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会社増資と株式価値の大いさ(二)

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(1)

会社増資と株式価値の大いさ(二)

その他のタイトル Change of Stock Value with Capital Increase (II)

著者 今西 庄次郎

雑誌名 關西大學商學論集

2

4

ページ 313‑334

発行年 1957‑10‑31

URL http://hdl.handle.net/10112/00021826

(2)

西

会社合併とは二つ以上の既存会社が経営発展のため︱つの会社となることである︒この会社合併に︑

吸収する湯合と既存の会社が対等で新たに︱つの会社を造り上げる湯合とがある︒前者の吸収合併のとき吸収会社

が手許資金で被吸収会社の資産一切を買収し増資を行わぬ場合もあるが︑大低は増資をなし︑それも増資株式を後

者に交附するやり方がとられるところである︒後者の対等合併に就いては会社の新設で増資でないとの見方もある

が︑これは法律的な見方であり︑経済実質的には従来の会社が夫々資本を増加さすものに外ならない︒何れにして

も︑会社合併は増資を伴うものであり︑会社増資の︱つの事態となしてよいのである︒

( A

)

有力会社が株式を発行して他の会社を吸収し事業規模を拡張する場合

これも分てば二つとなる︒一は有力会社が事業規模を拡張するため積極的に他の会社を吸収する場合であり︑他

は有力会社の方は受身で︑他の弱小会社が経営困難に陥り自力打開の見込み少きに至ったため有力会社に働きかけ

て合併して貰う場合である︒前の場合︑一般に︑有力会社は能率の悪い会社の合併はやらず能率の良い会社を合併

せんとするが︑その代わり合併の条件が必ずしも都合よくゆかず︑相当優遇した条件を以てせざるを得なくなる︒ 会社増資と株式価値の大いさ

西

︵ 二

(3)

1 1 l l l . 1 F 3  

5 0 x 0 . 2   0 . 0 9  

1 1 1 1 1 . l F I  

5 0 F 9 X 0 . 2  

0 . g  

2 0 0 0 7 5 F l   x 0 . 5 x 2   1 0 0 0 0 J j ' F ]  

= 0 . 2  

し今は斯かる複雑な条件の添加を一切省略すること

4

0万円︑積立金一

00

0万円︑現在の今半期利益八00万円の乙会社を乙会社株式一株に対し甲会社株式二株の

割合で合併することを決定した︵現実には合併条件はもっと複雑となるところであろう︒例えば甲会社より株式

が交附されるほか一定の現金が交附され︑これが乙会社の株主︵株式︶や従業員に分配されるが如くである︒併

合併決定前の甲会社株式の収益価値は︑その適正分配率五

o ・

ハーセント︑株式対価歩合年九︒^ーセントとすれば

合併後の利益は経営の合理化も或る程度行われることが期待し得るがゆえ︑現在の利益合計二八00万円よりも増

加し三

00

乃至三二00万円となるものとしてよい︒そうだとすれば︑資本金は一六0

00

0万円となるがゆえ︑

合併決定により株式の価値は

3 2 0 0 7 5 P l X 0 . 5 x 2   1 6 0 0 0 7 . i P l  

1 1 0 . 2  

︵ 例

これに対し︑後者の場合︑経営のよくない従って好ましからぬ事業を引受けることとなり易いのである

が︑その代わり合併条件を厳しくすることが出来︑謂わば安く値切って買収することが出来るところである︒

00 00

万円︑積立金五

00

0万円︑現在の今半期利益二

00

0万円の甲会社が︑資本金三00

魯 増 資 と 株 式 価 値 の 大 い さ ( 1 1 )

( 今

西 ︶

(4)

会社培資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

1 1 1 1 1 . 1 ‑

1 50x0.2 

0 . 0 9  

=0.2 

2 2 0 0 : E p ‑ ] X

0 .

5 x 2   1 1 0 0 0 : E p

= J  

合併決定前の甲会社の株式価値は︑適正分配率五

0︒ハー七ント︑株式対価歩合年九パーセントとすれば︑勿論︑

0円額面株式で一︱︱一円である︒合併により資本金は︱

10 00

万円となるので︑株式価値は すことが確実視されるとする︒ 万円︑現在の今半期赤字八0万円の乙会社の要請を容れ︑

収合併を決定した︒甲会社の下に置かれた乙会社の事業は合理化せられ赤字から脱却し或る程度の利益を生み出

ニニニ︑二円となるところである︒

00 00

万円︑稼立金五000万円︑現在の今半期利益二

00

0万円の甲会社が資本金三

00 0

1 1 1 . 1 p 1 x 2 1 1 2 2 2 . 2 1 3 3  

合併決定によりその一株が甲会社株式二株となるがゆえ

1 1 1 7 7 . 7 1

旧 一

5 0 1 ‑ 1 1 X 0 . 3 2   0 . 0 9  

•110.32

8 0 0 7 5 P 3 X 0 . 6 x 2  

3 0 0 0 7 J P 3  

分配率六0

決定前と変わらないわけである︒勿論これは甲会社株式の価値の変化であり︑

乙会社の株式の方は︑合併前︑適正

乙会社株式三株に対し甲会社株式一株の割合を以て吸

(5)

