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化学と化学結合

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Academic year: 2021

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第11章 化学と化学結合

 この章では、化学の基本となる原子間の結合、化学結合について勉強していきましょう。 化学結合と固体や液体、気体などの物質の状態の関係を理解すると、氷に塩をまくとなぜ 溶けるかまでも理解することができるようになります。今回は、ミクロなレベルからマク ロな状態をどの王に理解できるのかについて見ていきましょう。  

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電子の殻と周期表

 前回出てきた、電子の殻と周期表の関係を復習しておきましょう。原子に一番近い殻に は電子が2つ入ることができます。次のシェルには8個まで入ることができ、合計10個 で殻がふさがります。このようにして、2,10,18,36 個の電子で殻が構成されています。 これらを魔法数と言います。このような電子の配置は非常に安定です。原子として原子 番号が 2,10,18,36 などであればこのような数の電子を持ちます。このような原子番号が 2,10,18,36 となる原子は、他にもっと安定な状態がないため、化学反応を起こしません。 また、お互いに引き合う力が弱いので、常温では一般に気体です。このため、このような 原子を、不活性ガスと言います。それ自身単体で分子となりますので単原子からなる分子、 単原子分子となります。周期表で見ると一番右側のヘリウム、ネオン、アルゴンなどが不 活性ガスです。また、他の原子や分子と化学的に反応しません。逆にこのような性質のた め、化学反応によって原子を特定することが困難でした。  また、このように閉じた状態にある電子は安定なため、不活性ガス以外では、化学結合 で重要になるのは、閉じた状態にはない最も外側の電子です。この一番外側の電子を価電 と言います。化学結合では、この価電子の個数をその原子の価数と言います。  自然界のすべての物質はできるだけエネルギーの低い状態に行こうとします。それはそ の方向に力が働くからで、たとえば、川の水が海に行こうとするのもポテンシャルエネル ギーの低い状態に行くような力が働くためです。魔法数の電子を持たない原子は、他の原 子と反応して結合し、電子の配置を魔法数に近づけようとします。このように、電子の配 置を魔法数に近づけようとすることによっておこる原子間の結合を化学結合と言います。 この結合の仕方には結合する元素間の性質に応じて3つのタイプがあります。すなわち、 ほとんどの原子は、殻を満たすために、3つのタイプの結合のうちの一つを採用します。 化学結合の仕方は、電子を放棄するか、電子を受け取るか、または電子を共有するかです。 これらは、国などの力関係による同名の仕方によく似ていますね。国の兵力が強ければ領 土を奪い取り、弱ければ放棄し、力が拮抗していれば共有することも考えられます。また、 領土を国連の管理下に置き、すべての国で共有することも考えられますね。  一般に原子は結合して分子をつくっています。原子同士の結びつきを変えた方が安定な ことがありますが、このためにはいったん原子の結びつきを引き離す必要があります。た とえば、炭素と酸素分子を反応させ、二酸化炭素を作るためには、酸素分子の酸素通しを 引き離す必要があります。木や紙を燃やすときに外部から火を与えると熱運動によってこ の引き離すエネルギーを得て、それ以後は二酸化炭素となったときの余分に発生したエネ

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価電子の電子が原子に引きつけられる電荷は?

 化学結合では最も外側にある電子が重要であると述べ ましたが、この電子に働く力についてもう少し詳しくみ ていきましょう。最外殻にいる電子には、お互いの電子 の反発力に加えて、核子からの電荷の力と、内側の殻に ある電子からの力が加わります。内側の殻の電子は、核 子の電荷をいくらか中和していると考えることができま す。価電子に働くこの電子によっていくらか中和された 原子核の電荷を有効核電荷と言います。たとえば、ナト リウムは核子が11の正の電荷を持っていますが、10 個の電子が殻をなしていますので、最外殻にある1つの 価電子には、11−10=1の有効核電荷が働きます。 クーロンの法則により、電荷を持った物体には、その 電荷に比例した力が働くため、このため、この電荷を 原子が引きつける力が弱く、電子が失われやすい状態 になっています。  同様に、塩素は17の電荷を持つ核子があり ますが、この内の10個は内側の殻にある電子 で中和されていますので、17−10=+7の 有効核電荷を持っています。このため、電子を 引きつける力は強く、他の原子から電子を奪い やすいのです。  このように、周期表の左側の原子は、電子を 奪われやすく、周期表の右側の原子は電子を奪 いやすいのです。  周期表の一番左にある第1族の原子、水素・ リチウム・ナトリウム・カリウムは、アルカリ 金属と呼ばれています。これらは単体で金属光沢 がある金属ですが、電子を失いやすいので、化学 反応をしやすくなっています。  また、周期表の右から2番目の第 17 族元素、フッ素・塩素・臭素・ヨウ素は、価電子 が最も多く、有効核電荷が大きいので電子を受け取る化学反応をしやすくなっています。 ナトリウムの最外殻の電子の受ける 中心からの電荷は1 最外殻電子を引きつける力は弱い  塩素の有効核電荷は7 電子を引きつけて奪いやすい

