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Academic year: 2021

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脳卒中についてのお話し

日本人における死因の第 3 位が脳卒中であり、人口 10 万人あたり一年間に約 400 名が発症し、そのうち約 100 名の患者様が亡くなっております。なかでも脳 梗塞は脳卒中の約 60%を占めており、その治療・予防は非常に重要であると考 えられます。また、脳卒中は日常生活活動、生活の質(Quality of Life:QOL) を阻害する最大の要因であり、寝たきり状態の大きな要因となっております。 現在、寝たきり状態となられている患者様が増えつつあり、2010 年には 170 万 人に上ると推定されております。 私どもの病院では、脳卒中の超急性期加療をはじめとする急性期加療から予 防、さらにはリハビリテーション科および当大学関連病院との連携による慢性 期加療にいたるまで、幅広く脳卒中の診療にあたっております。脳卒中は早期 治療が不可欠な疾患であり、私たち神経内科では、脳卒中に対して 24 時間態勢 で診療に当たっております。 ページ1 :・脳卒中についてのお話し ページ2 :・トピックス ~あたらしい脳梗塞の内科的治療~ ページ3 :・脳卒中を疑う症状は? ページ4 :・脳卒中の分類 ページ6 :・脳卒中の診断、治療に必要な検査(代表的なもの) ページ8 :・脳梗塞を予防する可能性がある薬 ・急性期の脳卒中で使用される薬について ページ9 :・脳梗塞の再発予防としての薬 ページ10:・脳卒中になりやすい人は? ・自宅でできる脳卒中の予防と危険な状態の把握 ページ12:・社団法人 日本脳卒中協会 ・最後に

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・トピックス ~あたらしい脳梗塞の内科的治療~

脳の血管がつまることにより、半身の手足が動かない、呂律がまわらない、 などの症状が出現する病気が、脳卒中のなかの、脳梗塞という病気です。脳梗 塞を起こしてしまった部位では、その周囲が腫れてしまったり、正常な部分ま でが脳梗塞になることがあり、これまでの治療は、腫れを軽減したり、進行な どを抑えるのが主体でありました。このため、脳梗塞となってしまった脳の機 能が戻らず、後遺症を残してしまう方も多数いらっしゃいました。 アメリカなどでは、つまってしまった脳の血管にたいして、点滴で“つまり を解消”し、脳梗塞を“治す”治療を行っておりました。日本ではその治療を 行うことが厚生労働省に認められておりませんでしたが、日本脳卒中学会など を中心に研究を行い、わが国でも 2005 年 10 月よりその治療、アルテプラーゼ による血栓溶解療法が可能となりました。 しかし、脳梗塞になられた方全ての患者様に対してこの治療が出来るわけで はありません。なぜなら、脳内出血などの重篤な副作用が出現する可能性があ るからです。そのため、日本脳卒中学会は、アルテプラーゼによる血栓溶解療 法を安全に行うための、厳しいガイドラインを作成し、実際に治療にあたる医 師に対して講習会を開催いたしました(栃木県でも 2005 年 11 月、12 月に講習 会を行っております)。 このガイドラインでは、診療にあたる施設基準のほか、飲まれているお薬の 内容、脳卒中以外のご病気の有無など多数の項目があります。この中で、一番 重要な項目は、“ご病気を起こされてから、3 時間以内に治療を開始しなければ ならない”ことであります。病院にいらっしゃってから、脳梗塞の診断ならび に血栓溶解療法を行って、脳内出血などの合併症が出現する可能性が低いか、 などを判断するため、採血検査やCT検査などを行いますが、これには 30 分から 1 時間近くの時間が必要となります。前述のとおり、全ての脳梗塞患者様にたい して出来る治療ではありませんが、症状を起こされてから、2 時間ぐらいで病院 に来ていただけないと、その時点でこの治療が不可能となってしまいます。 また、血栓溶解療法の施行が不可能であった患者様においても、症状が出現 してから 6 時間以内に治療を開始した患者様は、6 時間以降にいらっしゃった患 者様に比べて、症状の回復が良いという報告もあります。 このため、“おかしいな”と思ったら、すぐにかかりつけの先生に御相談いた だいたり、病院を受診したりして、一刻も早く治療を開始することが重要とな ります。

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・脳卒中を疑う症状は?

