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金網 い けす によ るクロマ グロ お よびハ ガ ツオの飼 育

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(1)

金網 い けす によ るクロマ グロ お よびハ ガ ツオの飼 育

原 田輝雄 *・熊井英,Jで:中村 元二**

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緒 言 れたが, 1部 は陸上 に設置 した水槽 も使用 されてい

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51.陸上水槽 での飼 育の場 合 は海 か ら水槽 までの

GEL)はい クロマ グロの輸送 に不便 で あ り, また築造費 ・維持 hynnus

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クロ77グロTh sl LLNNEおよびハ ガツ is

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ず れ もサバ科 に属 し

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,近縁 の種類 で あるが,共 に 管理 費 などに多額 を要 す る欠点 が ある.飼育期 間は, 飼育研究 の歴史 は浅 く, まだ長期間の飼育 は達成 さ 概 して網 いけすの方 が長 く,最高は

3

72日で あ り,

それ まで にすべ ての クロマ グロは死亡 している. そ

9

6 9

れていか 、。 わが国の クロマ グロの飼育 は

,1

の原因 の一つ と して繊維製網 いけす による魚体 の損

0

7 9

長崎 県水産試験場 で始 め られ, その後

,1

年,静

岡 県 ・三 重 県 の各 水 産 試 験 場 ,東海大学 および本 傷 が考 えられ る.繊維 製網 し\けす は,網地 が軽 く,

1

7 9

-子・ 2)3皇 おいて, さらに翌

1

年 にも上記 の各試験 流 れ によって変形 していけすの空 間 に急 激 な変化 が 研究機関 4‥ぐ続 け られた. その養殖場 と しては多 く 起 ることおよび網 交換 の際 にいけすの空 間 に急 激 な の場合 内湾 に設置 した合成繊維 製網 いけすが使 用 さ 変化 が起 ることによって クロマ グロの魚体 が網 と摩

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*水産学科海水憎地学研究室 (Lab ofi eFIトCu = toFFL kaya

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**近畿大学水産研究所 (F】 sLa o KLlUTnV,UT.agam' ,Japan)

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72年 1月末 までの研究 につ いて報告す る.

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椿 を起 こ し,損傷 され, それが原因で死 に至 るもの 1 72年 1月中旬 の本学養殖場 の クロ 9

と考 えられる.1

マ グロの全滅 は,前者の例 で、同年 1月10日に通過 Ⅱ 実験材料 および方法

した台湾坊主 と称 され る低気圧 によって起 きた風波 金網 い けす 実験 に用いた金網 いけすは,Flg・1 によって繊維 製 の いけす網 が押寄 せ られたため と思

九れ る. その時 の死亡魚 には広範囲 の外傷 が, すべ

および Pl

の底 の ある円筒形 の亜鉛 メ ッキ金網 を,鉄

t ae 1m 57.

lに示 した よ うに,直 径 8.00m,深

* + 〜

ての個体 に認 め られた. の内側 に密着 して吊 り下げた もので ある。金網 の底 4mm

の外周 には外径 3 の鉄管で作 られた内径 海大学 で,藤 田 らが長崎 県水産試験場 6日与 繊維 製 環 が,金網 と密着 して取 りつ け られている。金網 の 網 いけす ・陸上水槽 などで飼育 した報告 がみ られ る 底 の中央部 は,周囲 よ り0.33m下 っているので、中

,周囲 の深 さは

一方,ノ、ガツオの飼 育 につ いては,井上 ら 51が東 80.0mの

が金網 いけす による飼 育の例 は な く,飼 育上未知 な 央部 の深 さは,6.01m

部分 が少 な くない. ている。 この中

1m 57. となっ 4m

03. が水面 上 に出ている。金網 が 年以来,ハ ワイにおけるカ

1 5

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外国 においては, 1 取 りつ け られている上部 の鉄枠 は,直径

6

Lの鉄管 ツオ ・マ グロ頬 の習性 の研究 81がみ られ, カツオ ・ で作 られた内径 8.00m,外径9.22mの 2つの環 と,

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スマ などを陸 上水槽 で飼 育 しているが, クロマ グロ 直径 5伽1の鉄管で作 られた内径 8.00mの環 とを直径 やハ ガソオの いけす による長期飼 育の報告 はみ られ 5Im

