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本園における保育評価の実際 松丸 令子・山路 純子

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茨城大学教育学部教育研究所紀要14号特集(1981)gg_112      gg

教 育 評 価 の 現 状 と 問 題 点

本園における保育評価の実際

松丸 令子・山路 純子

(1981年10月31日受理)

1.保育評価について

一般的に言えば,幼稚園教育とは幼児の中に新しい価値の実現を目ざしての活動であり,評価と は保育によって生じた幼児の人格や行動の変化を,一定の価値基準によって判定する過程であると 言われている。また,当然のことながらそれは,その後の実践過程の中でどのようにして実現して 行くのが望ましいのか,価値実現への手がかりとして役立つものでなければならない。しかし,保 育という営みは多岐にわたるものであるから,それに伴っての評価の対象,方法・手段・手続き等

も極めて多岐にわたることを忘れてはならない。

ちなみに,幼稚園教育要領並びに指導書一般編をひもとくと,次のようなことが述べられている。

指導の過程や成果については,たえず反省や評価を適切に行い,その改善に努めること。 とあ

る。

つまり, 保育の結果の評価 と 保育の過程の評価 を車の両輪として大きく取り上げている。

保育(指導)をした結果一人一人の幼児がどのような指導のねらいを達成したかと言う評価が必要 である。それには,経験や活動を通して達成されるものであるから,幼児がどのような活動にどの ように取り組み,その中でどのように発達して行ったかの評価もなされなければならない。さらに 1  は,このような評価は,次の保育の予測,つまり予測としての指導計画の評価でもある。また,保 育の過程においては,予測した指導計画に対して,幼児の要求や反応の方向が変ったりした場合に は,幼児の活動も,ねらいも,一人一人の幼児にとって意味のある方向に軌道修正をしなければな らない。そのためには,常に評価しフィードバックをさせて行く必要がある。従って,保育の過程 における評価こそ,保育の評価の中心であると考える。

勿論,評価は保育のすべてにわたらなくてはならないから,その対象となるものにはまだまだ挙 げられよう。例えば,。保育環境の評価 。知能,適性の評価 。人格,行動,道徳性の評価 。身 体,健康の評価 。友達とのかかわりの評価 。教師とのかかわりの評価 。教師自身についての 評価……などがそうである。

以上のように考えたとき,両輪と言う言葉で前述したが,かつて世界的にカリキュラム開発と言 うことで,子供に合ったカリキュラムと言うものを作り出して行こうとの動きが非常に盛んになっ た頃,ブルームと言う人が言った 総括的評価 形成的評価 が大きく浮かび上がって来るの である。うのみにすることは危険であるが,子供に対してレッテルを貼るとかはみ出しっ子と言う ことではなく,教師自身の対応がよかったかどうかとの反省に置きかえ,或る程度長い期間をかけ てやって見て,最終的にどうであったかと点検する総括的評価,また,さまざまなプロセスの中で,

常に点検しこれでいいのかと点検する形成評価,この二者を分離しないで実際に生かして行くこと

(2)

が大切なのであろう。

2.評価の重点は保育(指導)の過程に

評価の中で最も大切なものは,何と言っても毎日行われる保育,つまり教師の実践活動の評価で ある。その日の保育の中で その子供にどのような対応が出来たか その対応の仕方によってそ の子はどのように変化して行ったか これからその子供はどのように伸びて行くと予測し,どの ような指導が必要となって来るのか と言うとらえ方を子供の側に立って考えて行くことが保育す るものの反省となり,その日の保育の評価ともなる。また,これらの反省・評価を長期的に行って 行く中に,一人一人の子供の発達の姿が浮きぼりにされてくるのである。

2(1)保育のねらいと評価

教師がねらいをたてるときには,子供の発達の姿(興味や関心,欲求など)をもとに,活動の発 達の段階から最もこの子たちに適当であると予測してたてるわけである。しかし,子供は一人一人 異った発達をしているので,どの子供にも達成させようとの無理じいはきかない。子供が自分で動 き出す力を信じ,内から育って来るものを待つと言う教師の態度が重要になって来る。この意味から 保育のねらいも,一つではなく多様なねらい多様な段階のねらいをもつことがよいと思う。また,

