介護保険以外のインフォーマル介護サービス者の実態について
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(2) 研究背景と目的. 背景と目的】. ~介護保険だけで自立支援が実現できるのか~ 年には. 歳以上の人口が約. 万人になり、その先の. 年には約. 万人まで増加する予想されている。 しかしながら、高齢者を支える現役世代の人口はどんどんと減少していく。 年の現役世代の人口は、約. 万人。. やがては、「一人の若者が一人の高齢者を支える」という非常に厳しい社会に なっていく。 それに伴い要介護者、認知症患者、独居高齢者の増加、そして老々介護、認認 介護など多くの不安要素が語られているが、すでにこれらの問題は表面化して いる。. ケアマネージャーとして多くの高齢者およびその家族と関わる中で、介護保 険サービスだけで自立を支援することは厳しい状況にある方々が増えているこ とを実感している。 私自身も介護保険だけでは支援が難しい利用者様に、インフォーマルサービス を提案し実際に利用された経験が多くある。 そのインフォーマルサービスが自立支援に有効に機能する場合、そうでない場 合もある。. これまでの自分の経験と社会の構造変化を背景として、これからの超高齢化 社会と生産年齢減少社会、病院と医師数の減少、社会保障財政の不安がある中 で、介護保険以外のインフォーマル介護サービスが地域でどのように展開し、 活用されているのか? 提供する側と利用する側の思いはどうか? 自立支援としての介護保険とのつ ながりは?. 介護保険以外のインフォーマルサービス者の実態を調査することで、現状の 把握・分析を行いインフォーマルサービスが社会にとって、更に有益となるよ うな提案(修正・改良・開発)を目的としたい。.
(3) 調査方法. 研究計画・方法 Ⅰ:. 地域の介護保険サービス事業者へのアンケート調査実施。 ① ② ③. 営利団体介護サービス事業者 非営利団体介護サービス事業者 住民主体インフォーマルサービス提供者. 約 10 社 約 10 社 約 10 団体. 上記事業者及び団体にアンケート依頼文及びアンケート用紙を配布. Ⅱ:. 上記①②③の団体からのアンケート回収. Ⅲ:アンケート結果の取りまとめ 回答のうち上位 1 位から 3 位までを抽出し、それぞれの順位における現状 (利用者像、生活状況、要介護度、介護保険サービス利用状況等)の把握をす る。 利用に至った経緯、途中中止になった理由、サービス提供者側、利用者側の サービスへの見解などを取りまとめ、現状のインフォーマルサービスがどれだ け有効に機能しているのか、どれだけ満足を得られているのかを明らかにして いく。 Ⅳ:アンケート回答者との意見公開会の実施 アンケート回答者が集まり、それぞれの職種から意見交換を実施して、これ までの経験や現在進行形の事例(好事例・困難事例)を共有することで、 活発な議論と意見交換、またお互いの気づきを促し、インフォーマルサービス の理解を深めることを実施する。.
(4) インフォーマルサービス実態調査アンケート項目. アンケート1枚目. 以下の14項目について、 ・利用している・利用したことがある・今後利用を勧めたい・勧めたくない を選択する形式で実施した。 1 2 3 4 5 6 7 8 9. 介護保険外家事支援(掃除・洗濯・ゴミ出しなど) 外出支援サービス(外出・病院への付き添いなど) 宿泊・旅行等での介助 福祉タクシー 修理修繕関係(電気関係含む) 介護保険外の自費レンタル用品(車いす・ベッド・ポータブルトイレなど) 金銭管理 遺品管理 訪問理美容 介護保険外での宿泊施設 移動販売 有償ボランティア ボランティア 地域の通いの場. 上記 項目の回答結果のうち、 ・利用している ・利用したことがある ・今後利用を勧めたい の回答を得た上位3項目を下に示す。 第1位. 介護保険外の自費レンタル用品. 第2位. 福祉タクシー. 第3位. 訪問理美容.
(5) 介護保険外の自費レンタル用品. 利用を勧めたい 3人 20% 利用している7 人 47%. 利用している7人 利用したことがある5人 利用を勧めたい3人. 利用したことが ある5人 33%. 回答理由 ◇ 自費レンタル料金が介護保険制度でのレンタル利用料金と大差が無く気軽に借り ることが出来る。 ◇ 軽度認定者であっても、膝痛や腰痛の持病があり布団での起居動作は身体的負担が 多いため特殊寝台が必要。 ◇ 特殊寝台があれば布団の上げ下げの負担が無く独居生活に適している。 ◇ 日常的に歩行が困難であり、車いすを必要とする場面が多い。 ◇ 日常的に寝返りや起き上がりが困難であり、特殊寝台の背上げ機能を必要とする場 面が多い。 ◇ 車いす、特殊寝台などの軽度認定者には原則として介護保険上貸与できない用具を 介護保険でレンタルするには、行政への申請が必要であり書類の煩雑さがある。. 今回の調査結果で、レンタル用品として多く使用されているのは、車いすと 特殊寝台である。.