か厳重なるかにか4

従って二八円より三七円に増加するわけである︒

右の例では成績のよくない会社が頼んで合併して貰った場合︑合併する方の会社株式の価値は変化しないのに対

し合併される方の会社株式の価値は合併決定により幾分増加することとなったが︑勿論これはそのような合併増資

に於ける株式価値の推移の一般的な傾向でない︒合併する方の会社株式の価値が合併決定により余り変化しないと

一般的な現象となしてよい︒蓋し吸収合併する会社としては如何に泣きっかれてもその株式価値が減退

するような条件や情勢で成績不良な会社を併合しないからである︒併し吸収される方の会社の株式価値の合併によ

る影響は増加する場合と減少する場合とがあり得るのである︒その何れとなるかは︑一にその合併条件が寛大なる

(B)二つ或は二つ以上の会社が対等に合併しその経営を新しい︱つの会社の下に置く場合

1137•OF9 l l l .

1 F 9  

つまり上例は偶

M

その寛大なる場合が挙げられたに過ぎないのである︒ 二八円である︒今︑甲会社に合併せられることが決定すれば

│ 1 1 2 8 F ]   3 3 . 3 F 9  

( 1 + 0 . 0 9 ) 2  

1 1 3 3 . 3 F I  

5 0 F I X 0 . 8 0   0 . 0 9  

の配当力を持つに至る期待を持ち得る情勢だとすれば 即ち従来と同じである︒これに対し乙会社株式の方は︑合併前︑利益は赤字であり︑ニカ年後年八︒^ーセント程度

会社増資と株式価値の大いさ

(1 1)

( 今

西 ︶

(6)

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

ソトとすれば

1 1 1 0 . 1 0 9   1 9 6 0 7 J F I X 0 . 5 x 2   1 8 0 0 0 7 i F I  

対等合併は通常事業規模に余り開きがないと共に︑その業績も甲乙のない会社の間に行われる︒業績に甲乙がな

いと云えば双方とも業績が芳しくない場合もあり得るが︑対等合併の多く行われるのは矢張り双方が相当な成績を

挙げている場合である︒蓋し斯かる場合の方が対等合併の話は成立し易いからである︒

00 00

万円︑積立金五

00

0万円︑現在の半期利益一

00

0万円の甲会社と資本金八

00

0

円︑積立金三

00

0万円の乙会社が対等に合併し︑新たに資本金一八0万円︑現在の半期利益九六

00

0

丙会社を設立し︑従来の株式一株に対し新会社の株式一株を交附することとした︒

合併後の利益は現在のところ半期一九六0万円である︒併し合併後の利益が単にこれだけに止まると計算される

ならば︑両者は合併しなかった筈である︒両者が夫々自己の伝統を捨ててその経営を新たな会社の下に置かんとす

るのは│ー前の吸収合併のときは一方が単に規模を拡大するだけで合併の意味は発揮されるがーー経営を合するこ

とにより何等か経営の質的な改善が可能となるからに外ならぬ︒そうだとすれば︑そこに収益期待価値が存立する

こととならざるを得ない︒屡u述べた如く︑株式価値は現実的なもので確実な収益価値一本槍を以て評価すべく︑

不確実な収益期待価値を以てすべきでないが︑この場合に於ける収益期待価値はその利益増加が厳正に計算される

限り期待性は極めて大である︒従って合併後の価値として収益価値にそれを加味することは必ずしも不当でないの

である︒今︑合併後の会社の企業実力良好で利益の適正分配率を五〇︒^ーセントとし︑株式対価歩合を年九︒^ー七

︵ 例

(7)

結局︑額面五0円株式一株の価値は六八・八五円となる︒合併前の甲会社株式︑

1 1 0 . 1   1 0 0 0 7 J F ‑ l   x0.5x2  1 0 0 0 0 7 J F

‑ l  

夫々五五円︑六六・六円なるがゆえ︑合併決定により前者一三・八五円︑後者ニ・八五円増加するわけである︒

会社の合併増資を取上げた序でに触れておいてはと思うのは︑

発行されたことである︒それは詳しく云えばこうである︒今︑二つ或は二つ以上の会社が合併するに当り︑合併後 の経営の改善によって期待される利益増加を引当てにし或る数量の無額面株を発行し︑合併企画者︑斡旋者に牟ふへ るのである︒合併企画者が新会社の経営者となれば︑それは与えるというよりも自ら獲得すると云った方が適わし

9 6 0 7 5 F J X 0 . 5 x 2  

8 8 0 ゞ ヱ

1 1 0 . 1 2  

アメリカ合衆国に於て従来その機会に無額面株が

1 1 1 6 6 . 6 P 3  

5

0 P 3 X 0 . 1 2 0 . 0 9  

1 1 5 5 f 9   5 0 f 9 X 0 . 1  

.

