地球環境政策と環境法における問題点(2)
著者名(日)
浅野 裕司
雑誌名
東洋法学
巻
38
号
2
ページ
69-88
発行年
1995-03-10
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00000528/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja地球環境政策と環境法における間題点⇔
浅
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目 次六五四三二一
地球環境保全政策と共生︵以上前号︶ 環境保全に対する貢献と環境税 環境基本法の概要と問題点 差止請求と環境権 企業における環境管理責任と環境監査 廃棄物処理と有料化・再資源化問題 続稿に際して 気候変動枠組み条約では、﹁二〇〇〇年の二酸化炭素︵CO︶の総排出量を九〇年レベルに戻すこと﹂を約束した が、わが国の国連への報告書は省エネ対策をしても九〇年度より三ニパーセント増えると予測している。今後は一 東 洋 法 学 六九地球環境政策と環境法における問題点⇔ 七〇 層の努力が必要としているものの、二〇〇〇年度の予測内に抑えることは厳しい情勢となった。一九九五年三月、ベ ルリンで第一回締約国会議が開かれるが、同会議迄に報告書を提出するのは先進二六力国である。一九九四年八月末 に五力国が提出しており、二〇〇〇年のCOの総排出量の予測は、英国が横ばい、カナダが約一〇パーセント増、デ ンマークが約八パーセント減となっているとされている。わが国の場合、当面の対策をもとに予測した数字であり、 直ちに条約違反とはいえない。産業部門からの排出に比し、家庭からの排出が増えているのは、大型家電製品がバブ ル期に大量に普及したことも要因となっている。今後、こうした問題に関係して、企業の環境管理責任と廃棄物処理 があり、一般市民のゴミ処理の有料化とリサイクルによる再資源活用の問題がある。CO対策の有効な手段として北 欧諸国が導入している炭素税や環境に悪影響を与える物質を出す企業から、排出量に見合う税金をとる環境税も早期 に実施しなければならない。経済的手段としての排出権の売買問題や環境権の議論を深める必要がある。 二 環境保全に対する貢献と環境税 国薯嘗目ヨ①旨↓輿︵環境税︶は、多様で具体的内容及び範囲は必ずしも明確ではないが、特に工業先進国が地球環 境汚染物質の発生源の企業等に課税し、その税収の全部ないし一部を国連や世界銀行等の国際機関に設ける特別環境 基金に拠出するものである。そして開発途上国に、これらの税収を還流することにより地球環境保全に役立たせる目 的を有している。環境税導入問題は、利用者負担原則問題と同様に、国際問題になっているが、環境に悪影響を与え る行為に対し課税すれば、納税者は税金の支払いを減少させようとして、環境悪化の行為に歯止めが掛かり、その結
果、良好な環境が守られるとする単純な発想である。汚染物質の使用を禁止ないし制限を設けたりする直接規制の方 法が効果は確実ではあるが、企業や消費者が﹁環境汚染すればコストが高くつく﹂ことを切実に感じ、自主的に環境 ︵−︶ 対策を考える効果が期待できるというものである。前述したように地球環境悪化の問題といってもオゾン層の破壊、 酸性雨︵碧こお包による森林破壊、地球の砂漢化、地球の温暖化等、様々な問題が含まれており、その対策は容易 ︵2︶ ではない。エネルギi政策が絡む地球温暖化対策は、最も解決の困難な課題である。地球の温暖化︵ひq一〇σ巴≦e邑鑛︶ や温室効果︵讐8昌○諾Φ駄89︶問題は、そのメカニズムや影響の程度に不透明な部分があるが、主な原因は化石燃 料︵8ω巴甘①芭の大量消費に基づく二酸化炭素︵CO︶に起因するものと考えられている。そうしたことから、一 九八八年六月、カナダ政府が主催して地球変動に関する国際会議が開かれ、その声明は﹁先進国の化石燃料への賦課 を財源にする基金の設立が必要﹂とし、ここに初めて環境税の導入を提言した。これを契機に、一九九〇年一月、フ インランドが実施したのを皮切りに、オランダ、スウェーデン、ノルウェーの四力国がCO税を導入した。いずれも 炭素含有量やCO排出量に応じて排出源に税負担を定めたものである。産業界からの反対が起きたが、増減税同額で 実施した。環境税には、本来二つの目的がある。一つは環境汚染源抑制効果の狙いであり、もう一つは、環境対策の ︵3︶ 財源を調達しようとする役割を期待するものである。 環境税の導入例は、一九九〇年一月、フィンランドでは、化石燃料に課す﹁炭素関連税﹂として石炭、重油、軽油、 天然ガス、泥炭︵自動車燃料のガソリン、軽油は別に燃料税︶を対象に、税率︵排出量中の炭素一トン当たり七フィ ンランド・マルク︶約八百円となっている。課税べースは、ガソリン及びディーゼル・オイルを除き、燃料中の炭素 東 洋 法 学 七一
