• 検索結果がありません。

充実した経営系専門職大学院教育

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "充実した経営系専門職大学院教育"

Copied!
87
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

- 1 -

充実した経営系専門職大学院教育

アンケート回答結果に見る明確な目標

安 田 義 郎

1.

はじめに

兵庫県立大学大学院経営研究科(以下では、「本研究科」とする)は、2010(平成 22)年4月に開設されて以来、民間企業、公的機関のいずれの場面においても優れた マネジメント能力を発揮できるような高度経営専門職業人を育成するとともに、経営 の「理論と実践の融合」化を図り、産学公連携による「ビジネスづくり」教育を志向 している。

そして、本年3月で、かかる教育機関の役割を果たしながら5年を経過することに なる。

本研究科は、それぞれに特徴を有した4つのコースを有している。その4つのうち、

平日に開講をしているコースは、ビジネスイノベーションコース(定員10名程度、標 準修業年限2年、以下では「ビジネス」とする)であり、このビジネスに属する学生 は、そのほとんどが社会で定職に就いて働いた経験を持たない学生である。

これ以外の3つコースは、おもに土曜日を開講日としている地域イノベーションコー ス(定員20名程度、標準修業年限16ヶ月、以下では「地域」とする)、医療マネ ジメントコース(定員10名程度、標準修業年限16ヶ月、以下では「医療」とする)

ならびに介護マネジメントコース(定員5名程度、標準修業年限1年6ヵ月、以下で は「介護」とする)である。

これら3つのコースに属する学生は、平日はそれぞれが会社や病院などで働いてい る(働いたことのある)、いわゆる社会人学生である。

この3つの特色あるコースに加えて、西日本地区の国公立大学では初の「中小企業診 断士登録養成課程(定員16名程度、標準修業年限2年、以下では、「養成課程」とす

(2)

- 2 -

る)」を地域に併設しているが、地域とはカリキュラム上区別されている1

本研究科では、2011(平成23)年9月ならびに2012(平成24)年3月に、最初の 修了生(3つのコースと1つの課程のそれぞれの第1期修了生を指す)を輩出した後、

翌年2012(平成24)年9月ならびに2013(平成25)年3月には第2期生を、続いて 2013(平成25)年9月ならびに2014(平成26)年3月には第3期生を修了させ、輩 出している。

さらに、2014(平成26)年9月ならびに2015(平成27)年3月には第4期生を、

そして昨年2015(平成27)年9月には、地域と医療の第5期生とともに、本研究科で は介護の第1期生を終了させ、輩出することができている。そして、この3月には、

ビジネスと養成課程の第5期生をそれぞれ修了させ、輩出している。

本研究科は、2014 年に認証評価機関より経営系専門職大学院認証評価を受け、「適 格である」との評価を無事受けている。

経営系専門職大学院教育のあり方を考えていくための有効な資料づくりの一つとし て、本研究科の修了生と在校生を対象にした第1回のアンケート調査を2013年に実施 している2。今回は、それに続く第 2 回目のアンケート調査であり、本年(2016 年)

1月に行っている。

本稿の目的とは、この第2回の調査回答結果に基づきながら、高度経営専門職業人 の育成の場として創設された本研究科の充実した大学院教育をめざす上で明確な目標 を提示することである。

2.

アンケート項目

今回のアンケート項目は、前回のアンケートと同様に、アンケート対象者について の基本情報、個別選択式項目および自由記述の3つから構成されている。

まず、その基本情報は、アンケート対象者に、(A)入学年と所属コース(B)職種、

(C)職位、(D)住まい、(E)通学手段、(F)通学時間、(G)本研究科入学前の最終学 歴などの7項目について回答することを要請したものになっている(基本情報につい ては第1回とほぼ同様であるが、今回から介護コースの第1期生が本研究科修了生と してのアンケート対象者に付加されている点が異なっている)。

つぎに、個別選択式項目については、各質問に1点(「全くそう思わない」)から 5 点(「大変そう思う」)を付し、その中から一つを選択することになる、いわゆる5

1 養成課程の受験資格として中小企業診断士1次試験の合格を要している。しかし、入学時までにその二次試験に合 格したものは養成課程への入学は認められていないが、地域(地域一般)への入学は認めている。

2 1回アンケート調査報告書の詳細は、『研究資料No.254』を参照されたい。

(3)

- 3 - 評価式を採用している。

その質問項目の内容についても、前回と同様に、以下の4つに分類できるが、介護 コースの修了生がその対象に加わることで、介護コースの学生限定の質問項目が付加 されている点が異なっている。

その4つの分類を以下に示しておく。

Ⅰ(総論的なことに関する質問項目)

Ⅱ(教育内容・方法等に関する質問項目)

Ⅲ(学生生活・学生支援に関する質問項目)

Ⅳ(キャリア形成に関する質問項目)

そして、最後に、本研究科へ期待すること(期待していること)等について、アン ケート対象者からの意見を自由に記述してもらっている。

3.

アンケート時期・対象・方法

本研究科の修了生および在校生を対象者とした今回のアンケート調査は、2016(平 28)年1月に実施した(回答期間は、ほぼ1ヶ月間)。

本研究科から、アンケート対象者へWeb上で作成されたアンケート用紙に直接アク セスできるようにインターネットのURLを送信し、アンケートに回答した後に、それ を本研究科の産学人材育成センター宛にEメールで返信するように依頼している。

なお、アンケート対象者を特定できないように、前回と同様に無記名方式を採用し ている3

4.

