国土交通省 国土地理院 2015年12月発行 第570号 C O NTENTS 1.「G空間EXPO2015 日本の未来が見える。」開催報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.「電子国土賞2015」の受賞作品が決定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3.第10回日中測量・地図協力会議の開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4.第209回地震予知連絡会概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 5.「オープンGEONET」の取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 6.日本水準原点で水準測量を実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 7.第57次日本南極地域観測隊出発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 8.企画展「第19回全国児童生徒地図優秀作品展」を開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 9.「地図と測量の科学館」まめちしき 伊能忠敬の時代、「磁石の北」は「北」だった ・・・・・・・・・・・ 10 10.平成27年秋の叙勲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 11.11月の報道発表・1月の主な行事予定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 G空間EXPO2015オープニングテープカット(日本科学未来館)
幅広い方々に「G空間情報」への理解を深めて いただく目的で、11 月 26 日から 28 日の 3 日間、 日本科学未来館(東京都江東区青海)において「G 空間 EXPO2015」を開催しました。3 日間の来場 者数は約 19,000 名でした。 以下に、国土地理院が主催したイベントの状況 を報告します。 ■ Geo アクティビティフェスタ 地理空間情報の活用に関する独創的なアイデ ア、ユニークな製品、画期的な技術、新たなサー ビス等を対象に全国から公募を行い、選考された 16 の団体と個人が、作品展示を行うとともに 27 日にプレゼンテーションを行いました。 審査委員会で決定した「最優秀賞」等について、 28 日の表彰式で越智院長より賞状の授与を行い ました。また、今回新たに「奨励賞」に若手を対 象とした「若手部門」を追加しました。 受賞作品は、次のとおりです。 【最優秀賞】 ・「だれでもガイド!」 首都大学東京 倉田研究室 【優秀賞】 ・「空き家管理調査システムふるさぽマップ」 NPO 法人ふるさと福井サポートセンター 北山 大志郎 ・「 位置情報+時間=思い出 ゲーム感覚の地域 文化アーカイブプラットフォーム」 (株)トリトメ 西部 一英 【奨励賞】 ・「 官民連携の情報共有プラットホームによる職 員参集システム」 GIS 大縮尺空間データ官民共有化推進協議会 ・「じじばばウォッチ」 チームじじばばウォッチ 代表:菊地 映輝 【奨励賞(若手部門)】 ・「CanSat Mapping で拓く宇宙工学の未来」 CanSat Mapping 製作委員会 代表:平澤 遼 【来場者賞】 ・「 スマートグラスを用いた現地調査 ・ 入力シス テム」 (株)デバイスワークス 代表:加賀屋 太郎 ■国土地理院の施策等の紹介展示 地理空間情報フォーラム会場において、国土地 理院の施策等を紹介する展示を行いました。 「オープン GEONET について」「測量技術の海 外展開」「国土地理院の災害時の対応(火山を中 心に)」「迅速な地図情報の更新(登山道・道路)」 等の国土地理院の施策・提供サービスをパネル等 により紹介するとともに、活動的な火山に設置さ れている REGMOS の実機の展示や平成 27 年 9 月関東・東北豪雨における国土地理院の活動とし て、UAV により撮影した常総地区の映像をモニ ターで放映し、パネルで紹介しました。
