無実
第8号
2005 年 1 月 30 日
の死刑囚・元プロボクサー袴田巌さんを救おう !
袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会
424-0006 静岡市清水石川本町 16-18 電話:0543-66-2468 FAX:0543-66-2475 郵便振替口座 番号 00890-7-185276 名称 清水・静岡袴田巌救援会警察はいつ、どんな方法で 5 点の衣類をねつ造したのか!
2 月例会(2 月 5 日)は 小川秀世弁護士と徹底討論です!
時間: 午後
1 時から 5 時まで (注意! いつもと違います)
場所: 清水 辻・江尻公民館 第一会議室
至 興津 1 福祉会館 至 静岡 国 1 号 税務署 清水駅から徒歩五分 福祉会館の北側です。 中学校のグランドの南のはずれです。 清水駅 駐車場はあります(たぶん止められるでしょう) 至 静岡2 月例会に参加される場合は事前に資料を配付します
。 必ず、事務局まで申込みください。
配布された資料を読み、小川弁護士と討論です
例会当日、資料代として 500 円を徴収いたします ① 今回の棄却決定では 5 点の衣類のねつ造主体が警察だという弁護側の主張 (即時抗告補充書 三 ) を「誰が、いつ、どのようにして、ねつ造したのか という具体的な主張すら出来ないので、抽象的な仮説ないし憶測の域を出な い」(棄却決定書)と、ことごとく排除されている。 ② この補充書(三) は 主に小川秀世弁護士が書いたもので、この補充書(三)と警察がねつ造したということを初めて主張した 94 年 8 月の即時抗告申立書 の内容を見直す。そして、最高裁への補充書作成の参考にする。 ③ その方法として、私たち支援者が 小川弁護士の述べる主張を批判する形式 で行なう。 具体的には、 ① 2 月例会参加予定者に 補充書(三) 及び即時抗告申立書のねつ造部分を配付しま す。(両方で 150 ページぐらいの文書量です) ② 例会当日まで、配付された資料の内容を読み込み、小川弁護士を批判する私たち の論理をたててくる。 ③ 当日、例会の場で小川弁護士と私たちでディベート(激論)する。 多くの方の参加をお願いします
昨年の歩み 12月4日集会 ・ そしてこの一年
代 表
楳田 民夫
当会の結成1年が過ぎ、高裁棄却後、あわただしく数ヶ月が過ぎた。世論の高まり が求められる中、わたしたち地元支援市民の活動の果す役割は大きなものがあるとの 意識は強まっている。この節目の時期、地元清水の地で集会が開かれ、新たな決意を 確認し合えたことは意味深いことであった。 一昨年12 月、高裁決定が間もないとの情 況を感じ、準備活動不充分のまま,慌てて 会を発足したのは結局正解であったと思う。 ただ、いささか関係者の間にギクシャクし たものがあった。しかし昨一年の間、会員 の熱心の活動により周囲に認められ,期待 を背負うところまでに至った。“12・4 袴田さんは無実だ!清水集
会”
には、清水テルサに約 40 名が集った。 第一部は市民の会の総会。 活動報告、会計 報告、活動方針、規約の一部改定、事務局メンバーが承認された。市民グループなの であまり型にはまらない方が本来のスタイルと思われるが、弁護団、袴田ネットなど 信頼関係を強める為に、形式的でも判りやすさが必要と考えこのような形をとった。 方針を一言で言うと地域に根を張り、国内外に向け世論意訴える発信をして行く。勉 強会を重ね、判り易い表現方法を研究する。市民が参加しやすい環境、新しい人を育 てる。地の利を生かした活動。具体化はみんなに智恵で。と言ったところです。 23 第二部、小川央弁護士講演、最高裁として最も受け入れがたい捏造の認定を突破す ることの必要性を訴えた。弁護団の力のみでは困難であり、市民の活動,世論の力が 不可欠であることも強調された。 次に 70 年代前半に起きた冤罪事件当事者江川さんのお話をうかがった。 現代の警 察があまりに荒唐無稽な作り話をでっち上げた事。 現代の警察が有得ないと思われ るとんでもないことをやったことが証明されたのだから「証拠の捏造」などあって不 思議ではない。そう実感する報告であった。 各団体(個人)のアピール後、最高裁宛ての集会決議を採択し閉会した。第三部、懇 親会は16 名の参加があり,初めて参加した人もあり交流を深めた。