欧米で言われている“ブレイン・アタック”キャンペーンでは、①半身の運 動・感覚障害(力が入らない、しびれる)、②意識障害と言語障害(しゃべりづ らい)、③突然の視力障害、④歩行障害・めまい・ふらつき、⑤激しい頭痛、の 5 つを挙げています。 脳卒中は症状の起こり方にも比較的特徴があります。動脈硬化により脳の血 管が閉塞して生じる脳血栓は、比較的朝方発症が多く“朝起きたら片方の手足 の動きが悪い”、“朝起きたら呂律がまわらない”などと訴える患者様が多く いらっしゃいます。これに対して心臓の不整脈などが原因で発症する心原性脳 塞栓は“仕事中に突然手足が動かなくなった”などと、日中突然発症すること が多く見られます。また、くも膜下出血は“今まで経験したことのないような 激しい頭痛を訴えて、倒れた”など、激しい頭痛を伴うことが特徴となってお ります。 脳卒中は治療が遅れるほど重篤な後遺症を残すことが多く、場合によっては “生命”の危険を伴う疾患であるため、緊急入院を必要とする疾患であります。 “おかしい”と感じたら、すぐに専門病院を受診する必要があります。 うまくしゃべ れないなあ 右手足が重くて箸を 落としちゃうし、うまく 歩けないなあ 脳卒中かもしれないですよ! はやく病院へ来て下さい!!

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・脳卒中の分類

脳卒中は大きく分けると、脳の血管が詰まってしまう“脳梗塞”と、脳の血 管が切れて出血する“脳出血”に分類されます。 さらに脳梗塞は動脈硬化が原因で起こる“脳血栓症”と、心臓(特に不整脈) が原因で起こる“心原性脳塞栓症(長嶋監督が発症された病態です)”に分類さ れます。 また、脳血栓症は、比較的小さい梗塞である“ラクナ梗塞”と、重篤な症状 を示しやすい“アテローム血栓性梗塞”に分類されます。 脳出血は主として高血圧が原因で起こる“脳内出血”と、動脈瘤が原因で起 こる“くも膜下出血”に分類されます。 いずれも、“動脈硬化”と深い関わりがあります。

①ラクナ梗塞

1.5cm 以下の比較的小さな脳梗塞で、その症状には特徴があります。一側顔面 下部と同側の上下肢の麻痺(力がはいらない状態)を呈する純運動性不全片麻 痺、一側顔面と同側上下肢のしびれを生じる純感覚性卒中、構音障害(呂律が まわらない状態)と一側上肢の巧緻運動障害(上手に手が使えなくなる状態) が出現する構音障害・手不器用症候群、脳ドックなどで偶発的に発見される無 症候性脳梗塞などがこれにあたります。

②アテローム血栓性梗塞

脳を栄養している比較的大きな動脈に生じた動脈硬化が原因で、その主幹動 脈が狭窄・閉塞し発症する脳梗塞をさします。日常生活の欧米化にともない現 在増加傾向を示しており、今後の脳卒中加療に重要な位置を占めております。 基礎疾患に高脂血症や糖尿病、高血圧などがあり、タバコなどの嗜好品も深く 関係しております。意識障害や、失語(言葉がでてこない、理解できない)な どの高次機能障害を示すことが多く、重度な後遺症を残すことも少なくありま せん。また、脳梗塞を発症する前に、同様な症状が一過性に出現し、24 時間以 内改善する、一過性脳虚血発作(脳梗塞になる寸前!!!)をみることもあり ます。

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③心原性塞栓

心臓の不整脈などが原因で心臓内に血の塊ができ、その塊が脳の動脈を閉塞 することにより発症します。太い血管が閉塞することも少なくなく、“生命” に関わる重篤な症状を呈することも少なくありません。 原因として最も頻度が高いのは、心房細動と言われる不整脈です。この他、 人工弁(特に機械弁)や洞不全症候群、発症 4 週間以内の心筋梗塞、拡張型心 筋症、感染性心内膜炎などがあります。 また、近年注目されている“エコノミークラス症候群”は、下肢、とくにふ くらはぎにできた静脈の血栓が、肺の動脈を閉塞することで生じますが、これ に心臓の奇形が加わると脳塞栓(奇異性脳塞栓)を発症します。

④脳内出血

原因として高血圧が最も多く認められます。この他脳の血管奇形や、血管の 炎症、白血病などの血液疾患が原因として挙げられます。発症時間は午前中に 多いと報告されております。

