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差分方程式に基づくソフトウェア信頼度成長モデルに関する考察

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Academic year: 2021

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2001年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

差分方程式に基づくソフトウェア信頼度成長モデルに関する考察

鳥取大学 *井上真二INOUEShinji

O1702425 鳥取大学 山田茂 YAMADAShigeru

O1206600 NTT 佐藤大輔 SATOHDaisuke

1 まえがき

ソフトウェアの信頼性を定量的に評価する方法とし て,従来より,数多くのソフトウェア信頼性モデルが提 案されている.その中に,統計的手法を使ってソフト ウェアの信頼性を予測する統計的データ解析モデルが ある.最近の研究において,これらのモデルを差分方程 式により離散型モデルに変換してパラメータ推定を行 えば,ソフトウェア開発プロセスの下流工程であるテス ト工程の初期段階にて,高精度の信頼性評価が可能で あることが報告されている.本研究では,2つの従来の 代表的な非同次ポアソン過程(以降,NHPPと略す)モ デルを取り上げ,それらの基本式である微分方程式から 厳密解をもつ離散化モデルを導出し,信頼性評価の高 精度化を図る.

2 離散化NHPPモデルとパラメータ推定

本研究では,基本的仮定が微分方程式で表される従 来のNHPPモデルの大域的性質(厳密解の存在)を保存 するように,差分化手法川[2]のうち双線形化法を適用 して厳密解をもつ離散化NHPPモデルを導出する. (1)離散化指数形ソフトウェア信頼度成長モデル 従来の代表的なNHPPモデルの1つである指数形ソ フトウェア信頼度成長モデルを基に導出される離散化 指数形ソフトウェア信頼度成長モデルは,仇をテスト 開始後丁乙期日までに発見される総期待フォールト数とす ると,NHPPモデルの連続型モデルの仮定より れる. (2)離散化習熟S字形ソフトウェア信頼度成長モデル 従来の代表的なNHPPモデルの1つである習熟S字 形ソフトウェア信頼度成長モデルを基に導出される離散 化習熟S字形ソフトウェア信頼度成長モデルは,んを テスト開始後m期日までに発見される総期待フォールト 数とすると,NHPPモデルの連続型モデルの仮定より ∂叫1−2り 【ん十J叶1】 ん十1一丁n = ∂αわJ+ ∂叫1−り JmJ叫1, (3) (1 が得られる.この差分方程式を解くと,んは α[1−(諸;)n] 1+c(諸芸)m (α>0,0<む<1,C>0,0≦J≦1),(4) と求められる.ここで,∂は一定時間間隔,αはテスト 開始前にソフトウェア内に潜在する総期待フォールト 数を表すパラメータ,むは1個当りのフォールト発見率 を表すパラメータ,Cおよび∼は共にフォールト発見能 力に関するテスト習熟係数を表しc=(1−り/Jの関係

にある.パラメータα,わ,およびcの推定値a,ム,およ

び2は,それぞれ式(3)から導出される回帰式より,一 定時間間隔∂とは独立したパラメータ推定値として求め られる. 3 モデルの適合性評価 本研究では,2.で議論した2つの離散化NHPPモデ ルに,既に提案されている離散型ゴンベルツ曲線モデ ル【3]と離散型ロジスティック曲線モデル[4]を合わせた 4つのモデ/レについて実測データを使った適合惟評価を 行う.使川する4つのフォールト発見数データ(DSl∼ DS4)に関して,DSlおよびDS2は指数形成長曲線を示 すデータ,DS3およびDS4はS/=F:形成長巾1線を示すデー タである.適斜偏平価基準としては,r′測相紆洪差[5], 平均偏差平方和[5】(以F,MSEと略す)を用いる・ 了瀾」相対誤差は,任意のテスト時刻で得られる部分 データを使い,テスト終了時刻で発見されるフォール ト数の予測値と実測値との相対誤差を表すものである. (1) 仇+1一仇=∂わ(α一方れ), が得られる.この差分方程式を解くと,仇は 仇=α[1一(1−∂吋’](α>0,0<わ<1),(2) と求められる,ここで,∂は一・定時開聞隔,αはテスト 開始前にソフトウェア内に潜在する総期待フォールト 数を表すパラメータ,わは1個当りのフォールト発見率 を表すパラメータである.パラメータα,♭の推定値a, 盲は,それぞれ式(1)から導出される回帰式より,一定 時間間隔∂とは独立したパラメータ推定値として求めら −66− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

