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公認会計士 短答特別講座ガイダンス財務会計論 見本 レジュメ集 EL16818

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公認会計士

短答特別講座ガイダンス

財務会計論

【見本】レジュメ集

EL16818

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 簿記論点表

第1章 有価証券

1 過去13回の出題 年度・回・番号 問われた項目等 出題内容 H22Ⅱ-07 B/Sその他有価証券評価差額金 期末評価、減損処理の要件、償却原価法(定額法)、保有目的区分の変更 23 B/S投資有価証券 期末評価、無償取得、償却原価法(定額法) H23Ⅰ-03 満期保有目的の債券の期末簿価 期末評価、償却原価法(利息法) H24Ⅰ-08 P/L投資有価証券売却益 その他有価証券の売却 19,20 B/S繰延税金資産 期末評価、減損処理 H24Ⅱ-19 B/Sその他有価証券評価差額金 20 P/L税引前利益への影響額 売買、保有目的区分の判定、期末評価、減損処理、償却原価法(定額法) H25Ⅰ-11 語句と金額を問う融合問題 売買目的有価証券とその他有価証券の期末評価、IFRSとの対比 22 P/L有価証券売却益 23 P/L有価証券利息 売買目的有価証券の処理、売買、端数利息(月割)、期末評価 H26Ⅱ-10 B/Sその他有価証券評価差額金 期末評価、保有目的区分の変更、償却原価法(定額法) 23 B/Sその他有価証券評価差額金 期末評価、保有新株予約権の行使 H27Ⅰ-10 P/L税引前利益への影響額 売買、その他資本剰余金の処分による配当受領、期末評価、償却原価法(利息法) 2 対策のツボ ① 期末評価、売買、保有目的区分の変更の3つが問われる ② あてはめ度が比較的高いため、穴のない正確な知識の習得が重要 ③ 知識確認のため、問題演習量(特に新規問題)は多めに 3 論点重要度 論 点 重要度 備 考 第1節 有価証券の基礎 有価証券の売買の会計処理 A 【ポイント】付随費用・売却手数料の取扱い 株式分割・株式併合の取扱い B 【関連論点】1株当たり当期純利益算定上の取扱い 配当金の取扱い B 【関連論点】その他資本剰余金の処分による配当(受領側)の処理 端数利息の計算 B 【解法】月割計算の場合の「有価証券利息」の直接算定方法 第2節 有価証券の分類と評価 各保有目的区分の取扱い A 【ポイント】B/S価額、評価差額の取扱い、表示 償却原価法の会計処理 A 【解法】定額法の場合の「有価証券利息」の直接算定方法 その他有価証券の取扱い A 【ポイント】全部純資産直入法と部分純資産直入法の比較 【解答上の注意事項】各パターンごとの決算整理前残高の意味 親会社株式の取扱い C 【ポイント】保有目的区分、表示 減損処理 B 【ポイント】適用対象と適用要件、表示 【関連論点】償却原価法と減損処理 第3節 有価証券の保有目的区分の変更 原則的な取扱い B 【ポイント】振替額、振替時の評価差額の処理 その他有価証券からの変更の取扱い B 【ポイント】振替額、振替時の評価差額の処理 4 回転用教材 パワーアップ答練第1回問題1~5 テキスト設例(第2節設例1~4、7~9) 高 出題頻度 低 多 習 得 に 要 す る 時 間 少 貯金論点 攻め論点 捨て論点 保険論点 (○が小さいほど「あてはめ度」が高い) ×

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 簿記論点表 K.Watanabe@LEC 2

第2章 引当金

1 過去13回の出題 年度・回・番号 問われた項目等 出題内容 H24Ⅰ-05 特別修繕引当金を計上する場合の費用額 引当金を計上する方法と資産計上し減価償却する方法の比較 19,20 B/S繰延税金資産 賞与引当金 H24Ⅱ-07 B/S引当金の合計額 債務保証損失引当金、修繕引当金、賞与引当金、返品調整引当金 2 対策のツボ ① 各引当金の計上額と費用額を求められるようにする ② 知っているか知らないかで決まるため、正確な知識を身に付ける 3 論点重要度 論 点 重要度 備 考 第1節 引当金総論 引当金の具体例 C 【ポイント】繰入額のP/L表示、引当金のB/S表示 第2節 引当金各論 賞与引当金の会計処理 B 【ポイント】引当金・未払賞与・未払金の各ケースの区別 役員賞与引当金の会計処理 B 【ポイント】引当金・未払役員賞与の各ケースの区別 役員退職慰労引当金の会計処理 C 【ポイント】引当金の金額の算定、繰入額の算定 売上割戻引当金の会計処理 C 【ポイント】繰入額のP/L表示 返品調整引当金の会計処理 C 【ポイント】引当金の金額の算定、繰入額のP/L表示 修繕引当金の会計処理 C 【ポイント】引当金の金額の算定 債務保証損失引当金の会計処理 B 【ポイント】引当金の金額の算定、貸倒引当金との関係 4 回転用教材 パワーアップ答練第1回問題6 高 出題頻度 低 多 習 得 に 要 す る 時 間 少 貯金論点 攻め論点 捨て論点 保険論点 (○が小さいほど「あてはめ度」が高い) ×

