• 検索結果がありません。

金属工学教室 小林俊雄    〃      中  尾  善  信

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "金属工学教室 小林俊雄    〃      中  尾  善  信"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州工業大宇研究報告(工学)No.41 ユ98D年9月      1()3

Ni−32・5wt%Sn共晶合金の過冷凝固

(昭和55年5月31日 原稿受付}

金属工学教室 小林俊雄

    〃      中  尾  善  信

    〃(大学院)柏村隆光亭

Undercooling in Ni−32.5wt%Sn Eutectic Alloy.

      by Tbshio KOBAYASHI        Yoshinobu NAI(AO

       Takamitsし1 KASHIWAMURA

       Abstmct

   Present paper reports a study of sysヒematic challges in microstruchlre of M−32.5wt%Sn eutectic alloy as a runcdon of degree ofし旧dercoolillg. Furthermore, the solidification process of LIIldercooIed e1」tectic alloy was studied by thernlal analy呂is alld Inicroscopic obgervation of quenched specimen. A large degree of undercooling had been produced in bulk specimens.30g,

usillg the glass slag method and silica crllcible. On the varbus collditioll of 801idif{cation,

several specimens were solidified with various undercoo]in911p to 307 deg C, prior to llucleation.

   III the ca5e of fllrnace cool{119, lanleller or allonlalous eutectic stl uctures were ob8erved in specimens solidified at degrees or Lmdercooling less than 13 deg C or greater than l30 deg C,

respectively. Co−ex§itence of these structures was observed at moderate undercoolillg. Both eutecdc structuers becanle filler with increasillg alnount of undercoolillg and cooling rate. In the cases of flrllace and air coohllg specimells, it was observed the undercooHng fo1】owed by recalescence. On the other hald, inthe case of water quenchillg to nlil1{mize the recalescellce, it was Ilot followed by reca】escence.

   About two equiva|ent specimel]s、1111dercooled to an eqLlal extellt below the eutectic tem・

perature, the specilllen cooled h1、vater solidifies with a lanldIar structure. 011 tlle other olle,

cooled in furnace, solidification begins with a11 訓10nlalous stnlctllre. Althougll the eutectic arrest was undercooled by abollt 10 degC, the a日omalous structul e fornled not o11]y during the I〕er{od of recalescence、 but also after cOmpletion of recale§cence to some extent, depellding on the iniUal urldercooling. Quenchillg soon after recalescece of 39 deg C undercooled specilllen retained transiellt structure between lamellar alld anomalous stnlcture.

      る…}共晶合金の凝固組織は.超高純度の金属を利用し,ま

L緒言        た一方向鯛法の朋とともに従来不馴」⇒るい酬

 共晶凝固現象の研究はChalmersらuによって提案さ   連続組織と考えられていたものも規則化,連続共晶化さ れた組成的過冷却の概念をT川er2}が共晶に応用して以   れることが明らかになりi川不純物51や凝固速度,温.度 来大きく進歩し,幾つかの共晶凝固理論が発表されてい   勾配などの凝固…軒牛の役割が解ってきているがこれらは

       昂〜長に隈]寸1る分里rカ{多1、口

.環在,抽蹴且      共品凝固を理解するには按生成,成長を共に理解する

(2)

      1000 冷溶湯中での共晶を構成する二相の相対的成長連度は過

冷度によっても影響を受ける筈で,過冷度が小さい時に     1100 規則共晶に成長しても大きな過冷度ではその形態を変え

ることが予想される。       u1珊

 金属・合金の核生成には存在する介在物に関連した応    己 1200 分の過冷を必要とするが,通常の凝固ではたかだか数   .。

deg Cの過冷却にすぎず,過冷却が凝固組織におよぽす      1100 影響を横討するには不十分である。近年,大きな過冷却

が得られるようになったが,その効果については純金属     1000 または単相固溶体合金の横討が多く、共晶台金のそれは      gロo

必要があるが,共晶合金の過冷凝固はその核生成に非常   までに冷却する問の組識変化を防ぐために約1000℃で に影Eされることが指摘されている:1共晶合金の過冷凝   すべて水冷した。Ni−Sn系状態図の一部を図ヨに示す;31 固組織については核生成のみならず,成長についても過      一