ない. 内径

の鉄管で 15ヵ所 をつ な ぎ合 わせて作 られており, 0m

80. と外径92.2mの環 の間 に20

1

0kgの浮 力を

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そこで筆者 らは1

に,亜鉛 メ ッキ金網 を使用 した円筒形 の いけす を設 置 し, ここで クロマ グロおよびハ ガ ツオを飼 育 して 網 の変化 に起因す る外傷魚 の出現状態 を始 め,金網 いけすの飼 育上 の長短 を検言寸しているが, ここで は

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2年 7月合成繊維 製の網 の代 り 7

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*:,;川 川守城陽市 大和金網 株式 会社 で製 作 した

*辛1屯県尾鷲市 ]井鉄 工有限 会社で制 作 した

(3)

2

119 原 田輝雄 ・熊井英水 ・中村元二 :金網 いけす によ るクロマ グロおよびハ ガ ツオの飼育

生 きている健康魚 の観察 によって, その時 の養殖魚 もつ発泡 スチロール製の円筒形浮子 1ケが等間隔 に

固定 されている。 この円形鉄棒 は,輸送 に便利 なよ の大 きさを推定 した.

うに,同 じ大 きさの 5ケの弧 に分解 ・組立 で きる。 飼育環境の調査 水温 と海水の比重 は給餌 の際 0

に毎 日測定 を行 をい,溶存酸素量 は,低 下の おそれ 金網地 は, 1番線 の亜鉛 メ ッキ針 金 を, 1辺 が3

の 4角 形 に編 ん だ もの で あ る. この金網 いけすは がある時 に測定 した.養殖 に用 いている金網 いけす 年 7月2日,串本町大島 の船揚場 で組立 て,満

潮時 に海へ下 し,Fi で示 したよ うに串本港 に面 した大島 の西側 10m,権現島 の南側 7 の海面 に 2mm

5m 2

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1 は,毎 日肉眼的観察 によって,網 目に付着 す る生物

7 19

や,浮遊物 を調査 したが,付着生物 は人為的 に除去 す ることな く自然の繁殖 に任 せ て放置 し,網 の周辺 に浮遊 している漂流物 は見つ け次第取 り除 いた.

設置 した. その場所 の水深 は干潮時 1 で, その上 に浮 いているいけすの 2方 は睦 へ,他 の 2方 は隣 の

いけす枠 にロー プで固定 した.金網 いけすの天井 は, Ⅲ 実験 結果 5m

19 0月 5日まで に,定置網 で捕獲 した ク 6

クロマグロ幼 魚の金網 い けすへの収容 8月2日か ら1

合成繊維 製 の網 で おおった. 72年

実験 に用 いた クロマ グロは17 月 5日までの間 に和歌山県 串本町通夜烏

92年 8月 供試魚

2 8

ロマ グロ幼魚 を,第 1近大丸で合計4尾権現島 南西 沿岸 に設置 した定置網 および,同串本町大島樫野沿 の金網 いけすへ輸送 し収容 した. その内訳 は通夜島 岸 に設置 した定置網 に入 った ヨコワと呼 ばれ る当年 定置網 か ら, 8月26日 1尾 , 9月11日 2尾 ,10月 5

日か ら10 6 2

7 7 1 0

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日 6尾 の小計 9尾,樫 野定置網 か ら 8月2

8日 6尾 ,2日 2尾 ,3日 3尾 ,3日1尾 , 9月 2 日 1尾 , 魚 で あ り,ハ ガツオは1 月 1日

までの間 に同串本町大島樫 野の定置網 に入 った当年 972年 8月31日か ら10

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クロマ グロおよびハ ガツオを選 び,通夜島 の場 合 は 容 した クロマ グロ と同時 に漁接 された個体 の測 定値 は Ta lの通 りであった.

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月 2日 2尾 の小 計33尾 で あった. その収 魚 で ある。網持 ちの際,袋網 に入 った魚類 の中 か ら,

308入 りのパ ンライ ト水槽 で,水 と共 に魚体 をす く

って第 18近 大丸 (4トン)の活魚倉 に入 れ,.34kmの ntSOntheyoungbl fueintuna t.

