(1)すべてのこどもにいのちの輝きを
元気の出るファミリーホスピタル
宮城県小児総合医療整備基本計画基本理念
宮城県立こども病院設計理念
宮城県立こども病院
MIYAGI CHILDREN ’
S HOSPITAL
診療のご案内
(2) 宮城県立こども病院は2003年11月の開院以来、東北唯一の小児高度専門医療
施設として、地域の小児医療に大きな役割を果たしてまいりました。本院は高度な
専門知識と技術に支えられた良質で安全な医療を提供することは勿論のこと、こど
もの権利を尊重し、こどもが主役となる医療を実践しています。
2006年4月、医療需要の変化や医療制度に関する諸課題に的確に対処し、自立
的かつ弾力的な業務運営を行なうとともに、適切な外部評価と見直しを実施するた
めに本院は地方独立行政法人に移行いたしました。
2006年11月には「地域医療支援病院」の指定を受け、80%以上の紹介率と
40%以上の逆紹介率を維持するなど他施設との連携を重視し、二次三次小児救急
医療の受け入れにも努めています。災害時における病院機能維持と、地域医療支
援も重要な役割と認識し、一層の強化を図る所存です。
こども達とご家族の皆様が最良の環境の中で、充分な説明によって情報を共有
し安心して医療を受けることができますように、すべての病院スタッフが一つになっ
て努力して参ります。
「こども達とご家族のために私たちは何ができるか」という視
点を常に忘れることなく大事にしたいと思っています。
こどもは私たちの大切な宝物です。治療を受けるすべてのこども達が微笑み、瞳
を輝かせ、元気に成長していくことができますように、地域の医療機関と連携し総
合的に長期にわたって支援していくことが本院の使命であると考えております。
(3)組織図 2
新生児科 3
総合診療科 4
血液腫瘍科 6
循環器科 7
神経科 8
外科 9
心臓血管外科 10
脳神経外科 11
形成外科 12
泌尿器科 13
産科 14
歯科口腔外科・矯正歯科 15
リハビリテーション科 16
放射線科 17
麻酔科 18
集中治療科 19
臨床病理科 20
眼科、内分泌科、整形外科、
耳鼻いんこう科、児童精神科 21
手術部 22
集中治療部 23
看護部 24
薬剤部 26
放射線部 27
検査部 28
栄養管理部 29
臨床工学部 30
発達支援部 31
診療支援部 32
分教室 33
成育支援局 34
ドナルド・マクドナルド・せんだい 36
地域医療連携 37
患者さん紹介方法 38
診療案内(担当表) 44
こどもの権利を尊重し、こどもが主役となる
こころの通った医療をおこないます。
チーム医療、成育医療を実践し、良質であたたかい医療をおこないます。
高度で安全、かつ先進的な医療をおこないます。
こどもののぞましい成長をささえる療養環境を提供します。
こどもやご家族と診療内容の情報を共有し、情報公開にもつとめます。
効率的な運営を図り健全経営につとめます。
自己評価につとめ、外部評価を尊重します。
職員の就労環境を整備します。
地域の医療機関と連携し小児医療レベルの向上に貢献します。
病 院 の 基 本 方 針
目 次
高度な専門知識と技術にささえられた、
良質で安全な医療をおこないます。
(4)理事長
︵
院長︶
県立
こど
も病院
院
長
病院運営会議
新 生 児 科
内 科 系
成 育 支 援 局
外 科 系
総 合 系
総 合 診 療 科
血 液 腫 瘍 科
循 環 器 科
神 経 科
内 分 泌 科
外 科
心 臓 血 管 外 科
脳 神 経 外 科
整 形 外 科
形 成 外 科
児 童 精 神 科
リハビリテーション科
放 射 線 科
麻 酔 科
集 中 治 療 科
臨 床 病 理 科
放 射 線 部
検 査 部
栄 養 管 理 部
臨 床 工 学 部
発 達 支 援 部
診 療 支 援 部
(輸血管理責任者)
(作業療法士・理学療法士・言語聴覚士)
(歯科衛生士・視能訓練士)
ボランティア
療 養 環 境
医 療 福 祉
ボランティアコーディネーター
保育士・チャイルドライフスペシャリスト・子ども療養支援士
医療ソーシャルワーカー・臨床心理士・看護師(在宅支援相談室兼務)
皮 膚 科
泌 尿 器 科
産 科
眼 科
歯科口腔外科・矯正歯科
耳 鼻 い ん こ う 科
理 事 会
監 事
副院長
副理事長
法律顧問 会計顧問
病院管理会議
病院運営全体会議
総 務 課
経 営 企 画 課
医 事 課
地 域 医 療 連 携 室
感 染 管 理 室 感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)
安 全 対 策 室
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)
新生児病棟【NICU,GCU・HCU】
産科病棟
2階病棟
3階病棟
4階病棟
病 棟
情 報 シ ス テ ム 管 理 室
診 療 情 報 室
医療技術部門
※…非常勤診療科
休…休止診療科
※
※
※
※
※
休
外 来
( 在 宅 支 援 相 談 室 )
手 術 室
中央材料滅菌室
集 中 治 療 室
(ICU)
成 育 支 援 局
局 長
手 術 部
部 長
診 療 部
部 長
集 中 治 療 部
部 長
薬 剤 部
部 長
看 護 部
部 長
看 護 管 理 室
副 看 護 部 長
医 療 情 報 部
部 長
事 務 部
部 長
薬 剤 部
医 療 情 報 部
事 務 部
地域医療連携推進委員会
(5)新生児科
新生児科
新生児科は、県内の慢性的な新生児病床不足を解消す
る事を期待され、こども病院の設立と同時に開設されまし
た。東北大学病院、仙台赤十字病院とならんで、県内の二
次∼三次の新生児診療にあたっています。また、新生児専門
医制度の研修基幹施設となっています。
診療内容
外来は毎日午後行っており、主としてNICU退院後のフォ
ローアップと、他の産科施設からの紹介患者さんの診療を
行っています。染色体疾患をはじめ、新生児科は各科との
連携が必要なことが多く、いわば窓口的な役割を果たして
います。
新生児病棟はNICU12床とGCU・HCU15床の計27床で
運営され、年間約200人の入院があり、うち、極低出生体重
児が30∼40人(超低出生体重児10数例を含む)早産児以
外では、先天性心疾患、小児外科疾患、脳外科疾患など、あ
らゆる分野の新生児疾患の診療を行っており、呼吸管理症
例が年間約70∼80人となっています。
症例に応じて、NO吸入療法、ECMO、低酸素療法なども
行っています。
対象疾患
●早産児(主として34週未満)
●胎便吸引症候群・気胸などの呼吸障害や、感染症・仮死
などの病的成熟新生児全般
●先天性心疾患
●髄膜瘤・水頭症などの脳外科疾患
●横隔膜ヘルニアなどの外科疾患
●水腎症などの泌尿器科疾患
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
新生児全般
小児科専門医
職 名
佐藤 信一
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
新生児全般
小児科専門医
職 名
齋藤 潤 子
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
新生児全般
小児科専門医
新生児専門医
職 名
渡
達也
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
新生児医療全般
小児科専門医
新生児専門医
職 名
内田 俊彦
診療領域
専門領域
資 格 等
後期研修医
職 名
佐々木 和人
診療領域
専門領域
資 格 等
後期研修医
職 名
桑名 翔 大
(6)総合診療科
総合診療科
診療内容
総合診療科は、総合診療および専門診療の 2 つを診
療の柱としています。
総合診療として、病院の新患窓口として紹介患者の対
応と振り分け、先天異常など専門科に振り分けにくい患
児の主治医、各専門科間のコーディネーターとしての役
割、基礎疾患のある患児の手術前後の全身評価・管理、
