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学位名 博士(看護学)

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Academic year: 2021

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北海道医療大学学術リポジトリ

看護実践における行為の振り返り尺度の開発−患者 の治療決定の支援に焦点をあてて−

著者 尾形  裕子

学位名 博士(看護学)

学位授与機関 北海道医療大学

学位授与年度 平成26年度 学位授与番号 30110甲第265号

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00010323/

(2)

看 護 実 践 に お け る 行 為 の 振 り 返 り 尺 度 の 開 発

~ 患 者 の 治 療 決 定 の 支 援 に 焦 点 を あ て て ~

Development of a Reflection Scale Based on Nurses’

Support for Therapeutic Decision-making by the Patient

平 成 26 年 度

北 海 道 医 療 大 学 大 学 院 看 護 福 祉 学 研 究 科 看護学専攻

尾形裕子

(3)

1

目 次

第1章 研究の背景と意義

... 4

第2章 文献検討 ... 7

I. 看護実践での判断力と行為の振り返りとの関連

... 7

1. 看護教育における看護実践能力と判断力の位置づけ ... 7

2. Wiedenbach,Corcoran,松谷他による看護実践能力における判断力の特性 8 3. 臨床判断を構成する一つの要素としての振り返り ... 9

II. 振り返りに関する見解と看護場面の設定 ... 10

1. 振り返りの方法 ... 10

2. 振り返りのスタイル

... 11

3. 振り返りの構成要素と影響する要因に関する見解 ... 12

4. 振り返りを明らかにするための看護場面の必要性と場面設定に向けた見解13 5. 看護場面「患者の治療決定のための看護支援」の振り返りの効果と見解

.. 14

III. 判断力の育成に向けた学習方略と尺度開発

... 17

1. 振り返りの評価と判断力の育成に向けた学習方略 ... 17

2. 看護実践における行為の振り返り尺度の開発に向けた方略 ... 18

第3章 研究目的 ... 21

第4章 研究方法 ... 22

I. 研究の概要(研究のプロセス) ... 22

II. 用語の定義... 22

III. 各段階での研究方法

... 23

1. 第 1段階: ... 23

2. 第 2段階 ... 24

3. 第 3段階 ... 27

IV. 倫理的配慮... 28

1. 倫理審査 ... 28

2. 施設への協力依頼

... 28

(4)

2

3. 対象者への協力依頼

... 28

4. データの保管 ... 29

第5章 結果 ... 30

I. 第 1段階の結果 ... 30

1. 調査対象者の概要

... 30

2. 調査結果 ... 30

3. 分析結果の厳密性の検討

... 35

II. 第 2段階の結果 ... 36

1. 質問項目の選定 ... 36

2. 専門家会議の開催と質問内容の修正 ... 38

3. パイロットスタディの実施 ... 38

4. 予備調査の結果 ... 39

5. 本調査の結果 ... 43

III. 第 3段階の結果 ... 45

1. 対象者の概要と属性

... 45

2. 尺度の実用性の意見

... 46

第6章 考察 ... 49

I. 本研究における対象者の特徴 ... 49

II. 「患者の治療決定のための看護支援に焦点をあてた振り返り」尺度の検討.... 50

1. 信頼性 ... 50

2. 妥当性 ... 51

III. 行為の振り返りに影響する要因 ... 56

IV. 実用可能性の検討

... 58

1. 尺度を使用する効果

... 58

2. 尺度を使用する対象と時期 ... 59

第7章 研究の限界と今後の課題

... 62

第8章 結論 ... 64

謝辞 ... 65

(5)

3

文献 ... 66

(6)

4

第1章 研究の背景と意義

看護実践は,看護師がある目的を遂げるために,深い思慮を持って,患者中心に行 われるものである(Wiedenbach,1964).看護師は,様々な看護場面において自らの 行為を決定していく必要があり,一層の実践力 の向上が求 められ ている .今日で は,

高度先進医療と対象者の価値の多様化により,看護師は患者とその家族の治療の意思 決定を支援するという役割を担っている.患者とその家族が治療が困難な状況におい ては,治療の開始や選択もしくは中止を意思決定するプロセスで多くの葛藤や苦悩が 伴う.看護師もまた同様に,意思決定をどのように支援するかといった自ら取るべき 行為を決定するためには,葛藤と苦悩を経験している.このような場面で適応できる 知識の修得と,的確な判断は看護実践における新たな課題である.

看護師は,看護実践における行為の決定,すなわち臨床判断を日常的に行っている.

臨床判断は,看護実践能力においては, “根拠に基づき看護を計画的に実践する能力”

の 1つとして位置付けられている(学士課程においてコアとなる看護実践能力と卒業 時到達目標.2011).Corcoran(1990)は,臨床判断は患者ケアの状況を熟慮し決定 を下すことであり,看護実践における看護師の認識であると定義した.臨床判断のプ ロセスは,一般的には知識に基づく推論をもって状況を把握し行為を決定する,論理 的な思考として理解されていた.そのため,判断力を育成する学習方略は疾病や治療 に関する医学知識や論理的な思考のスキルを伝 達する形式 の研修 会が中 心であっ た.

しかし,臨床で実践される判断が論理的思考にとどまらず,その他の思考の仕方が存 在することが徐々に明らかにされてきた(Corcoran,1990 ;Tanner,2000).尾形(2011)

は,臨床判断のプロセスの前半に位置する “状況の把握”に焦点をあて,臨床判断

で状況を把握するパターンを抽出した.明らかにされたパターンには, “状況を把握”

して“行為”を決定するといった演繹的なプロセスの他に,“行為”の後に“振り返

り”をして“状況の把握”をするといった帰納的なプロセスがあった.以上のことか

(7)

5

ら,看護師は実践した行為を振り返ることで判断と知識を統合させて,その場で起こ っている状況を把握する手段としていることが明らかとなり,振り返りが臨床におけ る判断力の育成の手がかりとなると考えた.振り返り(Reflecting)とは,自分の行 為を結果と結びつけ考えることであり,臨床判断の構成要素の 1つとされている

(Tanner,2006,2011).専門職が自らの行為を振り返ることは,既習の知識や思考 の習慣の見直しの機会となる(Schon,1983).したがって,看護実践における行為の 振り返りについて明らかにすることは,臨床での新たな知識の修得と判断力の育成に 向けた学習方略を見出すことができると考える.

看護実践における行為の振り返りを明らかにするには,構成概念の特徴を検討する 必要がある.また,看護実践は看護場面によって行為が変化する状況依存的な性格を もち(池西・田村・石川,2007),判断に迷いが生じることで行為が意識化される傾 向があるため(佐藤紀子,1989),看護実践における行為の振り返りの構成概念を明 らかにするためには場面設定が必要と考える.判断に迷いが生じる場面とは,がん疾 患や進行性の難病患者の治療決定の支援と考える.患者の治療決定とは,医師から提 案された治療を行うか否かを患者が決めることである.がん疾患や進行性の難病患者 は生命維持のために有効な治療開始までの期間が明確である一方で,治療によって対 象者の QOLを著しく低下させることから治療が最優先であるとは言い難く,文字通り 当事者の意思にゆだねられる場合がある.このような状況にある対象者への支援の振 り返りは,臨床での新たな知識の修得と判断力の向上の学習方略に加え,看護者の責 任感と役割意識を促進し専門性の探求に役立つと考える.

看護実践における行為の振り返りの構成概念が明らかになると,それを定量的に記 述した尺度を作成することが可能になる.尺度を活用して自らの実践を評価するには,

自己の課題を明確にして対策を講じることで判断力の向上が期待できることや,自分

の行った行為を意味付け看護職に重要な知識の探求につなげることができると考え

(8)

6

る.加えて,看護実践における行為の振り返りに影響する要因が明らかになると,行

為の振り返りが効果的に行える機会を,日常業務に反映させたシステムに組み込むこ

とが可能となると考える.

(9)

7

第2章 文献検討

文 献 は , 看 護 実 践 で の判 断 力 と 行 為 の 振 り 返 り と の 関 連 や , 判 断 力の 育 成 に 関 す る も の を 検 討 す る た め に, 看 護 実 践 , 判 断 力 , 振 り 返 り , 育 成 を キ ーワ ー ド と し て 検 索 を 行 っ た . 文 献 検 索に は , 主 に W e b版 医 学 中 央 雑 誌 ( V e r . 5) を使 用 し た . 振 り 返 り に 関 し て は , 看 護実 践 上 で 明 ら か に さ れ て い る 見 解 に 重 点 を おい て 文 献 検 索 を 行 っ た . 看 護 師 実 践 ,判 断 力 , 育 成 に 関 し て は , 振 り 返 り の 文 献 検討 か ら 得 た 知 見 を 関 連 付 け て 検 索 範 囲を 広 げ て , 看 護 学 ・ 教 育 学 ・ 心 理 学 等 で 用 いら れ る 書 籍 や 学 術 雑 誌 か ら も 文 献 検 索を 行 っ た .

W e b版 医 学 中 央 雑誌 ( V e r . 5) に よ る 振 り 返 り に 関 す る 検 索 で は , 2 0 0 2~ 2 0 1 1年 ま で の1 0年 間 で “ 振 り 返り ” ま た は “ R e f l e c t i o n” を キ ー ワ ー ド と し て , 原 著 論 文,

看 護 文 献 に 絞 り 込 み 検 索し た . “ 振 り 返 り ” ・ 原 著 論 文 ・ 看 護 文 献 では 1 1 3 4件 が ,

“ R e f l e c t i o n” ・ 原 著 論文 ・ 看 護 文 献 で は 6 7件 が 該 当 し た . 研 究 テ ーマ と 要 旨 の 内 容 か ら , 主 要 な テ ー マ が“ 振 り 返 り ” ま た は “ R e f l e c t i o n” で あ り ,研 究 の 中 心 的 な 概 念 と し 位 置 付 け て いる こ と , 研 究 対 象 が 看 護 学 生 ・ 教 員 や 患 者 を除 く と 1 1 5件 が 該 当 し た . さ ら に , 振り 返 り の 概 念 化 が 研 究 成 果 と さ れ て い る 研 究に 絞 り 込 む と 1 1文 献 が 該 当 し た . そ の他 書 籍 や 学 術 雑 誌 か ら1 3文 献 を 選 択 し た .

