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Working Papers 2012 年 6 月 28 日 地域金融機関における地域密着型金融の取組 ~ 地域金融機関取組状況と中小企業における評価 ~ 金融機関における地域密着型金融の取組は 中小企業のみならず金融機関にとっても効果のある有効なツールになっている しかし その取組の評価については

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2012 年 6 月 28 日

地域金融機関における地域密着型金融の取組

~地域金融機関取組状況と中小企業における評価~

金融機関における地域密着型金融の取組は、中小企業のみならず金融機関に とっても効果のある有効なツールになっている。しかし、その取組の評価につ いては、中小企業と金融機関とでギャップが生じており、金融機関はそのギャ ップを埋める対策を取り、更に有効な地域密着型金融を推進する必要がある。 (本稿は、弊社が受託した平成23年度中小企業庁委託調査「中小企業を取り巻 く金融環境に関する調査」の調査結果(主としてアンケート部分)を抜粋・加 筆したものである。なお、本稿の結論はあくまで筆者の見解であり、中小企業 庁およびみずほ総合研究所の見解ではない。) ●地域金融機関における経営支援の取組状況 金融機関および中小企業に対して実施したア ンケート調査1において、地域金融機関での中小 企業に対する経営支援の取組状況について見る と、金融機関の規模および支援内容によって取 組状況に違いが生じていることが分かる。金融 機関の規模別では、規模が小さな金融機関にな るほど、経営支援を実施している割合が小さく なる。また、経営支援の内容別では、経営計画 策定支援、補助金・制度融資等の紹介、財務等 の計数管理アドバイス、不動産情報の提供、ビ ジネスマッチングについては、支援を実施して いる金融機関の割合が大きい一方で、法務・税 1 金融機関に対するアンケート調査:2011 年 12 月に、日本 金通通信社「2011 年版日本金融名鑑」、各金融機関の Web サ イト情報を基に、都市銀行・地方銀行・第二地方銀行・信用 金庫・信用組合等の本店・本部470 件と無作為抽出した支店 5,330 件、合計 5,800 件に対して実施。回収件数(回収率)は、 2,848 件(49.1%)。 中小企業に対するアンケート調査:2011 年 12 月に、株式 会社東京商工リサーチの企業データベースから、全国の中小 企業20,000 件を無作為抽出して実施。回収件数(回収率)は、 4,087 件(20.4%)。 なお、岩手、宮城、福島に所在する金融機関、中小企業は 務・労務に関するアドバイス、事業承継・M&A、 公的機関との連携による事業再生支援、社内整 備体制整備に関する支援、産学連携等による技 術開発支援といった、高度な専門的知識が必要 になる、あるいは高度な専門的知識を有する外 部機関との協力が必要となる支援では、支援を 実施している金融機関の割合が小さくなる。 図表1 地域金融機関における経営支援の取組状況 取引先中小企業への経営支援の対応状況につ いては、金融機関の各業態とも「ある程度は対

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90.1 83.4 82.7 82.0 79.1 77.7 64.6 61.9 59.4 53.5 47.9 45.2 39.4 34.6 90.4 77.6 77.1 73.4 76.8 68.2 52.3 36.1 32.5 46.3 34.9 17.8 21.8 22.1 85.5 76.5 79.0 71.4 63.8 47.7 55.0 21.5 20.5 42.3 36.4 13.1 21.3 24.5 70.4 51.9 71.3 41.9 55.4 16.9 31.9 5.4 4.1 23.7 16.4 0.8 11.6 3.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 債務返済 計画を含 む経営計 画策定支 援 事業戦 略・経営 計画策定 支援 地方公共 団体の補 助金や制 度融資の 紹介 財務診断 等計数管 理アドバ イス 不動産売 買情報の 提供 ビジネス マッチン グによる 販売先・ 仕入先の 紹介 税務・法 務・労務 相談 株式対策 等の相続 対策支援 事業承 継、M&A (買収 先・売却 先の紹 介) 中小企業 再生支援 協議会等 との連携 による事 業再生支 援 人材教育 (セミ ナー、講 師派遣) 海外展開 支援 組織・制 度の見直 し等、社 内体制整 備に関す る支援 産学連携 等による 技術開発 支援 地方銀行(n=921) 第二地方銀行(n=245) 信用金庫(n=1,241) 信用組合(n=380) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注)1.各項目の割合は、それぞれの経営ニーズに「十分対応できている」、「ある程度は対応できている」と回答したものを集計した。 2.各項目によって回答者数(回答比率算出時の分母)は異なる。 (%)