0 9

̲ . 1 1 6 8 . 8 5 f 9   6 0 . 5 f 9

7 7 . 2 f 9  

合併後の株式価値を収益価値︑収益期待価値半々とすれば

1 1 7 7 . 2 [ 1 1   5 0 F 3 X 0 . 1 3 9   0 . 0 9  

2 5 0 0 7 J P 3 X 0 . 5 x 2   1 8 0 0 0 z i F 1  

= 0 . 1 3 9  

現在︑合併後の半期利益が少くとも二五

00

万円となるとすれば︑収益期待価値ほ

1 1 6 0 . 5 コ

5 0 P 3 X 0 . 1 0 9   0 . 0 9  

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

乙会社株式の価値は

9. 

(8)

西

いとなる︒合併後の経営改善を引当てにするというところから此種の無額面株発行が吸収合併よりも対等合併の場

合に事例の多いことは容易に想像せられる︒勿論︑斯かる無額面株がそのま4多菫に発行せられるときは︑従来の

株式の価値は薄まり︑少くとも合併によって増加しないがゆえ︑これら株主の反対を受けること必定である︒従っ

てアメリカで多く採られたやり方は︑従来の株主が獲得する新会社株式はこれを優先株とし従前の配当力が維持せ

られるよう計り︑無額面株は若しそれ以上に配当し得る利益があれば配当する形式となすというのであった︒斯<

て︑そこに出来る無額面株の価値は収益価値を持つことは稀で︑多くは収益期待価値を持つに過ぎないものとなる

ところである︵勿論︑これは合併当時のことで︑時日が経過すれば収益価値を持つに至るのが寧ろ通常である︶︒

通常︑会社の増資は利益を高めるべく事業拡張のために行われる︒順調でない会社の中には借入金の返済や手許

資金充足のため増資を行うことがあるが︑これも現在の経営規模を維持せんとするものと云えないこともない︒何

れにしても積極的︑将た消極的に事業拡張のための増資であり︑増資の目的は新しい資金の獲得にある︒処が︑会

社の中にはそういう事業拡張を目的とせず資金の獲得を念願しない増資を行うことがある︒

やらず資金の獲得を念願しない増資とは如何なる目的のものか︒そのような増資はあり得るかと云われるかも知れ

ないが︑あり得るのである︒それは高率配当を回避せんとするものである︒高率配当は高率の利益から生じ︑高率

利益は経営の巧妙︑事業界のプーム等によることもあれ︑稽立金の多額によることが多い︒こ4に︑高率配当回避

の︑新しい資金の獲得を来たさない増資は︑積立金の資本組入れの形にて行われるのである︒

然らば事業の拡張を

(9)

え ︑ 高率配当︑遡って高率利益を回避する目的は資金入手の普通の増資を行うても達せられないではない︒尤も単に 手許資金を増やすことはそのような会社として全く意味がないがゆえそのような増資はやらないが︑将来性はある が当分好収益でないというような事業拡張を敢行することはその目的に副うわけである︒けれども此種の増資はそ の意図は兎も角︑形態と実行は拡張増資と択ばないのである︒即ち増資の種類として大切なのは単に意図だけでな く形態︑実行をも取上げるべきで︑高率配当自制目的を積立金資本組人れの手段を以て実行するによって︱つの独

立した増資種類とせられるのである︒

と名付け

荘に一寸注意して置いてはと思うのは︑積立金の資本への組入れは積立金の株主への分配であるが︑会社の稼立 金︑準備金は総べて自由に分配し得ると限らないことである︒会社の積立金はその出来たソースから資本準備金と 利益準備金とに分たれるが︑何れの国に於ても資本準備金は赤字の穴埋めに使われるが株主に分配しない立前とさ れ︑利益準備金も法定的なものは分配されず任意的なもののみ分配が認められる立前となっている︒而して一般の 会社としては資本剰余を獲得して準備金とするチャンスに恵まれず︑又利益剰余金を精立てた利益準備金のうち法 定的なものは余り多く要求されていないのでそう多からず︑斯くて問題は任意的な利益準備金の額となるところで あるが︑優良会社と云われる積立金の多い会社は恰もこの分配可能な準備金が多いとなっているのである︒

高率配当解消のため稼立金の資本繰入れによる会社増資は︑新株式を発行して旧株主に分配する方式となるがゆ 一種の株式配当︵ストック・ディヴィデンド︶の形式を備える︒従って学者の中には之をもストック・ディヴ ィデンドの中に入れる者もある︒例えばグラハム︑ドッドはこれを

ex

tr

ao

rd

in

ar

y

St o

ck

 D

iv

id

en

d 

る︒ストック・ディヴィデンドとしての稼立金繰入増資の特徴は︑定期的︑小刻みでなく︑臨時的で分配される株

西

(10)

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

1 1 1 3 3 . 3 F 9   5 0 F 9 X 0 . 2 4   0 . 0 9  

00

万円となり︑配当力は一応年二四︒^ーセントとなるので

式の数量が可成り大なるところにある︒尚︑

交附する点に着眼し︑ アメリカに於ては此種会社増資に対し︑それが積立金を株式に無償で

一般にメロン割り

me

lo

n,

cu

tt

in

g

という名称を与えている︒

B.

