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夜間の街路空間における評価構造に関する研究 −福岡市天神地区における利用者の意識− [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)夜間における街路空間の評価構造に関する研究 ―福岡市天神地区における利用者の意識― 柴田. 1. はじめに. 大悟. 2-1. キャプションの分類と集計. 近年、都市の景観を計画的に整備し、雰囲気のある個性. 収集したキャプションのうち、要素と印象について、表現. 的な街を作ろうとする機運が高まっている。街路や街並み. の統一を行った。まず、要素について 176、印象について. に関する景観条例やガイドライン、さらに、すぐれた街並み. 308 の語句を小分類として取り出し、景観カードを作成した。. や建築についてこれを表彰する景観賞等を、全国の 3400. 次に、その小分類を、例えば要素について、広さや性格な. 余りの約 1/3 に当たる自治体が制定している 。一方で、. どから6 つに分類されていた「 街路・ 大」 や「 歩道」 などを「 街. 人々のライフスタイルの変化に伴う夜の生活時間の延長は. 路空間」 に、大きさや発光状態などから5 つに分類されてい. ますます顕著になり、また、価値観の多様化や経済的余裕. た「 看板」 などを「 広告物」 にまとめ、要素で 39、印象で 28. などに伴って、特に都市部では昼間だけでなく夜間の景観. の中分類を決定した。さらに、古賀らが提案する妥当性を. *1. *2. も重要視しようとする人々が増えていきている 。そのような. 考慮した分類導出方法*5 によって大分類を決定した。. 中、都市部においては美しくライトアップされた建造物が数 多く見られるようになり、積極的に環境照明に取り組もうとす. 2-2. 『要素』の分類と集計結果. る自治体も増えてきている。さらに、2000 年 7 月には、環境. 要素の大分類と中分類を、中分類カテゴリーごとに評価. 庁(現環境省)が、「地域照明環境計画策定マニュアル」を. (○×)別の記述度数を集計した結果とともに図 1 に示す。. 策定し、良好な照明環境を創出するために、地方自治体ご. 中分類では、「店舗」「ビルディング」「広告物」に対する記述. とに「 地域照明環境計画」 を策定するように促している。この. が多く、大分類では、「場所・ 空間」「建物」「もの」に記述の大. ように、夜間の景観を整備しようとする動きが各地で見られ. 半が集中している。. るが、その際、より多くの利用者の要求を反映する必要があ. 大分類. る。人間の評価は、個人の好みが大きく反映する範囲と多く. 音  匂い . 10 4. 生物. 動物 . 3. 0. 人 . 4. -2. 川  天空 . 10 2. -1 0. の人に共通する範囲がある。街並みや雰囲気については、 自然物. 統一感があるとか開放的であるなど、人々にとって共通の 感じ方があるとされている*1。 場所・空間. 本研究では調査を通じ、夜間の街路空間における評価 構造を定性的、定量的に分析し、環境整備計画の基礎的 資料とすることを目的としている。. 建物. 2. 調査Ⅰ 調査Ⅰは、2000 年 11 月 6 日から28 日のうち 9 日間、 福岡市天神地区を対象として、キャプション評価法*3 に基 づいて実施した。調査時間は、日没後の午後 6 時から2 時. もの. 間程度とし、20代の男女36名分のデータを収集した。調査 手順は以下の通りである。 ① 調査参加者はデジタルスチルカメラを持って、自分の ペースで街を歩く。 ② 「気になる景観*4」があれば撮影する。 その他. ③ 『 評価』 ( 好き・ 嫌い・ ?から選択) をし、「何: 『 要素』 」の、 「 どんなところ: 『 特徴』 」 が、「 どう感じられる: 『 印象』 」 に ついて、簡潔に記入する( キャプション評価) 。. 中分類. 音・匂い. -3 -1. 水 . 9. -8. 植栽 . 10. -4. 樹木  街路空間 . 13 59. -5 - 22. その他の空間 . 17. - 13. オープンスペース . 14. -4. アーケード空間  公園 . 13 12. 0 - 13. アプローチ空間 . 21. -2. 道路面 . 4. -1. 建物の一部  店舗の一部 . 4 66. -2 -9. 屋台 . 22. -2. 店舗 . 154. - 42. 小学校  その他の建物 . 2 13. -5 -5 -5. 民家 . 4. 歴史的建築物 . 6. -7. ビルディング  広告物 . 111 99. - 48 - 59 - 13. 商業物 . 26. 情報表示物 . 8. -3. オブジェ  照明設備 . 23 51. -8 - 27. クリスマスに関する物 . 65. - 14. 乗物 . 8. - 17. 人が使う物  インフラ設備 . 9 0. 0 -4. その他のもの . 4. -3. 公共物 . 12. - 14. ○評価. ゴミ  落書き . 0 1. -5 -6. ×評価. 煙 . 1. -1. 80. 40. 0. 図 1 『要素』の分類と集計結果 46-1. 40. 80. 120 160.