毎年の実践記録から割出して子供たちの発達の方向性や順序性を押さえて予測してたてる場合に,

その時々に一人一人の子供に合わせて変えて行けるよう弾力性をもたせておきたいものである。

2(2)活動の発達と評価

その日計画した活動は必ずしも予想通りには行かないものである。子供たちは思わぬ所に活動の きっかけを見出して行くことがある。それはなぜか,どんな所に原因があるのかと反省し検討して 行くことも大切な評価である。また,子供の自発的な活動をよく見つめ,そこに潜むねらいを読み 取り,必ずしも教師の予定した活動にとらわれることのないように弾力性をもたせることが,子供 たちにとっては生き生きと主体的に活動に取り組んで行くことになるであろう。

2(3)指導方法と評価

ねらい 経験や活動 を生かすものは 指導方法 である。それぞれの ねらい 験や活動 に見合った材料用具の質。量・時期など,又は友達とのかかわり合いなど,さまざまな 配慮について子供の反応をとらえ,教師の実践活動を活動のプロセスに従って評価して行くわけで ある。つまり,子供と環境のかかわり合いの評価である。

2④ 教師自身の行動と評価

(1)〜(3)までの項に当然含めて考えてよいものであるが,保育にとって特に大切なことは自然の発 達とともに,教師とのかかわりの中で子供の欲求が満足され自己を実現して行くということである ので項を新たにしたわけである。要は,子供を望ましい方向に変容・変革させることで,そのため にはまず教師自身が自己を向上させるための自己変革が必要であり,常に自己評価をして行かなけ ればならない。

(3)

松丸・山路:教育評価の現状と問題点       101

2(5)指導計画・指導過程と評価

前述の(1)〜(4)はいずれも単独で考えることは出来ない。保育の計画は, このような子供に と 言う子供を取り巻く親・教師・地域等の願いに結びついて行く道筋のようなもので一人一人に合っ たものでなければならない。ゲゼルの発達論のようにら旋状に発達しているが,そのテンポやリズ ムはみな異っている。従って,他の子供との比較においての評価ではなく,その子供なりのペース のみを生かした指導計画が重要であり,それは常に反省・評価・考察そして次の指導計画の中に十 分生かして行くことである。

3.本園における保育評価の実際

日々の保育は日常的な繰り返しが多く惰性に流れたり,また問題となる物を見落してしまいがち である。従って,絶えず反省・評価をしながら保育を,そして子供を見つあ直して行かなければな

らない。次に,当園で試みている教育評価について述べてみたいと思う。

3(1) 1日の保育の中での評価

明日への保育に向けて日案を作成する。準備する環境が適切であったか,子供たちはどのように 取り組んでいたか,適切な援助や言葉かけが出来たか等について次のような反省・評価を行っている。

3年保育・3歳児学級の保育日誌から,

3年保育3歳児 6  月  (第  3  週 ) 昨年度の活動の流れ 子山羊・・こ ∈亟三…) のりものこ・こ

子山羊ごっこ      一一一一一一一一

積み木      基地ごっこ 活 動 の 流 れ

       (洗濯機)一ままごと

お城ごっこ

@どろぼうごっこ 画館ごっこ

日 ・ 曜 20 日 (金)       21 日 (土)

・活動のきっかけ 子山羊ごっこ △       年長組と遊ぶ△△△①③

・教師のかかわり方 ・動物帽子を被って歩くが遊びは発展してい ・年長組が劇あそびに誘う。

かない。       ・劇を見る・おみやげをもらってくる。

・加わる人数

@(男女の比率)

璽とばからお面作りが始まる.,警…繍繰な。というつぶや唖)③△△△    1き

・遊び道具

@使い方・種類

・⑩の経験話から遊びがはじまる。 ( 1。①は暗くするために囲いをする

E①木製ス…    駒・映画だと言・て入り・んで遊ぶ

(数 ) 自動車ごっこ △△△      ) , 基地ごっこ

・各種技能 E活動の深まり

:獄儲謙てもらうll:箋膝饗欝使。_め先取権・1個の積み木を押して遊ぶ 副を軌

想像・模倣・ おうちこっこ△⑩      ・△積み木をほしいと⑦に言いにくる      8

{創造(課題・

・ままごと道具 小麦粉粘土を入れる①1 ・約40分△がリーダーシップを取る 追求)