地球環境政策と環境法における問題点口 七二 含有量である。また、同時に他の汚染物質も考慮するため、輸送燃料に対する環境税も導入された。これらの炭素関 連税は、実質的には炭素税よりも大きく、これらの特定の燃料に関連する大きな環境外部性を暗に認識している。例 えば、有鉛ガソリンに課す﹄九九〇年環境破壊税﹂は、一リットル当たり○・二七フィンランド・マルクであるが、 このうち、炭素税分は、フィンランド・マルク○・〇二に過ぎない。一九九三年一月に一般的な税率の引上げが実施 され、炭素税の税率はCO一トン当たり七フィンランド・マルクから一四フィンランド・マルクと倍増した。他のエ ネルギー税、特に輸送燃料に対する税も引き上げられた。フィンランドにおける石油製品に対するエネルギー税は、 個別消費税、環境破壊税、予防備蓄料金、石油汚染料金から構成されている。環境破壊税︵炭素税を除く︶は、輸送 燃料のみに課されるのに対して、個別消費税、予防備蓄料金、石油汚染料金は、全ての石油製品に課される。後者は、 緊急備蓄の資金調達のため特定財源化されるものであり、石油の流出による汚染浄化のための基金となる。一九九三 年に燃料税に加え、電力に対する新しい個別消費税が導入された。炭素関連税と新電気税を組み合わせて実施するこ 2 ︵4︶ とにより、ECによるCO・エネルギi税の最近の提案に類する政策を実際に導入している。 オランダは、一九八○年末に環境政策に関する優先順位の見直しが行われた。一九八九年に国家環境計画︵ロ魯9巴 窪<一﹃自B9鼠一8一一身℃一碧“NEPP︶が策定され、統合的な汚染規制の機構について基盤作成がなされた。一九九四 年には、富栄養化、廃棄物処理、立法化が最も緊急を要する政策上の課題とされている。オランダでは、一九八八年 以来、燃料の消費に環境課徴金が課されてきた。一九九〇年迄は、これらの課徴金は、燃料中のCOの量によってい た。一九九二年七月、エネルギー・CO税が施行された。エネルギー集約産業に対して若干の非課税措置が設けられ
ている。この税は燃料に対する環境課徴金を置き換えたものである。本税による収入は、特定財源化せず、完全に一 般財源となる。オランダでは、自動車燃料税を引き上げ、同時に自動車に対する年間の道路税を低減する提案につい ︵5V ても、広く議論が進められている。自動車燃料についての炭素関連税は、既存の自動車燃料税に小幅に追加され、ス ウェーデンやノルウェーにおける炭素関連税の一〇倍以上の水準になり、この税は厳密に収入調達手段であり、その 税収︵年一億五千万ギルダー︶は、政府の環境投資に充てられる。税は、化石燃料のCO排出要因に基づき、製造ま たは輸入時に適用される。 エネルギーに対する環境税は、主に収入を上げる目的の課税であり、環境汚染削減により行動様式の変化を求める ものではない。環境上の特性に応じ、燃料に体系的課税をするのは現代的思考であって、炭素税やエネルギー源への 他の環境税については、多数の国で議論がなされてきているが、環境の観点から体系的な構造を有する何らかのエネ ルギー税を導入した国は、僅かであり、デンマーク、フィンランド、オランダ、ノルウェi、スウェーデンの五力国 が炭素税を導入している。フィンランドとオランダでは、この税の税収は他のエネルギi関連税に比べて小さく、そ ︵6︶ 2 の主要な目的は、環境目的の収入を上げることである。COの排出を抑制するために化石燃料に課せられる税には、 エネルギー税、炭素税、CO税の様に種々な呼称がある。 ︵7︶ 環境税は、環境に最大の負担を掛けていると一般的に認められている要素に対して賦課されなければならない。ま た、歳入中立性から国家の追加的活動に資金供与する手段であってはならないとする。環境税は、新税の導入や既存 の税の修正により、環境政策として大きな機能を果たす可能性がある一方、既存の税の歪みを是正することにより税