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 連結計算パターン別問題

設例2-1-1(追加取得①-期末追加取得)

〔資料Ⅰ〕 解答上の留意事項

1. 各社とも事業年度は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間である。

2. 各社とも利益剰余金を原資とする剰余金の配当を行っている。

3. S社において土地以外の資産及び負債の帳簿価額と時価との間に重要な乖離は生じていない。

4. のれんは発生年度の翌期から10年間にわたり定額法により償却する。

5. 連結財務諸表上の税効果会計は実効税率を40%として適用するが、子会社への投資に係る一

時差異については税効果を認識しない。

〔資料Ⅱ〕 P社の×3年度末及び×4年度末の純資産の内訳

資 本 金

資本剰余金

利益剰余金

×4年3月31日

50,000千円

20,000千円

64,000千円

×5年3月31日

50,000千円

20,000千円

76,000千円

なお、P社が×4年度に計上した純利益は18,000千円、×4年度に行った剰余金の配

当は6,000千円である。

〔資料Ⅲ〕 P社によるS社株式の取得状況

日 付

取引内容

取引割合

取引価額

×2年3月31日

取 得

80%

13,600千円

×5年3月31日

取 得

10%

2,700千円

〔資料Ⅳ〕 S社の純資産及び土地(帳簿価額2,000千円)の時価の推移

純 資 産 の 内 訳

資 本 金

資本剰余金

利益剰余金

土地の時価

×2年3月31日 10,000千円

1,500千円

2,900千円

3,000千円

×3年3月31日 10,000千円

1,500千円

4,900千円

3,250千円

×4年3月31日 10,000千円

1,500千円

6,400千円

3,500千円

×5年3月31日 10,000千円

1,500千円

9,900千円

4,000千円

なお、S社が×4年度に計上した純利益は5,000千円、×4年度に行った剰余金の配

当は1,500千円である。

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 連結計算パターン別問題

K.Watanabe@LEC

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【解答用紙】

×4年度の連結財務諸表の金額

当期純利益 ( )千円

非支配株主に帰属する当期純利益 ( )千円

親会社株主に帰属する当期純利益 ( )千円

のれん ( )千円

資本剰余金 ( )千円

利益剰余金 ( )千円

非支配株主持分 ( )千円

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 連結計算パターン別問題

設例2-1-1(追加取得①-期末追加取得)

【解

答】

×4年度の連結財務諸表の金額

当期純利益 ( 21,640 )千円

非支配株主に帰属する当期純利益 ( 1,000 )千円

親会社株主に帰属する当期純利益 ( 20,640 )千円

のれん ( 1,120 )千円

資本剰余金 ( 19,500 )千円

利益剰余金 ( 81,120 )千円

非支配株主持分 ( 2,200 )千円

【解

説】

(単位:千円)

Ⅰ タイムテーブル

1. P 社

×4/3 ×5/3

金 50,000 50,000

資 本 剰 余 金 20,000 20,000

利 益 剰 余 金 64,000 76,000

合 計 134,000 146,000

2. S 社

+80% +10%

×2/3 ×4/3 ×5/3

金 10,000 10,000 10,000

資 本 剰 余 金 1,500 1,500 1,500

利 益 剰 余 金 2,900 6,400 9,900

評 価 差 額 600(*1) 600 600

合 計 15,000 18,500 22,000

P 社 持 分 12,000(*2) 2,200(*3)

取 得 原 価 13,600 2,700

ん 1,600 1,280 1,120

資 本 剰 余 金 △ 500(*4)

(*1) (2/3S社土地時価3,000-帳簿価額2,000)×(1-実効税率40%)=600

(*2) 2/3S社資本勘定(評価差額含む)15,000×2/3P社取得80%=12,000

(*3) 5/3S社資本勘定(評価差額含む)22,000×5/3P社取得10%=2,200

(*4) 追加取得持分2,200(*3)-5/3P社取得10%分に係る取得原価2,700=△500

利益+18,000 配当△ 6,000 +3,500 (2,800・700) 非 3,000 非 3,700 △160×2 利益+5,000 (4,000・1,000) 配当△1,500 (△1,200・△300) 非 2,200 △160

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 連結計算パターン別問題

K.Watanabe@LEC

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Ⅱ ×4年度の連結財務諸表の作成

1. S社個別財務諸表の修正(土地の時価評価に係る評価差額の計上)

(*1) 2/3S社土地時価3,000-帳簿価額2,000=1,000

(*2) 評価差額1,000(*1)×実効税率40%=400

2. 連結修正仕訳

(1) 開始仕訳

① ×2/3支配獲得時の相殺消去

(*1) 2/3S社株式取得原価13,600-2/3S社資本勘定(評価差額含む)15,000×2/3P社取得

80%=1,600

(*2) 2/3S社資本勘定(評価差額含む)15,000×2/3S社非支配株主20%=3,000

② ×2/4~×4/3利益剰余金増加額の振替及びのれんの償却

(*1) 2/4~4/3S社利益剰余金増加額3,500×2/4~4/3S社非支配株主20%=700

(*2) 2/3S社のれん1,600÷10年×2年=320

上記①及び②をまとめた次の仕訳が開始仕訳となる。

(*1) 4/3S社資本勘定(評価差額含む)18,500×4/3S社非支配株主20%=3,700

(*2) 2/3S社利益剰余金2,900+S社利益剰余金増加額のうち非支配株主帰属分700+2/3S

社のれん償却額320=3,920

(2) 期中仕訳

① 当期純利益の振替

(*) S社当期純利益5,000×4/4~5/3S社非支配株主20%=1,000

② 剰余金の配当の振替

(*) S社剰余金の配当1,500×4/4~5/3S社非支配株主20%=300

(借) 土

1,000 (*1)