「G空間EXPO2015 日本の未来が見える。」開催報告
最優秀賞を受賞した倉田研究室(中央) 視察した越智院長(右側)と小泉審査 委員長(左側) 土井国土交通副大臣の開会挨拶また、会場では新しい技術の紹介が目立つ中、 三角点・水準点標石(地上部分のみ)を展示する とともに、明治時代に実際に使用していた歴史的 価値のある経緯儀も展示し、来場者の注目を集め ました。 ■シンポジウム 3 次元地理空間情報の活用の将来展望 27 日に開催されたシンポジウム「3 次元地理空 間情報の活用の将来展望」は、測位環境や 3 次元 地図をテーマにしたもので、約 140 名の来場者が あり、終始盛況のうちに執り行われました。 本シンポジウムでは、はじめに国土地理院下山 測量新技術研究官の趣旨説明があり、東京大学柴 崎教授の基調講演の後、6 名の講演者が過去から 現在に至るまでの取り組み状況などについて講演 しました。 次に、総合討論を行い、会場から質問を受ける 形で高精度測位や 3 次元地図の環境について、そ の方向性や担うべき役割などの議論が行われまし た。議論の中で今後の整備状況などについて奥深 い意見交換が行われました。 【基調講演】 東京大学 空間情報科学研究センター 教授 柴崎 亮介 「 新しい社会インフラとしての 3 次元地理空間 情報」 【各講演】(発表順) ・東京大学大学院 情報学環 教授 越塚 登 「パブリックタグ情報共有基盤」 ・国土交通省国土政策局 国土情報課長 筒井 智紀 「 高精度測位社会プロジェクト(東京駅プロジェ クト)について」 ・東日本旅客鉄道(株)JR 東日本研究開発セン ターフロンティアサービス研究所 主幹研究員 三田 哲也 「 JR 東日本における位置情報を活用したお客さ まサービスの取り組み」 ・ゼンリン 第 2 事業本部第 2 事業推進部 部長 竹川 道郎 「 自動走行技術をサポートする 3 次元高精度空 間データベースの取り組み」 ・国土地理院 地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 中島 秀敏 「 3次元空間情報を活用した安全・安心・快適 な社会実現のための技術開発」 ・(一財)日本情報経済社会推進協会 常務理事 坂下 哲也 「測位情報の信頼性評価に関する取り組み」 ■もしもの災害から身を守る -進化を続ける防災アプリ展- 防災アプリに関する国土地理院の取組の周知 及び優れた防災アプリ開発の促進を図るため、 審査委員会で選定した避難支援部門の 3 アプ リ、リスクコミュニケーション部門の 3 アプリ の展示と開発者によるプレゼンテーションを行 いました。 このイベントは、昨年度に引き続き実施する もので、27 日の午後に開催し、民間事業者な ど 80 名近くの来場者がありました。展示ブー スでは、スマホ等を用いたデモが行われ、防災 REGMOS 組み立ての実演 シンポジウム会場の様子
アプリの機能や特徴について来場者との意見交 換や情報交換が行われました。 また、ハザードマップポータルサイトや地点 別浸水シミュレーション検索システム(浸水ナ ビ)の紹介にも来場者が熱心に耳を傾けていま した。 【出展アプリ】 ○避難誘導支援部門 ・「goo 防災アプリ」 (NTT レゾナント株式会社) ・「MY 防災」(株式会社 ジェッセ) ・「MinaVi」(サークル Snow White) ○リスクコミュニケーション部門 ・「AR ハザードスコープ 鎌倉市版」 (株式会社キャドセンター) ・「DocuMap Mobile 傾斜区分マップ」 (株式会社 永大開発コンサルタント) ・「My bousainote」(佐野大河・木村汐里) ■第4回地理院地図パートナーネットワーク会議 地理院タイルの活用推進を目的として、活用力 を持つ外部技術者をパートナーとした地理院地図 パートナーネットワークの第 4 回会議を 28 日に 開催し、パートナーと一般参加者を含め 100 名を 超える来場がありました。 