• 検索結果がありません。

はじめに 労働災害は 長期的には減少傾向にあるものの 近年は増減を繰り返す状況となっています 平成 9 年の全国の休業 日以上の労働災害による死傷者数は 前年を, 人上回る, 人となりました また 速報では労働災害により亡くなった労働者は 前年から微増ながら 年連続で, 人を下回る見込みとなっていま

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "はじめに 労働災害は 長期的には減少傾向にあるものの 近年は増減を繰り返す状況となっています 平成 9 年の全国の休業 日以上の労働災害による死傷者数は 前年を, 人上回る, 人となりました また 速報では労働災害により亡くなった労働者は 前年から微増ながら 年連続で, 人を下回る見込みとなっていま"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

■ 岐阜県の建設業における労働災害の概況

■ 事故の型と起因物からみた建設業の労働災害

■ 発生月・発生時間からみた建設業の労働災害

■ 年齢と経験年数からみた建設業の労働災害

■ 全産業の熱中症労働災害

建設業労働災害防止協会 ■ 岐阜県における死亡災害の概要(建設業)

岐阜県支部

第13次労働災害防止計画の概要

岐阜県建設労働災害統計

災害事例集

(第37集)

平成30年5月

(2)

 労働災害は、長期的には減少傾向にあるものの、近年は増減を繰り返す状況となっています。

平成29年の全国の休業4日以上の労働災害による死傷者数は、前年を2,550人上回る120,460

人となりました。また、速報では労働災害により亡くなった労働者は、前年から微増ながら3年連

続で1,000人を下回る見込みとなっています。

 岐阜県内においても災害は増加傾向にあり、死傷者数が2,012人(前年比30人・1.5%増加)、死

亡者数は19人(前年比1人・5.6%増)と、平成28年よりも増加しました。建設業は、休業4日以上の

死傷者数が233人(前年比3人・1.3%増)となりましたが、死亡者数は6人(前年比2人・25.0%減)と

なりました。

 死亡災害の発生状況として、被災者の経験年数が20年以上の熟練者であること、55歳以上の

高年齢労働者であることの共通点があり、また、墜落・転落災害がその多くを占めています。

 労働災害は本来あってはならないものであり、中でも死亡災害の撲滅は労働災害防止の理念

であることを念頭に、企業経営者におかれましても、労働災害防止の重要性について改めて御

認識いただきますようお願いします。

 岐阜労働局では、第13次労働災害防止推進計画(2018年度から2022年度まで)で、死亡災害

の15%減少と死傷災害の5%減少等の目標を定め、その達成のために建設業における墜落・転

落災害防止対策として、墜落防止用保護具は原則フルハーネス型とし、墜落時の落下距離に応

じた適切な保護具の使用の徹底などを推進することとしています。

 各事業場におかれましては、今回取りまとめた災害事例集を参考に、今後の自主的な安全管

理活動により、作業現場から災害発生の要因を一つでも減らし、「危険ゼロ」を実現され、安全衛

生管理水準の一層の向上を期待します。

      平成30年5月

       岐阜労働局

はじめに

(3)

138 109 106 107 70 57 29 28 0 150 1 2 3 4 5 6 7 8

岐阜県の建設業における労働災害の概況

平成29年

7881 51 70 71 49 62 5356 5856 38 53 53 63 56 61 46 54 49 4952 39 33 40 49 29 34 47 34 27 26 20 26 2224 18 1816 14 25 18 19 33 39 15 29 34 18 28 29 25 25 26 12 21 18 26 2226 14 24 21 2024 18 1212 26 7 13 20 10 10 9 8 6 4 11 5 3 2 3 9 8 6 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 S 5 0 S 5 1 S 5 2 S 5 3 S 5 4 S 5 5 S 5 6 S 5 7 S 5 8 S 5 9 S 6 0 S 6 1 S 6 2 S 6 3 H 元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 21H H13 H14 51H H16 H17 81H H19 H20 12H H22 H23 42H H25 H26 H27 H28 H29

