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そこで登場したのが 住民一人ひとりの人生の質を高める持続可能な発展の村 という目標であった この目標に従ってどのような行政を目指していくべきか検討の結果 これまでの阿智村での住民 議会 行政における経験を踏まえて作られたのが 次の行動指針であった 行政は 行政情報のすべてにわたって情報公開 ( 説明

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Academic year: 2021

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1 2018 年 12 月定例会 一般質問原稿 橋本博之 私ども、日本共産党大島町議団は、町議選に際し、町民要求・要望・ご意見等を町政政策 に反映するため、4 年ごとに町民の皆さんに協力をお願いしてアンケートを実施してきまし た。 今回は、11 月に実施し、230 名余の方から回答を頂き、集計作業を進めています。 ここに寄せられた、町民の方々の要望・提案等は、町議選の政策として、また、今後の一般 質問や町長交渉を始め、対東京都・国等へ向けた要望活動をする積りでおります。 アンケートに寄せられた住民の声は「後継者問題、産業の低迷で自給率低下による農産 物・水産物など生活物資の島外依存が高まり、物価高による暮しの大変さなど、島外医療機 関への通院の負担が大変で、年金の半分が一回の受診でなくなり「早く死にたい」との深刻 な声も寄せられています。 島の産業を判断する一例として、取り扱い貨物の推移を示します。 1975 年 2017 年 増減比率 移出(出荷) 292,443t 30,681t 約 90%減 移入(入荷) 70,523t 196,659t 約 2.8 倍増 1975 年と現在とを比較してみると、島外へ送る農産物や水産物等が約 10 分の 1 と大幅 に減少し、逆に移入が約3 倍に増えており、島外依存度が増大していることを示しています。 また、農業等は、 1975 年 2017 年 農業生産額 7 億 1389 万円 3 億 7300 万円 約1/2 乳 牛 205 頭 (33 戸) 32 頭 (1 戸) 約 1/6 豚 1779 頭 (69 戸) ゼロ 今回の一般質問は、産業・島内循環経済を一歩でも前に進めるために、住民参加による町 づくりが待ったなしの課題として、地方自治の原点に立ち返って町長の見解を問うものです。 1、長野県の南部に位置する「阿智村」の岡庭前村長の著書からの引用から始めます。 「1990 年代に入ると、経済のグローバル化が我が国経済に影響をもたらすと同時に、順調 に推移してきた村の産業に大きな影響をもたらすことになった。 村の経済が縮小し、人口減少が始まった。誘致企業にしても、観光人口にしても、村の外 の経済(外部経済)に左右されるもので、これによって潤ってきた村の経済や、加えて国の財 政政策によって左右される村の財政も含め依存型の村は、富の配分中心の村政からの脱却が 課題となってきた。 依存・分配型の村の限界にたいして、村が持続していくためには、住民自身がこの村に生 きていくことに意義を感じ、住み続けることを覚悟し、そのための条件をつくりだすことが 重要であると考えた。