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距離 を約 1分で運搬 して金網 いけす に移 し,樫 野 の 場合 は波 が荒 いため, タモ網 です くって30gパ ンラ

イ ト水槽へ移 し,第 1近大丸の活魚倉へ入 れ 5

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の距離 を約3分で運搬 して金網 いけす に移 した.

餌料 いけす に収容 した クロマ グロの餌 っ けに 生 きた ウルメイワシ ・小 アジなどを用 いた.定置網 にウルメイワ シや小 アジが入 った場合 には それ を第

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18近 大丸で晴魚輸送 し,生 きたまま与 えることがで

きたが, その他 の場合 には, ウルメイワ シ ・カ タク 2 2 7 7 9 9 21, 21, S tep S tep ,

, 6・

チ イワシ ・小 サバ ・イカナ ゴ ・サ ンマ などの生鮮 ま

2 7 19年 8 1

たは冷凍品 を与 えたノJ、形 の餌 は姿 の まま与 えたが, ハ ガツオ幼 魚の金網 い けすへの収容

月3日か ら10月 1日までの間 に定置網 で捕獲 したハ 丸のみ にで きをいのは切 って与 えた.給餌 は9月9

日まで 1日 2臥 その後 は 1日 1回で,与 えた餌 が ガソオ幼魚合計3尾 を第 3 1近 大丸で権現島 南西の金8 摂取 されて から次の餌 を与 えるよ うに,摂餌動作 を 網 いけすへ運搬 し, クロマ グロ幼魚 と混ぜ て収容 し

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1

た. その内訳 は,通夜島定置網 か ら 8月3日 1尾 , 0月 1日 1尾 の小 計 2尾 ,樫 野定置網 か ら 9月3日 5尾 ,1月 1日2尾 の小 計3尾 で あった.樫 野定置 観察 しなが ら給与 した.

魚体の測定 クロマ グロおよびノ、か ノオは,描 傷 Lやす いので,測定 によって損傷 を与 えをいよ う

47.cm 9

79.cm

網 か ら収容 した時 と同 じ時期 の 9月2日〜1 値 が得 られ るよ うし工夫 した.同時 に漁獲 した同種 に樫野定置網 で漁獲 したハ ガツオ 6尾 の魚体測定平

,体幅 ,体重 0月 2日 になるべ く魚体 に触 れをいで,飼 育 中の魚体 の近似

の同一群 と思 われ る他 の個体 の全長 ・体高 ・体幅 ・ 体重 を測定 して, その値 を収容時 の大 きさと して採

07.cm 均値 は,全長4 ,体 高

で あった.

50.g 67

用 した. また養殖 中の魚体 は,死亡魚 の測定値 と, 飼育環境 飼 育期 間中の いけすの表層水温の月

(4)

120 近 畿 大 'lil';I‑' 別平均値 は, 9月25.2℃, 10月23.1℃ ,11月20.8℃ , 12月 17・8℃, 1月 (21日まで) 16.6℃で,最高 は 9 月 8日の27.3℃,最低 は 1月9日の16.2℃ で あった が,水温 が原 因で死 亡す る現象 は認 め られず, また 海水の比重の低 下 や溶存酸素丑 の欠亡の原因で クロ マ グロおよびハ が ノオが死 亡す る現象 も認 め られ を かった.

飼育金網 いけす は海中へ設置 してか ら掃除 や取替 えは一度 も行 な わ な か った が, 5ヵ月後の状況 は Platelに示 す通 り,付着物 は少 な く,飼育 に差 支 え は か 、と判断 され る.金網 いけす設置後数 日に して 珪藻の付着 が認 め られ, その後,他 の大形種 が付着 生育 していたが,金網 設置後57日の 1972年 9月16日 台風 20号の来襲の際 ,強 い風波 によって,金網 の付 着物 はほ とん ど除去 された. 1月末 の金網 点検 の際 の写英 をP】atelに示 した.付着物 は水深 2mまでの 表層 に多 く,深 いほ ど少 な く,底 面 には きわめて少 か 、ことが認 め られた.付着 生物 の主 なものは, カ イメ ン ・ホヤ ・コケム シ ・アオサ などの類で ある.