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応できている」とする割合が最も高く、「十分対 応できている」と合わせた割合は9 割弱~6 割 弱となっている。また、規模の小さな金融機関 になるほど「あまり対応できていない」、「ほと んど対応できていない」とする割合が大きくな っている。これは、規模が小さくなるほど各種 経営支援に取り組んでいる割合が小さくなるた め、経営支援の対応度も低くなると考えられる。 図表2 地域金融機関の経営支援の全般的対応度 ●中小企業から見た金融機関の経営支援 中小企業が金融機関から受けた経営支援につ いて見ると、補助金・制度融資等の紹介、不動 産情報の提供、ビジネスマッチングを受けた割 合が大きくなっている。このような支援内容は、 多くの企業にとって共通する支援ニーズであり、 比較的多くの中小企業が支援を受けたものと考 えられる。また、企業規模別に見ると、規模が 小さい企業ほど、金融機関から各種経営支援を 受けたことがある割合が小さくなっている。 次に、中小企業が金融機関に期待する経営支 援について見ると、補助金・制度融資等の紹介、 ビジネスマッチングを期待する割合が大きくな っており、資金支援と実際の商売に直結する支 援を期待する企業が多くなっている。 図表3 中小企業における経営支援を受けた経験 図表4 中小企業が今後金融機関に期待する経営支援 金融機関が中小企業から期待されていると考 える経営支援内容と、中小企業が金融機関に対 して期待する経営支援内容を比較すると、「ビジ ネスマッチングによる販売・仕入先の紹介」、「財 務診断等計数管理アドバイス」、「事業戦略・経 営計画策定支援」において金融機関が考えるほ ど中小企業の要望が高くないことが分かる。ま た、「産学連携による技術開発支援」については、 中小企業の要望は高くはないものの、金融機関 の考える以上に中小企業が支援を期待している。 なお、「ビジネスマッチングによる販売・仕入先 の紹介」については、金融機関の考えと中小企 業の期待のギャップが最も大きいが、最も多く の企業(全体の44.8%)から期待する支援とし て挙げられており、中小企業のニーズ自体は高 くなっている。 20.5 9.5 5.7 4.4 4.4 4.1 3.7 2.8 2.1 1.2 29.1 13.1 14.2 9.4 7.2 4.4 8.3 6.5 3.3 2.4 32.4 23.2 24.3 12.5 7.7 7.1 11.7 7.4 6.8 7.1 31.8 24.9 30.1 20.3 9.3 11.6 15.7 8.7 11.7 9.9 37.9 34.3 31.3 18.9 7.6 8.3 20.5 10.7 9.0 10.6 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 地方公共団体 の補助金や制 度融資の紹介 不動産売買情 報の提供 ビジネスマッチ ングによる販 売先・仕入先 の紹介 財務診断等計 数管理アドバ イス 債務返済計画 を含む経営改 善計画策定支 援 税務・法務・労 務相談 人材教育(セミ ナー、講師派 遣) 事業戦略・経 営計画策定支 援 株式対策等の 相続対策支援 事業承継、 M&A支援(買 収先・売却先 の紹介) 5人以下(n=1,558) 6~20人(n=1,436) 21~50人(n=510) 51~100人(n=197) 101人以上(n=140) (%) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注)1.従業員数5人以下の企業の回答比率上位10項目。 2.各項目によって回答者数(回答比率算出時の分母)は異なる。 