ソフトウェア適応ライフサイクルとその支援手法の提案
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(2) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. と連携しサービス提供を実施している(図 2).. 図 1. EDI-ASP サービス. 本サービスで提供している内容は大きく 6 つあり以下の表の通りとなる(表 1). 表 1 サービス名 集配信サービス マルチプロトコ ル変換サービス. Web 自動化サービ ス データ変換サー ビス Web-EDI( デ ー タ 転送)サービス Web-EDI( 小 売 向 け)サービス. 図 2. EDI-ASP のサービス内容 サービス内容. EDI-ASP システム構成. 前述の本サービスの範囲内で,顧客は必要に応じて申請を出してくる.弊社では上記 システムに対してソフトウェア適応作業を行っている.実際のソフトウェア適応フロ ー・ソフトウェア適応作業は次の通りである(図 3).. 弊社が顧客の代行として,顧客の取引先と,定められた 時間にデータの送受信を実施する. 弊社が顧客の代行として,顧客の取引先と,顧客が対応 していない通信手順で通信し,データの送受信を実施す る.対応する通信手順は ebXML-MS・JX 手順・全銀・FTP・ BACREX 手順・JCA となる. 弊社が顧客の代行として,顧客が取引先に対して手動で 行っている Web ブラウザによるデータの送受信を,Web ブラウザの操作を自動化しデータの送受信を実施する. 弊社が顧客の代行として,データの文字コード・レイア ウト変換を実施する. 弊社が顧客の代行として,顧客の取引先に対して,Web ブラウザによるデータの送受信画面(ファイル転送のみ) を提供し,データの送受信を実施する. 弊社が顧客の代行として,顧客の取引先に対して,Web ブラウザによるデータの登録・変更・送受信画面(伝票型) を提供し,データの送受信を実施する.. 図 3. EDI-ASP ソフトウェア適応フロー. (1) 申請受付 顧客からの EDI の新規や追加,削除の申請を申請書で受け付けるフェーズである. 申請フォーマットは顧客毎に異なっている.申請書を受け付けた後,内容を精査し問 題があれば,顧客に申請内容を問い合わせる. (2) EDI 通信設定 受付した申請書に基づきソフトウェアの設定を行うフェーズである.設定はパッケ ージソフトの管理画面により手動で登録する. (3) EDI アプリケーション設定 EDI 通信設定の他に必要なソフトウェアの設定を行うフェーズである.データの変 換定義や Web ブラウザの操作の自動化に必要な Web 自動化の Script を作成するフェ. 本サービスのシステムはパッケージソフトにて構築を行った.また,パッケージソフ トで満たせないサービスに関しては自社でソフトウェアを開発し,パッケージソフト. 2. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
(3) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. ーズである.また,Web-EDI の 2 種類のソフトウェアの設定もこのフェーズで行う.. 対顧客との通信 1 2 3. 変換定義の作成 EDI データの文字コードやレイアウトの変換が必要な場合は,申請時に受付した変 換レイアウトに基づき変換定義の作成を行う.作成はパッケージソフトに付属の変換 定義作成ツールにて GUI により手動で作成を行う.. Web-EDI の設定 Web-EDI(データ転送)と Web-EDI(小売向け)サービスにおいては,申請時に受付けし た,Web 画面用の設定を行う.設定は各 Web-EDI のデータベースに対して GUI ツー ルにて必要な情報を登録・変更・削除を手動で実施する.. 表 3 EDI 受け入れテストのフェーズの種類 テスト名称 テスト内容. フェーズ. (4) テスト テストフェーズは 2 つの段階に分かれる.システム内部での EDI 結合テスト,顧客 まで含めた EDI 受け入れテストの 2 種類となる. EDI 結合テスト EDI 通信設定フェーズで登録した設定と,EDI アプリケーション設定フェーズで作 成した変換定義が連携して動作するかどうかのテストを行う.ここではシステム内に て擬似的にデータを受信した後の処理を起動し,システム内のみでのテストを実施し, 設定の検証を行う.. 1. ネットワーク疎通. 2. EDI システム疎通. 3. 