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掛川市桶田に見られる五百済火山灰層について

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(1)

掛川市桶田に見られる五百済火山灰層について

著者 白井 久雄

雑誌名 静岡地学

90

ページ 13‑21

発行年 2004‑11‑20

出版者 静岡県地学会

URL http://doi.org/10.14945/00025001

(2)

9 0

( 2 0 0 4 )

r  r 

について

久 雄

し は じ め に

G学 年 理 科C地球と宇宙jではヲ野外での地層の寵接観察を している(白井,

2 0 0 0 ) .

小笠@掛J11地域は?野外での地層観察には最も適した地域である.既

きる適切な露頭(白井,

1 9 9 7

, 

1 9 9 9

, 

2 0 0 0

, 

2 0 0 1

, 

2 0 0 2

, 

2 0 0 3 b )

(白井,

1998a

, 

1998b

, 

2003a

, 

2 0 0 4 )

を報告した@今回は掛Jll市橋田(図

1) 

きる五百済火山灰層の特徴を記載しヲその特徴から考えられることを述ベヲ

を提供する@

なお宮佐藤(1

9 9 8 )

の指摘にもあるように,従来 は「五百済火山灰層

J

と記載する.

と記載されてきたものを本報

は ん縫

:-山 .li1:3f::~~ífJ;K;i

図上露頭位置図(国土地理続発行

2

5

千分の

l

地形図 f掛)I

I J r

下平J

I I J )

.実ココ露頭位置.

2 .

露頭の記載

本論に記載する露頭は曹掛川市橋田(図

1

)にある東一酉に伸びた南向きの崖でラ高さ約

15m

‑13 

(3)

幅約

6 0m 

(

2

)である@走向は

N10"‑'12W

ヲ西

1 2 " ‑ ' 1 4

度 前 後 傾 斜 し て い る 。 以 下 宮 本 露 頭 を

と呼ぶ@桶田露頭はラ の進行に伴し したばかりである@

鮮で革や苔などが生えていないのでヲ地層の観察 が容易である@桶田露頭は雪白井@木宮

( 1 9 9 0 )

の図

2

に示した

Loc.10

とほぼ同じ位置にある@

jレヵー@

橋田露頭周辺の地質については白井(1

9 9 7 )

の図

1

を参照していただきたい@桶回露頭へ行くには事

JRJI!駅からしずてつジャストラインパス大坂線(大東町役場行き@大東町経由浜岡営業所行き)

「大谷」停留所で下車するとよい@

楠田議頭での詳細な観察を基に作成した柱状簡を図

3

に示す@桶白露頭では予図

3

に示すよう 百済火山灰層上部

2 " ‑ ' 9

(白井@木宮,

1 9 9 0 )

が観察できる@図3には五百済火山灰層上部

2 " ‑ ' 9

柱状図の左側に

2 " ‑ ' 9

の数字で示しヲ次項で述べる古し堆積構造の観察できる層準を柱状図の右側にア

コで示した@次にヲ楠田露頭で観察できる五百済火山灰関上部を 2から 9IJ債に記載する@

2

層厚

1 3 0cm

以上(図

4 ) .

平行葉理が発達する細粒砂径火山灰層でラ平行葉理にそってf細醸サ イズの軽石が並んでいる@最上部

5cm

にはシルト径火山灰の細線 中擦を含む@下底面は侵食を す@

3

層 厚

7 2cm 

(

4 ) .

極 細 粒 砂 径 火 山 灰 とシルト径火山灰層との互層である@極細粒砂径 火山灰層には平行葉理が発達していて曹葉理に そって細探サイズの軽石が並んでいることがあ e 層 厚

1cm

の極細粒砂径火山灰層はレンズ状

る@シルト径火山灰躍は塊状である@

4

層厚

2 3 0cm 

(

4 ) .

平行葉理が発達する 中粒砂径火山灰層で9 最下部

10cm

を除いては9

平行葉理にそって縮機サイズの軽石が並んでいる 9 最下部

10cm

には平行葉理が見られず¥細機 サイズの軽石やシルト径火山灰の細線 中探 んでいる。

5 層厚

7 8cm

o 岩相は 3と似ていてヲ層厚2

cm

の縮諜サイズの軽石火山灰層を挟む他はヲ極 細粒砂径火山灰層とシルト径火山灰層と

ある@極細粒砂径火山灰層には平行葉理?カレン トリップルが観察できる@カレントリップルは波 5~8cmヲ波高 1~2cm である@五百済火 山灰層上部

7

9

でもカレントリップルが観察で

4 .

五百済火山灰層上部

2.   3 . .   4 . .

説明は 本文参照.スケールは1

m .  

(4)

知 号

( 2 0 0 4 )

3.梅田露頭の模式柱状図 A,火山灰層. 8,軽石火山灰麗. C,シルト径火山灰麗 と撞細粒砂径火山灰窟(窟厚 lcm ,レンズ状)の互題.以上 A~C は岩棺を示す.

D

,明瞭.