(貸) 繰 延 税 金 負 債

400 (*2)

600

(借) 資 本 金-当期首残高-

10,000

(貸) 関 係 会 社 株 式

13,600

資本剰余金-当期首残高-

1,500

非支配株主持分-当期首残高-

3,000 (*2)

利益剰余金-当期首残高-

2,900

600

1,600 (*1)

(借) 利益剰余金-当期首残高-

700 (*1)

(貸) 非支配株主持分-当期首残高-

700

(借) 利益剰余金-当期首残高-

320 (*2)

(貸) の

320

(借) 資 本 金-当期首残高-

10,000

(貸) 関 係 会 社 株 式

13,600

資本剰余金-当期首残高-

1,500

非支配株主持分-当期首残高-

3,700 (*1)

利益剰余金-当期首残高-

3,920 (*2)

600

1,280

(借) 非支配株主帰属純損益

1,000 (*)

(貸) 非支配株主持分-当期変動額-

1,000

(借) 非支配株主持分-当期変動額-

300 (*)

(貸) 利益剰余金-剰余金の配当-

300

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 連結計算パターン別問題

③ 受取配当金の相殺

(*) S社剰余金の配当1,500×4/4~5/3P社持分80%=1,200

④ のれんの償却

(*) 2/3S社のれん1,600÷10年=160

⑤ ×5/3株式追加取得に係る修正

(*1) 追加取得持分:5/3S社資本勘定(評価差額含む)22,000×5/3P社取得10%=2,200

(*2) 5/3S社株式取得原価2,700-追加取得持分2,200(*1)=500

Ⅲ ×4年度の連結財務諸表の金額

1. 当期純利益・親会社株主に帰属する当期純利益・非支配株主に帰属する当期純利益

純利益 P社 18,000 S社 5,000

4,000 1,000

△1,200(配当) △ 160(の償)

16,800 3,840

20,640 1,000 ⇒ 21,640

2. のれん・資本剰余金・利益剰余金・非支配株主持分

<S 社> +80% +10%

×2/3 ×4/3 ×5/3

金 10,000 10,000 10,000

資 本 剰 余 金 1,500 1,500 1,500

利 益 剰 余 金 2,900 6,400 9,900

評 価 差 額 600 600 600

合 計 15,000 18,500 22,000

P 社 持 分 12,000 2,200

取 得 原 価 13,600 2,700

ん 1,600 1,280 1,120

資 本 剰 余 金 △ 500

利益剰余金:P社76,000+上記網掛け部分合計5,120=81,120

資本剰余金:P社20,000+上記最下部△500=19,500

(借) 受

1,200 (*)

(貸) 利益剰余金-剰余金の配当-

1,200

(借) の れ ん 償 却 額

160 (*)

(貸) の

160

(借) 非支配株主持分-当期変動額-

2,200 (*1)

(貸) 関 係 会 社 株 式

2,700

資本剰余金-非支配株主との取引に係る親会社の持分変動-

500 (*2)

+3,500 (2,800・700) 非 3,000 非 3,700 △160×2 利益+5,000 (4,000・1,000) 配当△1,500 (△1,200・△300) 非 2,200 △160 親会社株主に帰属 する当期純利益 当期純利益 純利益に影響する連結修正事項は のれんの償却と受取配当金の相殺 非支配株主に帰属 する当期純利益 非支配株主持分 のれん

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 連結計算パターン別問題

K.Watanabe@LEC

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なお、利益剰余金は連結修正仕訳から次のように求められる。