乳児健診・予防接種、呼吸不全など重症児の治療などを
担っています。新患外来(木曜を除く毎日午前)ではス
タッフが分担して多様な新患に対応しています。感染症
や川崎病などの救急疾患は随時お引き受けしますので、
お気軽にお電話でご連絡下さい。
専門診療としては、消化器・栄養疾患(虻川・角田)、
アレルギー疾患(三浦・北沢・林・斎藤)、腎・泌尿器
疾患(稲垣・大久田)、リウマチ性疾患(梅林)の各領
域において、他の医療機関では対応の難しい重症例を中
心にお引き受けし、高度で専門的な治療・検査を行って
います。
1)消化器・栄養疾患
2013 年度には消化管内視鏡検査を 256 件(上部
112 件、大腸 105 件、ダブルバルーン小腸内視鏡 25 件、
小腸カプセル内視鏡 14 件)施行しました。他に処置内
視鏡(消化管異物摘出術、内視鏡的大腸ポリープ切除術、
吻合部狭窄に対するバルーン拡張術など)、消化管造影、
食道内 pH モニタリングを施行しました。炎症性腸疾患
の難治例に対しては、血球成分除去療法、免疫抑制薬や
生物学的製剤による治療、外科的治療を行っています。
肝疾患は原因不明の肝障害、新生児胆汁うっ滞、肥満に
伴う非アルコール性脂肪性肝疾患など 17 例に対してエ
コーガイド下経皮的肝生検を施行しました。2 月には急
性肝不全昏睡型の 1 歳児が紹介となり、血液浄化療法(人
工肝補助療法)を含む内科的集中治療を行うも肝再生が
得られず、生体肝移植を目的として東北大学病院へ転送
しました。その他、消化管出血、慢性腹痛、機能性消化
管障害、慢性機能性便秘症、体重増加不良、肥満症とい
った消化器・栄養に関わる患者を多数診療しています。
2)アレルギー疾患
気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ア
レルギー性鼻炎・副鼻腔炎・結膜炎、アナフィラキシー
(食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを含む)、蕁
麻疹、金属・薬物アレルギーなどのアレルギー疾患に対
して、検査、薬物療法、生活指導、環境指導などを含め
たきめ細かい診療を行っています。食物アレルギー患者
に対する食物負荷試験も積極的に行い、2013 年度は延
べ 1432 例で施行しました。これにより、食物アレルギ
ー患者に食物負荷試験の結果をもとにした管理栄養士に
よる栄養指導を行っています。さらに、経口免疫療法(経
口減感作療法)にも取り組んでおり、食物除去を余儀な
くされていた患者さんがある程度の量を少しずつ増量し
て食べられるようになってきています(約 250 例が治
療中)。薬物アレルギー患者への薬物負荷試験、アレル
ギー児への予防接種、アトピー性皮膚炎や気管支喘息患
者の教育入院、気管支喘息に対する呼吸理学療法、患児・
家族に対する臨床心理士による心理的ケアも行っていま
す。
3)腎・泌尿器疾患
検尿異常の精査、腎炎・ネフローゼの診療、泌尿器
科と協力して先天性腎尿路疾患の診療を行っています。
2013 年度は学校検尿で異常を指摘された新患を多数ご
紹介いただきました。とくに、検尿で蛋白尿を指摘され、
超未熟児に伴う蛋白尿(糸球体数が少ないための糸球体
過負荷による)と診断した患者さんが 2 例いました。新
生児医療の進歩に伴い、今後このような患者さんが増え
ることが予想され、超未熟児の成長発達のフォローアッ
プに腎臓の評価も必要と考えられました。急性血液浄化
は持続血液(濾過)透析 14 例、白血球/顆粒球除去 4
例、血漿交換 2 例に施行しました。腎生検は SLE 等の
リウマチ性疾患患者 4 例を含む 15 例に施行しました。
4)リウマチ性疾患
2013 年度は新たに 44 名の患者さんをリウマチ性疾
患(疑いを含む)としてご紹介いただきました。患者住
所の内訳は、宮城県 37 例、青森県 2 例、岩手県 2 例、
福島県 2 例、山形県 1 例で、主な疾患別では若年性特
発性関節炎 10 例、全身性エリテマトーデス 8 例などと
なっています。また、多関節に活動性を有する若年性特
(7)発性関節炎患者 1 例に対して、生物学的製剤(アバタセ
プト)の臨床試験を開始しました。
以上のように、多様な疾患に対して質の高い診療を提供
しています。重症例や専門領域に限らず、何でもお気軽に
ご相談下さい。
対象疾患
●腹痛 ●金属アレルギー
●便秘・下痢 ●化学物質過敏症
●血便 ●検尿異常
●胃十二指腸潰瘍 ●腎炎
●潰瘍性大腸炎 ●ネフローゼ症候群
●クローン病 ●急性・慢性腎不全
●黄疸・胆汁うっ滞 ●尿路感染症
●肝炎・肝障害 ●尿路奇形
●肥満 ●若年性特発性関節炎
●気管支喘息 ●全身性エリテマトーデス
●アトピー性皮膚炎 ●若年性皮膚筋炎
●蕁麻疹 ●川崎病(急性期)
●食物アレルギー ●各種感染症
●アナフィラキシー ●不明熱
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
消化器・栄養疾患
東北大学医学部臨床准教授
日本小児科学会専門医・代議員
日本小児栄養消化器肝臓学会
運営委員
「子どもの心」相談医
職 名
虻川 大樹
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
アレルギー疾患
東北大学医学部非常勤講師
日本小児科学会専門医
日本アレルギー学会専門医
職 名
北沢 博
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
アレルギー疾患
職 名
齋藤 秀憲
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
リウマチ性疾患
東北大学医学部非常勤講師
日本小児科学会専門医
日本小児リウマチ学会運営委員
職 名
梅 林 宏明
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
腎疾患
職 名
稲垣 徹史
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
アレルギー疾患
東北大学医学部非常勤講師
日本小児科学会専門医
日本アレルギー学会指導医・専門医
ICD(infection control doctor)
日本アレルギー学会代議員
日本小児アレルギー学会、理事、評議員、編集委員
職 名
三浦 克志
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
消化器・栄養疾患
日本小児科学会専門医
職 名
角田 文彦
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
腎疾患
日本小児科学会専門医
職 名
大久田 隆
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
アレルギー疾患
日本小児科学会専門医
職 名
林 千代
(8)血液腫瘍科
宮城県立こども病院血液腫瘍科は2004年4月に開設し、現
在は常勤医師3人+医師(後期研修医)の診療体制で小児が
んや血液疾患の診療を行っています。病棟には無菌室が2つ
配備され、高度専門医療への環境が整備されています。当科
では長期入院となる患児も多く、院内学級の先生方や保育士、
チャイルドライフスペシャリスト、こども療育支援士、臨床心理
士、ソーシャルワーカーなど成育支援スタッフとの連携を大切
にしながらチーム医療を実践しています。外来は月、火(午後)
水、金曜の週4日行っています。小児の血液・腫瘍・免疫の専門
分野に関する患者紹介は広く県内外から受入れ、近接の東北
大学小児科と緊密な診療連携体制を組んでいます。さらに研
究面においても当科は東北大学大学院医学研究科連携講座
小児血液腫瘍学分野として大学院生も受け入れ、小児の白血
病や難治性血液疾患の病態解明並びに新規の診断・治療法の
研究を行っています。またセカンドオピニオンの依頼にも対応
しております。
診療内容
当科は、日本小児白血病研究会(JACLS)、日本小児白血病
