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マイクロプラズマによる簡易雑音発生器

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Academic year: 2021

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(1)

マイクロプラズマによる簡易雑音発生器

中山 泰雄,矢鳴 虎夫,磯  泰行

ASimple Noise Generator by a Microplasma.

Yasuo NAKAYAMA, Torao YANARU&Yasuyuki ISO.

   It is found that the considerably large noise voltage can be obtained by the simple circuit using some types of commercial zener diodes operating at microplasma region.

The gausian noise of the audio frequency range can be easily obtained by low pass filtering the out put noise voltage of the zener diodes. for example RD 19A and RD 13A.

Some of the high−voltage diodes can be used as random square wave sources, if the operating condition is appropriately adjusted, and as random pulse sources by differen−

tiating the square waves.

1 まえがき      めることが出来た。

 従来,雑音源としては抵抗体の熱雑音,真空管    虹 マイクロプラズマ現象

のショットノイズ・または放電管雑音が広く用い   シリコンpn接合に逆方向のバイアスをかけ られて来た。しかし抵抗体は一般に雑音出力が小  て,この電圧を増して行ったとき,降伏のはじま さい欠点があるし・後の二つは半導体回路ととも  るあたりで大きなパルス状の不規則な電流があら に用いるのには不便であるので・半導体素子のう  われることがみとめられ,ω後にこのような不安 ちで雑音源として適当なものがあればぐあいがよ  定領域で,電流はすべて_定振巾で持統時間が不 い゜      規則な電流パルスによってはこばれていることが  定電圧ダイオードの降伏点近くで・不規則なパ  確められた。上記のパルス電流に伴って障壁部分 ルス状の電流が流れることが発見されて・その動   が発光することが認められ,気体放電との類似か 作機構からこの現象はマイクロプラズマと呼ばれ   らの微小な局部的降伏はマイクロプラズマと呼ば ている。この現象を利用すれば・比較的簡単に雑  れるようになった。(・)

音源として用いうることが予想される。筆者の一 @  マイクロプラズマ.パルスの性質はかなりくわ 人は・低価格のランダムパルス源を検討している   しくしらべられており,(・x・x・)まだ機構の詳細が明

うち戸イハプラズマダイかドがランダムパ @らかになったとは畝ないが,パルス発生は図、

ルス源としてだけでなく・低周波ガウス雑音源と  のような模型で概略あらわされる。図の個々のス してもすぐれた性質をもっていることに気づい

た。       8

 市販の定電圧ダイオードについて,雑音の性     1 質,特に雑音発生の直流領域,パルス間隔のヒス    C−L

トグラム,平均パルス周波数の直流電流値との関    T 係,泊波雑音の電圧値の分布等を実験によって検     1

器としてすぐれた性質をもっていることをたしか       図 1

(2)

イッチはマイクロプラズマに対応し,ON−OFF        直流電流計 が不規則であるのでランダムスイッチと呼ぶこと

にする。Champlinによって,雑音源に関連のあ る性質を列挙すると,

(i) 個々のランダムスイッチのON及びOFF 動作は時間的に全くランダムである。

(ii)個々のマイクロプラズマの性質はOFF→

ON及びON→OFFの平均頻度φ。、,φ、。及び

.1・欝

       1

電流パルスの振巾1、の三つのパラメータできま       図 2

る。       則に変化する三角波に近いものとなる。

(iii)上記パラメータはすべて・ダイオードに加   図2のような回路では,定電圧ダイオードは雑 わる電圧と・温度の函数であるが・1・はほぼ  音電圧が極めて小さい

100mA程度・φ・・と1・は電圧によってはあま   小電力のものでも降伏電圧6V以下のもので り変化せず・φ・・は電圧の変化0・01V程度の間に  はやはり出力電圧が小さいことがわかった,

ほとんど無限大(不導通)から零(完全導通)ま   したがって資料としてはおもにNEC, RD 9A で変化する。      〜RD 35Aの系列を用いた,一般的に電圧の高い

(iv)上記のバィステーブルなON電流の期間   もの程出力雑音電圧が大きくパルス頻度が小さく が長くなると・資料によっては・ON電流の上に   なる傾向をもつ。

更にパルス状電流が重なることがある。このパル   RD−29Aについて,直流電流を変化して雑音 スの平均頻度はもとのパルスの頻度の102〜10   電圧をしらべた結果の一例を図3に示す。図では 程度でChamplinはこのような状態をマルチス

テーブルと呼んでいる。Mclntyreは幾分これに    rの  ∧        」 、       020 対して否定的である。

(・)各ランダムスイ・チの独立性は明らカ・では 讐ω5 ないが,資料によって大部分のスイッチが独立で    竺        電 あると見なせるものと・マルチステーブルな例の   圧ひ o ように極めて強い相関をもつスイッチ群をもつも    実 のとがあることを考えてよいであろう・   譜σ・5  皿 市販定電圧ダイオードの雑音の性質

