火災延焼シミュレーション・システムによる都市防 災計画の研究
著者 二神 透
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科
号 平成2年6月
ページ 95‑98
発行年 1990‑02‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/33160
氏
名 二 神 透
学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与の日付
学位授与の要件
学位授与の題目論 文 審 査 委 員
学 術 博 士 学博甲第26号 平成2年3月25日
博士課程修了(学位規則第5条第1項)
火災延焼シミュレーション・システムによる都市防災計 画 の 研 究
( 主 査 ) 小 堀 為 雄 ( 副 査 ) 北 浦 勝 ( 副 査 ) 木 俣 昇 ( 副 査 ) 川 上 光 彦 ( 副 査 ) 室 崎 益 輝
学 位 論 文 要 旨
OneofthemostserioussecondalydisastertriggeredbyearthquakesinJapan, wherethecitiesarelargelyconsistofwoodenstructures,istheoutbreakof connagration.Themeasurescurrentlytakenagainstarerefonningthe evacuationprogramsandpromotingthenoncombustiblestructuresinthecity p l a n n i g .
Inthispaper,Idealwithmyimprovedfire‑spreadingsimulatingsystem, whichissignificantinthesetwopoints;firstit'ssimulationareaisexpanded frompresentlkmsquareinto4kmsquare.Seconditwasintroducedthe buffergreenbeltforbetterfire‑preventingsystem.
Tovalifytheimprovedsystem,Icheckedtherequiredaccuracyofinputdata, andsimulatedtwoactualbigfiresinoursystem.
木造市街地を抱えるわが国にあっては,地震時の二次災害として最も深刻なものは,
火災の発生と延焼による被害である。現在この対策として,避難計画と都市の耐火・不 燃化計画が推進されている。本論文の目的は,これらの計画を支援する計画情報システ ムの開発とシステム論的アプローチの試みの検討にある。そこで,まず地震時火災の現 象の再現を可能とする地震時火災延焼シミュレーション・システムの開発とその適用研 究を試みた。
そのために,第2章では,既存文献を基に地震火災発生のメカニズムを整理し,火災
延焼シミュレーション・システムの開発に際しての諸条件を明確化した。即ち,地震時 火災は倒壊建物を火元とする同時多発型の火災であること,消防力は,地盤震害による 水利網や消防車などの緊急車両網の損傷によって,多くは期待できないことを明らかに
した。
第3章では,この二つの条件を前提にして開発されてきた木俣らのモデルを基礎とし て,計画情報システムとしての大震時火災延焼シミュレーション・システムの開発を試 みた。木俣らのモデルは,浜田らの延焼速度式に基礎を置くメッシュ型のシミュレーショ
ン・モデルであり,出力情報の視覚性が特徴である。まず,この基本モデルの特徴を保 持した形で,地震火災危険性の提示を可能とする最大4km四方の地域を対象可能とする 広域システム化とデータ入力系の改良を行った。つぎに,地盤と木造密集度を考慮した 出火点設定のシステムの開発を行うとともに,システム・パラメータの統計処理と防災 計画への活用のために出力結果のファイル・システム化を行った。そして,このシステ ムをトータル化し,金沢市の地震火災危険分析に適用した結果,システム化の論理的整 合性を確認できた。
第4章では,本システムを情報システムとして活用する際の情報の信頼性について検 討した。まず,システムの特性分析として,実験計画法によるシステム規定要因の分析 を行った。その結果,木造建物混成比は,約48%の寄与率を持つ最も卓越した要因であ り,つぎにメッシュ・マップは第2位の要因であり,その寄与率は,約41%である。こ の二つで,約89%が規定される。次に,風速,建ぺい率の順で,それぞれ,約6%,4%
の寄与率を占める。建ぺい率を除く3つの要因は,ともに棄却率1%で有意となってい る。従って,本システムの活用の際には,これらの精度については十分注意を払わなけ ればならないことが明らかになった。
つぎに,本システムの前提条件を満たす規模の異なる二つの実火災を取り上げ,要因 の精度に注意してデータを採取し,シミュレーション・システムによる再現性について 分析を試みた結果,本シミュレーション・システムと実火災の全体の焼失面の形状比較,
焼失面積の比較においてもかなりの再現性カざ認められ,情報システムとしての信頼性が 認められた。
第5章では,具体的な計画への支援システムとして,避難場所の安全性評価の問題を 取り上げ,シミュレーション・システムを基とする,4つの火災熱リスク評価システム の代替案の開発・検討を行った。そして,この2つのシステムの挙動特性とシステム規 定要因の分析を行ない,それらの火災熱リスク評価システムとしての基本特性を明らか にした。これらの分析結果を受けて,火災熱リスク評価システムを提案し,金沢市の指 定避難場所への適用を試みた。その結果,システム2あるいは4のいずれを使用するに しても,50〜70m程度の距離の地点でも,人体の受熱限度以上となり,市街地のほとん どのグランドでは,このような余裕距離を取ることは困難であることを考えれば,避難 場所として指定するにはリスクが伴うことを指摘した。つぎに,シミュレーション・シ ステムを用いて,福光大火復興計画の評価を試みた結果,復興後の市街地の耐火性を定 量的に示すことができた。
第6章では,都市の耐火・不燃化計画の一手段として,都市のブロック化計画を提案
し,ブロック化の効果を実験計画法を用いて定量的な評価を試みた。まず,多水準分割 実験法による都市構造要因の分析を行った結果,メッシュ・マップ(都市構造要因)に ついては,平均値的な指標では水準化できないことを明らかにするとともに,ブロック 化という概念を導入することにより,都市耐火構造分析の糸口を得ることができること を示唆することができた。これらの結果を,都市の耐火・不燃化計画への情報システム として考察すると,木造建物混成比を下げることは非常に有効な手段であるが,ブロッ ク化との連係が非常に重要であることを定量的に示すことができた。次に,金沢市の地 震火災危険度分析の結果を基に,金沢市を対象としたブロック化計画を提案した。そし て,シミュレーション実験によるシステムの適用を行い,本計画案によれば焼失面積は 60%近く減少することを視覚的かつ定量的に提示することができた。この都市のブロッ
ク化の具体的な手段として,緑地,耐火建物,オープンスペースを総合的に利用したブ ロック化と評価システムを提案した。そのために,まず防災緑地の延焼アルゴリズムを 開発して,シミュレーション・システムに組み込んだ。そして,金沢市の木造密集市街
気象データ
風向・風速 の設定 メッシュ・マップ 風向
作成システム
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ス テ ム出火地点の設定
システム点の設定
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