リンパ腫研究グループ(JPLSG)、及び日本神経芽種研究グ
ループ(JNBSG)の一員として多施設共同研究に参加してお
り、悪性疾患等の化学療法は基本的にグループの定める治
療を行っています。移植医療については、2007年12月に臍
帯血バンクの認定施設、さらに2008年11月には骨髄バン
ク認定施設を取得しました。これにより現在ではあらゆる種
類の造血幹細胞移植に対応でき、自施設において滞りなく治
療を遂行できるようになりました。これに並行して移植実績
も増加してきており、2014年6月末までに45例(骨髄移植
25例、臍帯血16例、同種末梢血幹細胞移植4例)を行ってい
ます。2012年10月からは造血幹細胞移植後フォローアップ
外来を開設し、造血細胞移植学会の指定研修を終了した看護
師とともに、造血幹細胞移植を終えた患児へのよりきめ細か
い診療を毎月第2火曜に行っています。非悪性疾患では、再
生不良性貧血に対しては免疫抑制療法および同種骨髄移植
を、特発性血小板減少性紫斑病に対してはガンマグロブリン
療法やステロイド療法などを行っています。血友病の専門外
来は、毎月第4火曜日(午後)を設けており、県外からの患者
さんも通っています。当科では、血友病の定期フォローアップ
に加えて、積極的な家庭治療の実践とそのための学校の夏
休みなどを利用した自
己注射トレーニングな
どを行っています。一方
で、血液腫瘍性疾患の
治療や病態解明に関連
した学会発表や論文投稿も積極的に行い、2008年度からは
後期研修医も受け入れ、教育面でも小児がんや血液疾患の
全般に渡り充実した研修が受けられるよう努めています。当
院は日本血液学会認定研修施設、日本小児血液・がん専門医
研修認定施設です。
対象疾患
●小児白血病 ●再生不良性貧血
●骨髄異形成症候群 ●造血障害
●リンパ腫 ●溶血性貧血
●固形腫瘍 ●鉄欠乏性貧血
●血液凝固障害 ●血球貪食症候群
●特発性血小板減少性紫斑病 ●EBウイルス感染症
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
小児血液・腫瘍分野
日本小児科学会専門医
日本血液学会指導医
日本小児血液・がん学会評議員
日本小児血液・がん学会暫定指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
職 名
佐藤 篤
診療領域
専門領域
資 格 等
副院長 兼 血液腫瘍科科長
小児血液・腫瘍分野
日本小児科学会専門医
日本血液学会指導医
日本小児血液・がん学会評議員
日本小児血液・がん学会暫定指導医
日本臨床腫瘍学会指導医
日本造血細胞移植学会評議員
職 名
今泉 益栄
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
小児血液・腫瘍分野
職 名
小沼 正栄
診療領域
専門領域
資 格 等
後期研修医
職 名
石田 智之
血液腫瘍科
(9)循環器科
循環器科
循環器科は医師患者ともに主に東北大学病院から移行
する形で2005年4月に開設されました。スタッフ3名と
研修医1∼2名であらゆる分野の小児循環器疾患の診療
を行っています。
循環器科では年間約200件のカテーテル検査、循環器
科と同時に開設した心臓血管外科では年間約150件の心
臓手術をこなしており、臨床的には当院が中心となり大学
病院や市中病院と連携して県内の患者さんの診療にあた
っています。
診療内容
週3日(月火木うち月曜は新患)の外来診療と週3日(月
水金)の心臓カテーテル検査を軸に病棟ICU管理、心エコ
ー検査にとスタッフは大忙しですが症例も豊富なため研
修も充実しています。
循 環 器 の 入 院 患 者 が 利 用す る 病 室 、手 術 室 、IC U 、
NICU、心臓カテーテル検査室がすべて同じ階(3階)で連
絡しており、患者さんの移動の負担が少ないのみならず、
これからのハイブリッド治療などにむけ大きなメリットが
あります。また最新機器が投入されており、カテーテル治
療や胎児エコーなど最新の治療に対応しています。2013
年よりアンプラッツァー心房中隔欠損閉鎖術の認定施設
として月2件の同治療を行っています。
患者家族支援について
医学の進歩に伴い心疾患児の救命率の向上と共に障害
を持ったまま大人に向かって成長していくこども達が増
えてきています。
こども病院としてはそのような障害を持ちながらも家
庭で過ごしたり学校に通ったり就職する患者さんの病気
だけに限らないサポートをしていくことが重要と考えて
います。
当院では患者さんや御家族を支援する専門のスタッフ
が充実しており協力体制をとってこれらの問題に積極的
にとりくんでいます。
対象疾患
●各種先天性心疾患 ●川崎病
●心筋症 ●感染性心内膜炎
●心筋炎 ●原発性肺高血圧症
●不整脈 ●心臓腫瘍
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
小児循環器
東北小児心臓病研究会幹事
医師臨床研修指導医
職 名
小澤 晃
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
小児循環器
職 名
川野 研悟
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
小児循環器
職 名
小野 頼母
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
小児循環器
職 名
鈴木 大
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児循環器
東北小児心臓病研究会幹事
日本胎児心臓病学会幹事
小児科専門医
日本小児循環器学会専門医
職 名
田中 高志
(10)神経科
神経科
診療内容
神経科の仕事を一言で言うなら発達をみること、そして
発達にかかわるさまざまな問題を解決することです。具体
的には、重症心身障害から軽度発達障害までの発達障害
全般に対する医療および療育、発作性疾患・神経感染症な
どの急性および慢性疾患の治療、希少疾患の診断・治療が
大きな3本柱になっています。2013年度は神経科常勤医
師2人と後期研修医1人の3人体制で診療を行っています。
地域の医療機関の皆様のご協力のおかげで順調に患者
数は増加し、入院ベッドの確保が難しいような時もありま
す。神経科単独の患者さんの他にリハビリテーション科や
関連各科での包括的な医療を求めて来院する患者さんが
多いのも特徴です。患者さんを紹介してくださる場合、特
に軽度発達障害の患者さんの場合、神経科、リハビリテー
ション科、児童精神科のどこに紹介すればよいのか迷う場
合もあるとお聞きします。明確な仕切りはございませんの
で、まずいずれかの科に紹介していただき、病状に応じ院
内で調整させていただきます。
検査としては、脳波、脳誘発電位をはじめとする神経生
理検査、MRI、CT、SPECTなどの脳画像検査、知能検査な
どの神経心理検査が可能です。PT、OT、ST、臨床心理士が
おり、急性期を中心にリハビリにも対応可能です。
(1)外来、在宅医療
外来患者さんの内訳は、自閉症・ADHD・脳性麻痺など
の発達障害、てんかん・チックなどの発作性疾患、急性脳
炎・脳症・髄膜炎などの神経感染症、染色体異常症、奇形症
候群、神経皮膚症候群、頭痛・もやもや病などの脳血管疾
患、筋ジストロフィー症をはじめとする神経筋疾患など多
岐にわたっており疾患の種類が多いのも神経科の特徴で
す。患者数では、けいれんや発達障害を主訴とする患者さ
んが多いですが重症心身障害児も増加しています。在宅
医療に関しては、在宅人工呼吸管理をはじめとした重症患
児のフォローを中心に行っています。神経疾患にはけいれ
ん重積、急性脳炎・脳症などの救急疾患が多く、今後の救
急疾患の受け入れ態勢の整備も病院全体の課題になって
います。
(2)入院
入院数は年々増加し、重症度も増しています。特に重症
心身障害児の入院が増加し、繰り返し入院する患者さんが
増えています。また小児外科、脳神経外科、泌尿器科、リハ