8.1 7.9 5.8 2.1 79.8 70.1 70.9 54.8 9.1 16.6 17.0 28.6 2.3 3.7 5.7 12.4 0.8 1.7 0.6 2.1 0% 100% 地方銀行(n=751) 第二地方銀行(n=241) 信用金庫(n=1,205) 信用組合(n=378) 十分対応できている ある程度は対応できている どちらともいえない あまり対応できていない ほとんど対応できていない 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) 53.4 35.7 27.0 26.6 24.8 24.3 22.3 20.1 18.5 17.6 63.0 44.4 33.3 31.7 32.6 32.7 35.6 22.7 20.3 30.0 58.9 54.5 35.2 39.8 31.8 31.9 35.2 18.3 22.8 31.8 63.3 57.0 37.4 35.4 35.4 33.0 45.5 20.7 16.1 36.8 61.0 60.7 36.0 52.5 34.2 33.8 38.0 21.4 26.8 44.7 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 地方公共団体 の補助金や制 度融資の紹介 ビジネスマッチ ングによる販 売先・仕入先 の紹介 税務・法務・労 務相談 不動産売買情 報の提供 事業戦略・経 営計画策定支 援 債務返済計画 を含む経営改 善計画策定支 援 財務診断等計 数管理アドバ イス 中小企業再生 支援協議会等 との連携によ る事業再生支 援 公的機関との 連携による技 術評価、製品 化、商品化支 援 人材教育(セミ ナー、講師派 遣) 5人以下(n=1,558) 6~20人(n=1,436) 21~50人(n=510) 51~100人(n=197) 101人以上(n=140) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注)1.従業員数5人以下の企業の回答比率上位10項目。 2.各項目によって回答者数(回答比率算出時の分母)は異なる。 (%)

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図表5 金融機関が望まれていると考える経営支援、中 小企業が金融機関に今後期待する経営支援 中小企業から金融機関に対して最も期待する とされたビジネスマッチングについて、地域金 融機関における具体的な取組内容について見る と、「担当者が個社毎に自行庫内の取引先企業を 紹介」を実施している割合が、どの業態の金融 機関においても大きくなっている。 また、概して、規模の小さい金融機関ほど実 施している割合が小さくなっているが、「他団体 の行うビジネスフェア等の情報提供」、「ほかの 金融機関や支援機関と連携しビジネスマッチン グフェア等を開催」では信用金庫、「担当者が個 社毎に自行庫内の取引先企業を紹介」では信用 組合の実施する割合が大きくなっている。なお、 信用組合では、「行っていない」とする割合が 22.8%と大きくなっている。 図表6 ビジネスマッチングの具体的取組内容 ●経営支援に対する満足度と効果 地域金融機関が考える中小企業に対する経営 支援の充足度と、中小企業が考える金融機関か ら受ける経営支援に対する満足度を比較すると、 金融機関における「十分対応できている」・「あ る程度は対応できている」の割合に対して、中 小企業における「満足」・「やや満足」の割合が 著しく低くなっている。また、中小企業におい て「やや不満」・「不満」とする割合が2 割弱あ ることも、中小企業が金融機関の経営支援に対 して必ずしも満足している状況にはないことが 分かる。 図表7 地域金融機関の経営支援の対応度、中小企業の 経営支援の満足度 中小企業が金融機関から経営支援を受けるこ とで享受できた効果について見ると、全体の 71.6%の企業が効果があったとしており、効果 の内容としては「財務内容の改善」(効果があっ た企業の 41.5%)、「事業の継続」(同 34.6%) を挙げる企業が多くなっている。また、企業規 模別に見ると、企業規模が小さい企業において、 やや効果が高くなっている。 一方、金融機関における効果については、「既 往取引先の融資案件拡大につながった」を挙げ る金融機関が最も多く、全体の59.0%となって いる。次いで、「既存取引シェア拡大につながっ た」(37.3%)、「不良債権の抑制に効果があった」 (35.6%)が多くなっている。 