業務データ送受信. ネットワーク接続性の確認 ファイアウオールの確認 EDI サーバの動作確認 要求された通信手順で EDI システム同士が通 信できるかの確認 実際の業務データを使用して,顧客から取引先 まで問題なくデータの送受信・業務が出来るこ とを確認. (5) リリース・保守開始 受け入れテストが完了した設定のリリースを顧客へ行う.リリースには 2 種類あり, 次の通りである(表 4).リリース完了後に保守が開始される. 表 4. EDI 受け入れテスト 顧客による受け入れテストを行う.実際のデータを用い顧客,取引先との実際の通 信まで含めたテストを実施する.受け入れテストには 3 ステップあり次の通りである (表 2). 表 2. ネットワーク疎通 EDI システム疎通 業務データ送受信. テストフェーズ1,2は対顧客・対取引先毎に別々に行われる.対顧客とのテストフ ェーズ1,2は基本的に顧客との契約後,一回のみの実施となる.対取引先とのテス トは新規取引先が増える毎にテストを実施する.テストフェーズ3については顧客か ら取引先まで連携したテストを実施する. 受け入れテストのフェーズが分かれているのは,問題発生時に問題の切り分けを容易 にするために分けている.各テストフェーズの説明は以下の通りとなる(表 3).. Web 自動化の Script の作成 Web 自動化サービスにおいては,Web ブラウザの操作を自動化するための Script の 作成を行う.作成は Script 作成ツールにより Web ブラウザの操作を記憶させ Script を 自動生成させる.完全自動生成で Script が完成するわけではなく,人手による Script の修正が多少必要である.. フェーズ. ネットワーク疎通 EDI システム疎通. 対取引先との通信. 名称 立会い本番. EDI 受け入れテストの種類 テスト内容. サービスイン. 3. リリースの種類 内容. 旧通信との平行でのデータの送受信期間が存在する場合 に,新通信による本番の初回データ送受信を立会い,確認 を行う. 上記,立会い本番後の平行データの送受信が無くなる場合, もしくは,平行本番自体がない場合の,本番の初回データ の送受信を立会い,確認を行う. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
(4) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. けデータ変換パターンが存在する. よって,通信設定では通信手順の 8 種類掛ける顧客の数だけ申請書が最大増加する可 能性がある.また,データ変換に関しては現時点で無数のパターンが存在する.. 3. ソフトウェア適応作業における課題 本サービスは,大半がパッケージソフトにより構築を行った.パッケージソフトが 統一された汎用的なインターフェースを提供している為,ソフトウェア適応作業自体 に手間がかかる・問題が発生する可能性は低いと考えられていた.しかし,実際ソフ トウェア適応作業が始まり,ソフトウェア適応作業が増えてくると,いくつかの課題 が発生してきた.本章では,本サービスのソフトウェア適応作業で実際に起こった課 題を述べる.. (3) 課題3:ソフトウェア適応作業のパターンの増加への対応 本サービスの発展に伴い,ソフトウェア適応作業のパターンが増加してきた.適応 作業のパターンの増加には以下の理由が関係している. z. (1) 課題1:申請数の増加への対応 本サービスの発展に伴い,顧客からの申請数が増加してきた.申請数の増加には以 下の2つの理由が関係している. z z. 課題 2 で述べたとおり,本サービスの多様化に伴い,通信手順が 1 種類から 8 種類 に増加した為,現在は EDI 通信設定フェーズで 8 パターンのソフトウェア適応作業が 存在する.また,EDI アプリケーション設定フェーズのデータ変換定義作成作業に関 しては課題 2 で述べた通り無数のパターンが存在する.. 顧客あたりの申請数の増加 顧客の増加. 4. 課題の対策. 顧客あたりの申請数の増加理由は,弊社と顧客との信頼関係の向上により,顧客か ら弊社への委託範囲が増えた為である.また,顧客の増加理由は,営業活動により本 サービスの利用顧客の獲得を随時行っている為である.. 本章では,前章で述べた課題の解決すべき内容と対策を明らかにする. (4) 課題1の対策 課題1の問題点を掘り下げると,申請数の増加により,ソフトウェア適応作業の工 数が不足するというものである.対策としては,ソフトウェア適応作業自体を効率化 し工数の削減を実施するか,もしくはソフトウェア適応作業者の増員により工数を補 うかの 2 つ選択肢が考えられた.