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地球環境政策と環境法における問題点口 七四 制の改善及び経済効率の向上ももたらすと考えられる。環境税も問接税であり、ほとんどの間接税は、社会的弱者に 相対的に厳しい打撃を与えはするけれども、付加価値税を削減して、その改革を財政中立的にする限り社会的分配面 での影響は少ないと考えられる。租税の本来の目的は、財政収入を生み出すことであり、環境税はそれに加えて誘導 ︵8︶ 的目的をもつが、その導入は徐々にしなければならない。コスト構造の変化は、家計、企業経営、技術、インフラス トラクチャの適応力に対応させなければならない。グローバルな視点が必要な地球環境の汚染対策には、市場メカニ ズムを活用した経済的手段がより有効と考えられ、環境税は最も有力な政策手段であることにかわりはない。しかし、 ︵9︶ 環境税は、環境問題の唯一の解決策ではなく、通常は環境破壊活動に対する直接規制と共に用いられることになる。 ︵−o︶ 地球環境政策上、環境税は国内的及び国際的な環境問題のより効果的な解決に貢献することが期待される。
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︵3︶ 拙稿﹁地球環境保全と環境税について﹂東洋法学第三六巻第一号。 国ヨωけ⊆旨げ<8≦Φ一N。 。跨溶さ卑血℃。一一爵,穿。一。繋畠Φ肉Φ暑・一凶葵きαRω。毫①=ΦN仁B宣ぼげ巨αΦ旨αR Cヨ薫ΦFω●欝9呂ω凶①ほΦ︾琶濃ρU巽Bωけ区け薫一ω。 D9ω魯緯二一。冨ω8凝①ω亀ω魯緯計一。露. O国OP↓四図餌江o昌四Pα国昌く嘗o旨BΦ旨100ヨロ8富曙℃o一一〇一ΦρH80 。︶○国○り○OBも霞一ωo旨o眺○費び○昌↓鋤×ぎ ωΦ一8什80国OUO・巨鼠8一。鐸留段o﹃α国O巴器ω帥空。冨巳︾。薯Φω臨p↓貰呂98目国暑冒8ヨΦp琶ギo什。o− 広○員ぢプ肉。ω巴冨さOoBo声$国薯旨oづヨ①昌巴閃①ω℃9巴匹一昌冨妻きα零8牙ρ↓箒≦o目江団薯罵oβヨΦ昌 一㊤認∼一8PスウェーデンのO貰げ990嵐号日蝉図︾臼についてはψ国O巴口8卸甲>。ミ霧江昌前掲書一四二頁、 一四三頁。スウェーデンでは、一九九一年一月から二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物を排出する原因となる石油、 石炭、天然ガス、ガソリン等の燃料に課税する総合的な環境税をスタートさせている。例えば炭素税の場合排出量一54
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キログラムにつき、O・一一五クローネ、約五円を基準に石炭や重油、ガソリン等から排出させる量によって税額を徴 収している。勿論、浄化対策等によって排出量を抑えれば、その分、税額が軽減される仕組みである。 ﹁環境と税制﹂OECD著・石弘光訳・環境庁企画調整局計画調査室訳。 オランダでは、環境関連の法律を一本にまとめた﹁環境保護法﹂の立法化が進んでいる。一九八九年二月よりCO の排出に対する課税を実施しており、ガソリン等の燃料税にCO一トン当たり一ギルダー︵約七十円︶を上乗せし、 一年間に一人当たり三百円弱の負担になっている。さらに、燃料税を三〇∼五〇パーセント引き上げ、同時にそれに 見合う分の所得税を減税しようとする炭素税の増税案もある。ρ↓Φ9窪ぎ俸>9即口P↓震讐δ巳昌↓冨ZΦ島R− 一四づα9一㊤8. ﹁環境と税制﹂OECD著・石弘光訳・六七頁以下。 ﹁地球環境政策﹂エルンスト・U・フォン・ワイツゼッカー著・一七八頁。 勺。ω①ぼΦ口ρd日壽一けω。どg営αR国貫・冨一ω畠80①ヨα湧魯鋒﹂8ど国貫8Φき↓畏国きき・・F一8N脳串○。 ωΦ茜Φω魯帥罫ZO置①旨餌瀬。gど9Φ窪9・びΦ属8吾・o犀一8押=国轟Φ一冨益こW琶α①ω1目巨ωω一gωω。ご旨鵬①ωΦ貫 一〇8・ ﹁環境と税制﹂OECD著・石弘光訳、﹁地球環境政策﹂エルンスト・U・フォン・ワイツゼッカー著。 わが国で環境税を考慮する場合は、炭素税を具体的に検討する必要があろう。しかし、新税だけに、課税の目的や 仕組み、既存税との調整等、検討すべき課題は多い。幅広い物価上昇を伴うため、低所得者層の負担が重くなるので、 減税や社会保障支出の増加も検討しなければならない。勿論、炭素税とは別に、国内の省エネや開発途上国への資金 援助を進めるための財源調達にだけ的を絞った環境税の導入も考えられる。従って環境税を考慮する場合、既存の燃 料税体系を基礎に置き、既存税収の一部を環境税の目的から読みかえるのか、あるいは全く新税として環境税を創設 するのかの二者選択がある。両者の組み合わせも考慮されるであろう.炭素税の導入は、石油、電力、鉄鋼、化学業 界等の反対が強い。何にどれだけ使うかも決まらないうちに、税の議論をするのは早急すぎるし、環境税だけが財源 東 洋 法 学 七五地球環境政策と環境法における問題点口 七六 ではないとしている。