ビリテーション科や関連各科の存在もあり、地域における
障害児医療の中核的存在になりつつあります。今後も増加
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児神経科全般
日本小児科学会専門医
職 名
冨樫 紀子
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
小児神経科全般
日本小児科学会専門医
日本小児神経学会専門医
職 名
渡邊 周 永
すると思われる長期入院児、人工呼吸管理児への対応も
課題となっています。
対象疾患
●てんかん ●頭痛
●チック ●急性脳炎・脳症
●髄膜炎 ●各種神経筋疾患
●発達障害(自閉症、ADHD、重症心身障害児)
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
医師(フェロー)
職 名
二瓶 真人
(11)外
科
外 科
当科では鼠径ヘルニア、急性虫垂炎、腸重積などの一般
的な疾患から、頚部・呼吸器(気管・肺)・横隔膜・消化器(食
道∼結腸)・直腸肛門・肝胆道膵臓・腹壁に関する重度の先
天性奇形まで幅広い疾患に対する外科治療を行っていま
す。宮城県内はもとより他県からの患者さんも積極的に受
け入れており、年間約310∼350件(新生児手術は年間20
∼30件、乳児手術は年間60∼70件)の手術を行っていま
す。小児腹腔鏡・胸腔鏡手術も積極的に行っており、適応を
吟味しつつ幅広い疾患で取り入れています。
外科的な治療に付随した排泄管理と栄養管理にも力を
いれており、直腸肛門奇形(鎖肛)、ヒルシュスルプング病、
小児潰瘍性大腸炎などの排泄管理の必要な病気について
は、手術だけではなく、成長を考慮した長期的な管理を小児
泌尿器科、皮膚排泄ケア認定看護師などと協力して総合的
に行っています。
栄養管理が非常に重要となる腸管不全(短腸症候群やヒ
ルシュスプルング病類縁疾患)の治療では、小児専門の栄
養サポートチームを基盤とした腸管リハビリテーション(手
術、長期の在宅中心静脈栄養・経腸栄養、投薬治療など)を
行っています。当院は、小児腸管不全の在宅中心静脈栄養
では全国でも有数の治療経験があります。
診療内容
定期の手術日は月・水・金曜日の週3回になりますが、待
機できない疾患については緊急・準緊急的に手術を行いま
す。手術の適応などを決めるための検査は主に火曜日に行
っています。外来は月・火曜日の午前中、木曜日の午前・午
後に行っています(新患は月・火・木、再来は火・木のみとな
ります)。セカンドオピニオンも受け付けております。
急患につきましては、随時受け付けていますので、お気軽
にご相談・ご紹介ください。また、当科が緊急手術中などで
対応ができない場合でも、東北大学小児外科、仙台赤十字
病院小児外科と連携して対応いたしますのでご相談くださ
い。
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
小児外科
小児腫瘍外科
外科専門医
医学博士
出身:千葉県流山市、東北大
学医学部(平成 12 年卒業)
職 名
福澤 太一
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児外科
小児消化器外科
大腸直腸肛門疾患
新生児外科
外科栄養代謝
外科専門医、小児外科専門医
小児外科指導医、医学博士
東北大学医学部小児外科臨床准教授
出身:宮城県仙台市、東北大学医学部(平成 4 年卒業)
職 名
天江 新太郎
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
小児外科
医学博士
出身:長野県安曇野市、東北
大学医学部(平成 17 年卒業)
職 名
岡村 敦
対象疾患
●頚部:先天性頚部瘻孔・嚢胞性疾患など
●呼吸器:肺嚢胞性疾患、気管気管支軟化症、
気管狭窄症、喉頭軟化症など
●消化器:食道から結腸までに生じる全ての先天性奇形
●大腸直腸肛門:直腸肛門奇形(鎖肛)、
ヒルシュスプルング病など
●肝胆道:胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症など
●良性腫瘍:リンパ管腫、血管腫など
●腸管不全:短腸症候群、ヒルシュスプルング病類縁疾患
●一般的な小児外科疾患:鼠径ヘルニア、停留精巣、
臍ヘルニア、急性虫垂炎、
腸重積など
ドクター紹介
(12)心臓血管外科
心臓血管外科
診療内容
心臓血管外科は心臓や大血管の手術を専門とする外科
の領域です。
特に小児の心臓血管外科は心臓の先天的な病気に対す
る手術が診療の中心になります。
先天性心疾患の発生頻度は新生児の約1%です。そのう
ち約1/4の患者さんはチアノーゼや心不全のため生後1ヶ
月以内になんらかの手術が必要となりますが、大人になっ
てから不整脈や心不全症状が現れて初めて心臓病に気づ
かれる場合もあります。先天性心疾患の手術は1950年代
に始められ、その後半世紀の間につぎつぎと新しい手術法
が開発されて現在では殆どの先天性心疾患の手術治療が
可能になってきました。
先天性心疾患の手術にあたっては、患者さん一人一人に
合わせて適切な時期に適切な手術を行うことが大切です。
最近では胎児期や出生後まもなく心奇形の診断がついた
場合はその病型により生後いつごろどのような手術を行う
かをスケジュールする治療方針がとられ、手術成績も安定
してきました。近年の先天性心疾患の治療成績向上には心
臓超音波検査や心臓カテーテル法などの診断技術の進歩
と手術前の患者さんの心不全や低酸素状態を改善する内
科的治療法の向上が大きく貢献しています。さらに、手術そ
のものも、手術方法の改良や人工心肺の改良など着実に進
歩を続け来ています。2009年には臓器移植法の改正に伴
い小児患者への心臓移植の道も開かれ我々の取り巻く環
境も更に変化が求められて行くことが予想されます。
宮城県立こども病院の心臓血管外科は2005年度より開
設され、東北大学病院で経験を積んだ心臓血管外科スタッ
フを中心に麻酔科医、臨床工学技師、看護師たちと良く連携
したチームを作って診療にあたり、現在までスタッフの増
員、手術枠の増加等診療体制の改善に伴い手術数も増加
する傾向にあり、東北で初めてのこども病院として広く県
内外を問わずできるだけ多くの患者さんを受け入れること
をモットーに、生まれつき心臓に病気を持つ子供たちがそ
れぞれに元気で楽しい人生が送れるようこれからも努力
していく所存です。
対象疾患
先天性心疾患一般:
●心房中隔欠損症(ASD) ●心室中隔欠損症(VSD)
●動脈管開存症(PDA) ●房室中隔欠損症(AVSD)
●純型肺動脈狭窄、閉鎖症
●ファロー四徴症、兼肺動脈閉鎖症(TOF,TOF/PA)
●三尖弁閉鎖症 ●単心室症(内蔵錯位症候群)
●大動脈縮窄・離断症 ●総動脈幹症
●両大血管右室起始症(DORV) ●完全大血管転位症(TGA)
●総肺静脈還流異常症(TAPVC) ●左心低形成症候群(HLHS)
●小児期弁膜症 ●その他
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
先天性心疾患の外科的治療
心臓血管外科専門医
外科専門医
職 名
小西 章敦
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
先天性心疾患の外科治療
心臓血管外科専門医
外科専門医
日本心臓血管外科学会国際会員
職 名
崔 禎浩
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
外科専門医
職 名
加賀谷 智明
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
心臓血管外科専門医
外科専門医
職 名
佐藤 充
<年間手術件数の推移(非心臓関連手術、ペースメーカーは除く)>
0
20
40
60
80
100
120
140
総数
新生児
2008 2009 2010 2011 2012 2013
