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GIS連動型大気環境濃度予測システムの開発─建物影響を考慮して、都市の大気環境濃度を簡便に予測─

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Academic year: 2021

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(1)

主要な研究成果

背 景

近年、省エネルギーおよび二酸化炭素排出量の削減を目的に、都市部のホテルや病院、業務用ビルの新築時 にコージェネレーションシステム(CGS)が導入されるケースが増えている。これらの CGS の多くは建物屋 上から排気しているため、その中に含まれる窒素酸化物の大気濃度を予測するには、建物によるダウンウォッ シュ(煙の巻き込み)を考慮することが重要である。大気拡散予測においてダウンウォッシュを考慮するため には、排ガス拡散に影響を及ぼす可能性のある建物を抽出し、その形状パラメータ(高さ、幅、長さ等)を設 定する必要がある。しかし、都市部では複雑な形状を有する建物が多数林立しており、影響建物のパラメータ を設定することは容易でない。

目 的

排ガス拡散に影響を与える建物を地図データベースから自動的に抽出し、建物によるダウンウォッシュを考 慮して大気環境濃度を予測することができる簡便なシステムを開発する。

主な成果

1.システムの開発 GIS(地理情報システム)を大気拡散式に連動させることにより、実用的に利用することができる簡便な 大気環境濃度予測システムを初めて開発した(図 1)。本システムは、以下の特徴を有する。 (1)市販の地図データベースをもとに、煙源や建物の位置情報の取得、排ガス拡散に影響をおよぼす建物 の判定、建物形状パラメータの抽出を自動で行う。 (2)アメダスなどの公開されている気象データをもとに、大気拡散計算に必要な大気安定度などの気象情 報を解析できる。 (3)日本の環境省、米国環境保護庁、日本の経済産業省で用いられているダウンウォッシュを考慮できる 3 種類の大気拡散予測手法(順に総量規制の方式、ISC3、METI-LIS)が組み込まれている。 2.予測精度の検証 本研究で開発したシステムの濃度予測精度を評価するために、実市街地を模擬した排ガス拡散の風洞実験 を実施した(図 2)。その結果、風速や煙源高度の補正を行わない総量規制の方式および ISC3 では過小評価 の傾向が顕著であったが、METI-LIS ではほぼ全ての風向で中心軸上の最大濃度は実験結果を概ね良く再現 した(図 3)。

今後の展開

建物によるダウンウォッシュの影響を考慮できる新しい大気拡散予測手法を開発し、本システムに導入する ことにより、濃度予測の精度を向上させる。 主担当者 環境科学研究所 物理環境領域 主任研究員 佐藤 歩 関連報告書 「GIS 連動型大気環境濃度予測システムの開発」電力中央研究所報告: V04015(2005 年印 刷予定) 18

GIS連動型大気環境濃度予測システムの開発

─建物影響を考慮して、都市の大気環境濃度を簡便に予測─

(2)

B.総合エネルギーサービスの創出

19

図1 GIS連動型大気環境濃度予測システム

N NNE NE ENE E ESE SE SSE 0 0.5 1 1.5 2 最大濃度比(予測値/実験値) 風洞実験 総量規制 ISC3 METI-LIS S SSW SW WSW W WNW NW NNW 0 0.5 1 1.5 2 風向 図3 風洞実験結果と予測結果の比較 (煙源風下側におけるプルーム中心軸上の地表最大濃度) 図2 実市街地を対象にした風洞実験の様子 GIS(地理情報システム)を用いて煙源や建物の位置情報の取得、排ガス拡散に影響をおよぼ す建物の判定、建物形状パラメータの抽出を自動で行うことができる。 総量規制の方式およびISC3では過小評価の傾向が顕著 であったが、METI-LISではほぼ全ての風向で中心軸 上の最大濃度は実験値の±50%以内に収まった。 本研究で開発したシステムの予測精度を検証するた め、実市街地に設置された自家発電施設を対象とし た風洞実験を実施した。実験では、建物屋上からガ スを放出し、建物風下側の地上濃度を計測した。

参照

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