特に、鉄鋼業界は、省エネでCOを減らしてきている。税でさらに減るか否かも疑問と反発し ている。諸国の例をみても、徴税事務が簡単にできるから、輸入や製造の段階で課税される可能性が強い。理屈の上 では、最終的に製品価格に転嫁し、消費者が負担することにはなっても、直接のコスト増は、産業界が負担すること になる。現状では、石油、石炭、天然ガス等の化石燃料の使用に課税する炭素税を導入する案が最も適当と考えられ るが、硫黄酸化物、窒素酸化物、肥料、殺虫剤、バッテリー、プラスチッタ容器等へ課税するのも、一種の環境税で ある。一般市民団体は、この点も考慮し物価への影響と国民の新しい税負担を気にしている。使途が分からない第二 消費税的な環境税に生活協同組合連合会も反対としている。但し、何のためにどういう使われ方をするのか、単に地 球の使用料等の名目で税金を取るだけならとても納得できない、としながらも地球環境を汚してきた日本の市民とし て費用を負担することは賛成とする良心的な市民もいる。問題は、環境を守る具体策がないまま、金銭だけが先行し ており、税を何に使用するかを全く明らかにできていないのが、日本の現在の立場である。危機に瀕している大気、 海洋、森林は金銭では回復不可能である。現状の政治体制では基金を生み出すために環境を破壊する恐れが十分あり 安易な新税は考えるべきではない。環境税を一般財源として集めるだけでは何も解決しない。 三 環境基本法の概要と問題点 わが国は、地球サミットの一九九二年六月のリオ会議以降、環境基本法の制定に全力が傾注され、平成五年一一月 に成立し施行された。同法は、環境保全の基本理念、国、地方公共団体、事業者、国民といった社会の各主体の役割、 基本的な施策のプログラムを定め、わが国が環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を創っていくことにつ き、新たな取り組みを始めることを内外に宣言している。同法の制定により、二五年以上にわたり公害対策における
基本的な法律として役割を果たしてきた公害対策基本法は廃止されたので、環境基本法は公害対策基本法を発展的に 継承したものといえよう。 地球環境保全について同法は、第二条第二項において、﹁地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態 に係る環境の保全﹂を﹁地球環境保全﹂としている.条文に例示されている地球の温暖化、オゾン層の破壊、海洋汚 染、野性生物の種の減少、海洋汚染のほか、現状として、これから法制化が急がれるものに酸性雨、有害廃棄物の越 境移動、砂漢化、熱帯林及び寒帯林の減少の問題がある。地球環境保全のための施策は、これらの問題が相互に密接 に関連しており、また、経済社会と産業のあり方や生活様式自体を見直さなければならず、地球環境保全の取組みが 一国のみではなしえず、条約・協定等を通じた国際的な連携・協力体制を確保しつつ、効果的、整合的な取組みを推 進することが必要である。 環境基本法は、公害対策基本法を吸収し、自然環境保全法の一部を含む形になっているが、地球環境における課題 に対する政策方針を表明しつつ、基本的対策の枠組みを規定した内容になっていることは前に触れた通りである。従 来のこれらの法律は、環境について、主に事業者が引き起す公害を防止するために汚染物質等を規制することを主眼 とし、また、優れた自然環境を保全することを主眼として制定された。しかし、経済成長や生活様式の変化に伴う環 境汚染問題は、地球全体に影響を及ぼす問題として、環境そのものを総合的に捉え、計画的な施策を講ずることが必 要となった。 環境基本法は、環境に関する分野について国の政策の基本的方向を示す法律であり、第一条の目的に示されている 東 洋 法 学 七七
地球環境政策と環境法における問題点口 七八 如く、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明示すると共に、環境の保全に関する施策の基 本となる事項を定めている。同法の条文には、﹁⋮⋮のために必要な措置を講ずるものとする﹂等、個別の施策の基本 的な方向性を示す規定、いわゆるプログラム規定の多くから成り立っている。三章四六力条から成る同法の概要は次 の通りである. 第一章﹁総則﹂は、目的︵一条︶用語の定義︵二条︶、国と地方公共団体が展開する環境行政の基本理念として﹁環境 の恵沢の享受と継承等﹂︵三条︶、﹁環境への負荷の低減と持続的発展が可能な社会の構築等﹂︵四条︶、﹁国際的協調によ る地球環境保全の積極的推進﹂︵五条︶、また、国・地方公共団体はもとより、社会構成員としての事業者・国民も、基 本理念に沿った行動を求める等︵六条ー九条︶、環境基本法の全体に適用される事項が規定されている。 