• 検索結果がありません。

誼素酸カリウム系盈類の衝撃感度

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "誼素酸カリウム系盈類の衝撃感度"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

49

誼素酸カリウム系盈類の衝撃感度

工業化学教室  亀  石  正  之

Impact sensitivities of potassium chlorates

      Masayuki KAMEISHI

 The impact sensitivities of KC102, KCIO3 and KC104 were observed.

 The order of theh三sensitivities are KC102>KCIO3>KC104 and especially KC102 shows remarkables.

 The mixed systems KC103−KCI and KC103−KCIO4 were more sensible than KC103 alon巳  Specia11y, each salts shows remarkable sensitivities by the addition of sulfur and Kα02 reacted violently only by with sulfuL

 Asystem KCIO3−S shows the maximum sensitivity for the range of the perf㏄t oxidation reaction and its sensitivity is more increased with heating

  〔序〕       図1落槌感度試験器 図2 落球感度試験器

 塩素酸カリウム系塩類の化学工業に於ける用途

は広いが,特に火薬工業では爆薬,火工品,その 他の製造には不可訣である。然し乍らこれらの塩 類を原料として煙火或いは爆薬を製造する過程に 於て,屡々爆発による災害を生じており,特に硫

黄との混合物は危険視されている。これらに就い      電磁后 ては従来種々の研究がなされているが,衝撃によ

る爆発性に就いての報告はみられない。本実験は これらの塩類を取扱う観点から,塩素酸カリウム 系塩類の単体,製造申に含有し易いと思われる副

        白 生成物と塩素酸塩の混合物系及び硫黄を添加した

系に就いて各々の衝撃による爆発感度を測定した

この結果より,今まで塩素酸カリウム或いは過塩       試料台 素酸カリウムは単体に於て,衝撃による爆発は不

明確であったが,本実験によって衝撃に対しては

鋭感であり,1 チに塩素酸カリウム製造中或いは貯

       (1)落槌感度 蔵中に生成される可能性のある亜塩素酸カリウム

       火薬類感度試験法に基いて行った。即ち試料

(KCI°・)は特に鋭感で・その願1まピクリン醐 2。mgを錫箔(↓ 。。mm厚,2・・×2・・mm)砲み

      した。

充分注意を要することが明確になった。

       (2) 加熱落球感度

  〔実験方法〕       起爆薬落球感度試験器を利用した。金床を改造

 試料は凡て再結晶を行い,衝撃感度は粒度によ  し試料を加熱できるようにして,50つ,75つ,及

って可成りの影響を受けるので,150#〜200#の  び100°Cで3分間加熱した後2209重の鋼球を落

範囲のものを採用した。       下させて,各落高に於ける爆発率を以て示した。

(2)

50     一亀石正之一

  〔実験結果及び考察〕      は鈍感であることがわかる。

      そこで,いまKCIO3及びKCIO4に就て,示差

(DKQ°・・KCI°・及びKCI°・の各単体に 熱分析及び力嚥、よる藤発彊の追鵬行って     於ける鯉感度     みた.KCIO,では図4のようになる。

 亜塩素酸カリウム(KC102),塩素酸カリウム   即ちKC103では370つCより吸熱が始まり,

(KC103)及び過塩素酸カリウム(KCIO4)の各単  410°Cで最大となるが,この吸熱は熔融分解によ 体での落槌感度を測定した。      るものであり,420つCで徐々に発熱に移行する。

  図3 塩素酸塩類の落槌感度      この発熱はKCIO3の分解によるもので,分解の進

/随

発7

85

 :

 2

鯉%  ロソ職       醐  砲  行と共に発熱も大となり・520°C附近から分解に     1       よる酸素の発生は次第に活溌となって,580・Cに

        1       至ってその発熱量は最大となりその後減少する。

    

  /       KCI°・の分解反応は次式のようになるものと考え

  /      られる。

  ノ

 /       KC103−→KC1十%02

/     ,      (∠H1《) )o=−11.27kca1,4GI oo《)=−42.26kcaI  ゜  ° ⑳ 和 蜘 5° 6° 駕高鵠一望→槍◆    即ち衝撃による塩素酸塩粒子間に包蔵されてい  KC102は極く最近に於て製造され始めたもので   る空気泡の断熱圧縮による温度の上昇に伴い,塩