(2) 表 1 屋台に関するキャプションの関連表(抜粋). 2-3. 『印象』の分類と集計結果. 評価 ○ 全体. 結果を図 2 に示す。全体的に、「独自性」「美感」についての 記述が多い。「建物」「もの」に対する印象についても同様の 傾向が見られるが、「もの」に対する印象では、加えて「存 在・ 形態への疑問」についての記述が多い。「場所・ 空間」に 対する印象については、「調和」「秩序」「変化」「空間感」「独 自性」「美感」「雰囲気」「落ち着き」「賑わい」「感情」「心地」「安 心感」「興味」「願望」についての記述が同等に見られる。 中分類 利便性・機能 容易さ 衛生 品 道徳 調和 秩序 変化 空間感 独自性 存在・形態への疑問 美感 雰囲気 落ち着き 賑わい 感情 心地 安心感 興味 願望 イメージ 親近感・生活感 地域感 時代感 寒暖感 印象の良否 五感 その他. 0 1 0 0 0 2 3 5 11 7 0 9 7 12 17 2 11 16 17 14 1 1 2 0 2 0 2 10. 50. 25. -1 -4 0 0 0 -2 -5 0 -3 -1 0 -2 0 0 -3 -5 0 0 -7 -3 -1 0 0 -1 0 -1 -5 -2. 0. 2 1 0 0 0 1 1 0 0 2 1 0 0 0 1 4 0 4 4 1 1 0 1 2 0 2 0 4. 1 0 0 5 0 11 10 2 9 61 2 70 8 30 16 10 4 0 19 35 9 4 7 20 15 2 2 33. 25. 0 -1 -2 -2 -1 -24 -6 -2 -2 -13 -5 -9 -2 -1 -5 -2 -2 -17 -1 -1 -1 0 0 -1 0 0 -18 -7. 50. 4 1 -11 0 2 3 -4 5 0 0 -2 0 0 2 0 1 2 0 -5 0 3 12 -15 2 4 9 -12 2 0 2 -2 0 1 0 -1 2 20 58 -24 31 6 33 -4 23 2 48 -17 1 0 11 -1 0 0 5 0 0 4 21 -7 2 4 15 -2 6 0 10 -5 1 1 1 -15 0 5 11 0 4 0 9 0 3 「場所・ 空間」に対する ○評価 5 18 -3 7 「場所・ 空間」に対する ×評価 2 1 14 -1 1 9 -1 5 「建物」に対する ○評価 0 5 0 1 「建物」に対する×評価 0 8 0 0 「もの」に対する○評価 0 0 -1 2 「 ×評価 2もの」に対する 3 -17 3 11 30 -8 11. 75. 100. 特徴 沢山ある 並んでいる いくつも集まっている 連続している 赤提灯がある. 印象小分類 福岡って感じ 人情がありそう 遠くからみると綺麗 誘導感がある( 2) 単体 組み合わせ 食欲をそそる 福岡って感じ 照明 提灯の色が良い 引き込まれる 電球が剥き出し 雰囲気がある( 2) オレンジ色の光が店から出ている 暖かみがある 形態 中の様子がうかがえる 賑やか 一軒だけポツリとたっている 暖かそう 準備中 気配を感じる( 2) 暖かそう 味がある × 場所 道を占領している 歩きにくい 人気 活気がない・ 勢いがない 1) 【 注1】空欄は該当データがないことを示す。 