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A Study of Reading and Writing Instruction in Primary School English Education in Japan: A Comparison With That in Korea
教科・領域教育専攻 言語系コース(英語) 久 保 園 真 祐 子
I 研究の背景と目的
平成25年9月, 2020年の東京オリンヒ。ツ ク・パラリンヒ。ツク開催が決まったことを受け,
さらなる日本人の英語力向上,英語教育の改 善・充実に向け,同年12月,文部科学省は「グ ローノ勺レ化に対応した英語教育改革実施計画」
を公表した。中学年では音声に慣れ親しませな がら,コミュニケーション能力の素地を養うこ と,高学年では身近なことについて基材句な表 現によって「聞くJI話す」に加え,積樹句に「読 むJI書くJの態度の育成を含めたコミュニケー ション能力の基礎を養うこと,がそれぞれ目標 として打ち出された。つまり,現在第5学年・
6学年で行われている音声指導中心の外国語活 動が中学年から始まり,高学年では聞くこと・
話すこと・読むこと・書くことの4技能の育成 がより重視されるようになる。これまでの外国 語活動では,音声面を中心とした指導で、あった が,平成30年学習指導要領改訂後の英語教科 化においては,音声指導と文字指導の両方から の取り組みが大きな課題となると考えられる。
そこで,これまでの文字指導に関する議論を 整理し直し,かっ東アジア諸国に先立って小学 校英語教育に踏み切った韓国の小学校英語教育 を調査し, 日本と比較することによって,これ からの小学校英語教育における文字権幕への手 がかりを探っていきたい。1997年より小学校第 3学年から英語を必修化したことによって,目
指 導 教 員 山 森 直 人
に見えた効果を得ることができた韓国の初等英 語教育から学ぶことは多いと考えられる。また,
小学オ交英語教育に関して言えば,日本より約20 年先を歩んでいる韓国が抱えた問題から,今後
日本が考えてし、かなければならない課題も見え てくるのではなし、かと考える。
このような背景から,本研究の目的は,韓国 の小学校英語教育と比較,分析することを通し て,今後の日本の小学校英語教育,特に文字指 導のあり方を追究することである。
E 論文概要
本論文は,5つの章から構成されている。
第 1章では,本研究の目的と背景について述 べている。
第2章では,これまでの小学校英語教育,特に 文字十旨導に関する先行研究の概観を行った02.1 節では日本における小学校英語教育の変遷, 2.2 節では小学校英語教育の現状と課題を見直し,
2.3節以降では,現在の小学校外国語活動にお ける文字樽幕の現状を「小学校学習指導要領外 国謝編J等から確認し,今後の文字指導導入に 向けての方向性について論じた。
第3章では,次章の調査に向けて韓国の小学 校英語教育の実態を,英語教育導入の背景と変 遷,目標,教員養成,成果と課題,使用教科書,
の5つの項目から概観した。
第4章では,今後の日本における小学校英語
− 200 − 教育への課題や方向性を検討することを目的と
して行った,韓国の 1小学校の英謝受業観察と 英語教育を専門とする大学樹受へのインタビ、ユ ー調査の結果と考察を述べt~o
最後に,第5章では本研究を通して得た成果 を提示し,教育的示唆や今後の課題を述べた.0
E 本布慣の成果
本研究により,以下の4点が明らかにされた。
(I)第 3章より,韓国の小判交では,年生から 既にアルファベットの文字指導が始まり, 3年 生後半からは単語レベルの指導,高学年にもな ると文レベルの指導が行われ,基本的にAll Englishの ス タ イ ル で 4技能(Listening, Speaking, Reading, Writing)が統合された授 業が展開されていることがわかった。また,こ のことから韓国の小学校英語教員の英語力の高
さもわかった。
(2) 3・4・6年生の授業で,語葉習得の一面であ る 音 声J,
r
意味J,r
文字Jの3つの素性聞 の技能を絡めた単語レベルの文字指導が多く行 われていることがわかった。特に, 4年生と 6年 生の授業で、は多角的語葉習得モデノレの「意味→文字」の技能を活用する活動が多かった。
(3)日本や韓国における文字指導を考察・分析 する際に多角的語葉習得モデル」や「文字指 導の階段」は,文字指導の指標として有効で、あ
ることを磁議官、した。
(4)文字指導以外の点として,韓国の英語授業で は3年生においてすでに「聞くことJ
r
話すことJ
r
読むことJ'f書くこと」の4技能に抵抗を 感じておらず,英語に慣れ親しんでいることが わかった。 4年生の授業では個別活動の際,児 童から教師に英語で質問をし,それに対して教師も英語で答えるといった,英語を使つての自 然なコミュニケーション場面も見られた。
町 教 育 的 方 嘘
本研究の成果より,以下3点を提案・指摘で きる。
1点 目 は 音 声J,
r
意味J,r
文字J3つの素 性聞の技能を意識した指導を行ってし、くべきだ ということである。また,文字指導導入にあた り多角的語葉習得モデ、ルJ,r
文字指導の階 段Jが有効的な指標になると考える。2点目は,文字指導を導入した際,対人意識 を持たせたコミュニケーション重視の活動を意 識し,スキル重視とならないようにしなければ ならな川英語への苦手意識を持たせないよう,
新たな「小学校英語科」を創るといった意識を 持って,文字指導ーについて考えていくことが重 要だと考える。
3点目は,小学校英語科導入に向けて,小学 校教員の英語力・指導力の向上,そして 1点目,
2点目で述べたことを踏まえた教科書の作成が 今後の課題であると考える。
V 今後の課題
今後の課題として,以下の3点をあげる。
(I)授業観察1回に留まらず, 3年生から6年生 までの系統性を分析するためにすべての学年の 授業を観察することが必要である。
(2)小学校 1校のみではなく,複数の小学校の英 語授業を長期的に調査する必要がある。
(3)質的研究に留まらず,量的研究も行っていく ことが必要である。