利益剰余金当期首残高:P社64,000+S社6,400-上記Ⅱ2.(1)3,920= 66,480

剰余金の配当:P社6,000+S社1,500-上記Ⅱ2.(2)②300-③1,200=(-)6,000

親会社株主に帰属する当期純利益:上記1.より 20,640

利益剰余金当期末残高: 81,120

-point-

期末の追加取得はフロー項目には影響を与えない。

追加取得は非⽀配株主との取引であるため、持分変動差額を資本剰余⾦として処理する。

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章

第16章 資産除去債務

(テキスト第12章) 本章に関連する会計基準等 「資産除去債務に関する会計基準」(「除去債務基準」と略称) 「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」 1 資産除去債務の意義(除去債務基準3) 資産除去債務 取得、建設、開発または通常の使用によって生じ 当該有形固定資産の除去に関して 法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるもの 有形固定資産の 「有形固定資産」の範囲には、財務諸 表等規則において有形固定資産に区 分される資産(建設仮勘定やリース資 産を含む)のほか、それに準じる有形 の資産(投資不動産など)も含まれる 「通常の使用」とは、有形固定資産を意図した目的 のために正常に稼働させることをいう 有形固定資産を除去する義務が、不適切な操業等の 異常な原因によって発生した場合には、引当金の計 上や減損基準の適用対象とすべきものとなる 「除去」とは、有形固定資産を用役提 供から除外すること(一時的に除外す る場合を除く)をいう ・売却、廃棄、リサイクルその他の方 法による処分等は除去に含まれる ・転用や用途変更は除去に含まれない ・当該有形固定資産が遊休状態になる 場合は除去に該当しない ・有形固定資産の使用期間中に実施す る環境修復や修繕は対象とはなら ない 「法律上の義務に準ずるもの」とは、債務の 履行を免れることがほぼ不可能な義務を指 し、法令または契約で要求される法律上の義 務とほぼ同等の不可避的な義務が該当する 有形固定資産の除去が企業の自発的な計画の みによって行われる場合は、法律上の義務に 準ずるものには該当しない 有形固定資産を除去する義務のほか、有形固定 資産の除去そのものは義務でなくとも、有形固 定資産を除去する際に当該有形固定資産に使用 されている有害物質等を法律等の要求による特 別の方法で除去するという義務も含まれる (この場合、有害物質の除去に直接関わる費用の みが資産除去債務の計上の対象となる) 土地の汚染除去の義務が通常の使用によって 生じた場合で、それが当該土地に建てられて いる建物や構築物等の資産除去債務と考えら れるときには、除去債務基準の対象となる ・有形固定資産を除去する義務が、不適切な操業等の異常な原因によって発⽣することがある。このような場合には、資産除去債務として使⽤ 期間にわたって費⽤配分すべきではなく、引当⾦の計上や減損会計の対象とすべきである。【H23①A○】 ・有形固定資産の使⽤期間中に実施する環境修復や修繕についても、収益との対応を図るために当期の負担に属する⾦額を計上することを目的 として、資産除去債務と同⼀の会計処理が⾏われる。【H25①B×】 ・資産除去債務には、有形固定資産の使⽤期間中に実施する環境修復、および保管や管理のための処分に⾄るまでの⽀出も含まれる。【H23①B ×】

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 K.Watanabe@LEC 244 2 資産除去債務の負債計上(除去債務基準4~5) (1) 資産除去債務の負債計上 (2) 負債計上の方法 法律上の義務に基づく場合など、概念フレームワークに示された負債の定義を満たすものについては 貸借対照表に計上すべきであるとの指摘があった 資産除去債務の負債計上には、引当金処理と資産負債の両建処理が考えられるが 制度会計上は資産負債の両建処理を採用している <引当金処理と資産負債の両建処理> 引当金処理 資産負債の両建処理(制度会計上) 意 義 有形固定資産の除去に係る用役(除去サービス)の費消を、 当該有形固定資産の使用に応じて各期間に費用配分し、それ に対応する金額を負債として認識する処理 法律上の義務に基づく場合など、資産除去債務に該当する場 合、債務として負担している金額が合理的に見積られること を条件に、資産除去債務の全額を負債として計上し、同額を 有形固定資産の取得原価に反映させる処理 着眼点 費用性(借方)の観点から計上される (適正な期間損益計算) 負債性(貸方)の観点から計上される (情報ニーズへの対応) 計上される 負債金額 将来支出の一部 将来支出の全額 論 拠 ・有形固定資産に対応する除去費用が、当該有形固定資産の 使用に応じて各期に適切な形で費用配分されるという点で は、資産負債の両建処理と同様である ・資産負債の両建処理の場合に計上される借方項目が資産と しての性格を有しているのかどうかという点に疑問が残る ・引当金処理の場合には、有形固定資産の除去に必要な金額 が貸借対照表に計上されないことから、資産除去債務の負 債計上が不十分であるという問題点がある ・資産負債の両建処理は、有形固定資産の取得等に付随して 不可避的に生じる除去サービスの債務を負債として計上す るとともに、対応する除去費用をその取得原価に含めるこ とで、当該有形固定資産への投資について回収すべき額を 引き上げることを意味する ・有形固定資産に対応する除去費用が、減価償却を通じて、 当該有形固定資産の使用に応じて各期に費用配分されるた め、資産負債の両建処理は引当金処理を包摂する 資産除去債務 有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって 発生した時に負債として計上する 資産除去債務の発生時に、当該債務の 金額を合理的に見積ることができない 場合には、これを計上せず、当該債務 額を合理的に見積ることができるよう になった時点で負債として計上する 我が国においては、原子力発電施設の解体費用につき解体引当金を計上して いるような特定の事例は見られるものの、国際的な会計基準で見られるよう な、資産除去債務を負債として計上する会計処理は行われていなかった ・有形固定資産の耐用年数到来時に、解体、撤去、処分等のために費用を要するときには、その残存価額に反映さ せることとされているが、残存価額がマイナスになるような処理は想定されず、実際に適用されてこなかった ・当該費用の発生が当該残存価額の設定にあたって予見できなかった機能的原因等により著しく不合理になったこ となどから残存価額を修正することとなった場合には、臨時償却として処理することも考えられるが、残存価額 をマイナスにしてこのような会計処理を行うこともなかった ・引当金処理は、計上する必要があるかどうかの判断規準や、将来において発生する金額の合理的な見積方法が必 ずしも明確ではなかったことなどから、広くは行われてこなかった しかし ここで 有形固定資産の除去などの将来に履行される 用役について、その支払いも将来において履行 される場合、当該債務は通常、双務未履行であ ることから、本来は認識されることはない ・資産除去債務の発生時に、その債務の⾦額を合理的に⾒積ることができない場合には、これを計上せず、その債務額を合理的に⾒積ることが できるようになった時点で負債として計上する。【H23①A○】 ・資産除去債務の会計処理については、引当⾦処理と資産負債の両建処理の2通りがある。有形固定資産に対応する除去費⽤が、当該有形固定 資産の使⽤に応じて各期に適切な形で費⽤配分されるため、いずれの⽅法も制度上認められている。【H23①A×】

