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Early stage of progressive supranuclear palsy: A neuropathological study of 324 consecutive autopsy cases

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

Early stage of progressive supranuclear palsy: A neuropathological study of 324 consecutive autopsy cases

進行性核上性麻痺の早期病変

–連続

324

剖検例における神経病理学的検討-

日本医科大学大学院医学研究科 神経・腎臓・膠原病リウマチ学分野 大学院生 野上 茜

Journal of Nippon Medical School (2015)

掲載予定

進行性核上性麻痺(PSP)は1964年に初めて疾患概念が確立された。神経症候は垂直性眼球運動障害、仮性 球麻痺、体幹に強い筋固縮、認知症を主徴とし、病理学的には線条体、淡蒼球、視床下核、黒質、橋、延髄に 神経細胞脱落、グリオーシスを認めることが特徴である。その後の研究により、PSPは生化学的に神経細胞、

グリア細胞内に異常リン酸化タウ蛋白が蓄積するタウオパチーであることが明らかになった。タウアイソフォ ームの解析によりPSP4リピートタウオパチーに分類される。

最近、神経変性疾患では、臨床症候を認めないが病理学的変化を有する「preclinical stage」の存在が報告さ れ、病態や治療を検討する上で非常に重要と考えられている。本研究の目的は、PSP早期病変の頻度とその病 理的特徴を検討することである。

方法は、高齢者連続開頭剖検340例のうち324例で48時間4%パラホルム固定した中脳に対し免疫染色を行 い、PSPと関連が深い4リピートタウ(RD4)陽性・3リピートタウ(RD3)陰性の神経原線維変化(NFT)

あるいはpretangle、かつtufted astrocyteを認めた症例を抽出し、PSP早期病変の病理的特徴を明らかにする ために、その症例の被殻、淡蒼球、視床下核、中脳、小脳、橋、延髄、大脳皮質に抗リン酸化タウ抗体免疫染 色を行い、各部位でのNFT、pretangle、tufted astrocyteを半定量的に評価した。カルテを後方視的に確認し、

認知症、パーキンソニズム、眼球運動障害の有無を調べた。

324例中35例(10.8%)に中脳にRD4陽性NFT、pretangle、tufted astrocyteを認めた。35例のうち5 例は神経病理学的にPSP、1例が大脳皮質基底核変性症(CBD)と診断された。残りの29例のうち21例は神 経病理学的に他のタウオパチーを合併し、8例がタウオパチーの合併を認めず、この8例(2.5%)が PSP 期病変と考えられた。PSP早期病変の神経病理学的所見は、8例中、NFTpretangleが黒質に8例、小脳歯 状核7例、淡蒼球6例に認めたが、Tufted astrocyteが観察されたのは1例であった。8例の臨床症候は、1例 で認知症およびパーキンソニズムを認め、1例で軽度の認知機能障害を認めたが、眼球運動障害は認めなかっ た。

第二次審査では本検討の臨床的な早期診断への応用、免疫染色の有用性や他の4リピートタウオパチーとの 鑑別、神経細胞、グリア細胞へのタウ蓄積と細胞死の関連、対象症例の臨床的特徴についての質疑が行われた が、いずれも適切な応答がなされた。

本研究では多数の連続剖検例から 病理学的アプローチでpreclinical PSPを抽出し、その頻度と病理的検討 を行い、PSPの病態解明に重要な役割を担うと考えられた。以上より、本論文は学位論文として価値あるもの と認定した。

参照

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