【 注2】(数字) は度数を示す。( は省略. 印象の中分類ごとに評価(○×)別の記述度数を集計した. 表 2 街路灯に関するキャプションの関連表(抜粋) 評価 ○ 全体 統一. 特徴 デザインが統一されている 配置が統一されている ずらっと並んでいる 規則的に並んでいる 花の形 丸いボール球 幾何学的な花模様 外国の旗がついている 光源が2種類ある 緑とオレンジの重なり 色温度が低い 薄暗い. 印象小分類 整然としている 整然としている 連続 統一感 引き込まれる感じ 単体 形態 クラッシク やわらかい デパートって感じ 高級感 光色 凝っている・珍しい(2) 癒される 落ち着く 明暗 かわいい 落ち着く 組み合わせ 滝 綺麗 ベンチ 面白い × 全体 統一 光源の種類が多い 統一感がない(2) 単体 形態 光と合ってない 光色 蛍光色 冷たい感じ オレンジ色 怪しい 明暗 明 高輝度 まぶしい 周りからの光で十分明るい 役に立ってない 暗 数が少ない 暗い 点灯状況 ついてない みすぼらしい 【注1】空欄は該当データがないことを示す。 【 注2】 ( 数字)は度数を示す。(1)は省略. 125 150. 図 2 『印象』の分類と集計結果 2-4. キャプションの関連表. 2-5. 小結. 評価対象として多く挙がった要素について、その評価と. 調査Ⅰの結果は、以下のようにまとめられる。①福岡市天. 特徴を整理し、キャプションの関連表を作成した。これより、. 神地区を対象として、夜間の街路空間に関する評価を支配. 各要素の評価構造、および、問題点と改善方法などをみる. する要素の全体像を把握した。②評価対象として数多く挙. ことができる。例えば、表 1 は屋台に関するキャプションの. がった要素の大分類である「場所・ 空間」「建物」「もの」に対. 関連表である。屋台は、歩道を占拠したり、活気が無かった. する印象について整理し、印象の傾向を把握した。③評価. りする場合には×と評価されているが、ほとんどの場合、○. を受ける要素ごとに、キャプションの関連表を作成し、具体. と評価されている。このことから屋台は、夜間の街路空間の. 的な評価構造、問題点と改善方法を整理した。④調査結果. 評価を上げるのに大きな役割を果たしていると考える。また、 を景観カードやキャプションの関連表という形で整理し、デ 表 2 は街路灯に関するキャプションの関連表である。単体 ータベースを構築した。 (近景)では形や色などが評価され、全体(遠景)では配置の. しかし、ある印象が、どのような要素に起因しているのか、. 連続やデザインの統一が評価されている。明暗や点灯状況. という関連性を定量的に示すには至っていない。例えば、. には、×の評価が多い。このことから、人々が○と評価して. 「 落ち着きのある環境を整備する」 という設計条件を満足す. いる街路灯に関して、明暗や点灯状況などは当然満足す. るためには、どのような要素を重点的に考慮し、設計すれ. べき事項であり、それに加えて個別のデザインにも力を入. ばよいのかは明らかでない。. れ、全体として空間に秩序を与えるようなものにしなければ ならないことが分かる。. よって、次に、ある印象に関わる要素と特徴を抽出し、そ の寄与率を検討することとした。. 46-2.