Gr

ah

am

n   a

d 

D.l,•D&d

>

Security

An

a  l y

s i s ,

  1

95

1.

 

p . 4 4 0 │ 4 4 4 .  

扱︑吾々の課題である此種増資決定による株式収益価値の推移を例を挙げて取上げてゆこう︒

払込自己資本一

00 00

万円︑法定準備金五

000

万円︑任意準備金︱

10 00

万円︑六月一日現在の今

半期利益四

000

万円の会社が︑六月一日株主総会で任意準備金一

00 00

万円を資本金に組入れて七月一日現

在の株主に一対一の割合で倍額増資を決定し増資完了を七月十五日とした︒

五月末現在に於ける収益価値を計算せんに︑この会社の企業実力優秀で適正分配率六

o ・

ハーセントとすれば︑配

当力は年四八︒^ーセソトとなる︒このままであれば︑株式の一般対価歩合を年九︒ハーセントとすれば五0円額面株

の収益価値は二六六•六円である。併しこの計算は必ずしも通用しないのである。蓋し四八。^ーセソトという配当

力は高率配当抑制に抵触するとなすのが穏当であるからである︒例えば日本の現在では一︱

1 0

の限界であり︑五︒^ーセント余分にみても三五︒ハーセントというところである︒斯くて配当力を三五︒ハーセントと

すれば収益価値は一九四•四円である。而して六月一日に立って増資後の収益価値如何をみるに、自己資本二

00

一三三・三円の計算となる︒而して一対一の割当てなるがゆえ増資決定による株式収益価値は 1) 

(11)

併し厳格に云えば斯かる積立金を崩した会社の企業実力は幾分低下するとみるのが妥当である︒若し利益の適正分

結局、増資決定により株式価値は一九四•四円からニニニ・ニ円となる。而して増資により配当力は三五。ハーセン

トから二0パーセントとなり︑現実配当もこれに従わしめられるとすれば一株当り配当は一七・五円から一0円と

減少する︒然も株式数は偕となっているがゆえ︑株主として収入配当額は二0

以上︑積立金分配の増資会社の株式価値の計算をなしたが︑こ

4

で一般に考えられると思うのは︑積立金の資本

組入れによる増資という手段がある限り高率配当抑制は意味をなさないのでないかである︒

の︑株式価値ほ適正配当力を株式対価歩合を以て資本化した大いさによってきまりその会社配当力は社会の高率配

当制限によって限度づけられるという見解︵収益価値説︶は訂正を要すべく︑株式価値は会社の収益力によって定

まるという企業価値説の方が寧ろ正しいのでないかである︒併しこの考えは必ずしも当らない︒此種見解が正しい

ためには︑企業収益の大は積立金の大によってのみ耀されるのでなければならないが︑これは一般的でない︒企業

の収益力は稼立金の大小以外のファクターによっても左右されるのである︒積立金が大であるに拘らず大きい利益 00万円から四

000

万円となるところだ︒

1 1 1 1 1 . l p : ]   5 0 p = J X 0 . 2   0 . 0 9  

4 0 0 0 7 5 F l X 0 . 5 x 2  

2 0 0 0 0 7 I F J  

配率五0

︒ハーセントとなるとすれば

1 1 0 . 2  

1 3 3 . 3 F 9 X 2 1 1 2 6 6 . 6 F 9  

1 1 1 . 1 F 1 x 2 1 1 2 2 2 . 2 F 9  

会社増資と株式価値の大いさ

( 1 1 )

( 西

吾人

10

 

(12)

西

を挙げていない場合も少くない︒それよりも︑積立金が少くて大いなる利益を挙げている事例が仲々多いのである︒

斯かる湯合||積立金の資本組入れを行う余地はなくー—高率配当抑制がそのまま活きること云う迄もない。そう

だとすれば︑積立金資本組入れ増資があるからと云って︑株式の価値は結局企業収益力によってきまるという見解

が通用するとはならないのである︒

稿

積立金の資本組入れによる増資と関聯し︑

その主張するところを要約すれ

一体高率配当というがそれは会社の利益並びに配当額を其の額面資本と比較するからである︑会社の利益を生 む真の実体資本の現在価値と比較すれば所謂高率の利益︑配当も高率でなくなる場合が少くない︒例えば上例の場