ソフトウェア適応作業は1適応当り5∼10人日必 要である.当初本サービスのソフトウェア適応作業者は 2 名で行っていた為,1 ヶ月 の最大適応数は4∼8が限界であった.適応作業の効率化と作業者の増員を比べた場 合,作業者の増員の方が効果的であった為,申請数の増加に対しては,まずは作業者 の増員により対策を実施した. また,対策に際して単純な作業者の増員を行うだけではなく,今後の申請数の増加に 対応できるよう,以下を目標に,ソフトウェア適応作業の見直しを実施した.. (2) 課題2:申請フォーマット増加への対応 本サービスの発展に伴い,申請フォーマットの種類が増加してきた.申請フォーマ ットの増加には以下の 2 つの理由が関係している. z z. 本サービスの多様化. 顧客の増加 本サービスの多様化. 本サービスのシェア拡大により,顧客の数が増えた.本サービスの標準の申請フォ ーマットは存在するが,顧客に標準の申請フォーマットを強制することは出来ない. 殆どの顧客が自社の独自の申請フォーマットにより申請を行う為,申請フォーマット が増加する. 本サービスを開始した当初は,通信手順は ebXML-MS の 1 種類,データ変換のパター ンも1パターン(8 データ種)のみであった.申請フォーマットも標準化団体が定め る 1 種類でのみであった.しかし,本サービスの多様化に伴い,現在では通信手順は 8 種類取り扱う為,8 種類の申請フォーマットが存在する.またデータ変換のパターン はデータのレイアウトが規定されていない通信手順に関しては,顧客の取引先の数だ. z. ソフトウェア適応作業の一部を外部委託可能とする. 上記,ソフトウェア適応作業を外部に委託可能とする為に,ソフトウェア適応作業を 細かく分解し,外部に委託可能な作業とそれ以外の作業に分けた.その結果,外部に. 4. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
(5) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 委託可能な作業とは,マニュアルと指示書のみにより作業が可能なものが対象となっ た.具体的には EDI 通信設定フェーズにおけるパッケージソフトへの設定作業である. 逆に外部に委託不可能な作業とは EDI の知識が必要な作業や,顧客とのやり取りが必 要な作業である.ソフトウェア適応作業の外部への委託可否は次の通りである(表 5). 表 5 フェーズ. ソフトウェア適応作業の外部委託の可否 外部委託の可否 外部委託否の理由. 申請受付 EDI 通信設定 EDI アプリケーション設定 テスト リリース・保守. 否 可 否 否 否. 図 4. EDI 通信設定フェーズでは申請受付フェーズにて顧客から受付した申請書と,EDI 設 計フェーズにて作成された設計書をもとに,マニュアルと指示書に従ってパッケージ ソフトに EDI 通信設定が実施できるようソフトウェア適応フェーズを改善した. EDI 通信設定フェーズを外部委託することにより,外部委託での作業実施後に検収作 業を実施する必要が出てきた.また,単一作業者による作業は 100%ミス無く行うこ とは不可能であり,自分の実施した作業を作業者自身で確認しても,作業のミスは 0% にはならないものである.よって,以下の 2 点を目的として他者による作業のレビュ ーを行うこととした.. 顧客とのやり取りが必要な為 EDI の知識が必要な為 顧客とのやり取りが必要な為 顧客とのやり取りが必要な為. さらに,EDI 通信設定フェーズ内の適応作業を細かいタスクに分類すると次の通りと なる(表 6). 表 6 タスク. z z. EDI 通信設定フェーズ内の外部委託の可否 外部委託の可否 外部委託否の理由. グループ設定の命名 ユーザ設定の命名 ファイル設定の命名 アプリケーション設定の命名 ジョブ構成の設計 変換定義の命名 グループの設定 ユーザの設定 ファイルの設定 アプリケーションの設定 ジョブの設定. 否 否 否 否 否 否 可 可 可 可 可. EDI-ASP ソフトウェア適応フロー(EDI 設計追加). EDI の知識が必要な為 EDI の知識が必要な為 EDI の知識が必要な為 EDI の知識が必要な為 EDI の知識が必要な為 EDI の知識が必要な為 -. 設定作業の外部委託実施における作業検収 単一作業者による設定誤りの低減. 具体的には,ソフトウェア適応作業の全てのフェーズにおいて作業完了後,作業内容 を他者によりレビューを実施することとした.(図 5).. 図 5. EDI-ASP ソフトウェア適応フロー(レビュー追加). (5) 課題2の対策 課題2の問題点を掘り下げると,申請フォーマットの増加によりソフトウェア適応 作業の申請受付フェーズの作業が多様化するというものである.