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(1)

平成29年度

地熱井掘削監督者養成講座

掘削技術概論

平成30年2月1日 エスケイエンジニアリング株式会社 武村 貢

(2)

目次

1 ロータリー掘削の原理と坑井掘削の流れ 2 ロータリー掘削で使用されるドリルビット • ビットの種類-ローラーコーンビットのIADCコード • ビット交換のタイミング(Reliability Curve、単位掘削費) 3 ケーシング計画-設計手順 • 地層圧と地層破壊圧、坑内圧力とのバランス • ケーシングセット深度の決定 • サーフェスケーシングの役割と噴出防止装置 • 想定する負荷・設計係数と管種の選択

(3)

目次

4.セメンチング • ケーシングセメンチングの概要 • セメントのケミストリーと水和反応 • セメントの種類(APIセメント、GWCセメント) • 計画策定の流れとセメントスラリー試験 • セメントボンディングの評価(CBL、LOT手法を用いたシューボンド評価) 5.傾斜掘り • 方位基準の北(TN,GN,MN) • ステアリング編成での方位・傾斜コントロール • ロータリー編成での傾斜コントロール • TAD(Torque&Drag)、疲労破壊

(4)

1.ロータリー掘削の原理と坑井掘削の流れ

 様々なタイプのビットに回転と荷 重をかけることによって岩石を 破壊して掘る  ビットはドリルパイプをネジでつ ないで坑内へ降ろす。地上でド リルパイプを回し、ビットを回転 させる。  ドリルカラーによりビットに荷重 を与える  ドリルパイプの中へポンプした 流体(泥水)を通して、掘り屑を 地上まで回収する 泥水の循環方向 ドリルパイプ ビット ドリルカラー

(5)

坑口装置および 噴出防止装置 (BOP)

陸上掘削リグのイメージ

坑口装置はセラーと呼ばれる ピットを造成し地表面より下に 収納されることもあるが、噴出 防止装置は地表部に配置する。 ⇒噴出防止装置を収納可能な サブストラクチャー高さが必要

(6)

30”コンダク タパイプ 打ち込み ダイバータ 設置 24”坑掘削 18-5/8” サーフェス CSG BOP設置 17-1/2”坑 掘削 13-5/8” 中間CSG 12-1/4” 坑掘削 9-5/8”中間ライナー

掘削作業の流れ

地層圧や地層破壊圧の大きな変化で坑壁を安定に保ち安全に掘削できなくなる前にケーシング をセットする。地熱井では、逸泥による蒸気の噴出、生産層や圧入層のアイソレーショーンを 考慮してケーシングセット深度を設定

(7)

坑井仕上げ方法

1) 裸坑仕上げ ×仕上対象選択 ×砂の崩壊・流入 インターミディエート ケーシング(or ライナー) プロダクション チュービング プロダクション パッカー ライナー ハンガー(パッカー付き) プロダクション ライナー セメント パーフォレーション(ガンパー)孔 掘削泥水 スロッテッド ライナー 2) スロッテッド ライナー仕上げ ×仕上対象選択 △砂の崩壊・流入 3)パーフォレーション仕上げ ○仕上対象選択 △砂の崩壊・流入

(8)

岩石の硬さは様々(砂や粘土~火山岩、深成岩) 刃先の材質も様々(鋼鉄、タングステンカーバイト、ダイヤ モンド) 外径 44インチ(≒112cm)~3インチ(≒8cm) (1インチ = 2.54cm) ツース・ビット インサート・ビット ダイヤモンド・ビット PDC・ビット 【ローラーコーンビット】 【フィックスドカッタービット】

ロータリー掘削で使用されるドリルビット

(9)

ローラーコーンビットのIADC分類

3番目の数字:ベアリングタイプ/ゲージ補強の有無(1~7) 最初の数字 1~3: スチールツー スビット 4~8: インサート ビット 最初の2つ の数字 数字が大きい ほど硬質岩用 1, 3~5: ローラー ベアリング 6, 7: ジャーナル べリング

例 IADC

215

437

(10)