! I

\      1刑℃   ∫

       325

(Ni}       

少ない:)Blg)そして,これらは過冷却の増加による凝固組識       O  lO 20  30 40  50  6G の変化を示しており,このような組織形態の変化と微細      Snl wL%

化によ幟械的韻の改善と鍵性欄告きれているP    図_1Ni.S。平衡状態図

しかし,その詳細は明らかではない。

 本報告ではNi−Ni3Sn共晶台金について,過冷度の大

きさおよび齢後の熱履歴が共晶繊、どのように酬 

3渓験結果

するか,また過冷却を伴う擬固過程を追跡してその組織    3.1.炉冷による過冷凝固曲線と凝固組織

変化を明らかにした。      本共晶合金は後日投稿予定の非共晶合金に比べて過冷

2.試料およ磯験方法     し易いが・7°degCより大きい過脚まムラ朴質

       マン管では困蔑であり,100deg Cより大きい過冷却を

 実験に用いた高純度電解Niは既報と同じものであ   得るためには石英ガラス製ルツボを用い,溶融ガラスと

ワ;1 2)Snは99.99%純度で0』03%Pb.0』02%Cu,0.  溶}号を批拝することが必要であった,

001%Fe,0.003%Sbおよび0.001%Asの不純物を含

んでいる。溶融ガラス中で合金を凝固させる方法により

試料を過冷させたが,既報1・の如くガラ狐溶聞呆持  ]2°°

時間、溶湯過熱度などを変え,再溶解・凝固を繰り返す

ことにより希望する過冷度を得た。試料3⑪9,ガラス20   り1100

9を漂準とし,主にムライト質タンマン管を用い縦型シ    ヨ リコニット炉で溶解した。過冷度が小さい時には石英ガ    誕1卿 ラス製ルッボを用い,再溶辞して大きい過冷度を得た。

ガラスは翻硅酸ガラスを用いた。このガラスは約80⑪℃

      goo

で軟化し始めるが、約1200℃で溶融ガラス中にNiおよ

びSnを押し込み,さらに加熱して共晶合金を溶製した。      o  ] 2 3  .1 5  6 7

 Pt.Pt・Rh熱電対を用いた冷却曲線から過冷度を測      時間, min

定した・種々の過冷度の試料姑び1こ}脚速度を変える  図_2Ni−32.596S。共晶合金の冷却曲線

ことにより温度回復,凝固時間の異なろ同一過冷度の試

料を得てその凝固組識を観察した。試料の一部は凝固途   炉冷で得られた各種の過冷度の冷却曲線を図一2に示 中の所要の時期に水中にタンマン管ごと急冷し,その顕   す。過冷度が小さい時には試料の温度はほぽ平衡共品温 徴鏡維結観察から凝同過程を詞ぺた、試料は凝固後室温   度まで回復するが,過冷度が大きくなると温度回復筏冷

   一   一  一  一       一

一一_−L−一旦c

一 一 甲 一  一 一 一

@  1

一」    1

(3)

105 却曲線は共晶凝固の停点を示しながらも約10deg Cの  示す。13deg C過冷した試料では細かい層状共晶組織を 過冷を示す。そして・過冷度が140deg Cより大きい試料   示すが一部に層間隔の広い層状共晶が見られ,僅かにNi では温度回復は急激に小さくなり・共晶凝固の停点もな   の塊状化が始まっているのが判る。52degC過冷した試料

くなる。炉冷では最大190degCの過冷度を得たが・本実   では共晶中のNiはやや長方形の塊状を呈するものが多 験での最大過冷度は空冷による207deg Cであり・この   くなり,細かい層状共晶とその外周に粗い層状共晶集団 場合は温度回復は小さい。参考までに図中に示した。    も観察される。過冷度の増大に従って共晶中のNiの塊    250      状化が進み,その大きさは小さくなる。107deg C過冷し        た試料では層状共晶は極めて少なくなり,既に塊状化し    200      て大きく成長している粒状共晶集団と細かく粒状化した