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 3 資産除去債務の算定(除去債務基準6) <将来キャッシュ・フローの測定値の属性> 市場の評価を反映した金額 自己の支出見積り(制度会計上) 資産除去債務について、市場価格を観察するこ とができれば、それに基づく価額を時価として 用いることが考えられるが、通常、その市場価 格を観察することはできないため、市場がある ものと仮定して、そこで織り込まれるであろう 要因を割引前将来キャッシュ・フローの見積り に反映する 原状回復における過去の実績や、有害物質等に 汚染された有形固定資産の処理作業の標準的 な料金の見積りなどを基礎とする 自己の支出見積りによるため 信用リスクは将来キャッシュ・フローの見積りには影響を与えない 発生時 支出時 将来キャッシュ ・フロー 資産除去債務 の計上額 割引計算 資産除去債務はそれが発生したときに 有形固定資産の除去に要する割引前の将来キャッシュ・フローを見積り 割引後の金額(割引価値)で算定する 貨幣の時間価値を反映した 無リスクの税引前の利率 合理的で説明可能な 仮定及び予測に基づく 自己の支出見積り 将来キャッシュ・フローには、有 形固定資産の除去に係る作業の ために直接要する支出のほか、処 分に至るまでの支出(例えば、保 管や管理のための支出)も含める が、法人税等の影響額は含めない 次のいずれの方法も適用できる 最頻値法…生起する可能性の最も高い単一の金額 期待値法…生起しうる複数の将来キャッシュ・フローを、 それぞれの確率で加重平均した金額 + いずれを用いたとしても、将来キャッシュ・フローが見 積値から乖離するリスクを勘案する必要がある (自己の支出見積りを用いる理由) ・自己の支出見積りと市場の評価を反映した金額との間に生じ得る相違として、市場が想定する支出額(として企業が見積る金額) よりも自ら処理する場合の支出見積額の方が低い場合が考えられるが、現実には市場の想定する支出額というものが客観的に明 らかでないことが多いため、実務的には大きな相違とはならないことが多いものと考えられる。 ・仮に市場が想定する支出額よりも自ら処理する場合の支出見積額の方が低い場合、自らの効率性による利益は、履行時に反映さ れるべきであるという考え方もあるが、企業の投資上、資産の除去は、通常、単独ではなく有形固定資産の投資プロジェクトの 一環として行われるため、当該有形固定資産の耐用年数にわたり、その効率性を反映させていく方が妥当である。 (無リスクの割引率を用いる理由) ・退職給付債務の算定においても無リスクの割引率が使用されている。 ・同一の内容の債務について信用リスクの高い企業の方が高い割引率を用いることにより負債計上額が少なくなるという結果は、 財政状態を適切に示さないと考えられる。 ・資産除去債務の性格上、自らの不履行の可能性を前提とする会計処理は、適当ではない。 割引前の将来キャッシュ・フローに信用リスク による加算が含まれていない以上、割引率も無 リスクの割引率とすることが整合的である 将来キャッシュ・フローが税引前の数値であるこ とに対応して、割引率も税引前の数値を用いる + 将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離す るリスクは、将来キャッシュ・フローの見積りに 反映されるため、割引率には反映しない

