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258 世界のサッカーリーグの登録選手と出場の世代別分析 1. 緒言日本は,5 大会連続で出場したFIFAワールドカップ ( 以下,W 杯 ) の2014 年ブラジル大会ではグループリーグ敗退 1) し,W 杯での成績は,2002 年日韓共催大会および2010 年南アフリカ大会のベスト16が最高位で

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 †原稿受付 2017年2月1日  原稿受諾 2017年5月9日

 *早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1 **星槎大学大学院教育学研究科 〒231-0021 神奈川県横浜市中区日本大通り11

 *Graduate School of Sport Sciences, Waseda University, 1-6-1, Nishi-Waseda, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan (169-8050) **Graduate School of Education, Seisa University, 11, Nihon o-dori, Naka-ku, Yokohama, Kanagawa, Japan (231-0021)

J1リーグと欧州/南米のトップリーグにおける

年代別出場機会に関する国際比較

能 智 大 介

  児 玉 ゆう子

**

  平 田 竹 男

International Comparison between the J-League Division 1

and European/South American Top League Players Regarding

Participation Opportunities, According to the Generation

Daisuke NOCHI

, Yuko KODAMA

**

and Takeo HIRATA

Abstract

  The aim of our investigation was to clarify the achievement situation and features regard-ing the experiences and results of players who take active parts in the highest ranked football leagues in Japan, Europe, and South American countries.

  The average age of players in J-League changed, showing an upward trend, and record-ed a peak in the 2014 season (26.85 years), and was higher by 3.80 years than that of Dutch league, which had the lowest value. And in the generation category, the age composition ra-tio of J-League players showed the lowest values: U 17 (0.57%), U 20 (9.28%) and U 23 (15.34%). And regarding the appearance fraction ratio by age, J-League players also showed the lowest values: U 17 (0.02%), U 20 (3.43%) and U 23 (14.01%). Their U 30 value (78.94%) was near the lowest value-that of Italian league, and their O 31 value (21.06%) was next to the peak-that of Italian league.

  In other words, J-League showed lower levels of achievement by young players and a higher average age, in comparison to the leagues in other countries.

  One of the factor became clear was that the player production fostered by the "Japan Original System," in which players become professionals after playing at university, is an in-creasing tendency. Furthermore, other countries such as Germany value the appearance chanc-es of the young generation players and strengthen the upbringing of young players in their own leagues. Thus Japanese players’ experience is behind the age schedule in comparison to other countries and this is having an influence on the clubs and the league, and on competitions with other Asian area teams, and on international matches.

(2)

タリア/セリエA(以下,ITA),ドイツ/ブン デスリーガ(以下,GER),アルゼンチン/プ リメーラ・ディビシオン(以下,ARG),フラ ンス/リーグ1(以下,FRA),ブラジル/カン ピオナート・ブラジレイロ・セリエA(以下, BRA),イングランド/プレミアリーグ(以下, ENG),ポルトガル/プリメイラ・リーガ(以下, POR),ベルギー/ジュピラー・プロ・リーグ(以 下,BEL)と,イングランドのFAが選手育成 において影響を受け,若年層選手の育成機関の モデルとして発達しているリーグであるオラン ダ/エールディヴィジ7)(以下,NED)の計11 カ国11リーグである. 2.2 研究対象データ  対象は,各選手の出場シーズン(以下,s) の年齢と出場時間(分数)である.データは, WEBサイトsoocerway8)を用いた.それらに加 え,JPN新規登録選手は育成機関も分析の対象 とし,データは,日刊スポーツJリーグ選手名 鑑9),Jリーグホームページ公開の試合記録10) を用いた. 2.3 研究対象期間  全リーグのデータ抽出が可能な2009/2010s から2014/2015sの6sとし,JPNは春夏制でリー グ運営をしているため2009sから2014sまでの 6年間とした.対象期間の対象選手の年齢,出 場時間について調査しデータベースを作成し分 析に用いた.  JPNの新規登録選手の育成機関別データは, 当該年の選手受入数の差異が出ないようにクラ ブ数が18に安定した2005sから2014sまでの10 年間を対象とした.   なお,本研究で用いたデータはすべてオープ ンデータである. 2.4 分析方法 2. 4. 1 JPN と欧州 / 南米の登録選手の平均 年齢の推移の比較  各リーグの登録選手の平均年齢の推移の分析 1.緒     言  日本は,5大会連続で出場したFIFAワール ドカップ(以下,W杯)の2014年ブラジル大 会ではグループリーグ敗退1)し,W杯での成績 は,2002年日韓共催大会および2010年南アフリ カ大会のベスト16が最高位である2).出場資格 が23歳以下(以下,U23)のオリンピック(以 下,五輪)では1996年アトランタ大会から6大 会連続で出場し,2012年ロンドン大会でベスト 4に進出した.しかし20歳以下(以下,U20) や17歳以下(以下,U17)のユース世代での国 際大会の成績は近年難しい状況にある.U20 W杯 で は2009年,2011年,2013年,2015年 の 4大会連続で各前年開催のアジア大陸地区予選 AFC U-19選手権3)で敗退し, U17 W杯でも 2015年はアジア大陸地区予選AFC U-16選手権 4)で敗退している.  「ユース育成はクラブだけでなく,国(代表 チーム)に関わるものであり,ユース育成を強 化していくことは直接的ではないにしろ,将来 の代表チームにも利益をもたらす.」5)とされて いる.しかし,世界各国におけるユース世代の 強化,育成,出場機会や各国のサッカーの競技 レベル,代表チームの国際競争力の関連につい ては不明な点が多い.  本研究は,日本とヨーロッパ地区,南アメリ カ地区(以下,欧州/南米)の国々の最上位サッ カーリーグ(2部リーグ以下は含まれない)の 登録選手の年齢,出場時間からみた活躍の状況, 経験,実績の特徴を明らかにすることを目的と した. 2.研 究 方 法 2.1 研究対象  対象リーグは,日本/Jリーグ・ディヴィジョ ン1(以下,JPN)および欧州/南米の国々の 最上位サッカーリーグとしてIFFHS(国際サッ カー歴史統計連盟)6)が2015年に順位付けした 世界各国のサッカーリーグの9カ国6)(スペイ ン/リーガ・エスパニョーラ(以下,ESP),イ

