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地熱井用セメント(GWC)について

セメントは常温下では水和反応の進行に伴い強度増加

但し、230F(110℃)に達すると数週間強度増加、その後減衰。

高温下における強度減衰の要因

・化学反応 :CSH=ケイ酸カルシウム水和物が多孔質のAlpha-Dicalcium Silicate Hydrate(珪酸二カルシウム(2CaO/SiO2))に変化

脱水

シリカフラワー(高温安定剤)を30 ~ 40%添加すると

Alpha-Dicalcium Silicate Hydrateの生成を防止

その代わり、Xonotliteを生成。(高強度、低空隙率)

初期スラリーデザイン 推定データ

マッドロギング

地層圧力 地層破壊強度

ラボテスト

コンピューターデザイン

セントラライザースペーシング

スラリー量

スペーサーデザイン ポンプレート

ワイヤラインロギング/LWD 坑底温度

坑内容量 地層圧力 坑内方位傾斜

セメンチングジョブ

セメンチング計画策定の流れ

地層とCSGの間隙をセ メントで置換するのは簡 単でない。セントラライ ザーでスタンドオフを確 保したり、スペーサーを 用いたり工夫が必要。

温度上昇によるケーシングの伸び:

ΔL=12x10 x L x ΔT[℃]

地熱井では温度変化によ るケーシングの伸縮をセ メントで抑制するのが一 般的。2重管区間に泥水が トラップされないような セメンチング区間の設定 が重要。

セメントスラリー試験

要求される特性と試験

シックニングタイム

(例:40Bc,50Bc,70Bc)

セメントが流動性を失うまでの時間

粘性

プラスチックヴィスコシチー(PV)

イールドポイント(YP)

比重

脱水

差圧1000psi,30分における脱水量

遊離水

圧縮強度

影響する要因

セメントの種類

水比

添加剤

温度

圧力

水の性質

セメンチングのスラリーデザイン

セメンチング区間、アニュラス間隙容量⇒スラリー量 地層圧のコントロール ⇒スラリー比重 地層温度、高圧ガス層等の有無 ⇒スラリー種類

必要なスラリー量をミキシングし、坑内に送る時間(ポンピング時間)を 計算、その間セメントが流動性を保つようThickening Time(TT)を調整す る。TT試験の40Bcに達する時間が、ポンピング時間より大きい(最低でも

+1時間)ようにスラリーを調整する。ポンピングを中断した場合には、

ラボ試験のTTより早くスラリーは流動性を失うので注意が必要。

実際にミキシングに使用する溶解水を用い、事前にラボ試験を行っておく ことが重要。

Thickening Time (TT)ラボ試験例

青色ラインがコンシステン シー(Bc)の経時変化

想定する地下の温度、圧力 条件下で回転するパドルに 掛る抵抗を測定。

40Bcに達する時間をポンプ 可能な時間(TT)とするのが 一般的。

温度はTTに大きな影響を与え るので、地下の循環温度の設 定が非常に重要。

TT:4:29(40Bc)

圧力(psi)

スラリー温度(℉)

コンシステンシー(Bc)

ボンディング評価7”Liner

CBL(Cement Bond Log)の例

生産層上層

生産層下層

仕上げ後、パーフォレーショ ン孔から坑内にビハインド

CSG

の泥水が流入

排泥時に

8.6KL

の泥水回収

(パッカー下泥水量の約

8

倍)

⇒ CBL

での判断は難しい 場合あり

コミュニケーションテスト 実施の是非?

PKR

PKR

ボンディングの評価

リークオフテスト手法を用いたシューボンド評価

リークオフポイントAまで加圧せず、

圧力の立ち上がり勾配でシュー周り にセメントが在るか判断可能

ポンプレートを大きくしてもケーシング加圧テストラインより大 きく勾配が傾いている場合は、大きなチャネルが存在する可能性 が高い

チャネルなし

チャネルあり

5.傾斜掘り

キックオフポイント (KOP)

偏距

増角率deg/30m, deg/100ft) 垂直深度

TVD

沿角区間 増角区間

水平区間 垂直区間

増角区間 地上

地下

増角区間

Long Radius:2-6度/30m程度

Medium Radius:6-50度/30m程度まで Short Radius:それ以上

傾斜掘り、水平掘りの用語

傾斜掘り計画の策定

ターゲットと坑口位置が決定したら、プロファイルを決定する

KOP、増角率、減角率、沿角区間を設定する

*増角区間は掘進率の良いところに設定

但し未固結の砂礫層はあまり好ましくない

*KOP、増角率、減角率、沿角区間の組み合わせを変えると 傾斜掘り計画は無数に作成可能

*大深度の大偏距井の場合は浅部の増角率が小さいほどトルクとド ラッグが小さくなる。

*ターゲットは点でなく、範囲で設定する。⇒掘進中の不必要な方 位・傾斜の修正を回避することで屈曲(tortuosity)の小さい坑井を 掘削することが可能になる。

方位基準の北

 Grid North(地図の北)

 Magnetic North(磁北)

 True North(真北)