新年に当たり、今年の抱負をお伝えしたい。
最高裁は短期決戦の見方もあ るが、短い期間で何が出来るか見据えて活動に取り組みたい。まず、袴田さんがどん な人なのかをあらためて理解することから始めたい。 定例会以外に土曜日の午後な どに活動時間を設定し、会員で参加出来る人で集い、当会の共同作業として進める事 を決定した。袴田さんの「自分史」を救援者で作ると言うイメージである。これを幹 として周囲の関係者を枝にとらえ、聞き取り調査をし、肉付けして行く。袴田さんを 主人公にしたノンフィクションストーリーである。 総会の方針で語られた「劇画化」 もこれを原稿に専門家に依頼する。その他のさまざまの課題や、新しい発想など個人 または小グループで取り組んで行く。いずれにせよ第6ラウンドのたたかいは開始さ れた。これまでなかった市民活動を展開・切り開く決意です。 ただ、楳田個人のセンスとしては「反権力」といった強い人間の論理を振りかざす ようなやり方では進めたくない。普通の市民の当たり前の理性と良心、小さな努力の 積み重ね、それこそが頼りです。12・4 袴田さんは無実だ!清水集会報告
事務局長
山崎 俊樹
年月が経つのはこんなにも早いものなのかと改めて感じてしまいます。あの 8 月 27 日の東京高裁による再審請求即時抗告棄却決定から間もなく半年が経過してしま います。 私たち“袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会”(以下、「清水・静岡袴田救援 会」)が発足して1 年を経過しました。 ① 東京高裁の棄却決定を跳ね返し、一日も早く袴田さんを救い出すため ② 『清水・静岡 袴田救援会』の 1 年間の活動報告と今後の運動方針を会員を含む 多くの方に提起するため4 ③ また、共に袴田さん救援のために現在東京で活躍されている江口良子さんが、 袴田さん同様苛酷な冤罪被害=権力犯罪の被害者であり袴田さんとの交流があ ったことをみなさんに知ってもらいたいとの思いで、 この集会を開催しました。 したがって、この集会は“袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会”の総会、袴 田さんは無実だ!清水集会、そして救援運動を継続させていくために、会員の懇親を 図る意味での忘年会の三部構成にしました。 会場には、会員 26 名を含み 39 名の参加がありました(マスコミ関係者、ゲストは 除く)
総会報告・・・発足 1 年を経過して
総会開会にあたり、 当会代表の楳田 から「8 月 27 日の高裁決定が弁護団の 提出した袴田さんの無実につながる事 実をごまかしており、この不当性を事件 が発生した地域からの市民運動として、 今まで以上に社会に訴えて行きたい」と、 当会の姿勢を報告しました。 続いて、私がこの一年間の活動報告を 行いました。 毎月第一土曜日は、辻・ 江尻公民館で午後 7 時から定例会を開 催しており、“袴田さんの無実につなが ること”を『誰でも、いつからでも、ど んな立場の人でも参加できるような活 動を基本としていること』を改めて報告 致しました。また、あわせて会計報告も 集会資料の中で行ないました。 参加者から、 「定例会を早い時間(土曜日の午後) に開催できないか」 「袴田さんに手紙を出し、もっと励ま すべきだ」という意見がでて、当会の今 後の課題と致します。 その後、現在の活動に即するために会 則の改正案を提案し参加者の承認を得 ました。 最後に楳田代表から“地域に根ざし、世 界を視野に広げて袴田さんの無実を訴 えていく、市民運動らしく、柔軟性を持 って運動を進めたい”という2005 年の 活動方針案が提起され、承認されました。袴田さんは無実だ!・・・集会報告