アンケート集計結果とその考察

4-1 基本情報の集計結果とその考察

今回のアンケートの対象者数の本研究科の修了生は、ビジネスおよび養成課程の 3 期生と4期生、地域および医療の3期生、4期生および5期生、そして介護の1期生 がそれに相当している。これら修了生の合計数は127名である。

もう一方の対象である本研究科の在校生は、ビジネスおよび養成課程の5期生と 6 期生、地域、医療および介護の6期生がそれぞれ相当している。これら在校生の合計 数は79名である。

よって、3期生から6期生すべての学生総数は206名となり、それぞれの内訳は、

3 Web上でのアンケート作成ならびに送信されてきたアンケートの初期段階の集計では、前回と同様に、本研究科藤江

哲也教授の協力を得ている。

(4)

- 4 - 下記の表1を参照されたい4

1:アンケート対象者の期生別の内訳(単位:人)

コース・課程

)は介護

3期生 4期生 5期生

(1 生)

6期生

(2 生)

総計

ビジネス 12 10 12 5 39 養成課程 16 14 15 16 61 地域 8 11 10 10 39 医療 14 12 13 14 53 介護 7 7 14 50 47 57 52 206

本稿では、上述した(A)から(G)までの7つの基本情報の回答に基づき、本研究 科の修了生ならびに入学生の実態を考察していくが、紙面の都合上、アンケート(B)

から(G)の基本情報結果については、別表を作成している(詳細は別表2-1から別表 7-2までを参照されたい)

1)アンケートの回収状況と回収率

今回のアンケートの総回収票は125であった。その内訳は、在校生回収票数(=20

+18+29)は67、修了生回収票数(=7+6+14+12+19)は58である(表2-1を参 照されたい)

2-1の結果に基づいて、今回のアンケートの回収率(小数点第2位を四捨五入し た値を示している)を計算している(表2-2を参照されたい)。

今回のアンケートでは総計125人が回答しており、全体としての回収率は60.6%(=

125/206)、およそ6割の回収となった。これは、前回の回収率(およそ90%)に比べ

て少し低い結果になっている。

その理由としては、今回のアンケート調査実施期間が年の初めの1ヶ月という、短 期間でしかも慌しい時期であったことが影響したものと思われる。

さらに、今回の修了生と在校生別での回収率をみると、それぞれ45.6%(=58/127)

4 1中の数字は、本研究科への入学者数の内、アンケート実施時点までに退学および除籍になっている数は除外され ている。

(5)

- 5 -

84.8%(=67/79)になっている。やはり、修了生(社会人学生)にとっては、今

回のアンケート調査時期が年初仕事の繁忙期と重なっていたために、かかる対応に時 間を割くのが難しく、アンケート回答時期としては相応しくなかったのかもしれない。

本研究科としては、この点を真摯に反省し、次回のアンケート調査では、アンケー ト実施時期を慎重に選ぶ必要があると考えている。

2-1:修了生および在校生の回収票:単位(人)

コース/入学年 修了生 在校生

期生 3 4 5 6

ビジネス 2 4 9 3

養成課程 5 2 11 15

小計 7 6 20 18

修了生 在校生

期生 3 4 5 6

地域 4 5 3 7

医療 10 7 10 15

介護 6 7

小計 14 12 19 29

2-2:修了生および在校生の回収率:単位(%)

コース/入学年 修了生 在校生

期生 3 4 5 6 ビジネス 16.7 40.0 75.0 60.0 養成課程 31.3 14.3 73.3 93.7

修了生 在校生

期生 3 4 5 6

地域 50.0 45.5 30.0 70.0

医療 71.4 58.3 76.9 100.0

介護 85.7 100.0

(6)

- 6 -

2)基本情報(B)(修了生ならびに在校生の職種)の回答結果(詳細は、別表2-1、別

2-2を参照されたい)

一般に、経営系専門職大学院への入学生は「社会人学生」と呼ばれる学生(社会人 としての就労生活経験者)に限定されているのが専らである。

しかしながら、学部卒の学生をそのまま受け入れている点を一つの特徴としている 本研究科では、社会人としての就労生活をしていない入学生については、彼らの職種 を「学生(大学院生)」としている。

一方、既に社会人としての就労生活を経験している(会社をリタイアーした人も含 む)人についての職種としては、「会社員」、「自営業」、「医療・福祉関係」、「公務員」、

そして「その他」という5つの分類を設けている。

このアンケート回答結果では、本研究科のビジネスの修了生は、本研究科を修了し て初めて社会人としての就労生活を始めることになる。よって、彼らが在校生のとき には、すべて「学生(大学院生)」という身分であったため、本アンケートの回答によ って、初めて彼らの現在の職種について答えることになる。

その回答では、6名(第3期、第4期修了生合計22名いる)が会社員であることを 知らせてくれたことになる(他の学生についても、本研究科修了時点では、ほとんど の学生が会社へ就職することは決定していたものと記憶している)。

つぎに、土曜主コース・課程(社会人学生)の職種を見ると、在校生では、本研究 科への入学時点で最も多い職種は会社員の25名で、その割合はおよそ40%(=25/67)

を占めている。この結果は、定員数の割合から見ても予想できる範囲内のものである。

また、養成課程への入学者で見ると、26人中20人(=76.9%)が会社員というこ とである。つまり、彼らは、会社からの派遣(なかには業務命令として)などで、会 社員という身分のまま、中小企業診断士の資格取得ならびに実践経営の学び方を理解 する目的で本研究科へ入学してきて、修了後はしばらく実践経営のなかで当該企業内 診断士として通常業務を継続する人がそのほとんどであるということが伺える。

この点について、修了生からのアンケート回答を見ても、職種を「自営業」と回答 している数がわずかであった(7人中1 名)ことから、やはり、会社から独立して診 断士業務に就いている人の割合は、それほど増加していないように思われる。