JAPAN PETROLEUM EXPLORATION.,CO.LTD -10-

ベアリングの種類

- ローラーベアリング(ノンシールド) - シールドローラーベアリング - シールドジャーナルベアリング シールドフリクションベアリング =ジャーナルべアリング

(11)

例:IADCコード 537

X-30G,M30G

(12)

TIX社 IADC537ビット 例

(13)

ビット交換の判断(ベアリングライフ統計データの利用)

累計回転数(krev)

ベアリングの

Reliabilty Curve(右)

はあくまで参考データ

⇒個々のビットの出来、不出来、 坑内状況や岩質の差で同型式 ビットでも寿命は大きく異なる

ビットトルクの異常

掘進率の低下

⇒地質・坑内状況の変化? ⇒ビットダメージ?

(14)

統計データを過信して、まだ大丈夫だろうと掘進

していると、こんなことになることもある

コーンを遺留すると掘進継続

の大きな支障となる

チップがほとんど 残ってなくても、掘 進率が直前まであま り低下しないことも あるので注意が必要。

(15)

ビット交換の判断(単位掘削費 ¥/mを使用する例)

単位掘削費[¥/m]=(ビット[¥]+リグ[¥/h] x (揚降管時間+掘進時間)[hr]) ÷ビットの掘進長[m] 掘進長[m] 単位掘削費 [¥ /m] 単位掘削費が上昇し始めたらビット交換 適用にあたっては、以下のような考察 が必要 • 掘進率の変化は地層の変化によるも のかどうか • 次のビットで掘る長さ(セクション TDやコアリング深度までの距離、予 定使用ビット数)

(16)
(17)

ビットの摩耗の評価

http://www.oilfieldtrash.com

/custom/php/files/12526801

08dull_grading_tri.pdf

http://www.oilfieldtrash.com

/custom/php/files/12526799

18dull_grading_dia.pdf

以下のウェブサイトで

Hughes社の写真付き解説を

入手可能

(18)

計画深度までに到達するには何 層もの地層を掘り抜くが、地層の 条件(性状)や地層圧がそれぞれ 異なる。 「ケーシング」と呼ばれるパイプを 降下し、地層とケーシング間にセ メントを充填し、既に掘り抜いた区 間を保護すると同時に、これから 掘ろうとする区間と干渉しないよう にする。 直上に設置したケーシングの内 径より小さい坑径で次の区間を掘 削する(一般的な手法)

【ケーシングパイプ (Casing Pipe)】

3.ケーシング計画

(19)

ケーシング設計手順

1.地層圧、地層破壊圧を推定する。

地層圧、地層破壊圧とは?

2.ケーシングセット深度を決定する。

これにより、ケーシングの段数と径が

決まる。

3.想定される荷重(負荷)に基づき、ケー

シングの管種を決定する。

(20)

地層圧

(Pore Pressure, Formation Pressure) 地層の孔隙中に存在する流体の圧力

地層破壊圧

(Formation Fracture Pressure) 地層にき裂を生じさせる圧力 以下リークオフテスト(ポンプ量 vs 圧力)模式図

【地層圧と地層破壊圧】

泥水柱圧 0.1 x 1.20 x 2000 = 240 ksc 地層圧

等価泥水比重(EMW: Equivalent Mud Weight)に換算 EMW= = 1.10 (SG) リークオフ圧 等価泥水比重に換算 EMW= = 1.65(SG) TVD:2,000m MW:1.20SG 地層圧: 220ksc LOP: 90 ksc 220_____ 0.1 x 2000 240+90____ 0.1 x 2000 圧力の単位:以下kgf/cm2 をkscと表記

(21)

地層圧力 <

坑内圧力

< 地層破壊圧

⇒ 坑内安定

坑内圧力

< 地層圧力

⇒ キックの発生

坑内圧力

> 地層破壊圧力

⇒ 逸泥の発生

【地層圧・地層破壊圧と坑内圧力のバランス】

坑内圧力は、静水圧(静的)と動的な流体圧力を併

せて考慮する

(22)

泥水柱圧が地層圧力を下回ると

・・・

地層流体が坑内に侵

入する。この現象を

キック

と称する。

原因

泥水比重の不足逸泥などによる坑内液面の低下スワビング

(23)