図1③④⑥⑨      1      (今までに初めてのこと)・①の作った洗濯機を見つける    1 洗濯やごっこ ②④

・ダイヤルを回し洗っては干す    1  ・洗濯機で洗っては干す

・活動の高まり

@(日 数)

・洗濯物を届ける         1  ・ままごと道具を並べるお城ごっこ ⑥⑧ミミ_  !  ・小麦粉粘土の料理を作る。

(4)

       お城ごっこ ⑨④⑩←②①③・衣裳を身につけて遊ぶ       △

・友だちとのかかわり ろぼうごっこ ①⑤⑦         ・かんむりやチュールを身につけて遊ぶ

(ことば・けんか仲間意識) ・①昨日の遊びからめがねの材料を用意する ・⑦の用意した衣裳を見つける Eめがねを作る・家の中に入ったり外に出た ・衣裳を身につける

りするが意識は続いていた。       ・衣裳を着てワルツを踊る(全員が加わる)

_ _ _  _  _ _  _  _  _  _ __  一 一  一  一  一 一  一  一  一 一 一一一  一  一  一  一  一  }  一 一

△ずっと⑩といっしょにいる………・…… 3人欠席の上に5人が年長組の部屋へ行っ 遊ぶというよりいっしょに座らせてもらっ  てしまったので,伸々と遊びのコーナーを 活 動 の 中 で ているという様子だが長つづきするように  探索する。

なる。      映画館ごっこにも自然に入りこんでいく

個のかかわる様子 △遊びが次々と変る…   …・…・…・ ・…・△と同じように,はじめて落ちついて遊び 子山羊の帽子をかぶるが遊びにはなってい  込む。映画館ごっこに興味を持つ。

(特定の幼児を追う) かない

①・遊びの種類が多い…………・・…・・…・……・……・年長組の部屋で遊んでくる。帰ってから衣 次々と前のこととはかかわりなくはじまる  裳をほしがり着て遊ぶ。

という感じである。      遊びに積極性が見られるようになる。

④・洗濯の遊びにずっと入りこんで遊ぶ…・…・…・ままごとを続けその後お姫様ごっこをする 相手によって長続きする         ⑥が欠席のため伸々としていた。

・洗濯機を見つけ遊びが広がる。      ・登園する時間のわずかな差により,積み木

・メガネを自分の手で作ろうとする     の主導権が全く交代してしまう。

セロハンをはりつける    ・どろぼうごっこの暗い家のイメージが映画 反 省 ・ 評 価 ・1人の子のつぶやきから作りはじめた鬼の  館ごっこの遊びに変っていく。

お面は半分位の幼児の間に広がっていった ・衣裳をくれていて着ようとしなかったのだ が⑨の好奇心から遊びが広がって行く。

3(2)活動の中での評価

3年保育4歳児学級の探検ごっこ「エルマーの冒険」から。

ア.活動のあらまし

(ア)きっかけ

3年保育4歳児学級の2学期は,友達関係に大きな変化が見られる時期である。気の合っ た仲間を求めて群れをなして行動を始めるようになる。そのような中で,子供たちに読んで 聞かせた「エルマーの冒険」という本がきっかけとなり,想像しながら話を聞くうちに,自 分たちもエルマーになって探検に出かけたいという気持ちが高まって来た。

      L iイ)展 開

。 グループになって探検に行く準備をする。

オレンジチーム・青チーム・リボン組等と名前が付けられ,お互いに共通する目印が作ら れる。「ナカマは〜。」という言葉をよく使うようになり,共通の目的のもとに仲間として の結びつきが強くなって行った。

(△男子○女子)

「ナイフも持って行かなくては。」「だって死んじゃうもんな。」……△児

「歯磨きと歯ブラシに,それからタオルも持って行った方がいいね。」……⑤児

「リュックも作ろう。紙袋と紐がいるよ。」……△児

「地図もなくては困ってしまうよ。地図を書いて持って行こう。」……②児

子供たちは,材料を集めて来て探検に持って行く必要のある物を作って行った。△児の ように日頃余り製作を好まない子供も,仲間の活動に刺激されながら,工夫して作って行こ うとする楽しさに浸る様子が見られた。