医療・介護の回答結果を見ると、ここでは入学者の概ねが、医療・介護関連の従事 者であるため、医療・福祉関係の職種が一番になっているで。なお、修了生の回答結 果についても、医療・介護関係者が会社員を上回っているが、これは第3期・第4 の養成課程の修了生(修了生数30名)および地域の修了生(修了生数19名)からの

(7)

- 7 -

回答数が、それぞれ6、4(合計でも10)というわずかな回答数であったことに起因す るものである。

この結果、本研究科へ入学生の約4割の人が会社員の身分で、土曜主コースの社会 人学生となり、1年半ないしは2年間、実践的な「経営」のあり方を学ぶとともに、

自らの「学びほぐしの場」をもう一度求めて入学しているのである。

これは、本研究科へ入学してくる社会人学生に対して、その入学の目的と本研究の 教育理念がうまく噛み合っているものと解釈することができる。

3) 基本情報(C)(修了生ならびに在校生の職位)の回答結果(別表3-1、別表3-2を参照 されたい)

在校生のビジネスの職位については「大学院生」としている。その他のコース・課 程の修了生、在校生についての職位としては、「社長・経営者および病院長など」、「各 部署の責任者(部長相当以上)、「中間管理職(課長、係長相当以上)」「大学教員(専 任、特任、非常勤講師など)」、「その他」など5つの選択肢を用意している。

この回答結果では、まず、「社長・経営者および病院長など」、いわゆる組織のトッ プであると回答された数は、修了生、在校生ともに9名であった。この内訳としては、

修了生では、地域4、医療1、介護1、養成課程1であり、在校生では、地域1、介護 1、養成課程7である。

つぎに、「各部署の責任者」(部長相当以上)、いわゆる組織の上層部であると回答さ れた数は、修了生23名、在校生9名であった。この内訳としては、修了生では、地域

4、医療15、介護3、養成課程1であり、在校生では、地域2、医療5、養成課程2

ある。

また、「中間管理職(課長、係長相当以上)」、いわゆる組織の中間管理職であると回 答された数は、修了生14名、在校生24名であった。この内訳としては、修了生では、

地域3、医療8、介護1、養成課程3であり、在校生では、地域3、医療8、介護4、養

成課程9である。

さらに、「大学教員(専任、特任、非常勤講師など)」の教育職に就いていると回答 された数は、修了生、在校生ともに1名であった。この内訳としては、修了生の地域 と在校生の介護1である。

なかでも、医療・介護の修了生には組織の上層部以上に就いている方が18名、在校 生でも7名いるということが分かった。

このことは、日常は医療・福祉業務に忙殺されなかなか自由な時間が取りづらい人々

(8)

- 8 -

が、週一回の土曜日において、本研究科の講義にその自由時間を割いてまで、これま でにほとんど勉強したことのないと思われる経営学関連(理論的側面および実践的事 例学習)の講義を学びに来ているということを意味している。

この回答結果は、経営系専門職大学院に医療のみならず介護までも配備した本研究 科の新たな取り組みに対して、病院などの組織の上層部の方々にも、社会人学生とし てその学びの場を提供できているものと思われているものと思われる。

このように、かかる社会人学生に向けて、概ね本研究科の新たな大学院教育の充実 をめざすに当たり、その第1歩が確実に踏み出されているものと解釈することができ る。

また、在校生の回答では、「中間管理職」が24名、次いで部長相当以上が10名、社 長・経営者および病院長クラスは9名であった。

なかでも、養成課程では、「中間管理職」と「部長相当以上」の職にある人が同数と なっている。この結果は、前回のように企業内診断士をめざす人たちばかりではなく、

部長相当以上の職位にある人たちも、中小企業診断士の資格取得をめざしているもの と解釈することができる。

さらに、地域では、経営者(自営業者)、会社の部長、課長の中間管理職など様々な 職位に就いている。このように多様性に富んだ社会人学生が入学していることが当該 コースの一つの特徴でもある。

今回の回答結果では、このように多様性に富んだなかでも特筆できるのは、当該コ ース(地域)の修了生が、大学教員(期限付き)に採用されたことである。

4)基本情報(D)(修了生ならびに在校生の住まい)の回答結果(別表4-1、別表4-2

を参照されたい)

アンケート回答表では、<在学中は(現在は)どこから通学していました(います)

か?>と訊ねている。そして、その選択肢としては、①神戸市、②その他兵庫県、③ 大阪府、④京都府、⑤その他近畿圏、⑥その他の6つをあげている。これは、本研究 科へ通学していた(する)際の「住まい」を訊ねたことになる。

ビジネスの学生については、修了生および在校生ともにその大半が留学生であるた め、学生たちは神戸市内と回答したものがそのほとんどである。

本研究科も近隣にある留学生会館のキャパシティが小さいため、彼らは民間のアパ ートやマンション等を借りていた(いる)ようである。

一方、社会人学生の修了生、在校生の住まいについては、神戸市内に限らず、色々

(9)

- 9 - なところから通学していた(いる)ようである。

なかでも、社会人学生の「住まい」で、⑥と回答した数(その他)は全体で13もあ った。これについては、東京、群馬などの関東圏、愛媛、徳島、鳥取などの中・四国 圏、および福岡、佐賀などの九州圏が含まれている。

かかる地域に該当する学生には、入学試験時の面接において通学することで支障が 発生しないかどうか(困難になるかどうか)を必ず訊いて、彼らからの承諾を得てい る。

遠隔地での住まいという結果(13)を、残りの①から⑤のいずれかを回答した数(125)