出典:石油開発時報 No.150 最新の坑井掘削技術(その3) ケーシングセット深度の決定(地層圧と地層破壊圧による決定、模式図) 12-1/4”坑最終泥水比重 8-1/2”坑最終泥水比重 サーフェスケーシング 最初に噴出防止装置を 設置するケーシング

(24)

坑口装置・噴出防止装置のベース(基礎)となる

貯留層が出現する前にセットし

地表付近の軟弱層を隠す。

地熱井では逸泥が発生し圧力が低下すると、地層

内流体が蒸気化し噴出する可能性があるので、確実

に清水を補給し冷却できる環境でない場合には、地

層温度が100℃に達する前にサーフェスケーシングを

セットし、BOPやマスターバルブを設置し、その下

に掘り込むべき。

サーフェスケーシングの役割

(25)

地熱井( 噴出防止装置-マスターバルブ使用例)

マスターバルブ 裸坑仕上げやスロッテドライナー仕上げで 掘削後にマスターバルブを設置すると蒸気噴出のリ スクが高い場合は、あらかじめマスターバルブを BOPの下に設置してから掘進を行う。

(26)

BOPのパッキンユニットの

耐温

CAMERON BOP 耐温データ -1~121℃ 1~104℃ Hydril Annular BOP耐温データ Packing Unit Type ・Natural Rubber -35~107℃ ・Nitril Rubber -7~88℃ ・Neoprene Rubber -35~77℃ 1気圧以上では水の温度は100℃を超える ので、速やかにキルウェルを行う必要あ り。

(27)

ケーシング径/坑径の決定

最終坑径を決め、上に向

かって順に決定

生産量大⇒坑径、

ケーシング径を大き

最終坑径を8-1/2”と

し、コンティンジェ

ンシーとして6”坑掘

削の選択肢を持たせ

る計画が石油ガス開

発では一般的

(28)

設計荷重 想定する負荷の種類

内圧と圧潰:内圧と外圧の差圧を負荷とする

内圧負荷で想定する状況

ドライガスシャットイン

キック(坑内侵入流体)の排出

チュービングトップリーク

圧潰負荷で想定する状況

逸泥

セメンチング

ドリルステムテスト

生産時全量逸泥

引張り(圧縮):軸方向の引張り荷重を負荷とする。

曲げ負荷も引張りの一部と考える。

(29)

基本的な考え方

各ケーシングが遭遇する最悪状況での負荷を計算し、それ

に十分耐えうる管種を決定論的に選択する。

ケーシング強度はカタログ値を用いる。

内圧、圧潰、引張りはそれぞれ独立に考える(

一軸設計

)。

ただし、引張りが作用したときの圧潰耐力の減少のみ考慮

する(

二軸補正

)。

CSG外側からの圧潰 負荷 CSG内側からの CSGの重さおよび曲げ による縦方向の引張 負荷 (曲げによって伸ばさ れる側は引張り負荷が 掛かる)

(30)

一軸設計と二軸補正

引張り 圧縮 圧潰 内圧 軸力が作用することによる圧 潰耐力の減少を考慮 引張強度の30% の引張りが掛か ると圧潰強度は 80%に低下 30 80 (使用限界-安全率考慮) 強度(2軸補正) 30 3軸強度

(31)

内圧負荷の例(ドライガスシャットイン)

TVD:3,000m 地層圧:475 ksc 坑内がすべてガスで 置換された場合に ケーシングに作用す る負荷は? 左の例では、 ガス比重を0.30SGと した場合、地表では 385kscの内圧負荷が 作用する。 385 ksc

(32)

内圧設計ードライガスシャットイン(イメージ)

内圧からケーシング

の外側にある流体の

水頭圧を差し引いた

ものが、内圧負荷と

なる。

深度

圧力

CSG外側の 流体の圧力 CSG内側の 流体の圧力 ドライガス シャットイン 設計内圧負荷 選択する ケーシングの 内圧強度 32

(33)

圧潰負荷の例(逸泥)

逸泥が生じ、坑内泥 水の水頭が低下。 左の例で、垂直深度 2,000mまで水頭が 下がり、アニュラス 部の泥水比重が 1.50sgとすると、同 深度で、300kscの CSG圧潰負荷が作用 する。 TVD:2,000m 300 ksc