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原子の大きさと周期表

 次に原子の大きさについて見てみましょう。シェルモデルからでは原子の大きさはわか りにくいですね。電荷の大きい核子ほど、中心の電荷が大きいほど引く力が強いために、 各シェルの中心からの距離は小さくなります。たとえば、水素にくらべてヘリウムの核子 は電荷が2倍になりますので、二つの電子の原子中心までの距離は、水素原子よりも小さ くなります。この電子の中心までの平均距離を原子の大きさとします。後で見ますが、核 子の大きさはこの電子の回る距離よりも約10万分の1であり、この電子の軌道の大きさ が原子の大きさを決めているのです。リチウムでは、内側のシェルの距離はさらに小さく なりますが、価電子は次の殻になりますの で、原子の大きさは水素よりも大きくなり ます。そしてこの殻が埋まるにつれて、原 子の有効核電荷は大きくなるので原子の大 きさは小さくなっていきます。  このように、原子の大きさは、周期表の 右上が一番小さく、左下に行くほど大きく なっていく傾向があります。  また、価電荷が大きく、中心からの距離 が小さい電子には、クーロンの法則により 大きな力が働きます。このことから、周期 表の右上の原子ほど、電子を引きつける力 が大きいことがわかります。  たとえば、第17族元素で原子価7の フッ素は、同じ属の塩素に比べて価電子の 中心からの距離は小さくなります。そのた め、塩素より電子を引きつける力が大きく、 他の原子と非常に反応しやすくなります。  原子は、最外殻に電子を引きつけたり、電 子を失ったりすることができます。電子を失 うと、全体でプラスに帯電し、電子を得ると全体でプラスに帯電します。このような状態 の原子をイオンと言います。そして、最外殻の電子をはがすのに必要なエネルギーをイオ ン化エネルギーと言います。周期表の右上ほど、価電子を引きつける力が強いので、より 水素 ヘリウム リチウム 原子核の電荷が大きいほど引きつける力が大 きくなる。

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䜴 㻕 ⣲ 㻢 ⣲ Ⅳ 㻢 㻯 㻢㻣 㻮㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼛㼛 㼛㼛 㼛㼛 㼛 㼛 㼞㼛 㼞㼛㼞㼛 㼞 㼞㼞 㼞㼞㼞㼞㼛 㼛 㼛 㻤 㻣㻣㻣㻣㻣 㻣 㻣 㼛㼛 㼛㼛 㼛㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼚㼚 㼚㼚 㼛 㼛㼛 㼛 㼛 㼛 㼞㼛㼞㼛㼞㼛 㼞㼛㼞㼛㼞 㻣 㻣㻣 㻣 㻣㻣 㻣 㼛㼛㼛 㼛㼛 㻝 㻝 㻝 㻴 㻝 㻴 Ỉ⣲ 㻡 㻴㼥㼐 㼥㼐㼥㼐㼥㼐㼥㼐㼥㼐 㼐 㼥㼐 㼐 㼥㼐 㼐 㼐 㼥㼐 㼥㼐 㼐㼐 㼥㼐 㼥㼐 㼐㼐 㼐㼐㼐㼐㼐 㼐 㼐 㼥㼥㼐 㼐 㼐㼐 㼐 㼐 㼥㼥 㼥 㼥㼥 㼥㼥㼥㼥 㼞㼛 㼓 㼞㼛 㼓 㼞㼛 㼓 㼞㼞 㼛㼛㼓 㼞㼞 㼞 㼞 㼛㼛㼓㼛㼛㼓 㼞㼞㼛 㼞 㼛 㼛 㼛 㼛 㼞㼛㼞㼛 㼛 㼛 㼛 㼓 㼓 㼓㼓 㼑㼚 㻡㻟 㻟 㻟 㻟 㻟㻟㻟 㼐㼐 㼞㼛 㼞㼛 㼞㼛 㻟㻟㻟 㻠 㻮 㼑 㻮 㼑 䝸 䜴 䝮 䝸 䜴 㼥㼘 㼘㼕㼡 㼙 㼡㼙㼡 㼡 㼡 㼡 㼥㼘 㼘 㼥㼘 㼘 㼥㼘 㼘 㼥㼘 㼘㼘 㼥㼘 㼘 㼥㼘 㼘 㼥㼘 㼘 㼕㼡 㼕㼡 㼕㼡 㼕㼡 㼕㼡 㼕㼡㼕 㻞㻞 㻞 㻞 㻠 㻮 㻠 㻮 䝸 䝸 䝸 䝸 㼑㼞 㼑 㼑 㼥 㼑㼞 㼑㼞 㼑㼞 㼑㼞㼑㼞 㼑㼞 㼞 㼞 㼥㼥 㼥 㼥㼥㼥㼥㼥 㼥 㻝 㻝㻝 㻞 㻞 㻞 㻞 㻞 㻡㻡㻟 㻟 㻸 㻠㻠 㻸 㼕 㻞 䝸 䝏 䜴 㻟 㻌 㻸 䝸 䝏 䜴 㻟 㻸 㻠 䜴 㻠 㻸 㼕 䜴 㻸 㼕 㻠 䝸 㻠 䜴 䝮 䝧 㻸 㼕 䜴 䝮 䝧 䝸 㻝 㻮 㻝㻝㻝 䝸 䝏 䜴䜴䜴 䝮 㻸 㻸 㻸㼕㻸㼕 㼠 㻸㼕 㼠 㻸㼕 㼠 㻸㼕 㼠 㼔㼕 㼔㼕 㼔㼕 㻝 㻢㻢 㻢 㻢㻢㻢㻢 㻣㻣㻣㻣㻣 㻣 㻣 㻸 㻸 㻸㼕 㼠 㻸㼕 㼕 㼠 㼔㼕 㼔㼕 㼕㼡 㼕㼡 㼕㼡 㼕 㼕 㼙 㼙 㼙㼙 㼙㼙㼙㼙 㻤 㻝㻤 㻭㻭 㼞 䜰 䝹 䝂 䞁 㻝㻤 㻭 㼞 䜰 䝹 䝂 䞁 㻝㻤 㻭 㼞 㻭㻭㼞㻭㼞㻭㼞㻭㼞㻭㼞㻭㼞 㼓 㻭㼞 㼓 㻭㻭㼞 㻭㼞 㻭㼞 㼞 㻭㼞 㼞㼞 㻭㼞 㼓 㼓 㼓 㼞 㼞 㼞㼞 㼞 㻭 㻭㼞 㼞 㻭㻭㻭㼞 㼞 㻭 㻭㻭㻭 㼛㼚 㼛㼚 㼛 㼛 㼛㼚 㼛㼚㼛㼚㼛㼛 㼛 㼛 㼛 㼛㼚 㼛㼛㼚㼛 㼛㼛 㼛㼛 㼛 㼛 㼛㼚 㼛㼚 㼚 㼛㼚 㻣㻝 㻝 㻝 㻝 㻝 㻷㻷㻷 㻭㼞 㼓 㻭㼞 㼓 㼞㼓 㻭㼞 㼓 㻭㼞 㼓 㼞㼓 㼓 㼞㼞㼞㼞㼓 㼓 㼓 㼓 㼞㼞㼞 㼞㼞㼓 㼓 㼓 㼓 㼛㼚㼛㼚㼛㼛㼛 㼛 㼛 㼛㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼛 㼓 㻭㼞 㼓 㼞 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不活性ガスの利用