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2 そこで登場したのが「住民一人ひとりの人生の質を高める持続可能な発展の村」という目 標であった。この目標に従ってどのような行政を目指していくべきか検討の結果、これまで の阿智村での住民、議会、行政における経験を踏まえて作られたのが、次の行動指針であっ た。 行政は、行政情報のすべてにわたって情報公開(説明を含む)を行うとともに、住民の学習、 実践を支援し、住民に判断を委ねる。議会は、審議を通じて住民判断を手助けすると同時に 決定に責任を負う。住民は、自分の地域や、暮らしの主体者として企画し、発言し実践する。 すなわち、役場や議会中心の行政から、住民主体の行政への転換である。 以上が、前村長の論文からの引用です。 憲法92 条に「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨にもとづい て、法律でこれを定める」と規定しています。 「住民自治の本旨」について1946 年衆議院で当時の自治省行政局長は「地方自治には二つ の要素がある。それは、住民自治と団体自治である。住民自治は、その地方の地方住民の意 思と責任に基づいて処理するという考えであり、団体自治は、国からの独立の法人格を持つ 地方公共団体ができるだけ国の干渉を受けないで、独立的に地方行政を行う方法を意味する」 と答弁しています。 この考え方は、地方自治の本旨として広く認められている考え方です。この憲法の要請に こたえて作られた法律が地方自治法です。 その第1 条 2 項で「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域に おける行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」また、「地方公共団 体に関する制度の策定及び施策の実施に当たって、地方公共団体の自主性及び自立性が十分 に発揮されるようにしなければならない」と、団体自治に関しても規定しています。 今、大島町の課題解決に求められているのは、「住民自治、つまり、住民の意思と責任に 基づいたまちづくり、つまり本気の住民参加のまちづくりではないでしょうか。 町長の見解を求めます。 2、つぎは、情報公開の必要性と住民参加のまちづくりについてです。 引き続き、阿智村前村長の著書からの引用です。内容は、予算編成に住民参画を実施する 意義についてです。 「自治体にとって最も基本となる予算は、一般的には、行政が住民要望等も聞きながら編成 し、議会の議決を経て執行されていく。かつては、ほとんどその過程において住民が関わる ことができず、作られた予算に住民は従わされることになっていた。 また、決められた予算書を見ても、主体者である住民にはわかりにくいものになっている。 予算編成に、住民が関わり、予算の詳細について十分理解できることは、住民主体の行政に おいては欠かすことのできない事である。このためには支出科目ごとに細分化されている予 算書を、事業ごとの予算に作り替え、事業ごとの計画に経費を載せれば住民にもよくわかり

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3 やすくなる。予算審議は、事業計画ごとに検討し、それを最終的にまとめて予算書にすると いうことで住民が予算編成に参画しやすくなるし透明性も高まる。また、同時に事業評価も しやすくなる。 予算編成スケジュールは、9 月決算議会が終わると、10 月より自治組織ごとの行政懇談 会を開き、村の財政状況を説明し、地区からの要望を聞く懇談を行う。この懇談会の後、村 内の個人、団体において来年度予算に対する要望、提案を12 月末まで受け付ける。 議会においても、事業評価を行うとともに来年度事業の検討を始める。2 月末までに、予 算編成を終了し、議会への提案予算書が確定したところで、再び地区懇談会を行い、予算の 概要と事業内容を報告し住民と懇談する。当然、住民や団体からの要望や提案が取り入れら れたかどうかを説明する。こうした過程を経て予算案が議会の審議を経て確定する。 議会において議決された後は、予算審議で認められた事業ごとの計画書を全戸に配布する」 以上が前村長の著書からの引用部分です。 【 計画書を参考までに添付しました 】 住民参加のまちづくりには「情報の透明化と住民との共有」が不可欠だと考えます。その 教訓になるのがシンゴジラ問題ではなかったでしょうか。 行政側が良かれと思ったことでも、2400 名の中止署名が集まったのは、納税者である住民 との考え方のずれが大きかったこと、その原因は計画段階から納税者であり町政の主人公で ある住民も参加して情報を共有し、議論し、合意を得て行政を進めることが不足していたこ とだと考えます。 情報公開と住民参加については、大島町も「情報公開条例」で次のように規定しています。 目的として「大島町の保有する情報を公開し、町政に関する町民の知る権利を保障すること により、町民の町政への参加をより一層推進するとともに、町政の公正な運営を確保し、も って福祉の増進に寄与することを目的とする」と定めています。 また、情報の透明化による行政運営で有名な、滋賀県の野洲市(やすし)の市長は次のよう に述べています。「透明、公平、公正を基本として、市民の皆さんとともにその実現に取り 組んでまいります。特に、透明性の確保は、チェック機能が働くことに加え、市民の信頼感 の高まり、さらには市民や職員から様々の提案がなされることによる革新と創造性の向上な ど多様な効果があります」。と述べております。 これらを参考にして、大島町でも、主な施策の決定過程から情報を透明化し、住民と共有 しながら行政を進めていくことが求められているのではないでしょうか。町長の見解を伺い ます。 4、住民参加のまちづくりに住民の関心と意欲を高めるには、学びの環境整備が必要です。 全国では、そのための「公民館」事業が大きな役割を果たしています。 公民館は、1946(昭和 21)年、民主主義を軸として、戦争で荒廃した地域の振興を図るため の中核的な地域拠点として構想されました。1949 年の社会教育法制定により法的に位置づ