⑤くも膜下出血

激しい頭痛をともなうことが多く、発見・治療が遅れると“生命”に関わる ことも少なくありません。起床後数時間以内に発症することが多いと言われて おります。 当院では脳内出血と同様に、24 時間態勢で CT 写真や、MR 写真により診断を 行なうほか、脳血管の 3D CT 写真での動脈瘤評価、脳外科との協力のもと、外 科的治療および、血管内治療を行なっております。 脳卒中と一言で言っても、 いくつかの病気があるんです。

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・脳卒中の診断、治療に必要な検査(代表的なもの)

脳卒中の診断には、その症状からの病巣の推察のほかに、画像診断が重要な 位置を占めております。

A.CT 写真

脳卒中を疑った場合、すぐに施行すべき検査です。これにより脳梗塞、脳出 血の鑑別が可能となります。当院では 24 時間態勢で検査を行なっております。 また、脳の血管を立体的に撮影することも可能であり、動脈瘤などの血管奇 形に対しても有効となっております。

B.MR 写真

脳梗塞の場合は、発症早期には CT 写真では病巣の確認が不可能なことが多く 見られます。MR 写真では、発症 30 分~1 時間後より病巣の確認が可能であり、 また、脳の血管の描出も行なうことができます。さらに、くも膜下出血の場合、 CT 写真で描出が不可能であった場合にも、FLAIR 像を撮影することにより診断 が可能であります。脳卒中診療においては欠かせない検査であり、当院でも実 施しております。しかし、心臓のペースメーカーなど金属が体内にある場合に は、撮影が不可能なこともあります。

C.エコー検査

非侵襲的に血管の評価が可能な検査であり、CT と並び脳卒中ではまずすべき 検査の 1 つとなっております。これにより、動脈硬化の程度、さらにはその動 脈硬化がもろくて破けそうであるか、なども診断可能な検査で、当院では 24 時 間態勢で行なっております。 また、当院では頸部血管の評価はもちろんのこと、経頭蓋超音波検査で脳内 の血管の評価や、手足の動脈の評価、さらには静脈の検査も行なっており、手 足の動脈狭窄による冷感や疼痛、静脈内の血の塊の存在などにも対応しており ます。 心臓の超音波検査も重要であり、とくに心原性塞栓では、経食道心エコー検 査(胃カメラのようなものです)も行なう場合があります。

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D.シンチグラム

脳の血流状態を、写真で表わす検査方法です。これにより、実際に脳のどの 部分の血流が障害されているかが判別できます。脳動脈の高度狭窄や閉塞に対 する手術適応の判断にも応用されており、当院でも脳外科と協力のもとに行な っております。

E.血圧測定

血圧は常に一定の値を示してはおりません。通常朝方に一時的に高くなり、 夜間睡眠中に下がります。脳卒中慢性期には血圧のコントロールが重要となり ますが、患者様 1 人 1 人の血圧の変動パターンを考慮し降圧剤を使用すること が重要となります。 当院では 24 時間血圧計で、患者様の血圧変動を考慮した治療を行なっており ます。 また、血圧の変動には自律神経の関与が知られておりますが、当院では自律 神経の評価も行なっており、治療に役立てております。 どれも重要な検査なんです。 こんなに検査 うけるの?!

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・脳梗塞を予防する可能性がある薬

脳梗塞や心筋梗塞にならないためには、次項にあるように血圧や糖尿病、高 脂血症(コレステロール、中性脂肪)などの生活習慣病を改善することが重要 です。 これら生活習慣病は、運動や食生活が治療の基本となりますが、それでも適 正な値にならない場合に薬を使います。この薬の中には、動脈硬化を安定させ る作用がある可能性があります。 現在、一番注目されているのは、スタチンと呼ばれている高脂血症の薬であ ります。 現在、この効果が本当に期待できるか、日本全国で J-STARS と呼ばれる大規模 研究が進行しております。 このほか、血圧の薬で、ARB というお薬や、Ca 拮抗剤と呼ばれている薬にも 期待が高まっております。