表1:MSEによる比較結果. 離散化指数形 離散化習熟S字形 離散型ロジスティック 離散型ゴンベルツ SRGM SRGM 曲線モデル 曲線モデル DSl 39.643 12.141 101.92 72.854 DS2 1762.5 2484.0 27961 13899 DS3 25631 9598.1 15016 20078 DS4 11722 438.59 49741 27312 (SRGM:SoftwareReliabilityGrowthModel,ソフトウェア信頼度成長モデル) 0.75 0.5 0.25 0 −0.25 −0.5 −0.75 −1 4 つム 0 0

SHOhh凹m△﹂︺可一じ銘 ShOhh国 U>吊︺巾TU出 pむ︺UJpひhh

0 つム 0 4 6 0 〇 一 一 pU]UJ竹山hh 0 20 40 60 80 100

Rati0 0f Testing progress(%)

図1‥予測相対誤差(DSl). DSlおよびDS3に関して予測相対誤差を用いた比較結果 を図1および図2に示す.MSEは,発見される総フォー ルト数の各モデルの任意のテスト時刻における推定値 が実測値に対して,どの程度近い値を示しているかを 表す適合性評価基準である.各モデルに対してMSEの 値を求めた結果を表1に示す. 予測相対誤差およびMSEによる比較結果から,適用 する実測データが指数形成長曲線を示すものであれば, 離散化指数形ソフトウェア信頼度成長曲線モデルが有 効であると言える.また,適用する実測データがS字形 成長曲線を示すものであれば,実際のテスト工程にて, 信頼件評価がテスト進捗率60%以降から行われること を考慮して,離散化習熟S字形ソフトウェア信頼度成長 モデルが有効であると言える. 4 おわりに 本研究では,代表的な2つのNHPPモデルを離散化 することによって,既存の離散型モデルよりも実測値と の適合性を高め,信頼性評価の高精度化を図ることが できた.今後は,これらの統計的データ角抑手モデルにつ いて,さらに新たな適合性評価基準および実測データ を適用することより総合的な妥当性評価を行っていく 必要がある. 0 20 40 60 80

Ra亡10 0f Tes亡1nす Progress(篭)

図2‥予測相対誤差(DS3). 100 謝辞 本研究の一部は(財)電気通信普及財団の研究調査助 成および文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)(2) (課題番号12680442)の下で行われた. 参考文献 【1]広田良吾,“差分学入門=情報化時代の微積分 学,”培風館,東京,1998. [2]広田 良吾,“差分方程式講義一連続より離散 へ,”サイエンス杜,東京,2000. [3]D・Satoh,”Adis(:rCteGompcrtzcquationanda SOftwarereliabilitygrOWthrno(lel:’IEICEn・anS. 布何m淵加Ⅵ ′md 5加加m,VOl.E83−D,IlO.7, pI).15081513,Julv2000. [4】D.Satohan(1S.Yamada,”Parameterestimation Ofdiscretclogistic(:urVCmOdelshrsoftwarcreli− ご両Iil、・=ト…、−川・−▲し‥・/りJ廿=リ/・/…J…′…/り…仁IJト 〆吏ed〟α〃“汀nαf五c・9,tnbeI)11blisrle(l,2001. [5】山田茂,“ソフトウェア信頼性モデル基礎と応 用,”日科技連出版社,東京,1994. −67− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

参照

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