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 K.Watanabe@LEC 246 4 資産除去債務に対応する除去費用の資産計上と費用配分(除去債務基準7~9) (1) 資産除去債務に対応する除去費用の資産計上と費用配分 <資産除去債務に対応する除去費用の資産計上> 関連する有形固定資産の帳簿価額を増加させる方法 (制度会計上) 資産除去債務に関連する有形固定資産とは区別して把握し、 別の資産として計上する方法 論 拠 有形固定資産の取得に付随して生じる除去費用の未払の債務を 負債として計上すると同時に、対応する除去費用を当該有形固 定資産の取得原価に含めることは、当該資産への投資について 回収すべき額を引き上げることを意味する 有形固定資産の除去時に不可避的に生じる支出額を付随費用と 同様に取得原価に加えた上で費用配分を行い、さらに、資産効 率の観点からも有用と考えられる情報を提供することができる ・資産除去債務に対応する除去費用の資産計上額が有形固定資 産の稼動等にとって必要な除去サービスの享受等に関する 何らかの権利に相当する ・将来提供される除去サービスの前払い(長期前払費用)とし ての性格を有する 発生時 支出時 将来キャッシュ ・フロー 資産除去債務 の計上額 割引計算 資産除去債務に対応する除去費用は 資産除去債務を負債として計上した時に 当該負債の計上額と同額を、関連する有形固定資産の帳簿価額に加える 資産除去債務 に対応する 除去費用 関連する 有形固定資産 の帳簿価額 同額を 加える 資産負債の両建処理 有形固定資産 の取得原価 すなわち (資産除去債務に対応する除去費用を、資産除去債務に関連する有形固定資産の帳簿価額に加える方法による理由) ・資産除去債務に対応する除去費用は、法律上の権利ではなく財産的価値もないこと、また、独立して収益獲得に貢献するもので はないことから、別の資産として計上する方法は適切ではない。 ・資産除去債務に対応する除去費用は、有形固定資産の稼動にとって不可欠なものであり、有形固定資産の取得に関する付随費用 と同様に処理すべきである。 資産計上された資産除去債務に対応する除去費用 は、減価償却を通じて、当該有形固定資産の残存 耐用年数にわたり、各期に費用配分する 資産除去債務の対象が複数の有形固定資産から構成され、そのうち一部の資産については全体 の除去以前により短い周期で除去され、再び取得される場合 当該資産について、より短い周期での除去に係る法律上の義務及びそれに準ずるものはないも のの、除去に係る法律上の義務等を有し資産除去債務の対象となる主たる資産があることか ら、主たる資産の除去に伴い当該構成資産が同時に除去されるものとみて、複数の有形固定資 産の資産除去債務を一括して見積り、対応する除去費用を主たる資産の帳簿価額に加える 土地の原状回復等が法令または契約で要求されている場合の支出は、 一般に当該土地に建てられている建物や構築物等の有形固定資産に 関連する資産除去債務であると考えられるため、当該有形固定資産の 減価償却を通じて各期に費用配分される

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 (2) 資産除去債務が使用の都度発生する場合 <資産除去債務が使用の都度発生する場合> 原 則 容 認 内 容 資産除去債務に対応する除去費用を各期においてそれ ぞれ資産計上し、関連する有形固定資産の残存耐用年数 にわたり、各期に費用配分する 除去費用を資産計上し、当該計上時期と同一の期間に、 資産計上額と同一の金額を費用処理する 論 拠 (除去費用の原則的な費用配分方法に従った処理方法) 原則的な処理によると除去費用に係る費用配分が有形 固定資産の使用期間の後半に著しく偏ることとなり合 理性を欠く場合があるため (3) 建物等賃借契約に関連して敷金を支出している場合 (4) 時の経過による資産除去債務の調整額の処理 ・資産除去債務が有形固定資産の稼動等にしたがって、使⽤の都度発⽣する場合には、資産除去債務に対応する除去費⽤を各期においてそれぞ れ資産計上し、関連する有形固定資産の残存耐⽤年数にわたり、各期に費⽤配分する。なお、この場合には、除去費⽤をいったん資産に計上 し、当該計上時期と同⼀の期間に、資産計上額と同⼀の⾦額を費⽤処理することもできる。【H27②A○】 時の経過による資産除去債務の調整額は その発生時の費用として処理する 時の経過による 資産除去債務の 調整額 期首の 資産除去債務の 帳簿価額 = × 当初負債計上時 の割引率 変更を行わず、負債計上時の 割引率に固定する 時の経過による資産除去債務の調整額は、退職給付 会計における利息費用と同様の性格(時の経過によ る計算上の利息)を有するものといえる 当該計上額に関連する部分について、当該資産除去債務の 負債計上及びこれに対応する除去費用の資産計上に代え て、当該敷金の回収が最終的に見込めないと認められる金 額を合理的に見積り、そのうち当期の負担に属する金額を 費用に計上する処理によることができる 建物等の賃借契約において、当該賃借建物等に係る 有形固定資産(内部造作等)の除去などの原状回復 が契約で要求されている 当該賃借契約に関連する敷金が資産計上されている すなわち、当該有形固定資産に関連する資産 除去債務を計上しなければならない場合 + (負債計上時の割引率に固定する理由) ・割引率を毎期見直すとした場合、毎期末において変更後の負債額を貸借対照表に反映させることになるが、このような負債の 計上に割引率の変更を反映させることについては、他の負債の取扱いとの整合性に問題がある。 ・割引率を負債計上時の割引率に固定する方法は、時の経過によって一定の利息相当額を配分するものであり、関連する有形固定 資産について減価償却という費用配分が行われることとも整合的である。 資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって発生 した時に負債として計上するため、有形固定資産の使用に応じて汚染等が発生し、 将来、原状回復のための除去の支出が生じると考えられるような場合には、当該有 形固定資産に係る資産除去債務は各期において負債の増加分として認識される

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 K.Watanabe@LEC 248 5 資産除去債務の見積りの変更(除去債務基準10~11) <見積りの変更による調整額に適用する割引率> 割引前将来キャッシュ・フロー が増加する場合 見積変更時点の割引率 (∵増加部分については新たな負債の発生と同様のものと考えられる) 負債計上時点の割引率 割引前将来キャッシュ・フロー が減少する場合 過去に割引前の将来キャッシュ・フローの見積りが増加した 場合で、減少部分に適用すべき割引率を特定できないとき は、加重平均した割引率を適用する 割引前の将来キャッシュ・フローに重要な見積りの変更が生じた場合の 当該見積りの変更による調整額は 資産除去債務の帳簿価額及び関連する有形固定資産の帳簿価額に加減して処理する (資産除去債務が法令の改正等により新たに発生した場合も同様) <資産除去債務の見積りの変更の会計処理> プロスペクティブ・ アプローチ (制度会計上) 資産除去債務に係る負債及び関連する有形固定資産の 帳簿価額に加減して、減価償却を通じて残存耐用年数 にわたり費用配分を行う方法 キャッチアップ・ アプローチ 資産除去債務に係る負債及び有形固定資産の残高の調 整を行い、その調整の効果を一時の損益とする方法 レトロスペクティブ・ アプローチ 資産除去債務に係る負債及び有形固定資産の残高を過 年度に遡及して修正する方法