(5)

松丸・山路:教育評価の現状と問題点      103

。 探検に出かける。

探検に行く準備の出来た仲間から出発をする。探検コースは,小学校の小島の森へ向かう 道で危険な所には印を予め付けて置くようにするが,途中はグループ内で相談しながら行動 するようにさせる。

・ 出発前の約束を聞く。

・ 持ち物を確かめ,グループのメンバーの点呼をする。

・ 道を選んで歩く。

・ 途中で,いろいろな物を見つけながら歩く。

・ お城で遊ぶ。 総合固定遊具       一

・ 小供の広場でおやつを食べる。

・ 魔法の時計に気をつけて,幼稚園へ帰って来る。

・ 探検して来たことをみんなで話し合う。

け)結末・発展

。 子供たちで作った, 竜をさがせ というエルマーの歌をもとに劇的活動へ発展して行った。

。 歌をみんなで聞き,一緒に歌う。

。 エルマーの冒険に登場する動物になって言葉のやりとりをしながら,劇遊びをする。

。 役割を交代しながら,表現遊びを楽しむ。

イ.活動とねらいとの係わり      想像する

 探検ごっこ「エルマ      歌う       考える一の冒険」は,下の図      きく

フように共通のイメー       へ c麟脅 曝く中で,ねらいを総合      、

      歌をつくる、      、      、       〉

リ撫疹嶽織      ひ蕩_懸

   考える

??サび 工夫するをする  表現する

@ 播・慧魔     協調する

@〉  舶〉

的に達成して行くこと      

@      オの出来る活動である・    翰〃・としての

ア灘 鱗/       ♂帯用小型テープレコー

考える力      、

u纒i〃

@     11/      1!   、    \ て詑

@   雛

r 騨魅歩ゆ,旧 顕蛭価ゆ蜘 暗ゆ

ダーを持ち物の中に組

み入れる。)をもとに,

グループとしてどのように活動に取り組んでいたかを捕え,グループの性格を知る。

(ア}グループ構成(人数)

・白チーム(男3・女4)  ・リボン組(女5)  ・黄色チーム(男1・女4)

・オレンジチーム(男8・女1)……略  ・青チーム(男5)

(イ)グループの性格

各グループの活動を5つのねらいにどのように結びついているかについて評価し 次の図表である。

(6)

白チーム       リボンぐみ       黄色チーム

{1}       (1〕 {1}

〔21 15}(2}   {2)〔5)

{5}

{31 {4}     〔3)

〔4}       〔3} {4〕

(観点) (1)想像の世界に浸りながら遊ぶ。

②いろいろな考えや工夫をして遊びを進めて行く。

㈲周囲の物をしっかりと把握しながら行動する。

④友達と協力し助け合いながら遊びを進めて行く。

⑤仲間という意識を持ち続けながら遊ぶ。

(考察) ・白チームは△児を中心によく協調し合い,仲間としての係わりの中で遊びが 高まっている。

・リボン組は女児のみのグループであり,仲間意識は強いが創り出す力や観察が 少ない。

・黄色チームは,協調性が乏しく遊びも高まって行かない。

(ウ) 一人一人の子供の取り組みを評価する。

話て 探準 劇す リを 話て 探準 劇す リを

をあ 検備 ある ズす をあ 検備 ある ズす

再そ にを ムる 表そ にを ムる

現ぶ いす 現ぶ いす

くる くる

目的にむかい熱中してとりくむ

(7)

松丸・山路:教育評価の現状と問題点       105

活動に眼が向けられている時には,見落しやすい一人一人の子供の取り組む様子を記録を もとに見直してみたものが上の図表である。△児のように,自分の好きな活動には喜んで 取り組んでいるのだが,友達とグループを組むという時になって消極的になってしまい,ま だ社会性の育ちに力を入れながら指導して行く必要な子供もいる。また,△児のように移

り気な性格が,この活動にも現れているという子供もあった。一人一人によって発達や興味・

関心が異なる集団の中で,このような多様な活動から多様なねらいが達成出来る 総合的な 活動 の持つ意味は大きいものがある。

3(3)長期観察の中での個の評価(言葉・行動を中心に)