会議では、国土地理院からベクトルタイル提供 実験の進捗や地理院地図の最近の動向などについ て情報提供を行い、パートナーからは地理院タイ ルを利用した様々な事例などが紹介され、地理院 タイルに関する技術についての活発な意見交換が 行われました。 【パートナーからの事例紹介】 ・井上修(オートデスク株式会社) 「地理院タイルを CIM で使い倒す!」 ・後藤真太郎(立正大学) 「日本的コミュニティーの形成と GIS の普及 -山車に GPS を載せた 10 年を振り返る-」 ・西岡芳晴(産業技術総合研究所) 「日本シームレス地質図 2D/3D 統合版」 ・松村一保 (GIS 大縮尺空間データ官民共有化推進協議会) 「 もっと、国で整備されたデータを利用しよ う ! こんな使い方をしています」 ・コリンズ・ベンジャミン (ウェブサービス・ディベロップメント) 「Porting 国土地理院 to OpenStreetMap」 ・林博文(OSGeo 財団日本支部) 「 Geopaparazzi でフィールドワークも地理院 タイル!」 ・五十鈴まゆみ(株式会社マプコン) 「 DENKOKUROBO によるベクタータイルと 標高タイルの重畳利用による経路検索」 「G空間 EXPO2015」は、26 日があいにくの雨 模様で 27 日と 28 日も寒気の影響もあり、昨年の 来場者数には及ばなかったものの当初の目標来場 者数を超え終了することができました。ご来場い ただきました皆様に心より御礼申し上げます。 (企画部) 開発者によるプレゼンテーションの様子 会議会場の様子
国土地理院は、「電子国土賞2015」として PC 部門2点、モバイル部門1点、コンテンツ部門2点を 受賞作品に決定しました。あわせて、「電子国土功績賞2015」として1点を決定しました。 国土地理院では、平成 24 年に「電子国土賞」 を創設し、優れた GIS ソフトウェアや GIS コン テンツを表彰しています。今年で 4 回目となる「電 子国土賞」では、自薦による応募も可能としたこ とから、個人の方が運営している Web コンテン ツなど、数多くの作品に応募していただきました。 応募作品の中から、1 次審査を通過した PC 部 門 10 点、モバイル部門 3 点、コンテンツ部門 12 点について、電子国土賞選考委員会にて受賞作品 の選考を行い、PC 部門 2 点、モバイル部門 1 点、 コンテンツ部門 2 点を「電子国土賞 2015」とし て決定しました。あわせて、電子国土基本図等 の利用促進に貢献した作品を「電子国土功績賞 2015」として 1 点を決定しました。 受 賞 作 品 に つ い て は、11 月 26 日 か ら 28 日 ま で 日 本 科 学 未 来 館 で 開 催 さ れ た「G 空 間 EXPO2015」において表彰及び作品紹介を行いま した。 また、国土交通省 1 階(千代田区霞ヶ関)の展 示コーナーでも、11 月 30 日から 12 月 11 日まで の間にパネル展示による紹介を行いました。この ほか、電子国土賞受賞作品の Web サイトや、「地 図と測量の科学館」に電子国土賞コーナーを設け 紹介を行っています。 【PC 部門受賞作品】 ○地盤安心マップ PRO、地盤カ ルテ、地盤安心マップ (開発者)地盤ネット株式会社 ○登山地図 & 計画マネージャー「ヤマタイム」 (開発者)株式会社山と溪谷社 株式会社システム・クリエート 北海道地図株式会社 【モバイル部門受賞作品】 ○スマートフォンアプリ「墨田区防災マップ」 (開発者)株式会社中央ジオマチックス 【コンテンツ部門受賞作品】 ○ igania (開発者)内外地図株式会社 ○ HogMap (開発者)原田幾 【電子国土功績賞受賞作品】 ○装飾古墳データベース (開発者)九州国立博物館 (企画部)
「電子国土賞2015」の受賞作品が決定