(3) 表 3 因子負荷量と寄与率. 3. 調査Ⅱ. 評定尺度 繁華性 秩序 開放性 形容詞対 因子Ⅰ 因子Ⅱ 因子Ⅲ 0.939 -0.108 0.040 賑やかな感じ−寂しい感じ 0.895 -0.004 -0.059 楽しそうな感じ−つまらない感じ 0.877 -0.140 0.005 多彩な−無彩色な 0.838 0.070 0.029 明るい‐暗い 0.763 -0.059 0.160 印象的な−印象の薄い 0.734 0.022 0.011 期待感がある−期待感がない 0.733 -0.316 0.124 迫力がある−迫力がない 0.691 -0.245 -0.281 密な−疎な 0.637 -0.036 0.300 大規模な−小規模な 0.636 -0.191 0.108 変化がある−変化がない 0.611 0.110 -0.111 暖かみがある感じ−寒い感じ 0.603 0.239 -0.062 都会的な感じ−田舎っぽい感じ -0.595 0.471 0.057 落ち着きのある感じ−ない感じ 0.522 0.326 0.012 歩いてみたい−歩いてみたくない 0.483 0.453 -0.022 新しい感じ−古い感じ 0.460 0.408 -0.007 豪華な感じ−安っぽい感じ -0.152 0.788 0.169 清潔な感じ−不潔な感じ 0.015 0.779 0.003 美しい感じ−醜い感じ -0.154 0.766 0.036 高尚な−低俗な -0.051 0.749 0.111 手入れの行き届いた−ない 0.740 0.032 整然としている−雑然としている -0.406 0.273 0.557 -0.050 お洒落−センスがない 0.496 0.502 -0.014 豊かな感じ−貧しい感じ 0.364 0.489 0.024 安心−不安 0.096 0.269 0.791 広い感じ−狭い感じ 0.078 0.336 0.638 開放感がある−圧迫感がある 0.284 0.177 0.012 親しみやすい−親しみにくい -0.278 -0.095 0.136 自然な−人工的な -0.181 0.359 -0.082 統一している−統一していない 0.016 0.400 -0.071 調和している−調和していない 0.268 0.249 -0.073 連続的な感じ−不連続な感じ 因子寄与率(%) 34.376 18.007 3.721 累積寄与率(%) 34.376 52.383 56.104 因子抽出法: 主因子法 回転法: Kaiser の正規化を伴うプロマックス法 11回の反復で回転が収束しました。. 調査Ⅱは、2001 年 10 月 26 日から11 月 7 日までの平. No 7 14 3 9 20 12 6 29 13 23 19 10 18 16 5 21 25 8 30 28 1 2 27 4 22 17 24 31 15 26 11. 日( 月から木) のうち7 日間、SD 法に準じた方法で実施した。 すなわち、多段階尺度による評価と、各評価についての理 由を記述させるというものである。多段階尺度については、 調査Ⅰや既往の研究を参考にして、総合評価( 良い-悪い) を含む 32 対の形容詞対を選定し、それぞれについて、「非 常に」、「かなり」、「やや」、「普通」を用いた7段階で評価させ た。理由の記述については、「物理的な要素が、どのような 状態であるため」という形式で記述するよう指示した。福岡 市天神地区における14 ヵ所の街路( 図 3 参照) を評価対象 に選定し、建築系の学生男女 38 名に評価させた。