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雑誌名 関西大学社会学部紀要

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(1)

多次元尺度法によるズ‑ム式構造同定結果のマップ 表現 : 都道府県別大学進学デ‑タに基づく地域構造 マップの作成

その他のタイトル Lower Special representation of Zoomed Structural Modeling by Nonmetric MDS : Regional mapping from inter‑prefecture migration data of university education

著者 辻 光宏

雑誌名 関西大学社会学部紀要

巻 25

号 3

ページ 83‑101

発行年 1994‑03‑31

URL http://hdl.handle.net/10112/00022549

(2)

関西大学「社会学部紀要」第

25

巻第

3

号 ,

1994, pp. 83‑101  ISSN 0287‑6817 

多次元尺度法によるス ーム式構造同定結果のマッフ゜表現

一都道府県別大学進学データに基づく地域構造マップの作成一

辻 光

宏 *

Lower Spacial representation of Zoomed Structural Modeling by Nonmetric MDS 

‑Regional mapping from inter‑prefecture migration data on university education‑

Mitsuhiro 

TSUJI* 

Abstract 

I propose a method  for making  Lower  spacial  representations of  system  structures by using  nonmetric  Multi  Dimensional  Analysis(MDS).  Preceding  MDS,  the best  tuning‑up method for MDS  is  data pre‑handling,  which  estimates the  system  relation  structure by means of  the  zooming process. 

This  data pre‑handling  is  then applied by ISM(Interpretive Structural  Modeling),  that  interpretes the status of  (block  of)  strong  relation as  grouping  information  and  relation  information.  Both of  these  kinds of  information will  then be  represented by  lower dimensional  space by using  Multi  Dimensional  Sealing. 

I analyze data concerning university entrance procedures .taken  from  the various prefectures.  Until  now,  many analyses  of  specific  prefectures  had been  reported.  This  report  is  a global  analysis  of  the  regional  structural  analyses made  in  Japan.  By means of  the  above‑mentioned pre‑

handling  analysis,  we  can map the  relationships  between the data  from  many  regions  concerning the  university entrance procedure. 

Key words : multidimensional scaling, ISM, regionalization, education, population migration 

抄 録

システム構造をズーム式に同定する前処理を行なうことにより,多次元尺度構成法による構造の低 次元表現を可能にする方法を提案する。この分析手法は,システム構造分析技法の

ISM

を用いてズ ーム式に構造分析し,相互関連の強いブロックを抽出し,そのブロック情報をグル_プ情報および関 連性情報と解釈した上で,多次元尺度構成法によりグループ構成およびその関連性を低次元空間表現 することを可能とする。

都道府県別の高校から大学への進学データを分析する。従来から特定の都道府県を対象とした分析 は行われてきたが,本論文では, 日本全体から見た分析(地域構造分析)を行なう。上記のズーム式 の多次元尺度構成法事前解析により進学傾向の関連マップを作成することができた。

キーワード:多次元尺度法,

ISM,

地城関連分析,大学進学,教育,人口移動

* 関 西 大 学 社 会 学 部

‑ 83 ‑

(3)

関西大学「社会学部紀要」第

25

巻第

3

I  対象データ

都道府県間の大学進学率に着目し,地域格差という観点から地域構造を表現するマップを作成 する。大学進学率における地域差の規定要因は,極めて複雑であり,その複雑なメカニズムを明 らかにすることは決して容易なことではない [ 3 0 ] 。進学移動の状況について,大学の自県内収容 率と進学移動パターンを元に,分析をしている例もある [8] 。本論文では,地域ネットワークを じゅうぶんに考慮して,進学移動パターンを元にネットワークモデルに基づく少ない次元での表 現を実施した。

使用データは 1 9 8 0 年・ 1 9 8 5 年・ 1 9 9 0 年の都道府県ごとの高校から大学への進学率を取り上げる [ 1 3 ,   1 4 ,   1 5 ] 。これらは 47X47 のマトリックスデータである。

I

l 方 法

大学進学移動の地域の結合状況を追求する上で,つぎの 3 段階の分析過程を提案する。

•進学移動データから地域間の結びつきを表現するデータ(地域構造基本データ)に標準化す る 。

•地域構造基本データの最小値から最大値まで順次増分して(ズーム化), その参照値を基準 にした関係の有無表現を行ない,ネットワークモデル理論により,双方向関係と片方向関係 により地域構造を表現する。