北偏差 Magnetic Declination 磁北の真北からのズレ

グリッド偏角Grid Convergence Grid Northの真北からのズレ

測定深度・傾斜・方位・測定データ とともに、方位基準の北を記録して おくことが重要

MWDやシングルショットは磁北を基 準に測定される。磁北は年が経つと 変動する。隣接井との衝突の危惧が ある場合は、北の基準や座標軸を確 認し、必要であれば変換して、計画 を策定する。

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傾斜測定に関係する誤差

傾斜測定結果には様々な要因 による誤差が含まれる。

測定ポイント

計算上の坑跡 測定点における真の

坑跡の存在範囲

測定深度、測定器と坑井のアライ ンメントのズレ、測定機器の精度 により誤差が生じる。傾斜と方位 でも精度に差がある。火成岩中の 測定では磁気を帯びた鉱物を多く 含むため、磁気干渉を受け方位測 定の精度が低下することが多い。

⇒坑井が真に存在する範囲は左の ような”不確定性楕円”で示すこと ができる。

傾斜掘りの基本原理

泥水

回転

メ-カーカタログよ

ステアラブルモーター編成を用いた例 ベンドを有する掘進編成を一定方位 に指向して掘削すると緩やかに屈曲 した坑井が出来上がる。ストリング を回転すると真っ直ぐに掘進する。

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典型的なダウンホールモーター

ベント スタビライザー

High Side

Low Side

TOOL FACE Angle

主な傾斜・方位の測定方法

-MWD(Measurement While Drilling)

マッドモーター上に接続したセンサーが傾斜・方 位等を測定

データは泥水を介した圧力パルス、あるいは電 磁波を用いリアルタイムに地表伝送

方位・傾斜に加えて、地層評価データを伝送する 技術もある -LWD (Logging While Drilling)

マッドモーター

MWDLWD

ビット

ダウンホールモーターを使った編成

L

2

L

1

α

ビット、ベント部、

モーター上のスタビの 配置でスライディング での曲がり方がだいた い決まる。

ビット

定性的には・・・

 ベント角を大きくするほど、角度変化傾向が大 きくなる。

 L1、L2を短くするほど、角度変化傾向が大きく なる。

 モーター上のスタビのサイズが小さいほど、角 度変化傾向が大きくなる。

ただし、地層の影響は小さくないので、周辺坑 井での実績が重要になる。

⇒掘り進みたい方向にビットを指向しても、

地層のアップディップ側に曲がったりする。

17-1/2”坑スライディングの計算例

WELLPLAN®(表記のないDCは9-5/8”OD)

0.75°

-2

-2

-2

1.50° -2

0.75°

-2

-8

0.75°

-2

-2 8"

0.75°

-2

-2

0.75°

-2

2,734 5,919 3,325 1,490 1,678 3,035

サイドフォース

マイナス数 字はスタビ の17-1/2”

からのアン ダーゲージ

(x1/16”)

サイドフォースが 大きいほど、

大きく曲が

ウィージャボードを使ったTool Faceの向き設定方法

傾斜3度⇒5度に増角

• 20度方位転換を行う

⇒TooL場合

Faceを

ハイサイドから

45度に設置

下側目盛りに現在の傾斜角をとり、そこを中心に方位転換後の傾斜角5の半径で、

方位転換角Δε20度の円弧を想定。円弧の終点βと中心ゼロを結んだ線が外周と ぶつかるところの目盛がハイサイドからのTool Faceの設定位置。

同心円内の中心からβまでの長さが総角度変化を示す。

ウィージャボードを使ったTool Faceの向き設定方法

傾斜3度⇒5度に増角

• 20度方位転換を行う

⇒TooL場合

Faceを

ハイサイドから

45度に設置

演習問題:現在1200mを掘進中(ビット位置で傾斜6度、方位MN20 度と推定)、傾斜6度のまま方位をMN80度まで転換したい。

TOOL

FACEの向きはハイサイドから何度に設定すればよいか?

通常のロータリーBHAの挙動

スタビライザーの配置、掘削パラメータ等に よって、ビットのサイドフォースを変化させ ある程度増角や減角をコントロールできる。

 BHAの(変形)挙動は「はり理論」の応用に

よって求められる。

地層の影響は無視できないほど大きい。

方位のコントロールは基本的にできない。

沿角編成(基本)

 DCがなるべくたわまないようにスタビ

ライザーを配置する。

 スタビライザーはフルゲージが基本。

9m長さの

ドリルカラー スタビライザー

増角編成

 ニアスタビとNo.2スタビの間隔を広げる と、増角編成となる。

 スタビライザーはフルゲージが基本。

減角編成

 No.1スタビライザーをビットから離す

と減角傾向となる。

WELLPLAN ® での計算例

960 1,437

-199 -177 236 246

1 -1,083

-1,018 -604

5 7 2 8

4 9 6 3

UG

UG

8"DC

サイド フォース

17-1/2” 坑、傾斜 30 °、 WOB = 10ton

サイドフォース

+が増角-が減角

-70-

TAD(Torque & Drag)

トルク&ドラッグ はドリルストリン グと坑壁との摩擦 によって生じる。

引張りが大きくド グレグが大きいほ どトルクとドラッ グは大きくなる。

ドグレグ:

坑井の急激な曲がり

DLS(Dogleg Severity) 掘削長30m当たりの坑 心変化角度で程度を表 現する。

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