国土地理院ブースでの受賞作品紹介の様子 受賞者の皆さんと越智院長(前列中央)日中測量・地図協力会議の様子 今回の会議は、国土地理院の村上参事官が議長 を務め、日本側代表として、村上参事官、松坂測 地技術調整官、勝田電子国土調整官、中村国土基 盤情報調整官及び中川国際課長が、中国側代表と して、王国家測絵地理信息局副局長、王科学技術 国際協力部副部長及び徐企画財政部投資課長補佐 が出席し、友好的な雰囲気の中、両国の事業報告、 情報交換、質疑応答、意見交換などが行われまし た。 中国側からの報告及び情報提供は、次のとおり です。 ・国家基本図とデータベースの構築 2012 年に国土西部地域の縮尺 5 万分の 1 地 図が完成し、中国全土の整備が完了した。現在 は毎年更新している。 ・国土地理情報のモニタリング 2012 年から実施し、2015 年末に第 1 回の全 国調査が終了する予定である。 ・天地図プロジェクト 省・市・県クラスのデータを収集し、中国版 のウェブ地図に、そのデータを完備した。デー タを利用するための 1,000 以上のアプリケー ションが用意されている。 ・その他 新たな測地系の構築 高分解能衛星プロジェクトの実施等 また、最近の動向として、小型無人飛行機 (UAV)を用いた空中写真撮影についての情報交 換を行いました。日中両国ともに、災害時での活 用、地図更新への活用が急速に拡大していること がわかりました。 さらに、測量・地図作成に係る国際活動及び特 定分野における協力について討議され、次の項目 について両国で合意しました。 ① 国連地球規模の地理空間情報管理に関するア ジア太平洋地域委員会 (UN-GGIM-AP) に関す る取組における協力 ② 地球規模の地理空間情報管理に関する国連専 門家委員会(UNCE-GGIM)における協力 ③ ISO/TC211 に関する情報交換 ④ 自然災害の対応に関する情報交換 ⑤ 国土空間データ基盤に関する情報交換 次回の会議は、2016 年秋に中国で開催される 予定です。 (企画部)
第10回日中測量・地図協力会議の開催
11月25日に、国土地理院(茨城県つくば市)において、第10回日中測量・地図協力会議が開催さ れました。 この会議は、日中科学技術協力協定に基づき、日中両国における測量及び地図作成に関する技術 と事業について、技術協力、共同研究及び情報交換を推進することを目的としており、今回が第10 回目となります。 議事録署名■全国の地震活動について 国内で 2015 年 8 月から 2015 年 10 月までの 3 か月間に発生したM 5 以上の地震は 33 回でした。 8 月 17 日に種子島近海の深さ 7km で発生したM 5.0 の地震は正断層型で、この地域ではやや珍し い型でした。 ■日本列島のひずみ変化 GNSS 連続観測によると、最近 1 年間の日本列 島のひずみには、東北地方太平洋沖地震の余効変 動や長野県北部の地震の影響が見られています。 ■東北地方太平洋沖地震関連 東北地方から関東甲信越にかけて引き続き東向 きの変動が見られており、累積の水平変動量は岩 手川崎A観測点で約 126cm に達しています。海 底地殻変動観測では、釜石沖 1、釜石沖 2、宮城 沖 1 で陸側へ、福島沖、銚子沖では海溝側への変 動が見られています。 ■プレート境界の固着状態とその変化 ・南海トラフ・南西諸島海溝周辺 紀伊水道周辺で 2014 年半ば頃から非定常的な 地殻変動が観測されています(右図)。この地殻 変動から、紀伊水道のプレート境界面で最大 3cm 程度の滑りが推定されました。これと同時期に、 紀伊水道に近い四国東部、紀伊半島西部で低周波 微動活動が活発化しています。 ■西南日本の深部低周波微動・短期的スロース リップ活動状況 短期的スロースリップを伴う顕著な微動活動 が、四国中部から西部(10 月 29 日から 11 月 8 日)、 豊後水道(9 月 1 日から 9 月 6 日)で発生しまし た。それ以外の主な微動活動が、紀伊半島中部(10 月 24 日から 28 日)、四国東部(9 月 25 日から 10 月 4 日)、四国中部(10 月 19 日から 22 日)で発 生しました。 ■薩摩半島西方沖の地震 2015 年 11 月 14 日に薩摩半島西方沖でM 7.1 の 地震が発生しました。この地震の発震機構は北西 ―南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型でした。 この地震は、九州の西方沖では 1923 年以降で最 大規模の地震でした。 ■重点検討課題「東北地方太平洋沖地震がもたら す広域地殻活動」 東北地方太平洋沖地震の地震時・地震後地殻変 動は日本列島全域から北東アジアに至る広範囲に 及んでおり、これらの地域の地殻活動に影響を与 えることなどが考えられます。日本列島周辺域の プレート運動や地殻活動、日本全国の地殻変動、 地震やスロー地震など、広域的な地殻活動につい て、東北地方太平洋沖地震前後での変化の特徴が 紹介され、議論が行われました。 次回は、第 208 回地震予知連絡会に引き続き、 地震発生や地殻変動の予測実験の試行について検 討、評価を行う予定です。 固定局 : 三隅(950388) 資料は、こちらをご覧下さい。 http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/activity/209/209.html (地理地殻活動研究センター) 11月27日、九段第2合同庁舎(東京都千代田区)において、第209回地震予知連絡会が開催されました。 以下その概要について報告いたします。
第209回地震予知連絡会概要
紀伊水道周辺の非定常的な地殻変動(1) 地殻変動(水平)(一次トレンド ・ 年周成分・半年周成分除去) 基準期間:2014/07/01 ~ 2014/07/15[F3:最終解] 比較期間:2015/11/01 ~ 2015/11/07[F3:最終解] 計算期間:2012/05/01 ~ 2014/05/011.オープン GEONET GEONET のデータを利用者に提供するために は、まず GNSS 衛星の信号を電子基準点で受信し なければなりません。この衛星からの信号が国土 地理院の GEONET 中央局で収集、処理されるこ とで様々な分野で利用されるデータとなります。 これまで GEONET は、電子基準点の観測デー タや日々の座標値等を提供することで、効率的か つ高精度な測量や地震・火山研究等の推進に貢献 してきました。 今では位置の基準としてなくてはならない電子 基準点ですが、近年の技術開発の進展に伴い、よ り一層幅広い分野での利用が期待されています。 例えば、電子基準点で観測されるリアルタイム データは工事現場で重機を自動で操作するために 利用されたり(情報化施工)、地震に伴う地殻変 動を即時に検知するために利用されたりと、その 応用は新たな領域への展開を見せています。 このような電子基準点のデータに対するニーズ が高まるなか、その期待に応え、データの利活用 を推進すべく、測地観測センターでは政府のオー プンデータ戦略も踏まえ、GEONET のデータ提 供を拡充するための取り組みを行っています。こ の取り組みが「オープン GEONET」です。 2.オープン GEONET の成果 測地観測センターでは GEONET によって生 成される様々なデータが持っている価値をもれ なく利用者へ還元することを目指し、「オープン GEONET」を進めています。その成果や取り組 みについて紹介します。 ●日々の座標値(R3) GEONET では、電子基準点の日々の位置(経 緯度、高さ等)を提供しています。この計算には 国際機関が提供している衛星の軌道情報を用いて います。これまでは観測日から 2 週間後に提供さ れる最も精密な軌道情報を使用した日々の座標値 (F3)を提供してきましたが、観測日から数日後 に提供される速報的な軌道情報を使用した日々の 座標値(R3)の提供も平成 27 年 5 月に開始しま した。 ●マルチ GNSS 測量マニュアル(案)及び 基線解析ソフトウェア「GSILIB」 技術開発が進む各国の測位衛星からの情報を適 切に利用し、効率的かつ高精度な測位・測量がで きるよう、測量マニュアルの作成及びソフトウェ アの開発を行い、公開中です。詳細は国土地理 院広報 6 月号をご参考ください。 ●マルチ GNSS データの配信 GEONET で は、GPS、 準 天 頂 衛 星 及 び GLONASS(ロシア)の GNSS 観測データを配信 していますが、マルチ GNSS を利用した測位・測 量の普及・促進を目指し、Galileo(欧州連合)の 観測データや近代 GPS のデータ(L5 帯信号)の 配信へ向け調整を進めています。 ●リアルタイム解析システムの開発 測地観測センターでは、電子基準点のリアルタ イムデータを用いて電子基準点の位置を計算する システムの開発を行っています。これにより地震 が発生した際、即時に地殻変動を検知することが でき、防災関係機関が迅速かつ適切な対応をとる ための情報提供ができるようになることが期待さ れます。 利用者に必要とされる情報を提供していけるよ う、今後も「オープン GEONET」を進めてまい ります。 (測地観測センター)