以 上 の 方 法 で 選 択し た 書 籍 , 雑 誌 , 原 著 論 文 か ら テ ー マ ご と に 共 通 する 知 見 を 得 た .

I . 看 護 実 践 で の 判 断 力 と 行 為 の 振 り 返 り と の 関連 1. 看 護 教 育 に お け る 看 護 実 践 能 力 と 判 断 力 の 位置 づ け

日 本 に お け る 看 護実 践 能 力 の 概 念 化 は , W i e d e n b a c h( 1 9 6 4) や B e n n e r( 1 9 8 4)の

文 献 の 解 釈 か ら 発 展 し て, 宮 内 ( 1 9 8 7) や 梶 山 他 ( 1 9 9 3) の 「 臨 床 能力 」 に 関 す る

研 究 に よ っ て 進 め ら れ てき た . し か し , そ の 後 は 看 護 研 究 の 実 績 と して 看 護 実 践 が

(10)

8

取 り 上 げ ら な か っ た こ とか ら , 看 護 実 践 の 用 語 の 定 義 や 構 造 化 は 明 確に さ れ て こ な か っ た 経 緯 が あ る . 看 護研 究 に よ る 看 護 実 践 の 概 念 化 が 停 滞 す る 一 方で , 看 護 学 教 育 で は 日 本 の 少 子 高 齢 化の 到 来 と 高 度 医 療 化 や 在 宅 医 療 の 進 展 , 介 護・ 福 祉 分 野 の 充 実 な ど , 保 健 ・ 医 療 ・福 祉 を 取 り 巻 く 社 会 情 勢 の 変 化 に 伴 い , 日 本の 学 士 課 程 が 急 激 に 増 加 し て い っ た .こ の よ う な 社 会 の 変 化 に よ る 看 護 基 礎 教 育 の学 士 課 程 の 充 実 に 伴 い , 看 護 実 践 能 力の 概 念 化 は 進 展 し た ( 尾 形 , 2 0 1 0) . 平 成1 6年 3月 に 文 部 科 学 省 は 看 護 学 教 育 の 在り 方 に 関 す る 検 討 会 を 行 い , 看 護 実 践 能 力 育成 の 充 実 に 向 け た 大 学 卒 業 時 の 5つ の到 達 目 標 を 設 定 し た . こ の 5つ 目 標 は 実 践 能力 の 内 容 を 示 し , 看 護 実 践 能 力 を 構 成す る 主 要 な 概 念 と し て 位 置 づ け ら れ た . そ のひ と つ で あ る

“ 看 護 の 計 画 的 な 展 開 能力 ” は , 専 門 職 者 と し て 提 供 す る 行 為 を 計 画的 ・ 意 図 的 に 展 開 す る た め の 判 断 に 焦点 を あ て た 能 力 と い え る . さ ら に , 2 0 1 1年 に「 学 生 過 程 に お い て コ ア と な る 看 護 実践 能 力 と 卒 業 時 の 到 達 目 標 」 に お い て は , “根 拠 に 基 づ き 看 護 を 計 画 的 に 実 践 す る能 力 ” の な か の “ 根 拠 に 基 づ い た 看 護 を 提 供す る 能 力 ” と し て , 臨 床 判 断 が 看 護 実践 能 力 の 一 つ と し て 明 確 に 位 置 付 け ら れ て いる .

2. W i e d e n b a c h, C o r c o r a n, 松 谷 他 に よ る 看 護 実践 能 力 に お け る 判 断 力 の 特 性

W i e d e n b a c h( 1 9 6 1) に よ る と , 「 臨 床 看 護 実 践 は , あ る 目 的 を 目 指 して 行 わ れ る

も の で あ り , 深 い 思 慮 を持 っ て 行 わ れ る も の で あ り , 患 者 中 心 の も ので あ る 」 ( p

3 9) と 述 べ , < 目 的 性 >, < 思 慮 の 深 さ > , < 患 者 中 心 > を 看 護 活 動の 3つ の 特 性

と し て 位 置 付 け た . こ れら の 特 性 を 踏 ま え て 看 護 師 が 効 果 的 に 実 践 を勧 め て い く た

め に 身 に つ け る 特 性 , すな わ ち 看 護 実 践 の 諸 側 面 ( A s p e c t s o f p r a c t i c e) に は < 知

識 > , < 判 断 > , < 技 術> の 3つ の 側 面 が あ る と し て い る . 判 断 は 看護 実 践 の 特 性

の 1つ で あ り , 知 識 ・ 技術 と 調 和 さ せ て 用 い る と き に , こ れ ら の 価 値は 発 揮 さ れ る

と し て い る . C o r c o r a n( 1 9 9 9) に よ る と 看 護 師 は 看 護 実 践 に お け る 行為 の 判 断 す な

わ ち 臨 床 判 断 を 日 常 的 に行 っ て お り , 臨 床 判 断 は 患 者 ケ ア の 状 況 を 熟慮 し , 決 定 を

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下 す と い っ た 看 護 師 の 認識 を 示 す と 述 べ て い る .C o r c o r a n は , W i e d e n b a c hと 同 様 に 看 護 場 面 で 知 識 と 判 断 を統 合 さ せ る と い う こ と は , 看 護 実 践 能 力 の 特性 で あ る こ と を 言 及 し て い る . ま た ,松 谷 他 ( 2 0 1 0) は 文 献 レ ビ ュ ー か ら 看 護 実 践能 力 を 構 造 化 し , 主 要 素 の 〔 人 々 ・ 状況 を 理 解 す る 力 〕 を 「 知 識 の 適 用 ( ア セ ス メン ト ) 力 」 と

「 人 間 関 係 を つ く る ( コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ) 力 」 で 構 成 し た . 「 知 識の 適 用 ( ア セ ス メ ン ト ) 力 」 は , 情 報を 適 切 に と り 扱 い , ク リ テ ィ カ ル シ ン キ ン グと 分 析 お よ び 知 識 の 統 合 を 通 し て ア セス メ ン ト を 行 う , 臨 床 で の 判 断 力 と し て 位 置付 け た . 以 上 の 文 献 に 共 通 し た 見 解 は, 判 断 は 看 護 実 践 能 力 の 1つ で あ る と 共 に ,知 識 と 密 接 に 関 連 し て そ の 能 力 を 発 揮す る と い う こ と で あ る .

3. 臨 床 判 断 を 構 成 す る 一 つ の 要 素 と し て の 振 り返 り

T a n n e r( 2 0 0 6) は, 臨 床 判 断 の 教 育 を 視 野 に 入 れ た 以 下 の 臨 床 判 断 モデ ル を 紹 介 し て い る . こ の モ デ ル は“ 注 目 す る ( N o t i c i n g ) ” “ 分 析 する ( I n t e r p r e t i n g ) ”

“ 反 応 す る ( R e s p o n d i n g ) ” “ 振 り 返 る ( R e f l e c t i n g ) ” の 4つ の 側 面 か ら 構 成さ れ て お り , 互 い に 関 連 する プ ロ セ ス と し て 説 明 し て い る . 佐 藤 紀 子 ( 1 9 8 9) も ま た ,

T a n n e rと 同 様 に 臨 床 判 断に 関 す る 概 念 化 を 行 い , “ 知 識 ” “ 状 況 の 把握 ” “ 行 為 ”

“ 行 為 の 効 力 ” “ 満 足 感” の 5つ の 構 成 要 素 を 時 系 列 か ら な る プ ロ セス で 説 明 し て い る . そ の プ ロ セ ス の 前半 に 位 置 す る “ 知 識 ” と “ 状 況 の 把 握 ” は ,行 為 を 決 定 す る た め に 知 識 と 判 断 を 統合 さ せ た , 狭 義 の 判 断 そ の も の と 捉 え ら れ る. プ ロ セ ス の 後 半 に あ る , “ 行 為 の 効力 ” , “ 満 足 感 ” は , 行 為 の 結 果 に つ い て 考察 す る “ 振 り 返 り R e f l e c t i n g” と い った 解 釈 が で き る . こ れ ら の 研 究 成 果 を も と に, 尾 形 ( 2 0 1 1)

は , 臨 床 判 断 の プ ロ セ スの 前 半 に 位 置 す る “ 状 況 の 把 握 ” に 焦 点 を あて , 臨 床 判 断

で 状 況 を 把 握 す る パ タ ーン を 抽 出 し た . 明 ら か に さ れ た パ タ ー ン は 3つ あ り , そ の

う ち の 一 つ は “ 状 況 を 把握 ” し て “ 行 為 ” を 決 定 す る と い っ た 問 題 解決 に 代 表 す る

演 繹 的 な プ ロ セ ス と 解 釈で き る 〔 経 験 に よ る 直 行 型 〕 パ タ ー ン で あ る. 他 の 2つ は ,

(12)

10

看 護 師 は 看 護 行 為 と 患 者の 反 応 の や り 取 り を 繰 り 返 す こ と に よ っ て 認識 が 変 化 す る

〔 意 味 追 及 に よ る 反 復 型〕 パ タ ー ン や , 看 護 行 為 を し て か ら 状 況 を 把握 す る と い っ た 〔 行 為 先 行 型 〕 パ タ ーン が 明 ら か と な っ た . 看 護 師 は 実 践 し た 行 為を 振 り 返 る こ と で 判 断 と 知 識 を 統 合 させ て , そ の 場 で 起 こ っ て い る 状 況 を 把 握 す る手 段 と し て い る こ と が 明 ら か と な り , T a n n e rや 佐 藤 と 同 様 に “ 振 り 返 り ” が 臨 床 判断 の 構 成 要 素 の 一 つ で あ る と い う 共 通の 見 解 を 持 つ こ と が で き た .