第二章﹁環境の保全に関する基本的施策﹂は、環境政策の基本的な方向性を示す条文が規定され、﹁施策の策定等に 係る指針﹂︵一四条︶は、環境の保全に関する施策の策定・実施の基本的な方向性を示し、施策の目標と具体策は、﹁環 境基本計画﹂︵一五条︶の策定、﹁環境基準﹂︵一六条︶の設定、﹁公害防止計画﹂︵一七条︶の策定、﹁国の施策の策定等に 当たっての配慮﹂︵一九条︶、﹁環境影響評価の推進﹂︵二〇条︶、﹁環境保全のための規制措置﹂︵一二条∼二二条︶、﹁環境 保全事業の推進﹂︵二三条︶、﹁製品アセスメントとリサイクルの促進﹂︵二四条︶、﹁環境教育﹂︵二五条︶、﹁民間団体の環 境保全活動支援﹂︵二六条︶、﹁公害紛争処理と被害救済措置﹂︵三一条︶となっている。﹁地球環境保全等に関する国際協 力等﹂︵三二条∼三五条︶は、施策の手法別のプログラム規定を設けている。﹁環境保全事業に関する原因者負担と受益 者負担﹂︵三七条∼三八条︶についても規定し、第三章は、﹁環境審議会等﹂︵四一条∼四四条︶につき、環境基本法に基
︵−︶ づいて設置される国の機関等に関し規定している。 こうした規定のうち、注目される諸点について指摘をしてみたい。 ﹁基本理念﹂については、第四条は、行動原理を明らかにし、一九九二年六月の地球サミットで課題となったω島什巴亭 巨Φ号く色8ヨΦ旨︵持続可能な開発︶の考え方を踏まえ、環境保全を押し進めるには、健全で恵み豊かな環境を維持し つつ環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されること、科 学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれること、が必要であることを明示している。 ﹁環境基準﹂については、第一六条で大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音につき定めているが、この基準は公害対 策を進めていく上での行政上の目標として定められるものである。 ﹁責務﹂については、第六条と第七条は国の責務と地方公共団体の責務について定め、国は基本理念にのっとり、環 境の保全に関する基本的且つ総合的な施策を策定し、実施する責務があると規定しているが、具体的には、環境庁が その行政を総合的に推進することを主たる任務とし、環境の保全に関する基本的な政策の企画・立案・推進、関係行 政機関の環境の保全に関する事務の総合調整に当たることとされている。一方、第七条は、地方公共団体の責務とし て、国の施策に準じた施策に加えて、各地の条件に合った施策の促進を意図しているが、地方公共団体の施策の具体 的な方向については、第三六条に規定されている。地球規模の問題の解決のためにも、地域レベルの活動が求められ ており、まず足元からと、地域に密着した地方公共団体の役割はより重要となる。 ﹁事業者の責務﹂は、第八条で規定し、その事業活動に係る製品等が廃棄物になった場合に適正な処理が図られるよ
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地球環境政策と環境法における問題点口 八○ うに必要な措置を講ずることを定め、環境への負荷の低減に資する原材料や役務を利用するように努めるべきだとし ている。 ﹁原因者負担﹂については、第三七条において、国をはじめとする公的な事業主体が行う事業について、その事業の 費用を原因者に負担させるための措置について定め、まず、費用負担を求める事業の性格について、公害の防止又は 自然環境の保全上の支障の防止のための事業であること、公的事業主体が行う事業であることが定められている。こ れらは、汚染者負担の原則︵宕=暮段冨鴇冥営06一ΩPPP︶の考え方による。 ﹁受益者負担﹂について、第三八条は、事業の実施によって著しく利益を受ける者︵受益者︶に費用負担を求める場 合には、その受益の限度において、その事業の実施に要する費用の全部又は一部を、適用且つ公平に負担させること としている。 ﹁国際的協調・協力・連携﹂については、第五条において、地球環境保全の位置付け及びその推進の必要性を明らか にすると共に、その推進に当たっての留意事項を理念としてまとめている。第三五条は、国が国際協力を行ったり、 事業者が海外において活動したりする場合に、その地域の地球環境保全等に配慮することに関して定めている。第三 二条では、国際協力を推進するために必要な措置を講ずること、国際環境協力の円滑な推進を図るため、国内の基盤 を強化する施策を規定している。これには、具体的に国連環境計画︵UNEP︶や経済協力開発機構︵OECD︶等 の国際機関を通じて国際的な連携を図ること、ニカ国間で環境保護協定や条約を策定し協力を押し進めること等が想 定される。第三三条では、国が地球環境問題に関する監視、観測、調査、試験研究の推進を図るため、国際的な連携・