•前の過程を元にして,任意の 2 県間での親近性を双方向と片方向の 2 通りで尺度化(親近性 データ)し,多次元尺度構成法により少ない次元での表現

(2

次元マップ表現)を行ない,

地域構造のマッビングを実現する。

1 .   地域構造基本データの計算

地域 i ( K ; ) と地域

j

(K;) を考える。氏の氏に対する進学移入人数と進学移出人数の総人 数が, K ; に関する総移動人数(総移入人数と総移出人数に K 地区内部の進学人数を加えたも の)に対して高い率を示した場合に,氏の K; に対する依存が強いことを示す。さらに,逆に 氏の氏に対する依存も強い場合には,氏と紀は相互依存関係が強いことを示している。

移動人数データから依存の強さを表現する地域構造基本データ(依存率)をつぎのように求め

‑ 84 ‑

(4)

多次元尺度法によるズーム式構造同定結果のマップ表現(辻)

る。進学移動人数データを P=(P, 心とすれば,氏の総進学移入人数 M; と総進学移出人数 X ; はつぎの式で表される。

47  47 

M;=~Pij, X ;   心

pji J=l  j=l 

Hi  Hi 

(II 

. 1 . 1 )  

応の総進学移動人数 A; は ,

A;=M,  け ふ + P i i である。

また,氏と氏のあいだの総進学移動人数 C ; ;l : t ,   C;;=C;;=P;i+A; 

ただし, C i i = P i i となる。

これらのことから,氏の約に対する地域構造基本データ(依存率) D ; i は , D;i=C;JA;xlOO 

と定義することができる。

(II 

. 1 .  2 )  

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3 4  

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2 .   ズーム式の構造同定

1 )   2 つの地域間の依存関係と相互関係

この地域構造基本データ(依存率) D j i ,   ( j = l ,   …,  4 7 ) ,   ( i = l ,   … , 4  7 )  ,  ( j = l = i ) を,小さい値か ら順にソートし, r 1 : : : : r 2 : : : : ・ ・ ・ : : : : r 2 0 9 2 とする。

2

つの地域間の依存関係の有無をズーム式に判断していくために上記の r , , C l = l ,   …, 

2092)を

くり返してしきい値とし,下記の依存関係の判断基準とする。

依存率 Dj; がしきい値 m より大きいとき,氏が氏に対し依存関係にあるとする。このよ うにして決定された各地域間の関係は, 次のような要素からなる 2 値行列 (bimary m a t r i x )   B=( 加)であらわされる。

妙 =l D;;2r 

=0  D;;<r 

ただし, 如 =1

(II. 2. 6) 

この行列 B は,各地域をノードに対応させると, グラフ理論での有向グラフで表現できる。

例 え ば 加 =1 とは,「地域氏が地域約に対して依存している」事を表わしている。また,

b ; ; = b ; ; = l であれば,「地域氏と地域約とは相互に依存している」事を表わしている。この ように考えると, 日本の 4 7 都道府県を人口移動の依存関係という矢印が互いに結ばれたシステム

‑ 85  ‑

(5)

関西大学『社会学部紀要」第

25

巻第

3

号 としてとらえることができる。

2 )   3 地域以上の相互依存関係

3地域以上が相互関係にある(地域グループを構成する)ことを,次のように定義する。地域 グループ内の任意の地域から依存関係が始まり,そのグループ内の地域に依存関係が連なって,

元の地域に依存関係が戻ることができるグループを,相互関係のあるグループとする。

これはグラフ理論で強連結 ( s t r o n gc o m p o n e n t ) と呼ばれている関係である。この定義によ りまとめられたグループの間の関係は,片方向の依存関係があるか,またはそのグループは孤立 しているかのどちらかである。

われわれの目的は, 複雑に絡み合った 4 7 都道府県間の関係(それは 2 直行列 B で表現されて いる人口移動システムである)を,定義したグループ(サプシステム)に分割することである。