8 150

三 100

50

o

Oo

o o

25

20

0      叉 15

0        50       100      150      200       ∨三

      過冷民degC     劇。

 図一3 過冷度と凝固時間の関係

     嵩ξ匿|ll4…1門1, sec  ●

0      50     100     150     200     250

 過冷度と凝固時問の関係を図一3に示す。過冷度が大き      ゜ くなるに従って凝固時間は短くなる。この傾向は過冷度

が50deg Cより小さい時に著しく,150deg Cより大き      00  50  100  150  200  250

くなると共晶凝固の停点を示さなくなるため凝固時間の       過冷度,degC O

差は殆どなくなる・        図_5齢度とNiヌ立径および緬馴と

 図一2に示した冷却曲線の試料の顕微鏡組織を図一4に         Ni粒径の関係

o

o

o

● ●

, ⑳

@   ・濾・・、b)、T=13d,,C

          、

   て      ン        へ

       尋ミ5    c) 47、==52degC       ・      d) 47、=150degC        ・〜        .・

       e) 」7、=: 190degC          ... 人  誕〜   一

図一4 種々の過冷度で凝固した賦料のミクロ組織

(4)

 共晶集団から成る。150degC過冷すると細かい共晶集   約20%の層状共晶を示すのでその凝固過程を調ぺるの  団はなく・Ni3Snの地に粒状化したNiが均一に分赦す   に部合がよい。炉冷で過冷度が100deg Cの試料を所要

 るようになる・190deg C過冷するとNi粒はさらに微細   の時期にすばやく炉から取り出し水中にタンマン管ごと

化するがより醐難状 Niの共闘三団が寵混在する 急冷し訪るい罐固蹴随気炉に嗣して酬の凝

 ようになる。空冷で207degC過冷した試料ではその凝   固時間を長くし,その凝固組織の観察から凝固過程を調

固繊の形態剛一4・・と肌であるカ;・Mの粒径はさ べた.鯛を開始した試料の温度回復は水冷によっても

らに小さくなる・櫛洪晶として凝固している雛につ 趾できないので温度回復のな哺料は齢の状働、

いて過冷度とNi拉齢よび凝固時P』とNi雌の関係 ら齢して丁度100d・gC齢したものを酬した.図

を図一5に示す・        −6に冷蜘線および齢時期を示す.図中ぷ蹴通電  32・過冷瀦畷固過程      によ・順固日調露くした胎を示す。

 以上の結果はNi−Ni轟n共晶合金の炉冷凝固では,過

冷度が小さ岬は層撒闘織として凝固するが齢度  13°°

鞠すとNiが粒状化した粒状端力ζ現塊過鞭の  12。。

増大とともにその量を増しNiの粒径は小さくなり約

130d・gCよ吠きく過冷するとすべてが粒状共晶繊 

Pl1。。

となる。これは過冷度が大きければ拉状共晶組織として   二 凝固することになるが,冷却曲線を見るならばそれ程単   吉 ]ooo 純ではない。すなわち,凝固開始に先立ち過冷却を示し

ても凝固が始まると凝固潜熱のため試料の温度上昇が起     goo こり共晶停点を示して凝固を完了する。例えば,107deg C

の初期過冷があった謂も憾による灘回看夏は約1・  8°°・1,3456,89

deg Cの過冷はあるが共晶停点を示して凝固を完了す      時間. mh,

る。共晶温度から13deg Cの過冷度で凝固した試料は層

状共晶として晶出しているので、この共晶停点が粒状共        図一6 冷却曲線と凝固過程

晶を晶出することにはならない。      これらの試料の凝固組織を図一7に示す。温度回復を示  ]07deg Cの初期過冷があった試料では凝固開始から   さない試料の組織が図一7・aおよびbである。タンマン管

共晶停点への回復に15秒を要し・共晶停点の時間は60秒   の肉厚は約2mn1あり,これにガラス層が存在するため である。もし過冷が少ない共晶停点での凝固が層状共晶   水冷であっても凝固潜熱の除去は完全ではなく,その一 となり核生成から温度回復過程での凝固が拉状共晶にな  部は試料の温度上昇に寄与するものと考えられる。また,