から除いた数は、112(=125-13)となる。つまり、この112はいわば近畿圏内に住 んでいると回答した数になっている。

これを割合にして見てみると、89.6%(=112/125)となり、ほぼ全体の9割を占め ていることが明らかになった。

この結果、本研究科に通学している社会人学生らは、まず自らが通える範囲内に住 んでいるものであり、その数が大半を占めているものであると解釈することができる。

5)基本情報(E)(修了生ならびに在校生の通学手段)の回答結果(別表5-1、別表5-2

を参照されたい)

アンケート回答表では、<在学中は(現在は)本研究科への主な通学手段は何でし た(何です)か?>と訊ね、その通学手段としての選択肢を、①徒歩・自転車、②公 共交通機関、③自動車・バイク等の3つをあげている。

先の基本情報(D)の回答結果と同様に、ビジネスの修了生ならびに在校生について は、住まいが「神戸市内」である学生がそのほとんどであることから、通学手段にお いては、徒歩をはじめ、自転車、バイク、あるいは公共交通機関のいずれかであった ものがその大半を占めていた。

修了生ならびに在校生ともに「公共交通機関」の利用者が一番多かった。その割合 を見ると、修了生では50.0%(=29/58)、在校生では64.2%(=43/67)になってい る。

なお、③の自動車通学については、ビジネスの学生は原則禁止である。社会人学生に ついては、所定の手続きおよび申請書等の提出をもって許可している。

かかる手続きによって、自動車通学者をしていた(いる)人は、修了生では34.5%

(=20/58)、在校生では 29.9%(=20/67)で、ともに3 割の学生が自動車通学をし ていたことになる(実際、アンケートに回答していない人のなかにも自動車通学者が

(10)

- 10 - いる)。

本研究科では、医療および介護の社会人学生には、緊急な事態への対応も考慮して、

実際に自動車通学するかどうかは別にして、できるだけ全員に自動車通学許可申請を するように指導をしている。

なお、自動車通学をする学生には、本学の学務課を通して、通学許可証(1 ヵ年間 有効)を発行し、駐車場ゲートを操作できるリモコンをいっしょに貸与(1ヵ年有効)

している。

本研究科では、学内にコインパーキング設置して社会人学生の自動車通学をフリー にすることで、公共交通機関での通学が難しい社会人に対して本研究科への入学動機 を高め、少しでも入学者数が増加する解決策につながることを大いに期待している。

6)基本情報(F)(修了生ならびに在校生の通学時間5)の回答結果(別表6-1、別表

6-2を参照されたい)

アンケート回答表では、<在学中は(現在は)本研究科への片道通学時間はどのく らいでした(です)か?>と訊ね、その通学時間としての選択肢を30分間隔区切りに、

①0~29、②30~59、③60~89、④90~119、⑤120~149、⑥150~179、⑦180~の計7 つをあげている。

ここでも、先の基本情報(D)の回答結果と同様に、ビジネスの修了生ならびに在校 生については、住まいが「神戸市内」である学生がそのほとんどであったため、通学 時間においては、30分から 60分の範囲内のいずれかを回答した学生がその大半を占 めている。

今回の回答結果では、修了生では「30分から59分」、つまり通学時間として、1 間以上はかけていなかったという人たちが多かったようである。

一方、在校生においては、修了生と同様に1時間以内の通学時間とともに、1時間 を越えて2時間以内の通学時間をかけている人たちも少なくなかった。その数として 29あった。

さらに、2 時間以上かけて本研究科に通学していた(いる)人を見てみると、修了 生では5人、在校生には15人いた。なかでも、3時間以上かけても本研究科に通学し ていた人は1人で、現在通っている人は4人もいることが分かった。

この結果、公共交通機関ならびに自動車通学などで3時間以上かけて通学している 人は住まいの関係によるものと思われる。公共交通機関を利用して2時間かけて通学

5 修了生については、本研究科通学時の住まいならびに通学時間を回答してもらっている。

(11)

- 11 -

しなければならない人の中には、自動車通学に切り替えている学生さんも多く見られ る(自動車通学許可申請をする理由として通学時間の短縮が認められていることから)。

しかしながら、あえて自動車通学に切り替えずにそのまま公共交通機関で2時間以 上かけて通学している学生の場合には、大学院の講義などの予習および準備が平日の 激務によってそれを十分にすることができないために、少しでも公共交通機関の中で その予習および準備ができるならばそうしたいと考えている学生であるのではないか と解釈することもできる。

7)基本情報(G)(本研究科入学前の最終学歴)の回答結果(別表7-1、別表7-2を参

照されたい)

アンケート回答表では、<本研究科入学前の最終学歴はどこですか?>訊ね、その 最終学歴としての選択肢を、①本大学、②本大学以外の大学・大学院、③入学資格審 査、の3つをあげている。

なお、ここでいう本大学とは、現在の兵庫県立大学の各学部・大学院および現在の 兵庫県立本学が統合する前の旧神戸商科大学、旧姫路工業大学および旧兵庫県立看護 大学をすべて含んだものを指している。

さらに、本研究科には入学資格審査制度なるものがある。この制度とは、ビジネス 以外の受験に際し、5 年上の会社ならびに病院などでの就労生活(勤務実績)とその 役職等の経験、あるいは資格取得等を考慮して、本研究科内で審査する特別受験資格 認定制度のことである。

今回の回答結果では、本学以外の大学・大学院からの入学者数が圧倒的に多く、そ の割合を見ると、回答数全体の49.6%(=62/125)で、ほぼ半分を占めている状況で ある。