そのために,次に述べる ISM の手法を用いる。

3 )   ISM について

W a r f i e l d   [ 3 5 ] により提案された ISM 手法 ( I n t e r p r e t i v eS t r u c t u r a l  M o d e l i n g ) は,社会 システム理論などで システム構造 , つまりシステムを構成する要素と要素との関係に重点を 置いた方法である S t r u c t u r a lM o d e l i n g の一つの手法である。いろいろな要素間の相互関係パ クーンを,グラフ理論の考え方とプール代数とをもとにして,グループ分けされた有向グラフと して図示する定性的な手法である。本論文では,都道府県の地域を ISM での要素に当てはめ て,地域構造の同定をすすめる。以下に,前述の 2 値行列 B からグループ分けされた有向グラ フを導く手順を簡単に説明する。

有向グラフで表わされる関係は,例えば次の 2 値行列 B であらわすことができる。

B ‑ [   i  i  j > ( I I . 2 . 7 )  

この行列 B に対して,プール演算を,

B

箪 十

l=Bm=Q

が得られるまで行う。列について計算すると, Q=

(q;J)

は次のようになる。

( I I .  2 .  8 )  

J

0  0  0  1  1 1 0 F 8 6   1 1 1 1

*    1 1 0 1  

/

︱ ︱  

Q  ( I I .  2 .  9 )  

(6)

多次元尺度法によるズーム式構造同定結果のマップ表現(辻)

ここで"*"は, もとの行列 B になかった " 1 " であることを示している。例えば,

Q41

=1* と は , 氏 は 氏 に 対 し て 直 接 に は 依 存 し て い な い が , 氏 を 通 じ て 間 接 的 に 氏 に 依 存 し て い る ことを示している。

この行列

Q

によって相互依存関係にある(グループを構成する)要素を識別することができ る。すなわち,

Q ; ; = q ; ; = l   ( I I .  2 . 1 0 )   であるとは,グラフ理論の立場から言えば,強連結の関係が氏と K; にあり,氏と K; が相 互関係にあることを示している。例について調べると,氏と氏は相互関係にあることがわか

る。以後, { K i ,   K 2 l と示す。

行列 Q に対して, •o» ができるだけ多く右上半分にあらわれるように,行列の変換を行う。

R [   i  :  : 

(]I 

. 2 . 1 1 )  

この行列 R = ( r ; j ) によって,グループに関する依存関係を識別できる。すなわち,氏は { K , , K 2 } に対して依存関係があり, { K , ,   K 2 } は氏に対して依存関係があるという階層的な依存関 係を識別することができる。以後,この行列 R を可到達行列 ( R e a c h a b i l i t yM a t r i x ) と呼び,

この行列を用いて構造の同定を進めてゆく。

4) 

構造同定結果のズーム式表現

上記の ISM により,各しきい値 r , , C l = l ,   … , 2 0 9 2 ) に対して, 4 7 都道府県に関する相互依存 関係(可到達行列の右上要素が 1である)と片方向依存関係(可到達行列の左下要素が 1である)

のシステム構造を同定することができた。

この構造同定結果を元に,相互関係と片方向依存関係の 2 つの立場で,地域間の構造を表現す る。すなわち,地域氏と地域氏との間で,

•相互依存関係となった中で,もっとも大きな r を石とすると, S;;=rm である行列 S

•片方依存関係となった中で,もっとも大きな r を m とすると, T,;= にである行列 T

をそれぞれ作成する。 この 2 つの行列 S ,T により, 地域間の親近性を表現していることにな る。なお,前者の相互関係に関する親近性データに関しては,相互関係のグループ個数のバター ンが,全体で 1 個のグループ構成の場合から,各県が 1 つずつのグループ ( 4 7 個)を構成する場 合まで多くとも 4 7 通りであるので,この親近性データ作成の時点でかなりの情報圧縮が行なわれ

‑ 87 ‑

(7)

関西大学『社会学部紀要」第 2 5 巻第 3 号 ている。

5) 

非計董多次元尺度構成法について

多次元尺度構成法 (MDS) の登場は, Torgerson[ 3 1 ] の提案であり, デークがユークリッ ド距離の公理をみたす計量的 MDS であった。その後, デークの順序関係だけをみたす非計量 的 MDS が , Shepard[ 2 4 ] により提唱され, K r u s k a l[ 1 0 ] によって発展させられた。

地域間の関係を表す指標として, 親近性 ( s i m i l a r i t y ) や非親近性 ( d i s s i m i l a r i t y ) の程度を 表す測度妬が与えられた時に,これを「距離もどき」と解釈し,そのデークを本物のユークリ