(34)

圧潰設計-逸泥(イメージ)

ケーシングの外側に

ある流体の水頭圧か

ら、内側の圧力を差

し引いたものが、圧

潰負荷となる。

深度

圧力

CSG外側の 流体の圧力 CSG内側の 流体の圧力 逸泥発生時 圧潰負荷 選択する ケーシングの 圧潰強度 34

(35)

ケーシングの管種

・ケーシンググレード 材質により分類、主なものは以下の通り J-55, K-55, N-80, L-80, C-90, P-110, Q-125 ・重量 API規格の呼び重量がつけられている ・寸法 長さ:R-1(6m), R-2(9m), R-3(12m)がある ドリフト径:管内に内通し可能な円筒物の径 ・ネジ(コネクション) API規格ではLTC, STC, BTCがあり、この他にプレミアムコネク ションがある LTC / STC: 丸山ネジで1インチあたり8つの山が切ってある BTC: 角ネジで1インチあたり5つの山が切ってある Premium Conn.: 大きなテンション・内圧・ベンディングストレス に耐えることができ、シール性に優れている 肉厚・材質・継ぎ手など個々の坑井条件に適するものを選択して使用する。 35

(36)

2重管間隙にトラップされた泥水の温度膨張による圧潰負荷

(地熱井特有)

水の体積膨張率(1x10

-3

/℃ @約20ksc)

20℃

50℃

100℃

120℃

150℃

0.207 0.457 0.751 0.856 1.030

水の体積弾性係数:約2000MPa(温度圧力による変動は大きくない)

• 温度上昇による圧力上昇試算 50℃⇒120℃ 体積膨張率を0.66x10-3(1/℃ :荷重平均) と仮定すると、 ΔP=体積膨張率xΔTx体積弾性係数 =0.66x10-3x70x 2000MPa =92.4MPa≒940ksc 温度が 50⇒120℃ に増加する と圧潰負荷 が940ksc 増加する 13-3/8”&9-5/8”CSG

(37)

9-5/8”CSG 強度(圧潰vs内圧)

赤字:高圧潰グレード 高圧潰グレードの肉厚CSGでも 圧潰強度は最大で800+ksc程度 トラップされた泥水の温度が 50⇒120℃に上昇し圧潰負荷が 940ksc増加すると破壊する。 内圧強度 [k sc ]

(38)

ケーシングの設計係数(例)

負荷の種類

設計係数

内圧

1.10

圧潰

1.10

引張り

(CSG)

1.75

引張り

(TBG)

1.60

-38-

(39)

材料選択に留意が必要な腐食環境

腐食環境

分圧

炭酸ガス腐食

API Spec. 6A

7psi

以上

応力腐食割れ

NACE MR0175

H2S

0.05psi

以上

(40)

高圧ガス層 遮水性の確保 Ppore < Pfrac Ppore Pfrac 高圧ガス層 遮水性の確保不能 Pfrac < Ppore Pfrac Ppore 遮水性 遮水 不完全 ガス 比重 勾配

4.セメンチング

ケーシングセメンチングの目的ー

地層間の導通遮断

(41)

スペーサー ② ④ ① スペーサー送入、ボトムプラグ投下、セメントスラリー送入 ② ボトムプラグがフロートカラーに到達、ボトムプラグからセメントスラリー排出開始 ③ 計画量のセメントスラリーが送入し終わったらトッププラグを投下、泥水で後押し ④ トッププラグがボトムプラグに到達し、圧力が上がりセメンチング終了 ※セメントで遮断したい層が複数ある場合、複数回に分けてセメンチングを行うことを ① ケーシング 泥水 ボトム プラグ 地層 セメント ステージセメンチング ③ トップ プラグ

ケーシングセメンチング模式図

(42)

42

セメンチングに使用する坑内機器(例)

スクラッチャー セントラライザー 逆止弁 フロートカ ラー フロート シュー セメントバスケッ ト バイパスプラ グ シャットオフプラグ ステージセメン ター オープニン グプラグ クロージン グプラグ 出典:Halliburton

(43)

