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阿蘇カルデラ周辺の表層電気伝導度分布(2) Electrical Conductivity Distribution in the Surface Layer around Aso Caldera (2)

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Academic year: 2021

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D29

阿蘇カルデラ周辺の表層電気伝導度分布(2)

Conductivity distribution of the surface layer around Aso Caldera (2)

〇鍵山恒臣・吉川慎・宇津木充

〇Tsuneomi KAGIYAMA、 Shin YOSHIKAWA、 Mitsuru UTSUGI

The authors carried out VLF-MT survey in and around Aso Caldera. Aso Caldera has wide area of homogeneous and high conductivity (> 100μS/cm), and similar size of high conductivity area was identified in the west of Aso Caldera (Kikuchi, Shisui and Uyeki hot springs). Another high conductivity area is distributed along the Oita-Kumamoto Tectonic Line. The NNW-SSE trend from Naka-dake to Oguni Town via Uchinomaki may also suggest a tectonic fault.

1.はじめに 火山の活動形態が爆発的になるか、噴火未遂・ 地熱活動になるかは、マグマ中の揮発性成分の脱 ガスが大きく影響していると考えられている。揮 発性成分が地下水に溶けるとその電気伝導度は高 くなるので、地下の電気伝導度分布を知ることは 有用と考えられる。阿蘇カルデラは、中岳火口に 湯だまりを有し、その熱水がどのように周辺に拡 散しているか大変興味がもたれる。また、内牧温 泉など、カルデラ内に存在する温泉の熱源と中岳 の火山活動との関係も興味がもたれる。こうした ことから、阿蘇カルデラにおける表層電気伝導度 分布(その1)に加えて阿蘇カルデラを囲むやや 広い周辺部において表層電気伝導度分布を調査し た。以下にその概要を述べる。 2.表層電気伝導度測定の結果 2.1 阿蘇カルデラの特徴 阿蘇カルデラの表層電気伝導度は(その1)に おいて報告している。それによると、火口丘群は 全般に低電気伝導度であるが、中岳(火口近傍を 除く)や北西に位置する米塚、杵島岳などでは 30 μS/cm 以下となっている一方、中岳の西に位置す る草千里では 30μS/cm 以上となっている。また、 西部の吉岡や湯之谷、地獄・垂玉などの温泉地周 辺では、300μS/cm 以上の高電気伝導度域となっ ている。中岳の周辺部は低電気伝導度であるが、 火口のごく近傍では 300μS/cm 以上の高電気伝導 度となっている。また、中岳の北側山麓の仙酔峡 から一宮付近では、米塚や杵島岳の北側山麓が低 電気伝導度であるのに対して高電気伝導度となっ ている。また、中岳から南側の白川方向に電気伝 導度の高い領域が延びており、湯之谷、地獄・垂 玉から南西方向にも高電気伝導度域が延びている。 これらの結果は、中岳の湯だまりから熱水が流出 していることを示唆している。 一方、カルデラ床は、100μS/cm 以上の高電気 伝導度を示し、かつ比較的均質であるが、北側の カルデラ床である阿蘇谷の三重塚から内牧温泉に かけての SSE-NNW 方向の領域で 300μS/cm 以上を 示している。この領域の地下には、揮発性成分を 放出する線状の供給源が存在していることが示唆 されている。この線の延長には中岳が位置してお り、なんらかの構造があるのかもしれない。 2.2 阿蘇カルデラ西方の特徴 阿蘇カルデラの西側には、100μS/cm 以上の領 域が伸びている。特に活動している火山はないが、 菊池温泉、泗水温泉、植木温泉などの温泉が点在 している。高電気伝導度域の広がりは、阿蘇カル デラにおける高電気伝導度域の広がりに匹敵して おり、揮発性成分の流動が起きている可能性があ る。 2.3 阿蘇カルデラ南方の特徴 阿蘇カルデラの南外輪の領域は、100~50μS/cm 程度の領域が広がっている。しかし、その南では、 30μS/cm 以下となっている。この領域は、臼杵- 八代構造線以南に対応しており、同じ傾向はさら に東側の祖母山から臼杵まで続いている。 2.4 阿蘇カルデラ東方の特徴

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阿蘇カルデラの東側では、100~50μS/cm 程度 の領域が広がっているが、一部では、100μS/cm 以上の領域が東北東方向に延びている。この両機 は、大分熊本構造線にほぼ一致する。 2.5 阿蘇カルデラ北方の特徴 阿蘇カルデラの北側では、100~50μS/cm 程度 の領域が広がっているが、小国町の一部では、100 μS/cm 以上の領域が北北東方向に延びている。こ の領域は、阿蘇カルデラ内に見いだされた三重塚 -内牧温泉方向の高電気伝導度域の延長上となっ ている。 3 まとめ 阿蘇カルデラおよびその周辺部において、表層 電気伝導度調査を行った。その結果,阿蘇カルデ ラ内において電気伝導度の高い領域が見いだされ た。この電気伝導度の高い領域は西側に延びてい ることが分かった。中部九州全体のスケールで見 た場合、電気伝導度分布は、臼杵-八代構造線や 大分-熊本構造線に規定されている。また、中岳 から内牧温泉を経て北北西方向に電気伝導度の高 い領域が伸びており、ここになんらかの構造線が 存在しているかもしれない。

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