(13)脳神経外科
脳神経外科
診療内容
宮城県立こども病院脳神経外科は東北地方で唯一の小
児脳神経外科専門施設です。診療対象は小児のみならず、
小児に多い疾患の成人例も診療しています。特にもやもや
病、二分脊椎、小児脳腫瘍、頭蓋咽頭腫、水頭症、胎児水頭
症などの疾患の診療に関しては、我が国を代表する施設の
一つとして精力的に取り組んでいます。疾患によっては東
北大学脳神経外科、広南病院、鈴木二郎記念ガンマハウス、
仙台市立病院 林 俊哲先生等と連携して治療を行います。
専従医師は白根礼造、君和田友美、成澤あゆみの3名で
すが、いずれも脳神経外科専門医取得後に一般脳神経外
科の経験を十分に積んだ上で小児脳神経外科分野を担当
しており、脳神経外科疾患全般に対応可能です。また本院
は胎児水頭症診断の二次施設として当院産婦人科、新生児
科と連携を取って診療に当たる他、もやもや病患者さんの
分娩など、脳神経外科的問題点を有する方々の出産に関す
る問題点にも取り組んでいます。
当科での脳神経外科手術の特徴は、可能な限り手術創を
小さくし剃髪も最小限にとどめる事にあります。これは早
期の復学復職に際しての身体的及び精神的負担を軽減す
るためです。開頭範囲や脊椎骨に対する手術操作も必要
最小限にとどめて、いわゆる鍵穴手術(Keyhole Surgery)
を基本としています。このような操作によって手術の難易
度が高くなると考えられますが、顕微鏡手術と内視鏡手
術、ナビゲーションシステム、術中神経生理学的モニタリ
ングなどを融合させる事によって可能なものとなっていま
す。その結果として入院期間が短縮され、大半の手術にお
いては10日以内の入院のみで自宅退院となります。
小児脳神経外科疾患の中で最も多いのが水頭症です、新
生児期には術後の感染が問題とされていますが、我々は手
術野を清潔に保つ独自の管理法で良好な治療成績を上げて
います。その結果として抗生物質の投与量を減じる事が可能
となり副作用や合併症を減らすことができました。
もやもや病はここ仙台で名付けられた疾患です。当院で
は小児成人を問わず多くの方々の治療を行っています。特に
病変の進行が急激な3歳以下の幼児や既に治療を受けた後
にも拘らず症状の見られる方等、そのほか本疾患特有の問
題を抱えた方々の診療にも取り組んでいます。
二分脊椎に代表される脊髄の先天異常は個々の患者さ
んによって病態がさまざまです。当院では胎児期診断から
成人期にいたる多種多様な問題に関して泌尿器科、整形外
科、形成外科、小児外科などの関連各科と共に診療に取り
診療領域
専門領域
資 格 等
副院長兼診療部長兼科長
脳神経外科
日本脳神経外科学会専門医
日本小児神経外科学会・機関
誌編集委員長
日本脳卒中学会評議員
日本脳循環代謝学会評議員
職 名
白根 礼造
組んでいます。
小児脳腫瘍に関しては特に頭蓋咽頭腫の患者さんが多く
集まります。治療に難渋する事の多い疾患ですが患者さんに
負担の少ない手術法、治療法を選択し良好な成果を上げて
おり主要学会や論文等で常に治療成績を公表しています。
頭蓋縫合早期癒合症は形成外科と合同で治療に当たり
ます。国内他施設と連携のもとで最新の理念を取り込んだ
治療を行っています。
対象疾患
●水頭症 ●二分脊椎
●頭蓋縫合早期癒合症 ●中枢神経系先天異常全般
●もやもや病 ●小児脳腫瘍
●頭蓋咽頭腫
以上を中心に小児脳神経外科疾患全般
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
脳神経外科
日本脳神経外科学会専門医
職 名
君和田 友美
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
脳神経外科
日本脳神経外科学会専門医
職 名
成澤 あゆみ
(14)形成外科
形成外科
診療内容
形成外科は形成手術すなわち「つくる手術」を専門として
います。生まれつき、ケガのため、病気の後遺症など、さまざ
まな理由で体に変形を持つ方がいます。その「変形」によっ
て生命の危険や肉体的苦痛がもたらされることがないと
しても、機能や見た目が損なわれるのであれば、生活の質
の向上を目的とした治療が求められます。このような場合
に、 「機能」と「かたち」を修復するための形成手術が必要
とされています。
形成手術そのものは古代より行われてきましたが、それ
を専門に行う形成外科の歴史はまだ浅いものです。しか
し、生活の質が重視されるようになってきたこと、さらに治
療技術の革新によって、形成外科はその診療対象を拡げて
きました。頭蓋顎顔面外科、手の外科、皮膚外科、美容外科、
再建外科、熱傷など、現在の形成外科が扱う分野は多岐に
わたっています。
宮城県立こども病院の形成外科では、重症の外傷を除い
て小児に必要とされる形成外科診療のほとんどを行ってい
ます。扱う疾患の主なものは、頭蓋顎顔面の先天異常、手の
外科疾患、足の先天異常、皮膚外科疾患、などです。
頭蓋顎顔面の先天異常にはさまざまのものがあります。変
形は決して表面にとどまるものではなく、患者さんは呼吸や
栄養という生命維持の問題から、視聴覚や言語、咬合という
機能的な問題、整容面や心理面にいたるまで、次元の異なる
さまざまな問題を抱えています。発達の問題や内臓疾患を合
併することしばしばです。このような患者さんに対して、円
滑なチーム医療が行えることは当院の特徴のひとつです。
なかでも口唇裂・口蓋裂は代表的な疾患であり、その治
療は頭蓋顎顔面変形に対するチーム医療の基礎となるも
のです。当院では形成外科、歯科口腔外科・矯正歯科、言語
聴覚士、耳鼻いんこう科などが診療に参加し、新生児期の
哺乳指導から成人期の咬合形成まで、長期的な治療を行う
ことを目標にしています。
手の疾患においてもやはり先天異常が多く、母指多指症
をはじめ手の先天異常の全てを診療対象にしています。ま
た、腱損傷などの外傷、熱傷の後遺症、強直母指やバネ指と
いった炎症性疾患など、先天異常以外の疾患も少なくあり
ません。
下肢の疾患のうち、歩行機能にかかわる足首から上の疾
患は整形外科で治療されますが、整容の改善を主目的とし
た趾の手術については形成外科が担当しています。
皮膚外科疾患には、アザ、血管腫、皮下腫瘍、傷あと、慢性
潰瘍、爪変形などがあります。
その他、臍や乳房など躯幹の変形、鼻や眼瞼、耳介などの
その他の顔面の変形、などさまざまな状況に対する治療を
行っています。
実際の診療はやはり手術が中心となっており、小児を対
象とすることから多くの手術は入院のうえ、全身麻酔のも
とに行っています。
いっぽうで外来での診療も重要な任務と考えています。
そこでは、診断や治療計画の決定、手術前と手術後の経過
観察を行っています。一般に扱われることの少ない「変形」
の悩みについて、専門家としての意見をお伝えする場であ
ると考えています。また、生活の質を求める医療において、
治療の適応は常に相対的なものとなります。手術の実施に
際しては充分に相談することを心がけています。
また、小児の外科が扱う疾患はどれも長い経過観察を必
要とします。 成長を待たないと手術ができなかったり、成
長の各段階で何回も手術を必要とすることもしばしばで
す。小児期の手術侵襲による悪影響が成長に伴って現れて
くることも考えなければなりません。形態異常においては
治癒という転帰が望めないことも多く、治療が終わった後
の社会参加まで見守ってゆく必要があります。
対象疾患
●口唇裂・口蓋裂 ●足趾の先天異常
●頭蓋・顎・顔面の先天異常 ●その他体表の先天異常
●耳介の先天異常 ●再建外科
●手の先天異常 ●瘢痕・瘢痕拘縮
●母斑など外科治療の対象となる皮膚疾患
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
小児形成外科全般
職 名
浅野 裕香
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児形成外科全般
日本形成外科学会専門医
職 名
真田 武彦
(15)泌尿器科
泌尿器科
診療内容
小児泌尿器科疾患の内容としては、先天性の疾患が大多