セメントのケミストリー

セメントの化学組成

(C3A) Tricalcium aluminateCaO とAl2O3の化合物早期の圧縮強度発現硫酸に対し解けやすい。(C3S) Tricalcium silicateCaO to SiO2の化合物セメントの主要構成物(C2S) Dicalcium silicateCaO とSiO2の化合物最終強度に影響

(C4AF) Tetracalcium aluminoferriteCaO, Al2O3とFe2O3の化合物圧縮強度に影響 他:石膏、石灰、酸化マグネシウム、ア ルカリ硫酸塩 出典:Dowell Schlumberger Cementing Technology

(44)

セメントの水和反応

C3Aと石膏が水と反応して化合 物ETTRINGITEを生ずる ファイバー状のETTRINGITEの増加 は粘性を増加C3Sは水和してCSH皮膜を生成 CSH=Calcium Silicate Hydrates

珪酸カルシウム水和物 CSH生成時初期の発熱反応水和が進み水酸化カルシウムが 生成=2度目の放熱反応のピーク からセメントがセットし始める 養生温度が高いと早 く硬化する 出典:Dowell Schlumberger Cementing Technology

(45)

APIセメントの組成

典型的なAPIセメントの組成 % クラス A B C(早期圧縮 強度) E G 53 47 58 26 50 24 32 16 54 30 8(+) 5(-) 8 2 5 8 12 8 12 12 C3S C2S C3A C4AF •日本国内で使用されるのは以下: クラスA(ポルトランドセメント) 温度:76℃まで クラスG 温度:93℃まで 地熱井用セメント クラスGで対応できない高温環境

(46)

地熱井用セメント(GWC)について

セメントは常温下では水和反応の進行に伴い強度増加

但し、230F(110℃)に達すると数週間強度増加、その後減衰。

高温下における強度減衰の要因

・化学反応 :

CSH=ケイ酸カルシウム水和物が多孔質のAlpha-Dicalcium Silicate Hydrate(珪酸二カルシウム(2CaO/SiO2))に変化

脱水

シリカフラワー(高温安定剤)を30 ~ 40%添加すると

Alpha-Dicalcium Silicate Hydrateの生成を防止

その代わり、Xonotliteを生成。(高強度、低空隙率)

GWC:クラスGセメントにシリカフラワーを35%(BWOC)配合

*添加剤の濃度はBWOC(by weight of cement)で表されることが多いの

(47)

初期スラリーデザイン 推定データ マッドロギング 地層圧力 地層破壊強度 ラボテスト コンピューターデザイン セントラライザースペーシング スラリー量 スペーサーデザイン ポンプレート ワイヤラインロギング/LWD 坑底温度 坑内容量 地層圧力 坑内方位傾斜 セメンチングジョブ

セメンチング計画策定の流れ

地層とCSGの間隙をセ メントで置換するのは簡 単でない。セントラライ ザーでスタンドオフを確 保したり、スペーサーを 用いたり工夫が必要。 温度上昇によるケーシングの伸び: ΔL=12x10 x L x ΔT[℃] 地熱井では温度変化によ るケーシングの伸縮をセ メントで抑制するのが一 般的。2重管区間に泥水が トラップされないような セメンチング区間の設定 が重要。

(48)

セメントスラリー試験

要求される特性と試験シックニングタイム (例:40Bc,50Bc,70Bc) セメントが流動性を失うまでの時間粘性プラスチックヴィスコシチー(PV)イールドポイント(YP)比重脱水差圧1000psi,30分における脱水量遊離水圧縮強度 影響する要因 • セメントの種類 • 水比 • 添加剤 • 温度 • 圧力 • 水の性質

(49)

セメンチングのスラリーデザイン

セメンチング区間、アニュラス間隙容量⇒スラリー量 地層圧のコントロール ⇒スラリー比重 地層温度、高圧ガス層等の有無 ⇒スラリー種類 必要なスラリー量をミキシングし、坑内に送る時間(ポンピング時間)を 計算、その間セメントが流動性を保つようThickening Time(TT)を調整す る。TT試験の40Bcに達する時間が、ポンピング時間より大きい(最低でも +1時間)ようにスラリーを調整する。ポンピングを中断した場合には、 ラボ試験のTTより早くスラリーは流動性を失うので注意が必要。 実際にミキシングに使用する溶解水を用い、事前にラボ試験を行っておく ことが重要。