るならば 過冷状態での凝固速度は過冷度が増すに従っ   試料上部には約25mmのガラス層があるので熱は下部

て大きくはなるが・拉状共晶と層状共晶の割合は凝固時   に向って多く流れ,上部の冷却は遅れ凝固組織に差を生

間に比例する1:4が一応の目安にはなる。しかし,こ   じている。試料上部ではNi針状晶をNi3Snが取り囲ん

の試料には僅かの層状共晶が見られるだけである。これ   だ本の葉状の組識も見られるが,大部分は細かい層状共 らのことから・例え溶湯が共晶停点(僅かに過冷はして   晶組織である。これは過冷却だけが凝固組織を変えるも いるが)にあっても初期過冷の有無により凝固に差があ   のではないことを示している。しかし,試料下部の水冷 ることが判る。この差をもたらすものは初期過冷の大小   初期に凝固し,熱流にさらされる部分では既に桂状共晶 と凝固開拍後の温度回復が考えられる。過冷後の温度回   化した組織が見られる。

復が凝固組識を変えの事実は白鋳鉄の共晶組織について    温度回復が共晶停点に到達するまえ,すなわち凝固開 報告川されていろが その時の過冷度はたかだか30deg   始より7秒後に水中に急冷すると極めて細かい拉状共品 Cであろ。      とくずれかけてはいうが未だ陪状共晶と見ることのでき  炉冷で100deg C過冷した試料:±凝固開始後温度回復   る組織が共存している。凝固開始後20秒で,共品停点に

して共晶停点を示し,その凝固担識は粒状共晶とともに   回復した時水冷した頴織を図一7・cに示す。水冷時には

1〔、

I 11

1

(5)

107

着   P  ゑ i鶯      ・

×150×%

図一7100degC過冷試料の経過時間に伴う凝固組織変化

   (a)試料1(試料上部),(b)試料1(試料下部),(c)試料3,(d)標準試料5,

   (e)試薯三斗7, (f)試ホ斗9

溶湯であり水冷効果が著しい細かい層状共晶,水冷時ま     30 でに幾分成長しているNiが粒状化した粒状共晶および     25 その外周部でNiが放射状に成長した粗い共晶が観察さ     20 れる。炉冷の標準組織を図一7・dに示すが層状共晶組織は   惑 15 少なく・塊状の集団としてNiが観察される。塊状のNi   詰 lo は凝固時間の経過に伴って成長しており,成長するNi

      5 問に点在した微細な粒状Niは減少しているのが判る。

 通電により凝固時間を長くした試料の凝固組織を図      00 1 2 3 4 5 6 7  19 20

−7・eに示す。この組織ではNiは丸味を帯びて大きく成      助問, min 長しており,これら粒状Ni問に点在していた微細なNi

       図一8 経過時間とNi粒径の関係 粒は減少し,この図では殆ど観察されない。所定以上に

凝固時間を長くすると試料の外周部が一部溶解すること

にもなり,この溶湯からは周辺から中心に向って粗い層   明らかになった。130deg Cまでの過冷度では冷却曲線 状共晶が晶出するようになる(図一7・f)。なお,層状共晶   上で幾分の共品停点の過冷はあるがほぼ共晶温度に回復

として凝固した組織は共晶温度以下の高温に二時間程度   し・停点を示している。もし過冷がなければ勿論共晶温 保持しても,Niが粒状化することはなく,この合金がと   度で停点を示し層状共晶として凝固する。100 degC過

くに粒状共晶化し易いことではない。      冷した試料では炉冷させると温度回復し・停点を示しな  以上で示した組織の中で,点在する細かいNi粒状晶   がら層状共晶は冷却曲線から推測できるものより少ない

ではなく,成長しているN{粒径を測定し凝固経過時間   ことを示した。このように初期過冷の有無・またはその との関係を調べた。これを図一8に示す。これから粒状Ni  大小によって共晶停点での溶湯は層状共晶に凝固できる は時間とともに成長し,これに対応して点在する徹細Ni  部分と粒状共晶としてしか凝固できない部分があること 晶は減少することが判る。       になる。

 層状共晶合金を過冷凝固させると粒状共品組織を生ず    それ故・過冷して核生成後温度回復して共晶停点を示 る。この変化は凝固開始後の温度回復中に大きいことが   す130deg Cより小さい過冷度の試料について、凝固開

o l l l

(6)