(3)

大学経由してJPN登録(以下,HU),Jユー スから大学経由してJPN登録(以下,YU)とし, その推移の分析にはフィッシャー正確検定分析 を用いた. 3.結     果 3.1 JPN と欧州 / 南米の平均年齢  11カ国の平均年齢の推移を図1に示した.各 リーグの平均年齢の推移には有意差が見られた (F(10)=109.02, p<0.05).JPNは2009s(25.89 歳)から2014s(26.85歳)まで常に最高値であり, 2014/2015s(23.05歳)の最低値のNEDとの差 は3.80歳であり,登録選手の年齢は著しく高年 齢のリーグであった. 3.2 JPN と欧州/ 南米の年代別在籍人数分布  11カ国の登録選手の人数を年代別に分類し, 人数比率分布として図2に示した.各リーグの 年代別在籍人数比率には有意差が認められた には一元分散分析を用いた. 2. 4. 2 JPN と欧州 / 南米の登録選手の年代 別構成の比較   対 象 期 間 の 登 録 選 手 の 人 数 の 和 をU17, U20,U23,30歳以下(以下,U30)および31 歳以上(以下O31)の年齢別に分類し,人数比 率の分析にはフィッシャー正確検定分析を用い た. 2. 4. 3 JPN と欧州 / 南米の登録選手の年代 別出場機会の比較   対 象 期 間 の 登 録 選 手 の 人 数 の 和 をU17, U20,U23,U30およびO31と年齢別に分類し, 出場時間比率の分析にはフィッシャー正確検定 分析を用いた. 2. 4. 4 JPN の新規登録選手の育成機関別の 構成比  JPNの新規登録選手(外国籍を除く)を育成 機関別に分類し,高校からJPN登録(以下,H), JユースからJPN登録(以下,Y),高校から 24.75 24.73 24.40 24.65 24.48 24.74 24.50 23.48 23.17 23.47 23.49 23.05 25.89 25.86 26.28 26.23 26.53 26.85 22.50 23.00 23.50 24.00 24.50 25.00 25.50 26.00 26.50 27.00 2009/2010 2010/2011 2011/2012 2012/2013 2013/2014 2014/2015

ENG GER ITA FRA ESP POR

GEL NED BRA ARG JPN

(4)