対策としては,申請 フォーマットの統一を実施するか,もしくは多様な申請フォーマットの受付作業の効 率化を実施するかの 2 つの選択肢が考えられた.申請フォーマットの統一は顧客の業 務の都合により即座に統一されることは現実的にありえない.よって顧客毎の申請フ ォーマットから EDI 通信設定を実施できるよう,顧客の申請フォーマット毎にパッケ. 上記 EDI 通信設定フェーズにおけるパッケージソフトへの設定作業のみが外部委託可 能となった.よって,EDI 通信設定フェーズにおける作業において,EDI の知識が必 要な作業を EDI 通信設定フェーズから切り出し新たに EDI 設計フェーズとした.また, 残りのパッケージソフトへの設定作業のみを EDI 設定フェーズに残した.変更後の本 サービスの適応作業の流れは次の通りとなる(図 4). 5. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
(6) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. つの成果が得られた.. ージソフトへ EDI 通信設定のマニュアルを作成し,EDI 通信設定作業の外部委託可能 とした.顧客のフォーマット毎にマニュアルを作成するというコストは必要であるが, 一旦マニュアルを作成した後は,外部委託が可能となることにより,マニュアル作成 のコストを生産性の向上により十分吸収することが出来た.. z z. (6) 課題3の対策 課題3の問題点を掘り下げると,ソフトウェア適応パターンの増加によりソフトウ ェア適応作業の申請受付フェーズ・設定フェーズが多様化するというものである.対 策としては,課題2と同様,申請フォーマットから EDI 通信設定を実施できるよう, 適応パターン毎にパッケージソフトへの EDI 通信設定のマニュアルを作成し,EDI 通 信設定作業の外部委託可能とした.. (2) ソフトウェア適応ライフサイクルの支援手法の提案 次章で考察するように,ライフサイクルプロセスを導入した適応作業により,運用 に供するソフトウェアの安定性は大きく向上するものの,作業工数はかえって増加す る.当然のごとく,品質と生産性のトレードオフが生じているわけである.これを改 善するには,増加した工数の一部をルーチンワーク化ないし自動化するしかない.適 応ライフサイクルの導入により,ソフトウェアの設定に関する設計知識,業務知識が 抜き出されているので,そのような知識を使いながら行うレビュー作業など自動化の できない部分と,整理された知識をもとにマニュアル化した流れ作業との分割を明確 にすればよい. 設計知識,業務知識は,データ交換・変換における情報の要素項目とその構成に関 する意味的理解がもとになっている.すなわちプロダクト(もの)に関する知識であ る.これをソフトウェア設定の流れ作業,すなわち自動化可能なプロセスにいかに展 開するかがポイントである.このプロセスは複雑な条件分岐を含むものになるはずで あるので,プロダクトに関する知識を分岐の判定条件に正確にあてはめていくことが ライフサイクル支援の要といえる.. 5. ソフトウェア適応ライフサイクルとその支援手法の提案 本章では,ソフトウェア適応作業を,要求分析・設計・テストを段階的に実施する 為のソフトウェア適応ライフサイクルを定義し,またその支援手法を提案する. (1) ソフトウェア適応ライフサイクル 今回提案するソフトウェア適応ライフサイクルを次の通り定義する(表 7). 表 7 フェーズ 要求分析 設計 設定 テスト リリース 保守. ソフトウェア適応作業を知識(設計)と作業(設定)に分離し,作業に関しては 外部委託可能にすることにより,ソフトウェア適応作業の生産性が向上した. ソフトウェア適応作業を知識(設計)と作業(設定)に分離することにより,作 業者増員に際し,作業の習得と,知識の習得を段階的に実施することが可能とな った.. ソフトウェア適応ライフサイクル 内容. 顧客からのソフトウェアの設定に対する追加・変更・削除の要求を受付 その内容を分析する. 要求に基づき,ソフトウェアの設定に必要な設計作業を実施する.ドメ インに依存した知識をもとに,要求とソフトウェア設定に必要な要素項 目間の紐付けを行う. 設計に基づき,ソフトウェアの設定を実施する.ドメインに依存した知 識は必要なく,ソフトウェアの設定のみを行う. 設定した内容の検証を行う.設定者による単体テスト,結合テスト,顧 客による受け入れテストを行う. 