一人一人の子供の育ちを知るには,子供の日々の記録を長期的な視点で見つめて行くことが必要 である。次に示すものは,子供の言葉や行動の記録をもとに育ちをとらえようと試みたものである。

ア.個の育ちの姿から (△児 2年保育4歳児)

月・日 言葉の記録 行 動 の 記 録 反 省 ・ 評 価

4・13 「イヤダ,シタク 。歌を歌う時,机の下にもぐり込んだり机の 。入園式の日,隣りの子 ナイ。」 上に乗ってしまったりする。 供とけんかをする。す 4・15 「ダッテ,コレ, 。遊戯室で遊ぶ時,一人だけすべり台に乗っ べてが自己中心的で,

ヤリタクナインダ たままである。呼んでも動こうとしない。 すぐに手を出すので気

モノ。」 をつけて見守る。

4・16 「ダッテ,ボクノ 。ままごとをしている時,他の子供が使って 。「貸して」の言葉を覚 ホウチョウガ,ナ いる包丁が欲しくなり,叩いて取り上げて える。欲しい時は,取

インダモノ。」 しまう。 り上げるのではなく「貸

4・17 「ダッテ,ダレカ 。△児に「何もしないのに△ちゃんがぶ して。」と言うように ガ ボクノコト った。」と言われる。△児は,それに対 指導する。

ブッタンダモノ。」 して反論をする。

4・19 「チェンチェイ 。足踏みをしながら,ぶらんこの番を待って 。待てないと言いながら

モウマテナイヨ。」 いる もがまんすることが出

4・21 「チェンチェイ 。フォークダンスをしている時,教師と一緒 来る。

ボクノトコロニ にやろうとしきりにせがむ。一緒にやると キテヨ。」 とても喜ぶ。

4・24 ・「チェンチェイ 。迎えに来る母親が待ち遠しい様子が見られ 。降園時刻が近づくと腹

ボクノバンマ外」 る。 痛を訴える。不安定。

「ダッテ ボクガ 。△児が①児と手をつなぐことに不満であ 。友達が欲しくなる。家 コノヒトト ヤロ る。△児を叩いて押しのけようとする。 で「ダレモ アソンデ

ウトシタンダモノ。」 クレナイ」と訴えてい

5・ 7 「ボクノコト サ 。手を挙げても指名されないからっまらない る。

シテクレナインダ と言ってロッカーの後ろに入り込む。 。自分の存在を知っても

モノ ツマンナイ。」 らいたがる。

5・10 「ダッテ Aチャ 。A子が自分の方を向いて「さようなら」を 。「ダッテ」という言葉 ンガ ボクノホウ しないと言って①児を叩く。 に始めて正当な理由づ

ミナインダモノ。」 けをした。

5・20 「ボクノ アトニ 。吊り橋(固定遊具)を渡れない①児に話し 。友達との係りを強く求 ツイテ オイデ, かけ,、自分が先に立ってそろそろと静かに         ・゚るようになる。

コワクナイヨ。」 歩く。

5・22 「キノウハ ゴメ     ー 。⑤児の所に行って話しかける。「ダッテ 。この頃から,友達に対

ンナチャイネ。」 コノヒト ブッテ ナカシタノ。カワイソ して思いやる気持ちが ウダカラ。」と教師に説明する。 芽生えて来た。

5・26 「イラショニ ア 。砂場でスコップを使って遊んでいた時,⑨ 。自分の気持ちを抑える ソボウヨ。」 児に貸してと頼まれる。今,使っているか ことが出来るようにな らと言ったのだが,しばらく考えてから一 り,遊びも円滑に続く 緒に使うことを提案する。 ようになる。

(8)

△児は,自己中心的な傾向の強い子供であったカ㍉言動の記録を探って行くと,そこに心の育 ちをとらえることが出来る。△児の内面的な姿をいかに押えて指導して行くかということは,子 供の育ちに大きな力となって来る。

イ.集団に係わって行く個の姿から (△児 3年保育4歳児)

△児は,3年保育の年中組に4月から入って来た子供である。クラスの活動に入り込むことが 出来ず不安定な状態が続いていた。下の図は,子供たちが主体的に選んで取り組む活動の中で,

友達と係わっている様子を図示によりとらえたものである。 (△男児 ○女児)