低はJPN (0.02%)であり,JPNはU17がほと んど出場していないリーグであった.そして U20で は 最 高 がNED (14.27 %), 最 低 はJPN (3.45%)と10.82%の差があり,またU23では最 高がNED (47.37%),最低はJPN (17.46%)と 29.91%の差があった.さらにU30では最高が NED(91.40%),最低はITA(78.00%),JPN はITAと僅差の10位(78.94%).O31では最高 がITA(22.00 %),JPNはITAと 僅 差 の 2 位 (21.06%),最低はNED (8.60%)であり,ITA およびJPNは高年齢選手が多く活躍するリー グであった. 3.4 JPN の登録選手の育成機関別の構成比  JPN登録選手の育成機関別の構成比を知る ために4つに分類し図4に示した.2005sから 2014sまでの10年間の推移について,4分類の 比率の比較では有意差が認められた(χ2(27) =42.6033, P <0.05).JPNの10年 間 に お け る HU+YUの構成比の最低は2005s(22.62%),最 (χ2(40)=1463.88,:p<0.05).U17の登録人 数の最高がITA(3.03%),最低はJPN(0.39%) であり,JPNはU17がほとんど在籍していない リーグであった.そしてU20では最高がNED (29.10%),最低はJPN(10.49%)と18.61%の 差があり,またU23では最高がNED(58.82%), 最低はJPN(28.71%)と30.11%の差があり, JPNは著しくU17,U20,U23の若年層の登録 数が少ないリーグであった.さらにU30では最 高 がBEL(91.73 %), 最 低 はJPN(81.48 %), O31で は 最 高 がJPN(18.52 %), 最 低BELは (8.27%)であり,JPNは高年齢選手が多く在籍 するリーグであった. 3.3 JPN と欧州/ 南米の年代別出場時間分布  11カ国の登録選手の出場時間を年齢別に分類 し,出場時間比率分布として図3に示した.各 リーグの年代別出場時間比率の比較では有意差 が認められた(χ(40)=1.92×10^6,:P<0.05).2 U17の出場時間比率の最高がBEL(0.60%),最 1.54% 3.03% 1.19% 1.56% 1.94% 0.90% 1.73% 0.94% 3.89% 1.64% 0.39% 13.22% 15.85% 18.33%20.87% 19.55% 17.67%16.50%13.13% 22.00% 27.46% 10.10% 23.86% 16.69%24.83% 25.36% 23.75% 23.50% 18.44%25.35% 22.43% 29.72% 18.22% 49.07% 46.82%45.37% 38.06% 43.14% 44.00%49.16%50.14% 43.41%32.86% 52.76% 12.31% 17.61%10.27%14.15%11.62%13.93%14.18%10.43% 8.27% 8.30% 18.52% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

ESP ITA GER ARG FRA BRA ENG POR BEL NED JPN

U17

18~20

21~23

24~30

O31

(5)

ラブの現役トップチームコーチの藤田俊哉氏13) は現場の声として「NEDは,リーマンショッ ク以降のクラブ経営悪化により選手のクラブ 外への輩出が活発になったことと,同時期に UEFAやFIFAの施策が,各クラブの若年層の プレー機会を積極的に増加させることになった 事実が存在し,多くのクラブがこれに忠実で あったクラブ経営,運営上の結果だ.」と語っ ている.  一方で,JPNは0.96歳平均年齢が上がってい た.0.5歳以上も高齢化したのはJPNだけであ る.図4に示したJPNの育成機関別の構成比 で,22歳でプロリーグに登録するHU+YUが 2005s(約20%)から2014s(約50%)の10年間 で約2倍に増加したことや,O31の登録人数比 率(図2)が最高値であることや,出場時間 比率がU30で10位,O31は2位(図3)という データからも明らかなように,JPNは高年齢 選手が多く登録し,リーグ全体として若年者 の活躍が減少し,高齢化が進む世界でも希有 な年齢構造のリーグである.このJPNのよう な構成になる一つの理由は,大学経由でプロ 高は2014s(48.15%)であり増加傾向であった. 4.考     察  各リーグの登録選手の平均年齢の推移で平均 年齢が下がった国は6カ国,NEDは1歳以上 も下がった.若年化した理由は,リーグやクラ ブの施策によって選手の新陳代謝や世代交代が 促され若年層の出場機会が創出されたことの影 響が考えられる.それは各国のクラブが,2004 年に欧州サッカー連盟(以下,UEFA),2008 年から国際サッカー連盟(以下,FIFA)がク ラブの大会の参加資格をチェックする基準とし て導入したクラブライセンス制度11)や,リーマ ンショック後の2011年にUEFAがクラブに対 して収入の範囲内に支出を抑えることを義務 化したファイナンシャル・フェアプレイ制度12) 導入によるクラブ経営に関する経済的な規則に よって,高額な投資によりスター選手を獲得す るのではなく,クラブ下部組織での選手育成が 見直され,活性化される傾向となったことが一 因と推察される.この現象について,NEDク 0.10% 0.09% 0.18% 0.32% 0.30% 0.15% 0.16% 0.29% 0.60% 0.35% 0.02% 5.45% 3.99% 8.18% 8.77% 7.46% 7.65% 3.92% 5.98% 10.82%13.92% 3.43% 18.18% 15.67%24.98% 21.82%23.13%18.17%16.49%24.20% 23.35% 33.10% 14.01% 60.84% 58.26% 55.13% 48.18% 55.14% 54.81%63.80%56.40%54.78% 44.02% 61.48% 15.44% 22.00%11.53%20.92% 13.98% 19.21% 15.63%13.13% 10.45% 8.60%21.06% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