金網 の酸化 による さびは,PIatelに示 す よ うに水 面上 に出た波 に洗 われ る部分の進行 が速 く,水 中の 部分 は比較的遅 いよ うで,今後 なお 1年 余 りの使用 に耐 えそ うに思 われ る.

何科 の給与 金網 に収容 した クロマ グロには, その翌 日生 きた ウル メイワ シを与 えた ところ,拝鞭 す るの が認 め られたが,死 んだ ものは摂取 され をか った.死魚 が摂取 され るの を認 めたのは,収容後 3 日か らで ある. 1972年 8月29日か ら1973年 1月30日 までの間 に総計288k990gの小魚 を餌料 と して給与 したが,これ を月別 ・魚種別 に分類 す ると,8月には ウルメイワシ6009, 9月 にはウル メイワシ 2k920 9, ア ジ頬9709, カタクチイワシ17k5009で小計 21k9909, 10月にはサ ンマ58k5009, カタクチ イ ワシ 5klOO9,サバ 4 k7009,タラ 5k8009で小 計74klOO9,11月には,サ ンマ73klOOg, イカナ ゴ16k800gで小 計89k9009, 12日には,サ ンマ49 k950g,サバ 1k3509,イカナゴ19klO09で小計 70k4009 , 1月 にはサバ19k9509, カタクチ イワ シ lk200g,サバ 11k4509で小 計32k6009 となる.

成長 1972年 8月28日〜 9月 2日にいけすへ収 香,飼育 を開始 した当時 の クロマ グロは,全長33.4

‑41.0cm,体高8.1‑9.5cm,体重 500‑8909で あっ たが,摂餌 によ り著 しい成長 がみ られ,11日初 には 目測で体重 2,0009内外 に成長 した.1973年 1月24日

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頃死 亡 した と思 われ る個体 を 1月26日に測定 した結 果, 全長 59.0cm,体 高 17,3cm,体 幅 10.4C恥 体重 3,4009で あった ことか ら,いけす収容 5ヵ月後の同 年 1月31日には全長60cm内外,体重 3,5009内外 に成 長 した もの と推定 され, ブ リの 2‑ 3倍 とい う成長 速度 で あることがわかった.1972年9月29日〜10月 2日にいけすへ収容 した当時 のハ ガツオの平均全長 は40.7cm,体重675.09で あったが,1973年 1月31日 には目測 か ら全長50cm内外,体重 1,5009内外 に成長

した と推定 され, ブ リとほぼ同程度 の成長度 で ある ことがわかった.

生残率 金網 いけす収容後 1973年 1月31日まで の クロマ グロの死 亡確認数 は1972年 8月27日 1,28 日 1,29日 4,30日 1,31日 1, 9月 1日 1, 2日 5,3口4,4日 2, 17日 1,21日 1,10月 2日 1, 4日 1, 9日 2, 1月26日 1の合計27尾 で あった.

これ を収容数42尾 と比較す ると死 亡率 は64.3%で あ って, これか ら計算 す ると生残 率 は35.7%の可能性 があることになる.クロマ グロは遊泳速度 が大 きく, かつ,ノ、ガツオ と群 を形成 していけすの深 い所 を遊 泳 しているので,精確 には数 えられ ないが,ほぼ こ れに近 い率で生 き残 っているもの と思 われ る.死 亡 魚 の出現 は, いけすへ収容後数 日間 に多 く, ひ とた びいけす に馴 れ ると減少 し, その後 1月31日まで に 認 め られたの は 3尾 に過 ぎなかった. いけす に馴 れ てか ら後 の飼 育 中 に魚体 の損傷 が認 め られたのは台 風20号 の通過後 で,その時 外傷 を受 けた魚5‑ 6尾 , 死 亡魚 2尾 で あった.

いけす収容後 1973年 1月31日までのハ ガ ツオの死 亡確認数 は1972年 10月 2日 2, 5日 5, 6日 2, 7 日 5,8日 1の合計 15尾 で あった. これ を収容数33 尾 と比較 す ると死 亡率 は45.5%とな り, これか ら生 残 率 を計算 す ると54.5%の 可能性 が あることになる.