始後共晶停点に温度回復した時タンマン管ごと試料をホ   冷度がそれ以上に増加してもそれに比例して増加しない 中に急冷してその凝固組織を調ぺた。この時の冷却曲線   のは,共晶停点に回復した時に存在する溶湯丑が減少す を図一9に示す。これらの組識を75倍の倍率で撮影した   ることと冷却速度がはやくなるためと考えられる。

数ヶ所の組織写真から層状共晶と粒状共晶を識別してそ    3.3.過冷却後の熱履歴が凝固組織に与える影響 の割合を測定し,過冷度との関係を求め図一10に示した。   過冷後の温度回復が凝固紐識に形響することが判っ 図から125deg C程度過冷すると共晶停点に温度回復し   た。ここではそれがどの程度の影響があるのか、また冷 た時水冷しても層状共晶に凝固できる溶湯は存在しない   却連度の差がどのように影響するかを調べるために過冷 ことになる。事実,130deg C程度過冷すると試料はよう   度が50,100,150 deg Cの各々についてそれぞれ炉冷,

やく共晶停点に回復できるほどになり,試料全体が粒状   空冷,水冷の条件で試料を凝固させた。その冷却曲線を 共晶組織となることは既に述べた。       図一11に示す。図中炉冷だけは横軸の単位は分で示して        いる。水冷の場合,各過冷度で水中に急冷しても凝固潜

u       ・      る。特に過冷度が大きい程この傾向が強く,従って凝固

口ll°°         時間も長くな囎織にも㈱することになる・炉冷と空

一ゴ      冷の温度回復は空冷の場合にやや少ないがその差は匝少   ]000       である。しかし凝固時間には大きな差があり,従って両        者の凝固組識の差はこれに基づくものと考えられる。

  goo

       …浩問      時1川,min

       ⑪    】   2   3   4    5    6    ?       図一9 過冷度と水冷時期      1200

      0 1150

工oo

  80

. 60

三 40   20

●:}戸冶凝固

福撃奄蕪x回復[lf[後に水冷凝固

o

     o

h

●    o        o

過冷却の後鵜鮪に回復し塒礪料のi容湯部はほ ,、1°°° 一、、     \、

      コト       ベ

      へぽ図ユ1°の層状端部と穀てよい(図中白丸で示して  95°  \ 。τ=15。d。,C あろ)・しかL炉満1固の謡にこの醒の層状共晶が    ]。 20 3n 4。

顕訊ないことから洪晶停烏こおけ鍛固でも粒状      ‖引{いec

共晶化することが判る。炉冷による凝固完了後の層状共

晶の割合を過冷度との関係で詞べ,同じく図一10に示し    図一ユ1 孤々の過冷度における炉冷、空冷、

た。図中黒丸がこれを示す。同一過冷度における黒丸と        水冷による冷却曲線

白加差が堅回酷の共蹄点での猷端凝固囎J    喘一 …一鉱一一一一一一水冷

合を示すことになる。過冷度が30〜80degCの範囲では    以上の冷去‖条件で凝固した試料の凝固組織を図一12に 共晶停点での粒状共晶凝固はかなりの割台を占める。過   示す。

        ・、     」アニ50degC

      ll50    1    1

      二1;::\7[司一 

      、、

      :冨      \

°。 ,。 1。。 15。  巾1°°°  ・1 、T.1。。d,gC        過冷胞dcgc     11。。    1

図  状共晶 

(7)

109

炉冷   、..  空・冷      水冷

×150×%

図一12 種々の過冷度における冷却条件による組織変化

 50deg Cの過冷の場合,水冷でも温度回復を示すため    次に冷却条件ごとに過冷度の増大に伴う組織変化を観 すべてが層状共晶組織とはならず,一部は細かい粒状共   察してみる。炉冷については既に示した。空冷の場合も 晶組織に変化している。しかし空冷になると層状共晶組   この傾向に変りはなく,全体に徹細になるにすぎない。

織は大幅に減少し,粒状Niは角張った塊状に成長して   水冷の場合には粒状化したNiの大きさはほぽ同じであ いる。層状共品近傍では幾分長形で層状共晶の形態に近   るが,層状共晶の割合は過冷度が小さい程多くなる傾向 い組織も見られるが微細なNi粒状晶も硯察される。炉   を示し,150 degC過冷した試料には層状共晶は観察さ 冷では層状共晶はさらに少なくなり,Niは角張ったやや   れない。これは過冷度が増す程凝固速度は大となり一時 長形に空冷の場合よりも大きく成長し,微細なNi粒晶  期に放出される凝固潜数は大となるので,本実験での水 は少なくなる。      冷条件では完全に潜熱を吸収することができず試料の温  100deg C過冷の場合も50 degC過冷の場合と傾向は   度上昇に費されたためと考えられる。