り  も

、 1 {A領域

l l

び    ロ

{  1    試料;RD29A

l ,   −33℃

1        −一一5℃

:       R;10kΩ

       B領域       , 、、、

                、、

     、      、       0    07   ひ2   03   σ4   05 m4ノ

 定電圧ダイオードを低インピーダンス電源で駆      直流電流 動すれば,前節のようにバイステーブルな矩形状

ランダムパルス電流が得られ理論的にも性質があ      図 3

る程度予測出来てぐあいがよいが,φ、。が電圧に  かなりの大きさの雑音を発生する領域が,直流 極めて敏感に変化することから電源の安定性に対  0.1mAの近くと,0.4〜0.5mAのあたりのニカ する要求がきびしくなり実用的でない,したがっ  所にあらわれている,便宜上前者をA領域,後者 て実験は図2のように10KΩ前後の抵抗を通し  をB領域と呼ぶことにする。 B領域はすべての資 て駆動することにした,このためダイオードの電  料について存在するわけではなく,RD 24,29,

圧は,ランダムスイッチのON期間中CRの放電  35A等電圧の高いダイオードにあらわれる機会が のため連続的に変化して,前節φ、。の電圧依存  大きい。RD 16A以下の電圧のダイオードでは,

性のためにChamplineも指摘しているとおり,  それぞれ3〜4コずつの観測例で1コもB領域は

理論的検討が困難となる。雑音波形も振巾が不規  なく,RD 29A,35AではB領域があらわれるも

(3)

のが多い。       (写真2),B領域ではほとんど矩形波に近くな  写真1,2はA領域における雑音電圧波形,写   っているのが認められる。(写真3)図4は温度の 真3はB領域における波形である,電流が小さい  影響を示す。温度を下げると雑音電圧が増加して

ときには,電圧波形は振巾の不規則な三角波に近

く逗流が大きくなるにつれて時定数カミ小さく 脇    写真1

維 音σ75

_070

ノミ

f直

)σ05

  2℃ /タミこ

0    005    0.1    0∫5    02θη』4ノ

    直流電流

RD29A I=60μA スヶ一ル 0.2V/cm

      5μsec/cm       図 4

写真2      いるが,その他の点ではあまり顕著な変化はみら れない,同図は更に抵抗Rを変化した場合の結果

も記しているが,この程度の抵抗の範囲では,あ まり雑音電圧は変らないことがわかる。

 図5は電圧の低いダイオードの雑音特性を示

雑 音 電

(V)

0.10

RD35A I−0.、3mAスケー,レ0.05V/。m  圧0.05        10μsec/cm    実        効  写真3      値

 0.1     0.2 (mA)

直流電流

図 5

す。大体の傾向として低電圧のダイオード程雑音 出力は小さくなり,パルスの平均頻度は大きくな る。RD−9AやRD−13Aなどではパルス平均

頻度は数メガサィクル,又はそれ以上に達する。

RD2gA I=0.45mA スヶ_ノレ0.05V/cm     同一規格のダイオードでも雑音出力には大きな

       10μsec/cm    バラツキがある,図6はこの状態を示す。

(4)

(V)

0.15

雑 音 電 圧0・10 実 効 遁

0.05

・       る,またこの領域では電流を調整することによ・フ       て平均パルス頻度,数十から数万ケ/secのパル       スを容易に得ることが出来る。

       図7はRD−29Aの一ケについて電流を変化       したときのパルス数の変化をしらべたものであ         試料;RD19A   る。図はランダム方形波を微分して正方向のパル

        R=10kΩ    (個)        (V)

100,000

       F      均10,000       パ       ル       ス 1,000       数 0      0.1     0.2 (mA)      100      直流電流

・ルス数{_、

     、、  、

−5℃   、_。

・一・・

R3℃      、

LO   雑   音

0.1

  電   圧     0.01実   効   芭

0.001

      図6        10       0.0001

       0  0.4        0.5        0.6(mA)

 W 低顔度ランダムパルス源       直流電流  上記の雑音は本来パルス性であるので,そのや      図 7

やランダムパルス源として用い得るが,特にB領  スのみを計数した結果で,相当広い範囲に頻度が 域で用いるとランダムな方形波が簡単に得られ   変化していること,および頻度の対数が電流値と        かなり直線的に関係していることがわかる,振巾

    傷      はこの間ほとんど境である・

      図8は平均パルス頻度800ケ/secの近くでしら        ‖       べたパルス間隔ヒストグラムで,図中の曲線は実        測値と同じ平均値をもつ指数密度函数を観測個数

頻 度

700

50

0

瀞     ・…ケにあわせて描いたもので・ヒストグラムを

      試料;RD29A

      平均パルス数:800コ/sec       観」則個数;1000コ

0       2.0       .0      6.0      θ.0 m鰍ジ       パルス間隔

       図 8

(5)