合払込資本と稼立資本の合計ほ二六000

万円であり︵尚未処分繰越利益もあろうがこれは暫く措く︶これに対比

すれば半期四

000

1 0

︒ハーセントとなり此の程度は必ずしも高率利益と云えない筈である︑と︒

而してこの根拠に基づき︑彼等は前記︑積立金の資本繰入れ増資という方法によらない︑高率配当排斥論回避の合 理的な方途を提唱するに至った︒それはかの無額面株の採用である︒この方向からする無額面株の提唱は額面株制 を殆ど全面的に行うているが如き国︑例えば我国などに起り得るところであるが︑事実︑今次大戦前の統制経済に

際し一部に強く唱えられたところであった︒

無額面株制に於ては株式資本に額面というものがないがゆえ︑それを基準としての利益率︑配当率なるものは存

せず︑配当も一株当り幾許というふうに現されることとなること︑云う迄もない︒尤も無額面株制の下に於ても一

︐ . " "   ギ { ︑

︑ ︑

更に識者の中には高率配当抑制は不自然︑不合理だと主張するものがある︒

高率配当抑制は無意味であるという見解を批判した

(13)

無額面株たるがゆえ配当力が株式資本に対する率で現れないのは勿論︑実際の配当も単に金額で現されるところで

ある︒今この会社の実際配当が配当力に相当する大いさ即ち一株半期五円とされたとして︑この大いさが高額であ

るとの世評を受けたので新たに一00万株を発行し︑従来の株式にこれを割当てることを決定したとする︒ 収益価値は 今 ︑

之等の場合に於ける株式価値の変化は殆ど自明に近く一々説明する迄もないが︑簡単に計算例を掲げて置こう︒

六月一日現在に於て来る半期利益二

00

0万円の会社があり︑

る︒この会社の利益の適正分配率五

o ・

ハーセント︑株式対価歩合年九︒^ーセソトとすれば︑

9 1 1 6

. 6 6 F

9  

2 0 0 7

$ F 9  

x0

.5

x2

 

30

07

5 

1 1 1 1

1 . l F

l  

10

F 

0 .

U )

 

1 1 1 1

0 F 9  

2

0)

Jf

9X

0.

5x

2

従来の株式に与える︑

︵ 尚

アメリカでは一株当り配当額の大小に拘ら 株当り配当額が多いときは高額配当として非難される余地はあるが︑これに対しては︑新たに株式を発行しこれを

つまり株式数を増加さすれば直ちに一株当り配当額は減少せしめることが出来るところであ

る︒アメリカに於てはこの種の手続を

S p l i t u p

ず︑株式需給関係から株式市価が甚しく騰貴した場合それを低下さし株式売買を一般化する目的で株式分割を行う

西

無額面株制をとり既発株式数二00万株とす

一株当り配当力並ぴに

(14)

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今酉︶

で︑株式価値に関する企業価値説は矢張り通用しないと云わねばならないのだ︒ 理は除去するとしても︑企業の実質的な高い利益率︑配当率が社会的に批判されることは解消せしめ得ないわけ 配当力は一株年六•六六円に低下するので実際配当も恐らく半期三円位に減ぜられるであろう。而して株式価値の即ち従来と同じであり︑価格も価値通りになるとすれば変動せず︑株主に損得は起らないわけである︒

右の無額面株制に於けるスピリット・アップから︑或は︑無額面株制を採用するに至れば︑額面株制の場合と異

り︑高率配当抑制は働く余地なく延いて株式価値は企業の収益力によるという企業価値説は生きると思わすかも知

れない︒既に知れる如く︑額面株制の場合︑積立金の資本組入増資も会社に多額の積立金がなければ行い得ず︑又

期待の持てない事業をわざと始める︑資金入手の増資は実質的な利益の減少を来す虞れがあり行うべきでないとさ

れる︒これに対し︑今︑無額面株のスピリット・アップは積立金と関係のない増資︑又資金を集めない増資に該当

し︑従ってそれにより企業の収益力を株式資本に移し得るが如くであるのだ︒併し注意しなければならないのは︑

この企業の高い収益力を株式資本に移すことには又新たなる反対が予想されないでもないことである︒それは企業

の収益力がその現実の実体資本額と比較され︑延いてそれに対する高い利益率︑就中配当率は反対される可能性が

あるからである︒そうだとすれば︑無額面株制は︑旧い額面資本と比較し利益率︑配当率を高率だと非難する不合

7 4 F I

  x 

( 1 + 0 . 5 ) 1 1 1 1 1 F ]  

方は七四円となるので株数増加決定により

1 1 7 4 F 9   6 . 6 6 F 9

'    

0 . g  

(15)

