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原子力施設における火災現象評価技術の確立

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Academic year: 2021

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(1)2 主要な研究成果 重点課題 - リスクの最適マネジメントの確立. 原子力施設における火災現象評価技術の確立 背景・目的. 主な成果. 国は現行の原子力施設の火災防護指針の. 本 課 題では、既 存 の 許 認 可 用 火 災 評 価 手. 見 直しを進めており、加えて、火 災ハザ ード. 法の高度化のための技術データの追加整備. 評 価 の 早 期 導 入を求めている。既 存 の 火 災. や、海外で先行する許認可用解析コードの国. 評価手法は昭和50年代の火災実証試験等に. 内施設への適用性を評価するとともに、東日. 基づいているため、近年の海外データの分析. 本大震災で顕在化した喫緊の課題(アーク火. や、許認可に耐える火災ハザード解析手法の. 災等)に対する安全性向上策を提示し、原子. 検証を急ぐ必要がある。. 力発電の安全性向上に寄与する。. 1. 火災モデルFDSを用いた火災影響評価解析 の 適用性評価. 火災影響評価においては、安全上重要な機. は条件設定に大きく依存する。火災上昇流試. 器等の損傷時間(損傷に至るまでの時間)や. 験、単一区画・複数区画の火災試験を対象に、. 発火時間を算定する必要がある。代表的な火. 感度解析および試験再現解析(図1)を実施. 災モデルの一つであるFDS ( Fire Dynamics. し、格子解像度や火源モデルの設定方法を明. Simulator) は、複雑な形状で構成された区画. らかにした[N12019]。これにより、想定火災に. を対象とする場合や火災事象の詳細な評価. 対する機器等の損傷時間を適切に算定でき、. が必要な場合に適しているが、その解析結果. 合理的な火災防護計画の策定が可能となる。. 2. 液 体 可 燃 物による換 気 制 限 条 件 区 画 内 火 源 特 性 の 評 価. 火災影響評価解析の精度に大きく影響を. 気条件を調整可能な単一火災区画試験装. 与える火 源 モデ ル の 設 定にお いては、火 炎. 置を用 いて、液 体 可 燃 物(エタノー ル )を対. を伴う熱 輸 送 過 程( プ ル ーム構 造 )、火 炎 近. 象に、火 皿 面 積や 酸 素 供 給 量をパラメータ. 傍 の 酸 素 の 巻き込 み 挙 動 、プ ル ームの 形 成. とした 燃 焼 試 験 *1 を 実 施し、火 炎 近 傍 の 酸. に伴い輸送される熱や煤煙の挙動を精度良. 素量と火源の発熱速度の相関に関する基礎. く再現することが必要である。そ のため、換. データを取得した(図2)。. 3. 実物大高圧スイッチギア の 内部アークによる火災現象 の 評価. 東日本大震災の際に女川原子力発電所で. イッチギア内に発 生する圧 力や筐 体 の 破 損. 発 生した高 圧スイッチギア*2 の 大 規 模アー. に伴う高温ガスの 放出状況を追跡する機能. クによる火災の被害状況を踏まえ、非耐震・. を既存のCFDコード (数値流体力学コード). アーク未 対 策 の 実 物 大 高 圧スイッチギアを. に追加し、内圧による筐体の破損形態や周辺. 用いた内部アーク試験を行い、アークエネル. への熱的な影響を評価できることを確認した. ギーの発生量やアーク発生後の火災への進. (図4)。. 展 の 有 無を評 価した( 図 3 )。さらに、高 圧ス. *1 東京理科大学との共同研究として実施。 *2 電力系統を保護・制御するためのしゃ断器等の保護継電器と高圧の母線を一緒に金属製筐体に収めたもの。. 18. 研究年報_P6-P31-P課題01.indd 18. 13/05/31 11:04.

(2) 図1 火災モデルFDSによる複数区画火災の解析例 火災区画内における火災影響評価においては、火災影 響範囲を適切に設定し、安全上重要な機器等への損傷 時間や発火時間を算定する必要があり、合理的な火災 モデルの適用が必要である。火災モデルFDS ※では、温 度・流速・酸素濃度等の空間分布およびその時間的な変 化が得られる。火災上昇流の温度の乱れ強さに対して、 特性長さ(発熱速度を基に定められる長さスケール)の 1/20以下であれば、解析結果は格子間隔に依存しない ことを明らかにした。 ※米国NIST(National Institute of Standards and Technology) により開発された、火災時の熱流動や物質 輸送等を主な対象とするCFDモデル。計算負荷は比較的 高いが、空気温度の空間分布等の評価が可能である。. 図3 高圧スイッチギア内部アーク試験で測定された   アークエネルギーと火災の発生条件 高圧スイッチギア(電圧7.2kV、三相三線式、 定格短時 間電流:40kA×2秒)を用いて、アーク発生時間をパラ メータ(0.1∼2.2秒) として、実回路構成に基づく三相 短絡電流条件(18.9kA) におけるアーク放電時(母線材 質:銅)に発生するエネルギー量 ※を測定した。アークエ ネルギーが25MJを超えると火災が発生し、遮断器室内 でアークを発生させた場合、通電時間が2.0秒を超える と消火作業が必要な火災事象が発生した。 ※アーク放電エネルギーにより盤内の空気が加熱され、 その高温空気が盤外あるいは隣接する電気盤内へ噴 出し、隣接機器へ熱的影響を及ぼす可能性がある。. 重点課題. 格子解像度の影響評価を行った結果、格子間隔が火炎. 図2 換気制限下における火源の特性評価 単一火災区画を想定した耐火室(幅2.4m×奥行3.6m× 高さ2.4m)を製作し、換気流量を調整可能なブロアユ ニットを経由して、東京理科大学の所有する排気フード に連 結し、エタノー ルを火 源とする燃 焼 試 験を実 施し た 。試 験 パ ラメ ー タ は 、火 皿 の 面 積( 直 径 3 0 、4 5 、 とし、 60cm)や位置(中央)、換気流量(0∼100m 3/h) 空間温度や内圧、壁や天井への熱流束、換気流量、可燃 物質量減少速度、O 2・CO 2・CO濃度を測定した。火炎の 発達に伴い形成されるプルーム構造を計測し、火炎近 傍 の 酸 素 量と火 源 の 発 熱 速 度 の 相 関 性に関 する基 礎 データを取得した。. 図4 内 部 ア ーク発 生 時 の 内 圧と筐 体 の 破 損を考 慮   した高温ガスの放出解析 高 圧 スイッチ ギア の 上 部 ケ ー ブ ル 室 内 で 発 生 させ た アークは、筐体内部の気体を加熱することにより圧力上 昇が発生する。CFDコードCFD-ACE+を用いて、アー クエネルギーの測定値のうち、53%を圧力上昇に寄与 するエネル ギーとして解 析した結 果 、圧 力 上 昇 の 経 時 変化を精度よく再現した。さらに、衝撃・爆発解析コード AUTODYNを用いて、圧力上昇に寄与するエネルギー と等価なエネルギーを有する圧縮気体を発火源とする 衝撃解析を行い、内圧による筐体の破壊と高温ガスの 伝播状況を再現できることを確認した。. 19. 研究年報_P6-P31-P課題01.indd 19. 13/05/31 11:04.

(3)

参照

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