参加者 の負担を考慮し、ブロック①( 親富孝通り) と、ブロック②( 西 通り) の 2 ブロックに分け、日を変えて評価させた。評価街 路のサンプル写真を図 4 に示す。. 親近性 因子Ⅳ -0.025 0.122 -0.010 -0.026 -0.001 0.142 0.003 -0.101 -0.178 0.001 0.285 -0.450 0.244 0.322 -0.411 -0.154 -0.081 -0.020 -0.026 -0.031 -0.079 -0.009 0.022 0.107 0.109 0.117 0.546 0.542 0.067 0.152 0.018 3.131 59.235. まとまり 因子Ⅴ 0.047 0.057 -0.059 -0.046 0.056 0.025 0.175 0.029 0.234 -0.245 -0.134 -0.082 -0.015 -0.002 -0.079 0.062 0.054 0.093 0.051 0.119 0.071 0.053 -0.043 -0.063 -0.061 -0.133 0.088 0.052 0.680 0.557 0.485 2.180 61.415. 3-2. 評定尺度と総合評価の関係 各評定尺度と総合評価との関係を分析するために、相関. 図 3 評価地点および評価方向. 係数を計算した。結果を表 4 に示す。例えば、「 No.16:歩い てみたい−」 と総合評価との相関係数は、0.7 以上であり、 両者の間には、強い相関があると判断できる。. 街路A. 街路B. 街路C. 3-3. 評定尺度と環境構成要素の関係. 街路D. 自由記述欄( 理由: ∼が、∼なので) のうち、「 ∼が」 の部 分を『 要素(環境構成要素)』 として、「 ∼なので」 の部分を『 特 街路E. 街路F. 街路G. 徴』 として整理した。その後、各評定尺度と関係する環境構. 街路H. 成要素の記述度数を数え、グラフとして視覚化した。これよ り、ある評定尺度(例えば、No.4:安心−)に着目して環境 街路I. 街路J. 街路K. 整備を行う際に、重点的に検討すべき環境構成要素が定. 街路L. 量的に把握できた。表 4 に、結果をまとめて示す。例えば、 「No.16:歩いてみたい−」については、「照明(37.6)」の占 める割合が高く、記述も多い。次いで、「人」 「 歩道」 につい. 街路M. 街路N. ての記述も多い。「No.4:安心−」については、「照明. 図 4 評価街路サンプル写真. (52.4)」「人(18.0)」の占める割合が高い。すなわち、明るく 人気を感じられる街路空間では、安心感が高くなると考える。. 3-1. 共通因子の抽出 総合評価を除いた31形容詞対に対して、因子分析(主因. 「No.12:期待感−」については、「照明(51.0)」の占める割. 店舗」 や「 モノ」 の存在、「 人」 の流 子法、プロマックス回転)を行った結果、第Ⅰ因子「 繁華性」 、 合が高い。その他には、「 れなどが、 期待感を高める 要因と なっている。 「 No.1:整然 第Ⅱ因子「 秩序」 、第Ⅲ因子「 開放性」 、第Ⅳ因子「 親近性」 、 第Ⅴ因子「まとまり」が抽出された。結果を表 3 に示す。これ. −」については、「自転車(19.2)」 の占める割合が高い。す. より、夜間の街路空間に対する複雑な評価を、少数の共. なわち整然とした街路空間を整備するためには、駐輪場を. 通因子で説明することが可能となった。. 確保するなどの、放置自転車対策が不可欠である。 46-3.