全産業

建設業

労働災害の推移

岐阜県内における労働災害による休業4日以上の死傷者数は、昭和54年をピークに長期的には減少傾

向にありますが、平成28年から増加に転じ、平成29年は2,012人となりました。

建設業においても休業4日以上の死傷者数は同様の傾向であり、平成29年は233人で、平成28年と比較

して3人増加となりました。また、死亡者数は28年から2名減少となりましたが、死亡者数を5年間単位でみ

ると着実に減少してきた過去と比較し、減少幅が小さくなっていることが見て取れます。。

※本冊子における資料出所:労働者死傷病報告(休業日数4日以上に限る)(岐阜労働局) 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 S 5 0 S 5 1 S 5 2 S 5 3 S 5 4 S 5 5 S 5 6 S 5 7 S 5 8 S 5 9 S 6 0 S 6 1 S 6 2 S 6 3 H 元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 21H H13 H14 51H H16 H17 81H H19 H20 12H H22 H23 42H H25 H26 H27 H28 H29

全産業

建設業

(人) (年) (年) (人) (建設業における5年間ごとの死亡者数の推移) 図1−1 休業4日以上の死傷者数 図1−2 死亡者数 12次防 11次防 10次防 9次防 7次防 8次防 5次防 6次防

(4)

図2−1 業種別にみる休業4日以上の死傷災害の推移(H20∼H29)

図2−2 業種別にみる死亡災害の推移(H20∼H29)

0 500 1000 1500 2000 2500 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21 H20

673

707 696 701 716 718 716 730 691 926

5

9 7 8 3 6 5 5 5 13

233

230

254

265

276

269

260

300

312

349

229

205 219 202 208 192 200 202 188 217

81

60 61 64 64 56 75 97 93 121

791

771 704 723 752 764 745 766 679 772

製造業

鉱業

建設業

運輸業

林業

その他

2100人

2001人

2005人

2019人

1941人

1963人

1982人

2012人

2398人

1968人

0 10 20 30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21 H20

4

4 9 2 10 4 5 4 6 10

6

8

9

3

2

3

5

11

4

6

2

1 2 4 1 4 2 2 3 3

3

1 2 2 2

4

4 3 5 3 7 6 5 7 7

製造業

建設業

運輸業

林業

その他

24人

18人

18人

16人

25人

14人

26人

18人

22人

(人) (年) (人) (年)

19人

(5)

図3−1 休業4日以上の死傷災害の事故の型別発生状況

墜落・転 落, 101人, 43% 転倒, 20, 9% 切れ・こす れ, 19人, 8% 飛来・落 下, 18人, 8% はさまれ・ 巻き込ま れ, 18人, 8% 交通事故 (道路), 17人, 7% その他, 40人, 17%

事故の型と起因物からみた建設業の労働災害発生状況

平成29年

4 1 2 6 11 31 46 その他 材料 環境等 建設用機械 動力運搬機 用具等 仮設物等 5 1 2 2 11 その他 環境等 一般動力機械 動力運搬機 材料

233人

(うち死亡6人)

墜落・転落災害の主な起因物 6 1 1 2 2 5 その他 建設用機械 その他 環境等 一般動力機械 動力運搬機 飛来・落下災害の主な起因物 はさまれ・巻き込まれ災害の主な起因物

計101人

計18人

計18人

事故の型別の傾向

平成29年は「墜落・転落」災害の割合が、例年と比較して多く発生しています。「墜落・転落」災害のうち、今ま での傾向とおり、仮設物等(足場や建築物)からの災害が半数程度と一番多く、次いで用具等からの墜落となっ ています。また、死亡災害は、「墜落・転落」で3名、「はさまれ・巻き込まれ」で1件、「交通事故」で1名が亡く なっています。

災害の半数近くが

墜落、転落災害!

用具とは主に脚立!

(人) (人) (人) 5 1 2 12 その他 材料 環境等 仮設物等 転倒災害の主な起因物

計20人

(人) 2 2 1 2 10 その他 仮設物等 人力機械工具等 金属加工用機械 木材加工用機械 切れ・こすれ災害の起因物

計19人

(人)

(6)

図3−2 休業4日以上の死傷災害の起因物別発生状況

仮設物

等, 69人,

30%

用具等,

38人,

16%

動力運

搬機, 29

人, 13%

材料, 22

人, 9%

建設用

機械, 17

人, 7%

木工用

機械, 12

人, 5%

その他,

46人,

20%

233人

(うち死亡6人)