 不活性ガスは反応しにくい物質が必要であるときに利用されます。 比較的身近なのが、風船や飛行船へのヘリウムガスの利用です。これらには、軽い分子が 適しているため水素分子も考えられますが、水素分子は酸素と反応して爆発する可能性が あるので、化学反応しないヘリウムが適しているのです。 スキューバダイビングでは、通常空気と同じで、窒素と酸素の混合を高圧で液体にしたボ ンベを利用します。通常では窒素は体内に吸収されません。しかし、水深の深いところで は、その圧力故に窒素も肺から吸収されてしまい、気分が悪くなってしまいます。このた め、水深が深いところでは、酸素とヘリウムの混合ボンベが用いられます。ヘリウムは肺 から吸収されますが、化学反応を一切引き起こさないので、気分が悪くなることがありま せん。しかし、ヘリウム中では音が速く進むため、男の人でも女の人のように音声の音階 が高くなってしまいます。これは、風船用のヘリウムガスで試したことがある人も多いで しょう。  電球には通常、ネオンやアルゴンのような不活性ガスが封入されています。電気によっ て熱せられたフィラメントは、不活性ガスと反応しません。もし、空気中でフィラメント を熱したら、フィラメントはすぐに焼き切れてしまいます。

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188

イオン結合とは?