(50)

Thickening Time

(TT)ラボ試験例

• 青色ラインがコンシステン シー(Bc)の経時変化 • 想定する地下の温度、圧力 条件下で回転するパドルに 掛る抵抗を測定。 40Bcに達する時間をポンプ 可能な時間(TT)とするのが 一般的。 温度はTTに大きな影響を与え るので、地下の循環温度の設 定が非常に重要。 TT:4:29(40Bc) 圧力(psi) スラリー温度(℉) コンシステンシー(Bc)

(51)

ボンディング評価7”Liner

CBL(Cement Bond Log)の例

生産層上層 生産層下層

仕上げ後、パーフォレーショ

ン孔から坑内にビハインド

CSGの泥水が流入

排泥時に8.6KLの泥水回収

(パッカー下泥水量の約8倍)

⇒CBLでの判断は難しい

場合あり

コミュニケーションテスト

実施の是非?

PKR PKR

(52)

ボンディングの評価

リークオフテスト手法を用いたシューボンド評価

リークオフポイントAまで加圧せず、 圧力の立ち上がり勾配でシュー周り にセメントが在るか判断可能

(53)

ポンプレートを大きくしてもケーシング加圧テストラインより大

きく勾配が傾いている場合は、大きなチャネルが存在する可能性

が高い

チャネルなし

(54)

5.傾斜掘り

キックオフポイント (KOP) 偏距 増角率 (deg/30m, deg/100ft) 垂直深度 TVD 沿角区間 増角区間 水平区間 垂直区間 増角区間 地上 地下 増角区間 Long Radius:2-6度/30m程度 Medium Radius:6-50度/30m程度まで Short Radius:それ以上

傾斜掘り、水平掘りの用語

(55)

傾斜掘り計画の策定

ターゲットと坑口位置が決定したら、プロファイルを決定する

KOP、増角率、減角率、沿角区間を設定する

*増角区間は掘進率の良いところに設定

但し未固結の砂礫層はあまり好ましくない

*KOP、増角率、減角率、沿角区間の組み合わせを変えると

傾斜掘り計画は無数に作成可能

*大深度の大偏距井の場合は浅部の増角率が小さいほどトルクとド

ラッグが小さくなる。

*ターゲットは点でなく、範囲で設定する。⇒掘進中の不必要な方

位・傾斜の修正を回避することで屈曲(tortuosity)の小さい坑井を

掘削することが可能になる。

(56)

方位基準の北

Grid North(地図の北)

Magnetic North(磁北)

True North(真北)

北偏差 Magnetic Declination 磁北の真北からのズレ グリッド偏角Grid Convergence Grid Northの真北からのズレ

測定深度・傾斜・方位・測定データ

とともに、方位基準の北を記録して

おくことが重要

MWDやシングルショットは磁北を基 準に測定される。磁北は年が経つと 変動する。隣接井との衝突の危惧が ある場合は、北の基準や座標軸を確 認し、必要であれば変換して、計画 を策定する。 56

(57)

傾斜測定に関係する誤差

傾斜測定結果には様々な要因

による誤差が含まれる。

測定ポイント 計算上の坑跡 測定点における真の 坑跡の存在範囲 測定深度、測定器と坑井のアライ ンメントのズレ、測定機器の精度 により誤差が生じる。傾斜と方位 でも精度に差がある。火成岩中の 測定では磁気を帯びた鉱物を多く 含むため、磁気干渉を受け方位測 定の精度が低下することが多い。 ⇒坑井が真に存在する範囲は左の ような”不確定性楕円”で示すこと ができる。

(58)

傾斜掘りの基本原理

泥水

回転

メ-カーカタログよ

ステアラブルモーター編成を用いた例

ベンドを有する掘進編成を一定方位

に指向して掘削すると緩やかに屈曲

した坑井が出来上がる。

ストリング

を回転すると真っ直ぐに掘進する

58

(59)

典型的なダウンホールモーター

ベント

スタビライザー

High Side Low Side TOOL FACE Angle

(60)