83.7 35.7 48.0 51.9 25.5 24.2 8.6 15.0 44.8 32.5 31.3 30.1 26.8 23.2 17.1 16.4 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 ビジネスマッチ ングによる販売 先・仕入先の紹 介 不動産売買情報 の提供 財務診断等計数 管理アドバイス 事業戦略・経営 計画策定支援 人材教育(セミ ナー、講師派 遣) 事業承継、M&A支 援(買収先・売 却先の紹介) 産学連携等によ る技術開発支援 海外展開支援 金融機関(n=2,633) 企業(n=4,087) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注)1.金融機関の各項目の割合については、複数回答であるため、合計は100にならない。 2.中小企業の各項目の割合については、それぞれについて、「今後支援を期待したい」と回答したものを集計。 3.各項目によって回答者数(回答比率算出時の分母)は異なる。 (%) 62.3 74.8 49.3 53.8 53.9 1.1 0.5 40.8 65.4 37.9 43.8 40.4 3.3 0.8 53.6 38.1 19.2 55.9 21.0 2.8 3.6 24.9 51.6 6.1 14.3 7.4 6.3 22.8 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 他団体の行うビジネ スフェア等の情報提 供 担当者が個社毎に 自行庫内の取引先 企業を紹介 マッチングにかかる 自行庫の取引先企 業のデータベースを 整備 他の金融機関や支 援機関と連携しビジ ネスマッチングフェア 等を開催 自行庫単独でビジネ スマッチングフェア等 を開催 その他 行っていない 地方銀行(n=755) 第二地方銀行(n=240) 信用金庫(n=1,202) 信用組合(n=378) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注) 複数回答であるため、合計は100にならない。 (%) 6.4 9.1 71.0 21.1 16.2 50.0 5.4 11.1 1.0 8.7 0% 100% 金融機関の対応度(n=2,636) 中小企業の満足度(n=3,682) 十分対応できている・満足 ある程度は対応できている・やや満足 どちらともいえない あまり対応できていない・やや不満 ほとんど対応できていない・不満 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株))

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図表8 中小企業における経営支援の効果 図表9 経営支援による金融機関への効果 中小企業における金融機関の経営支援に対す る満足度は必ずしも高くはないものの、中小企 業において相応に効果があり、また、支援側の 金融機関においても効果があることが確認でき た。 ●地域金融機関の経営支援における問題点 金融機関が考える企業に対する経営支援が推 進できない理由について見ると、「担当者の育 成・教育が不十分」が最も多く、全体の47.8% となっている。次いで、「取引先の技術力、開発 力、知的財産に関する知識が不十分」が35.0%、 「取引先の事業内容や業界の知識が不十分」が 32.7%と多くなっている。一方、ニーズを把握 するための時間がないことや、頻繁に担当者交 代があることの割合は小さくなっている。 図表10 金融機関が考える経営支援を推進できない理由 中小企業が考える金融機関が経営支援を実施 する上での阻害要因について見ると、「金融機関 の担当者等の頻繁な交代」、「金融機関の担当者 の企業や業界に対する知識不足」、「金融機関の 都合を優先した経営支援セールス」を挙げる企 業が多くなっている。「金融機関の担当者等の頻 繁な交代」については、金融機関としては経営 支援を推進できない大きな理由とは考えていな いことから、金融機関と中小企業との間に認識 の違いが見られる。 なお、「金融機関の担当者等の頻繁な交代」を 阻害要因として挙げる企業の比率は、規模の小 さいほど高く、「金融機関の担当者の企業や業界 に対する知識不足」は規模の大きな企業ほど比 率が高くなっている。 図表11 中小企業が考える金融機関が経営支援を実施 する上での阻害要因 71.6 28.4 何らかの効果があった 具体的な効果はなかった (n=1,308) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注) 具体的な効果の内容については、複数回答であるため、合計は100にならない。 