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 6 開 示(除去債務基準12~16) (1) 資産除去債務の貸借対照表の表示 <資産除去債務の貸借対照表の表示> 貸借対照表日後1年以内に 資産除去債務の履行が見込まれる場合 流動負債「資産除去債務」 上記以外 固定負債「資産除去債務」 (2) 損益計算書の表示 <損益計算書の表示> 資産除去債務に対応する 除去費用の費用配分額 関連する有形固定資産の減価償却費と 同じ区分に含めて計上 時の経過による 資産除去債務の調整額 (利息費用) 関連する有形固定資産の減価償却費と 同じ区分に含めて計上 原 則 資産除去債務に対応する除去費用に係る 費用配分額と同じ区分に含めて計上 資産除去債務の履行時に 生じる決済差額 (履行差額) 例 外 当初の除去予定時期よりも著しく早期に 除去することとなった場合等、当該差額が 異常な原因により生じたものである場合 ↓ 特別損益として処理 <時の経過による資産除去債務の調整額> 営業外費用に計上すべきとする見解 関連する有形固定資産の減価償却費と 同じ区分に含めて計上すべきとする見解 (制度会計上) 論 拠 時の経過による資産除去債務の調整額は、資産除去債務の履 行に関する資金調達費用と見ることができるため、財務費用 として営業外費用に含めるべきである ・時の経過による資産除去債務の調整額は、実際の資金調達 活動による費用ではない ・同種の計算により費用を認識している退職給付会計におけ る利息費用が退職給付費用の一部を構成するものとして 営業費用に計上されている <資産除去債務の履行時に生じる決済差額> 資産除去債務に対応する除去費用に係る費用配分額と 同じ区分に含めて計上すべきとする見解 (制度会計上) 特別損益(または営業外損益) に計上すべきとする見解 論 拠 除去費用の総額が固定資産の利用期間にわたって配分され、 将来キャッシュ・フローに重要な見積りの変更が生じた場合 には資産除去債務の計上額が見直されることを前提とすれ ば、資産除去債務の履行時に認識される差額についても、固 定資産の取得原価に含められて減価償却を通じて費用処理さ れた除去費用と異なる性格を有するものではない ・固定資産除却損と同様、営業費用に含めて処理するのは適 切ではない ・過年度における見積りの誤差部分も多く含まれていること から、特別損益または営業外損益として処理すべきである (3) 注記事項 一年基準が適用される 減価償却費と同じ区分 …製造原価 or 販売費及び一般管理費 資 産 除 去 債 務 決 済 の た め の 実 際 支 払 額 履 行 時 の 資 産 除 去 債 務 計 上 額 発 生 時 の 資 産 除 去 債 務 計 上 額 資 産 計 上 さ れ た 除 去 費 用 利息費用 履行差額 ① 資産除去債務の内容についての簡潔な説明 ② 支出発生までの見込期間、適用した割引率等の前提条件 ③ 資産除去債務の総額の期中における増減内容 ④ 資産除去債務の見積りを変更したときは、その変更の概要及び影響額 ⑤ 資産除去債務は発生しているが、その債務を合理的に見積ることができないため、貸借対照表に資産除去 債務を計上していない場合には、当該資産除去債務の概要、合理的に見積ることができない旨及びその理由 ・資産除去債務は、貸借対照表⽇後1年以内にその履⾏が⾒込まれる場合を除き、固定負債の区分に資産除去債務等の適切な科目名で表⽰する。