全く同じで,組織が全体に微細になっているにすぎない。

      4.考 察

150deg C過冷の場合はどの冷却でも層状共晶は観察さ

れなくなる。共晶中のNiはどの冷却でも粒状を呈し,そ   共晶の過冷凝固についてPowellらはAg−Cu共晶合 の大きさは冷却速度が大きい程小さくなる。また微細な   金を用いバルクの試料で80〜90deg C過冷させ,層状共 粒状集団は水冷た多く,空冷で減少を示し炉冷では存在   晶と allomalOUS と名付けた粒状共晶の二つの型の共 しなくなる。これは凝固時間の増大がこれをもたらすこ   晶組織を見出している7〕。しかし・過冷却の後温度回復が とは前節で述べた通りである。       観察されなかった試料では組織は完全に層状であると報

(8)

告している。NLNi3Sn共晶合金についても炉冷による   うな4…件では界面から液相に向って温度が降下した負の 報告では8ハ川(この場合には温度回復がある筈)組織は過   温度勾配を呈しいわゆる温度逆転を生ずる。固・液界面 冷度によワ層状共晶と拉状共晶を生じ,過冷度の増加に   前方の液相中の温度勾配が正であるか,負であるかに 伴って粒状共晶組織が増加すると述べており本実験と全   よって僅かの同じ過冷度でありながら成長機構は異な

く一致する。      り,凝固組緑が異なることはよく知られている↓9戊しかも  過冷溶湯から粒状共晶が生ずる機構については幾つか   大きな過冷度からの凝固開始であれば,凝固組識は大幅

の提案がある。徳井らは層状共晶と粒状共晶に晶出する   に変ることが考えられる。

臨界の過冷度がありこの過冷度より大きい過冷度では粒    Ni−Ni3Sn共晶合金の準断熱凝固を考えると,ある過 状共晶として晶出し,温度回復によりこの過冷度よワ小   冷度でNiが核生成したとすれぼそれによって核生成点

さい過冷度となった後は層状共晶となるとしている。し   を中心に凝固潜熱により温度上昇する。過冷度が小さい かし,大きい過冷度で凝固が始まっても温度回復を阻止す   時には引続く核生成は核生成点のまわりで潜熱の拡散速 ると層状共晶組織となるので臨界過冷度は意味をもたな   度より遅い速度で進み,また大きい過冷度では潜熱の拡

い。       散速度より速い速度で進むならば,大きい過冷度では粒

 Kattamisらは過冷した溶湯からまずN{を過飽和に   状共晶に,小さい過冷度では核生成点からある距魔以上 固溶したNi35n 固溶体が晶出し,これから温度回復中   離れて残っている溶湯は過冷がない通常の層状共晶とな

にNiを析出するためとしている3JonesはNi−Ni轟n   る。

系では過冷による凝固は coupled mgion カI Ni側に    一方,固・液界面前方の液相中に正の温度勾配をもち 広がるA型になるので,Ni−Ni、Sn系共晶合金ではKat・  成長が核生成に優先するなら,大きな過冷度でも凝固の tamisの考え方によることを支持しているとOlしかし,著   進行は粒状共晶とはならず層状共晶となるであろう。

者らの測定ではA型にならなかったし,B型となる   中間の条件では過渡的状態として層状共晶と粒状共晶

Ag−Cu系共晶合金川でも過冷凝固により粒状共晶組識   の中間的組識が現われてもよいと思われる。それは層状

となるのでこの機構によるとは考えられない。      の形態を留めながら核生成の傾向を示すもので,組織と  Powe1{らによるAg−Cu共晶合金の過冷凝固の研究   してはくびれをもっ連続共晶であろう。