協力を確保するよう努めることが規定されている。特に、今後、早急に検討される必要があるのは、第三四条の規定 する措置である。すなわち、国際協力に際しての環境配慮や本邦以外の地球で行われる事業活動についての環境配慮 ︵2︶ の組み込みのための措置等の規定である。国内法によって、わが国の事業者の日本以外での事業活動を制御すること の可能性及びそのための法的技術手法の検討が必要である。わが国企業の現地法人子会社が、当該国の基準が緩いた め、東南アジアや南米等で環境汚染を発生させ、環境破壊を続けていることが問題視されている。わが国にある親企 業を通じた行政指導により、厳しい基準の遵守を要求することの可能性である。進出先国の環境保全の規制が問題と なる。但し、公害輸出の防止や自国並み基準の遵守が先進国・途上国双方にとって国際世論の形成のための努力と徹 底した企業の義務規制を早急に検討する必要がある。 基本法であれば、環境アセスメント制度を規定するか否か論議のあるところであるが、二〇条で﹁必要な措置を講 ずる﹂として、特に明示していない。しかし、リオ宣言の原則一七は、国内法措置としての環境アセスメントの制度 ︵3︶ 化を義務付けている。 ︵1︶
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北村喜宣﹁環境基本法﹂法学教室一六一号四七頁以下、外務省国際連合局経済課地球環境室・環境庁地球環境部企 浅野直人﹁環境基本法の成立と今後の課題﹂法律のひろば、四七巻三号一〇頁。 下、小早川光郎﹁環境基本法の制定問題しジュリスト一〇一五号五七頁以下. ﹁図でみる環境基本法﹂増原義剛編、淡路剛久“礒野弥生﹁環境保全基本法について﹂環境と公害二一一巻二号二頁以 画課編﹁国連環境開発会議資料集﹂平成五年五月。 東 洋 法 学 八一地球環境政策と環境法における問題点口 八二 四 差止請求と環境権 環境権について、環境破壊が地球規模で進行中の現在、より論議を深める必要がある。良好な環境を享受する権利 と環境の侵害を排除する権利を住民は有しているという理論で、公害問題が深刻化した当時は、環境被害の未然防止 に役立つ可能性を有する権利として、環境権は注目された。その法的根拠については、生命及び幸福追求の権利を保 障した日本国憲法第一三条と、全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると定めた第二五条に ある、と論説されていた。しかしながら、環境問題で争う民事訴訟では、環境権よりも、法的権利として確立されて いる人格権について、前面にし論争する場合が多くあった。昭和五〇年の大阪空港騒音訴訟の大阪高裁控訴審判決は、 ﹁騒音にさらされた住民は人格権を侵害されている﹂と、人格権を認め、夜間における飛行差止を命じた。周知の通 り、最高裁では住民側の逆転敗訴となったが、控訴審判決は、人格権について﹁個人の生命、身体、精神及び生活に 関する利益の総体﹂と定義付け、さらに、﹁人格権は何人もみだりに侵害することは許されず、実定法の規定を待たな くても当然に承認されるべき基本的権利﹂と判示している。しかしながら、人格権は、個人レベルの権利とすること ができるので限界がある。 平成六年七月二〇日の長良川河口堰建設差止訴訟についての岐阜地裁判決は、環境権につき﹁私法上の権利として 認めることはできない﹂と否定し、住民の訴えを棄却した。原告側は、長良川流域全体の環境を守るという観点から、 差止請求に環境権を持ち出していた。公害から環境へ表現の変化と拡大は、本質論議が必要となり、環境保護を求め