前に任意糠立金資本組入増資の場合の株式価値のことを述べたが︑平常時に於ては斯かる積立金組入増資の事例

は少いのである︒その理由として︑そこでは︑積立金が多くても利益が多くなければその組入れは行い難いことを

力説しておいた︒勿論それも理由には違いないが︑それよりも︑積立金を蓄えることが容易でなく積立金をたっぷ

り持っている会社はざらにないからである︒処が︑今インフレ時には殆ど凡てと云ってよいくらい何れの会社も積

立金を擁するに至るのである︒改めて云う迄もなく︑貨幣価値の下落により会社財産の騰貴を来たし︑その評価替

えによる値上り分が積立金とせられるのである︒評価替を行わずにいるときは値上り分が製品に少し宛加わり︑会

社利益は普通の営業利益にこの分が加わって増加するが︑設備の取替えに際し高騰せる時価のため忽ち往詰まる事

態となるので︑固定設備の減価償却を手厚く行いそのような事態に遭遇しないように︑成るべく早く評価替えを行

イソフレ時に多くの会社が積立金を擁するに至ることは理解されるとして︑その精立金は当然会社株主のものと

して彼等のみに帰属せしめてよいか︑これは根本的には議論の余地がある︒併し多くの国に於ては︑一部を国家全

体に帰せしめるーー通常再評価税の形式でーーほかは大部分を会社株主に帰属せしめることとせられて来ていると

ころである︒尚︑再評価積立金を会社株主に帰属せしめるといっても︑これにも二つの形式があり得る︒この事は

換言すれば︑再評価積立金は資本準備金か利益準備金︑就中任意的な利益準備金かである︒資本準備金とすれば︑

それは謂わば会社のものとして会社赤字の穴埋めのみに使用することが出来︑株主への分配は認められないのであ い値上り分を積立金とせられるのである︒

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

一 四

(16)

会社増資と株式価値の大いさ

(1 1) ( 西

の計算について考察を進めることとする︒

一 五

︱つはそれだけを純粋に行う方式で り︑任意的な利益準備金とすれば株主への分配が認められることとなるわけである︒而してこの再評価積立金が一種の資本準備金であるか一種の利益準備金であるかは結局は国家の企業政策の如何にか4るところとなっている︒

今次大戦後のイソフレ期に当り︑我国ではこれを一種の利益準備金と見倣しそれを株式資本に繰入れることを認め

た︑否繰入れることを強制までしたことは︑周知のところと思う︒

再評価積立金の額は勿論イソフレの度合による︒インフレが続く限り再評価は何回か繰返される︒而して再評価

積立金が利益積立金の一種とされるに於てインフレ期にそれの株主への分配が多くなるのは自然と云ってよい︒併

し斯かる分配が行われるによって︑株式の価値が会社の資産額︑就中値上り額によってきまるとなしてはならぬ︒

再評価積立金の分配と云うも︑それに見合う会社資産を現金化し︑普通の任意積立金の如く配当することは認めら

れず︑必ずや資本に組入れ株式を以て配当しなければならないからである︒或は︑株式を以て分配するとしても︑

株主としてはその分配された株式を売却することが可能であり︑現金配当と変わらないと云うかも知れない︒併し

分配株式の売却というもその売却される前に株式の価値の算定が必要であり︑この価値は吾人の収益価値によって

決まらざるを得ないのである︒このことは株式価値の本質に関連ある根本的な事項として既に株式価値本質論に於

て触れてあるので︑今はその要領を述べるに止め︑薮には再評価績立金の資本組入れ増資に伴う株式価値の大いさ

扱︑再評価積立金の株式資本組入れ増資であるが︑二つの方式があり得る︒

あり︑他は拡張乃至従来の規模維持に必要な資金を獲得する増資と並行して行う方式である︒前者の無償増資に対

し︑後者を我国では有償無償抱合わせ増資と呼んで来た︒このうち無償増資に於ける株式価値の大いさは︑高率配

(17)

2 2 2 F }   1 0 0 p 1 X 0 . 2   0 . 0 9  

かろう︶︒然るに今︑額面増額の増資にありては

1 1 1 1 1 F 1   5 0 f 9 X 0 . 2   0 . 0 9  

111F]X2~222FJ 1 1 1 0 . 2   4 0 0 0 J J F 9 X 2 X 0 . 5   2 8 0 0 J J F 9  

増資後の配当力は 当抑制のため任意積立金を株式資本に組入れる増資の場合と殆ど同じようにきまる︒たゞイソフレ時無償増資にありては︑時として︑新たに株式を発行せず株式の額面価額を増加さす形式のとられることがある︒これはインフレの時には物価騰貴により株式額面価額も従来のま4では過小となりその増加が望ましい状態となるからであり︑近

年の我国に於てもこのやり方をとった事例がないではなかった︒

00 00

万円︑法定準備金その他利益積立金三

00

0万円︑再評価積立金︱二

00

0万円︑六

月一日現在の今半期利益四

00

0万円の会社が六月一日取締役会で再評価積立金のうち︱

00 00

万円を株式資

本に繰入れ七月一日を以て従来の五0円額面株式を

JO

O円額面とすることを決定した︒

従来の如く一対一割当であると︑増資決定により

ニニニ円となり︑これが増資完了日に分裂し︱︱一円となるところである︵株式取引市場では取引の都合上︑株主

確定日かそれに先立つ一定日に新株落ちとし新株移行のプレミヤム分を落すことが行われること︑解説する迄もな

︵ 例

西

(18)