数を占めています。腎尿路疾患(膀胱尿管逆流、先天性水腎
症、巨大尿管、異所性尿管、尿管瘤など)、生殖器・外陰部疾患
(尿道下裂、停留精巣、陰嚢水瘤、性分化疾患、包茎など)、二
分脊椎症にともなう神経因性膀胱(脊髄髄膜瘤、脊髄脂肪
腫など)、排尿異常(尿失禁、夜尿症、頻尿など)等々多彩な疾
患を対象としています。泌尿器科の腎尿路疾患は小児期に
末期腎不全にいたる原因の多くを占めるとされ、早期に適
切な対応が必要とされます。さらに将来にわたってできる
だけ良好な腎機能を保つことを目標に置き、外来にて腎機
能を中心に長期に(思春期過ぎあるいはそれ以降まで)経
過を見ていく必要があります。停留精巣は将来腫瘍発生や
不妊症のリスクがあるため、現在では1歳前後の早めの時
期に手術をおこないます。尿道下裂は乳児期から幼児期に
手術を行いますが、非常に難易度が高い手術です。当院は日
本国内において手術が行える有数の施設のひとつです。二
分脊椎患児には排尿・排便障害をともなう頻度が高く、生涯
にわたり、排尿・膀胱機能の評価と管理を定期的に行なって
いく必要があるため、脳神経外科や整形外科と協力体制の
上で診療を行っています。いずれの疾患も専門性の高い診
断・検査・手術が必要とされるため、宮城県内のみならず県
外の多くの地域からも当院泌尿器科を訪れる患児がたい
へん多いのが実情です。手術日は(月)(火)の2日間、外来診
療日は(水)(木)(金)の3日間で、開院以来、手術・外来枠と
もに常時満杯の状態です。平成24年度(2012/4-2013/3)
の外来延べ患者数は4,632名、新患は255名、入院延べ患
者数は1,084名、入院患者数は241名でした。手術室でお
こなう年間の手術・検査件数は約200件におよびます。スタ
ッフは開院当初は1名(部長:坂井)でしたが、2007年4月1
日以降、常勤医が1名増員(医長:竹本)となりました。さらに
2012年4月以降常勤医が1名増え(医長:相野谷)、2012年
8月以降、東北大学病院および弘前大学病院から派遣され
る泌尿器科研修医が1名加わり、総勢4名のスタッフによる
診療体制となりました。
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児泌尿器科
先天性腎尿路生殖器疾患
東北大学医学部臨床教授、弘前大学医学部講師、
琉球大学医学部講師、日本泌尿器科学会指導医、
日本腎臓病学会指導医、日本小児泌尿器科学会認
定医、日本小児泌尿器科学会理事、日本小児ストー
マ・排泄管理研究会東北地区世話人、日本逆流性
腎症フォーラム代表幹事、日本胎児治療学会理事
職 名
坂井 清英
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
小児泌尿器科
日本泌尿器科学会指導医
小児泌尿器科学会会員
職 名
相野谷 慶子
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
小児泌尿器科
神経因性膀胱
日本泌尿器科学会指導医
日本排尿機能学会会員
小児泌尿器科学会会員
日本二分脊椎研究会会員
小児泌尿器科学会認定医
職 名
竹本 淳
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
泌尿器科
日本泌尿器科学会専門医
職 名
高橋 正博
対象疾患
●腎尿路疾患(膀胱尿管逆流、先天性水腎症、巨大尿管、
異所性尿管、尿管瘤、後部尿道弁、多嚢腎、総排泄腔外
反、尿生殖洞遺残 など)
●生殖器・外陰部疾患(尿道下裂、停留精巣、陰嚢水瘤、性
分化疾患、包茎 など)
●二分脊椎にともなう神経因性膀胱(脊髄髄膜瘤、脊髄
脂肪腫 など)
●排尿異常(尿失禁、夜尿 、頻尿、過活動膀胱 など)
●尿路結石症、尿路性器腫瘍、尿路外傷
ドクター紹介
(16)産
科
産 科
診療内容
宮城県立こども病院産科は常勤医師3名で診療にあたっ
ています。当科の特徴は以下の6点です。
(1)胎児診断・胎児治療
先天奇形や先天性心疾患などの胎児の構造異常を疑っ
たり、胎児発育不全、一絨毛膜双胎、羊水過多・過少などの
ハイリスク症例を紹介していただき、診断を行い、その後
の方針をマネージメントします。また一絨毛膜双胎の約15
%に生じる双胎間輸血症候群にFLP(胎児鏡下胎盤吻合
血管レーザー凝固術)、胎児胸水にTAS(胎児胸腔・羊水腔
シャントチューブ留置術)、胎児不整脈に経胎盤的抗不整
脈薬投与、胎児貧血に対する胎児輸血といった、胎児治療
を行っています。FLPやTASの保険診療の施設基準を満た
す当院は保険での治療が可能です。
(2)遺伝カウンセリング、妊娠と薬の相談、妊娠と放射線の相談
母体血による胎児染色体検査(いわゆる新型出生前診
断)、絨毛生検、羊水検査などの出生前診断と、検査の前後
の遺伝カウンセリングを行っています。また、前児に病気
があったご夫婦の次の妊娠の相談、妊娠中の服薬、妊娠中
の放射線被曝などのカウンセリングも行っています。
(3)地域周産期母子医療センター
切迫早産や前期破水などの母体搬送を受け入れていま
す。高度の合併症妊娠は施設の特徴から受け入れ困難な
場合もありますが、常位胎盤早期剥離など緊急性の高いも
のはできるだけ受け入れるようにしています。2013年の
母体搬送受け入れ数は96件で、年々増えています。
(4)地域の正常妊娠・分娩
正常妊娠や里帰り分娩なども取り扱っています。2013
年の分娩数は399件、帝王切開術は135件(34%)でした。
(5)地域医療貢献
新 生 児 蘇 生 法 講 習 会 ( N C P R ) 、産 科 救 急 講 習 会
(ALSO)、胎児心エコー実技講習会などを定期的に開催し
ています。ぜひ、当院の講習会をご利用ください。くわしく
はホームページに掲載しております。
(6)東北大学大学院 医学系研究科 胎児医学分野
大学院講座が併設されており、胎児医療の臨床・基礎の
研究を行っております。
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
周産期学・超音波医学・
人類遺伝学
日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会周産期(母体胎児)暫定指導医
日本超音波医学会超音波専門医・同指導医
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医・同指導医
ALSOインストラクター
NCPRインストラクター
職 名
室月 淳
患者さんの御紹介
胎児の予後を改善するため、専門診療の垣根を低くし、
できるだけ多くの胎児を診たいと考えております。一絨毛
膜双胎で羊水が多そうな場合や、胎児の異常がありそう
な場合など、異常がはっきりしていなくても当科にご相談
ください。検査結果をお手紙、もしくはお電話でお返しい
たします。当院で管理した方が良い場合(先天性心疾患な
ど)はその旨を返信いたします。
また、遺伝・薬・放射線などに関するカウンセリングも常
時、受付けています。ご相談ください。
詳しくは、宮城県立こども病院のホームページの診療科
案内をご参照ください。
http://www.miyagi-children.or.jp/annai/content0024.html
ドクター紹介
双胎間輸血症候群にFLP(胎児鏡下
胎盤吻合血管レーザー凝固術)を行っ
ているところ。東北6県からの紹介があり
ます。
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
周産期医学・超音波医学
日本産科婦人科学会専門医
ALSO インストラクター
NCPR インストラクター など
職 名
室本 仁
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
胎児医学・妊娠初期超音波ス
クリーニング
日本産科婦人科学会専門医
FMF 認定医
ALSO プロバイダー
NCPR「専門」コース認定医
職 名
原田 文
(17)歯科口腔外科・矯正歯科