・急性期の脳卒中で使用される薬について

3 時間以内の超急性期では、血栓をとかす、血栓溶解療法を行える場合があり ます(2 ページ目をご参照ください)。脳梗塞の急性期では、血液をサラサラに する点滴が用いられます。オザグレルナトリウムやアルガトロバン、ヘパリン と呼ばれる薬がこれにあたります。この点滴により、急性期の再発予防、進行 予防を行ないます。 脳出血では、緊急手術の必要性がない場合には、血圧管理、止血剤が使用さ れます。 また、脳卒中は、症状が出現した時が一番軽い状態で、時間の経過とともに 症状は悪くなる傾向があります。これには、浮腫が大きく関係しております。 脳卒中を起こした場所では、その周りに水分が引き寄せられ(浮腫)、実際の病 巣の大きさよりも大きな病巣となります。このため、急性期では、グリセロー ルという点滴を使用する場合もあります。この他、脳梗塞の拡大予防として、 エダラボンと呼ばれる点滴を使用することもあります。 (全身状態や合併症の問題で、これらの薬剤を使用できないこともあります。)

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・脳梗塞の再発予防としての薬

脳梗塞の再発予防には、血液をサラサラにする飲み薬が使用されます。 現在、厚生労働省に認められているものには、アスピリン、チクロピジン、シ ロスタゾール、ワルファリンがあります。また、脳の代謝を改善する薬として、 イブジラスト、ニセルゴリンがあります。 アスピリンは昔から使用されているお薬で、その効果も評価されております。 しかし、アスピリン喘息のある患者様では、服用により、喘息発作が起こるこ とがあり、使用できません。チクロピジンはアスピリンよりも新しい薬ですが、 その効果は高く評価されております。肝臓や血液疾患がある患者様では、場合 により使用できないこともあります。いずれも、血液をサラサラにする薬であ り、出血などの副作用がまれに生じることもあります。 シロスタゾールは、脳梗塞予防の薬では、一番新しい薬であります。その効 果も大規模研究により証明されており、また、出血の合併症が一番少ないとい われております。 ワルファリンは、心臓が原因で生じる心原性脳塞栓症の再発予防に使用され ます。非弁膜性心房細動とよばれる不整脈がある場合には、内服をお勧めして いる薬です。しかし、この薬は、飲みすぎると非常に出血の合併を起こしやす く、また、飲み忘れなどがあると、その効果はすぐに減少してしまいます。ビ タミン K を多く含む食事、とくに納豆を多く食べると、その効果は消失してし まいます。このため、定期的な採血で、その効果の状態を見る必要性がある薬 です。 このように、いくつかの予防薬がありますが、いずれも、脳・首の血管の状 態、危険因子、全身状態、採血検査などで最適な薬を選択する必要性がありま す。 また、脳ドックなどで偶発的に発見される“かくれ脳梗塞(無症状の脳梗塞)” では、これらのお薬をすぐに始めると、脳内出血を起こしてしまう可能性があ ります。このため、後述にあるような、動脈硬化を進行させないように生活習 慣を改善し、動脈硬化を起こす基礎疾患の治療を第一とする場合が多いです。 (予防のお薬を始める場合には、担当の先生とよく御相談ください。) 現在ではジェネリックをはじめ、多数の同系統の薬剤があります。 本資料にある薬剤は一般名であり商品名ではありません。 実際の処方等については主治医の先生とよく御相談ください。

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・脳卒中になりやすい人は?

特殊な例を除いて、50 歳以上の方ではいつ脳卒中を起こされてもおかしくな く、10 歳年を取るごとに危険率は約 2 倍ずつ増加します。性差では男性に多い 傾向があり、家系内に脳卒中を発症された方がいらっしゃると、その危険率は さらに約 2 倍増加します。生活習慣病としては、高血圧が最も強く脳卒中と関 係しており、特に収縮期血圧が 160mmHg 以上では 4~5 倍の危険率があると言わ れております。また、コレステロールが高い方や、血糖値が高い方、不整脈(特 に非弁膜性心房細動)がある方も脳卒中になりやすいと言われております。こ の他、喫煙、飲酒も強く脳卒中と関係が認められております。喫煙者では脳卒 中発症率が約 2 倍に増加し、飲酒も一日 1 合半を超えると発症率が増加します。

・自宅でできる脳卒中の予防と危険な状態の把握

①適正体重の評価

肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症などの動脈硬化の基礎となる状態を引き 起こします。このため、ご自身の適正体重を知ることが重要です。