受け入れテスト完了後,本稼動開始の立ち会いを行う. リリースしたソフトウェア設定を保守する.. 6. 考察 6.1 新たな課題. 実際の業務において,ソフトウェア適応ライフサイクルを適用することにより,安 定的にソフトウェア適応作業を実施することが可能となった.しかし,ソフトウェア 適応ライフサイクルを実施することによるデメリットも生じてきた.そのデメリット とは作業工数がかかることである. 実際に従来のソフトウェア適応フローとソフトウェア適応ライフサイクル適応後のソ フトウェア適応フロー・ソフトウェア適応作業の違いは次の通りである(図 6).. EDI-ASP の領域にソフトウェア適応ライフサイクルを適用することにより,以下の 2. 6. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
(7) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 6.2 新たな課題への対策. ソフトウェア適応ライフサイクルの適応による工数の増加への対策は,手動作業を 自動化することにより工数の削減を実施する.ソフトウェア適応作業における自動化 の可能性は次の通りになる(表 9). 表 9 フェーズ. ソフトウェア適応作業における自動化の可能性 全体作業に占める作業割合 自動化の可能性. 申請受付 EDI 設計 EDI 通信設定 EDI アプリケーション設定 テスト リリース・保守開始. 図 6 従来のソフトウェア適応とソフトウェア適応ライフサイクル適応後の ソフトウェア適応フローの違い. 9.6% 8.7% 34.2% 14.1% 6.5% 26.8%. 一部可能 一部可能 ほぼ可能 一部可能 一部可能 不可能. EDI 通信設定を自動化することにより作業全体の約 1/3 を削減することが分かった. 自動化によりソフトウェア適応のフローは次の通りとなり,EDI 設定作業自体はほぼ 自動化で実施可能となる.また,自動化は前フェーズの EDI 設計書に基づき自動化さ れるため,自動登録後のレビュー作業は必要無くなる.(図 7). また,各フェーズにおけるソフトウェア適応の作業内容は次の通りソフトウェア適応 ライフサイクルを適応することにより作業が増えている(表 8). 表 8 従来のソフトウェア適応とソフトウェア適応ライフサイクル適応後の ソフトウェア適応作業の比較 従来のソフトウェア適応 ソフトウェア適応ライフ 追加になった作業 作業 サイクルを適応後のソフ トウェア適応作業 申請受付. 申請受付 EDI 設計. EDI 通信設定 EDI アプリケーション設定 テスト リリース. EDI 通信設定 EDI アプリケーション設定 テスト リリース. レビュー作業 設計作業 設計書の作成 レビュー作業 レビュー作業 レビュー作業 レビュー作業 レビュー作業. 図 7 ソフトウェア適応作業自動化後のソフトウェア適応フロー その他フェーズにおいても自動化は一部可能でありそれによりさらに作業工数を削減 することを目指す.. 7. おわりに 7.1 まとめ. 3 章述べた本サービスにおけるソフトウェア適応作業の課題の解決策として,最終 的に 5 章にてソフトウェア適応ライフサイクルの提案し,またその支援手法を述べた. ソフトウェア適応という作業に対して,設計知識を分離しソフトウェア適応の品質と. 7. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
(8) Vol.2009-SE-166 No.6 2009/11/5. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 生産性の向上を実現した.また,6 章ではソフトウェア適応ライフサイクルを適用す ることによるデメリットである作業工数の増加への対策として,ソフトウェア適応作 業の自動化の可能性を提案した. 7.2 今後の課題. 今後の課題を以下に示す. z. EDI-ASP の領域における,EDI 通信設定フェーズの自動化の実施. z. EDI-ASP の領域における,申請受付フェーズ・EDI 設計フェーズ・EDI アプリケ ーション設定フェーズ・テストフェーズの自動化可能な部分の自動化の実施. z. EDI-ASP の領域以外における,ソフトウェア適応ライフサイクルの適用とその効 果の測定. 参考文献 1). 鰺坂恒夫 著:ソフトウェア工学入門, サイエンス社, 2008.. 8. ⓒ2009 Information Processing Society of Japan.
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