当会の総会終了後、引き続き「袴田さ んは無実だ!清水集会」を行い、小川央 弁護士(袴田事件弁護団)の報告と、冤罪 被害者であった江口良子さんの講演を 行ないました。 小川央弁護士からは、最高裁への特別 抗告の中で中心となる「5点の衣類に関 する問題点」を改めて報告して頂きまし た。 ・ 5点の衣類は、発見経過が不自然 だった点(公判途中ですでに捜索 済みの場所からの発見) ・ ズボンの共布の発見経過が不自然 (家宅捜索令状では、押収目的物に5 共布はない) ・ 発見されたズボンが袴田さんには けないこと(サイズが不自然) ・ 性急な証拠採用(鑑定結果も出な いうちに、冒頭陳述を変更してい る) ・ 血液付着の不自然(ズボンの下に はくステテコに多量の血液付着や 付いている血液型に矛盾) など。 そして、特別抗告審への課題として、 この 5 点の衣類を強力に崩すことが必 要だと、弁護団の決意を表明され、合わ せて再審支援運動の強化を訴えました。 会場からも、弁護団に「最高裁でどの よう勝てるか、勝てる見通しのあること を話してほしい」と厳しい発言もあり、 地元での私たちの活動ももっと力を入 れねばと思いました。 江口良子さんは 1969~71 年に起こ った「土田・日石・ピース缶爆弾事件」 の「犯人」として逮捕され、6年余り拘 禁され無罪を勝ち取るまでに13 年かか ったそうです。 逮捕後の警察や検察の取り調べは過 酷で、連日朝の5時に起こされ、取り調 べそのものはお昼から夜中まで続き、寝 る頃は他の事件の逮捕者などから大声 を出されてよく眠れなかったという自 分の体験や、同じ疑いで逮捕された方の 中には警察の言うとおり自白してしま う方もおり、中には自分のアリバイ(運 転免許試験を受けていた)すらも忘れて しまう方もいたとのことです。 裁判の中でも検察が偽証工作をしま したが、被疑者が多く様々な証拠を関連 させていくと、証拠や証言の矛盾が次々 にでて、そのほとんどが採用されなかっ たとのことです。 江口さんは東京拘置所に拘留されて いる頃から袴田さんと交流があり、その 縁で現在も東京で袴田さんの救援活動 を続けられています。 自分との体験と の比較の中で「私たちは逮捕者が多く、 次々と証拠や証言の矛盾が出てきて、あ る意味では裁判がやりやすかったかも 知れない。しかし、袴田さんの場合、一 人での犯行にされているので、私たちが 矛盾を感じても、それを証明する方法が 非常に限られており、裁判での難しさを 感じてしまいます」という発言が印象的 でした。 当時の取り調べ検事の中には、現在と ある政党の党首をされているそうです。 「でっち上げをしたらイカンザキ」(東 京・Maru さんの一言から引用) 小川央弁護士、江口良子さんの講演後 は、当会と関係の深い団体・個人から連 帯あいさつをして頂きました。 横浜事件に取り組んでいる塚本さん から「戦争に反対する闘い・国家に対す る闘いとして連帯していきたい」 袴田事件の報道を収集し配布する会 の平野さんから「地の利を生かして活動 していってほしい、東京でも連帯してい く」 島田事件対策協議会の池田さんから は「島田事件の赤堀さんは戻ってきた。 袴田さんも一日も早く取り戻すため、多 くの人が手を取り合っていきたい」 そして、静岡大学の笹沼先生からは、 「人権概論特別公開授業の案内と、12
6 月6 日は私(山崎)が死刑とえん罪をテー マに授業があり、この授業は毎回公開さ れているので興味のある方は参加して 下さい」との、紹介をしてもらいました。 最後に集会アピールを採択し、集会を 終えました。 その後、会場を別に移し、忘年会と懇 親会を兼ね、参加者が互いに決意を新た に取り組む事を確認致しました。
最後に・・・ありがとうございました、引き続き協力をお願いします
なお、講演をお願いした江口さんは交 通費などを全て固辞され、また小川央弁 護士からは集会へのカンパを頂きまし た。(感謝、感謝です) 集会当日、新たに 7 名の方が会員にな られました。1 月 20 日現在、会員は 54 名です。 集会の新聞報道を掲載し、会員でない 方には改正された会則と会員申込書を 同封しますので、出来れば会員として袴 田さんの無実を晴らし無罪を勝ち取る までに活動を支えて頂ければと思いま す。(終わり)集会の受付で感じたことと出会った人々
M
(会員)