ESP ITA GER ARG FRA BRA ENG POR BEL NED JPN

U17

18~20

21~23

24~30

O31

(6)

し か しJPNとGERに は 大 き な 違 い が あ る. GERが外国籍選手枠撤廃の一方,90年代後半 から代表チームの国際大会での成績不信に対す る施策としてユース育成強化も平行して進めて きた.その施策として,各クラブは最低12名 のGER国籍選手の登録を義務づけ,そのうち 8名はそのクラブの地域出身の選手であり且つ うち最低2名はクラブ下部組織出身でなければ ならない契約義務の制度化19)や若年者の出場機 会を促すU19リーグの設置20)など,リーグの強 化と自国選手の出場機会,ユース育成とのバラ ンスを取るリーグ運営を併用している.これら の制度によりGERは近年,代表チームはW杯 等の世界大会において好成績を残し,UEFA やFIFAのランキングの上位に付け,さらに UEFAチャンピオンズリーグにおけるクラブの 好成績など,リーグのレベルが上がっているこ とが伺える21).また,トップでのU22選手起用 を義務化し2部リーグでは23歳以上の選手起 用人数を規制しているメキシコ22)の例も存在す る.つまり,JPNのリーグ運営方針が,リーグ リーグに登録するという日本独特のシステムの 影響である.このケースの多くは,兼清・平 田14)の指摘した「Jリーグにおいて,ユース育 成による量と質の向上がなされている.」とさ れるJユース選手が,一度,Jクラブ組織を 離れて大学で育成強化され,再びJクラブに 戻っていたことを意味し,2005s(4.76%)か ら2014s(12.96%)と割合にして約3倍増加し ていた.このようにJユースから大学経由し ている要因には,リーグの運営方針が大きく 関わっていると推察される.JPNは外国籍選 手の制度15)により,一試合で同時に最大4名 の外国籍選手が出場可能という自国選手の自 国リーグでの出場機会を減少させる施策を導 入し,また2010sのサテライトリーグ撤廃16)17) 等のリーグ設計をしたことが,結果としてチー ム内,リーグ内での競争力を高めた一方で,若 年者の出場機会の減少,喪失につながったのか もしれない.外国籍選手枠の制限が存在しない 国は他にGERがある.GERはリーグの競技力 向上のため2006年に外国籍選手枠を撤廃した18) 35.71% 38.16% 34.29% 24.64% 28.30% 16.28% 34.00% 15.79% 14.29% 14.81% 41.67% 35.53% 42.86% 43.48% 41.51% 44.19% 24.00% 43.86% 42.86% 37.04% 4.76% 1.32% 5.71% 4.35% 7.55% 11.63% 8.00% 8.77% 10.20% 12.96% 17.86% 25.00% 17.14% 27.54% 22.64% 27.91% 34.00% 31.58% 32.65% 35.19% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

H(%)

Y(%)

YU(%)

HU(%)

(7)

のシステム」での選手輩出の増加があげられた. 各国が若年層の育成強化,出場機会喪失に対し て重要視し,対応に注力し施策を設けている事 実は,選手のクラブ内,リーグ内,世代別の大 陸地区大会,国際大会等の競争力,競技力に影 響を与えている可能性が示唆された. 参 考 文 献

1)2014 FIFA World Cup ホームページ http:// www.fifa.com/worldcup/archive/brazil2014/ groups/index.html (2016/11/13).

2)2010 FIFA World Cup ホームページ http:// www.fifa.com/worldcup/archive/southafrica 2010/matches/index.html (2016/11/13). 3)AFCホームページ http://www.the-afc.com (2016/11/13). 4)AFCホームページ http://www.the-afc.com (2016/11/13).