 一つの原子が電子を失い、それを他の原子が受け 取ると、両者の間には電気的な力が働きます。この ように電子の受け渡しによって生じた電気的な力に よる結合をイオン結合と言います。  例として、身近な食塩を見てみましょう。食塩は、 塩化ナトリウム、つまり塩素と炭素が結合したもの です。まず、ナトリウムでは最外殻の電子は有効核 電荷は+1でひきつける力は弱くなっています。一 方、塩素では最外殻に電子が一つ足りないのでこの 方向から見ると、電子は中心からの殻による電荷が 勝り、引きつけられます。すると、それぞれナトリ ウムイオンと塩素イオンとなりますが、両者はクー ロン力で引きつけられることになるのです。これが イオン結合です。  砂浜の砂などにも多く含まれているのが、ケイ素 (シリコン)です。これらは酸素とイオン結合して 酸化ケイ素SiO2となっています。これは、鉄 (Fe) がさびて酸化鉄となっているのと同様です。これらもイオン結合 です。  イオン化したそれぞれの原子は、お互いに引き合います。たと えば、食塩では、ナトリウムは多くの塩素を引きつけ、また逆に 塩素は多くのナトリウムを引きつけます。このため、ナトリウム はより多くの塩素に取り巻かれ、逆に塩素はより多くのナトリウ ムに取り巻かれた状態が安定になります。このため図のような 規則的なパターンの状態になります。このように、イオン結 合によって規則的に並んだ状態をイオン結晶と言います。食 塩も顕微鏡で見るとこのようなきれいな角張った状態である ことがわかりますが、大きな結晶も岩塩として売られていま す。イオン結合のうち、一つは単体では金属である元素から なります。金属であることは後で見るように電子がはがれや すい証拠でもあるのです。  イオン結合は非常に強いので、イオン結合で結びつい た物質の融点(固体から液体に変わる温度)は、おお むね500℃以上です。たとえば、NaCl では、融点は 801℃です。  2酸化ケイ素も結晶構造を取ることができ、これを 英(クオーツ)と言います。中でも不純物を含まずに透 明なものを水晶と言います。 Na(ナトリウム)         Cl(塩素)CCCl(塩素Cl(塩素Cl(塩素CCCl(塩素素)素)素) Na+(ナトリウムイオン)     Clナトリウムトリウムイ  C ClClClーーーーー(塩(塩(塩(塩素イオン)       NaCl(塩化ナトリウム) クオーツ(石英) 岩塩(食塩の結晶) 食塩結晶構造 塩素とナトリウムのイオン結合

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 一般が、高温の状態から冷やして安定な結晶構造になるのには、並べ替えが必要なた め時間がかかります。つまり、小学校で生徒が整列するのにはみんなが走り回っても時 間がかかるのと同様です。一方、小学生に急 いで並ばせたら完全に整列した状態になりま せん。2酸化ケイ素も同様で、高温の溶けた 状態から急速に冷やすと結晶の状態にはなら ず、乱雑にとなり通しが引きつけ合っただけ の状態になります。このような状態をアモル ファスと言い、ガラスなどがその例です。  イオン結合は日常見られる、石や、瀬戸物、 ガラスなど多くの物質を形成する結合です。  イオン結合をした物質は、押したり引いた りするようなイオンを引き離す方向には力が 強いのですが、ひねったり曲げたりして一部 の結合にだけ大きな力が働くと結合は壊れてしまいます。いったん結合が外れるとクーロ ン力は距離の二乗に反比例するため弱くなり離れたままになってしまいます。このため、 イオン結合の物質はもろく、壊れやすいのです。    

骨のイオン

 骨は硬い硬骨の部分と、コラーゲンを主成分とする軟骨によって形成されています。骨 の約70パーセントはミネラル分である、ハイドロキシアパタイトで、カルシウムイオン

とリン酸イオン、そして水酸イオンからなります。Ca10(PO4)6(OH)2これは、非常に耐

久性のある構造をしています。  骨の組織は絶えず吸収され再形成されています。40歳を過ぎると、骨が吸収される速 度が再生される速度を上回ることが多くなります。このため、骨に小さい穴ができて、骨 粗鬆症となることがあります。骨粗鬆症では、日常生活程度の運動でも骨折を引き起こす 場合が多くなります。特に高齢の女性に多く注意が必要です。特に喫煙が骨粗鬆症を引き 起こすことも報告されています。カルシウムの摂取よりも、骨組織の吸収を抑えることが 重要です。実際、カルシウム摂取量の多い国ほど、逆に骨折が多いようです。砂糖や動物 性の食品では、カルシウムの排泄が進むようなので、控えるのがよいでしょう。また、野 菜や果物などの摂取がよいとされています。

O

(酸素)

Si(ケイ素)

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共有結合とは?

 一方が電子を失いやすく、もう一方が電子 を得やすい場合には電子を受け渡してイオ ン結合となりました。しかし、お互いに電 子の失いやすさが同等のときにはどうなる のでしょうか?今度は水素を見てみましょ う。水素ではお互いに電子の入る順位に空 きがあります。このようなときに、電子の 波としての性質が出てきます。電子は、ド ブロイの関係から波長が大きいほどその速 度は小さく、エネルギーが小さくなるので す。つまり、電子の波長はなるべく大きな 方が安定なわけです。そのため、お互いに 電子を共有することにより、よりエネルギー の低い状態になることができます。このよ うに、お互いに電子を共有することによる 結合を共有結合と言います。 空気中に含まれる、窒素や酸素もまた共有 結合をしています。この場合、酸素と炭素 は二組の電子対を共有して、より強い結合 となっています。空きの2つある酸素同士 が結びついた酸素分子でも同様です。このよ うに二つの電子対を共有した結合を二重結合 と言い、それに対して水素分子などのように 一つの電子対の結合を単結合と言います。  また、最外殻に3つの空きがある窒素は、 原子の大きさも小さく、強力に電子を引きつけます。そして、 電子対を3つ作る三重結合となることにより強力な結合と なっています。  このように見ていくと、周期表の同じ族のものは同様な共 有結合をするように思えます。しかし、二重結合や三重結合 では、結合を強固にする側面だけではありません。二重結合 や三重結合では電子同士の距離が近づくことで電子同士の 反発力が生まれます。したがって、原子が電子を引きつける 力の強い、周期表の右上の方の原子のみが二重結合などをす ることができます。たとえば、酸素と同族である硫黄では、 原子の大きさが大きいため電子を引きつける力は酸素より 劣ります。そのため、2つの硫黄で二重結合となることなく、多数の硫黄原子が単結合で 結びついた固体となるのです。 H(水素原子)      H(水素原子) 水素分子 水素原子中の電子の波 水素分子中の電子の波 O O O O O O O O O O O O C O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O 2酸化炭素 O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O 酸素分子 N N N N N N N N N N N N N N N N N NNNNNNNNNNNN 窒素分子