死 亡魚 の出現 は,27尾 を収容 した翌 日の10月 2日か ら8日の間 に集中 している.ハ ガツオでは台風 20号 通過後 も死 亡は認 め られ をか った.

考 察

金網 いけす1;人容後 1週 間の クロマ グ ロ死 亡率 は, 57 1.0O/で, これは17年 90 3の J 1.0O29/に此 しは るかに 高 い値 で ある. この原 匪=よ,本年度 の主 たる採捕場 所 で あった樫 野定置漁場 が, 1970年の探捕場所で あ った通夜島定置 漁場 よ り遠 く,輸送 に 2倍 の時 間 を 要 した ことの外 に,樫 野定 置網 の位置 がよ り外洋 に

(5)

原田輝維 ・熊井英水 ・中村元二 :金網 い けす によるクロマ グロおよびハ ガツオの飼育 121

面 し,風 波の影響 が強 く, かつ,綱 が大型で漁種物 が多 く, クロマ グロの選別 が容 易で なかった ことに よって,収容前 に受 ける魚体 の損傷 がよ り大 きかっ た ことにあると考 えられ る.

収容後 1週 間以上経過 して,金網 いけす に馴 れた クロマ グロの死亡は極 めて少 な く, 3尾 に過 ぎなか った. その中の 2尾 は台風 20号の通過後 に,他 の 1 尾 は撮影 のため にいけす内 に潜水 して追 い廻 した後

に死 亡 している. これ らは外部 か らの影響で魚体 が 金網 と接触 し,外傷 を受 けて死 亡 したもの と思 われ る.台風 20号 の中心 は 9月16日に潮岬付近 に上陸 し たが,金網 いけす設置場所 はその中心圏 に入 ってお り,風波 による海水の流 れは,1972年 1月10日の低 気庄以上の激 しさと思 われた. その影響 で死亡 した と思 われ るのは 2尾 (14%)で あったが,昨年の よ

うな繊維 製の網 ならば全滅 した と思 われ る.

金網 いけす内の クロマ グロの成長 は,昨年の繊維 製網 よ り良好で,体重でほぼ20%成長量 が大 きいと 推定 され る. この原 因 は,金網 で は繊維製網 よ り網 成 りがよ く,常 に一定 の遊泳空 間 が保 たれ魚 の運動 と海水の交流 とが妨 げ られ ないため と思 われ る. ま た,金網 いけす には付着物 が少 を く,水の交涜 を妨 げ ない利点 が考 えられ る.

ハ ガツオの収容 後 1週 間の死亡率 は45.5%, いけ す に馴 れて か らの死亡 は皆無で いず れ もクロマ グロ よ り好成績 で あった. また昨年の長崎 県水産試験場 の死亡率68.57'% よ り低 かった. しか し, その成長 は, クロマ グロよ り劣 り,体重で は, クロマ グロの

ロマ グロよ りは るかに体重 が小 さいので, これは魚 種 による差 で あると考 えられる.昨年行 なわれた長 崎 県水産試験場 の繊維 製網 いけす (10

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6

m)の飼 育例 7'で は収 容 時 の 8月下旬体重 739gの ハガツオは翌年 1月で は1,5009 かそれ をやや下廻 る 大 きさで ある.本実験 の場合 9月下旬〜10月上旬 に 6759 の大 きさの もの を収容 して,1月末で長崎 県水 産試験場 の場合 とほぼ同 じ大 きさに成長 した.両者 を比較 す ると水温 その他 の飼 育環境 の差 はあろ うが, 金網 いけす における成長 は繊維 いけす にまさるとも 劣 らないと考 えられ る.

金網 いけすは,涜 れ による変化 が少 な く,生物 の 付着 が少 ないので長期 間網 の交換 をせず に良好 な環 境 で クロマ グロ ・ハ ガツオなどが飼 育で き, それ ら の成長度 や生残率 も高 いことが明 らかになったが,

金網 いけすの耐用期 間 につ いては,今後本実験 を継 続 して明 らかに した い.