本学からの入学者数を見ると、それは回答数全体の14.4%(=18/125)で、ほぼ1 割強というものであった。

また、本研究科の入試における特別受験資格認定を受けて、本研究科に入学していた

(いる)学生は、回答数全体で見てみると、それは36.0%(=45/125)であった。

この結果については、大学を卒業せずに社会人としてしばらく就労生活をしていた

(いる)人たちが、本研究科へ入学している傾向の増加を意味しているとともに、本 研究科における「リカレント教育」のさらなる充実に向けた取り組みへの理解が浸透 し始め、その拡がりも徐々に大きくなりつつあることを示しているものと解釈するこ とができる。

(12)

- 12 -

4-2 個別選択式項目のアンケート集計結果表とその考察

本年度「介護」の第1期修了生を輩出したことを受けて、第2回の修了生・在校生 アンケート調査を実施した。

そこで、本項では、かかるアンケート調査の中での個別選択式の回答結果を示しなが ら、本研究科の取り組むリカレント教育の問題・課題点を把握するとともに、それら を改善して、さらにその上をめざす経営系専門職大学院教育のさらなる充実のあり方 を考えていく。

本アンケートが三部構成であることは前述した通りであるが、その第二部となるこ の個別選択式では、本研究科の教育の内容・方法ならびにリカレント教育環境等の分 析を行うために、4つの質問項目に分類した上で、さらに33個の問いを設定している

(表3を参照されたい)

かかる問いには、コース別に限定されたのもあるが、アンケート対象学生は、各々の 問に対して、それぞれを5点評価で回答することになっている6

3:修了生および在校生に対する個別選択式項目

<表の見方:表の上段が修了生へのアンケート項目であり、下段が在校生へのアンケート項目であ る。>(*は、コース限定回答の問いを示す)

Ⅰ(総論的なことに関する質問項目)

1:

本研究科で学んだことは期待通りであった。

本研究科で学んでいることは期待通りである。

2:<修了生・在校生共通>

本研究科への進学(入学)を、他の受験生や職場等の友人に勧めたい。

3:<土曜主コースのみ回答>

土曜日のみの通学で満足が得られていた(土曜主コースとしての就学形態)。

土曜日のみの通学で満足が得られている(土曜主コースとしての就学形態)。

4:<土曜主コースのみ回答>

土曜日よりも日曜日の開講にニーズがあると考えられた(土曜主コースに限定しない)。

土曜日よりも日曜日の開講にニーズがあると考えられる(土曜主コースに限定しない)。

6 紙面の都合上、本アンケートの個別選択式結果については別表(別表8-1から別表39)にて記載しているので、そち らを参照されたい。

(13)

- 13 - 5:<土曜主コースのみ回答>

土曜日よりも平日夜間の開講にニーズがあると考えた(同上)。

土曜日よりも平日夜間の開講にニーズがあると考える(同上)。

6:<土曜主コースのみ回答>

8週間(または4週間)で一つのタームが終了するシステムは、本研究科で学ぶ上において 効果的であった(土曜主コースの就学形態の特徴)。

8週間(または4週間)で一つのタームが終了するシステムは、本研究科で学ぶ上において 効果的である(土曜主コースの就学形態の特徴)。

Ⅱ(教育内容・方法等に関する質問項目)

7:

本研究科が提供する開講科目は、専門性の高い内容を有していた。

本研究科が提供する開講科目は、専門性の高い内容を有している。

8:

本研究科の講義は満足できるものであった。

本研究科の講義は満足できるものである。

9:

本研究科の演習は満足できるものであった。

本研究科の演習は満足できるものである。

10:

本研究科のフィールドスタディ(あるいは診断実習)は、期待通りの満足が得られた。

本研究科のフィールドスタディ(あるいは診断実習)は、期待通りの満足が得られている。

11:

講義・演習における課題の量は適切であった。

講義・演習における課題の量は適切である。

12:

『商大ビジネスレビュー』の執筆は有意義であった。

『商大ビジネスレビュー』の執筆は有意義である。

13:

本研究科の講義を通して、職業倫理観を深めることができた。

本研究科の講義を通して、職業倫理観を深めることができている。

14:(上段は修了生とビジネスコース2回生、下段はビジネス1回生のみ回答)

(14)

- 14 - 海外企業研修は満足できるものであった。

海外インターンシップ(海外企業研修)は満足できるものであった。

15:(ビジネスのみ回答、修了生、在校生共通)

英語による授業を増やすべきである。

16:<地域のみ回答>

本研究科の講義・演習を履修して、理論に裏付けられた経営能力の向上に役立った。

本研究科の講義・演習を履修して、理論に裏付けられた経営能力の向上に役立っている。

17:<地域のみ回答>

本研究科を修了したことで、「地域貢献」あるいは「地域活性化」に積極的に取り組む気持ち が強くなった。

本研究科で学ぶことによって、「地域貢献」あるいは「地域活性化」に積極的に取り組む気持 ちが強くなっている。

18:<養成課程のみ回答>

本研究科の講義・演習を履修して、「診断実習」におけるコンサルテーションをさらに向上さ せるための思考力やスキルを身につけることができたと感じられた。

本研究科の講義・演習を履修して、「診断実習」におけるコンサルテーションをさらに向上さ せるための思考力やスキルを身につけることができたと感じられている。

19:<養成課程修了生のみ回答>

登録養成課程を経て診断士になったことに対する評判の高さを感じる。

20:<養成課程のみ回答>

本研究科を修了したことで、「地域貢献」あるいは「地域活性化」に積極的に取り組む気持ち が強くなった。

本研究科で学ぶことによって、「地域貢献」あるいは「地域活性化」に積極的に取り組む気持 ちが強くなっている。

21:<医療のみ回答>

本研究科の講義・演習を履修して、病院運営管理に必要な経営能力の向上に役立った。

本研究科の講義・演習を履修して、病院運営管理に必要な経営能力の向上に役立ってい る。

22:<医療のみ回答>

今後、介護マネジメントも学ぶ必要があると考える。

本研究科の講義・演習を履修して、介護マネジメントを併せて学ぶ気持ちが強くなっている。

23:<介護のみ回答>

(15)