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何が分子の形を決めるのか?

 分子の形は様々ですが、いったい何がこの形を決めて いるのでしょうか? たとえば炭素と水素の結合を考えてみましょう。炭素は、 4つの価電子を持ち、この4つが他の4つの電子と電子 を共有しようとします。しかし、注意したいのは、この 共有された電子はお互いにクーロン力で反発しあってい ることです。そこで共有された電子はお互いにできるだ け離れようとして電子対の形が決定されます。そのため、 4つの水素と炭素の結合した分子である、メタン (CH4) では、8つの価電子が2つずつ組になり正四面体を作り ます。  水の場合も同様です。価電子はお互いに最も離れよ うとして、メタンと同様の形をすることになるので す。水の分子の形が折れ曲がっているのは原子のみ 見ているからで、電子を見るメタンと同様の対称な 形をしているのです。アンモニアも同様なことが図 からわかりますね。  他の例として、二酸化炭素を見てみましょう。炭 素と酸素とは4つの電子を共有して、二つの電子の 共有よりもより強い結合をしています。このため、 二酸化炭素は安定で、エネルギーの低い状態です。 これらの共有結合はお互いに離れようとして直線的 になります。  このように、共有結合にかかわる価電子が、分子の形を 決めているのです。         H H H H C H H H H H H H H H H H C C H C C H C C C C メタン H H O HH H H H O O H O O O O O O O O 水分子

O

O

O

O

O

O

O

O

O

O

O

O

C

O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O O

H H N HHHH N N N N H N N N N

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赤外線の吸収と地球温暖化

 温室効果については熱のところでみましたが、ここでは分子がどのようにして赤外線を 吸収するのかを見てみましょう。  熱運動している分子や原子は振動したり互いに衝突したりして光子を放出しま分子の平 均運動エネルギーと光子の平均エネルギーが比例することになるわけです。分子の平均運 動エネルギーは絶対温度に比例し、プランクの関係式により光子のエネルギーはその振動 数に比例していましたね。そのため、絶対温度と放出される光子の平均振動数は比例しま す。  太陽の表面温度は約6000K で、主に可視光の振動数の光を放出しています。地球表 面はこの太陽の光によって暖められ、300K くらいで、可視光よりも振動数の小さな赤外 線を放出します。この赤外線が宇宙に逃げていって、地球の平均温度が保たれているので す。  分子は赤外線を吸収します。この赤外線の放出は、赤外線の光の振動数と、分子の振動 数が一致したときに多く怒ります。酸素分子や窒素分子では結合他強いため、原子間の距 離が変わる振動の振動数は大きく、赤外線は吸収されません。  一方、二酸化炭素で は 同 じ 共 有 結 合 で す が、 3 つ の 原 子 か ら なるので折れ曲がる振 動をすることができま す。いかに硬く結合し ていても折れ曲がるの は比較的容易です。た とえば下敷きは結合が 強いため引っ張っても ほとんど伸びませんが 折れ曲がるのは簡単で すね。分子の折れ曲が りも基本的にはこれと 同じです。この様な振 動はニュートンの法則 により加速度が弱く振 動で同じ位置に戻って くるまで時間がかかります。つまり、振動の振動数は小さく、赤外線と同じ振動数となり、 赤外線を吸収するのです。このように3つ以上の原子からなる分子では、分子振動の励起 により赤外線を吸収します。また、水やメタンは複雑な振動のパターンが多いため、二酸 化炭素より多くの赤外線を吸収します。  このような分子の振動が赤外線を吸収し、温室効果をもたらす原因となっているわけで すね。 O C O 二酸化炭素 赤外線 O C O O O C  二酸化炭素の振動は弱いエネルギーで可能となる  このため赤外線のような弱いエネルギーの光子を吸収、放出す  る

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金属結合とは?