ッド距離の組に変換する。解(最終配置とも呼ばれる)は少数の次元での点の配列からなり,点 間の距離が対象間の親近性・非親近性と, できる限り一致するように配置される。 この事によ り,小さい次元での図形表示が可能となり,分析者はその図形を見ることにより,全体的な地域 特性を把握することができる。

非計量 MDS の変換の過程では,地域氏と地域 K; の親近性を知.最終配置での距離を d , ; とすると,

如>卸 ならば d ; ; : : ; ; ; : d ; ;   ( I I .   2 . 1 2 )   となる配置を算定する。なお,今回の非計量 MDS は,統計処理プログラム SAS の中の ALS‑

CAL プロシジャ [ 2 8 , 3 9 ,   4 0 ] を利用した。

最終配置する空間の次元数をどの程度にするかが, MDS 分析でのデーク適合時に問題にな る。今回の目的はマップ表現であるので, 2 次元空間を仮定し,結果が思わしくない場合には次 元数を問題視するのではなく,前節以前の,デーク前処理を再検討する事とし,分析を進めた。

皿 結 果 と 分 析

1 .   可到達行列のパターン変化

昭和55 年のデータに関して, 可到達行列の計算結果を最初に報告し, 非計量 MDS によるマ ップ表現の評価の参考としたい。

昭和5 5 年の可到達行列の推移は,大きく分けて 4段階に別れる。

‑ 88‑

(8)

多次元尺度法によるズーム式構造同定結果のマップ表現(辻)

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ス テ ッ プ A

図直ー 1 少数グループの分離

昭和

55

年ステップ

A

の可到達行列

閾値 2 . 9 6 以下の少数グループが大グループから離れる。

{新潟}{長野}{鳥取,島根}{栃木,群馬}{山梨}{富山,石川,福井}

(A‑1)  閾値 2 .9 6   {新潟}と{長野}がそれぞれ孤立して分離された。グループ数: 3  (A‑2) 

(A‑3)  (A‑4) 

(A‑5) 

閾値 3 . 1 3 {鳥取,島根}

閾値 3 . 2 7 {栃木,群馬}

の 2 県からなるグループが分離された。グループ数: 4  の

2

県からなるグループが分離された。グループ:

閾値 3 . 3 4 {山梨}が孤立して分離された。グループ数: 6 

閾値 3 .5 2   {富山,石川, 福井}

ら富山グループヘの移動が認められる。グループ数: 7 

の 3 県からなるグ)レープが分離された。

(図皿ー 1 を参照)

{新潟}か

ス テ ッ プ B 東北北海道グループの発生から四国グループの出現まで

閾値 3 . 5 4 で{東北北海道グループ}が出現し,孤立する県が現われた後,{四国グループ}が 発生する。

{東北北海道グループ}:{宮城,秋田,山形,福島,北海道,青森,岩手}

閾値 3 . 5 4 {宮城,秋田,山形,福島,北海道,青森,岩手}の 7 県からなるグルー プが分離された。{栃木ルグープ}と{新潟}から{宮城グループ}への移動がある。

{新潟}から{富山グループ}への移動はなくなった。グループ数: 8  (B‑1) 

‑ 89 ‑

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図直 ‑ 3 昭和

55

年ステップ

C

の可到達行列 後,{東北北海道グループ}からの

・京阪神グループ}に別れる。

{北海道} の分離, {東海道グループ}から{関東・中京

(C‑1) 

閾値 4 . 1 9 大グループが 2 つに分かれ,

崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島)の1 1県からなる{山陽・九州グループ)

三重,東京,京都,大阪,兵庫,奈良,神奈川,埼玉,千葉,岐阜,静岡}の 1 2 県か

{岡山グループ)へは{徳島グループ)

{岡山,広島,愛媛,山口,福岡,佐賀,長 と,{愛知,

らなる{東海道グループ}に分離された。

らだけ移動がある。グループ数: 1 7  

閾値 4 . 2 7 {北海道}が{宮城グループ}から孤立して分離した。{宮城グループ}や か

(C‑2) 

{秋田}や {栃木}や{新潟}から{北海道}への移動がある。{島根}が完全に孤立 した。グループ数: 1 8  

(C‑3)  閾値 4 . 3 5 {東海道グループ)が分解し,{静岡}

からなるグループ,{京都,大阪,兵庫,奈良}

1 県 , {岐阜,愛知,三重} の 3 県 の 4県からなるグループ,{神奈川,

ステップ D

(D‑1) 