I I . 振 り 返 り に 関 す る 見 解 と 看 護 場 面 の 設 定 1. 振 り 返 り の 方 法

T a n n e r( 2 0 0 0a )に よ る と , 振 り 返 り ( R e f l e c t i n g) と は 自 分 が 行 っ た こ と につ

い て 考 え て み る こ と で ある . そ し て , 看 護 実 践 を 振 り 返 る こ と は , 責任 感 と 自 分 の

行 為 を 結 果 と 結 び つ け て考 え る こ と で ,看 護 行 為 の 結 果 と し て 何 が 起こ っ た か つ い

て 知 る 必 要 が あ る . し たが っ て , 看 護 実 践 に お け る 行 為 の 振 り 返 り は, 自 分 の 行 為

を 結 果 と 結 び つ け て 看 護専 門 職 と し て の 責 務 を 全 う し て い る か , そ の目 的 に つ い て

考 え る こ と と い っ た 解 釈が で き る . T a n n e r( 2 0 0 0b ) は , 「 R e f l e c t i n gとは , 過 去

を 振 り 返 っ て 深 く 考 え ると い う こ と で あ る が , 問 題 と な っ て い る も のを 探 索 し て 思

考 ・ 熟 考 す る こ と が 大 切で あ る . こ れ は ま た , 経 験 を も と に し て 考 える と い う こ と

で あ る . 」 ( p 4 5 )と も 述べ て お り , “ 振 り 返 り ( R e f l e c t i n g ) ” に は実 践 経 験 が 基

盤 に な っ て い る こ と を 示唆 し て い る . W i e d e n b a c h( 1 9 6 4) も ま た , 看 護 師 が 行 為の

後 に 振 り 返 る こ と に 関 連し て 次 の よ う に 述 べ て い る . 「 再 構 成 と は ,看 護 婦 が 知 覚

し た ま ま の 患 者 ( あ る いは 個 々 人 ) の 行 動 に つ い て , そ し て ま た そ のと き 看 護 婦 が

体 験 し た 思 考 や 感 情 や ,そ の 結 果 と し て 生 じ た 行 為 に つ い て 再 収 集 し, 時 間 を 追 っ

て 詳 細 に 記 述 す る こ と によ っ て 表 さ れ る も の で あ る . そ れ は ま た 体 験あ る い は 体 験

の 一 部 を , 再 び 取 り 戻 すた め の 試 み で も あ る . 」 ( p 1 0 9) こ の よ う に ,

(13)

11

W i e d e n b a c hは 再 構 成 と いう 事 例 を 評 価 す る 一 手 段 に よ っ て , 看 護 師 が実 際 に 経 験 し た 患 者 に 対 す る ケ ア を 思い 起 こ し た こ と を 記 述 し て , 行 為 の 成 果 を 目的 と 照 合 す る こ と が , 客 観 的 な 評 価 を得 る た め の 学 び で あ る こ と を 言 及 し た . 振 り返 り は 臨 床 で 経 験 し た 出 来 事 を , 自 ら振 り 返 る こ と に よ っ て 意 味 を も つ こ と か ら ,実 践 者 に 特 有 の 学 習 方 略 で あ る こ と が示 唆 さ れ て い る .

2. 振 り 返 り の ス タ イ ル

W i e d e n b a c h( 1 9 6 4) は , 振 り 返 り の 場 や 時 期 に つ い て は 次 の よ う に 述べ て い る .

「 出 来 事 の 動 き が す ば やい そ の 時 そ の 場 の 状 況 か ら 離 れ , そ の 時 に のみ こ ま れ , 時 間 的 に も 勢 力 的 に も 客 観的 に 見 返 る こ と の で き な か っ た 詳 細 な 事 柄 への “ 振 り 返 り ” が 必 要 な の で あ る . 」 (p 1 1 0) S c h o n( 1 9 8 3) も ま た , 「 実 践 者は , 自 分 自 身 の 行 為 の 中 の 知 の 生 成 に つい て ( o n) ふ り 返 る . 実 践 が 終 わ っ た 後 の 比較 的 静 か な 時 間 に , 自 分 が と り 組 ん だプ ロ ジ ェ ク ト に つ い て , 過 ご し た 状 況 に つ いて 思 い を め ぐ ら し , 事 例 を 扱 っ た と きに ど の よ う に 理 解 し た か を 探 求 す る . 」 ( p6 4) と 述 べ て い る . こ の よ う に , 振 り返 る に は , 出 来 事 が 起 き た そ の 時 そ の 場 で は時 間 的 ・ 勢 力 的 に も 客 観 的 に 見 返 る こと が で き な い 場 合 も あ る と い う こ と で あ る . そ し て ,

T a n n e r( 2 0 1 1) は 振 り 返り の 二 つ の ス タ イ ル に つ い て 次 の よ う に 説 明し て い る . 一

つ は 行 為 の 後 に 振 り 返 るこ と で あ り , も う 一 つ は 行 為 し な が ら 振 り 返る と い っ た ス

タ イ ル で あ る . 行 為 し なが ら の 振 り 返 り は , 実 際 に 行 動 し な が ら 振 り返 る こ と で ,

看 護 師 は 患 者 の 状 態 を モニ タ リ ン グ し て ど の よ う な 反 応 が み ら れ る かを 考 え , そ し

て 患 者 の 反 応 を 見 な が ら自 分 の と る 行 動 を 調 整 す る と い っ た こ と で ある . そ し て ,

行 為 し な が ら の 振 り 返 りは , 事 象 が 起 き て い る そ の 場 そ の 時 に , 専 門家 と し て の 卓

越 し た 判 断 を 可 能 に す る実 践 的 思 考 で あ る . 田 村 ・ 津 田 ( 2 0 0 8) も 同様 に , 「 行 為

の な か の リ フ レ ク シ ョ ン( 振 り 返 り ) は , 看 護 実 践 家 が 出 会 う 状 況 や問 題 を 認 識 し ,

行 為 し て い る 中 で そ の こと を 考 え る プ ロ セ ス を 意 味 す る . 」 ( p 1 7 4) と , 実 践 者

(14)

12

の 特 性 と し て の 行 為 の 中で の 省 察 が 起 き る こ と に つ い て 述 べ て い る .す な わ ち , 行 為 し な が ら ( 行 為 の 中 )の 振 り 返 り は , 行 為 の 後 の 振 り 返 り と あ わ せて , 実 践 家 が 持 つ 思 考 ス タ イ ル と し て提 唱 さ れ , 互 い に 関 連 し 合 い , 実 践 し た 個 別の 状 況 に 即 し た 実 践 的 な 知 識 の 獲 得 につ な が る と さ れ て い る .

3. 振 り 返 り の 構 成 要 素 と 影 響 す る 要 因 に 関 す る見 解

リ フ レ ク シ ョ ン (振 り 返 り ) に 関 す る 研 究 の 動 向 と し て は , 構 成 す る要 素 , ス キ ル な ど が 明 ら か に さ れ てい る . 池 西 他 ( 2 0 0 7) は , リ フ レ ク シ ョ ン を構 成 す る 9要 素 と し て , 【 状 況 の 認 識】 【 状 況 へ の 問 題 意 識 】 【 状 況 へ の 関 心 】 【対 話 】 【 批 判 的 分 析 】 【 問 題 意 識 の 再構 成 】 【 実 践 】 【 実 践 に 対 す る 評 価 】 【 看 護師 の 内 面 的 変 化 】 を 抽 出 し て い る . そし て , こ の 9要 素 の 関 連 か ら , 2つ の リ フ レク シ ョ ン の パ タ ー ン を 検 出 し た . 1つは 実 践 の 中 で リ フ レ ク シ ョ ン す る こ と に よ り問 題 解 決 に 至 り , 事 後 に は 看 護 師 の 内面 的 変 化 に 至 っ た パ タ ー ン で , も う 1つ は 実践 の 中 で は 問 題 解 決 に 至 ら な か っ た が, 事 後 の リ フ レ ク シ ョ ン に お い て 経 験 か ら の学 び を 見 出 す こ と の で き た パ タ ー ン であ っ た . 2つ の パ タ ー ン の 比 較 か ら , 【 批 判的 分 析 】 ( ク リ テ ィ カ ル シ ン キ ン グ )が , 抑 圧 し て い る 自 己 の 前 提 や 経 験 , 知 識 ,考 え 方 な ど を 問 い 直 し , 意 識 変 容 の 学習 へ と 導 い て い た こ と を 示 唆 し た . こ の こ とか ら , ク リ テ ィ カ ル シ ン キ ン グ は , 行為 し な が ら 振 り 返 る こ と と , 行 為 の 後 の 振 り返 り を 紡 ぐ , リ フ レ ク シ ョ ン の コ ア とな る 要 素 で あ る と い っ た 解 釈 が さ れ て い る . A t k i n s( 2 0 0 0)

は , リ フ レ ク シ ョ ン に 必須 の ス キ ル と し て , 【 自 己 へ の 気 づ き 】 【 表現 】 【 ク リ テ ィ カ ル な 分 析 】 【 評 価 】【 総 合 】 を 明 ら か に し て お り , ク リ テ ィ カ ルシ ン キ ン グ は リ フ レ ク シ ョ ン の ス キ ルの 中 で も 中 心 的 な 概 念 と し て 位 置 付 け ら れ てい る .

ま た , 【 自 己 へ の気 づ き 】 は , 池 西 ら が 見 出 し た リ フ レ ク シ ョ ン を 構成 す る 要 素

の 【 状 況 の 認 識 】 【 状 況へ の 問 題 意 識 】 【 状 況 へ の 関 心 】 と 同 様 に ,看 護 師 の 出 来

事 に 対 す る 認 識 の 始 ま りの 概 念 で あ り , 振 り 返 り の 内 的 動 機 付 け と して 捉 え る こ と

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が で き る . そ し て , 上 田・ 宮 崎 ( 2 0 1 0) は , リ フ レ ク シ ョ ン を 促 す 方法 か ら み た 課 題 を 3点 述 べ て い る . 1つ 目 の 【 リ フ レ ク シ ョ ン の 内 容 】 は , 看 護 実践 の 中 で 印 象 に 残 っ た 困 難 や 不 確 か さ, 事 象 に 伴 う 感 情 , 看 護 者 の 考 え と 行 動 の 理由 と い っ た 内 的 動 機 付 け に 相 当 す る .他 の 2点 【 リ フ レ ク シ ョ ン を 促 す 場 】 , 【 リフ レ ク シ ョ ン を 促 す 関 わ り 】 は , 人 もし く は 環 境 に よ っ て 与 え ら れ る “ 行 為 の 振 り返 り の 機 会 ” と い っ た 外 的 動 機 付 け と捉 え る こ と が で き る . し た が っ て , 振 り 返 りに 影 響 す る 要 因 は , 実 践 経 験 を 基 盤 とし て , 内 的 動 機 付 け と 外 的 動 機 付 け の 双 方 を視 野 に 入 れ る 必 要 が あ る .