- 15 -

本研究科の講義・演習を履修して、介護事業運営管理に必要な経営能力の向上に役立っ た。

本研究科の講義・演習を履修して、介護事業運営管理に必要な経営能力の向上に役立っ ている。

24:<介護のみ回答>

今後、医療マネジメントも学ぶ必要があると考える。

本研究科の講義・演習を履修して、医療マネジメントを併せて学ぶ気持ちが強くなっている。

Ⅲ(学生生活・学生支援に関する質問項目)

25:

教室等キャンパスの施設は満足のいくものであった。

教室等キャンパスの施設は満足のいくものである。

26:

奨学金、授業料免除申請など、学生教育支援制度は充実していた。

奨学金、授業料免除申請など、学生教育支援制度は充実している。

27:

自主的な学習の支援体制(自習室、資料室)は充実していた。

自主的な学習の支援体制(自習室、資料室)は充実している。

Ⅳ(キャリア形成に関する質問項目)

28:<修了生・在校生共通>

本研究科で学んだことは、現在の職場等で役立っている。

本研究科で学んでいることは、現在の職場等で役立っている。

29:

本研究科を修了して、生き方、考え方等自身の価値観を変えることができた。

本研究科で学んだことで、生き方、考え方等自身の価値観を変えることができている。

30:

本研究科を修了して、学び続ける力がついた。

本研究科で学んだことで、学び続ける力がついている。

31:<修了生のみ回答>

本研究科の修了後、コースあるいは同期の勉強会に参加している。

32:<修了生のみ回答>

(16)

- 16 - もう一度聴講したい講義科目がある。

33:<修了生・在校生共通> (自由記述項目)

本研究科に期待すること(期待していること)について、皆様のご意見をお聞かせ下さい。

かかる個別選択式アンケートの分析に当たって、まず、アンケート対象学生から 5 点評価で回答された32個の問い(最後の問33は自由記述項目)に対して、その各々 の問いで4点ないしは5点と評価されたものを合計している。

その合計数を、本稿では、「そう思う以上」の高い評価が得られた回答として、つま り本研究科のめざしている教育目標等が現状ほぼ達成できているものと解釈し、かか る合計数を「評価回答数」と呼ぶことにする。

また、32個の各々の問いに対して、その評価回答数を、今回の回答総計数で除した 値をここでは、「評価率」(ただし、表示はその計算結果を小数点第2位で四捨五入し たもの)と定義することにしている。

なお、各々の問いで計算された評価率に基づいて、アンケート回答結果を、「全体」、

「修了生」、「在校生」別ならびにコース・課程別等で、それぞれ表示している。

以下の項では、ここで定義している評価率に基づいて、アンケート回答結果に対す る考察を加えることで、そこから見えてくる課題を明らかにしていく。

4-2-1 質問項目Ⅰの回答結果とその考察7

4:Ⅰ(総論的なことに関する質問項目)における評価率(単位:%)

1 2 3 4 5 6

81.6 81.6 86.9 6.5 11.2 83.2

修了生 84.5 87.9 92.3 11.5 11.5 82.7

在校生 80.6 76.1 80.0 1.8 10.9 83.6

今回のアンケート質問項目I【総論的なことに関する質問項目】については、6つの 問いを設定している。そこで、回答結果を考察する上では、その内容を次の2つに分

7 紙面の都合上、本アンケートの個別選択式質問項目Ⅰの回答結果について別表(別表8-1から別表13-3)にて記載 しているので、そちらを参照されたい。

(17)

- 17 - けて行っている。

1)本研究科は、高度経営専門職業人を目指すための「学ぶ場」(社会人学生にはリ カレント教育の「場」)になっているという認識の程度。

(問1、問2)

2)本研究科は、土曜主体の講義開講、つまり土曜主コースであることに対する満足 の度合い。

(問3、問4、問5、問6)

なお、1)の内容については、アンケート対象者全員に回答を求めているが、2)の 内容については、社会人学生のみが回答するものとしている。

1【本研究科で学んでいることは期待通りである】の回答結果(単位:%)

コース・課程 全体 修了生 在校生 ビジネス 50.0 33.3 58.3

地域 84.2 83.3 85.7

医療 83.3 88.9 73.3

介護 92.3 100.0 85.7

養成課程 90.9 100.0 79.1

2【本研究科への進学(入学)を、他の受験生や職場等の友人に勧めたい】

の回答結果(単位:%)

コース・課程 全体 修了生 在校生 ビジネス 55.6 50.0 58.3

地域 78.9 83.3 71.4

医療 88.1 92.6 80.0

介護 92.3 100.0 85.7

養成課程 84.8 100.0 80.8

この問1および問2の回答結果では、全体の評価率はともに81.6%になっている。

その内訳では、どちらも修了生が80%を超える高い評価率を示している。一方、在校 生の回答でも、概ね80%の評価率になっているとも言える(表4を参照されたい)。

これを、コース・課程別で見ると、介護コースの修了生ならびに在校生、および養

(18)

- 18 -

成課程の在校生の 100.0%をはじめ、社会人学生の回答では軒並み高い評価率になっ ている。つまり、この結果は本研究科への入学生が、前述した 1)に対する認識が高 く、社会人学生の「学び」に対する学習意欲の高さが表れているものと解釈すること ができる。