(4) 表5. 3-4. 共通因子と総合評価の関係 各共通因子と総合評価との関係を分析するために、相関. 共通因子 相関係数. 係数を計算した。結果を表 5 に示す。第Ⅱ因子「 秩序」 と総. 各共通因子と関係する主な環境構成要素とその特 徴および各共通因子と総合評価との相関係数一覧 関係する主な 環境構成要素. 特徴. 有効 回答数. 明暗(28.5)、数量(27.1)、分布・明暗(9.6)、 照明 光色(8.4) 第Ⅰ因子 人 数量(94.9) 繁華性 サイズ(15.1)、高さ(14.5)、新旧(7.2)、 0.479 建物 密度(7.2)、色彩(4.8) 店舗 数量(47.5) 明暗(48.6)、数量(15.6)、分布(10.1)、 照明 光色(6.0) 第Ⅱ因子 自転車 数量(58.7)、存在(34.0) 秩序 0.775 人 数量(88.3) 街路灯 配置(52.9)、形態(15.7)、数量(13.7) 道 広狭(100.0) 第Ⅲ因子 歩道 広狭(76.9)、存在(23.1) 開放性 建物 高さ(38.0)、位置(34.5) 0.539 照明 明暗(72.7)、分布(13.6) 照明 明暗(54.1) 第Ⅳ因子 街路樹 数量(26.7)、存在(20.0)、配置(20.0) 親近性 緑 数量(92.3) 0.428 街路灯 配置(45.5) まとまり(高さ) (26.2)、配置(14.8)、 建物 まとまり(形態)(9.8)、形態(9.8) 第Ⅴ因子 照明 分布(18.2)、分布・明暗(13.6)、明暗(7.6) まとまり 0.5674 街路灯 配置(71.7) 街路樹 配置(82.8) 【注1】 相関係数は、各共通因子と総合評価との相関を示す。 【注2】 (数字)は有効回答数に占める割合(%)を示す。. 合評価との間には、強い相関があり、第Ⅴ因子「 まとまり」 、 第Ⅲ因子「開放性」、第Ⅰ因子「繁華性」、第Ⅳ因子「親近 性」 と総合評価との間には、それぞれ、かなりの相関がある と判断できる。 3-5. 共通因子と環境構成要素の関係 各共通因子と関係する環境構成要素の記述度数を数え、 グラフとして視覚化した。これより、ある共通因子(例えば、 第Ⅰ因子: 繁華性) に着目して環境整備を行う際に、重点的 に検討すべき環境構成要素が定量的に把握できた。さらに、 各環境構成要素の特徴の記述度数を数え、グラフとして視 覚化した。これより、各環境構成要素のどのような特徴に着. 617 177 166 120 2218 92 60 51 123 39 29 22 37 15 13 11 61 58 46 29. 目して整備すればよいのかを、定量的に把握できた。表 5 に、結果をまとめて示す。例えば、「第Ⅱ因子: 親近性」につ. 3-6. 小結. いては、「照明」の「明暗」、「街路樹」「緑」の「数量」「存在」、 「街路灯」の「配置」などを検討する必要がある。. 調査Ⅱでは、①夜間の街路空間の評価に適用できる共 通因子として、「 繁華性」「 秩序」「 開放性」「 親近性」「 まとま り」 の 5 つを抽出した。②相関分析を行い、各評定尺度と. 表4. 各評定尺度と関係する主な環境構成要素および各 評定尺度と総合評価との相関係数一覧. 評定尺度 No 形容詞対 16 歩いて− 27 豊かな− 4 安心−. 関係する主な環境構成要素. 有効 回答数. 相関係数. 照明(37.6)、人(11.8)、歩道(10.8) 93 .748(**) 照明(43.2) 74 .666(**) 照明(52.4)、人(18.0) 210 .663(**) 照明(16.2)、歩道(12.4)、自転車(10.5)、 105 .654(**) 8 美しい− 建物(7.6)、街路灯(6.7)、街路樹(5.7) 28 手入れ− 自転車(26.7)、モノ(12.2)、ゴミ(10.0) 90 .632(**) 照明(15.9)、街路灯(12.1)、看板(12.1)、 107 .627(**) 2 お洒落な− 店舗(12.1)、建物(8.4) ゴミ(20.0)、モノ(11.5)、自転車(11.5)、 25 清潔な− 96 .583(**) 歩道(9.4)、照明(8.3) 24 親しみ− 照明(37.2)、人(10.3) 78 .572(**) 建物(16.4)、照明(13.4)、 26 調和− 67 .555(**) 街路灯(10.4)、全体(10.4) 30 高尚な− 照明(28.9)、自転車(10.5) 38 .536(**) 照明(37.6)、人(20.3)、店舗(10.5) 