診療内容
昔の小児歯科は虫歯の治療が中心でしたが、虫歯予防の
意識が向上し、フッ化物の応用や虫歯を作らない代用糖が
発達してきたため、こどもの虫歯は年々減少してきていま
す。それにより最近では親の注意は歯並びや噛み合わせの
問題に向けられるようになってきました。さらに、歯やお口
のケガ、顎関節周囲の痛み、噛まない・飲めないなどの食べ
方の問題を主訴に来院するこども達も年々増えています。
社会の変化とともにこどもの生活環境が変わり、歯とお口
の成長や発達に関心が高くなってきているのが最近の状況
と思われます。こどもが持つ本来の歯とお口の働きが十分
に生かされ、健やかなこころと身体が育つように保護者と
一緒に考え、こども達の育児、自立支援を行うという口腔成
育の視点に立って診療を行います。
病気を有するこどもやその保護者にとって、歯やお口の
問題はどうしても後回しになってしまいます。虫歯や歯周炎
を放置することは感染病巣をつくることとなり、全身に対し
悪影響を及ぼします。このようなこども達にも、定期的に口
腔衛生指導や栄養食事指導を行うことによって虫歯を予防
することができます。たとえ虫歯ができた場合でも、重篤な
症状を呈する前に早期の初期治療で済ませることが可能で
す。障害の重い子や顎顔面に先天異常を持つこども達の中
には、食べることや飲み込みがうまくできない場合がありま
す。できるだけ早くお口から栄養摂取できるような指導・訓
練に関わり、食べる喜びを伝えていきます。
当院は地域歯科診療を支援する中核的な病院としての役
割を果たすために、一般の歯科診療所あるいは東北大学病
院と連携し、歯並びや咬み合わせの改善にかかわる顎矯正
手術ならびに矯正歯科治療を主体的に行っています。特に
インプラントを用いた特殊で高度な技術を必要とする矯正
治療を行っています。その他に、親不知、埋伏歯、過剰歯など
に関連する抜歯手術を行っています。さらに、一般の歯科診
療所で治療困難な自閉症、脳性麻痺、治療に非協力的なこど
診療領域
専門領域
資 格 等
科長(歯科医師)
一般矯正治療
インプラント矯正治療
部分矯正治療(埋伏歯牽引、補綴前矯正など)
外科的矯正治療(術前・術後矯正)
小児歯科・障害者歯科
口腔外科治療
日本矯正歯科学会認定医
臨床研修指導歯科医
職 名
御代田 浩伸
診療領域
専門領域
資 格 等
医長(歯科医師)
小児歯科・障害者歯科
摂食指導
日本小児歯科学会専門医
日本障害者歯科学会認定医
日本摂食・嚥下リハビリテー
ション学会認定士
臨床研修指導歯科医
職 名
後藤 申江
もに対する全身麻酔下における一括した歯科治療を行って
います。すべてのこども達が成人するまでに調和の取れた
顎顔面形態と良好な咬合状態を獲得できることを目標に、
治療に当たります。
また当院は歯科医師臨床研修の協力型研修施設とし
て、管理型臨床研修施設からの研修歯科医を受け入れて
います。
対象疾患
●顎変形症 ●不正咬合(咬合異常)
●先天性口腔顎顔面奇形 ●唇顎口蓋裂
●親不知 ●小帯異常
●顎関節症
●先天性欠如歯・埋伏歯・過剰歯などの歯の萌出異常
●口腔外科疾患(腫瘍、嚢胞、感染、炎症、外傷)
●有病小児ならびに障害児の歯科疾患(虫歯、歯肉炎など)
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
非常勤歯科医師
先天性口腔顎顔面奇形
日本口蓋裂学会理事
職 名
幸地 省 子
歯科口腔外科・矯正歯科
(18)リハビリテーション科
診療内容
リハビリテーション科は発達の遅れや偏りがあるお子
さんの生活指導をしていきます。できないことを克服して
いくよりは、できることを広げていく方が大切だと考えて
います。障害と決め付けるのではなく、通園施設や統合保
育などの使える特典を利用して、家庭生活の中で、お子さ
んの発達を伸ばし偏りを補正していくことを、親御さんと
一緒に考えていきます。
発達の遅れや偏りは運動面(脳性麻痺・運動発達遅滞)
ばかりでなく、ことばやコミュニケーションの問題(精神発
達遅滞・言語発達遅滞・自閉症)や学習面(軽度発達障害)
にも対処しています。通園施設に通いながら、こども病院
に通院し、療育プログラムを共有することもあります。ま
た、学校の先生方と連携をとって教育プログラムをたて
ることもあります。とくに自閉症に関しては、東北地方で
はリハビリテーションをしている施設が少ないので、多く
のこどもたちが集まってきます。
療法士と協議しながら必要があれば、運動面は理学療
法士、認知面(遊びや学習)は作業療法士、言語面と摂食は
言語聴覚士にオーダーし、一緒にみていきます。また、地
域にある発達支援をしているさまざまな機関や個人の療
法士たちと連携をとって、親子の支援をしています。
充分な評価をした上で、どのように生活の中で発達を
伸ばしていくかに重点を置いています。かつてのリハビリ
テーションは訓練室で行うものが主体で、訓練室で良好
な姿勢や歩容がとれても、家庭に戻ると、もとの状態に戻
ってしまうことが多かったのです。現代のリハビリテーシ
ョンは、家庭での生活空間を考えて、育児の中でどのよう
なプログラムをたてていくかが重要とされています。
また、入院中から運動や呼吸や摂食に問題があるこど
もたちには、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が病室
や療法室で回復のためのトレーニングを開始します。発症
早期からリハビリテーションを行えることが、こども病院
の特徴です。
さらに新生児ICUでは新生児期から発達を評価し、外来
でのフォローアップにつなげていきます。
なお吉田由理子歯科医と言語聴覚士で摂食障害のこど
もを対象に摂食外来を始めました。
対象疾患
●ことばの遅れ ●広汎性発達障害
●運動発達の遅れ ●注意欠陥・多動性障害
●精神発達の遅れ ●学習障害
●脳性麻痺 ●ダウン症
●自閉症 ●未熟児のフォローアップ
●アスペルガー症候群 ●摂食障害
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
発達障害
日本小児科学会専門医
日本小児神経学会専門医
職 名
奈良 隆寛
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
発達障害
日本小児科学会専門医
職 名
熊坂 泰磨
リハビリテーション科
診療領域
専門領域
資 格 等
非常勤歯科医師
日本小児歯科学会認定医
日本障害者歯科学会認定医
日本摂食・嚥下リハビリテー
ション学会認定士
職 名
吉田 由理子
(19)放射線科
診療内容
放射線科は主に画像検査・画像診断分野を担当していま
す。具体的にはCT・MRI・核医学などの画像検査計画の立
案と指示、放射線部での超音波検査、病棟・ICU・NICUなど
への出張超音波検査、造影・透視検査、画像診断報告書の
作成、臨床各科との画像カンファレンス、主治医からの画
像診断に関するコンサルテーションへの対応などです。常
勤の放射線科医2人と診療放射線技師9人、放射線部担当
看護師、クラークが協力して診療を行っています。
当院放射線部に設置されている画像診断装置の詳細に
ついては放射線部の項をご覧ください。これらの装置で撮
影される画像はすべてデジタル化され、PACS (Picture
Archiving and Communication System)で管理されてい
ます。放射線部門内ではフィルムレスの環境で読影やカン
ファレンスを行っています。
当科の基本方針は、
(1)こども一人ひとりに対して適切な画像診断検査を選択
する
(2)こどもに優しく身体的負担・精神的負担の少ない検査
を安全に行う
(3)得られた検査結果からこどもの診断・治療に役立つ情
報を可能な限り引き出す、の3項目です。
これらに基づき、画像検査法を選択する時には主治医と
密に協議し、検査の目的を明確にしたうえで放射線被ばく
の無い検査、こどもの身体的・精神的負担の少ない検査を
優先的に考慮します。検査の実施に際しては、被ばく低減
に努め不必要な検査は行わない様にしています。