12 月 4 日の集会は、受付をさせて頂 きましたが、これまでの受付の経験の中 で、私が印象に残っている3名の女性が います。 最初の女性は、一年程前です。受付の 前を通る際、「今日、袴田さんの集会を やる事は知っていました。他の用事があ って参加できないが、清水では、袴田さ んは無実と思っている人が多いわよ」と 声を掛けていきました。 2 番目の女性は、テルサでパートで働 いている方です。「袴田さんは犯人にさ れて気の毒だね。頑張ってね」といいな がら、ご自分の仕事場に行かれました。 3 番目の女性は、今回の受付でお会い しました。袴田さんの無実を確信し、息 子さんの伝言を託してご多忙の中、息を 切らせ駆けつけて下さいました。その方 の息子さんは、ボクサーをやっていたの ですが、怪我で今はやっていないという ことでした。伝言は、「ボクサーは人を 殺さない!」記憶が確かではないのです が、ボクサーは拳の威力を知っているこ と、息子様の思いやりのある性格などを あげ、無実であることを熱く語ってくれ ました。 私は、積極的に袴田さんを支援する運 動に参加を始めたのは、市民レベルで救 援する会ができてからです。例会や集会 に参加すると、袴田事件が捏造による冤 罪と確信し、汗水を流し運動していた多7 くの方々がいらっしゃったことを知る ことができました。 また、当時運動に 参加していたけれども、 その後しばら く遠ざかっていたものの、 袴田事件が 胸にひっかかっていて参加して下さる 方も少しずつ増えてきているように感 じます。さらに、新たに静岡・清水地区 以外の方も例会に参加されています。そ の度に私は、例会や集会に参加される方、 ひとりひとりの後ろには、目には見えな い多くの方々が一緒に参加していると 最近強く感じるようになりました。 多くの方々が支援活動に参加してく れて、活動を盛り上げてくれる社会にな って欲しいと思います。
「地の利」を生かした活動を進めよう!
H (会員)
闘いを有利に進める基本的な環境条件として、古来からの言い伝えにある『天の時、 地の利、人の和』が大切であると、機会ある度に教えられてきた。人生経験が浅い 20 代の頃には、「そんな言い方もあるのか」程度にしか感じていなかった。私自身の 60 年余の人生を振り返って見ると、「転機に立ってるな」と自覚した時は、経験を積 む毎にいつの間にか、この3 条件を先ず念頭において、その後の行く末を見通すよう になった。 今、「袴田さんの再審・無罪を求める」ことを目的とした「袴田巌さんを救援する 清水・静岡市民の会」の活動が、結成1 年を経て大きく飛躍しようとしているのを見 るにつけ、 ① 東京高裁が再審請求を棄却した直後のこの時期こそ『天の時』であり ② 事件発生現場・清水の地元としての『地の利』があり ③ 事件発生当時の“掘り起こし”には『人の和』から連なる『人脈』と『地縁』が あり、まさに3 条件がそろっている。 遙かに遠方の東京から眺めると、「宝の山 に巡り合ってる」なぁと、羨ましい思いがする。 「地元に救援会など要らない」と言う意見があるが、これは、経験不足による単純 な誤解に過ぎない。地元の『地の利』を生かした活動実績を着実に重ねていけば、地 元の救援会の存在意義がわかる時が来ると思う。 一定の地域性と歴史を背景とした、お互いの人生と顔を知ってる関係が、時には閉 鎖的で重荷になる場面があるが、それでも利点が多い。 私の故郷である庵原郡のF 町役場を訪ねると、小学・中学・高校を通した同級生・同期生が、助役(町行政の No.8 2)と収入役(No.3)をやっているだけに、長い人生を通して築いた信頼感に裏打ちさ れた『地の利』『人の和』の有り難さを、身に染みて感じることがある。 東京・首都圏における私たち「袴田事件の報道を収集し配信する会」の最近の活動 は、「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」の新展開から少なからず影響を受 けた。半年前から議論を重ねてきた「10 年間の総括」を経て、東京・首都圏におけ る『天の時、地の利、人の和』を生かして、新たに再出発出来る日が、もう手に届く 間近にあると実感している。 「袴田巌さんの再審・無罪を求める」という志を同じくするものたちが、袴田巌さ んとご家族に連帯して、それぞれの地域で『地の利』と「特技・特性」を生かした活 動を進めて、早期に目的を実現できる時を迎えたいと願っている。(2004 年 12 月 3 日 記)
静岡大学教育学部人権概論特別公開授業を受講して
事務局