(6) 福祉タクシー. 利用を勧めたい 1人 7% 利用している5人 36% 利用したことが ある8人 57%. 利用している5人 利用したことがある8人 利用を勧めたい1人. 回答理由 ◇ 気軽に利用できる。 (介護保険制度での通院乗降介助は、利用に際してのサービス担当者会議の開催、 ケアプランや交付書の作成、本人への制度説明などが必要であり、タクシーを利用 するまでに要する時間が長い。契約書への記入など本人や家族にとっても利用まで の時間が掛り、気軽には利用しづらい) ◇ 介護保険の単位数を必要としないのでケアマネージャーにとってはケアプラン作成 上の管理が必要ないので助かる。 ◇ 介護保険制度では認められていない以下のサービス利用が容易に出来る。 ・日用品以外の買い物 ・外食 ・通勤 ・趣味嗜好にかかわるもの(ドライブ・カラオケ・観劇など) ・冠婚葬祭への出席(結婚式・法事・葬式・墓参りなど) ・地域行事への参加(お祭りなど) ・運転手が介護職員初任者研修以上の資格を持ち、利用者の乗降や移動の介助をしてく れる。. 利用制限を受ける事なく気軽に利用できる事が主な理由として挙げられている。.
(7) 訪問理美容 利用を勧めたい 2人 15%. 利用している3人 23% 利用している3人 利用したことがある8人 利用を勧めたい2人. 利用したことが ある8人 62%. 回答理由 ◇ 外出が難しい方(足腰に痛みがある、寝たきりなど)にとっては非常に助かる。 ◇ 家族だけでの外出介助が困難な利用者(認知症・寝たきりなど)にとっては便利で ある。 ◇ 利用日に利用者の状態に変化があれば連絡がもらえ状態把握が可能である。 ◇ 話し相手になり認知症予防になる。. 一人での外出や家族による連れ出しが困難な方にとっては有益である事が主な 理由である。.
(8) 下記5項目について ・そう思う ・どちらかといえばそう思う ・そう思わない ・分からない を選択する形式で実施した。. 1 2 3 4 5. インフォーマルサービスは利用しやすい。 本人の生活支援に貢献している。 家族の負担軽減になっている。 介護保険の補完サービスとして有効である。 インフォーマルサービスは充実している。. アンケートの結果、次の3項目が同率1位となった。 (・そう思う ・どちらかと言えばそう思う の合計数). ・本人の生活に貢献している。. 票. ・家族の負担軽減になっている。. 票. ・介護保険の補完サービスとして有効である。. 票. 回答理由. ◇ 介護保険では補完出来ないサービスを利用できる (大掃除、衣替え、話し相手、冠婚葬祭付添い、余暇活動付き添いなど)。 ◇ 家族が遠方で本人への支援が不十分な場合に助かる。 ◇ 長時間における本人への支援が可能である(家政婦など)。 ◇ 食事宅配サービスで栄養面の支援が出来る。 ◇ 介護保険よりもサービス導入が早い。. インフォーマルサービスは利用するまでの導入期間が短くすぐに利用でき る、介護保険サービスよりも自由で柔軟な対応が可能である、介護保険サー ビスでは補えない隙間を補完できるという回答が多い。.
(9) アンケート2枚目. アンケート回答者についての調査. 1 医療福祉業界での経験年数 2 所属事業所の形態 3 現在の担当利用者数(要介護認定者、要支援認定者の人数) 4 あれば良いなと思うインフォーマルサービスはありますか? 5 アンケート項目以外のインフォーマルサービスを知っている、 もしくは利用している。. 上記5項目の回答を以下に示す。. 1 経験年数. 経験年数 0 ~ 3年 3 ~ 6年 6~10年 10年以上 0. 2. 4. 6. 8.
(10) 2 所属事業所 NPO 法人 0%. 社会福祉法人 8%. 営利法人 77%. その他 15%. その他 15%. 社会福祉 NPO法人 0% 8%. 営利法人 77% NPO. 社会福祉法人. 営利法人. その他. 3 現在の担当利用者数. 現在の担当利用者数 14 12. 1. 10 8. 1 8. 3. 6 4 2 0. 3 1 0 1. 0~10. 6. 0 2 10~20. 3 20~30. 4 30以上.