 原子番号が大きく、原子の大きさが大き原子では、 価電子を引きつける力は弱くなります。このような 原子同士が集まったときには、電子はより多くの原 子間の間で共有した方が、波として波長が長く安定 した状態となるのです。  金、銀、銅、アルミニウムなどの金属では、この ように多数の電子をすべての原子で共有して結合し ています。このように、多数の原子により電子を共 有することによって生じる結合を金属結合と言いま す。  金属柱の電子は自由に動くことができるので自 由電子と呼ばれています。この自由電子は外部の 電場によって移動するため、導体です。ま た、自由電子は熱を運びますので熱伝導率 が高く、さわると手の熱が急速に失われ、 冷たく感じるのです。  金属に光である電磁波を照射すると、自 由電子は電磁波によって自由に移動し、再 び電磁波を放出するのでほぼ波長によらな い光を放出します。このため、白色光を跳ね 返す金属光沢が生じます。一方、最外殻の電 子は自由に移動しますが、それ以下の殻の電 子も存在します。そのため、内側の殻の電子 が特定の波長の光を吸収して励起することが もあります。このため、金属では白色光を反射光にしますが、金属によって吸収する波長 が異なります。そのため、金属によって色の違いが生じるのです。たとえば、金や銅では、 緑色の光を吸収して金色色に見えるのです。  周期表を見ると、半数以上の元素が金属であることも驚きですね。 金属結合 原子半径が大きいと各原子に束縛されず に全体で共有する電子が現れる  金属光沢は、自由電子が光により振動して  電磁波を放出することによっておこる

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水銀

 水銀は、金属でありながら常温で液体である物質で、金属光沢を持ちます。水銀を飲む などした場合には消化されませんが、気化した水銀を吸い込むと肺から血液中に入り、タ ンパク質を破壊したり、細胞の活動を阻害したりします。長期的に水銀を摂取すると、脳 や肝臓を破壊します。  海水中では、ある種のバクテリアが水銀を 有機水銀(メチル水銀)に変えます。この有 機水銀は、毒性が強く、中枢神経に障害を与 えるのです。この有機水銀を、プランクトン が食べ、それを魚が摂取するため、私たちは 魚を食べることにより有機水銀を摂取してし まうことになります。日本人は魚を多く食べ るため、他の国に比べて水銀摂取量が多いの ですが、通常は健康被害を与える量になるこ とはありません。ただし、メチル水銀は水に は溶けませんが、油には溶けます。そして、大きな魚はメチル水銀を脂肪の中に蓄えます。 そのため、アメリカなどでは、胎児などへの影響を考え、妊婦がマグロや金目鯛などの大 型魚を食べることは推奨されていません。  水銀による被害として、工場排水に起因する有機水銀中毒である、 水俣病(熊本県八代海)や阿賀野川流域(新潟県)でおきた第2水 俣病などが有名です。有機水銀によって、2000人以上が脳や中 枢神経に障害をきたし、死亡者も出たのです。生体内からのメチル 水銀は排泄しにくいので、中枢神経の破壊が長期的に続いてしまい ました。

Hg

メチル水銀

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分子間の結合と物質の状態

 空気中の酸素や窒素などは単一の分子が熱によって飛び回っています。しかし、身の回 りの見に見える物質の多くは、これら分子が結合している状態であり、目に見えるほどマ クロな大きさを持っています。これらはアボガドロ数として知られる、おおよそ 1023 個 という途方もない数の分子や原子が結合しています。この結合と、温度や圧力とにより物 質の配置の仕方には様々なものになります。それらは大きく分けて、固体、液体、気体、 プラズマです。地球上の多くの物質では、プラズマ状態は希なので、プラズマをのぞいた 3つの状態を物質の三態と言います。次に、これらの違いを見ていきましょう。

プラズマ

 太陽の内部のように非常に高い温度では、その熱の運動のため原子は非常に激しい衝突 を繰り返しています。そのため、原子から電子が引き離されているしまっています。この ように、原子が電子と原子核に分かれてしまった状態をプラズマと言います。この状態で は電子やイオンが比較的自由に移動できるので導体と同じようになっています。  プラズマは私たちの日常生活ではなじみは少ないのですが、宇宙の 99.9% の物質はプ ラズマ状態にあります。つまり、宇宙全体から見るとプラズマでない物質は希なのです。  蛍光灯ではプラズマが用いられています。蛍光灯の管の内部気体が一部プラズマ状態に なり、電気が流れます。

気体、液体、固体

 気体とは分子がお互いに自由に移動できる状態です。私たちの周りの空気がこうした状 態です。  液体の代表は水でしょう。分子はお互いに完全に自由に動いているわけではありません。 もしお互いに自由に移動できるのだったら、気体となって飛んでいってしまいます。液体 中の分子は、お互いの分子の力によりくっついたり離れたりを繰り返しています。このた め、決まった形を取ることはありません。  固体とは、決まった形と体積を持つ状態です。 固体の中でも、分子同士の結びつき方によって分類があ ります。結晶とは、原子が決まったパターンで繰り返さ れるものを言います。たとえば、金属や食塩などがこれ にあたりました。決まったパターンを持たないものを モルファスと言います。たとえば、ガラスは、結晶とは 異なり、決まったパターンで現れません。

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極性分子と非極性分子とは?