5 1 8 4 10 18 9 14 その他 開口部 作業床、歩み板 階段、さん橋 通路 屋根、はり、もや、け た、合掌 建築物、構築物 足場 仮設物、建築物、構築物等 6 32 その他 はしご等 用具等

計69人

起因物別の傾向

起因物別にみると「仮設物・建築物・構築物等」が最も多く、全体の約1/4を占めており、次いで「材料」、

「用具等」、「建設用機械」の順に多く発生しています。

死亡災害は、

「仮設物・建築物・構築物等」で4件発生しており、そのうち3件が「墜落・転落」災害となっています。 墜落状況をみても、スレートを踏み抜く、足場から墜落するなど従来型の災害となっています。 また、「用具等」においては、脚立やはしごからの墜落が多くを占めており、はしごの固定や手すりが付属した脚立 を選択するなどの安全配慮が重要です。 8 2 4 8 その他の材料 石、砂、砂利 木材、竹材 金属材料 2 26 0 30 その他 トラック 材料 動力運搬機

計32人

計18人

計24人

(人) (人) (人)

その他の中でも

・環境等(地山や立木)

・一般動力機械

(刈払機や混合機など)

・金属加工用機械

が目立ちます。

(7)

図4−1 過去10年間の事故の型別の死亡災害発生状況

図4−2 過去10年間の起因物別の死亡災害発生状況

H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21 H20 4 5 3 2 2 2 4 3 3 1 1 2 1 1 1 3 1 1 2 1 1 4 1 1 1 1 1 1 2 1 墜落・転落 飛来・落下 崩壊・倒壊 激突され はさまれ・巻き込まれ 交通事故 その他

11人

9人

3人

8

6人

6人

4人

5人

3人

2人

H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21 H20 3 5 4 2 1 2 2 3 2 2 1 1 1 1 1 4 1 1 1 1 1 1 2 1 1 1 3 1 1 2 1 1 1 1 仮設物・建築物・構築物 動力運搬機 環境等(地山等) 乗物 建設用機械 用具等 クレーン等 その他

11人

3人

2人

9人

8

6人

6人

4人

5人

3人

死亡災害の傾向

建設業における平成20年から平成29年までの10年間の労働災害を事故の型別にみると、約半数が墜落・転 落です。また、起因物別にみると、「仮設物・建築物・構築物」での災害が42%と、最も多くなっています。 足場からの墜落は、安全衛生規則が改正されるなど安全対策が義務化される傾向にありますが、足場以外 からの墜落が目立っています。 また、今後、フルハーネス安全帯の着用義務化などの法令改正が行われる予定ですが、安全帯を着用してい ても適切に使用していなかった災害が多いので、適切に使用してください。

墜落・転落

,

28人, 49%

飛来・落下, 4人, 7% 崩壊・倒壊, 6人, 11% 激突され, 4人, 7% はさまれ・巻 き込まれ, 7, 12% 交通事故, 5人, 9% その他, 3人, 5%

57人

過去10年間

仮設物・建

築物・構築

, 24人,

42%

動力運搬機, 4, 7% 環境等(地山 等), 8人, 14% 乗物, 3人, 5% 建設用機械, 6人, 11% 用具等, 4人, 7% クレーン等, 2人, 3% その他, 6人, 11%

57人

過去10年間

(人) (年) (年) (人)

(8)

図5−1 発生月別の状況

図5−2 発生時間別の状況

5 6 7 5 6 1 9 9 6 12 1 9 7 11 17 9 8 11 9 10 9 10 10 10 2 2 4 3 2 4 6 5 1 2 1 4 0 20 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 土木工事業 建築工事業 その他の建設業 1 7 12 35 27 39 6 27 22 23 20 6 2 2 3 1 0 10 20 30 40 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

発生月・発生時間からみた建設業の労働災害

(休業4日以上)

発生状況

平成29年

発生月別の傾向

例年、土木工事業では年度末に災害が多く発生していましたが、平成29年は夏から秋にかけて

の災害が比較的多い状況です。建築工事業が3月に多く発生していますが、災害ごとの内容をみ

ても共通点はなく、多発の原因は不明ですが、65%が墜落・転落災害となっています。

発生時間別の傾向

午前中は、9∼11時までの時間帯において、多く発生しています。その中でも特に、始業開始後

(9時)、昼休憩前(11時)における災害件数が突出しています。

その日の作業を朝礼等で確実に指示を行い、行うべきことを明確にしておくことが大切です。

(発生時刻) (人) (人) (発生月)