(11) 4 あれば良いなと思うインフォーマルサービスはありますか?. ・利用者様のちょっとした困りごとにすぐに駆け付けてくれる。 ・学校の空き教室などを活用した高齢者の活動の場 ・自宅からバス停までの付き添い ・話し相手 ・御用聞き ・散歩会 ・安い料金の家事援助 ・通院介助 ・短時間の移動支援(近所の病院まで バス停やタクシー乗り場まで) ・階段がない団地などに灯油や重いものを持って上がってくれるサービス ・買い物をした物を運んでくれる ・外出支援サービス(病院受診). 高齢者の活動の場と外出及び移動支援を希望する回答が多い。. 5 アンケート項目以外のインフォーマルサービスを知っている、 もしくは利用している。 ・カタログで食材を選び配送 ・地域の通いの場(カルチャーセンター セミナーなど) ・身元保証支援. 身体的負担が大きい荷物の持ち運び、孤立しないための集いの場が求められて いることが明確である。.
(12) 振り返り. これからの超高齢化社会と生産年齢減少社会、病院と医師数の減少、社会保障財政の不 安がある中で、介護保険サービスだけに頼ることは厳しい状況になっている。 介護保険以外のインフォーマル介護サービスが地域でどのように展開し、活用されてい るのか? 提供する側と利用する側の思いはどうか? 自立支援としての介護保険サービスの隙間を 補完出来ているのか? 現状を調べ、結果をもとに多くの関係者と意見を交わすことで見えたものとして主に以 下のようになった。. 主な意見 ・介護保険サービスのような制度上の制約が少ないので利用しやすい。 ・介護保険サービスの隙間を補完するインフォーマルサービスは必要である。 ・インフォーマルサービスは介護保険サービスに比べて導入しやすい。 (手続きが比較的簡単) ・介護保険の単位数を使用しないので、現在利用している介護保険サービスを 削る必要がない。 ・インフォーマルサービスは増えてきており、利用者の生活を支える手段が増 えている。 ・本人だけでなく介護者である家族にも安心感を与えられている。 ・利用したいが何処から情報を得られるのか分かり難い。 ・提供事業者によって値段の差が大きい ・地域によって提供できるサービス量の差が大きい。. インフォーマルサービスは利用者の生活を支えるためには有益であり、介護保険の制度 の隙間を埋める事が出来るとの好意的な意見が多かった。 介護保険は制度上、利用できるサービス内容に制限があり利用者の希望に添えない事 が多い為、その隙間を埋めるためにインフォーマルサービスを要すると言う意見も多く見 られた。 自立支援と言う名目で介護保険サービスがあるのだが、介護保険サービスだけで自立支 援を完全には実現できない。保険という公的な制度であるために一定の縛りがあるのは仕 方のない事である。その隙間を埋めるためにインフォーマルサービスが必要とされ、様々.
(13) なインフォーマルサービスが誕生している。 インフォーマルサービスは、企業として存在する形のものから地域の有志団体(ボラン ティアなど)まで様々である。 地域によってインフォーマルサービスの量や種類の差は大きく、情報発信力も異なるた め、住民自らが地域のインフォーマルサービスについての情報を素早く、十分に得る事は 難しい現状にある。 また、行政や地域包括支援センター、社会福祉協議会などの公的機関からの情報発信や 必要としている人たちへのアプローチも十分であるとは言い難い。 そんな中で介護に関わる専門職が、インフォーマルサービスが必要と思われる方々へ情 報を提供するために、どこで情報を取得できるか?が問題となっている。 インターネットが普及している現在ではあるが、高齢者のみの世帯ではインターネット の使用率は高いとは言えない。 子供や孫が遠方に住んでおり、情報が必要な祖父母に情報を届け難いこともあるだろう。 今後、少子高齢化で生産労働人口が減り、AI化が進んでいく時代の中で、簡単に情報 が届けられる、あるいは情報が得られる仕組みに期待したい。 介護保険制度が、社会保障としての制度を持続するためにはますます厳しい環境となっ ていく。 そんな中でインフォーマルサービスを必要とし、その充実を期待している声が数多くあ るのだと気付いた今回の調査結果を受けて、我々は更なるインフォーマルサービスの充実 のために各関係機関との連携を密にし、地域の方が住み慣れた地域で自分らしく生活でき るための行動と情報発信が必要だと、今回の調査で関わった多くの方たちとの共通の意見 を得る事が出来た。 以上.
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1以上 利用者100人につき1人以上(常勤換算) ※うち1人は常勤(利用定員が20人未満の併設事業所を除く)
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