目次
平成30年相続法改正の概要(法務省民事
局)
立法の経緯と的外れの改正
諸悪の根源としての民法762条(法定婦夫財産
制)
最初に改正すべきは民法762条
平成30年相続法改正の構造
相続法改正の6項目(法務省民事局)
1.妻の居住権の保護
配偶者短期居住権
配偶者居住権
配偶者居住権の価値評価
2.遺産分割に関する見直し
妻の相続分の持戻し免除の推定
預貯金の仮払い制度の創設
遺産分割前の処分の持戻し
3.遺言制度に関する見直し
自筆証書遺言の方式緩和
自筆証書遺言の保管制度の創設
遺言執行者の権限の強化
4.遺留分制度に関する見直し
完全債権化(遺留分侵害額請求権)
5.相続の効力に関する見直し
登記の対抗要件の必要性
6.相続人以外の者の貢献-特別の寄与
まとめ
立法の経緯と的外れの改正
平成
25年の最高裁大法廷決定(最大決平25・9・4民集67巻6号1320頁)
嫡出でない子の相続分が嫡出子の2分の1であるのは違憲であると判断した。
民法900条4号ただし書き前段が削除され,嫡出子と嫡出でない子の相続分が同じとなった。
妻たちの怒り
夫とともに妻が築き上げてきた婦夫財産から,夫の死後,妻とは無縁の子(夫の浮気相手の
子)へ,わが子と同じ相続分が流出ることに対して,妻たちが怒りの声を上げた。
夫たちの勘違いの対応(
前提の誤り
)
婦夫の一体性を強調し,夫婦同氏,日常家事の連帯債務を推進しつつ,夫婦財産の別産性を
前提として,妻の居住権,持戻し免除等を行うのはお門違い。
婦夫財産の共有性(組合的共有)を推進すれば,相続法の改正は不要。
最初に改正すべきは,民法762条
第762条(婦夫間における財産の帰属)の改正案(
加賀山私案)
①婦夫財産とは,婦夫が婚姻生活を維持するために明示又は黙示に出資して形成する
組合的共有財産をいう。
②婦夫の持分はそれぞれの出資の多寡にかかわらず,常に平等とする。共用に供した婦
夫財産は,たとえ配偶者の一方を登記名義とした場合であっても,その登記は,他方の
配偶者との共有名義とみなされる。
③婦夫の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産であっても,そ
の財産を婦夫の共用に供した場合には,初めに遡って婦夫財産となる。
④婦夫の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産であって,かつ,
婦夫の共用に供しない場合には,婦夫の一方の特有財産(婦夫の一方が単独で有する
財産をいう。)とし,婦夫財産から除外される。
⑤婦夫のいずれに属するか明かでない財産は,婦夫財産(組合的共有財産)と推定する。
2018年相続法改正のまとめ
妻たちの怒りに恐れをなした男たちによる,勘違いも甚だしい茶番の相続法改正
婦夫財産は,名義の如何をかかわらず,婦夫の組合的共有と解釈すべき。
組合財産とすれば,相続は生じない。共有の弾力性によって,夫の持分は,妻と子の共有財産となる。
以下のような民法(夫婦財産関係)改正を前提とすべきである。
第762条(婦夫間における財産の帰属)の改正案(加賀山私案)
①婦夫財産とは,婦夫が婚姻生活を維持するために明示又は黙示に出資して形成する組合的共有財産をいう。
②婦夫の持分はそれぞれの出資の多寡にかかわらず,常に平等とする。共用に供された婦夫財産は,たとえ配偶者の一方を
登記名義とした場合であっても,その登記は,他方の配偶者との共有名義とみなされる。
③婦夫の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産であっても,その財産を婦夫の共用に供した場合には,
初めに遡って婦夫財産となる。
④婦夫の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産であって,かつ,婦夫の共用に供しない場合には,婦
夫の一方の特有財産(婦夫の一方が単独で有する財産をいう。)とし,婦夫財産から除外される。
⑤婦夫のいずれに属するか明かでない財産は,婦夫財産(組合的共有財産)と推定する。