このように、本研究科を「学びの場(リカレント教育の場)」として相応しいものと している肯定的な意見を、自由記述からも見ることができる8。それらをいくつか、以 下に示しておく。

「学習させてもらえる場であると同時に、豊富な知識を得ることができ、教授陣およ び大変感謝しています。」(医療第5期修了生)

「兵庫県立大学のMBAに入学できて、人生を変える学びの世界に連れて行っていただ いています。これからの進路が明確になり、残りの人生をいかに過ごすべきかの、指 針が形作られつつあります。これから、一生を通じての関わりを期待します。」(介護 2期在校生)

「入学してみれば、その見たこと学んだことで自分の中の何かが変わっていることを 実感できている。」(地域第6期在校生)

「私は自施設以外の方にも何名か本研究科を受験するようにお勧めし、実際入学する ようになった方もいます。」(医療第4期修了生)

「実務だけでは得られない学びや気づきを得られている。業種を越えた普遍的な経営 理論を学ぶことに留まらず、それを実務に適応させる能力も身につけられているので、

是非後輩にも入学を是非薦めたいと思っている。」(養成課程第5期在校生)

3【土曜日のみの通学で満足が得られている】

(土曜主コースのみ回答)のコース・課程別の回答結果(単位:%)

コース・課程 全体 修了生 在校生

地域 89.5 100.0 71.4

医療 83.3 88.9 73.3

介護 84.6 100.0 71.4

養成課程 90.9 100.0 88.5

この問3の回答結果では、全体の評価率は、およそ9割(=86.9%)になっている

(表4を参照されたい)

8 自由記述について本文は、ほぼその元文を正確に記載しているが、考察していくなかで引用するため、その一部の表 現を修正している場合もある。なお、今回寄せられた自由記述としての意見は全部で85件であった。

(19)

- 19 -

これを、コース・課程別で見ると、明らかに評価率は全般的に高いものになっている。

つまり、社会人学生にとっては、土曜主コースの学業形態が一番望ましい形だと感じ ているものと解釈することができる。

4【土曜日よりも日曜日の開講にニーズがあると考える】

(土曜主コースのみ回答)のコース・課程別の回答結果(単位:%)

コース・課程 全体 修了生 在校生

地域 10.5 16.7 0.0

医療 2.4 3.7 0.0

介護 0.0 0.0 0.0

養成課程 12.1 42.9 3.8

5【土曜日よりも平日夜間の開講にニーズがあると考える】

(土曜主コースのみ回答)のコース・課程別の回答結果(単位:%)

コース・課程 全体 修了生 在校生

地域 15.8 16.7 14.3

医療 9.5 7.4 13.3

介護 7.7 0.0 14.3

養成課程 12.1 28.6 7.7

この問4ならびに問5の回答結果をみると、問4では、在校生の「評価率」は、1.8%

とかなり低いものになっている。修了生では11.5%であり、これは在校生に比しては 大きい結果であるが、全体としては6.5%とやはり低いものになっている(表4を参 照されたい)

この結果は、社会人学生が「土曜主コース」での通学に満足をしていることを裏付 けているものである。また、問5の結果では、修了生および在校生ともに11%という 低いものになっているため、ここでも平日より土曜日開講形態を望む意見が社会人学 生の中ではメジャーになっている。

3から問5の回答結果を見る限りでは、本研究科の社会人学生には、土曜日以外 に通うことを望んでいるとは思えないし、土曜以外に通学することは難しいと感じて いるものと解釈することができる。

このように土曜主コースの開講形態について、それを支持する意見が自由記述にも

(20)

- 20 -

見られるが、ごく稀な意見として、例外的に土曜日以外の開講を望む声があったこと も指摘しておきたい。それらの意見を、以下に示しておく。

「社会人としては、土曜日に大学に行く生活パターンができ、いずれにしても時間的 には厳しく、それ以外の曜日時間帯が良いとは思わない。」(医療第5期修了生)

「社会人・経営者の立場から、平日午後(夜間)等の講義ではなく、土曜日を主とし た受講日程は非常にありがたく思っています。」(地域第6期在校生)

「平日の講義を三宮で行われるならば、その日にも参加したいと思う。」(地域第3 修了生)

6:【8週間(または4週間)で一つのタームが終了するシステムは、

本研究科で学ぶ上において効果的である】

(土曜主コースのみ回答)(単位:%)

コース・課程 全体 修了生 在校生

地域 89.5 91.7 85.7

医療 76.2 74.1 80.0

介護 84.6 83.3 85.7

養成課程 87.9 100.0 84.6

個別選択式項目におけるⅠ(総論的なことに関する質問項目)の最後に訊いている 6の回答結果では、コース・課程別に多少のばらつきは見られるものの、全体での 評価率は8割以上(=83.2%)という高い数字が得られている(表4を参照されたい)

この結果は、本研究科の社会人学生にとって、週1回の土曜日に限定して「学ぶ(学 べる)」機会を有効に活用したいという気持ちと本研究科の講義スタイルとが概ね適合 しているものと解釈することができる。

以上の考察から、質問項目<I>を総括すると、修了生および在校生ともに本研究科 へ入学したことについては、概ね良かったと評価していることが分かった。そして、

社会人学生には、土曜開講という講義形態も概ね満足されているものと解釈すること ができる。

しかしながら、問1、問2に対する評価率を、コース・課程別に細かく見ていくと 幾分のバラツキも見られる。

例えば、ビジネスでは、既に本研究科を修了した第3期、第4期生と修了していな い第5期および第6期の在校生との評価率において幾分その違いが見られる。

(21)