5)Stratton, G., Reilly T., Williams A. M., and Richardson, D.;Youth Soccer From Science to performance, Routeledge, 2004. 6)IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟) http: //iffhs.de, http://ultra.zone/IFFHS-Club- World-Ranking (2016/11/13). 7)内藤翔平, 入口 豊, 井上功一, 中野尊志, 大西 史晃;イングランドのサッカークラブにおけ るユース育成について(Ⅰ), 大阪教育大学紀要 第Ⅳ部門, 第61巻第2号, pp.11-24, 2013. 8)soccerway;http://uk.soccerway.com (2016/11/13). 9)1993年〜2014年 日刊スポーツJリーグ選手 名鑑;日刊スポーツ出版社. 10)Jリーグホームページ https://data.J-league. or.Jp/SFTP01/ (2016/11/13). 11)竹中嘉久;Jリーグ22年の変革と最高経営責任 者の戦略, 愛知工業大学研究報告第50号, p.195, 2015 12)鈴木良平;世界一観客が集まるサッカーリー グブンデスリーガ事情通読本, 東方出版, 東京, pp.195-196, 2011. 13)藤田俊哉オフィシャルホームページ http:// go-toshiya.com/profile/ (2016/11/13). 14)兼清文彦, 平田竹男;Jリーグクラブにおける ユース出身選手に関する調査, スポーツ産業学 高齢化の進行および登録選手の世代交代,新陳 代謝が進まない原因の一つとなる大学経由でプ ロリーグに登録する日本独特のシステムを選択 するユース世代選手の増加を後押ししていると 示唆される.   さらにJPNは,リーグ内での活躍を示す出 場時間比率データではU17,U20,U23が最低 値であり,若年層がクラブ内競争に勝利してい ないことが示された.世代別の国際大会で活躍 できるレベルの選手であっても各クラブが主戦 力として定着させていないことを意味する.「出 場機会がなくては成長しない.」と2012年ロン ドン五輪/U23関塚 隆監督23)は指摘している.  昨今,日本はU20W杯では2009年,2011年, 2013年,2015年の4大会連続,U17W杯も2016 年の各前年開催のアジア大陸地区予選で敗退し ている.代表に選出される選手が絶えずリーグ 等で試合経験を増加させることは代表の勝利に 寄与する可能性が高く,クラブ事情による若年 層の出場時間比率の低下は,日本サッカーの強 化,育成,成長に重要な問題の原因の一つかも しれない.  このように欧州/南米の国々の年齢別の出場 時間の制度,施策等は,心身成長著しいユース 世代に対する施策を設け,若年層の育成強化, 出場機会を増やす事を重要視した結果と推察さ れる.一方で日本は,2016sからサテライトリー グ24)を8年ぶりに設置し,加えてディヴィジョ ン3にU23で構成するチームの参戦を認めた. これらは,今後の若年層のクラブ内,リーグ内, 世代別のアジア大陸地区予選内,そして世界大 会での国際競争で勝利するための基盤として期 待される.この新しい施策が,競技結果にどの ような影響を与えるのか,今後の研究が待たれ る. 5.結     論  欧州/南米の国々のリーグに比べJPNは若年 層の活躍は乏しく,高齢化が進んだリーグであ ることが明らかとなった.その要因の一つとし て大学経由でプロリーグに登録する「日本独自

(8)

com/national/germany/u-19-bundesli-ga/20162017/west/r36746/ (2016/11/13). 20)平田竹男;スポーツビジネス最強の教科書, 東 洋経済新報社, p.45, 2012. 21)坪井和音, 萩裕美子;フットボールリーグのマ ネジメントに関する研究:ドイツブンデスリー ガに着目して, 生涯スポーツ学研究, Vol.11, No.2, 2015 p.3, 2015. 22)平田竹男;スポーツビジネス最強の教科書, 東 洋経済新報社, p.77, 2012. 23)早稲田大学ア式蹴球部 公式サイト「独占イン タビュー〜U23日本代表監督 関塚 隆さんから の メ ッ セ ー ジ 〜」http://www.waseda-afc. jp/interview-vol2 (2016/11/13). 24)Jリーグホームページ「2016Jサテライトリーグ」 http://www.jleague.jp/aboutj/construction/ satellite.html (2016/11/13). 研究, Vol.22, No.1, pp. 91-96,2012. 15)J. LEAGUE HANDBOOK 2017. 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ規約・規程集 http: //www.jleague.jp/docs/aboutj/pdf_2017.pdf. p101 (2017/4/10). 16)nikkansports.com;2010/1/8「 サ テ ラ イ ト L 廃 止 で 関 西 4 ク ラ ブ 対 抗 構 想 」http:// www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp0-20100108-583714.html (2016/11/13). 17)asahi.com:2009「Jリーグ「サテライト」, 今 季限り日程取れず負担も大」http://b.hatena. ne.jp/entry/www.asahi.com/sports/update/ 1214/TKY200912140208.html (2016/11/13). 18)鈴木良平;世界一観客が集まるサッカーリー グブンデスリーガ事情通読本, 東方出版, 東京, p.185, 2011.

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