主治医に対してはわかりやすい画像とわかりやすい画
像診断報告書を提供するよう心がけています。たとえば、
CT検査では3次元画像等の再構成画像を適宜作成し、説
得力のある画像情報を主治医に提供しています。また、検
査中あるいは検査後に緊急性のある所見を発見した時に
はすぐに主治医に連絡するようにしています。
当科では超音波検査を重視し積極的に行っています。超
音波検査は小児で問題となる放射線被ばくがなく特別な
前処置も不要なため簡便に行える画像検査であり、さら
に、体格が小さく体脂肪や腹腔内脂肪の少ない小児では鮮
明な画像が得られるため単なるスクリーニング検査に留
まらず精密検査としての意義が大きいためです。実際に超
音波検査のみで診断可能な疾患もあります。検査をする時
には、こどもの希望するアニメを見せて検査に協力しても
らっています。また、主治医から緊急検査の要請があれば
できるだけ速やかに対応するよう心がけています。
各検査や一次読影は2人の放射線科医が分担して行っ
ていますが、一日の終わりにはその日に撮影されたすべ
ての画像を放射線科医がそろって検討し、画像所見とそ
の解釈を確認するとともに検査結果についての情報を共
有しています。
診療科間の定期的な画像カンファレンスは新生児科や
神経科と行っています。カンファレンスの目的は、画像所
見のダブルチェック、今後の画像検査計画の立案、研修医
の教育等で、放射線科医師の司会で進行します。
なお、当院には放射線治療装置も設置されており非常
勤の放射線治療専門医の応援を得て放射線治療を行って
います。
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児領域の画像診断
放射線診断専門医
核医学専門医
職 名
島貫 義久
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
画像診断
職 名
青木 英和
放射線科
(20)麻酔科
麻酔科
診療内容
麻酔科は、こども達が安全に手術を受けられるように
手術中の全身管理だけでなく、手術後の疼痛管理なども行
っています。
手術の前日には、麻酔科外来において、あるいは病室を
訪問して麻酔の手順や方法および起こりうる合併症を説
明し、できるだけこども達や保護者の不安の軽減に努め
ています。小さいこども達は家族から分離される不安がと
ても強いものです。手術室へ入室する前には、鎮静・催眠
薬(ミダゾラムシロップ等)の内服投与をしていますので、
手術室に入る時に泣き叫ぶという光景はほとんど見られ
ません。また、麻酔導入時に使用するマスクには美味しそ
うな匂いをつけています。担当看護師が術前訪問時に、こ
ども達の希望を聞き、選んでもらっています。
麻酔は、吸入麻酔による全身麻酔が中心ですが、胸・腹
部以下の手術では可能であれば積極的に硬膜外麻酔を併
用しています。手術時間が長い症例では硬膜外腔にチュ
ーブを挿入し、術後の痛みが激しいと予想される大きな
手術では、硬膜外麻酔に使用したチューブを術後も留置し
たままにして、持続的に薬剤を注入して鎮痛に用いていま
す(epi-PCA)。硬膜外麻酔が適用できないこども達には、
麻薬系の薬剤を持続静注するなどの疼痛対策を積極的に
行っています(iv-PCA)。手術は勿論、成人では麻酔を必要
としない血管造影や内視鏡検査などの検査や処置も全身
麻酔の対象となります。こども病院の特徴として先天性の
疾患が殆どですが、各科の代表的な疾患には、小児外科:
胆道閉鎖症・胆道拡張症・胃食道逆流症・消化管閉鎖・横
隔膜ヘルニア、泌尿器科:膀胱尿管逆流症・尿道下裂・水腎
症、脳神経外科:もやもや病・先天性水頭症・脳腫瘍・脊髄
髄膜瘤・脊髄脂肪腫、形成外科:口唇口蓋裂・狭頭症・多合
指(趾)症、心臓血管外科:複雑心奇形、歯科口腔外科:顎変
形症・全麻下齲歯治療、産科:帝王切開・胎児治療等があり
ます。
当院の麻酔科管理症例は年間約1200例。春休み、夏休
みに集中しますが、毎月100例前後の手術があり、そのう
ち約2割が緊急手術です。以前は手術の対象にならなかっ
たような未熟児や、低体重児、難治性の複雑な心奇形を持
ったこども達の手術・麻酔も増えています。
現在、麻酔科は4名で診療にあたっています。日本麻酔
科学会による安全な麻酔基準を満たすモニター類の整備
だけでなく、大人より危険性の高いこどもの麻酔では麻酔
科医の高度な技術と適切な判断が要求されます。こどもは
大人のミニチュアではないと言われていますが、新生児か
ら思春期のこども達まで、発達・発育の各段階での特質を
理解しておかなければなりません。大人の麻酔に比べてこ
どもの麻酔では準備一つをとっても人手が必要です。手術
前の短時間の説明で、こども達とコミュニケーションが取
れるようになるにも経験と熟練が必要です。安全な麻酔
は当然のこと、限られた時間の中でこども達の身体的・精
神的な状況を把握し、少しでも不安と痛みを軽減できるこ
とを願って毎日の診療に携わっています。
ドクター紹介
診療領域
専門領域
資 格 等
医師
麻酔全般
麻酔科認定医
職 名
大 泉 見知子
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
小児麻酔
麻酔科指導医
職 名
井口 まり
診療領域
専門領域
資 格 等
科長
小児麻酔
麻酔科指導医
職 名
森本 文子
診療領域
専門領域
資 格 等
部長
麻酔全般
麻酔科指導医
職 名
五十嵐 あゆ子
(21)集中治療科
集中治療科とは
大きな侵襲を受けた生体は、回復までの一定期間は生
命維持のため人的物的な集学的な治療を必要とします。
その様な治療を専門とするのが集中治療科です。患者の
治療に直接関わるほか、各科の知恵を集約し治療方針を
導き出すコーディネータとしての役割や、患者の入退室を
含む全般的な管理運営も、大切な業務となっています。
従来看護部の管理下にあった「集中治療室」が、平成26
年度の4月の院内組織改定で、中央部門の一つとして集中
治療部という独自性を持った組織になりました。開設以来
麻酔集中治療科の医師が集中治療室の管理運営に関わっ
てきましたが、集中治療部への組織改編に合わせて、集中
治療科が麻酔集中治療科から分離して新設されることに
なりました。
診療内容
集中治療科に所属する医師は、小泉医師と科長の松川
(麻酔集中治療担当副院長と兼担)の2名です。集中治療
科は集中治療部の管理運営を担当し、また集中治療室に
入室する患児の担当科医師と共同で診療に当たります。
診療に当たっては、医師のみでなく看護師、MEを含む医
療者全員の協同が欠かせません。関係職員一同、より質の
高い医療を患児に提供するため、日夜努力中です。
週日には毎朝8時半から医師と看護師による状況報告
を行い、患者の状態および治療方針の確認を行って、現在
の病態認識の共有化を図っています。実働は小泉医師1名
の状況ですので、診療のアドバイザー的役割に止まること
も多く、今後徐々に人員増員および業務内容拡大を考え
ていく必要があると考えております。
今後の展望
集中治療部をはじめ、病院全体を対象とする中央診療
部門は、そのパフォーマンスが病院運営のボトルネックに
なる可能性が高いため、どのように機能維持に関わって
いくかは、集中治療科の大きな役割と言えると考えます。
人員の充実、拓桃医療センターとの統合、医療機器・設備
の更新、小児集中治療施設認定の取得、特定集中治療室管
理料1の取得、小児救急医療への関与、など今後集中治療
科の取り組むべき課題は多岐にわたります。出来ることか
ら少しずつ実現していこうと考えておりますので、皆様方
のご協力のほど、宜しくお願いします。
ドクター紹介
集中治療科
診療領域
専門領域
資 格 等
医長
集中治療(小児)
日本小児科学会専門医
日本集中治療医学会専門医
職 名
小 泉 沢
診療領域
専門領域
資 格 等
副院長(麻酔集中治療担当)
集中治療科科長(兼担)、
集中治療部部長
集中治療(人工呼吸管理)
日本麻酔科学会指導医
日本集中治療医学会専門医
日本呼吸療法医学会専門医・名誉会員
職 名
松川 周