4. 振 り 返 り を 明 ら か に す る た め の 看 護 場 面 の 必要 性 と 場 面 設 定 に 向 け た 見 解 前 述 の 池 西 他 ( 2 0 0 7) は , リ フ レ ク シ ョ ン を 構 成 す る 要 素 の 【 状 況 の認 識 】 【 状 況 へ の 問 題 意 識 】 【 状 況へ の 関 心 】 に 共 通 す る 要 素 は “ 状 況 ” で あ り, 状 況 と は 看 護 場 面 そ の も の と い っ た解 釈 が で き る . し た が っ て , 看 護 場 面 は 振 り返 り の 動 機 付 け と 捉 え る こ と が で き る.

振 り 返 り と 看 護 場面 に 関 す る 見 解 は , 以 下 の 3つ と な る .

1つ 目 と し て , 都留 ( 1 9 8 9) は 判 断 に お け る 状 況 の 特 徴 に は , 判 断 する も の が そ

の 場 に い て , 自 分 が 入 り込 ん だ 状 態 で 状 況 を 観 察 し て , じ か に 得 ら れる 情 報 を も と

に す る こ と と 述 べ て い る. 一 方 , T a n n e r( 1 9 9 0) は , 臨 床 判 断 に よっ て 決 定 さ れ た

行 為 の 評 価 に は , シ ミ ュレ ー シ ョ ン テ ス ト が 適 用 す る こ と を 言 及 し た. こ こ で い う

シ ミ ュ レ ー シ ョ ン テ ス トと は , 予 め 設 定 さ れ た 看 護 実 践 場 面 の 状 況 に対 し て , 評 価

対 象 者 が 個 別 の 回 答 を 提示 し , そ の 回 答 の 正 確 さ を 他 者 が 評 定 す る 方法 で あ る . し

か し , シ ミ ュ レ ー シ ョ ンテ ス ト で 設 定 し た 状 況 が , 調 査 対 象 と な る 看護 師 の 日 常 的

な 実 践 の 場 を 反 映 す る とは 限 ら ず , 現 実 的 な 判 断 か ら ズ レ が 生 じ る 可能 性 が あ る .

し た が っ て , 振 り 返 り はシ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は な く 看 護 師 が 過 去 に 実際 に 行 っ た 場

面 で の 行 為 が 望 ま し い と考 え る .

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2つ 目 は , T a n n e r( 2 0 1 1) が 振 り 返 り に は プ ロ セ ス が あ り , い く つ かの 層 に 分 か れ て お り , 振 り 返 り の 始ま り で あ る 動 機 と , 振 り 返 り の 終 わ り で あ る看 護 行 為 の 結 果 と し て 何 が 起 こ っ た かに つ い て 知 る こ と が 必 要 で あ る と 言 及 し て いる . ま た , 振 り 返 る こ と の 動 機 と し て, 体 験 が 内 的 な 心 地 悪 さ の 引 き 金 に な り , 気に か か っ て い る こ と を 明 ら か に す る こと に よ っ て , 問 題 と な っ た 出 来 事 を 広 げ て 見直 す こ と が 求 め ら れ る 場 合 も あ る こ とを 述 べ て い る . 加 え て , 振 り 返 り の 動 機 と して 振 り 返 り の 場 面 そ の も の の 影 響 が あり , 看 護 場 面 そ の も の が 自 分 の 行 為 と 看 護 者と し て の 責 任 感 と を 結 び 付 け て 考 え るよ う な 状 況 を 想 定 す る こ と が 必 要 で あ る こ とも 述 べ て い る . 池 西 他 ( 2 0 0 7) も , 看 護実 践 は 対 象 者 や そ の 人 が お か れ て い る 状 況 によ り , 具 体 的 援 助 内 容 が 変 化 す る と いう 状 況 的 な 要 素 が 強 い こ と を 言 及 し て い る .し た が っ て , 振 り 返 り を 促 進 す る た めに は , 内 的 動 機 付 け と な る よ う な 印 象 に 残 る特 定 の 場 面 設 定 が 必 要 と 考 え る .

3つ 目 と し て , 判断 は 迷 い が 生 じ る こ と で 意 識 化 さ れ る 傾 向 が 示 唆 され て い る

( 佐 藤 紀 子 , 1 9 8 9) . 判断 の 迷 い と は 判 断 で き る だ け の 既 習 の 知 識 を十 分 備 え て い る こ と と , 既 習 の 知 識 を備 え て い て も そ の 適 応 も し く は 応 用 が 困 難 なケ ア で あ る こ と が 条 件 と 考 え る . つ まり , 臨 床 で 判 断 が 意 識 化 さ れ る に は , 状 況 に対 す る 能 動 的 な 働 き か け が 必 要 と な り, そ の た め に は ケ ア の 目 的 が 明 確 に 設 定 さ れて い る こ と や , ケ ア の 結 果 が 得 ら れ る 期間 が 限 ら れ て い る こ と が あ げ ら れ る .

5. 看 護 場 面 「 患 者 の 治 療 決 定 の た め の 看 護 支 援」 の 振 り 返 り の 効 果 と 見 解

振 り 返 り を 明 ら かに す る た め の 看 護 場 面 と は , 以 下 の 検 討 よ り 「 患 者の 治 療 決 定

の た め の 看 護 支 援 」 を 行う 場 面 が 想 定 で き る . 日 本 で は 1 9 9 7年 医 療 法改 正 に よ っ て ,

医 療 者 は 適 切 な 説 明 を 行っ て , 医 療 を 受 け る 者 の 理 解 を 得 る よ う 努 力す る 義 務 が 初

め て 明 記 さ れ , 医 療 の 場で の イ ン フ ォ ー ム ド コ ン セ ン ト が 定 着 し て いる . 治 療 決 定

は 医 師 が 選 択 し た 治 療 を患 者 が 従 う と い っ た 従 来 の 方 法 か ら , 医 師 が提 案 し た 治 療

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を 行 う か 否 か を 患 者 自 身で 決 め る こ と を 求 め ら れ る 方 法 へ と 変 化 し てい る . こ れ に 伴 い , 患 者 の 意 思 決 定 に関 す る 医 療 従 事 者 の 支 援 が 重 視 さ れ て い る .

治 療 が 困 難 な 状 況で の 治 療 の 開 始 や 選 択 も し く は 中 止 を 意 思 決 定 す るに は , 患 者 と そ の 家 族 は 多 く の 葛 藤や 苦 悩 を 経 験 し て い る . 特 に が ん 疾 患 や 進 行性 の 難 病 患 者 は , 生 命 維 持 の た め に 有効 な 治 療 開 始 ま で の 期 間 が 明 確 で あ る 一 方 で, 治 療 に よ っ て 対 象 者 の Q O Lを 著 し く低 下 さ せ る こ と か ら 治 療 が 最 優 先 で あ る と は言 い 難 く , 文 字 通 り 当 事 者 の 意 思 に ゆだ ね る 場 合 が あ る . 高 度 医 療 の 急 激 な 発 展 に伴 い , 医 療 従 事 者 は 治 療 の 専 門 的 な 理解 や 治 療 の 実 施 と 同 時 に , 患 者 と そ の 家 族 の意 思 決 定 を ど の よ う に 支 援 す べ き か とい っ た , 患 者 と そ の 家 族 と 同 様 の 葛 藤 と 苦 悩を 経 験 し て い る . 医 療 従 事 者 の 中 で も, 患 者 と そ の 家 族 と 療 養 生 活 の 多 く を 共 に する 看 護 師 は , 治 療 を 提 案 す る 医 師 と 同様 に 直 接 的 に 意 思 決 定 を 支 援 す る 立 場 に あ ると い え る . こ の よ う な 背 景 か ら , 看 護師 は 患 者 の 治 療 決 定 の 支 援 に 迷 い や 困 難 を 感じ て , 限 ら れ た 期 限 の 中 で ど の よ う に支 援 を 決 め て い く べ き か 思 い 悩 み , 意 図 的 に振 り 返 り を し な が ら 行 為 を 決 定 し て いる こ と が 予 測 さ れ る . そ し て , 患 者 の 治 療 決定 が 行 わ れ た , も し く は 終 了 し た 後 も 患者 に と っ て ど う で あ っ た か を 振 り 返 る こ と で, 将 来 の 看 護 場 面 で 適 応 で き る 新 た な知 識 を 模 索 し て い る こ と が 考 え ら れ る .