(9)

図6−1 年齢別の発生状況

図6−2 経験年数別の発生状況

図7 過去10年間の発注機関別の死亡災害発生状況

建設

8 36 37 48 44 36 24 0 70 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 22 11 30 21 32 30 19 20 14 11 5 9 5 4 0 50

年齢と経験年数からみた建設業の労働災害

(休業4日以上)

発生状況

平成29年

1 1 1 1 1 1 3 1 2 1 2 1 2 1 1 1 1 3 3 5 4 1 2 2 5 6 4 0 15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 国の機関 県 市町村 鉄道 高速道路・公社 電力会社 民間 (人) (年)

9人

8人

6人

6人

4人

11人

5人

3人

3人

2人

発注機関別の傾向

長期的にみると民間工事での災害の発生率が高い状況にあります。しかし、公共工事で

も多くの死亡災害が発生しているため、より一層の安全管理が求められています。

年齢別、経験年数別の傾向

年齢構成は年々高齢化していましたが、平成29年は40代の災害増加が特徴的です。しかしなが

ら、60代以上の高年齢労働者が26%と多く発生しており、また経験年数10年以上のベテランでも全

体の半数程度を占めていることから、経験年数に応じた各階層の安全教育等が大切になってきま

す。

計233人

(うち死亡6人)

計233人

(うち死亡6人)

計57人

過去10年間

(経験年数) (人) (人) (年齢)

(10)

1 年別発生状況の推移

2 平成20年∼平成29年(過去10年間)に発生した熱中症に関する分析

― 休業4日以上64人(うち死亡2人)について分析 ―

(1) 月別発生状況

(2) 業種別発生状況

(3) 災害発生時間別発生状況

   

    

岐阜県内における熱中症による労働災害

(休業4日以上)

発生状況(※全業種)

熱中症の発生傾向

全国の平成29年の職場における熱中症による死亡者数は16名であり、休業4日以上の死傷者

数は528名となりました。平成28年と比べると増加しており、死亡者数の半数は建設業で発生しま

した。

2人

1人

7人

9人

6人

8人

(1)

7人

(1)

10人

8人

4人

0人 12人 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 建設業, 16人, 29% 製造業, 12人, 21% 警備業, 8人, 14% 農林業, 4人, 7% 運送業, 6人(1), 11% 清掃・と 畜業, 4, 7% その他, 6人, 11%

5人

3人

7人

0人

5人 7人

15人

10人

3人

1人 2人

4人

0人 20人 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時

1人 3

8人

22人

27人

2人 1人

0人 30人

(1)

(人) (月) (人) (発生時刻) (人) (年) ( )内は、死亡で内数 ( )内は、死亡で内数 ( )内は、死亡で内数 ( )内は、死亡で内数

(1)

(1)

熱中症の予防と対策

①作業環境管理

WBGT値を測定し、熱中症発生のリスクの把握と対策に活用しましょう。

・冷房を備えた休憩場所・日陰などの涼しい休憩場所を設けましょう。

・水分・塩分の補給を、定期的、かつ容易に行えるよう、飲料水などを備え付けましょう。

②作業管理

・体を慣れさせるために、7日以上かけて、高温多湿環境下での作業時間を次第に長くしましょう。

・巡視により作業者の体調管理の確認や、水分摂取の状況などを確認しましょう。

・熱を吸収する服装等は避け、透湿性・通気性の良い服装を着用させましょう。

③健康管理

・作業開始前から、喉の渇きに関係なく、20分ごとに150mlの水分と塩分を補給しましょう。

(1)

(1)

(11)

事例1 

事例2 

事例3

事例4

事例5

事例6

事例7

事例8

■ 起因物 大工 ■ 経 験 ■ 被災の程度 死亡 ■ 発注者 個人 発生状況 1 2 3 ポイント  建築工事に従事する労働者から、建方中などにバランスを崩した場合、自分の意志で梁や屋根から飛び降り て、軽症ですんだという声があります。  年を重ねることによって、自覚がないまま身体能力が低下していきますので、過去の経験やうまくいった甘い 考えは封印して、確実な安全措置を徹底してください。 ■ 職 種 40年以上 ■ 工事の種類 木造家屋建築工事業 2階建て木造建築住宅の建築工事において、被災者が東 面は壁材、床面は根太材しか無い状態であった2階のバ ルコニーを通り、東面笠木の下を潜って移動しようとしたと ころ、笠木に頭をぶつけ、床面の根太材同士の隙間から墜 落したもの。 主な再発防止対策  墜落のおそれのある箇所を通ることでしか作業場所に到 達できないときは、移動に適した親綱を設け、安全帯を使 用させること。