西

五月一日に立ちての増資後の価値は

1 1 0 . 3   1 5 0 0 7 S F 3 X 0 . 5 x 2  

r

この会社の増資決定前の収益価値は 会社の企業実力良好のクラスで利益の適正分配率五〇︒^ーセント︑株式の対価歩合を年九パーセントとすれば︑ 拡張は一カ年後に完成するとする︒

1 1 1 6 6 . 6 F J   5 0 F 9 X 0 . 3  

0 . g  

一 七

以上︑再評価積立金の株式資本組入れが単純に行われる無償増資の株式価値変化を述べたが︑インフレ時の増資

形態として多いのは有無償抱合わせ増資である︒蓋し会社の規模拡張ということはイソフレ時たると平常時たると

を問わず行われるところであり︑寧ろイソフレ時には固定設備の価値増加にマッチする流通資産の増加が必要とさ

れ︑その種増資の必要は多くなるところであるが︑この際無償増資を並行することが便宜となるからである︒抱合

わせ増資こそイソフレ時に於ける特色ある増資と云われる︒然も︑増資による株式価値の大いさのきまり方も︑こ

の抱合わせ増資の場合は︑無償増資の場合の簡単なのと異り︑梢

M

複雑なのである︒

00

0万円︑五0円額面株式一00万株︑再評価積立金五

00

0万円︑五月一日現在今半期利

益一五00万円の会社が事業規模を大体半倍拡張するため一

00 00

万円に増資し︑増資新株は六月末現在の旧

株式一株に一株の割で割当て︑新株式の額面額五0円のうち半額の二五円は再評価積立金二五00万円を株式資

本に繰入れ充当すること︑払込期日は八月一日から五日までとすることを五月一日の取締役会で決定した︒その 増資確定と共にきまった価値はそのまA︵勿論景気に変化がないとすれば︶続くところである︒

(19)

結局、増資決定により株式価値は一六六・六円から一七三

•O

六円となるわけである。この価値が払込日の八月五

一株九九 •O 三円となること、

吾々はインフレ時の二つの型の再評価稼立金資本組入増資に就いて眺めて来た︒而して右の例からも知られる如

く︑如何に巨額の再評価積立金を擁していても会社の収益力が大でないときは︑その資本組入れは行い難いのであ

る︒蓋し株式価値が積立金繰入れによって奄も増加しないからである︒ 日に分裂し︵五月一日と利益状態が変化なければ︶︑

一般にインフレ進行中は企業の収益は増加 先に述べたところから既に知

9 9 . 0 3 F 9 +

9

9 . 0 3

2 5 ) p

= J 1 1 1 7 3 . 0 6 F 3

この株式が二五円の払込によって得られるのであるがゆえ

1 1 9 9 . 0 3 F : l   8 3 . 3 + 1 1 4 . 7 7  

. 

1 1 1 1 4 .   7 7 F .

I

⁝⁝⁝淀耽海流甫声

1 2 5 F . I   ( 1 + 0 . 0 9 )  

1 1 1 2 5 P

= J   5 0 P = J   x 0 . 2 2 5   0 . 0 9  

1 1 1 0 . 2 2 5   2 2 5 0 7 5 F J x 0 . 5 x 2   1 0 0 0 0 7 5 F

J   1

1 8 3 . 3 F

9

⁝⁝⁝淀眩甫蔵

5 0 F 9 X 0 . 1 5 .   0 . 0 9  

1 5 0 0 7 5 F . I X 0 . 5 x 2   1 s s N f F . I   1 1 0 . 1 5  

西

(20)

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

つとすれば

11 35 .5 6F .I   50 p: ]X 0. 06 4  0. 09  

する傾向にある︒これは手持材料や製品の値上りが続き︑又一方イソフレに於ける貨幣価値減少は製品需要を旺盛 たらしめ売行が活澄となるからである︒併し乍らイソフレも終了期となれば︑

まり通常の営業利益が中心とならんとするが︑こ

Aに現れる︱つの事態は︑

を相当額擁し然も収益が振わないという企業の存在することである︒勿論︑斯かる会社はその再評価積立金の資本 組人れは行うても意味がないので行わない︒処が︑時として︑其種会社の中には運転資金に事を欠き︑或は着手中 の拡張工事の資金に窮乏し︑資金入手のため増資を行わざるを得なくなり︑こ

A

に再評価積立金の増資︑即ち抱合

わせ増資が行われんとするのである︒元来これらの会社は単純な増資は増資による株式価値の低下から行い難いの であるが︑抱合わせ増資となればそれが成功せんともするのである︒