患 者 の 治 療 決 定 の支 援 に 関 し て 明 ら か に さ れ て い る 見 解 と し て , 倫 理的 意 思 決 定

モ デ ル を 活 用 し た 患 者 支援 が あ る . 倫 理 的 意 思 決 定 モ デ ル は , 倫 理 的対 立 に 含 ま れ

る 価 値 の 側 面 と 事 実 に 基づ く 側 面 の 両 方 を 分 析 す る た め の 順 序 だ っ た方 法 が 示 さ れ

て い る . 代 表 的 な モ デ ルで は ジ ョ ン ス ト ン の 道 徳 的 モ デ ル ( 1 9 9 9) があ り , ( 1 )批

判 的 ・ 内 容 的 な 状 況 の アセ ス メ ン ト , ( 2 )道 徳 的 問 題 の 明 確 化 と 診 断, ( 3 )明 確 に

な っ た 問 題 に 対 応 す る 適切 な 行 為 の 計 画 , ( 4 )計 画 し た 行 為 の 実 施 , ( 5 )行 っ た行

為 の 成 果 を 評 価 し 問 題 の本 質 を 明 確 に し て 解 決 す る こ と , と い っ た 5段 階 の 要 素 か

ら 構 成 さ れ て い る . ま た, 倫 理 分 析 や 意 思 決 定 の た め の R A S P E C T モ デル ( 1 9 9 6) は ,

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そ の 人 の 関 心 や 価 値 に 配慮 し 尊 重 す る た め の 7つ の 要 素 か ら 構 成 さ れて い る . こ れ ら の 倫 理 的 意 思 決 定 モ デル の 特 徴 は , 価 値 対 立 に 焦 点 を お い た 問 題 解決 の プ ロ セ ス で あ り , プ ロ セ ス を 形 成す る 個 々 の 要 素 を 実 践 と 照 合 し 事 象 の 解 釈 と解 決 策 を 導 き 出 す こ と を 目 的 と し た 事例 研 究 ( 橋 本 ・ 松 本 ・ 森 田 , 2 0 1 0) 等 に 用 いら れ て い る . こ れ ら の 倫 理 的 意 思 決 定モ デ ル を 活 用 し た 研 究 成 果 に よ っ て 実 践 で 活用 で き る 知 識 の 普 及 が 期 待 で き る . しか し , 倫 理 的 意 思 決 定 モ デ ル の 解 釈 は , 看 護師 個 別 の 実 践 経 験 に よ っ て 差 が 生 じ るこ と が 予 測 さ れ , 日 常 的 に 活 用 す る に は モ デル を 熟 知 し た ス ペ シ ャ リ ス ト の 支 援 や, 日 常 業 務 か ら 離 れ て 研 修 等 で 十 分 な 時 間 を設 け て モ デ ル の 理 解 と 事 例 検 討 を 行 う必 要 が あ る と 考 え ら れ る .

ま た , 治 療 決 定 の支 援 の 実 際 に 関 し て は , が ん 疾 患 や 進 行 性 の 難 病 とい っ た 治 療

決 定 が 困 難 な 疾 患 を 持 つ患 者 に 焦 点 を あ て た 研 究 が 大 半 を 占 め る ( 大久 保 ・ 小 西 ,

2 0 0 1; 尾 沼 ・ 鎌 倉 ・ 長 谷川 ・ 金 田 , 2 0 0 4; 太 田 , 2 0 0 6; 遊 佐 ・ 牛 久 保, 2 0 0 8) . こ

れ ら の 研 究 は , 患 者 ・ 家族 の 意 思 決 定 の 体 験 を 明 ら か に し た も の で あり , そ の 体 験

か ら 看 護 師 の 役 割 や 支 援方 法 に つ い て 検 討 が さ れ て い る . ま た , 看 護師 の 支 援 の 在

り 方 ( 牛 久 保 ・ 飯 田 ・ 大谷 , 2 0 0 8) ( 西 尾 ・ 藤 井 , 2 0 1 3) や , 役 割 葛藤 ( 渡 邉 ・ 菊

井 ・ 大 橋 , 2 0 0 4) に つ いて , 看 護 師 自 身 の 体 験 か ら 支 援 内 容 や 影 響 する 要 因 を 明 ら

か に し た 研 究 も あ る が まだ わ ず か で あ る . 以 上 の 研 究 成 果 を ま と め ると , 患 者 の 治

療 決 定 の 看 護 支 援 に は ,① 治 療 決 定 に 必 要 な 情 報 提 供 や 情 報 解 釈 , ②ア セ ス メ ン ト

技 術 , ③ 自 己 決 定 の 支 持や 保 証 な ど の 精 神 的 支 援 , ④ 副 作 用 の 対 処 や日 常 生 活 の 負

担 を 軽 減 す る 身 体 的 支 援, ⑤ 気 持 ち の 揺 れ や 迷 い へ の 対 処 や 優 し い 言葉 が け や 傾 聴

す る 態 度 , ⑥ 多 職 種 と の役 割 や 関 係 調 整 な ど が 明 ら か に さ れ た . こ れら の 研 究 で は ,

患 者 の 治 療 決 定 の 看 護 支援 の 内 容 や 要 因 に つ い て は 明 ら か に さ れ て いる が , 看 護 師

が ど の よ う に 支 援 を 決 定し た か と い う 看 護 師 の 思 考 を 明 ら か に し た もの は わ ず か で

あ る . 治 療 決 定 が 困 難 な対 象 者 へ の 支 援 の 良 し 悪 し を 明 ら か に す る こと は 難 し い が ,

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ど の よ う に 考 え て 支 援 を決 め た の か を 振 り 返 る こ と で , 看 護 師 の 思 考を 明 ら か に す る こ と は 可 能 と 考 え る .看 護 実 践 の 行 為 の 振 り 返 り に よ っ て 実 践 の 成果 を 自 ら 認 識

す る こ と で , 役 割 意 識 の促 進 と 新 た な 知 識 の 探 求 に 役 立 て る こ と が でき る と 考 え る .

I I I . 判 断 力 の 育 成 に 向 け た 学 習 方 略 と 尺 度 開 発

1. 振 り 返 り の 評 価 と 判 断 力 の 育 成 に 向 け た 学 習方 略

上 田 他 ( 2 0 1 0) によ る と , 臨 床 看 護 師 の 看 護 実 践 に お け る 行 為 の 振 り返 り を 促 進 す る 方 法 は , ① 一 人 で 実施 す る 日 記 や 記 録 , ② 他 者 と の 1対 1の 関 わり に よ り 実 施 す る 対 話 や ケ ア を 一 緒 に実 践 す る こ と , ③ 複 数 人 が 一 同 に 会 し て 実 施す る カ ン フ ァ レ ン ス ・ 事 例 検 討 会 が ある こ と を 述 べ て い る . 振 り 返 り は , 自 己 省 察で あ る と い っ た 特 性 を 持 つ こ と か ら ,① に 着 目 し た 自 ら 振 り 返 る た め の 方 略 を 検 討す る こ と が 必 要 で あ る と 考 え る .

K n o w l e s ( 1 9 8 0)に よ る と , 評 価 は 成 人 教 育 の プ ロ グ ラ ム を 運 営 し てい く う え で ,

肝 要 か つ 避 け る こ と の でき な い も の で あ り , 賢 明 な 運 営 者 は み な , たえ ず , 自 分 で

達 成 で き た と 思 っ て い る事 実 や 成 果 に つ い て の 価 値 判 断 を 下 し て い る. 看 護 者 は 専

門 職 と し て た え ず 自 身 を評 価 し , 評 価 に よ っ て 何 ら か の 行 為 に 結 び つけ る と い っ た ,

評 価 の 成 果 を 得 る べ く 努力 す る こ と で , 専 門 性 を 深 め る と い っ た 発 展が 期 待 さ れ て

い る . 松 谷 他 ( 2 0 1 0) もま た 、 看 護 実 践 能 力 の 評 価 に つ い て は , 他 者評 価 で な く 自

己 評 価 で 行 う 有 用 性 を 主張 す る 文 献 が 複 数 存 在 し , 自 己 評 価 は 専 門 職者 と し て の 実

践 と リ ン ク し て お り , 省察 的 な プ ラ ク テ ィ ス は 専 門 職 者 と し て の 実 践の 特 性 で あ り ,

自 己 学 習 や キ ャ リ ア 発 達を 促 進 す る と い っ た 見 解 を 述 べ て い る . 看 護師 が 自 ら の 実

践 の 成 果 に つ い て の 価 値判 断 を す る こ と で , 看 護 実 践 の 行 為 を 振 り 返る こ と に 意 味

を 見 出 し , 日 常 的 に 行 為を 振 り 返 る 習 慣 を つ け , 判 断 力 の 学 習 方 略 とし て 活 用 す る

こ と が 期 待 で き る .

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舟 島 ( 2 0 0 0) は 看護 実 践 の 評 価 方 法 に つ い て , 適 切 で 誰 で も 同 様 に 評価 で き る 基 準 を 備 え た 測 定 用 具 の 作成 が 必 須 で あ る と 説 明 し て い る . 看 護 実 践 能力 は , 日 常 の 業 務 の 経 験 の 積 み 重 ね にお い て 形 成 さ れ る も の で あ り , す べ て の 実 践者 で あ る 看 護 師 が 対 象 と な る . そ の ため , そ の 評 価 の ツ ー ル も , 日 常 的 に 利 用 可 能な 簡 便 な も の が 有 用 と 考 え ら れ る . 尺度 は , 実 用 性 ・ 適 応 性 と い う 観 点 か ら は , 多数 の 対 象 者 に 対 し て 同 時 に 使 用 で き ,一 般 化 さ れ た 明 確 な 基 準 の あ る , 簡 易 に 利 用可 能 な 測 定 用 具 で あ る . し た が っ て ,看 護 実 践 に お け る 行 為 の 振 り 返 り の 評 価 を 可能 に す る 尺 度 を 開 発 す る 必 要 が あ る と考 え る .

2. 看 護 実 践 に お け る 行 為 の 振 り 返 り 尺 度 の 開 発に 向 け た 方 略

看 護 実 践 に お け る行 為 の 振 り 返 り の 尺 度 の 開 発 は , 開 発 さ れ た 尺 度 の活 用 を 見 据 え た , 適 切 な 開 発 方 法 を検 討 す る 必 要 が あ る . 尺 度 は , 心 理 ・ 社 会 分野 で の 開 発 が 進 ん で い る が , 看 護 に おい て は 「 看 護 実 践 ・ 教 育 の た め の 測 定 用 具 ファ イ ル 開 発 か 知 恵 か ら 活 用 ま で の 実際 ま で 」 ( 舟 島 監 修 , 2 0 0 9) の 中 で , 研 究 の実 際 か ら 尺 度 開 発 の プ ロ セ ス が 紹 介 され て い る . こ の 方 法 で 開 発 さ れ た 尺 度 は , 看護 実 践 や 教 育 に お い て 活 用 さ れ て お り, そ の 実 用 可 能 性 も 実 証 さ れ て い る た め , 本研 究 に お い て は , こ の 尺 度 開 発 の プ ロセ ス を 参 考 に し て 研 究 を 進 め る こ と と す る .