- 21 -

この点については、ビジネス在校生の自由記述意見にその違いを理解する上で大き なヒントが示されていた。その意見を以下に示しておく。

「経営理論は充実しているが、その理論を実践に落とし込むことをもっと増やしてほ しい。」(ビジネス第5期在校生)

「講義を学部レベル以上のものにしてほしい。」(ビジネス第5期在校生)

本アンケート調査後に社会人となり、本研究科を修了する直前のビジネス第5期の 在校生にとっては、社会人の仲間入りをする上で、実践的経営の理解と社会が望む大 学院修了レベルに自分のレベルが到達しているかどうかなどの不安を抱いた感情がア ンケートの自由意見として書かれたものではないかと推測することはできる。

本研究科としては、こうした意見を真摯に受け止め、具体的にどの科目が学生要望 に該当するかについては、今後学生との聞き取りなどで明らかにしていくことにした い。

また同じ話であっても、学生側の受け止め方によってそれが学部レベルか、あるい MBA修士レベルのものか、という違いを発生させることはよくある。だからと言っ てこれを看過することはできない。この点こそが、まさに講義担当講師の説明能力が 試されると言っても過言ではない。

学部レベルとは、どこが、どのように違うのか(違っているのか)を、講義担当講 師自身が学生に説得し、かつ説明できる必要があると考えている。

こうした不断の努力を重ねることが、ビジネスのみならず本研究科の多くの学生か らの印象が次回以降のアンケート調査では、より高い評価率となって表れてくること を大いに期待しているところであるとともに、かかる努力の積み重ねこそが、充実し た大学院教育の質をさらに高めることになる。

4-2-2 質問項目Ⅱの回答結果とその考察

個別選択式質問項目Ⅱ【教育内容・方法等に関する質問項目】で設定されている、

7から問24までの合計18個の問いに対する回答結果の「評価率」とそれに対する 考察を前節同様行っていく9

なお、この教育内容・方法等に関する質問項目Ⅱでは、アンケートとしては問 7 から問24までの計18個の問いを設定している。その内容については、次のように、3 つに分けることができる。

9 ここでも、紙面の都合上、本アンケートの個別選択式結果については別表(別表14-1から別表20-3)にて記載して いるので、そちらを参照されたい。

(22)

- 22 -

5:Ⅱ(教育内容・方法等に関する質問項目)における評価率(単位:%)

総計 7 8 9 10 11 12 13 全体 85.6 85.6 84.0 78.4 76.0 61.6 78.4 修了生 86.2 86.2 84.5 79.3 77.6 79.3 84.5 在校生 85.1 98.3 83.6 77.6 74.6 41.8 73.1

1) 本研究科の提供する講義科目・演習科目の専門性および特性が理解されている。

(問7、問8、問9、問11、問13、問16、問18、問21、問23)

2) 本研究科のフィールド・スタディ教育、海外企業研修(海外インターンシップ)

および英語による講義について、その意義および特性が理解されている。

(問10、問14、問15)

3) 本研究科の教育方法を通して、「学び」が現場に役立っている。

(問12、問17、問19、問20、問22、問24)

まず、1)の内容では、問7から問13までをアンケート対象者全員からその回答を 求め、その他の問16、問18、問21、および問234個の質問は、コース・課程別の 特定質問項目である。

さて、現在では、新興国などで活躍できるパーソンをめぐって、その人材の育成が 大いに求められているところである。そこで、本研究科のビジネスコースにおいては、

かかるグローバル・イノベーターの養成をビジネスコースの教育目的として掲げてい る。

そのために、本研究科修了における所要単位数の3、4割程度を、英語で行う授業に置 き換えていくことをめざしている。

よって、今回のアンケートでは、問 15【英語による授業を増やすべきである】を、

ビジネスの修了生、在校生の限定回答としている10

つぎに、2)の内容の内容では、本研究科が提供する科目として「フィールドスタデ

ィ」を設置に大きな意義があると考えている。というのは、従来までに各大学(高等 教育機関)で行われてきているケーススタディ教育からさらに一歩進化したフィール ドスタディ教育の下で、組織革新の担い手となる、いわばマネジメント・イノベーター、

10 土曜主コースにおいても、今後英語による講義を徐々に増やしていくことにしている(現在は、経営戦略B(梅野 教授担当)で一部英語による講義をしている)。

参照

関連したドキュメント

J.研修内容について 1.研修コース

学生一人ひとりの学修状況に適合した効率的な教育指導を確保するため、各種の教育プログラム

ス別科目は,各学期に配当される課題解決研究を中心に 13 科目を配置している(必修 10 単位を含む 16

22

コース 専攻医 1 年目 専攻医 2 年目 専攻医 3 年目 A 総合 専門研修基幹施設 専門研修基幹施設 専門研修連携施設 B 診断重点 コース

第2図 クラス別成績の箱ヒゲ図 100 80 60 纒督 40 し= 0数 2効  有 6 1 ○ ∼ / 一’釜∼ V∠ ずツ 藷£ ∴ン ︾δ、 幽 酎 帖7や 丁侍 ア湾 ∼ 虐 産7躯 駕︸勉’ ダ  昂 ¢’㌧ ゲ ︶ 乍

 インドの IT 業界団体である NASSCOM (National Association of Software and Services Companies : 全 国ソフトウェア・サービス企業協会)に属する IT-ITES セ ク タ ー 技 能

『昭和48年大学体育持導者研修会報告書』 p・ 108・ 18梅田利兵衛「雪上野外活動+ 『現代スポーツ論序説』大儀館所収1977・