埼玉,千葉,東京}からなるグループに分かれた。グループ数: 2 1   (図皿ー3 を参照)

グループから 1 県ずつの分離 閾値 4 . 6 2 {徳島グループ}が分解し,

た。グループ数: 2 2  

‑ 91  ‑

{香川} 1 県と {徳島, 高知} 2 県に分かれ

(11)

関西大学『社会学部紀要』第 2 5 巻第 3 号

(D‑2)  閾値 5 . 0 4 {岡山グループ)から{宮崎}が孤立して分離した。グループ数: 2 3   (D‑3)  閾値 5 . 2 3 {岡山グループ}から{大分)が孤立して分離した。グループ: 2 4   (D‑4)  閾値 5 . 3 1 {富山グループ}が分解し, {福井} 1 県と{石川, 富山) 2 県に分かれ

た。グループ数: 2 5  

(D‑5)  閾値 5 . 3 4 {岡山グループ}が{岡山} 1 県と{愛媛,福岡,佐賀,長崎,熊本,広 島,山口,鹿児島}

8

県に分かれた。グループ数: 2 6  

(D‑6)  閾値 5 . 3 6 {愛媛グループ}から{鹿児島} 1 県が分離した。グループ数: 2 7   (D‑7)  閾値 5 . 4 9 {京都グループ)から{奈良) 1 県が分離した。グループ数: 2 8   (D‑8)  閾値 5 . 5 7 {徳島)グループが分解して, {徳島)と{高知)とに孤立した。 グルー

プ数: 2 9  

2 .   非計量 MDS の結果

昭和 5 5 年のデークに関して結果を評価し,つぎに昭和 6 0 年,平成

2

年の結果について評価を進 めていく。

1) 

昭和 5 5 年データに関する非計量 MDS

第 1 に,相互依存関係(グループ)の親近性デークに対する結果(図皿 ‑ 4 ) (以後,グループ構 造図と呼ぶ)を前節の ISM の可到達行列の結果と対応させて評価を進めてゆく。なお, MDS  での不適合度の判断基準であるストレス値は 0 . 2 5 4 8 1 で収束したので, MDS の親点でもほぼ妥 当である。

●{福島,山形,秋田,宮城,岩手,青森,北海道}が第 1 次元 1 . 8 3 , 第 2 次元ー 1 . 0 3 近辺に固 まる。これは,

(B‑1)で発生したグループである。

●  {福井,石川,富山}が第 1 次元 0 . 8 6 , 第 2 次元ー 2 . 0 2 近辺に固まる。これは (A‑5) で発生 したグループである。

{山梨,鳥取,島根,栃木,群馬}が第 1 次元 1 .7 5 ‑ 1 .  7 9 ,   第 2 次元 1 .3 9 ‑ 1 . 4 7 近辺に固まる。

これは, (A‑2)(A‑3)(A‑4) で発生した。段階としては 3 つに別れるべきものである。

●  {長野,新潟}が第 1 次元 0 .4 4 ‑ 0 .  4 5 ,   第 2 次元 0 . 0 5 ‑ 0 . 0 7 近辺に固まる。これは (A‑1) で発 生した。

2

県は実際は独立している。

●  {茨城}が第 1 次元ー 0 . 8 8 , 第 2 次元 0 . 1 9 近辺に固まる。これは (Bも)で発生した孤立化で ある。

●  {神奈川,東京,千葉,埼玉}が第 1 次元ー 0 . 8 6 , 第 2 次元 0 . 2 3 で固まる。これは (C‑3) で 発生したグループである。

•その他の県が,第 1 次元ー0.85 からー0.82, 第 2 次元 0 . 1 8 から 0 . 2 3 で固まる。

‑ 9 2   ‑

(12)

多次元尺度法によるズーム式構造同定結果のマップ表現(辻)

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佐賀.福岡.高知.愛媛.香川.徳島.