ま た , 尺 度 の 基 準関 連 妥 当 性 を 検 証 す る た め に , す で に 信 頼 性 と 妥 当性 が 検 証 さ れ て い る 外 的 基 準 尺 度 を用 い て 相 関 を み る 必 要 が あ る . 本 研 究 で は ,批 判 的 思 考 と い う 概 念 に 着 目 し た . 振り 返 り ( R e f l e c t i o n) と 批 判 的 思 考 の 関 連 につ い て は い く つ か の 文 献 で 検 証 さ れ てお り , 批 判 的 思 考 は 行 為 の 振 り 返 り の 中 核 を担 う 概 念 と さ れ て い る ( 池 西 他 , 2 0 0 7; 本 田 他 , 2 0 0 9; T a n n e r, 2 0 1 1) こ と か ら , 批 判 的 思 考と は , 自 分 の 推 論 過 程 を 意識 的 に 吟 味 す る 反 省 的 ( r e f l e c t i v e) な 思 考で あ り ( 楠 見 ,

2 0 0 1) , 認 識 の 仕 方 の 特徴 と し て 捉 え る こ と が で き る . 批 判 的 思 考 の能 力 を 測 定 す

る 尺 度 に 関 し て , F a c i o n& F a c i o n( 1 9 9 2) が 作 成 し た 批 判 的 思 考 の 構成 要 素 の 1つ

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で あ る 態 度 を 測 定 す る 尺度 C a l i f o r n i a C r i t i c a l T h i n k i n g D i s p o s i t i o n

I n v e n t o r y( C C T D I) は ,複 数 の 分 野 で 広 く 活 用 さ れ て い る が , 日 本 版は い ま だ 確 立 さ れ て い な い . 廣 岡 ・ 元吉 ・ 小 川 ・ 斎 藤 ( 2 0 0 1) は , F a c i o n& F a c i o nと 同 様 に 批 判 的 思 考 の 志 向 性 を 測 定 する 尺 度 を 開 発 し て お り , こ の 尺 度 は 人 間 多 様性 理 解 , 他 者 に 対 す る 真 正 性 , 論 理 的な 理 解 , 柔 軟 性 , 脱 直 観 , 脱 軽 信 の 6因 子3 0項 目 ( 3 9項 目 ) に よ り 構 成 さ れ て い る .こ の 中 の 要 素 で あ る , 人 間 多 様 性 理 解 , 他 者に 対 す る 真 正 性 , 論 理 的 な 理 解 と い った 項 目 は , 看 護 実 践 能 力 の 構 成 要 素 で あ る “人 々 ・ 状 況 を 理 解 す る 力 ” , “ 人 々 中心 の ケ ア を 実 践 す る 力 “ , “ 看 護 の 質 を 改 善す る 力 ” ( 松 谷 他 , 2 0 1 0) の 内 容 に 相当 す る . こ の こ と か ら , 廣 岡 他 ( 2 0 0 1) の 批判 的 思 考 の 志 向 性 を 測 定 す る 尺 度 は ,看 護 実 践 の 評 価 に 関 連 す る と 解 釈 で き る . 廣岡 他 ( 2 0 0 1)

の 尺 度 は , そ の 後 中 西 ・廣 岡 ・ 横 矢 ( 2 0 0 6) に よ っ て2 7項 目 に 集 約 され て お り , 信 頼 性 ・ 妥 当 性 が 検 証 さ れて い る . し た が っ て , 外 的 基 準 尺 度 に は , 中西 他 の 「 社 会 的 ク リ テ ィ カ ル シ ン キ ング の 志 向 性 」 尺 度 を 用 い る こ と と す る .

そ し て , 看 護 実 践に お け る 行 為 の 振 り 返 り に 影 響 す る 要 因 が 明 ら か にな る と , 行 為 の 振 り 返 り が 効 果 的 に行 え る 機 会 を , 日 常 業 務 に 反 映 さ せ た シ ス テム に 組 み 込 む こ と が 可 能 と な る と 考 える . 本 研 究 で は , 先 行 文 献 で 明 ら か に さ れ てい る , 看 護 場 面 や 内 的 動 機 付 け は , 看護 実 践 に お け る 行 為 の 振 り 返 り の 要 素 の 中 に含 ま れ る も の と し て 明 ら か に し て い く. “ 行 為 の 振 り 返 り の 機 会 ” と い っ た 外 的 動機 付 け は 振 り 返 り に 影 響 す る 要 因 と して そ の 内 容 を 明 ら か に し て , 看 護 実 践 に お ける 行 為 の 振 り 返 り の 尺 度 と の 関 連 を 検証 す る .

開 発 す る 尺 度 は ,そ の 実 用 可 能 性 を 検 討 し た 上 で の 完 成 を 目 指 し た い. そ の た め

に , 本 調 査 を 行 っ た 尺 度に つ い て 実 践 的 立 場 か ら そ の よ う に 活 用 で きる か に つ い て

検 討 す る 必 要 が あ る . 前述 に あ る よ う に , 開 発 さ れ た 尺 度 が 看 護 の 経験 を 問 わ ず 簡

便 な も の で あ る か , も しく は 評 価 を 行 う こ と で 判 断 力 の 向 上 に 向 け た自 己 課 題 の 抽

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出 に つ な が る か , 判 断 力育 成 の 学 習 方 略 と な る か に 関 し て 検 討 す る 必要 が あ る .

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第3章 研究目的

本 研 究 の 目 的 は ,患 者 の 治 療 決 定 の 支 援 に 焦 点 を あ て た 看 護 実 践 に おけ る 行 為 の 振 り 返 り 尺 度 の 開 発 で ある . 本 研 究 で は , 以 下 の プ ロ セ ス で 調 査 , 分析 を 行 う .

1. 尺 度 の 構 成 概 念 「 患 者 の 治療 決 定 の た め の 看 護 支 援 に 焦 点 を あ て た 振り 返 り 」 の 下 位 概 念 と , 行 為 の 振 り返 り の 機 会 を 質 的 帰 納 的 研 究 に よ っ て 明 らか に す る .

2. 質 的 帰 納 的 研 究 に よ っ て 明ら か に な っ た 下 位 概 念 を も と に 尺 度 の 試 案を 作 成 し て , 信 頼 性 ・ 妥 当 性 を 検証 し , そ の 結 果 に 基 づ き 尺 度 を 修 正 す る .作 成 し た 尺 度 と 影 響 す る 要 因 と の関 連 を 統 計 学 的 手 法 に よ り 検 証 す る

3. 「 患 者 の 治 療 決 定 の た め の看 護 支 援 に 焦 点 を あ て た 振 り 返 り 」 尺 度 の実 用 可

能 性 を 検 討 す る .

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第4章 研究方法

I . 研 究 の 概 要 ( 研 究 の プ ロ セ ス )

本 研 究 は , 看 護 実践 に お け る 行 為 の 振 り 返 り 尺 度 の 開 発 で あ る . 舟 島他 ( 2 0 0 9)

の 看 護 実 践 ・ 教 育 の た めの 測 定 用 具 の 開 発 過 程 を 参 考 と し て , 以 下 の段 階 に 沿 っ て 調 査 , 分 析 を 実 施 す る .( 図 1)

第1 段階: 尺 度 の 構成 概 念 「 患 者 の 治 療 決 定 の た め の 看 護 支 援 に 焦 点 を あ て た 振り 返 り 」の 下 位 概 念 と , 行 為 の 振 り 返 り の 機 会 を 質 的 帰 納 的 研 究 に よ って 明 ら か に する .

第2 段階: 第 1段 階で 明 ら か に な っ た 下 位 概 念 を も と に 尺 度 の 試 案 を 作 成 し て ,信 頼 性 ・妥 当 性 を 検 証 し , そ の 結 果 に 基 づ き 尺 度 を 修 正 す る . 作 成 し た尺 度 と 影 響 する 要 因 と の 関 連 を 統 計 学 的 手 法 に よ り 検 証 す る .

第3 段階: 第 2段 階で 作 成 し た 尺 度 の 実 用 可 能 性 を 検 討 す る .

I I . 用 語 の 定 義

本 研 究 に お け る 用 語 は, W i e d e n b a c h( 1 9 6 4) ,お よ び T a n n e r( 2 0 0 0a ) ( 2 0 0 0b )

( 2 0 1 1) 等 の 文 献 を 参 考に , 以 下 の よ う に 定 義 す る . 1. 看 護 実 践

看 護 師 が あ る 目 的を 遂 げ る た め に , 深 い 思 慮 を 持 っ て , 患 者 中 心 に 行う 活 動 で あ る . 知 識 , 判 断 , 技 能 の 3つ の 特 性 を 持 ち , そ れ ぞ れ の 特 性 を 調 和 させ て 用 い る と き に , こ れ ら の 価 値 が 発揮 さ れ る .

2. 振 り 返 り

自 分 の 行 為 を 結 果と 結 び つ け て 目 的 と 照 合 し 考 え る こ と で あ る .

3. 振 り 返 り の 方 法

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23

振 り 返 る こ と は ,過 去 を 振 り 返 っ て 深 く 考 え る こ と で , 問 題 と な っ てい る も の を 探 求 し て 考 察 ・ 熟 考 す るこ と と , 経 験 を も と に し て 考 え る こ と で あ る.

4. 振 り 返 り の ス タ イ ル

振 り 返 り に は 2つの ス タ イ ル が あ り , 一 つ は 実 践 が 終 わ っ た 後 に , 自分 が と り 組 ん だ こ と や そ の 時 の 状 況と そ れ を ど の よ う に 理 解 し た か を 探 求 す る “ 行 為 の 後 に 振 り 返 る こ と ” で , も う一 つ は , 実 際 に 行 動 し な が ら 患 者 の 状 態 を モニ タ リ ン グ し て , そ の 反 応 を み な が ら自 分 の と る 行 動 を 調 整 す る “ 行 為 し な が ら 振り 返 る こ と ” で あ る . こ の 2つ の 振 り返 り は 互 い に 関 連 し 合 い , 既 習 の 知 識 や 思 考の 習 慣 を 問 い 直 す こ と で 知 識 を 構 築 する .