41.5 34.6 19.2 15.8 12.3 12.1 8.0 5.2 4.3 4.3 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 財務内容の改善 事業の継続 売上の増加 役職員の知識・技能の向上 事業分野の拡大 利益の増加 社内管理体制の整備 社員の士気向上 自社の顧客満足度の向上 その他 (%) (n=937) 59.0 37.3 35.6 24.7 19.5 8.1 2.2 28.1 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 既往取引先の融 資案件拡大につ ながった 既往取引シェア拡 大につながった 不良債権の抑制 に効果があった 既往取引先の格 付が向上した 新規取引先となる 企業の紹介を受 けた 預金が増大した 貸出利鞘上昇に つながった 具体的な効果は 表れていないが 競合他行との差 別化を図ることが できた 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注) 複数回答であるため、合計は100にならない。 (n=2,371) (%) 47.8 35.0 32.7 16.7 10.1 6.5 4.1 3.3 3.2 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 経営支援実行のための担当者育成・教育が不十分 取引先の技術力、開発力、知的財産に関する知識が不十分 取引先の事業内容や業界の知識が不十分 担当先が多すぎて、個社毎の経営ニーズを把握する時間がない 頻繁に担当替えがあり中長期的なサポートが難しい 担当者交代時の取引先情報の引継ぎ体制が不十分 業績評価に反映されない 貸出推進部門と経営支援部門の利益相反 収益に直結しない (n=2,492) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注) 複数回答であるため、合計は必ずしも100にならない。 (%) 42.7 31.4 20.6 37.9 13.8 8.5 8.2 11.5 1.3 6.3 11.6 7.8 6.8 45.0 35.2 22.0 35.8 9.9 6.4 10.1 13.8 2.3 5.3 12.1 9.3 5.2 43.5 45.9 24.0 33.9 10.3 4.3 9.9 10.6 3.6 5.0 12.7 13.0 5.3 37.3 38.6 22.8 34.2 6.3 3.8 13.9 13.3 2.5 8.9 20.9 8.9 3.2 35.0 40.7 24.4 33.3 8.9 7.3 8.1 21.1 8.1 9.8 13.8 5.7 2.4 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 金融機関 の担当者 等の頻繁 な交代 金融機関 の担当者 の企業や 業界に対 する知識 不足 金融機関 の貸出 セールスあ りきの営業 姿勢 金融機関 の都合を 優先した経 営支援 セールス 金融機関 の高圧的 な姿勢 金融機関 から自社 に不利な 事項を押し 付けられる 金融機関 が提供す る支援内 容のレベ ルの低さ 支援を受 けるために 費用がか かる、費用 が高額で ある 企業側に おける不 十分なディ スクロー ジャー 企業側に おける支 援受入の 拒否感 企業側に おける支 援の有効 性に対す る認識不 足 経営支援 による金融 機関と企 業側の利 益相反 その他 5人以下(n=1,116) 6~20人(n=1,106) 21~50人(n=416) 51~100人(n=158) 101人以上(n=123) 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (注)1.複数回答であるため、合計は100にならない。 (%)

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また、中小企業における金融機関における経 営支援の継続性を見ると、「担当者や支店長等の 上司が替わっても常に支援サービスを受けてい る」企業は全体の半数に止まっており、全体の 3 割の中小企業は、担当者や支店長等の上席が 替わることで経営支援の対応が変わるとしてお り、3 年程度で中小企業に対する経営支援の対 応が変わるケースが、少なからず存在している こととなる。 なお、「担当者や支店長等の上司が替わっても 常に支援サービスを受けている」企業における、 金融機関の経営支援に対する満足度は、その他 の場合に比べて顕著に高くなっており、具体的 な効果はなかったとする比率も低くなっている。 図表12 中小企業から見た経営支援の継続性 図表13 経営支援への満足度(継続支援状況別) 面談頻度別の満足度と効果を見ると、面談頻 度が低くなるほど「満足」、「やや満足」の比率 は低くなっており、「効果はなかった」とする比 率が高くなっている。 