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4 けられ、地域住民の暮らしに直結する地域課題を明確にしながら、その解決に向かって様々 な活動を展開し、地域住民の自主的な学習の場を提供し「学びの場」としての役割を果たし てきました。 公民館の目的等について社会教育法の第 20 条で、「公民館は、市町村その他一定区域内の 住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住 民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与 することを目的とする」。と定め 公民館の事業を同法第22 条で、公民館は第 20 条の目的達成のために、おおむね、次の 事業を行う。但し、この法律及び他の法令によって禁じられたものは、この限りでない。 1 定期講座を開設すること。 2 討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。 3 図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。 4 体育、レクリエーション等に関する集会を開催すること。 5 各種の団体、機関等の連絡を図ること。 6 その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。 と定めています。 さて、大島の現状はどうでしょうか。 大島町公民館条例はありますが、設置目的として「社会教育法 20 条の目的を達成するため に公民館を設置する」とあります。ところが肝心の社会教育法22 条のいう目的を達成する ための「事業」が欠落しています。大島町公民館条例第3 条に、法 22 条に例示する事業を 設ける改正をし、事業の実施に踏み出すことを提案します。町長の見解を伺います。 次は、住民の学習を促し、保証する行政の役割についてです。 人口が減少する時代、自治体や地域が継続するためには、地域のことを真剣に考え、行動 する町民が重要です。しかし、最初から町のことを真剣に考えている町民は少数です。 町民が町に関心を持つのは、様々な関わりを通じてです。 残念ながら、町民が行政に意見を持ってもきちんと対応しない場合があります。これでは、 町に関心を持つ町民を増やすことができません。行政の最大の役割は、住民の成長を支援す ることです。人が成長するのは実践を通じてです。 地域に関心を持つ町民を増やすためには、地域と関わる機会を増やさなければなりません。 参加を通じて地域の主体者として町民は成長できます。 町民の参加を保証するのは、住民ニーズをつかむにとどまらず、主体的に町にかかわる町 民を育成するという点で重要です。 町の職員は、行政の専門家として積極的に住民要望の質的な向上、効率的な運営等を共に 考え、実践することで住民自治は発展すると思います。大変難しい課題ですが、町長はどの ようにお考えですか。 5、最後に住民参加の一例として「椿まつり」のイベントについて提案します。

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5 「七島新聞」11 月 28 日号の社説にあたる「奔流」で「マンネリ化を防ごう」と題して、「埋 もれている『島の魅力・島の宝』を発見し、磨くことがイベントのマンネリ化防止につなが るのでは――島しょ観光業界リーダーの猛省をうながしたい」ときびしい的を射た指摘がさ れています。ただ、この問題は業界リーダー任せの問題ではなく、私たちの実施したアンケ ートにも「なんとか、みんなで島挙げて盛り上げたい。大島弁で案内したい」との声もよせ られています。まさに「オール大島」での取り組みにかかっていると思います。 具体的には、次のようなイベントも提案されています。参考に紹介したいと思います。 ①椿まつり期間中、伝統ある大島高校の「郷土芸能」が身内の披露だけではもったいない ので、出帆港で披露できるよう協力をお願いしたらどうか。 ②各地区の郷土芸能もやはり町の「芸能祭」の身内的披露から、出帆港で各地区交代で、 土・日に披露できないか協力をお願いしたらどうか。 ③愛媛県松山市では「俳句甲子園大会」を実施していますが、まつり期間中「大島俳句大 会」(吟行会)を表彰制度も入れて実施したらどうか。 ④質問資料として添付した、阿智村の「全村博物館事業」は、住民参加による地域づくり で、七島新聞が指摘する島の宝を発見し、磨くことではないでしょうか。 この提案を含めて広く住民の声を参考にしながら、島の宝を外に発信していく方向に転換 することを求めたいと思います。いかがでしょうか。 最後に改めて、大島町が希望の持てる暮らし良い町にするためには、地方自治の根本であ る「住民自治=住民の意思と責任」にもとづいて行政を進めることを訴えて質問を終わりま す。

参照

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