5. 患 者 の 治 療 決 定

医 師 か ら 提 案 さ れた 治 療 の 変 更 , 継 続 , 中 止 に 対 す る 患 者 の 意 思 決 定を い う .

I I I . 各 段 階 で の 研 究 方 法 1. 第 1段 階 :

尺 度 の 構 成 概 念 「患 者 の 治 療 決 定 の た め の 看 護 支 援 に 焦 点 を あ て た 振り 返 り 」 の 下 位 概 念 と , 行 為 の 振 り返 り の 機 会 を 質 的 帰 納 的 研 究 に よ っ て 明 ら かに す る . 1) 研究 対 象 者

看 護 基 礎 教 育 終 了後 の 臨 床 経 験 3年 以 上 で , が ん 疾 患 や 進 行 性 の 難 病患 者 の 治 療 決 定 の 支 援 を 日 常 的 に 実施 す る 機 会 の 多 い 部 署 で 1年 以 上 勤 務 し て いる 看 護 師 ( 以 下 “ 看 護 師 ” と 略 す る )1 0名 と す る . 抽 出 方 法 は , 研 究 目 的 お よ び 内容 に つ い て 説 明 を し て 同 意 が 得 ら れ ,所 属 長 の 推 薦 が あ る 看 護 師 と す る .

2) 調査 方 法

患 者 の 治 療 決 定 のた め の 看 護 支 援 に 焦 点 を あ て た 振 り 返 り に 関 し て 半構 造 的 イ ン

タ ビ ュ ー を 行 う . 実 践 した 行 為 は , が ん 疾 患 や 進 行 性 の 難 病 患 者 の 治療 決 定 の 支 援

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と す る . こ こ で い う , 治療 決 定 の 支 援 と は , 医 師 か ら 提 案 さ れ た 治 療変 更 , 継 続 , 中 止 に 対 す る 患 者 の 意 思決 定 に 関 す る 看 護 場 面 で あ る . 変 更 , 継 続 ,中 止 の 要 因 は 限 定 し な い . イ ン タ ビ ュー は 看 護 師 が 過 去 に 実 践 し て 印 象 に 残 っ て いる 一 場 面 に つ い て , 振 り 返 り の 用 語 の定 義 を 参 考 に , 実 践 し た 行 為 , 目 的 , 結 果 につ い て 考 え た こ と と , 行 為 の 振 り 返 りの 機 会 に 関 し て 以 下 の 質 問 を 行 う . 面 接 は ,看 護 師 個 別 に 行 い , プ ラ イ バ シ ー に 配慮 し て 個 室 に て 行 う . 面 接 時 間 は 一 時 間 程 度を 設 定 す る . 面 接 内 容 は 許 可 を 得 てI Cレ コ ー ダ ー に 記 録 す る .

質 問 内 容 :

① ど の よ う な ケ ア をし た か

② ① の ケ ア は ど の よう に 考 え 決 定 し た か

③ ① の ケ ア に 対 す る患 者 の 反 応 は ど う だ っ た か

④ 実 施 し た ケ ア に つい て ど う 考 え た か

⑤ 実施 し た ケ ア に つ い て , い つ , ど のよ う な 場 面 で , ど の よ う に 考 え を持 っ たか

⑥ ⑤ を し た 理 由 , もし く は 出 来 な か っ た 理 由 3) 分析 方 法

面 接 内 容 か ら 逐 語記 録 を 作 成 し , 振 り 返 り と , 行 為 の 振 り 返 り の 機 会に つ い て 語 ら れ て い る デ ー タ を 抽 出す る . 抽 出 さ れ た デ ー タ の 意 味 を 損 な わ な いよ う に コ ー ド 化 す る . 類 似 す る コ ー ドを カ テ ゴ リ ー 化 す る . カ テ ゴ リ ー の 関 連 を 対象 者 毎 の デ ー タ か ら 解 釈 し , 解 釈 し たカ テ ゴ リ ー の 関 連 か ら 振 り 返 り の ス タ イ ル を検 討 す る . 2. 第 2段 階

第 1段 階 で 明 ら かに な っ た 下 位 概 念 ( カ テ ゴ リ ー ) を も と に 尺 度 の 試案 を 作 成 し

て , 信 頼 性 ・ 妥 当 性 を 検証 し , そ の 結 果 に 基 づ き 尺 度 を 修 正 す る . 影響 す る 要 因 と

の 関 連 を 統 計 学 的 手 法 によ り 検 証 す る . ( 図 2)

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25

1) 質問 紙 の 作 成

( 1 ) 第 1段 階 で 明 ら か に さ れ た , 患 者 の 治 療 決 定 の た め の 看 護 支 援 に 焦 点を あ て た 振り 返 り の 下 位 概 念 ( カ テ ゴ リ ー ) か ら 下 位 尺 度 を 構 成 し て 質 問 項 目を 作 成 す る. 看 護 実 践 の 概 念 化 に 関 す る 研 究 者 に 依 頼 し , 質 問 内 容 に つ い て 意見 交 換 を 行い , 研 究 者 が 想 定 し た 下 位 尺 度 と 項 目 内 容 が 一 致 し な い も の や 重 複と 捉 え ら れる も の , 文 章 表 現 に つ い て は 再 検 討 し 修 正 を 行 う .

( 2 ) ( 1) の 後 , 実 務 経 験 の あ る 看 護 師 に 対 し て パ イ ロ ッ ト ス タ デ ィ を 実 施し て 尺 度 の試 案 を す る .

( 3 ) 第 1段 階 で 明 ら か に な っ た 行 為 の 振 り 返 り の 機 会 に つ い て , 統 計 学 的に も 関 連 がみ ら れ る か を 検 証 す る た め に , 構 造 化 質 問 紙 を 作 成 す る .

2) 研究 対 象 者

看 護 基 礎 教 育 終 了後 の 臨 床 経 験 1年 以 上 で , 治 療 決 定 の 支 援 を 日 常 的に 実 践 し て い る 看 護 師 5 0 0名 と す る. な お , 調 査 対 象 者 は , 個 人 の 看 護 実 践 能 力を 定 期 的 に 評 価 し て い る ( キ ャ リ ア 開発 ラ ダ ー 等 の 導 入 ) 施 設 の 所 属 す る 看 護 師 とし , 対 象 施 設 は 個 人 ・ 施 設 の 特 定 回 避の た め に , 複 数 の 施 設 に 依 頼 す る .

3) 調査 方 法

研 究 協 力 の 承 諾 が得 ら れ た 医 療 施 設 の 所 属 長 を 通 し て 推 薦 を 受 け た 対象 看 護 師 に 自 記 式 質 問 紙 を 配 布 し ,郵 送 法 に て 回 収 す る .

4) 調査 項 目

予 備 調 査 お よ び 本 調 査は , ① 対 象 者 の 属 性 ( 年 齢 , 実 践 経 験 年 数 ,ラ ダ ー レ ベ ル ) , ② 本 研 究 で 開 発 した 「 患 者 の 治 療 決 定 の た め の 看 護 支 援 に 焦 点を あ て た 振 り 返 り 」 尺 度 , ③ 「 社 会 的ク リ テ ィ カ ル シ ン キ ン グ の 志 向 性 」 尺 度 ( 中西 他 , 2 0 0 6)

( 表 1 ) , ④ 本 研 究 第 1段 階 で 創 出 し た 1 6項 目 か ら な る 「 行 為 の 振 り返 り の 機 会 」

に つ い て 調 査 を 行 う .

(28)

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5) 分析 方 法

統 計 解 析 プ ロ グ ラム S P S S 2 0 . 0 f o r M i c r o s o f t W i n d o w s, S P S S A m o s V e r s i o n 2 2 . 0 f o r M i c r o s o f t W i n d o w sを 使 用し 次 の 分 析 を 行 う

( 1 ) 質問 項 目 の 取 捨 選 択

① 尖 度 , ② 質 問 項目 各 々 の 反 応 分 布 , ③ 天 井 効 果 ・ フ ロ ア 効 果 , ④ 項目 間 の 相 関 係 数 , ⑤ I - T相 関 分 析 から 検 討 し , 削 除 す る 項 目 を 決 め る . 残 っ た 項目 で 因 子 分 析 を 行 い 最 終 項 目 を 決 定 する .

( 2 ) 信頼 性 の 検 討

尺 度 の 信 頼 性 に は , 安定 性 , 内 的 整 合 性 , 同 等 性 が あ る . 本 研 究 が目 指 す 尺 度 は 看 護 実 践 の 行 為 の 振 り 返り に 関 す る 内 容 で あ る こ と か ら , 実 践 は 時 間経 過 の 影 響 を 受 け , 個 人 に 対 す る 調 査時 期 の 変 化 は 結 果 に 影 響 す る 可 能 性 を 持 つ ため , 再 テ ス ト 法 に よ る 安 定 性 の 検 証 には 限 界 が あ る . ま た , 個 人 の 評 価 を 対 象 と する た め 同 等 性 は 本 研 究 で は 検 討 を 必 要と し て い な い . 本 研 究 で は , 内 的 整 合 性 と して C r o n b a c hの α 係 数 を 算 出 す る こ と で信 頼 性 の 検 討 を 実 施 す る .