無人のブルドーザーが動き、トラックとの間にはさまれる

 移動中に確実に安全帯を使用させるために、作業主任者 が確実に使用しているか監視し、墜落防止措置を徹底させ ること。  労働者に対し安全衛生意識の向上を図るため、現場にお ける危険予知活動やヒヤリハット活動等の安全活動を行う こと。

自社倉庫の外灯電球取替え中に墜落

掘削した溝内で作業中、側面が崩壊

ドラグショベルのバケットがふいに動き接触

事例1

建設中の木造建築物から墜落

■ 事故の型 墜落・転落 屋根・はり、もや、けた、合掌

 災 害 事 例

建設中の木造建築物から墜落

足場上で作業中に墜落

舗装補修工事中にトラックと接触

橋脚の工事中に13m墜落

災害事例編の留意事項

1 災害発生状況は、同種災害防止の見地から編集を加えて作成しています。

2 災害防止対策、コメントは、必ずしも法令違反を構成するものではなく、安全管理上望

ましい対策を含めて取りまとめています。

(12)

■ 起因物 大工 ■ 経 験 ■ 被災の程度 死亡 ■ 発注者 個人 発生状況 1 2 3 ■ 起因物 作業者 ■ 経 験 ■ 被災の程度 死亡 ■ 発注者 高速道路 発生状況 1 2 ※ ■ 職 種 35年

事例2

足場上で作業中に墜落

■ 事故の型 墜落・転落 足場 ポイント  本来は、作業床から90cmの位置に取り付けてあった手すりを取り外し、足がかりとして使用するためか、破 風板を取り付ける動作に邪魔だった等により、45cmの位置に付替えて作業を行っていて、墜落したと思われる 災害です。  元請業者や作業主任者は、作業者が勝手に足場の構造等を変えることがないように監視しましょう。

事例3

舗装補修工事中にトラックと接触

■ 事故の型 交通事故 トラック ■ 工事の種類 木造家屋建築工事業  木造2階建ての住宅改装工事において、2階の屋根、破 風板等を取り付ける作業を足場上で行っていたところ、3m 下の地面に墜落したもの。  ヘルメットは着用しておらず、安全帯も身に着けていな かった。 主な再発防止対策  高所作業を行わせるときは、墜落時保護用のヘルメットを 適切に着用・使用させること。  足場に設置されている手すり等の墜落防止設備について は、取り外す等の変更を禁止し、作業の性質上やむを得な いときは、他の墜落防止措置を行うこと。  元請業者は、安全な作業手順を確立し、労働者への周知 徹底を行うこと。  運転者の不注意が原因の一つとして考えられています。  時速100kmで進行する自動車は、一秒で約28m進みます。自動車のドライバーは、このことを念頭に置き、安 全運転を心がけましょう。  高速道路上で車線規制をして舗装補修工事を行っていた 場所に大型トラックが突っ込み作業者に衝突し、1名が死 亡したほか、4人が負傷したもの。 主な再発防止対策  交通誘導員は危険を感じた時は警笛を鳴らし、作業者に 対して注意するようにうながすこと。  一般的な再発防止対策であり、当該作業場所では実施さ れていたものである  工事のため車線が減少する場合、注意喚起の標識を設 置し、交通誘導員等を配置して運転者に注意喚起をうなが すこと。 ■ 職 種 20年以上30年未満 ■ 工事の種類 その他の土木工事業 ポイント

3m

(13)

■ 起因物 とび工 ■ 経 験 ■ 被災の程度 死亡 ■ 発注者 高速道路 発生状況 1 2 3 ■ 起因物 設備機械工 ■ 経 験 ■ 被災の程度 死亡 ■ 発注者  − 発生状況 1 2 3 ■ 職 種 20年以上