I
12月6日(月)午後12時45分から、静岡大学教育学部において『人権概論特 別公開授業』が開催されました。担当教官は笹沼弘志先生です。 12月6日のテーマは『死刑とえん罪 ― 国家には人を殺す権利があるか』。 本会事務局長の山崎俊樹さんが教壇に立ち、「国家の権力犯罪・冤罪」の悲惨さを約 1時間半にわたって訴えました。その様子をレポート致します。 はじめに、当日配布されたレジュメの項目等を紹介します。 1 冤罪との出会い 狭山事件・島田事件 2 袴田事件 ①事件発生、袴田さんの逮捕 ②警察の決めつけ ③マスコミの鵜呑みと扇動 ④45通のうち1通しか採用されなかった調書 ⑤5点の衣類の不自然さ ⑥苛酷な獄中生活 ⑦警察官は全能か ⑧裁判官の感覚9 山崎さんのお話は、山崎さんご自身が何故冤罪事件に関心を抱くようになったかと いうところから始まりました。1974年9月頃、友人に誘われて狭山事件の現地調 査に行ったことがきっかけだそうです。現地調査で狭山事件の証拠物の捏造を確信、 非常に衝撃を受けたとのことでした。そして、狭山事件からさらに島田事件へと支援 活動の範囲を拡げ、袴田事件に至ったそうです。 袴田事件に関するお話は、事件の年表・袴田さんに対する取調べ時間一覧表・当時 の新聞記事の抜粋・5点の衣類発見経過年表・新証拠発掘作業で実際に味噌漬け実験 をした衣類・袴田さんの手紙・最近の袴田さんの様子等、受講生の視覚に訴える資料 を駆使して行われました。B4サイズ3枚にわたる丁寧なレジュメとテンポの良い山 崎さんの口調、そして笹沼先生や学生さんたちのご協力により、袴田事件の概要と事 件に潜む問題点をたくさんの方々に知って頂けたと思います。 私は教室の後ろのほうに座っておりましたが、私の周りの学生さん達は5点の衣類 や自白調書の話に驚く度に、隣同士で「すごいね」「どうしてこんなことになるのだ ろう」と小声で話していらっしゃって、そんな学生さん達の反応が私にはとてもうれ しく、ありがたかったです。 山崎さんのお話の後、受講生との質疑応答がありました。「今後袴田さんが無罪に なった場合、当時取調べた警察官や検察官は処罰されるのか」といった鋭い質問が多 く、たいへん興味深かったです。 山崎さんのお話を聴いていて改めて感じたのは、袴田事件そして袴田巌さん自身が とても人を惹きつける魅力(魅力という語は不謹慎かもしれませんが)を持っている のだなあということです。年表や当時の新聞記事、袴田さんの手紙、衣類や凶器の鑑 定書・実験報告書などは、刑事事件に普段関わりの無い一般市民の方にも真実を訴え かけ、心を揺さぶることのできる何かがあるように思えてなりませんでした。 この『人権概論特別公開授業』は笹沼弘志先生のご指導のもと、毎週月曜日12時 45分から14時15分まで静岡大学教育学部G棟104教室にて開催されていま す。予約不要・無料とのことですので、皆様是非一度聴講なさってみてください。2 005年の予定は、 1月17日 『ホームレスの人々の人権』 1月24日 『子どもの人権』 1月31日 『国境を越える人権 ― イラク人人質事件から考える』 だそうです。いずれの回も、実際に人権問題に取り組んでいる当事者・支援者の方々 によるお話があります。 「人権意識を養いましょう」とひと口にいっても、人権という語そのものが意味の
10 掴みにくい、解釈のわかれる言葉ですし、実際に人権侵害を受けてみないと人権とい うものは切実にわからないのかもしれません。人権問題の当事者・支援者の方々のお 話をじかに聴ける機会はとても貴重だと思います。 笹沼先生のお招きにより山崎さんが静岡大学でこのような講義をなさるのは今回 で2回目だそうです。袴田事件について若い学生さん達に知って頂くことができ、ま た私自身も事件について新たな発見があり、とても新鮮で素晴らしい講義でした。 笹沼先生と山崎さんに厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました 以 上 編集後記 もうこれ以上長引かせてはなりません 最高裁の判断を最長2 年程度と考え、弁護団や我々が最高裁に強い働きかけを行える期間は 1 年程 度と考えて取り組む必要があります。今年も、昨年以上のご支援をお願いします(山崎)