( 3 ) 妥当 性 の 検 討

① 内容 的 妥 当 性

看 護 実 践 の 概 念 化に 関 す る 研 究 者 に 依 頼 し 専 門 家 会 議 を 開 催 す る こ とと , 実 務 経

験 の あ る 看 護 師 に 対 し てパ イ ロ ッ ト ス タ デ ィ を 実 施 し , 項 目 の 検 討 と修 正 を 行 い 内

容 的 妥 当 性 を 確 保 す る .ま た , 因 子 分 析 で 出 て き た 因 子 が 果 た し て 現象 を 解 釈 す る

の に 十 分 で あ る か ど う かを , 当 該 分 野 の 知 見 に 照 ら し 合 わ せ て 解 釈 可能 性 の 検 討 を

す る 必 要 が あ る ( 松 尾 他, 2 0 0 2) . 統 計 的 手 法 に よ る 質 問 項 目 の 取 捨選 択 で も , 看

護 実 践 に お け る 行 為 の 振り 返 り を 明 確 に す る た め に 重 要 で あ る 内 容 が削 除 さ れ な い

よ う に , 実 践 や 研 究 的 な専 門 家 と 共 に 質 的 帰 納 的 研 究 に よ る 結 果 と の照 合 を 繰 り 返

し て 内 容 的 妥 当 性 の 確 保に 努 め る .

(29)

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② 構成 概 念 妥 当 性 :

本 研 究 で は , 尺 度の 項 目 分 析 を 実 施 し た う え で 探 索 的 因 子 分 析 な ら び確 認 的 因 子 分 析 を 行 う .

③ 基準 関 連 妥 当 性

本 研 究 で は , 基 準関 連 妥 当 性 を 検 証 す る た め に , す で に 信 頼 性 と 妥 当性 が 検 証 さ れ て い る 外 的 基 準 尺 度 を用 い て 相 関 を み る . 外 的 基 準 尺 度 に は , 中 西他 ( 2 0 0 6) の

「 社 会 的 ク リ テ ィ カ ル シン キ ン グ の 志 向 性 」 尺 度 を 用 い る . ク リ テ ィカ ル シ ン キ ン グ ( 批 判 的 思 考 ) と は ,自 分 の 推 論 過 程 を 意 識 的 に 吟 味 す る 反 省 的 ( r e f l e c t i v e)

な 思 考 で あ り , 振 り 返 りを す る た め の 認 識 の 仕 方 の 特 徴 と し て 捉 え るこ と が で き , 先 行 文 献 で は 関 連 性 が 検証 さ れ て い る . 廣 岡 他 ( 2 0 0 1) が 作 成 し た 「ク リ テ ィ カ ル シ ン キ ン グ に 対 す る 志 向性 の 尺 度 」 は , 人 間 多 様 性 理 解 , 他 者 に 対 する 真 正 性 , 論 理 的 な 理 解 , 柔 軟 性 , 脱直 観 , 脱 軽 信 の 6因 子3 0項 目 (3 9項 目 ) に より 構 成 さ れ て い る . 廣 岡 他 ( 2 0 0 1) の尺 度 は , そ の 後 2 7項 目 に 集 約 さ れ て お り ( 中西 他 , 2 0 0 6) , 本 研 究 で は 尺 度 の 使 用 にあ た っ て は , 現 在 尺 度 の 管 理 を 行 っ て い る 中西 氏 よ り 使 用 許 可 を 受 け た .

6) 質問 紙 の 修 正

デ ー タ の 分 析 結 果を 受 け て 質 問 紙 の 修 正 を 行 う . 7) 修正 し た 尺 度 を 用 い た 再 調 査 と 分 析

調 査 対 象 者 は 2 0 0名 とす る . 予 備 調 査 と 同 様 に 信 頼 性 、 妥 当 性 の 検証 を 行 う . 尺 度 と 影 響 す る 要 因 に つ いて , 統 計 学 的 検 定 に よ り 関 連 を 検 討 す る .

3. 第 3段 階

第 2段 階 で 作 成 した 尺 度 の 実 用 可 能 性 を 検 討 す る . 本 調 査 に 参 加 し た看 護 師 に 協

力 を 要 請 し , 尺 度 と 行 為の 振 り 返 り に 影 響 す る 要 因 に つ い て イ ン タ ビュ ー を 実 施 す

る .

(30)

28

1) 対象 者

第 2段 階 で 調 査 を実 施 し た 1施 設 の 看 護 師 5 , 6名 と す る . 2) 調査 方 法

第 2段 階 の 結 果 を説 明 し て か ら , 尺 度 の 内 容 の 妥 当 性 , 尺 度 の 使 用 感, 尺 度 使 用 後 の 効 果 , 尺 度 を 使 用 する 対 象 と 機 会 と , 行 為 の 振 り 返 り に 影 響 す る要 因 の 意 見 ・ 感 想 に つ い て イ ン タ ビ ュー を 行 う . 面 接 は , 看 護 師 個 別 に 行 い , プ ライ バ シ ー に 配 慮 し て 個 室 に て 行 う . 面接 時 間 は 3 0分 間 程 度 を 設 定 す る . 面 接 内 容 は許 可 を 得 て I C レ コ ー ダ ー に 記 録 す る .

I V . 倫 理 的 配 慮 1. 倫 理 審 査

調 査 に あ た っ て は本 学 看 護 福 祉 学 部 の 研 究 倫 理 委 員 会 に 申 告 し 承 認 を得 た . 本 研 究 は , 各 段 階 で 調 査 研 究を 行 い 前 調 査 の 結 果 を 受 け て 質 問 用 紙 の 作 成や イ ン タ ビ ュ ー の 内 容 と 対 象 者 の 選 定な ど の 研 究 方 法 の 詳 細 を 決 定 す る . し た が って 倫 理 審 査 は , 各 調 査 の 開 始 前 に 行 う こと と し た . 各 段 階 の 調 査 は , 倫 理 審 査 の 承 認を 得 て 実 施 し た . ( 平 成2 3年 6月 7日受 付 番 号 2 3号 で 承 認 ; 平 成2 5年 3月1 1日 受 付番 号 3 5号 で 承 認 ; 平 成2 5年 5月2 1日 受付 番 号 1 2号 で 承 認 ; 平 成2 6年 6月 4日 承 認 番号 1 4 N 0 1 3 0 1 3)

2. 施 設 へ の 協 力 依 頼

倫 理 審 査 と 並 行 し, 対 象 と な る 看 護 師 が 所 属 す る 各 施 設 の 看 護 部 門 管理 者 に 口 頭 に て 研 究 の 趣 旨 と 方 法 につ い て 説 明 し , 研 究 調 査 依 頼 の 内 諾 を 取 る .倫 理 審 査 の 承 認 後 に 調 査 依 頼 に 関 す る書 類 を 送 付 し , 研 究 参 加 の 判 断 を 仰 い だ . 第 1段 階 か ら 第

3段 階 ま で 施 設 に 対 す る調 査 協 力 の 依 頼 は 同 様 の 手 続 き を 行 っ た . 3. 対 象 者 へ の 協 力 依 頼

第 1と 3段 階 の 対象 者 に は 研 究 の 趣 旨 と 研 究 の 参 加 や 中 断 は あ く ま でも 自 由 意 思

(31)

29

で あ り い つ で も 協 力 を 取り や め る こ と が で き る こ と を 説 明 し て 文 書 にて 同 意 を 得 た . イ ン タ ビ ュ ー は プ ラ イ バシ ー が 配 慮 さ れ る 場 を 設 定 し て 許 可 を 得 て レコ ー ダ ー を 使 用 し た . 第 2段 階 の 対 象者 に は 研 究 協 力 の 意 思 を 確 認 し た の ち に 質 問用 紙 を 配 布 し , 回 答 の 回 収 を 持 っ て 研 究参 加 の 同 意 と す る こ と を 研 究 協 力 依 頼 の 書 面に 明 記 し た . 全 て の 対 象 者 に , 以 下 の内 容 を 明 記 し た 書 面 を 配 布 し た .

1) 研究 の 目 的 ・ 方 法 及 び 協 力 依 頼 の 内 容

2) 調査 に よ り 得 ら れ た デ ー タ は 研 究 以 外 の 目 的 で 使 用 さ れ る こ と は な く, 研 究 結 果の 公 開 時 に は 匿 名 性 は 保 持 さ れ , 個 人 や 施 設 が 特 定 さ れ な い こ と ,ま た , デ ータ の 管 理 は 厳 重 に 行 わ れ , 個 人 情 報 は 保 護 さ れ る こ と .

3) 研究 協 力 は 任 意 で あ り , い つ で も 協 力 を 取 り や め る こ と が で き る こ と.

4) 結果 は 研 究 発 表 や 学 術 論 文 と し て 公 表 さ れ る こ と . 4. デ ー タ の 保 管

第 1段 階 と 第 3段 階 でイ ン タ ビ ュ ー し た デ ー タ は 個 人 が 特 定 さ れ ない よ う に , 個

人 名 と デ ー タ は 別 に し て, 鍵 の か か る 場 所 で 保 管 す る . デ ー タ は 研 究以 外 の 目 的 で

口 外 せ ず , デ ー タ は 研 究者 が 保 管 場 所 を 固 定 し 厳 重 に 管 理 し 個 人 情 報を 保 護 す る .

図 2.  <第 2 段階>尺度の作成と信頼性・妥当性の検討のプロセス 1.質問項目の作成2.専門家会議3.パイロットスタディ4.予備調査5.本調査最終項目を決定し尺度の完成第 1段階の質的帰納的研究の成果から,構成された下位概念を活用して質問項目を作成する参加した専門家のそれぞれの実践経験から,作成した質問内容の妥当性,質問表現の適切性,質問項目数の適切性,回答のしやすさなどを検討して質問内容を修正する修正された尺度を用いて調査を行う.質問には尺度に対する意見を記述する自由記載式の回答を加える.回答の偏り
図 3 確認的因子分析の結果
表 1  「社会的クリティカルシンキングの志向性」尺度  日常業務の中での批判的思考( 社会的クリティカルシンキング)についてお聞きしま す。あなたはここ 2 ~3か月間で、以下のことをどれくらいしましたか。あてはまる と思う数字1つに〇を付けてください。  ※選択肢は「頻回にした」~「全くしなかった」の 7段階  質問項目  回 答  1
表 2 構成概念「患者の治療決定のための看護支援に焦点をあてた振り返り」の下位概念(カテゴリー)  カテゴリー  サブカテゴリー  Ⅰ.治療決定の状 況 の把握  1.  患者の病名,性別,年齢,家族構成といった基本情報 2
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参照

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