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 K.Watanabe@LEC 250 【Check List】 1 資産除去債務の意義 ・「有形固定資産」の範囲(B) ・「通常の使用」の意味(B) ・「除去」の意味(A) (転用・用途変更・遊休状態の取扱い、使用期間中に実施する環境修復や修繕の取扱い) ・「法律上の義務及びそれに準ずるもの」の意味(B) (準ずるものの意義、自発的な計画のみによって除去が行われる場合の取扱い、有害物質自体の除去義務の取扱い) 2 資産除去債務の負債計上 ・資産除去債務の負債計上(A) ・引当金処理と資産負債の両建処理(A) (両者の比較と制度会計上の取扱い、両建処理が採用される理由) ・資産除去債務を合理的に見積もることができない場合(B) 3 資産除去債務の算定 ・資産除去債務の算定方法(B) ・資産除去債務の測定値の属性(B) (2つの考え方と制度会計上の考え方) ・将来キャッシュ・フローの見積金額の算定方法(B) (最頻値法と期待値法) ・将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスク(B) ・その他の支出の取扱い(C) (処分に至るまでの支出の取扱い、法人税等の支払額の取扱い) ・割引率(A) 4 資産除去債務に対応する除去費用の資産計上と費用配分 ・資産除去債務に対応する除去費用の資産計上の方法(B) (2つの考え方と制度会計上の考え方) ・資産除去債務に対応する除去費用の費用配分方法(B) ・資産除去債務が複数の資産から構成される場合(C) ・資産除去債務が使用の都度発生する場合(C) (原則、容認) ・建物等賃借契約に関連して敷金を支出している場合(C) (原則、容認) ・時の経過による資産除去債務の調整額の処理(B) (計算式、用いる割引率とその理由) 5 資産除去債務の見積りの変更 ・見積りの変更に関する調整方法(A) ・調整額に適用する割引率(B) (割引前将来キャッシュ・フローが増加する場合と減少する場合のそれぞれについて) 6 開 示 ・資産除去債務のB/S表示(A) ・費用のP/L表示(B) (資産除去債務に対応する除去費用の費用配分額、時の経過による資産除去債務の調整額、履行時に生ずる決済差額) ・注記(C) (資産除去債務を合理的に見積もることができない場合) =背景の一問一答= Q.引当金処理ではなく資産負債の両建処理が採用された理由 A. ・引当金処理の場合には、有形固定資産の除去に必要な金額が貸借対照表に計上されないことから、資産除去債務の負債計上が不 十分であるという問題点があるため。 ・資産負債の両建処理は、有形固定資産の取得等に付随して不可避的に生じる除去サービスの債務を負債として計上するとともに、 対応する除去費用をその取得原価に含めることで、当該有形固定資産への投資について回収すべき額を引き上げることを意味する ため。 ・有形固定資産に対応する除去費用が、減価償却を通じて、当該有形固定資産の使用に応じて各期に費用配分されることから、資 産負債の両建処理は引当金処理を包摂するため(除去債務基準34)。

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章 Q.資産除去債務の算定における割引前将来キャッシュ・フローについて、自己の支出見積りを用いる理由 A. ・自己の支出見積りと市場の評価を反映した金額との間に生じ得る相違として、市場が想定する支出額(として企業が見積る金額) よりも自ら処理する場合の支出見積額の方が低い場合が考えられるが、現実には市場の想定する支出額というものが客観的に明ら かでないことが多く、実務的には大きな相違とはならないことが多いものと考えられるため。 ・仮に市場が想定する支出額よりも自ら処理する場合の支出見積額の方が低い場合、自らの効率性による利益は、履行時に反映さ れるべきであるという考え方もあるが、企業の投資上、資産の除去は、通常、単独ではなく有形固定資産の投資プロジェクトの一 環として行われることから、当該有形固定資産の耐用年数にわたり、その効率性を反映させていく方が妥当であるため(除去債務 基準38)。 Q.無リスクの割引率を用いる理由 A. ・退職給付債務の算定においても無リスクの割引率が使用されているため。 ・同一の内容の債務について信用リスクの高い企業の方が高い割引率を用いることにより負債計上額が少なくなるという結果は、 財政状態を適切に示さないと考えられるため。 ・資産除去債務の性格上、自らの不履行の可能性を前提とする会計処理は、適当ではないため(除去債務基準40)。 Q.資産除去債務に対応する除去費用を、資産除去債務に関連する有形固定資産の帳簿価額に加える方法による理由 A. 資産除去債務に対応する除去費用は、有形固定資産の稼動にとって不可欠なものであり、有形固定資産の取得に関する付随費用と 同様に処理すべきであるため(除去債務基準42)。 Q.負債計上時の割引率に固定する理由 A. ・割引率を毎期見直すとした場合、毎期末において変更後の負債額を貸借対照表に反映させることになるが、このような負債の 計上に割引率の変更を反映させることについては、他の負債の取扱いとの整合性に問題があるため。 ・割引率を負債計上時の割引率に固定する方法は、時の経過によって一定の利息相当額を配分するものであり、関連する有形固定 資産について減価償却という費用配分が行われることとも整合的であるため(除去債務基準49)。 Q.割引前将来キャッシュ・フローの見積りの変更によるキャッシュ・フローの増加部分について、見積変更時点の割引率を用いる理 由 A.新たな負債の発生と同様のものとみるため(除去債務基準53)。 Q.時の経過による資産除去債務の調整額を関連する有形固定資産の減価償却費と同じ区分に含めて計上する理由 A. ・時の経過による資産除去債務の調整額は、実際の資金調達活動による費用ではないため。 ・同種の計算により費用を認識している退職給付会計における利息費用が退職給付費用の一部を構成するものとして営業費用に計 上されているため(除去債務基準55)。 Q.資産除去債務の履行時に生じる決済差額を資産除去債務に対応する除去費用に係る費用配分額と同じ区分に含めて計上する理由 A.除去費用の総額が固定資産の利用期間にわたって配分され、将来キャッシュ・フローに重要な見積りの変更が生じた場合には資産 除去債務の計上額が見直されることを前提とすれば、資産除去債務の履行時に認識される差額についても、固定資産の取得原価に含 められて減価償却を通じて費用処理された除去費用と異なる性格を有するものではないため(除去債務基準57)。

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2016.12 短答特別講座・財務会計論(by K.Watanabe) 財務諸表論レジュメ 第16章

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