訪問頻度をある程度維持して取引先の経営状 況や課題を把握することが、取引先のニーズに 合った経営支援を行うことに繋がり、取引先の 満足度の向上をもたらすことが示唆される。 図表14 経営支援への満足度(面談頻度別) ●まとめ アンケート結果からは、金融機関の中小企業 に対する経営支援には、中小企業と金融機関の 双方にメリットがあることが分かった。金融機 関にとって、中小企業への経営支援は取引深耕 の有効なツールとなるが、規模の小さな金融機 関になるほど経営支援に取り組んでいる割合が 小さくなり、また、事業承継、M&A、産学連携 等による技術開発支援等、高度な専門的知識が 必要となる支援ほど実施している割合が小さく なる。地域金融機関にとって、すべての経営支 援ニーズに対応できる体制を内部に構築するこ とは難しいと考えられ、経営資源が限られる規 模の小さい金融機関にとっては更に困難となる。 企業が期待する経営支援としては、補助金・ 制度融資等の紹介と並んでビジネスマッチング が多くの企業から挙げられていた。直接商売に 結び付き、多くの取引先とのネットワークから 53.3 10.0 20.3 16.4 担当者や支店長等の上司が替わっても常に支援サービスを受けている 支店長等の上司が替わると、金融機関の支援サービスの取組が変わる 担当者が替わると金融機関の支援サービスの取組が変わる 自社の決算状況に応じて、金融機関の支援サービス提供態度が変わる 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) (n=1,345) 1.6 14.6 6.8 15.4 6.6 17.7 17.4 23.1 32.3 39.2 53.0 35.6 42.0 26.2 20.5 23.1 17.5 2.3 2.3 2.9 0% 100% 担当者や支店長等の上司 が替わっても常に支援サー ビスを受けている(n=697) 支店長等の上司が替わる と、金融機関の支援サービ スの取組が変わる(n=130) 担当者が替わると金融機 関の支援サービスの取組 が変わる(n=264) 自社の決算状況に応じて、 金融機関の支援サービス 提供態度が変わる(n=208) 不満 やや不満 どちらでもない やや満足 満足 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株)) 4.8 6.3 8.2 11.1 10.2 15.4 10.4 12.1 11.8 13.6 10.7 9.8 39.2 44.7 51.2 49.4 60.9 64.0 30.2 27.0 22.2 19.6 12.2 6.1 15.5 9.9 6.7 6.3 6.1 4.7 0% 100% 月2回以上(n=789) 月1回程度 (n=1,008) 3ヶ月に1回程度 (n=510) 半年に1回程度 (n=352) 1年に1回程度 (n=197) ほとんどない (n=722) 不満 やや不満 どちらでもない やや満足 満足 資料:中小企業庁委託「中小企業を取り巻く金融環境に関する調査」(2011年12月、みずほ総合研究所(株))

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得た豊富な情報を期待しての支援ニーズである が、2 割強の信用組合が、中小企業から要望の 強いビジネスマッチングに取り組んでいない。 すべての経営支援ニーズに対応することは難し いが、外部機関や直接競合しない他の金融機関 と協力しあう等、限られた経営資源を補いなが ら、経営支援に取り組む必要があると考えられ る。 中小企業における金融機関の経営支援に対す る満足度と、金融機関が考える支援の充足度に はズレがあり、金融機関が対応できていると考 えるほどには、中小企業の満足度は高くない。 これは、金融機関が経営支援を推進できない理 由を必ずしも的確に把握できていないために、 金融機関において有効な経営支援の推進策が立 てられず、結果として両者の満足度・充足度に 食い違いが生じていると考えられる。 また、面談頻度が低いほど、経営支援に対す る満足度がはっきりと低下している。金融機関 の担当者等が年に 1~2 回程度の訪問しかでき ず、2~3 年で交代してしまうのでは、取引先の 課題や要望を的確に把握することは難しく、取 引先のニーズに合った経営支援を実施すること はできないと考えられる。取引先が満足する経 営支援を実施するためには、顧客から情報を収 集する必要があり、ある程度の面談機会・時間 を確保することは不可欠である。