう注意
●
使用後は手袋を外し、適切に処理
●
手袋を外した後の手洗いも必要
ガウン
●
入室時着用
●
ガウンを脱いだあと、衣服が環境表面・物品に触れぬよう注意
医療器具の専用化
●
患者使用器具はできれば専用とし、無理なら使用後消毒
個人防護用具
標準予防策 VS 接触感染予防策
標準予防策
湿性生体物質に触れる可能性が
ある場合に装備
+
接触感染予防策
対象微生物が検出されている患者の部屋
に入室する場合に装備
手袋とガウンは必ず着用する
+
個人防護用具の着脱順
最も汚染されやすい手袋を最後に着用し、最初に脱ぐのがポイントです。防護具の着脱の前後では必ず手指衛生を実施する。
防護具を脱いだり外したりしたら速やかに廃棄する。
防護具を着用したまま他の作業を続けない。
接触感染予防策
手袋とガウンを部屋に入る前に着用する
手袋とガウンを部屋内で
脱いでからは部屋をでる
★着脱のポイントは同じ
移動のお手伝いをするのは
まさしく、
手
です
病原体は自分で移動できない
手指衛生は感染対策の大前提です
●目に見える汚れが
ある時
は・・・
●目に見える汚れがない時は・・・
アルコールベースの手指消毒剤
培養をオーダーした主科医に第1報
主科医の理解なくしては対策ははじまらない…
しかしそれまでの対応は重要!
耐性菌疑い検出!
→わかったときにはもう遅いかも…
多剤耐性菌の予防とコントロール
4.医療施設内での拡大防止
自動検出レポート
確認試験
多剤耐性菌の予防とコントロール
5.微生物検査室の役割
多剤耐性菌の予防とコントロール
6.器具の保清および除染
作業時のPPE
乾式モップ
オフロケーション用クロス
湿式モップ(水場用)
高頻度接触表面への
除菌剤の導入
日常清掃には原則として消毒薬を用いる必要はないが、
高頻度接触面については1日1回以上の清拭消毒を要求
東京都院内感染対策マニュアル
多剤耐性菌の予防とコントロール
7.環境保清および消毒
清掃業者の担当する
清掃
ナースの担当する
環境整備
療養環境整備について
「おそらくやっているだろう…」とお互いに思いこんでいるグレーなゾーンが危険だれがいつどこをどのように実施するのか…が
記載されたマニュアルが必要
カラーマグネットによる感染症表示方法
ナースステーションのベッド配置表の対象患者さんのベッド番号に下記のマグネットが貼付してあります。 必ず表示 接触感染予防 策が必要 表示は病棟に 一任 標準予防策で 対応 そのままの入室は不可 ガウン+手袋をつける 手指衛生で入室は可ナースステーションのベッド配置表の対象患者さんのベッド番号に下記のマグネットが貼付してあります。