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布のドレープ性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

布のドレープ性に関する研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

長井, 茂明

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 乙第062号

Issue Date

2008-09-10

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/33555

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目

学位論文審査委員

長 井 茂 明(三重県) 博 士(工学) 乙第 62 号 平成 20 年 9 月10 日 物質工学専攻 布のドレープ性に関する研究 (Studyondrapeabilityoftextile払brics) (主査)教 授 三 輪 貴 (副査)教 授 岡 村 政 明 教 授 土 田 亮 准教授 武 野 明 義

論文内容の要旨

衣服の外観評価に最も寄与する因子として,布が自重で垂れ下がる状態を表すドレープ性がある。ドレ ープ性の一つの指標として,円形に切った織物をそれより小さな円形の把持台に同心状にのせ,上部に重

しを置いて布の周縁を垂下させるFRL(Fabric Research Laboratories)試験法がある。

本研究では,垂下時に自重に対して働く力学的抵抗力を特定するために,形態の相似,非相似という新 たな観点で捉え,各種の力学抵抗と自重との間にどのような条件が整えば相似的な垂下形態となるか,ま た非相似をもたらす力学的要因はなにかをモデル的に明らかにした。すなわち,垂下形態の相似性は垂下 に関係する力学抵抗の相似性に起因するとの仮説を立て,相似理論を導入して解析した。その解析結果を 基に,まず,力学特性がシンプルな均質体シートについてドレープ性の評価法を検討し,次いで,力学特 性が複雑な織物に,その評価法を適用するための方法を考察し,以下の知見を得た。 1)布のFRLドレープ形態解析への相似則の適用:従来のFRLドレープ試験法と同様な垂下条件で垂下さ せたとき,布の自重に対する抵抗力を,カンチレバー状の布の曲げに対する抵抗力Pl,布の圧縮座屈に対 する抵抗力P2,及び支持台近辺に生じる3次元曲げ変形を含むその他の抵抗力P。に分解可能な場合に,相 似則で用いられる冗ナンバー表示して,P.とP2の抵抗力と自重(布の単位面積あたりの重量w)及び布の 垂下長R,曲げ剛性EIとの関係式(冗1=冗2=R/(EI/v)1/3)を見出し,相似則が成立することを明らかにし た。 2)結合モデルによるFRLドレープ形態の解析:Pl及びP2の抵抗力が同時に作用する場合にも,モデル(点 結合モデル)を用いて,相似則が成立することを確かめた。そして,性質の異なる均質体シート及び織物 で作成した点結合モデルでも,同一の相似条件下で,相似形態となることを明らかにした。 3)振り変形を含むFRLドレープモデルの形態の相似性:結合モデルの支柱とリングの結合部分を,線結 合するモデル化によって,支柱部分に振り変形が働き,均質材料と織物とでは異なる相似則が成立するこ とを明らかにした。そして,P。とドレープ形態との関係を検討する場合には,均質材料グループと織物材 料グループとは別々に分けて考察する必要があることを提案した。 4)相似則の冗ナンバーを用いたFRLドレープ形態の表示:抵抗力P。に含まれる振り変形以外の主要抵抗 力として,3次元曲げ抵抗及び伸縮変形による抵抗が予測され,それらの抵抗力と自重との関係を,まず 均質体シートについて冗ナンバーを用いて検討した。3次元曲げ抵抗については,線結合モデル化で得ら れた冗ナンバーと同一の式(=R/(EI/w)1/3)で表される冗ナンバーが得られ,一方,伸縮変形による抵抗 では,垂下長R,弾性率E及び密度pで表される冗ナンバー(=R/(E/β)が得られた。上記2種の冗ナン バーのうち,一方を一定にすれば,そのドレープ形態の違いは,もう一方の冗ナンバーにより表され,FRL ドレープ形態の違いを伸縮変形による抵抗に関する冗ナンバー値の違いにより識別できることを明らかに した。 以上のことから,FRLドレープ試験と同様な方法で,シートを垂下した時に働く主要な抵抗力は,単純曲 げ抵抗力,圧縮座屈抵抗力,振り抵抗力,3次元曲げ抵抗力,伸縮による抵抗力の5種類であることを特 定した。 5)FRLドレープ形態の評価法の提案:まず,FRL試験法と同様な条件で均質体シートを垂下させたとき, 冗ナンバー(=R/(EI/w)1/3)は,ドレープ係数と同様に,シートの垂下程度を表す指数であることを確か めた。次に,伸縮変形による抵抗力について得られた冗ナンバー(=(w/E)2/3)は,冗を任意の値に固定 したとき,ドレープ形態を分別できる指数であることを確かめた。そして,「均質体シートのドレープ性評 価法」として,垂下指数冗と形態指数(w/E)2/3の両者を用いて評価する方法を提案した。 6)均質休シートのドレープ性評価法の織物への適用:FRLドレープ試験と同様な方法で垂下したとき, 均質体シートのドレープ性と同様に,織物のドレープ性の評価法として,垂下指数冗=R/(EI/Wリ/3と垂下 形態指数(w/E)2/3を用いることを提案した。このとき,曲げ剛性EIの代表値にはたて,よこおよびバイヤ ス方向のEIの平均値を,弾性率Eの代表値にはバイヤス方向の値を用いることが有効であることも提案し