E

,侵食

F

,瀬移.以上 D~F は単患の下底面状態を示す G ,平行

葉理

H

,波状葉理.

1

,カレント1)ップル J,塊状.

K

,漏斗状構造. し,軽

M

,シルト径火山灰の磯. N ,炭質物.以上 G~N は堆積構造及び含有物を示 す.柱状図中の 2~9 ,ア~コについては本文参照.

‑15‑

(5)

きるが,その波長予波高は 5での観察結果と同様である。

でいる@シルト径火山灰層は塊状である@

6

層厚

1 6c m .

下位より下底部は侵食を

にそって細探サイズの軽石が並ん

サイズの軽石や炭質物が並ぶ極細粒砂径火山灰層@漸移し

し雪葉理にそって縮機

4cm

ヲ縮機サイズの軽石火山灰層@

に層厚

2cm

警カレントリップノレが観察できる極細粒砂径火山灰層が重なる@

}膏厚

2 1 0c m .

岩相は

5

とよく似ていてラ極細粒砂径火山灰層とシルト径火山灰膳との互層で ある@極細粒砂径火山灰層の特徴は

5

と同様であるが,平行葉理にそって炭質物が並んでいるのが

1

きたり予層厚

1cm

の麗細粒砂径火山灰層はレンズ状を呈したりしている@シルト径火山 灰層の特徴も 5と同様である。

8

層 厚

1 6c m .

下位より下底面は侵食を示す賭厚

12cm

ヲ平行葉理が発達し雪葉理にそって縮機 サイズの軽石が並ぶ極細粒砂径火山灰層.漸移して層厚

4cm

ヲ細諜サイズの軽石火山灰層が重なる@

9

ニ!欝厚

388cm

以上@岩相は?とよく似ていて雪極細粒砂径火山灰層とシノレト径火山灰層との互 層である@極細粒砂径火山灰鰭の特徴は

7

と同様であるがヲ平行葉理にそって炭質物やシノレト径火山 灰の縮瞭 中擦が並んでいるのが

1

層で観察できる@シルト径火山灰層の特徴も

7と同様である@

3。乱堆積構造の記載 は数多く コで示す@ア コはラ

きる@

J

~

r

乱堆積構造コ

J

と名付け警次に記載する@

きる層準を図

3

Vこ下位よりア きる@これらの乱堆積構造を

(

5

6 )  

=図

5

に示した乱堆積構造は幅約

1m

型図

6

に示し 1.

m,いずれも流動化して上位の地層が下位の地膳へ流れ落ちたような産状

は幅約 し宮古し堆積構造内 部にはj皮打った きる@

5

。幡約

1m

1 暢約1.5 m

済火山灰麗上部ヰ 済火山灰層上部

4

参照@スケ…ルは

2 0 c m .

参照@スケールは

2 0c m .  

乱堆積構造イ(関7)ェ断層で境され9 内部には流動化に伴い取り込まれたと考えられるシノレト径 火山灰の中機 大擦やコンボルート構造(徳橋

1 9 9 8 )

事波打った層理や葉理が観察できる@

(6)

9 0

( 2 0 0 4 )

図アー乱堆積構造イ.説明拡本文参照.ス ケールは 1

m .  

ウ(図

8) 

の部分だけ苦しされた漏斗状構造(徳橋,

1 9 9 8 )

きる.周囲から集まった間際水がその部分 す) .スケールは

30cm.

じて上部に排出されたものと考えられる.

(

9

)上限は確認できない.基質は極細粒砂径火山灰で望組擦サイズの軽石 に含んでいる.流動化に伴い取り込まれたと考えられるシルト径火山灰の中探 大擦や折れ曲がっ たシルト径火山灰層雪コンボルート構造が観察できる.

(国1

0 )

鴻斗状構造や小規模な流動化跡、が観察できる@

9 .

乱堆積構造工.説明は本文参照.ス j

2 0cm. 

図1

0 .

乱堆積構造オ.潟斗状構造(矢印で表す) と小規模な流動化跡.右端に乱堆積構造工 が観察できる.スケールは

20cm.

乱堆積構造カ(図11)=漏斗状構造が観察できる.また前項で述べたカレントリップルも観察でき る.

乱堆積構造キ(図

1 2 )

=アと同様に流動化して上位の地層が下位の地層へ流れ落ちたような産状を

‑17‑

(7)

図1

1 .

乱堆積構造力@漏斗状構造@カレントワッ jレも観察できる@スケールは20cm. 

し雪乱堆積構造内部には波打つ れたような産状を呈する@

きるe またラシノレト径火山灰層がひきちぎら

乱堆積構造ク(図

1 3 )

‑上部

80cm

は上位の地層が下位の地層へ流れ落ちたような産状を明瞭に し曹ひきちぎられたようなシルト径火山灰層が含まれている@下部

1 1 6cm

はアと同様に流動化して 上位の地層が下位の地購へ流れ落ちたような産状を呈し?乱堆積構造内部には波打った

きる@

(14)=流動化して上位のシルト径火山灰崩が下校の極f縮粒砂径火山灰層へ流れ落

ちたよう る@

ク.説明は本文参賠.ス ケー}¥.t'立20cm.