 図のように酸素と水素も共有結合をしています。 ただし、異なる分子間では、一般に分子を引きつけ る力、クーロン力が異なります。そのため、共有す ると言っても、引きつける力の強い方に偏って共有 することが多いわけです。水の場合、酸素の方が有 効核電荷が大きいため、酸素側に偏って共有されま す。このため、水素はプラスに帯電して酸素はマイ ナスに帯電することになります。一般にこのように、 電荷の偏りがあり、分極した分子を極性分子と言い ます。水は、極性分子の代表的なものです。  一方、酸素分子や窒素分子、二酸化炭素などは極 性を持っていません。このように電荷の偏りがない 分子を非極性分子と言います。  後で見るように、このような分子の違いが、分子 の性質に大きく影響してきます。

分子間に働く力

 通常分子の大きさは小さく、目に見える物体の多 くは小さな分子通しが分子間の力によって結合され た状態になっています。今からこの分子間に働く力 を見てみましょう。この分子間力もまた、基本的に電気的な力ですが、分子が極性を持つ か持たないかでその働き方が大きく異なります。  まず、水などの極性分子を見てみましょう。極性分子ではプラスの原子とマイナスの原 子は引き合いますので、極性分子は引き合うことになります。中でも、水素が入った原子 では、他の原子と電子を共有すると、電子は元々一つしかなく、しかも核子からの距離も 小さいため、引きつける力が強く大きな力となります。したがって、水の状態では、水分 子はお互いに自由に動く反面、水素のプラスの電荷の部分と酸素のマイナスの電荷の部分 が引き合い、引き合った状態になっています。このよ うな水素による結合を水素結合と言います。水素結合 は原子から分子を作る上での結合ではなく、分子間の 結合であることに注意してください。また、水素を持っ た分子がすべて水素結合をするわけではありません。 たとえば、水素と炭素とでは引きつける力が同じ位な ので炭素と水素の結合では極性を持ちません。  水はこの極性のためにイオンを引きつけます。食塩 を水に入れると、ナトリウムと塩素の間のイオン結合 よりも水の水素結合が勝り、食塩はナトリウムイオン や塩素イオンイオンとして水の中に溶けてしまいます。  O 酸素 H 水素 H 水素 H2O(水)

Na

+

Cl

− 極性によりプラスの電荷もマイナ スの電荷も共に引きつけられる

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水の中に溶ける物質は?

 水の中に溶けるのはイオンだけではありません。他の極性をもった分子でも水と引き合 います。このため、極性分子は水の中に溶けるのです。砂糖が水に溶けるのも砂糖が極性 を持っているためです。また、2酸化ケイ素などでできたガラスなども分子極性を持った 分子の集まりです。しかし、共有結合が強くてガラスは水には溶けませんね。しかし、ガ ラスに水を垂らすとガラスの面と水とが引き合うために広がります。このように水と引き 合う物質を、その性質から物質に親水性物質と言います。

極性分子と非極性分子の間の力は?

 それでは、極性を持たない分子はどうでしょうか?この場合、水分子通しの引力によっ て水からはじき出そうとします。このため、非極性分子は水に溶けません。油などがこう した極性を持たない分子であり、油が水に溶けないのはこのためなのです。  もっとも電気の章では非極性分子であっても、電場があると分極することを見ました。 たとえば酸素を見てみましょう。酸素分子は極性を持ちませんが、水のプラスの部分が近 づくと電子に引力が働き、核子に反発力が働くため、分子中の電子が近づいてきて分極し た状態になります。クーロンの法則により近くなるほど大きな力となるため、分子全体と しては引力となるわけです。もっとも、極性分子と非極性分子の間で生まれるこのような 力は大変弱いため、非極性分子は極性分子にはほとんど溶けません。酸素が水に溶けにく いのはこのためです。こうしたことから非極性の分子からなる物質を疎水性物質と言いま す。こように、水に溶ける性質と、極性分子であることとは関係しているのです。  また重要な性質として、非極性分子は、水には溶けないが、油など非極性分子の液体に は溶けることがあります。これは後の節述べる、非極性分子同士に働く力によるものです。 たとえば、炭素とフッ素からなる分子数の大きな分子、パーフルオロカーボンは非極性分 子です。高分子であることから常温で液体です。この中には非極性分子である酸素が多量 に溶けます。このように酸素を多量に状態では、この液体中で人間は呼吸をすることがで きます。

非極性分子と極性分子の力も高分子だと大きな力になる?

 極性分子と非極性分子の力は、構成する原子の数 が小さい分子では電子の偏りが小さく、大変小さい 力です。しかし、分子数が多い高分子では、全体と して大きな偏りとなり大きな力となります。たとえ ば、サランラップは非常に多くの分子からなる非極

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非極性分子同士の力は?