4/12

 紙工作 Q 7

副ら 4/17 T り外蓬櫨㈱ 基地    工作  箱工作 ままご 4〆21

@         さや

@        ⑭⑬

@  錨  鋤

ままご⑦⑯

△    ,ヴ。。ク ③1人    本

大   1649

uロック ままごと

ままごと△本よみ  まま 泣く@         ままごと

蜘      大         ブロック

絵かき  大    6

@   プロ・汐

③⑩

    小プロツ {ール

@   欠席企⑪⑮

      1

ヒんど蓼三を△△3   2  欠席△   1

ャ     っみ木プロッ   94

・クラスの遊びも長続きしない。 ・すっぽり入り込んで遊ぶ。 ・遊びが大きく崩れクラス全体が その中で安定感を持つ。 新たな係わりを求めて動く。

4/26

@      ままごと

@      ⑤⑥ 小プロツ

岡_(8㊥③鎌

5/11@      ままごと

@       4③o

つみ木△

?纓ル鰯       ⑱   本よみ

瘁@△△

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ョ籍      璽        ウサギ        ウサウサギ  ままごと7    の家③

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ツみ△△

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t   篇

省    騨

痰X9っみ木ち11盤         動物園

テ  讐

6⑮     4 5 3 4 蝋△③

・始めてお店が出来て遊びに       ・仲間として同じお面を被ったり ・遠足の共通経験から新たな

っながりが出て来る。 同じ物を身につけたりする。 遊びが展開する。

7/17 △ふらふら

@  ㊥ 叔黙

5/19@△ふらふら ③1人査手ラ

@      @瞭    ムム  工作

5/15

@         ⑬木     動物園

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お金つくる 歯医者

⑭△霞欠△

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〟「⑯  1④68   ままごと   ままごど

@ 1 @⑤@⑮  4

〟@ 1

・遊びの間に流れが出て来る ・お客になる子供がいて遊びは大きく広が ・30分ほどままごとが続くが仲間に分れて行く。

お金を使ってやりとりを始める     って行く。

(9)

松丸・山路:教育評価の現状と問題点 107

 △ 

リ       バス  工作  魚つり  △△  △盤  ②⑫

5/25

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6/6   △ふらふら頭痛を訴える

@とこや   そばや   工作

「馨△

⑧⑨⑪

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ままごと①⑥ ウサギの家   けんか

ノ寸ス

N

紀、 塾  バ  ㌔ 小鳥の家    馳欠△△① ②

 そ②

・新たな遊びが始まる。衝突が時々見ら ・海の遊びを中心に大きな流れが ・新たな遊びが始まる。

れるようになる。       出来る。 生活経験を再現して遊ぶ。

6/15       △なわとび 7/3 7/12

花2 まごと おみせ△中メ琳作   ⑮   1

家4    ねんど Fの⑭△△,

@  △△

工作△

P326

お△ば会

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H D⑦工作

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け膨鉾 鱒

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工亀△

    め欠△△③⑤

ぎアイスクリーム ままご

B⑲

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1 26

@犬@  鵬

奪△灘56       34 116脳

・想像的な遊びが展開する ・新たな遊びが出て来る         .遊びに必要な物は自分で作って遊びに加わる コーナー同士の大きな係わりが見られる

△児は,4月12日〜17日頃まで非常に不安定な状態であった。教師の誘いかけに対しても動 き出そうとすることがなく,ただふらふらと友達の遊ぶ様子を見ているだけであった。まず,心 の安定がこの子供には必要であると思われるので,周囲の様子を自分の眼でしっかりととらえる 時期として無理な引き込みをせずに見守ることにする。

4月21日になって初めて自分から遊びを見い出す様子が見られ,4月26日に積み木遊びに入 り込むことが出来た。遊びで知った△児に気持ちを通じ合わせることが出来たようで,その後 も,△児との係わりが多く見られる。

6月に入って,本当に遊びのおもしろさが分かるようになり,そのものになり切って遊ぶ姿が 見られるようになり,いろいろな友達との係わりが出来るようになって行った。

3(4)クラス集団の中における,個の育ちの評価

下の図表は,子供の社会性がどのように育って行くか,ねらいとの関連を見たものである。

日々の記録から,一人一人の子供の育ちを確かめながら,ねらいが達成出来た時期を図示したも のである。20名の子供がいれば20通りの異った育ちがあるということを,この図表からとらえる ことが出来る。これはまた,構成する子供が違えば異った図示がなされるであろうと予想出来る。