る訴訟の特色は地域的、集団的な広がりにあり、人格権ではもはやカバーしきれない。そうした部分を補充するには、 環境権を権利として確立させる必要がある。良好な環境を守ることは一つの権利であるという思考が、わが国民の間 に根付き、環境権に対する理解が深く、且つ広範なものとなれば、環境問題をめぐる訴訟は状況の変化が期待できよ う。わが国では、環境権の本質的論議がなされないまま、差止請求訴訟の手段としてだけ先行し過ぎている。基本的 人権としての定義を明確にし、国民のコンセンサスを得るべきは当然であろう。 公害や環境悪化等の生活妨害の差止めを目的とする訴訟については、それを一般的に許容する旨を直接明示した規 定はなく、解釈論で基礎付けていく必要がある。差止請求訴訟は、一定の権利や法益に対する侵害の危険が切迫して ︵−︶ いる場合に、その手段として構想されたものであって、本来的に侵害予防機能を担う法的手段である。勿論、差止請 求訴訟の許容性については、既に個々的に実定法上明示されているものもある。本来、差止請求の本体は、不作為請 求であるけれども、ドイツにおいては一般に不作為請求訴訟は法律に基づくものと、契約に基づくものとに大別され、 法律に基づくものについては、絶対権保護のための否認的不作為請求訴訟とその他の法益保護のための準否認的不作 為請求訴訟とに区別されてきた。ドイツにおいては、民法上の不作為請求権につき、実際に侵害行為があり且つ侵害 継続の恐れがあることを成立要件と定めているため、当初は、規定の文言通り、現実に侵害が生じてから不作為請求 権が成立すると解する立場が有力であった。しかし、一九一二年のライヒ最高裁の判決が侵害は生じていなくても最 ︵2︶ 初の侵害の危険が切迫している場合に、不作為請求訴訟を許容すべきであると判断して以来、決定的な転回をみた。 こうしたドイツの判例が示した実質的考慮は、もとより正当なものとされている。不作為請求権は既になされた不法
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地球環境政策と環境法における問題点口 八四 行為の効果ではないから、その成立要件を不法行為に基づく損害賠償請求権の成立要件と一致させなければならない 根拠は存在しないし、侵害予防の段階で、相手方に故意または過失がなければ警告や予防ができないというのは、明 らかに不公平であり、正義に反するからである。公害差止請求のなかでも、特に、環境的利益の保護を目的とする差 止請求の場合の様に、多数人の利害に関わる一定の集団的利益の保護をめぐる紛争の場合には、利害関係人が訴訟手 続に集団的に関与し、集団的利益を集団的に主張して、はじめて訴えの利益が備わるとみる見解が有力である。この ︵3︶ 差止請求訴訟の当事者適格についてはより検討が必要である。 ︵1︶
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ω魯号①昌困諾Φ暮声ひq琶αω霞Φ凝畠曾ω富&σ皿d旨Φ二器ω§ひqω匹謎ΦpNN勺。 スト増刊・民事訴訟法の争点︹新版︺三二頁。 上村明宏﹁差止請求訴訟の機能﹂講座・民事訴訟2︹訴訟の提起︺二七三頁、同﹁差止請求訴訟の問題点﹂ジュリ 。㎝φN霞。 松浦馨﹁差止請求権の強制執行﹂新版・民事訴訟法演習2二七四頁以下、竹下守夫﹁生活妨害の差止と強制執行・ 再論﹂判例タイムズ四二八号二七頁以下、上村明宏﹁差止請求訴訟の問題点﹂前掲三五頁。 五 企業における環境管理責任と環境監査 地球環境破壊を防ぐための企業向け世界共通マニュアルともいうべき﹁環境管理システムに関する国際規格﹂がま とまった。早ければ一九九六年四月には、統一基準に基づいた環境管理システムが世界各地で実施される見通しであ る。環境管理システムとは、原料の輸入から生産、販売、消費、リサイクルまでの全ての場合において、環境破壊の度 合いをチェックし、これを改善していく制度であって、悪質製品を出さないための品質管理と類似する。一九九四年 九月にまとまったのは、環境管理の国際統一基準であり、企業が環境管理計画を作成し、実行するためのマニュアル の役割を果たすことになる。 このマニュアルによると、各企業は、ω環境専門の担当部局を設置する、ω環境担当役員を任命する、㈹全従業員 に環境教育を行う、㈲環境管理状況を記録に残す、㈲内部監査を行う、㈲一定期間ごとに状況を公表する、等の一八 項目を守らなくてはならない。これまでの企業の常識から考えると予想以上に厳しい内容で、わが国の企業は意識改 革を迫られるものと思われる。環境規制を守っていれば良いというレベルのものではなく、むしろ企業が率先して環 境改善に乗り出していこうという姿勢がみられる。 一九九二年の地球サミットを機に、わが国を含めた世界の産業界のリーダーが環境管理システムの導入を決め、如 何なる国の企業といえども公平に環境改善への負担が可能となる様に、統一基準を作成することにした。これを受け て、産業界の様々な規格、ルール作成を担当している﹁国際標準化機構︵9巴耳Φ菖象一9巴○お㊤巳鋸広98噌誓壁量巳一− 困鼠9︶﹂が、一九九三年六月から具体的な作業に入っていた。途上において米国とEC諸国等の深刻的な対立があっ たが基準内容は大方決定をみた。この決定には法的拘束力はないが、この基準をクリアしていない企業は、各国市場 から締め出される可能性が強く、事実上の国際条約と考慮する産業界が多い。欧米諸国に比し、わが国では、これま で公害汚染等がなければ良いという考えが支配的であり、自社製品が廃棄物になった場合の責任や開発途上国への環 東 洋 法 学 八五