併せて、担当 者交代する際の情報引継ぎを徹底し、ぶれない 支援を行うことが必要である。 中小企業に対する経営支援の取組は、中小企 業の利益だけでなく、金融機関自身の利益に繋 がるものである。地域金融機関が取引先の経営 支援ニーズに応えるためには、知識不足を少し でも解消する教育と、知識不足を補うための本 部の専門スタッフや外部専門機関の活用するこ とによる、組織としての対応が求められる。ま た、特に経営支援に限りのある規模の小さな金 融機関においては、外部専門機関に加えて、他 の金融機関と共同した取組が有効と考えられる。 また、担当者や上席等の交代に左右されない、 ぶれのない継続的な経営支援が必要である。地 域金融機関には、組織的・継続的な経営支援に 向けた取組が求められている。 ●中小企業金融円滑化法との関係 最後に、金融機関における中小企業に対する 経営支援に関連して、中小企業金融円滑化法(以 下、円滑化法)の廃止との関係について若干の 私見を述べたい。 円滑化法により、金融機関には中小企業の負 担軽減のために貸出条件の変更等に努めること が求められる一方、金融庁は、金融監督に関す る指針として金融機関のコンサルティング機能 の発揮を求めるとともに、金融検査マニュアル において一定の条件の下での中小企業向け貸出 での貸出条件緩和債権に対する弾力的な判断を 認めている。金融検査マニュアルの中小企業向 け貸出における貸出条件緩和債権の弾力的な判 断については、一部に円滑化法による時限的な 措置もあるが、一方で恒久的な措置2となってい るものもある。このことから、円滑化法の廃止 後も貸出条件緩和債権についての弾力的な判断 は継続して認められ、金融機関には引き続き中 小企業への経営支援に向けた強力な取組が求め られることになる。 円滑化法廃止に向けた経営支援強化策として、 再生ファンドの活用が挙げられているが、既に 複数の金融機関が連携したものも含め地域金融 2 具体的には、「債務者が実現可能性の高い抜本的な経営再建 計画を策定していない場合であっても、政務者が中小企業で あって、かつ、貸出条件の変更を行った日から最長1 年以内 に当該経営再建計画を策定する見込みがあるときには、当該 債務者に対する貸出金は当該貸出条件の変更を行った日から 最長1 年間は貸出緩和債権には該当しないものとして判断し て差し支えない」こと、「経営改善計画等に関する規定を満た す計画(・・・債務者の実態に即して金融機関が作成した資 料を含む。・・・)が策定されている場合には、当該計画を実 現性の高い抜本的な計画とみなして差し支えない」ことが挙 げられる。(「金融検査マニュアル別冊[中小企業融資編 平成 24 年 1 月]」金融庁、「金融検査マニュアルに関するよくある ご質問(FAQ) 平成 24 年 4 月 6 日」金融庁検査局)

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機関が関与する再生ファンドは少なからず存在 し、事業再生に向けた取組が行われている。経 営資源の限られる地域金融機関にとって、更な る機能強化のためには、事業再生のノウハウを 有する人材の確保等のために外部ネットワーク の更なる拡充が必要になろう。 また、そもそも円滑化法廃止後も貸出条件緩 和債権に対する弾力的な判断が継続される中で 問題となるのは、結果的に事業再生の見込みが 薄くなった中小企業である。このような企業に 対しては、円滑な退出政策とともに、金融機関 においては、経営者の再起を含めた起業に対す る目利き力の強化も求められることになろう。 委託調査報告書全文は、経済産業省のウェブサ イトで閲覧することができます。 http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2012fy/ 0025055.pdf みずほ総合研究所 研究開発部 主席研究員 松本 英之 [email protected] 主任研究員 林 孝衛 [email protected] 本資料は、情報提供のみを目的として作成されたものであり、法務・貿易・投資等の助言やコンサルテ ィング等を目的とするものではありません。また、本資料は、当社が信頼できると判断した各種資料・デ ータ等に基づき作成されておりますが、その正確性・確実性を保証するものではありません。利用者が、 個人の財産や事業に影響を及ぼす可能性のある何らかの決定や行動をとる際には、利用者ご自身の責任に おいてご判断ください。

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