これと比較すると,パルス間隔はきわめてよく      写真4 指数分布にしたがっていることがわかる。図9は

平均パルス頻度10000コ/sec近くのパルス間隔 の分布を対数用紙でプロットしたもので,極端に 短かい間隔をのぞき,指数分布を示している,パ

r個ノ 700

頻 度

70

7

.      1.4kc低域ブイルター

 ・ .      スケール 0.2V/cm O.2ms/cm        入力   2V   RD13A R=10kΩ

σ2  σ4  0・6  ひ8  1.0』戊

   直流電流 図 9

ルス頻度100コ/secの近くでも同様きわめてよ

写真5

く指数分布をすることが確かめられた。         18kC低域フィルター  以上のことから,低頻度ランダムパルス源とし     スヶ_ル0.1V/cm O.2ms/cm

て,またはランダム方形波源としてB領域のパル     入力  2V   RD13AR=10kΩ

蕊㌫‡㌫㌻㌶㌶違::繊音の波形を就スペクトラムはこの程度

るとはかぎらず魂状では市販定離ダイわド の周波獅囲では壕である・

たのは臆樋すると共に,更に唱の検討腰 を求めΣt・/Tを蝿圧の分布と≡・

      図10はこの測定に用いた系統図を示し,図11は

:㌶鷲霊隠篭㌶呈㌍任意のレベ竺音波形を切つてゲ品作るた

       めの回路を亦す。このゲートに300Kcのパルス

いる・ @        を通してその出力を鯖すればΣ、。が得られ

 V ガウス雑音源       る。

RD−−9A,やRD−13A程度の定電圧ダイオ

一ドでは,前述の通りパルス頻度の高いものが多    発生源   増巾器  幻、波器一スコ_プ 雑 音 低 域 シンクロ いので,これを低域炉波すれば,音声周波範囲の       _.一        クリッフ

想される。      回 路  写真4,写真5はRD−13Aの出力を1.4Kc

及び18Kcの低域炉波器によって炉波して得ら       図 10

ガウス雑音源として用いられるであろうことが予       .」

一一

(6)

測取翻ら( Rぱフ,

写真6

λ力廟}け7培」,

  出力噛}

ゆ〆 5κ《刀ウン千^)

 巨

2随, 7   2鋼 7  2蛤〃ク  2Sθ〃       2釧105

図 11  .

写真6は,雑音を一定レベルで切った波形と,

ゲートを通過した300Kcパルスの関係を示して

いる。

図、2は結果を正規聯グラフにプ。。トしたも  1・4kC繊フィノレター

       一      スケール 0.1V/cm lms/cm

ので・唖酬波数1・4Kc・18Kcの両方の場合  5。% 。リ。プ

について十分に直線的で炉波された雑音は予想通      パルス 0.5V/cm りガウス雑音とみなしてよいことがわかる。

W む す び

㈹田錫 埴蜘 算 跨99

警 詰

 90  00  :  讐  :  ?

1

o

O.O{

正 規 分 布 特陛

   (㈲99.蛤

   墳蛤9    算    時99

90

80

1

      αo{

↑ozo 3°4°50ω7°80知10D    lO 2。∋°ω50 0708°8。100         (肪)      (%)

   振  巾      ,濃  巾

図 12

1.4KC低族スルター

寸三

一一

一}一

一一

⊥‥ T

i

可上

 i

@1

̀

一一}

   一

@一 一一一

@ 1_

黶@     一

堰│[

L」⊥

 }一

@ト

v_−!一

 RD−29Aや35Aの中から適当なものを選べ ば,ランダム方形波を,又これを微分してランダ  マイクロプラズマによるパルス雑音を用いれ   ムパルスを得ることが容易にできる。しかもラン ば,簡単な回路で比較的大きな雑音電圧が得られ   ダムパルスの頻度を他のシグナルで変調してやる ることがわかった。RD−9Aや13A程度の小電   ことも,きわめてたやすい。したがって,ランダ カ,低電圧の市販定電圧ダイオードの出力を低域   ムパルスの頻度を連続的に調整する必要がある場 炉波することにより,たやすく音声周波範囲のガ  合や,被変調ラソダムパルスを必要とする場合

ウス雑音を得ることが出来る。      は,この方式の雑音発生器はきわめて適している

(7)

と思われる。       (2)A・G・Chynoweth, k・G・Mckay;Jour.

 B領域を用いるときには安定性と再現性の点で     APPIied Physics 30・1811(1959)

幾分不安があるが,この点については更に長期に   (3)Keith S・Champlin;J・ur ApPlied Physics わたる検討が必要である。       30 1039(1959)

       (4)R.J. Mclntyre;Jour ApPlied Physics;32,

   文献    983(1961) (、)G.LPers。n, B. S。wyer,、P,。,.1。、t (5)銚誠;融学誌45・486・(1962)

   Radio Engrs.40,1348(1952)

参照

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