地球環境政策と環境法における問題点口 八六 境に対する技術・資金等の支援等については、未だ余り考慮されていない。しかし、一九九六年には、地球環境への 配慮や企業従業員の環境教育等についても、新たな基準に基づいた環境管理をしていかないと、国際的な経済取引に 参加が不可能となる。一方、環境管理システムに関する国際規格という制度が有効に機能するためには、各企業の環 境管理状況を客観的にチェックすること、すなわち、外部からの環境監査も必要となる。 わが国では、外部監査には否定的な意見が多数を占めている。しかし、世界の大勢が外部監査を受け入れる方向に ある。このため、わが国の電機業界は、外部監査のための﹁日本環境認証機構﹂︵JA℃0︶を設立する等の努力もみ られた。今後は環境監査人を認定する公的機関が必要となろう。ISOでは、現在実施されている国際品質管理シス テムに準ずる認定方法を検討している。 六 廃棄物処理と有料化・再資源化問題 大量生産、大量消費の結果、一般廃棄物は五年間で二二・五パーセント増加し、年間五千万トンを超えている。一 方、資源ゴミの分別収集を実施している市町村は四割にとどまる。再生資源利用メーカーに費用を支払い処理を依頼 するところもある。市民は、まず自己負担においてゴミを出す観念を徹底する必要がある。ゴミの減量化、リサイク ルを進展させるには、現行法は限界がある。廃棄物処理法は、ゴミを減量すれば得になり、増加させれば損をすると いう仕組みにはなっていない。再資源化法︵リサイクル法︶が施行されても、資源化率は伸びをみせていない。対象 品目が紙とガラスに限られ、再利用が採算性のとれる範囲に限定されているため、減量化に弾みがついていない。ゴ
ミ処理の事業費は、一兆六千億円に膨れあがり、市町村の重い負担となっている。これは、財政規模の五−六パーセ ントを占め、一〇パーセントを超えているところもみられる。処理用地の確保が難行している現状では、埋立地の寿 命を長期化させるためにも、ゴミ減量に経済的手法の活用は必須である。生活環境審議会の専門委貝会も、包装や容 器に使用される資源ゴミを減少させるための新制度に関する報告書を準備している。同素案によると、缶、瓶、紙、 プラスチック等四種類程度の資源ゴミを再利用のため引取る第三者機関を設置し、清涼飲料水や食品等の製造・販売 業者に処理費用の負担を義務付けるとしている。消費者は、現在以上の分別への協力を求められると共に、メーカー 等が価格に上乗せする分も負担する。市町村も徹底した分別収集に伴う費用が負担増になる。三者が経済的負担を分 かち合うことを基盤としてゴミの排出を抑制し、分別、再利用を促進して減量化しようとしている。分別収集が進行 すると資源ゴミが飛躍的に増加することが予想されるが、それをどの様に受けとめるか、自治体や再生資源利用メー カー等との調整も今後の課題である。デポジット制の完全実施等、考慮すべき点は多い。容器・包装回収システムの 中核になる第三者機関について前記素案は、財団法人の様な公益法人を考慮しているとも伝えられるが詳細は不明で ある。しかし、責任と役割を明確化するには、民間主導の機構にすべきである。それにもまして、ゴミ処理は無料で してくれるという国民の意識は変えなくてはならない。地球環境問題は、まず足元からその保全をすることが重要で ある。 東 洋 法 学 八七
地球環境政策と環境法における問題点口 八八 おわりに 地球規模の生態系破壊をもたらした現代文明の弊害を改め、環境への脅威を出来得る限り除却する努力が各人に問 われている。オゾン層の破壊がもたらす健康被害の実情やロシアの核利用施設の放置問題もやがて人類生存へのカギ を握る問題になりかねない。 二一世紀の環境行政にとっての最大のよりどころとなるのは、国の環境基本計画である。様々な開発計画や土地計 画等を環境保全の視点からコントロールできる基本計画ができなければならず、国の行政責任は重い。アセスメント につき、環境基本法制定過程において、法律として制定することの必要性及びその基本的要素を明記すべきことが求 められたが、同法には全く触れられていない。今後は、これらの問題にも厳しい姿勢で追究し論究していきたい。