化学的性状も明らかではないが,潮解性の物質で  内の熱点生成が行われ,又衝撃による運動エネル ある。従ってその落槌感度は湿度により大巾に変  ギーの授受によって爆発核の生成が容易となり,

化するので満足な結果を得ることができなかった  部分的分解が行われ〜ば,その際の分解発熱によ が,KC102は2cmの落高でも爆発し得る。KC102  る塩の自己加熱によって爆発が生ずることは明ら の分解反応は次のように考えられる。       かである。

      KC102−一†KC1+02         一方1(C104では図5のような熱分解を行う。

蒜㌫跳隠し漂憲農㌶ 図・KCI・・の示差熱曲線

        対して可成り鋭感なものであることが明らかとな  険亮

った.即ちKC10。に於ては,不爆点41。m,完爆 流 熱 83cm, KC104では不爆点50cm,完爆点106cm   誓゜

 _       撮プ吸

を示した。又KC103の感度曲線がKC104のそれ   れ 熱       5憂

と比較して傾斜が大であることは・噸囲に鋭感 才     1覧

であることを示すものであるが,ピクリン酸より      遺

  図4KCIo。の示差熱曲線    、酸糎量       1

      500      400      500      60◎

      弘度ζ c)一一→

  

検,:        即ち34°⊃Cで転移による嚥を行い・65°℃に於

流       て熔融分解による吸熱が起り,その後発熱分解に

をロ6.吸       熱 移って670°Cで最大となり酸素の発生も530°C

㌧熱      毒  から急激に増加する。KCIO4の分解反応は次のよ        弓  うに行われるものと考えられる。

      ハ

        ;    KC10。−KC1+20。

       2盈

  ㈱,珪一       / (4H・…=−1・13k・記・∠G・…一一21・7kca1)

@眺KC1°・砒竺すれ1まその発鰭も締・程

       識友(・c,一→    度であって,これは示差熱曲線の発熱領域を比較

(3)

一塩素酸カリウム系塩類の衝撃感度一      51

すると明らかであり,又その落槌による感度曲線   即ちKC175%以上の添加では爆発には至らな の傾斜が小さいことからも自己加熱効果は比較的  いが,KC1を添加すればKC103単体の感度より 小さいことも明らかである。又KC103より強い  大で爆発し易くなることがわかる。

衝撃を加えなければ爆発反応が行われ難いことは    そこで,KC103−KCIを3:1,1:1,及び1:3(各 発熱を始める前に転移及び熔融による吸熱があり  々mo1比)の割合で混合したものに就いて,示差 また発熱反応を生起する温度が比較的高く,分解     図8 KCI添加に於ける示差熱曲線

反霊㌶襟㌫㌶讃㌶《三  幽輪

      十 は,KC1に附加する酸素数の少い程衝撃による感

受性は大で,KCIO2>KC103>KC104の1頃に鋭   o 感であることは明らかで,このことは自由エネル   ー ギーの計算値からも推定出来る。

 (2)KCIO3−KCI及びKCIO3−KCIO41混合

    系の衝撃感度

 KCIO3はKC1の電解酸化により製造されるの で,KC1の溶解度の方がKC103より極めて大で あるから,KC103結晶中にKCIが含まれること

は殆んどなく,又KCIO3が更に酸化が進んで,   十 KC104に変化する量も僅かであるとは思われるが   o これらのものがKCIO3の製造中に含有されると   一

仮定して,KC103にKCI及びKCIO4を添加した

もの〜落槌感度を求めた。KC1及びKC104をそ

れぞれ25〜10重量%添加した場合の感度曲線を   十

       _      o

図6及び図7に不す。

  図6 KCIOf膓のKCI添加による感度変化

考::

発π 率6 859

1

 0

   5彩κα添加

タ    75%ノ(α添加

o

κα05一κα

 3  : 

κα(占一κα  1 : 1

κ(鴻一κ〜

 1 : ヨ

κα軍体

0   100  200  500  400  500  ω0  η㊨0 (φd)