で一部に鉛ガラスが用いられているが,これから試料中    図一13に39deg C過冷して凝固を開始し,共晶停点に に鉛が混入しこれによる共晶組織のモディフィケーショ   まで温度回復した炉冷試料をタンマン管ごと水冷して得 ンの結果とも考えられている乙㌧かし,各種の共晶合金   た顕微鏡組識を示した。明らかに層状共晶と粒状共晶組 すぺてが炉冷による過冷凝固で層状共晶が粒状共晶に組   識の中間状態にあろことが判る。すなわち,層状共晶中 織変化するので,本実験に用いたガラス中に含まれる不   のNiは各所でくびれている。図一13・bは同一試料であ 純物元素の種類が限られること,ガラスの種類を変えて   り,層状共晶の傾向は強いがそれでも粒状化も起こりつつ

も同じ結果が得られること,温度回復がない時過冷却が   あることを示している。また,強く潜熱の影響を受けた あっても層状共晶となることなどから,組識変化が不純   部分は完全に分断・粒状化し,その径も大きく成長して 物だけに依存するとは云えない。      いた。

 大きな過冷却と温度回復があれば粒状共晶組織とな    以上のような中間的組識は凝固完了後の試料には極め ワ,温度回復がなければ層状共晶組識となると云う事実   て少ないことから,一度このようなくびれをもつ組結が はこの変化に温度回復が強く影密していることになる。   得られるならば共晶温度を持続している問に分断される 遅度回復は同じ過冷度で生成した核の成長条件を大幅に   のであろう。100deg C過冷し温度回復途中で水冷した

変えることが予想される。      試料にはくびれをもっ組続は少ないが,これは過冷度が

 液摺と固相との界面の移動として成長を考えると,発   大きいために共晶停点まで温度回復した時には既に粒状 生した凝固潜熱が固相を通って除去され固・液界面前方   化し終ったとも考えられる。一方、前述のように温度回 に正の温度勾配をもっのが温度回復を示さない場台であ   復があろため層状共晶として成長し陛く,Niが核生成を り,凝罰潜熱の除去を稿摂的に行なわない炉冷の場合は   蘂り返す過渡的状態として上述の組識を呈したのであっ 凝固は進断熱的であり固・液界面は浬度上昇し,このよ   て分断の過程の一時期ということではないことも考えら

(9)

111

, ・       .      図一14に温度回復直後に水冷した試料に見られる中央

竃・ ,   勿 欝 隻鑑隠漂1隠㌶‡鷲:寡

   、!11/・       水冷試料だけに現れる。同様の組織はPowel1らηも認

      ,・・   .   鞭     ・  一.

       叢 一 囎,罐

N s

竃,・鑛

    ユ^..鯉    .∴._,裏..±」    ,_、       .x150

       ×150      図一14 中心にNiのribをもつ木の葉状組織 図一13 Mがくびれを示す共晶組織

れる。いずれにせよこのような組織の出現は熱的に,特

       5.結 言 に温度回復の過程では不安定であり分陛独立するものと

考えられる。しかし,このようなくびれたNiを含む共晶    以上の実験結果は次のように要約することができる。

組織は初晶樹枝状晶と同様な状態で溶湯中に存在するの    (1)本実験で共晶合金について得られた最大過冷度 ではないし,溶質の偏析もないので,温度回復による二   は,炉冷では190deg C,空冷では207degCであった。

次枝の溶断と全く同じ機構を考えるには無理がある。    炉冷で100deg C以上の過冷度は石英ガラス製ルツボを  層状共析組織が粒状組織に変化する例は銅中のパーラ   使用して得られた。

イトの球状化焼鈍があり起こり得ない現象ではない。本実    ② 炉冷の場合,小さい過冷度では共晶温度まで温度 験での試料の凝固潜熱による温度回復は,例えば約150  回復するが,過冷度が大きくなると温度回復後の共晶停 deg Cの過冷度の時約7秒で100deg Cの温度上昇とな   点は平衡温度より10degC低い。

る急激なものであり,過冷時に層状共晶として晶出して    (3}炉冷の場合の組織は約15deg Cの過冷度より層状 も温度回復中の過程で粒状共晶に変ることが無いとは云   共晶中のNiの粒状化が起こリ,過冷度が大きくなると粒