説明は本文参照.ス ケーj20cm. 

コ(図

1 5

1 6 )

下限は確認できない@図

1 5

に示したものは雪流動化して上位の地躍が 下位の地層へ流れ落ちたような産状を呈しラ乱堆積構造内部には波打った鰭理や葉理が観察できる@

1 6

に示したものは雪両側を断層で境され内部が乱されている@

(8)

9 0

( 2 0 0 4 )

図1

5 .

流動化した乱堆讃構造コ@説明は本文 スケールは20cm.

図1

6 .

南部を断麗で境され内部が乱されてい スケールは2

0 c m .  

きる五百済火山灰腫上部は,次の(l )~(3)で特徴づけられる.

(1) :五百済火 地域(満水,

2~9 が観察できる.これはヲ五百済火山灰層上部の分布地域のうち北部 橋田)にはヲ 1~ れあるいはその一部が分布していてラ 10~16 は確認できな いという指摘(白井 e木宮

1 9 9 0 )

と一致している@

(2) :五百済火山灰層上部 5曹 人 9の極細粒砂径火山灰層にカレントリップルが観察できる.従 来型カレントリップルは五百済火山灰層上部

1

の極細粒砂径火山灰層で観察されている(白井@木宮,

1 9 9 0  ;白井, 1 9 9 7

カレントリップルから得られた古流向は北北西→南南東または北北 を示し亨白井@木宮(1

9 9 0 )

の報告と矛崩しない@

。 )

:五百済火山灰膚上部 5~9 に乱堆積構造が観察できる.既に白井(1 997) はラ五百済火山灰層 上 部 わ

7

, 

9

で観察できる乱堆積構造を記載した@梅田露頭の乱堆積構造ア予オヲキラクヲケ はヲ白井

( 1 9 9 7 )

の乱土佐積タ(白井

1 9 9 7

の写真

1 5 )

と類似している.五百済火山灰層を挟む堀之内 層の砂層では波状葉理やコンボルート葉理が観察できラ砂層内部での変形が指摘されている(例えば 牧野ほか,

1 9 7 9 ) .

また

Sakaiand Masuda ( 1 9 9 5 )

は,本地域の堀之内層は,海底扇状地のチャネ ル堆積物及び海底扇状地の自然堤防堆積物でありラ海底扇状地のチャネノレ堆積物の砂層はターピダイ トの特徴を示し型液状化を示す血状構造やコンボルート構造などが観察できると述べている.よっ てヲ五百済火山灰層で乱堆積構造が観察されても不思議ではない.しかし,白井(1

9 9 7 )

が述べたよ うに五百済火山灰層の乱堆積構造は極細粒砂径火山灰層内部にとどまらず,極細粒砂径火山灰層とシ ノレト径火山灰層にわたっているのが特徴的であり,橋田露頭で観察できる乱堆積構造もこの特徴を有

している.

橋田露頭では火山灰屠の観察や火山灰の採取活動ができ,火山のはたらきでできた地層ということ が児童に理解しやすいだろう.白井

( 1 9 9 8 a )

はヲ菊川町内田地区の五百済火山灰層露頭の観察を基 にした授業実践を報告している.橋田露頭でも白井

( 1 9 9 8 a )

と同様の実践が可能であろう.その

‑19‑

(9)

際ヲ五百済火山灰}曹はターピダイトであることは児童に混乱をもたらすと考えられるので説明しなく てもよいだろう(白井

1 9 9 8 a )  

.露頭を覆う革や苔などがないので地層の観察が容易であり雪 の規模が大きいので多人数での見学が可能である@このようにヲ橋田露頭は「大地のっくりと変化j の学習のために観察するには適していると言えよう@

5 .

まとめ

(1)  :  は五百済火山灰層上部 2~9 が観察できる.

(2)  :五百済火山灰層上部 57, 9の極細粒砂径火山灰層にカレントリップルが観察できる@

(3) :五百済火山灰麗上部 5~9 に乱堆積構造が観察できる。

( 4 )  

:橋田露頭は「大地のっくりと変化

J

の学習で観察するのに適した露頭である.

引用文献

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( 1 9 7 9 )

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2 8

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S a k a i

, 

T .  a n d  Masuda

, 

F .   ( 1 9 9 5 )   S e q u e n c e  s t r a t i g r a p h y  o f   t h e  P l i o

l e i s t o c e n e  I { a k e g a w a   G r o u p

, 

S h i z u o k a

, 

J a p a n .   Memoirs 0 1  t h e   G e o l o g i c a l  S o c i e

0 1

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(10)

関 号

( 2 0 0 4 )

(1

9 9 0 )  

:掛}I

1 6 .   1 ‑ 2 3 .  

(1

9 9 8 )  

:斜交麗理以外の 物の研究法,

2 4 ‑ 2 9

, 

とそ

新版砕屑

21‑

参照

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