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Academic year: 2021

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口永良部島火山における地磁気変化と熱消磁モデル

On volcanomagnetic variations and a demagnetization-model at Kuchi-erabu-jima volcano

〇神田 径

〇Wataru KANDA

We have been recorded the geomagnetic field since August 2000 at the summit area of Kuchi-erabu-jima volcano where phreatic eruptions repeatedly occurred. Prominent changes have been observed since 2001 in concordance with the elevated volcanic activity. The obtained variations indicated the thermal demagnetization of subsurface around the presently active Shin-dake crater. A demagnetization source until the summer of 2002 was estimated at 200 m bsl. For the variations after 2003, the demagnetized area was modeled by a uniformly magnetized ellipsoid and estimated to be located at 300 m asl. As a result of a magnetotelluric survey, two good conductors composed of clay-rich altered materials were found. The demagnetized area after 2003 lies between two conductors, in which aquifer is considered to be developed. Based on those results as well as the seismological, geodetic, and geochemical information, we inferred a heating process of Kuchi-erabu-jima volcano and found that the aquifer play important rolls to accumulate and release the heat.

水蒸気爆発を繰り返し発生させた口永良部島火 山の山頂域では、2000 年 8 月以降、地磁気連続観 測が行われている。火山性地磁気変動を抽出する 時系列解析の結果、2001 年の春以降、火山活動の 活発化に対応するような顕著な地磁気変動が得ら れた。この変動は、現在の活動火口である新岳火 口周辺地下での消磁と解釈され、磁気源を見積も った。その結果、2002 年夏までの初期の変動をも たらした磁気双極子源は、新岳火口南側の海面下 200m に推定された。2003 年以降の変化について は、磁気双極子源の位置にあまり変化がなかった ことから、一様帯磁した楕円体の作る磁場によっ てモデル化された。その結果、消磁領域は新岳火 口直下の標高 300m を中心とする半径 100m程度 の領域に見積もられ、火山活動の活発化によって 消磁領域が拡大していると推定された。 この消磁領域と火山体浅部の電気的構造との関 係を調べるため、AMT (Audio-frequency magneto-

tellurics) 探査を実施したところ、良導層が二箇所 に存在することがわかった。一つ(HC1)は火口 周辺の地表付近に限定されており、もう一つ (HC2)は深さ 200-800mにわたって山体全域に 広がっていた。これらの良導層は熱水変質によっ て生成された粘土鉱物を豊富に含む層であると解 釈され、不透水層として振舞うことから、HC2 の 上部付近の比抵抗のやや低い領域には、地下水層 が発達していると考えられた。地磁気変化から推 定された消磁源は、これら二つの良導層に挟まれ た地下水層を含む領域に位置している。 これらの結果を基に、地震学的、測地学的、地 球化学的情報を考慮すると、口永良部島火山の蓄 熱過程は、次のように推測される。 (1) 2001年春頃、HC2 を通過できないマグマ性の 高温火山ガスが HC2 の下部付近に蓄積され、熱消 磁が発生した。一方、HC2 の上部付近では、既存 の通路を使って上昇する火山ガスが通路を広げよ うとして地震が多発した。 (2) 地震の多発により HC2 を貫通する通路が確立 され、より大きなフラックスの火山ガスが上昇で きるようになった。高温火山ガスは帯水層に到達 し、帯水層内の地下水を介して熱が急速に周辺の 岩石へ輸送され、熱消磁が発生した。マグマ性火 山ガスの一部は噴気として放出され、一部は地下 水層を通じて拡散した。 (3) 深部からのガスフラックスの急激な増加と地 下水層を介した熱の拡散が繰り返され、高温領域 (消磁領域)が拡大した。HC1 は蓋として作用す るため、高温領域内部では圧力も高まり、地盤変 動として観測された。火山ガスは上昇を続け、火 口直下での各種地震を発生しながら噴気孔へ繋が る通路が確立された。HC1 の下に蓄熱・蓄圧領域 が形成されていると考えられる。

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