このことから,教師は,平均的な発達を心に置いておくが,子供の状態を見ながら,ねらいを動か して行くことの必要性が出て来る。このような個人差を認めながら,友達との係わりの中で子供が 主体的に伸びて行く姿を尊重して行かなければならないと考えている。

(10)

(3年保育3歳児)

4 月 5 月       6 月        7 月 9 月     10月

1

個の社会

         、

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育ち

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友だちの     物にかか

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@      1安定した気待ちで一人で遊べるようになる司 l      l

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1       1

謳カや友達と一緒に遊べるようになる。

ね ら

ll気の合った仲間を見つけ一緒に楽

しく遊べるようになる。

[=コ……安定した気持ちで一人で遊べるようになる。

一……教師や友達と一緒に遊べるようになる。

C=コ1・一気の合った友達と一緒に楽しく遊べるようになる。

嘲……自分から進んで友達を見つけ遊びを楽しむことが出来る。

4 より正しい評価とより良き発達を願って

教師は日々の保育の中で得られた子供の変化や育ちを,家庭に連絡をし,より望ましい保育が出 来るように協力を得る必要がある。教師も親も,子供の育ちを確かな眼で見つめて行けるように,

次のような方法を考え実践している。

4(1)連絡帳「園から家庭から」       

子供の様子を週1回知らせ合うノートとしている。教師としては親の気持ちを十分に受け止めて やることが大切であり,子供の評価もそのまま伝えて行くのではなく,その子供なりの成長を促す

(11)

松丸・山路:教育評価の現状と問題点 109

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(12)

という判断のもとに書いて知らせて行くようにする。親からの連絡を保育の記録と照らし合わせて みると子供の心の状態をより深く知ることが出来る。

子供は,園でうまく行っていない時にはその気持ちを家庭で発散させていることが多い。甘えた り,泣いたり,けんかをしたりしながら,徐々に園での生活に溶け込んで行く力を貯えている様子 が認められる。家庭からの子供の様子を知らぜてもらうことにより子供への接し方を考える手立て ともなる。

4(2)アセンブリー(学年・学級の枠を越えたグループで)

教師と親と話し合う機会を持ち,お互いの心のつながりを深めて行くようにしている。その中で,

いろいろな悩みや希望を聞きながら,正しい養育観を探って行ってほしいと思い実施している。グ ループのメンバーは希望によって日程を組んで行くので,3歳・4歳・5歳という多様な構成とな る。入園したばかりの親もあれば,3年の過程をふんでいる親・兄弟関係から更に長い園生活との 係わりを持っている親など様々である。そこに教師も加わり,いろいろな立場から話を受け止め,

悩みの解決の糸口をつかんだり,また,先の見通しもいくらか出来て,子供を見る眼も変わって来 ている様子が認められている。

Aさん「近所に同年齢の子がいないので年上の子供と遊んでいます。そのためにはじかれること が多く不満を家庭でぶつけています。園でも小さくなっているのでしょうか。扱い方をどう

したらよいか心配です。」

Bさん「家の子は,反抗期がないままに育って来たようです。そのような子は家庭内暴力を起こし やすいと本で読みました。」

Cさん「いつも反抗期のような気がするほど,何にでも反抗していて,素直な返事がかえって来ま

せん。

Dさん「家の子は,生まれた時から,いつも反抗しているんです。おむつをかけている時から素直 に排便をしなかったり,名前や年齢を聞かれても知らないと返事をするんです。 私はお芝 居やってるの。いい子になる真似をしているの。 などと言います。でも,この頃は少し減

って来たみたいです。」

教 師 「反抗期は,誰にでもあると思いますが,ただ,その時期や現われ方は,その子を取り巻 く環境やその子の性格によっても違って来るのではないでしょうか。反抗するということは,

自我が芽生えて来る大切な時期なのです。その時のいらいらを子供に応じて対処してやらな ければならないでしょう。安易な解決法によりその場を通り過ぎるのではなく,自分の力で 気持ちを処理して行けるような励ましや示唆を与えてやることが必要でしょう。Aさんのお 子さんの場合は…・(保育での具体的な例を引いて説明をする。……略)」