山口.広島,岡山 和歌山,奈良.兵庫.大阪. 。

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静岡.岐阜

神奈川.東京.千葉.埼玉 茨城

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図 J l l ‑ 4

昭和55

年グループ構造図

要約すると,

7

つのグループ構造として有意義なグループを

2

次元で表現している事がわかっ た 。

可到達行列での (A‑1) から (B‑1) と , (B‑5) (C‑3) の 8回の条件が満足されている。前 項での可到達行列推移分析での前半部分が反映されたマッビングが実現されている。前にも述べ たが,可到達行列から最大 4 7 種類の親近性デークに加工した時点で情報圧縮がされているため,

今回の分析では約

2

割の地域構造が表現できたことになる。

各グループの間の距離であるが, (B‑1) で発生した東北グループと大グループ(関東,中京,

近畿,山陽,四国,九州)がマクロ的に第 1 次元上ではっきりと別れている。第 2 次元上で,大 グループから中グループに別れる過程が表現されている。このように,グループの間でもその分 裂過程が表現できていると判断できる。

‑ 93 ‑

(13)

関西大学『社会学部紀要」第

25

巻第

3

10  .  ‑2 

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岡山.広島.山口.徳島.香川.愛媛.高知.

佐賀.福岡.長崎.熊本.大分.宮崎.鹿児島 ヽ

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島根

沖縄

DIM2 

図 1 1 1 ‑ 5

昭和55

年グループ関連構造図

第 2 に , グループの間の片方向の依存関係を元にした分析の結果(図 m‑5) c グループ関連構

造図と呼ぶ)を評価する。 ストレス値が 0 . 3 8 4 9 9 で収束しており,上記の相互依存関係に比較し て,あてはまり具合の観点では少し悪い結果となった。これは,相互依存関係が最大 4 7 種類の親 近性デークという情報圧縮がなされているのに比較して,片方向の依存関係は情報量が多い事も 起因しているものと思われる。

{茨城}が第 1 次元 1 . 6 5 , 第 2 次元—0.56 にある。 これは, (B‑5) で発生した孤立状態を表 現している。

●{群馬}が第 1 次元 1 . 6 4 , 第 2 次元—0.57 にある。 これは, (B‑7) で発生した孤立状態であ る 。

●{長野}が第 1 次元 1 .5 6 ,   第 2 次元ー 0 . 3 8 にある。これは, (A‑1) で発生した孤立であり,

図 m‑4 で不十分の{新潟}との独立性を補完説明している。

‑ 94 ‑

(14)

多次元尺度法によるズーム式構造同定結果のマップ表現(辻)

●  {山梨}が第 1 次元 1 . 5 6 , 第 2 次元ー 0 . 7 5 にある。これは, (A‑4) で発生した孤立状態である。

●  {富山,石川,福井}が第 1 次元 1 . 4 9 , 第 2 次元 ‑ 0 . 7 9 から一 0 . 8 に固まる。これは, (A‑5) で発生したグループである。

{滋賀,和歌山}が第 1 次元 1 .3 1 ,   第 2 次元ー 1 . 0 5 から一 1 . 0 6 に固まる。これは, (B‑4)(B‑5) で発生した孤立状態である。

●  {鳥取}が第 1 次元 1 . 2 6 , 第 2 次元 1 . 1 2 に固まる。これは, (B‑6) で発生した孤立状態であ る 。

●  {新潟}が第 1 次元 0 . 5 4 , 第 2 次元 1 .5 6 に固まる。 これは, (A‑1) で発生した孤立あり,

( 1 ‑ 4 ) で不十分の{長野}との独立性を補完説明している。

●  {岐阜,愛知,三重}が第 1 次元 0 .3 9 ,   第 2 次元 0 . 0 9 に固まる。これは, (C‑3) で発生した グループである。

●  {静岡}が第 1 次元 0 . 3 4 , 第 2 次元 0 . 0 7 に固まる。これは, (C‑3) で発生した孤立状態であ る 。

●{北海道,青森,岩手,福島,宮城,山形,栃木,秋田}が第 1 次元 0 . 2 7 , 第 2 次元 1 .6 9 近 辺に固まっている。これは, (B‑1) で発生した 7 県のグループと, (B‑7) で{群馬}から 孤立する{栃木}との片方依存がかなり強い事を説明している。

〇{東京,埼玉,千葉,神奈川}が第 1 次元 0 . 0 5 近辺,第 2 次元 0 . 0 2 近辺で固まっている。こ れは, (C‑3) で発生したグループである。