事例4

橋脚の工事中に13m墜落

■ 事故の型 墜落・転落 支保工 ■ 工事の種類 橋梁建設工事業  PC橋梁のコンクリート型枠支保工解体作業において、仮 設鋼材の横桁(110kg)を移動中に横桁とともに約13m 墜落した。現場には親綱が張ってあり、被災者と同僚作業 者は3丁掛安全帯を着用していたが、本横桁を横滑りさせ た時には、安全帯のフックを親綱にかけていなかった。 主な再発防止対策  型枠支保工等の解体作業で、墜落防止措置である手す り等を取り外した場合は、確実に安全帯を使用するように 実効性のある指導・教育を行うこと。  高所等、不安定な場所で、人力で重量物を移動させるな どという作業をなくすように作業手順を見直すこと。  やむを得ず高所等の不安定な場所で重量物の取り扱い 作業を行うときは、人数や方法、安全の確保について作業 手順を明確にすること。 ポイント  安全帯は腰に着用しているだけではなく、墜落防止のため適切に使用しましょう。

事例5

無人のブルドーザーが動き、トラックとの間にはさまれる

■ 事故の型 はさまれ・巻き込まれ 整地・運搬・積込み用機械 ■ 職 種 10年以上20年未満 ■ 工事の種類 道路建設工事業  ブルドーザーの運転者が運転位置から離れるときは、原 動機を止め、走行ブレーキをかけるなど行い、逸走防止措 置を講じること。  ブルドーザーは勾配5度程度の舗装されていないものの、鉄板が敷かれた坂にエンジンをかけたまま停車さ れていたことが大きな原因と思われます。  また、動き出してしまった車両を無理に止めるような行動もつつしみましょう。  事業者は、労働者に対して車両系建設機械の運転位置 から離れる場合の措置について、逸走を防止するため、原 動機を止め、走行ブレーキをかけることについて、十分な 教育と指導を行うこと。  車両系建設機械の取り扱いについて、安全作業手順を確 立し、労働者に対して周知・徹底させること。  事業場が所有するブルドーザーを売却するため、ブル ドーザーの燃料を抜き取る作業を行っていたところ、ブル ドーザーが動きだし、ブルドーザーの左後部とトラックの左 側ドアの間にはさまれたもの。 主な再発防止対策 ポイント 親綱 ブルドーザー 後退 トラック

(14)

■ 起因物 作業員 ■ 経 験 ■ 被災の程度 死亡 ■ 発注者  − 発生状況 1 2

3

■ 起因物 作業者 ■ 経 験 ■ 被災の程度 休業3か月 ■ 発注者 地方公共団体 発生状況 1 2 3 ■ 職 種 10年以上

事例6

自社倉庫の外灯電球取替え中墜落

■ 事故の型 墜落・転落 フォークリフト ポイント  高所作業車のかわりにフォークリフトを使用して高所の電球などを取り換える作業中に墜落する災害は以前 から多く発生しています。被災者からは、「急に動いた」や「揺れが予想以上に大きかった」などと聞いたことが あり、フォークの上は人が乗ることを想定して設計されていないため、主たる用途以外には絶対に使用しないで ください。

事例7

掘削した溝内で作業中、側面が崩壊

■ 事故の型 崩壊・倒壊 屋根、はり、もや等 ■ 工事の種類 その他の土木工事業 主な再発防止対策  事業主とともに社屋屋外に取り付けられた外灯の電球交 換中、被災者はフォークリフトのヘッドガードの上で事業主 に新品の電球を渡した。その後、「ドン」という音がしたため 確認したところ、被災者がフォークリフト後方の地面上で倒 れていたもの。  労働安全衛生規則第151条の14に規程する「主たる用途 以外の使用の制限」を徹底すること。  フォークリフトのヘッドガード上など、墜落防止措置が行 われていない乗車席以外に労働者を乗せないこと。  高所作業を行わせるときは、高所作業車を使用する、足 場を設置する、滑動や墜落防止措置を取ったうえで梯子を 使用させること。 ■ 職 種 10年以上 ■ 工事の種類 ポイント  浅い溝を掘削する場合も、地山の崩壊により被災した事例が過去に多く発生しています。  作業者の判断で土留め支保工を抜去することは行わず、また、事前の作業計画で何mまで埋戻しが完了した ら抜去する手はずになっていても、その時の現場の状況で計画の見直しを行いましょう。  3m程度掘削し送水管を敷設した現場において、砂を埋 戻して深さが1.4m程度になったため、土留矢板を抜去し掘 削穴に降りたところ、背後側の地山が崩壊し、被災者の背 中を押すかたちとなり、その衝撃で反対側に頭から激突し たもの 主な再発防止対策  掘削作業は完全に埋め戻すまで土留め支保工を撤去せ ずに作業を行わせること。  やむを得ず作業の進捗等により土留め支保工を撤去しな ければいけない場合は、必要最小限とすること。  元請事業者は、現場内の巡視を徹底し、請負人の作業内 容や安全対策の履行状況について管理、指導すること。 上下水道工事業