適正体重は、BMI(Body Mass Index)と呼ばれる値で評価されます。 BMI=(体重 Kg)÷(身長 m)÷(身長 m) 例:体重 70Kg、身長 160cm 70Kg÷1.6m÷1.6m=70÷1.6÷1.6=27.3 この値が、22 の時、適正体重と言えます。しかし、25 以上では、肥満と定義 され、18.5 未満では低体重となります。

②血圧測定

血圧は、24 時間同じ値を示すわけではありません。通常、朝起きるときに血 圧は上昇し、少し下がって昼間の血圧となり、夜、さらに下がります。 朝起きるときの血圧が、非常に高い値となったり、一日中変化なく、高い値 を示したり、夜間高血圧であったりすると、昼間の血圧が適正であっても、動 脈硬化の危険因子となります。 日中血圧では、130/85mmHg 以下が良いとされておりますが、一日の変化を見 るためには、朝起きたとき、日中安静時、夜寝る前の 3 回血圧測定を行なうと 良いと思われます。

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③脈拍の測定

手首の親指側には動脈が流れています。この脈を反対側の指 3 本(人差し指、 中指、薬指)で触れます。これを左右両側とも行ないます。 脈が不規則にうつ場合には、不整脈の疑いがあります。また、左右で、脈の うつ強さが異なる場合、脈が弱い側の腕に動脈硬化がある可能性があります。

④その他

危険因子として重要なのは、生活習慣病と言われている、高血圧、糖尿病、 高脂血症があります。また、タバコやお酒といった嗜好も重要な要因となって おります。食生活では塩分制限(一日 6~10g)、カロリー制限(1 日 2000Kcal 以内、お仕事などの運動量などでも変わります。また、糖尿病がある方は更に 制限が必要です)、青魚を摂取し、一日 5 種類以上の野菜・果物を取ることも大 切です。 適度な運動も脳卒中予防には重要で、一日 30 分程度の早歩きやジョギングな どが効果的です。時間的に困難でも、男性で約 9000 歩、女性で約 8000 歩、高 齢者でも 6700 歩程度歩くことが大切です(年齢によっても変わります)。 禁煙・禁酒は重要であり、水分をまめに摂取することも効果的です。また、 特に冬場は夜間トイレに行く際に必ず上着を羽おり、急激な温度差に体をさら さないようにすることも忘れてはいけません。この他、心臓病(とくに不整脈) や、特殊な血液疾患、片頭痛などがあります。 運動と食事、がんばろう!! 生活習慣をかえて、脳卒中にならないよ うにするぞ!! 頑張ってください。 でも無理は禁物で すよ!

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・社団法人 日本脳卒中協会

脳卒中に関する正しい知識の普及と、社会啓発による脳卒中発症予防を目的 として発足された機関であります。本部は大阪にありますが、各都道府県(一 部を除く)に支部が設置されており、私どもの施設も栃木県支部として活動を しております(支部長:獨協医科大学神経内科 平田幸一、副支部長 済生会 宇都宮病院神経内科 今井明)。 皆さまと接する業務といたしましては、脳卒中についての市民公開講座の開 催と脳卒中についてのご質問にお答えする電話相談があります。 お一人に 1 時間ほどのお時間を取らせていただいており、話中などのご迷惑 をおかけすることもございますが、是非ご利用ください。 ホームページ :http://www.jsa-web.org/ 脳卒中なんでも電話相談:0282-86-2501(栃木県支部) 電話相談 ;毎月第一土曜日 午前 10 時から午後 4 時 ファックス相談;毎週月曜日から金曜日 午前 10 時から午後 4 時 ・所定の用紙はホームページよりダウンロードができます。 ・回答は後日となりますので、必ずご送信先のファックス番号を お入れください。

・最後に

脳卒中は重篤な後遺症を残す事が少なくなく、発症・再発予防が重要となっ ております。しかし、脳卒中は不整脈や動脈硬化という病態の結果生じる疾患 であり、これら原因となっている疾患の予防、治療が重要となっております。 また、これらの多くが生活習慣のみだれにより生じていることが多いのも事実 です。このため、日常の生活に注意をし、“おかしいな?”と感じたら、様子を 見るのではなく、すぐに病院を受診することが重要と思われます。 獨協医科大学神経内科ホームページ http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-m/neuro/index.shtml 文責:獨協医科大学 神経内科 脳卒中班班長 竹川英宏 主任教授 平田幸一

参照

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