えない。       状共晶が増加しNiの粒径は小さくなる。約130degCの

 Murtyら9,およびKattamisら10}によるとCo−Sn,   過冷度でNiはすべて粒状化する。

Ni−Ni3SI1共晶合金の過冷凝固の研究で生じた粒状共晶    (4)共晶中のNiの粒状化は温度回復中に著しく,共 組織を約10μつつ削り取りながら立体的に観察すると,   晶停点においても粒状化は進行し,その粒径は時間とと 共晶中の粒状のα相は互に接触した,すなわち連続した   もに大きくなる。

網目を形成していると報告している。また,この網目は    ㈲ 同じ過冷度でも核生成後の熱履歴は凝固組識に影 Co−Sn共晶合金では共晶温度以下37deg Cに数時間保   響し,温度回復を伴わない過冷凝固は層状共品組織とな 持すると球状化して分離する不安定なもので,接触点での   る。

収縮により個々の粒への独立は短時間に起こると述べて    (6)炉冷による過冷凝固の過程で,層状共晶と粒状共

(10)

晶の中間状態であるNiのくびれた層状共翻齢・{尋ら 9)Y・V・VRS・M・・…T・Z・K・tt・mis」・C「ystal G「°uth・

れ,この組織はその繊n蹴ととも1こNiは分蹴 1;2=ll∴i。W、R、M。、,,C、、,。Sd・d S、、,, C。.L 2。d 立する。       〔2〕日974).3田..

      n}小林・中尾・池田・九州工業ナ:学研究報告(工学)・Nα39・

       1979,87.

      参 考 文 献       12)小林.中尾・山下・村山:九州工業大学研究齪告(工学)・No・

1)J・W・R・・・…B・Ch・lm・r・・C肌J・Ph・…31{1953)・15・  40198。,39

・}W・A・Tm…Ll・・ld M…1・a・d S。lidificati°nl ASM @I3㍍1. H、,、1,、C。n、輌。 DfB廟, All…,L・・d・・(1958)1  {1958}.3D4.      1043

!1伊Jえば・KA・J・・・…」・D・H・nt・T蹴AIME236U966}・ 1、)宇威佐・木,芹田・醐・・(19・2).・.

1129・      15)徳井、松田:三肱42{1970〕,319.

4)G・A・Chadwi・k・J・1・・L M;tals・91(]963)・169・   16〕B. L J。、⊇,・、 T・・n・.,2〔1971}12950.

5)GACh・d・i・k・P・・9・…mM・t・・i・1s鞠ce・12(1964)・

@1,)中尾.,J聴日本鋼舗撒{1973,1・月),・6エ 97・     一       ]8〕B.LJ・ne・, GM.W・・t。・, R・T・S・・Lhi・・」・C汀・t・1

6〕A・K・fl…Z・M・t・旗・・41〔19 °1 221・   .  G,。wth.1・{1971),313,

・)G・LF・P・w・IL L M・H・・…J」・・L M・tals・93{1964〜6°)・

@19)W. G.・1・i。,g、,d、A、1。…d…i・・巳・h・S・lifi…i…[

 505・      ,       hletal5 19

8}T.Z. Kattamis, M. C, Fleming51 MeしTran5・11{19 OL         

 1449.

参照

関連したドキュメント

燃焼室全周が完全に水冷壁と なっています。そのため、従 来の後煙室がなくなりボイラ

9 時の館野の状態曲線によると、地上と 1000 mとの温度差は約 3 ℃で、下層大気の状態は安 定であった。上層風は、地上は西寄り、 700 m から 1000 m付近までは南東の風が

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

るものの、およそ 1:1 の関係が得られた。冬季には TEOM の値はやや小さくなる傾 向にあった。これは SHARP

り減少( -1.0% )する一方で、代替フロンは、冷媒分野におけるオ ゾン層破壊物質からの代替に伴い、前年度比 7.6 %増、 2013 年度比

ⅱろ過池流入水濁度:10 度以下(緩速ろ過の粒子除去率 99~99.9%を考 慮すると、ろ過水濁度の目標値を満たすためには流入水濁度は 10

連続デブリ層と下鏡との狭隘ギャップ形成およびギャップ沸騰冷却

⼝部における線量率の実測値は11 mSv/h程度であることから、25 mSv/h 程度まで上昇する可能性