主な傾斜・方位の測定方法

-MWD(Measurement While Drilling)

• マッドモーター上に接続したセンサーが傾斜・方 位等を測定

• データは泥水を介した圧力パルス、あるいは電 磁波を用いリアルタイムに地表伝送

• 方位・傾斜に加えて、地層評価データを伝送する 技術もある -LWD (Logging While Drilling)

マッドモーター

MWD・LWD

(61)

ダウンホールモーターを使った編成

L

2

L

1

α

ビット、ベント部、

モーター上のスタビの

配置でスライディング

での曲がり方がだいた

い決まる。

ビット

(62)

定性的には・・・

ベント角を大きくするほど、角度変化傾向が大

きくなる。

L1、L2を短くするほど、角度変化傾向が大きく

なる。

モーター上のスタビのサイズが小さいほど、角

度変化傾向が大きくなる。

ただし、地層の影響は小さくないので、周辺坑

井での実績が重要になる

⇒掘り進みたい方向にビットを指向しても、

地層のアップディップ側に曲がったりする。

(63)

17-1/2”坑スライディングの計算例

WELLPLAN®(表記のないDCは9-5/8”OD)

0.75° -2 -2

-2

-2

1.50°

0.75°

-2

-8 0.75° -2 -2 8" 0.75°

-2

-2 0.75°

-2

2,734

5,919

3,325

1,490

1,678

3,035

サイド

フォース

マイナス数 字はスタビ の17-1/2” からのアン ダーゲージ (x1/16”) サイド フォースが 大きいほど、 大きく曲が る

(64)

ウィージャボードを使ったTool Faceの向き設定方法

傾斜3度⇒5度に増角

20度方位転換を行う

場合

⇒TooL Faceを

ハイサイドから

45度に設置

下側目盛りに現在の傾斜角をとり、そこを中心に方位転換後の傾斜角5の半径で、 方位転換角Δε20度の円弧を想定。円弧の終点βと中心ゼロを結んだ線が外周と ぶつかるところの目盛がハイサイドからのTool Faceの設定位置。 同心円内の中心からβまでの長さが総角度変化を示す。

(65)

ウィージャボードを使ったTool Faceの向き設定方法

傾斜3度⇒5度に増角

20度方位転換を行う

場合

⇒TooL Faceを

ハイサイドから

45度に設置

演習問題:現在1200mを掘進中(ビット位置で傾斜6度、方位MN20

度と推定)、傾斜6度のまま方位をMN80度まで転換したい。

TOOL FACEの向きはハイサイドから何度に設定すればよいか?

(66)

通常のロータリーBHAの挙動

スタビライザーの配置、掘削パラメータ等に

よって、ビットのサイドフォースを変化させ

ある程度増角や減角をコントロールできる。

BHAの(変形)挙動は「はり理論」の応用に

よって求められる。

地層の影響は無視できないほど大きい。

方位のコントロールは基本的にできない。

(67)

沿角編成(基本)

DCがなるべくたわまないようにスタビ

ライザーを配置する。

スタビライザーはフルゲージが基本。

9m長さの ドリルカラー スタビライザー

(68)

増角編成

ニアスタビとNo.2スタビの間隔を広げる

と、増角編成となる。

(69)

減角編成

No.1スタビライザーをビットから離す

(70)

WELLPLAN®での計算例

960 1,437 -199 -177 236 246 1 -1,083 -1,018 -604 5 7 2 8 4 9 6 3 UG UG 8"DC

サイド

フォース

17-1/2”坑、傾斜30°、WOB = 10ton

サイド フォース +が増角 -が減角 -70-

(71)

TAD(Torque & Drag)

トルク&ドラッグ

はドリルストリン

グと坑壁との摩擦

によって生じる。

引張りが大きくド

グレグが大きいほ

どトルクとドラッ

グは大きくなる。

ドグレグ:

坑井の急激な曲がり

DLS(Dogleg Severity)

掘削長30m当たりの坑

心変化角度で程度を表

現する。

(72)

疲労破壊-S-N Curve

Endurance

Limit以下のス

トレスであれば

疲労は蓄積しな

い。

DLSが大きほど

曲げ応力は大き

くなる。

参照

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