(3)

-51-た。弾性率Eは糸構造や織物構造により異なることを考慮すると,ここで提案した垂下指数と形態指数は, 布のドレープ性ひいては織物構造,糸構造の設計のための指数としても有効であると考えられる。

論文審査結果の要旨

衣服の外観評価に最も寄与する因子として,布が自重で垂れ下がる状態を表すドレープ性がある。ドレー プ性の一つの指標として,円形に切った織物をそれより小さな円形の把持台に同心状にのせ,上部に重し を置いて布の周縁を垂下させるFRL(FabricResearchLaboratories)試験法がある。 本研究では,垂下時に自重に対して働く力学的抵抗力を特定するために,形態の相似,非相似という新 たな観点で捉え,各種の力学抵抗と自重との間にどのような条件が整えば相似的な垂下形態となるか,ま た,非相似をもたらす力学的要因はなにかをモデル的に明らかにしている。得られた知見は以下のようで ある。 第1章では,関連研究に言及し,本研究の目的及び概要を示している。 第2章では,従来のFRLドレープ試験法と同様な垂下条件で垂下させたとき,布の自重に対する抵抗力 を,カンチレバー状の布の曲げに対する抵抗力Pl,布の圧縮座屈に対する抵抗力P2,及び支持台近辺に生 じる3次元曲げ変形を含むその他の抵抗力P。に分解可能な場合に,相似則で用いられる冗ナンバー表示し て,PlとP2の抵抗力と自重(布の単位面積あたりの重量w)及び布の垂下長R,曲げ剛性EIとの関係式(= R/(EI/w)1/3)を見出し,相似則が成立することを明らかにした。 第3章では,Pl及びP2の抵抗力が同時に作用する場合にも,点結合モデルを用いて,相似則が成立する ことを確かめた。そして,性質の異なる均質体シート及び織物で作成した点結合モデルでも,同一の相似 条件下で,相似形態となることを明らかにした。 第4章では,結合モデルの支柱とリングの結合部分を,線結合するモデル化によって,支柱部分に振り 変形が働き,均質材料と織物とでは異なる相似則が成立することを明らかにした。そして,P。とドレープ 形態との関係を検討する場合には,均質材料グループと織物材料グループとは別々に分けて考察する必要 があることを提案した。 第5章では,抵抗力P。に含まれる振り変形以外の主要抵抗力として,3次元曲げ抵抗及び伸縮変形によ る抵抗が予測され,それらの抵抗力と自重との関係を,まず均質体シートについて冗ナンバーを用いて検 討した。3次元曲げ抵抗については,線結合モデル化で得られた冗ナンバーと同一の式(=R/(EI/w)1/3) で表される冗ナンバーが得られ,一方,伸縮変形による抵抗では,垂下長R,弾性率E及び密度βで表され る冗ナンバー(=R/(E/p)が得られた。上記2種の冗ナンバーのうち,一方を一定にすれば,そのドレー プ形態の違いは,もう一方の冗ナンバーにより表され,FRLドレープ形態の違いを伸縮変形による抵抗に関 する冗ナンバー値の違いにより識別できることを明らかにした。 そして,FRLドレープ試験と同様な方法で,シートを垂下した時に働く主要な抵抗力は,単純曲げ抵抗力, 圧縮座屈抵抗力,振り抵抗力,3次元曲げ抵抗力,伸縮による抵抗力の5種類であることを特定した。 第6章では,均質体シートを垂下させたとき,冗ナンバー(=R/(EI/w)1/3)は,ドレープ係数と同様に, シートの垂下程度を表す指数であることを確かめた。次に,伸縮変形による抵抗力について得られた冗ナ ンバー(=(w/E)2/3)は,冗を任意の値に固定したとき,ドレープ形態を分別できる指数であることを確 かめた。そして,「均質体シートのドレープ性評価法」として,垂下指数冗と形態指数(w/E)2/3の両者を用 いて評価する方法を提案した。 第7章では,均質体シートのドレープ性と同様に,織物のドレープ性の評価法として,垂下指数冗(= R/(EI/W)1/3)と垂下形態指数(w/E)2/3を用いることを提案した。このとき,曲げ剛性EIの代表値にはたて, よこおよびバイヤス方向のEIの平均値を,弾性率Eの代表値にはバイヤス方向の値を用いることが有効で あることも提案した。 第8章は,以上の成果をまとめものである。そして,弾性率Eは糸構造や織物構造により異なることを 考慮すると,ここで提案された垂下指数と形態指数は,布のドレープ性ひいては織物構造,糸構造の設計 のための指数としても有効であると考えられる。

最終試験結果の要旨

学位論文の内容および関連する専門分野に関する口頭試問を行った結果,学申請者は学位授与に相応し た高い学力を有することが認められたので,最終試験を合格と判定した。

参照

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