株式資本金一

00 00

万円︑再評価積立金一

00 00

万円︑現在半期利益一

000

万円の会社が手許資金

00

万円調達のため四分の一増資を決行せんとする︒

会社の企業実力普通で利益の適正分配率四

0

バーセント︑株式対価歩合年九パーセントとすれば︑増資前は

11 44 .4 p= J  50

J jX 0. 08   11 0. 08   10 00 7. fp

=J X0 .4 x2   10 00 07 .f p= J 

0. 09  

四分の一増資による手取金二五

00万円で停頓気味の規模二分の一拡張工事が進行し︑

10 00 7S P3 X0 .4 x2   12 50 07 SP 3 

11 0. 06 4  11 0. 09 6  15 00 75 F9 x0 .4 x2   12 50 07 5F 9 

一 九

一カ年後に完成のめどが立 インフレによる企業収益の増加は止インフレによって生じた再評価稼立金

(21)

︵ 例

1 1 4 8 . 9 2   5 3 . 3 3 P 3  

1 + 0 . 0 9  

9 1 1 4 2 . 2 4 F l   3 5 . 5 6 + 4 8 . 9 2  

︱ニ・五円の払込によってこの株式四分の一株が与えられるがゆえ

即ち増資前四四•四円であった株式価値は増資を決定すれば四 0•

三円となり、殊に―ニ・五円払込んだものが一

0•

五六円となるに於て、この増資は行えそうにない。然るに今再評価積立金を組入れての増資を行うとすれば

右の会社が二五

00

万円入手のため額面五0円株式新たに一00万株を発行し資本金を一五

00

0万円に

増資し、従来の株式一株に対し

0•

五株割当てると共に、再評価積立金から五二

00

万円繰入れ払込を一株二五

この場合︑増資決行により

1 1 2 9 . 6 1 F 9  

1 1 0 . 0 5 3 3  

10

00

:n

FJ

X0

.4

x2

 

9 9 9

9

1 5 0 0

0 J j "

F J  

史 苫

X 0 . 0 5 3 3

1 1 1 0 . 0 8  

1̲

15

00

7.

jf

qX

0.

4x

2 

1 5 0 0 0 7 . i F 9  

4 2 . 2 4   4 2 . 2 4 F

]

( 1 2 . 5

1 1 4 0 . 3 F ]

1 1 5 3 . 3 3 F 9  

史 ヱ

X 0 . 0 9 6

0 .

U )

 

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

1 0

 

(22)

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

増資前四四•四円であった株式価値が増資決定により四

0

・ニ五円となるとすれば、前の抱合わせでない増資と似

た状態となる︒而して現実に於ては払込日以前に新株権利落とせられるので増資後の価値に近い株式価格が立たん

とする。これでは増資は又困難のように思われるが、この場合は―ニ・五円払込んで一七•五八円の価値あるもの

が得られるという計算に︑多くの株主は渋々ながら払込を行うに至るのである︒

右の︑収益状態のよくない会社が強行する抱合わせ形式の増資に就いては︑企業政策上議論の余地がある︒

の人は︑本来株主のものとされている再評価積立金が分配されるによって株主が増資に応ずるのは︑

の魔術に引っかかっているものに外ならずと非難する︒これに対し弁護的な見地に立つ人は︑会社の立場として今

少し資金を注ぎ込めば利益の増加が見込まれるが如き場合︑再評価積立金を活用し増資を成功さすことは不当では

なく︑又株主としてもその増資に応じて必ずしも不利でないと主張する︒吾人は︑再評価積立金を右の如くに用い

るのは折角額面株制をとりながら無額面株に近附けるものなることを強調し度いのである︒既に知れる如く︑株式

価値が額面価格以下である会社が増資を行い得るのは増資新株式を無額面とするに於てである︒然るに今︑再評価

3 5 . 1 7 F

+ 9

35/7

1 2 . 5 ) F 9 1 1 4 0 . 2 5 F 9

―ニ・五円払込んでこの株式

0•

五株与えられるがゆえ

1 1 1 3 5 . 1 7 F J   2 9 . 6 1 + 4 0 . 7 3  

1 1 4 4 . 4 f 1 3   5 0 F 3 0   x . 0 8  

0.

U)

 

1 1

. 7 3 F 3 4 4 . 4 F 3  

1 + 0 . 0 9  

一種の蛸配当

(23)

積立金があれば額面株制でも可能となり︑然もこの場合は無額面株制によった場合増資決定による株式価値がはっ

きり計算し難いというような短所もないとなる︒併し︑株式価値が額面以下となっているが如き会社は事業不振乃

至前途警戒を要する情勢にあり︑斯くの如き会社は可及的に増資を行わないようにする方がよいという︑無額面株

批判の立場をとる吾人としては︑右のような抱合わせ増資は行うべからざるものという判断に与せざるを得ないの

会社増資と株式価値の大いさ︵二︶︵今西︶

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