       熱分析の結果は図8のようになる。 即ちKC103

°2△5°ゆ5°6°m

テ㈱9二 °° @単体と同様に融点で吸熱の後発熱、移り,580・C 図7KCIO3のKCIO4添加による感度    で最大となる。然し乍ら,発熱の頂点の高さは単    の変化       体の場合のそれより低く,更に1:1及び1:3と,

       KC1の増加に伴ってその値は小さくなっている。

       誰、zi7  瓢鷺聯㌶曇鷲1緊諮

⇒繧  ・    蜘鮮     く・Bowden(1)の云うように・系内に融点の高い

。。ず㍗       ものを導入することにより,系内のKC1に接触し

 ク曽多

た部分の温度が局部的に上昇することになり,爆

o   Q   鍋   ヨ◎  4◎   50  60

わ 8。g。 、。。   発を生起することは容易になろう。即ち爆発に要

蕗高@り一→ @   する最小のエネルギーは低くなる。然し乍ら,同

(4)

52     一亀石正之一

一落高に於てKC1の添加と共に爆発率が低下する   KC102は硫黄の混入により,極く僅かな圧縮に のは,系全体への爆発の伝播をKCIのような不活   よっても急激に反応して発火する。またKC102一 性体が混入することにより抑制する結果であるこ  Sとを混合して数分間放置すると爆発反応が起る。

がと明らかである。       即ちSとKC102との界面反応が自動的に進行する  KC103−KC104系では一定の関係は認め難い  ので,これらの反応には何等エネルギーを与える が,少量のKC104の添加で落槌感度は増加する傾   ことなく爆発反応が進行することが明らかである 向を示している。これも前述のように,KC103系   KC103−S混合系の落槌感度を図10に示す。

内にKC103の融点以上の熱点を多数導入した為   即ち1(C103:Sが90:10から20:80迄の混合範囲 の結果である。然しKC104自身爆発し得るので

      図lo KCIO3−S系の落槌感度 KC104の添加量が多くなれば, KC104単体の感

度に幾らか近付くが,その曲線の傾斜はKC103の

      8◎

  図9 KCIO4添加に於ける示差熱曲線

. 呼二岬      些5

       ㎝ o

     地姥一κ£06

      / : /       50 十         、

0

      20

καぬ4草体

    完爆   1

−一…一一 s爆    1

κα03∫00 90 80 70 60 50 40 50 20 10

 S   o   0 20  30 40 50  60 70  80 90  Oo

1・。2。。5。。⑩5。。伽吻㈹    ・昆合夏釦ヒ

場合と大差がない。KC103−KCIO4系で,各々  に於ては,爆発限界は混合比による大差は認めら の混合比が3:1及び1:1(各mol比)の場合の示  れない。この事は, KC103に極く少量のSを添加 差熱曲線を図9に示すと, 350°C附近の吸熱は  すれば,感度は単体の場合よりも激増するが,こ KC103の転移により,410°CではKC103の熔融   の際Sの熔融潜熱によるエネルギーの吸収は問題 による吸熱がある。然し乍らKCIO4単体の場合  ではなく,主として系内でKC103−Sの接触点に に現われた熔融による吸熱は認められず,610つC  於いて数箇の並列反応が同時に行われるために,

附近で発熱を行っている。これは明らかにKC104  爆発が容易になることとを示すものであり,Sが の添加によってKCIO3の発熱分解を促進してい  80%以上になると衝撃エネルギーが多量のSの るためであろう。      熔融に消費され,従って爆発を起す迄には到らな  (3)KCIO2−S, KCIO3及びKCIO4−S混合  いと考えられる。

   系の衝撃感度       次にこの系で行った加熱落球感度の変化を図11

(5)