133 14 楽しそう− .530(**) 照明(40.0) 60 21 豪華な− .517(**) 街路灯(18.6)、建物(18.6)、 11 連続的− 161 .514(**) 街路樹(16.1)、照明(14.3) 道(33.1)、歩道(14.3)、建物(9.7)、 17 開放感− 175 .513(**) 照明(6.9)、全体(6.3) 道(38.9)、歩道(18.0) 167 22 広い− .513(**) 12 期待感− 照明(51.0) 100 .499(**) 19 暖かみ− 照明(64.5) 124 .482(**) 9 明るい− 照明(42.3)、街路灯(26.1) 126 .454(**) 20 印象的− 全体(35.4)、照明(19.1) 99 .450(**) 照明(36.5)、人(30.4) 260 7 賑やか− .402(**) 5 新しい− 照明(31.6)、建物(26.6)、店舗(12.7) 79 .376(**) 建物(42.0)、店舗(16.1)、道(16.1)、 13 大規模− 112 .373(**) 照明(11.6) 照明(20.4)、建物(17.7)、看板(10.6)、 15 統一− 113 .359(**) 店舗(8.8)、街路灯(8.0) 照明(20.9)、店舗(17.6)、人(14.3)、 10 都会的− 91 .321(**) 建物(8.8)、車両(8.8) 自転車(19.2)、街路灯(9.1)、照明(8.1)、 1 整然とした− 208 .318(**) 街路樹(7.7)、人(6.3)、車両(5.8) 3 多彩な− 照明(43.8)、看板(17.0) 112 .314(**) 建物(32.6)、照明(23.9) 92 6 迫力− .274(**) 23 変化− 照明(26.1)、店舗(10.9)、建物(9.8) 92 .161(**) 照明(30.5)、人(15.6)、車両(12.1)、 18 落ち着き− 141 .157(**) 交通量(9.9) 建物(20.6)、モノ(14.0)、照明(13.2)、 29 密な− 121 0.074 人(9.1)、道(9.1) 街路樹(20.6)、緑(17.5)、建物(14.3)、 31 自然な− 63 0.071 街路灯(12.7)、照明(7.9) 【注1】 (数字)は有効回答数に占める割合(%)を示す。 【注2】 相関係数は、各評定尺度と総合評価との相関を示す。     ** 相関係数は1%水準で有意 (両側)。 * 相関係数は5%水準で有意 (両側) 。. 総合評価との関係、および、各共通因子と総合評価との 関係を検討した。③各評定尺度と環境構成要素の関係、 および、各共通因子と環境構成要素の関係について検討 した。④各環境構成要素と特徴の関係を検討した。 これより、夜間の街路空間に対する評価構造を定量的に 把握できた。 4. おわりに 本研究では、空間の主観評価について、個人差の大きな 範囲と、多くの人に共通する範囲を明らかにし、評価構造に 関するデータを蓄積した。すなわち、利用者の要求に基づ く環境整備を行うための基礎的資料が整備できたと考える。 ただし、本研究において分析した評価構造は、福岡市天神 地区におけるものであり、街路空間の性格( 例えば、繁華街、 住宅街、オフィス街など) や地域による差を検討するために、 今後も幅広い調査研究が望まれる。 *1 日本建築学会編:人間環境学 よりよい環境デザインへ、朝倉書店、1998 年 4 月 20 日初版第 1 刷 *2 札幌市の「ホワイトイルミネーション」をはじめとする民間主導の動きが見 られる他、観光振興を目的としての歴史的建築物、橋、並木道、タワーなど のランドマークとなる施設のライトアップや、商業活性化、快適で魅力ある 夜間景観の創出を目的としての照明整備の動きなどが、各地で見られる。 *3 古賀ら:キャプション評価法による市民参加型景観調査―都市景観の認知と 評価の構造に関する研究 その1―、日本建築学会計画系論文集、pp.79-84、 1999.3 *4 一般的な景観に限定せず、建物単体、看板、自転車、さらには、音や匂いな どの個別要素も含む。 *5 古賀ら:景観カード作成による景観の調査と評価 その 3 妥当性を考慮した 分類導出方法、日本建築学会大会学術講演梗概集 D-1 分冊、pp.865-866、1995. 46-4.

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