短かい時間ではあるが,話し合いを進めるうちに真剣な気持ちで子供を見つめ考えて行こうとい う姿勢が感じられて来たのである。教師も親も,お互いに話し合ったことをもう1度考え直してみ て,新たに生じた疑問を次のアセンブリーで再びぶつけ合いながら子供を見る眼を確かにして行く という試みが続けられている。

4(3)園内ディスカッション

教師によって子供の見方,捕え方には違いが出て来ることは自然なことではあるが,その見方・

捕え方をより正確にするために教師自身が研修を積んで行かなければならない。本園では,観点を

(13)

松丸・山路:教育評価の現状と問題点       111

押えいろいろな方法によって子供を追ってみている。

活 動

Aクラスの子供   グループ構成      教師で記録し言葉や行動等を追う。

記録をもとに,その時々の子供の心の中を読み取るためのディスカッションを行っている。これ

により,角度を変えて子供を見る習慣が身につき,新たな眼が開かれることが多い。       r

5.おわりに

「子どもらが帰った後」

子どもが帰った後,その日の保育が済んで,まずほっとするのはひと時。大切なのはそれからであ

る。

子どもといっしょにいる間は,自分のしていることを反省したり,考えたりする暇はない。子ど もの中に入り込みきって,心に一寸の隙間も残らない。ただ一心不乱。

子どもが帰った後で,朝からのいろいろのことが思いかえされる。われながら,はっと顔の赤く なることもある。しまったと急に冷汗の流れ出ることもある。ああ済まないことをしたと,その子 の顔が見えて来ることもある。一…一体保育は……。一体私は……。とまで思い込まれることも屡 屡である。

大切なのは此の時である。此の反省を重ねている人が真の保育者になれる。翌日は一歩進んだ保 育者として,再び子どもの方へ入り込んで行けるから。     (倉橋惣三選集「育ての心」)

保育を終えた後,私共の幼稚園ではその日の保育で気づいた事や感じた事を話し合う機会を持っ ている。話題の多くは,子供たちの成長に関するエピソードとして語られる。

初めて泣かずに部屋に入って来たA児。

今まで恥ずかしがって動物の帽子を被ろうとしなかったのに,皆に隠れて被り,トイレの鏡に そっと写して見ていたB子。

友達にはまだだが,教師に対して心を開いて来たC児。今日は,先生にと言って薄紫のオオイ ヌノフグリを持って来てくれた。花びらが落ちないように小さな花びんに生けた。

そのような変化なら自分のクラスの○ちゃんも……と話は広がり,自分では見落していた変化も,

子供の成長には大切なことなのだと改めて気づく場合もある。

また,これらの楽しい話題の後には保育の悩みが必ず出て来るのである。

今,クラスの子供たちは友達と係わろうと欲しているのだけれど,その手立てとなるものが何 であるかどうしても分からない。

子供たちの遊びが停帯しているのだが,活動の中に何かを投げ込んでみなければならない。今 日は宇宙船ごっこへ向かうかと予想したが乗って来なかった。

△児は,また自分の余っている体力を暴力として友達にぶつけて行くようになってしまった。

いろいろな方法を試みているのだが効果が現れない。家庭と連絡を取ってから,△児の自己 本位の芽を徹底して摘み取りたいと思うのだがどうだろう。

話を聞きながら,各々の経験を述べ合い意見を交換しながら対策を考えて行く。こうしたディス カッションは,教師自身の貴重な反省・評価の場ともなるのである。ディスカッションを重ねて行

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くうちに自分の考えも整理出来るし,主観的な感じ方や考え方に留まることなく客観的に子供を見 つめて行こうとするようにもなる。客観的に見るということは,前にも述べたように数量的に評価 することを意味するのではなく,子供を内面的により正確に見つめとらえるということである。そ の時の子供が,いかに生々と感情が表出されていたか,取り組み方がいかに意欲的であったかをと らえることが出来るならば,その子供は高く評価されてよいと思われる。子供の心になって共に喜 び,共に苦しみながら子供を見つめ育てて行くための教師自身の反省こそ,幼稚園における教育評 価と痛感しているのである。

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