●  {京都,大阪,兵庫,奈良}が第 1 次元ー 0 . 0 3 近辺,第 2 次元 0 . 3 8 で固まっている。これは,

(C‑3) で発生したグループである。

●  {岡山,広島,山口,徳島,香川,愛媛,高知,佐賀,福岡,長崎,熊本,大分, 宮崎, 鹿 児島}が第 1 次元ー 1 .3 1 近辺,第 2 次元ー 0 . 6 6 近辺で固まっている。これは, (C‑1) で発生 する 1 1 県からなるグループと (B‑8) で発生する{徳島,香川,高知}とが片方依存の点で かなり強く結べられている事を示している。

グループ構造図およびグループ関連構造図によって,各都道府県の関係を簡単に表現する方法 が見つかった。特にグループ構造図では全体から見たグループ構造の位置付けがわかり,グルー プ関連構造図では各県から見た他の都道府県の位置付けがわかるマップとなった。

2 )   昭和 6 0 年データおよび平成 2 年データに関する非計量 MDS

以上で示したグループ構造図およびグループ関連図に関して,昭和 6 0 年および平成 2 年のデー タに対しても適用してみる。(図皿ー 6 , 図皿—7, 図皿ー 8 , 図皿ー 9 を参照)

MDS での最終配置図は表示された点の間の距離にだけ意味がある。このため,図に表示され た配置に対して直交回転をする事も可能である。

‑ 95 ‑

(15)

関西大学『社会学部紀要」第

25

巻第

3

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静岡.山梨.滋賀

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6

昭和60年グループ構造図

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図直ー

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昭和6吟三グループ関連構造図

‑ 96 ‑

(16)

多次元尺度法によるズーム式構造同定結果のマップ表現(辻)

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富山.干蒙.窮馬.椙井.東京.宮城.北海道.

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図直ー

9

平成2

年グループ関連構造図

‑ 97 ‑

(17)

関西大学「社会学部紀要」第

25

巻第

3

昭和5

5

和のグループ構造図(図皿ー4

)

に比較して,昭和6

0

年のグループ構造図(図皿ー6

)

を見 ると,{近畿,西日本}のグループの位置付けや,{長野},{新潟}などの孤立した県の位置付け は変わらないが, {北海道,東北}グループの一部が{関東,中京}グ)レープに近付いている。

昭和6

0

年のグループ関連構造図(図皿ー7

)で確認すると,

{北海道,東北}グループの片方向の 関連はまだまだ強いものがあるが,特に{北海道},{秋田}に関しては関東グループに近付いた 傾向を示している。同様に, {福井,石川,富山}のグループが{近畿,中京}グループに接近

した状況を読み取る事ができる。

平成 2 年のグループ構造図(図皿—8) を見ると, {鳥取,島根}, {山梨}の孤立状態がはなは だしいため,大グループ 2 つだけがはっきりしたという結果となった。 2 極集中化を表してもい るようである。

W 考 察

システム構造を把握するために非計量 MDS によるマッビング問題に取り組んで来たが, っ ぎの 2 つの課題を残した。

•昭和55年, 60年,平成 2 年とマップを分折する中で,座標配置の不統一による分析のしづら さがある。

•平成 2 年のグループ構造図に見られるように,構造の差が激しい場合に多くのグループ構造 をマップとして表現しにくい。

第 1 番目の問題に関しては, 元来の MDS の分析過程において, 初期配置を与えた後に最終 配置に向けて最適化の過程が進められる。今回の分析では果たせなかったが,分析の出発点での 初期配置の設定問題,いくつかの時点の構造データを分折し比較する場合の基礎となる初期配置 データの検討など,今後の分析で検討して行きたい。

今回の分析では地域構造基本データの最小値から最大値までを「しきい値」としてズーム式に くりかえした。この結果として初期に発生する特定の県の孤立化が最終的なグループ構造図に対 して影響が強いために, 第

2

番目の課題が発生した。そこで,「しきい値」を最小値から始めず に中間値から始める事によって中間点以後のグループ構造が把握できるものと思われる。

図IV‑10に , 平成 2年データの中間値から始めた場合のグループ構造図を示す。初期配置は,

図皿—8の最小値から始めたグループ構造図の配置を用いた。初期配置を共通化する事により結果 の比較が容易となった。グループ構造の分析の面では,中間点までに離れていた{鳥取,島根},

{山梨}に関しては,図 f i l ‑ 8 上では参考にしないという制限がつくものの, 大グループ 2 つが分

‑ 98 ‑

参照

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