 非極性分子同士では、電荷の偏りがありませ んので、力は働かないように思いがちです。し かし、非極性分子が極性分子と引き合ったよう に、非極性分子双方が一時的に電荷の偏りを作 り出して引き合う力を作り出します。偏りは振 動しますが、近い電荷の知己合う力が勝りお互 いに引き合うのです。このような、非極性分子 同士の力をファンデルワールス力と言います。  酸素分子や窒素分子同士にはこのファンデルワールス力が働き、そのため低温ではお互 いにくっつき合って液体になります。非極性分子の二酸化炭 素がドライアイスになるのもこのファンデルワールス力のお かげです。  原子の大きさが大きいほど電荷の偏りも大きく、分極にか かわる原子の数が増加します。したがって、大きな原子ほど ファンデルワールス力は大きくなります。二酸化炭素が酸素 などに比べて固体になる温度が高いのはこれが理由です。  逆に小さい原子はファンデルワールス力は小さいことになります。たとえば、ヘリウム では原子が小さく、ファンデルワールス力は非常に小さいため液体になる温度は非常に低 くなります。  フッ素は非常に小さな原子であり、炭素と結びついた状態では非極性分子です。これは 非常に小さな分子間力しかありません。これが、テフロンコーティングの原理です。テフ ロンコーティングではフッ素が炭素と結びついた状 態で、原子間の力が強いため分極が小さく、フライ パンの表面の肉などとほとんど引き合うことがない のです。このためこびりつかないことになります。 ただし、350℃で熱により炭素の結合が壊れてしま い、はがれてしまいます。このため、テフロンコー ティングしたフライパンでは、高熱にしてはいけな いのです。また、このようにしてはがれたテフロンは、鳥に害があることが報告されてお り、多量に食べると人間にも風邪のような症状が出ます。このため、フライパンの空だき にはくれぐれも気をつけましょう。  ファンデルワールス力の強さが、分子の大きさと関係していることにより、常温でメタ ンが気体であり、ガソリンが液体であることを説明できます。メタンは CH4 と比較的小 さな分子であり、分子間力が弱いので、熱による運動が勝り気体の状態です。一方、ガソ リンの主成分のオクタン C8H18 では、分子が大きいためその間の分子間力は大きくなり ます。そのため熱運動では完全に自由に運動できずに液体となるのです。また、石油を精 製したときにできるタールはどろどろしており、これは非常に分子数が大きいことに関係 しています。

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石けんが汚れを落とす仕組みは?

 ねとねとした油汚れは、水では落ちま せんね。これは、油が非極性分子であり、 服など表面の分子とファンデルワールス 力で引き合い、極性分子の水とあまり引 き合わないどころか反発するためです。 これを落とすには、非極性分子の溶剤を 使います。ペンキをシンナーなどで落とすのも同じ理由です。  非極性分子の溶剤を使うよりも便利なのが、石けんと水とを使うことです。石けんは、 一方の端がが非 極 性 分 子 で、 もう一方が極 性分子となっ て い ま す。 こ の た め、 油 汚れとは非極 性分子の端が フ ァ ン デ ル ワールス力に よってくっつ き、 そ の 表 面 を 極 性 分 子 と します。このため、水と引き合い、汚 れを落とすのです。 分極した頭部 非分極部分 非極性の油 ファンデルワールス力 + + + + + + + + + + 水分子 水分子 水分子 水分子 水分子 引き合わない 非極性の油 ファンデルワールス力 + + + + + + + + + + + + + + 水分子 水分子 水分子 水分子 水分子 水素結合

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氷の表面では凍るのと溶けるのが同時に起こる

 氷は、水素結合によって水が結晶構造を漏っ た状態です。熱による運動エネルギーが大きな 分子は、氷の状態から離れて行き、水となりま す。また、水の状態の分子は絶えず熱運動で氷 に衝突していますから、運動エネルギーの小さ な分子は、水素結合で捕獲されて氷になります。 ゼロ℃より低いと、氷になる率が氷になる率を 上回り氷が大きくなります。ゼロ℃より高い温 度では、熱運動で溶ける率が凍る率を上回り、 氷が溶けていきます。そして、ゼロ℃では、溶 ける率と凍る率が等しくなるのです。

氷に塩をまくとなぜ氷が溶ける?

 このことから、氷に塩をまくと溶けることが次のように説明できます。氷は、その構造 からナトリウムや塩素イオンを含みません。そのため、ナトリウムや塩素イオンがやって きても氷はそれを受け取ることができません。そのため、図のように溶ける水分子の数が 凍る水分子の数に勝って溶けるのです。  このように、溶けたり凍ったりする物理的な性質は分子の運動によって説明できるので す。   氷 水 溶ける 凍る 氷 水 溶ける 溶ける 凍る 氷の表面では、水分子の衝突で絶えずと けたり凍ったりしている ナトリウムイオンは氷に衝突しても結合 しないので溶ける割合が勝るようになる

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キーワード

 魔法数、価電子、価数、不活性ガス、化学結合、有効核電荷、イオン、イオン化エネル ギー、イオン結合、共有結合、金属結合、結晶、アモルファス、イオン結晶、固体、液体、 気体、プラズマ、物質の三態、極性分子、非極性分子、水素結合、親水性物質、疎水性物 質、ファンデルワールス力

参照

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