一一 桝f酸カリウム系塩類の衝撃感度一       53

図ll KCIO3−S系の加熱落球感度     KC103−S系は極めて爆発し易いことは明らかで        ある。

       二蝶 KC10。_S系では落槌感度はKC10。_Sの場合

   ち◎℃    ワ5℃     ・。℃    と類似しているが(図12),広い領域に亘って不

落 亮4

噸〔㌔ oo  ら0       5°  O」oo  与o  o S O   60 剖oo o  50  ル゜ρ  50   oo         ラ是合主量比

爆点と完爆点との範囲の差が等しく,又同じ配合

図12 KCIO4−S系の落槌感度

 60

    完秦

一一…一

恃噤@  1

に示す.各蹴噛合,何れも7・(KCI・。)、3・(S) 高

附近で感度は逐次増加しており,又常温に於ける   隅o 落槌感度とも合せ考えて(図10),温度の上昇に

伴い夫々の混合物での感度は増している。即ち加

熱により,硫黄の熔融に費す衝撃エネ・レギーは少  ろ゜1      ,

       1       

1蕊㌶⊇雛㌶三芝 2.1   /

       ヘ       ノ

よって容易になる。叉次式で示されるように,化       \       ,/

学量論的配合に近いもの程感度が大であることは     Io  \㌔..一_一_一_一 / 系内に於ける完全な酸化反応が行われることによ

るものであろう。また加熱を行った際に,何れも

 .      O

此の配合比に於て最も爆発し易いのも・上述の完   κ(晒 oo go 80ワ060504)5020」o o

全酸化により反応伝播が容易になるものと考えら    S O  020304050607◎8090 00

れる。      擢合重量比

     2K隠㌘=2KC1+3S砺  に於てKC1』飽差力×きいのは・KC1竺

撃を与えた際は,測定したスケール上では殆んど 差が認められないが,例えば図10に於て不爆域

と完爆域との範囲が,Sの量が増加する(即ち     〔結 論〕

KC103の量が減少する)に従って大きくなること   以上の結果から次のような結論が得られる。

からみて,KC103が多量の場合,感度は極めて鋭   (1) 塩素酸カリウム系塩類は,強い衝撃を与え 感であって,これはKCIO3とSとの部分的な発熱   れば単独で爆発反応を行う性質を有し,その衝撃 反応が爆発核となり,KC103単体の爆発反応をも  感度はKC102>KC103>KCIO4の順で大きい。

促進する結果であり,Sの量の増加と共に範囲が  (2) 塩素酸カリウム系塩類の分解反応は発熱分 大きくなるのは,Sの熔融潜熱の吸収が爆発反応  解であるが, KC1に附加する酸素数の少いもの程 生起の大きな因子であることを意味する。何れに  同一温度では発熱量は大であり,この発生熱量と

しても,比較的強いエネルギーを与えた場合は,  衝撃感度とは平行性があるようである。

(6)

54     一亀石正之一

(3) KC103とKC104とのSに対する反応性は   最後に上記の研究に関して,種々御指導を頂い KC103の方が著しく,KCIO3に少量のSを添加す   た,本学吉田,中森,長田教官並びに本実験に協 れば弱い衝撃によって容易に爆発する。      力下さった研究生松本寛郎君に深甚の謝意を表す

(4) KCIO3−S系を加熱すれば,感度は常温よ  る。

りも極めて鋭感となり・SとKC103との配合が   〔文 献〕

完全酸化反応の領域に近付くに従って爆発は激し  (1)Bowden&Yoff:Initiation and growth く爆発反応の伝播も極めて容易となる。       of Explosion

参照

関連したドキュメント

 医薬品医療機器等法(以下「法」という。)第 14 条第1項に規定する医薬品

幕末維新期、幕府軍制の一環としてオランダ・ベルギーなどの工業技術に立脚して大砲製造・火薬

近年の食品産業の発展に伴い、食品の製造加工技術の多様化、流通の広域化が進む中、乳製品等に

(自分で感じられ得る[もの])という用例は注目に値する(脚注 24 ).接頭辞の sam は「正しい」と

十二 省令第八十一条の十四の表第二号及び第五号に規定する火薬類製造営業許可申請書、火 薬類販売営業許可申請書若しくは事業計画書の記載事項又は定款の写しの変更の報告

(A)エクストラバージンオリーブ油:これは、特に加工前のオリーブの取扱い又は加工中及び

このような環境要素は一っの土地の構成要素になるが︑同時に他の上地をも流動し︑又は他の上地にあるそれらと

HACCP とは、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのあ る微生物汚染等の 危害をあらかじめ分析( Hazard Analysis )