(15)

■ 起因物 作業員 ■ 経 験 ■ 被災の程度 休業2カ月 ■ 発注者 − 発生状況 1 2 3

事例8

ドラグショベルのバケットがふいに動き接触

■ 事故の型 激突され その他の危険物・有害物 ポイント  運転室内で不意な動作をしたときに、作業服のそでが引っ掛かる等の誤作動による災害が発生し、死亡災害 にもつながっています。重機の運転を行う際は、誤作動を防ぐため、適正な姿勢、服装で行わせましょう。 ■ 職 種 5年以上10年未満 ■ 工事の種類 その他の土木工事業  クレーン機能付きドラグショベルを使用して、建築資材を トラックに積み込み作業中、積み込み資材をフックからを外 すために被災者がトラックの荷台に乗り、外そうとしていた ところ、バケットが動き被災者に接触し、荷台から落ちて受 傷したもの。 主な再発防止対策  クレーンのの運転者は、合図があるまでバケット等を動か さないこと。また、操作レバーに手等が当たり不意に動くこ とがないようにすること。  共同で作業を行うときは、クレーンの合図を事前に確認 し、作業を行わせること。  玉掛けだけでなく、フックから外す作業を行わせるときも、 玉掛け技能講習修了者に行わせること。

第13次労働災害防止計画の概要

はじめに

労働災害による死亡者数は減少しているものの、いまだにその水準は低いとはいえず、第

三次産業の労働者数の急速な増加や労働力の高齢化もあって、労働災害による休業4日以

上の死亡者数にいたっては、かつてのような減少は望めず、これまでとは違った切り口や視

点での対策が求められています。

このような状況を踏まえ、労働災害を少しでも減らし、安心して健康に働くことのできる職場

の実現に向け、2018年度を初年度として、5年間にわたり全員で目指す目標や重点的に取り

組むべき事項を定めた「第13次労働災害防止計画」を策定しました。

計画の目標(抜粋)

①死亡災害については、死亡者数を2017年と比較して、2022年までに15%以上減少

②休業4日以上の労働災害については、2017年と比較して、2022年までに5%以上減少

③その他の目標

・メンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合を80%以上にする

・熱中症による死亡者数を2013年から2017年までの5年間と比較して、2018年から2022年ま

での5年間で5%以上減少

建設業における事項

・墜落防止用保護具について、原則としてフルハーネス型とし、墜落時の落下距離に応じた適

切な保護具の使用の徹底

・解体工事における安全対策について検討

・自然災害に被災した地域の復旧・復興工事において労働災害防止対策の徹底

・建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本方針に基づく取り組み施策の着実か

つ計画的な実施

参照

関連したドキュメント

近年、日本のスキー・スノーボード人口は 1998 年の 1800 万人をピークに減少を続け、2020 年には 430 万人にまで減 少し、20 年余りで 4 分の

この問題をふまえ、インド政府は、以下に定める表に記載のように、29 の連邦労働法をまとめて四つ の連邦法、具体的には、①2020 年労使関係法(Industrial

業況 DI(△9.9)は前期比 5.9 ポイント増と なり、かなり持ち直した。全都(△1.9)との比 較では 19

近年は人がサルを追い払うこと は少なく、次第に個体数が増える と同時に、分裂によって群れの数

都内人口は 2020 年をピークに減少に転じると推計されている。また、老年人 口の割合が増加し、 2020 年には東京に住む 4 人に

労働者の主体性を回復する, あるいは客体的地位から主体的地位へ労働者を