Ⅴ 要 約

1.直径 8m,深 さ約 6mの金網 いけす を和歌山 県 串本町大島 の沿岸 に設置 し. クロマ グロおよびハ ガソオの幼魚 を収容 して1972年 8月 か ら1973年 1月 まで飼 育実験 を行 在った.

2.クロマ グロは収容時 の 8月下旬〜 9月下旬全 長33・4‑41・0cm,体重500‑8909で あったが,翌 年

1月末 には全長60cm内外,体重 3,5009 内外 に成長 し た.

3.ハ ガツオは収容時 の 9月下旬〜10月上旬全長 40cm内外,体重6759 内外で あったが,翌年 1月末 に は全長50cm内外,体重 1,5009 内外 に成長 した.

4.収容尾数 に対す る 1月末の生残率 は, クロマ グロ35.7%ハ が ノオ54.5%と推定 され るが, ほ とん どの死亡 はいけすに馴 致 され るまでの 1週 間 に生 じ, その後 は クロマ グロで 3尾死亡,ハ ガ ツオでは全 く 死亡 が認 め られ なかった.

5.金網 いけす には生物 の付着 が少 な く,網 交換 の要 な く,また流 れに対 して網 の形 が崩 れないので, クロマ グロやハ ガ ツオの よ うに摩擦 によって外傷 を 受 けやす い魚莫頁の飼育 に適 してい ると考 えられ る・

本実験 を行 な うに当 り,僅野弁天前大数組合長堀 口徳一郎氏 はか従業員の諸氏 および通夜島定置網経 営者野呂勝利,東八郎の両氏 ほか従業員の諸氏 には, 長期 間 に亘 り困難 な海上作 業 を通 じて クロマ グロお よびハ ガツオの採捕 に御協 力 をいただ いた,大島漁 業協同組合の諸氏 には養殖漁場並 に餌料の使用 につ いて暖 い御協 力 をいただいた. また,本学水産研究 所職 員岡本茂氏,本学水産学科学生永野俊夫氏,南 勝啓氏 および神 田高司氏 には,採捕 した クロマ グロ およびハ ガツオの輸送 ・収容 か ら飼 育管理 に至 るま で, いろいろと御協 力 をいただいた. また,論文の 作製 に当 り,京都大学瀬戸臨海実験所時 岡隆博士 に は英文の校 閲に,本学水産研究所書記成山恵津子 ・ 柳生真 由美 ・大滝 ひ とみ ・岡本尚子 の諸嬢 には資料 の整理 に, それぞれ御尽 力 をいただ いた.上記の諸 氏 に厚 く御礼 申 し上げる. なお,本実験 は水産庁 の 昭和47年度 マ グロ頬養殖技術 開発企 業化試験 委託 費 によって行 なわれた.水産庁調査研究 部並 に遠洋 水 産研究所 の諸氏 に厚 く御礼 申 し上 げ る.

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122 近 畿 入 学 農 '‑lJ=郎 紀 要 6 i; (1973)

文 献 5)井上 元男 ・岩崎 行伸 ・青木光発 ・宮下明 .矢富 1) 松 原 喜 代 松 :魚 類 の形 態 と検索 .石崎 書店, 洋道 ・佐藤猛 :日本水産学 会昭和46年度秋季 大

p . 514(1955). 会講演 要旨, p.39(1971).

2)水産庁 調査研究部 :昭和45年度 マ グロ頬養殖技 6)水産庁調査研究部 :昭和46年度 マ グロ頬餐殖技 術開発企業化試験 中間報告書,36‑52(1970). 術 開発企業化試験 中間報告書,61‑73(1971).

3)原 田輝雄 ・熊井英水 ・水野兼 八郎 ・村 田修 ・中

7)

長崎 県水産試験場増殖研究所 :マ グロ類蕃埴技 村 元二 ・宮 下盛 ・古谷秀樹 :本誌(4),153‑ 157 術開発企 業化試験 中間報告書, p.7(1972).

(1971). 8) E・L・NAKAMURA:Behavior。fmar.neanlmals. 4)水産庁調査研究部 :昭和46年度 マ グロ類養殖 技 Plenum PublishingC0.,2,245‑272(1972).

術開発企業化試験 中間報告書,33‑60(1971). (昭和 48年 2月5日受理)

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