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論文の内容の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の1 別紙1

論文の内容の要旨

専攻名 システム創成工学専攻 氏 名 永井 直文

アルミナ(Al2O3)は化学的に安定で,高い電気絶縁性,耐摩耗性,耐食性を持つため,

耐火物,研磨材,断熱材,砥石,触媒,基板,ガラス等幅広く用いられ,セラミック ス産業において最も重要な物質の1つとなっている。アルミナのナノ粒子を溶媒に分 散したアルミナゾルは粉末品にはないコーティング性能や高分散性,バインダー性能 を有している。しかしながら,これまでのアルミナゾルは,ゾル中の粒子の形状が柱 状や毬栗形,歪んだ球形などであり,粒子同士の密着性という点において劣るものが ほとんどであった。このようなゾルでは,粒子間が緻密に繋がらず,基材表面を緻密 に覆うことは,基材表面とアルミナゾル粒子とが特別の親和性を持たない限り,困難 である。つまり各種目的に合った性能を最大下発揮するには,粒子の形状,サイズ,

結晶化度などの制御が必要である。またファイバー状アルミナ粒子については,合成 例は報告されているが,繊維径が太く,さらには添加物等が多いため実用的面での課 題を有し,詳細な物性も報告されていないのが現状である。

そこで本研究では,まずゾルゲル法にて様々な形状のアルミナナノ粒子を合成し,

それら形状が部材物性に与える影響を確認すべく特性評価を試みる。さらに実用的な アルミナナノファイバーの合成を試みるとともに特性評価を行い,その応用として酵 素固定化担体,多孔質ガス分離膜の開発を行うことを目的とした。

本論文は六章で構成されている。

第一章では,本研究の背景や目的について述べた。またゾルゲル法の有効性と課題 に関して提示し,本研究の意義と重要性について概説している。

第二章では,様々な形状のアルミナナノ粒子を合成し,成膜性,粒子配向性,膜の 細孔径分布,ガス透過度およびポリビニルアルコールに添加して熱膨張抑制効果を測 定することにより粒子形状が部材物性に及ぼす影響を明らかにした。

第三章では,アルミナナノファイバーの配向性を制御することにより,粒子がラン ダム配向した網目状細孔膜および長軸方向に配向したスリット状細孔膜を作製し,粒 子長がアルミナ膜物性に与える影響について明らかにした。

第四章では,網目状アルミナ自立膜を酵素固定化担体として評価した。メソポーラ スシリカを担体した場合と比較し,さらにアルミナ自立膜に担持した酵素を加水分解 反応に利用して評価を試みた結果,酵素固定化担体として有効であることを見出した。

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第五章では,水-アルコール分離を目的に,アルミナナノファイバーゾルおよびシラ ンカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS))との混合 ゾル溶液を,アルミナ多孔質管上にディップコートおよび熱処理することによりアル ミナ-GPTMS複合膜を作製し,IPA水溶液からの脱水性能を評価したところ,高い水選択 分離性能を有することがわかった。

第六章では,研究結果をまとめ総括した。

以上本研究は,ゾルゲル法で合成した各種アルミナトナノ粒子の特性評価を行い,

また平均短径4nm,平均長径1000~3000nmのアルミナナノファイバーゾルを用いて各種 アルミナ膜の作製と評価を行った。アルミナナノ粒子の形状が粒子配向性や膜の細孔 径,ガス透過度や樹脂に添加した場合の熱膨張抑制効果に大きく影響することを示し た。さらにアルミナナノファイバーからスリット状細孔および網目状細孔を有した自 立膜を作製できることを見出し,膜の細孔径や結晶化度などがアルミナナノファイバ ー粒子の粒子長に大きく依存することがわかった。また網目状細孔膜はリパーゼの固 定化担体として評価した結果,吸着・固定化性能が高く,加水分解反応でも高い活性 を示した。加えて,アルミナナノファイバーゾルとGPTMS混合溶液を多孔質支持体にデ ィップコーティングすることにより,水/イソプロピルアルコール分離係数が1628,水 透過速度が0.88 kg・m-2・h-1 という高い性能を有する蒸気分離膜の作製が可能なこと を示した。

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