「オープンGEONET」の取組
GEONET(GNSS 連続観測システム)は、全国約1,300か所にある電子基準点で受信された GNSS の観測データを処理して提供しています。測地観測センターでは GEONET のデータの幅広い分野での利 活用を促進するため、「オープン GEONET」を合言葉に取り組みを進めています。関東地方測量部では、地震防災対策や地盤沈下 監視等を目的として、南関東地域において高さを 精密に測る水準測量を毎年実施しており、今年も 8 月から 11 月にかけて現地での測量作業を実施 しました。 作業地域には油壺験潮場(神奈川県三浦市)と 日本水準原点(東京都千代田区)が設置されてい ます。油壺験潮場では明治時代から潮位観測を続 けており、日本水準原点の標高値と平均海面(標 高 0m となる高さの基準)との関係を監視してい ます。 今回の測量の目的の一つに、日本水準原点の標 高値の点検があります。そのため、11 月 9 日に 日本水準原点と周囲に設置されている水準点との 間で特別な手順による観測を行い、日本水準原点 に異常な沈下等がなく、正常な状態であることの 確認を行いました。 今後は、油壺験潮場から日本水準原点までの観 測成果をもとに、日本水準原点の標高が測量法施 行令で定める 24.3900m と差がないかを点検する 計算を行います。 日本水準原点は、6 月 3 日「測量の日」の記念 行事の一環として、毎年 5 月末頃に一般公開して います。ぜひお越しください。 (関東地方測量部)
日本水準原点で水準測量を実施
第 57 次日本南極地域観測隊 62 名(越冬隊 30 名、夏隊 32 名)は、12 月 2 日に成田空港からオー ストラリア経由で南極昭和基地に向け出発しまし た。 この第 57 次隊には、国土地理院から基本図情 報部画像調査課の下野隆洋技官が夏隊員として参 加しています。 観測隊は、12 月 3 日にオーストラリアのフリー マントル港にて、海上自衛隊横須賀基地を先に出 航していた南極観測船「しらせ」に乗船し、一路、 南極をめざしました。(昭和基地には、12 月中旬 到着の予定です。) 下野隊員は、南極地域観測事業における定常観 測の地形測量として、ヘリコプター等を用いた空 中写真測量、地上レーザースキャナーを用いた 精密地形測量を実施する予定です。また、測地 測量として、氷床変動測量、露岩域における基 準点測量(GNSS 測量、重力測量、ジオイド測量) を実施する他、国際 GNSS 事業(IGS)の重要な 観測点となっている昭和基地 GNSS 連続観測局 や氷河後退による地盤の隆起を計測する目的で ラングホブデに設置している GNSS 連続観測点 の保守等の作業を実施します。 夏隊は、平成 28 年 3 月 27 日に帰国する予定 です。下野隊員が第 57 次隊員と共に南極の地で 元気に活躍されることを祈念します。 (基本図情報部)第57次日本南極地域観測隊出発
日本水準原点の観測風景 第57次日本南極地域観測隊出発 (写真右から3人目:下野隊員)国土地理院「地図と測量の科学館」では、1 月 7 日(木) から 2 月 21 日(日)まで企画展「第 19 回全国児童生徒地 図優秀作品展」を開催します。 この作品展は、全国児童生徒地図作品展連絡協議会と 連携して、各地の作品展を実施する団体より推薦された 「児童生徒の地図に関する作品」を集め、平成 10 年から 毎年開催しているものです。 作品展では、各団体より推薦された優秀作品の中から 選ばれた、文部科学大臣賞、国土交通大臣賞、審査員特 別賞を受賞した作品を含む約 100 作品を展示いたします。 全国から選ばれた創意工夫あふれる児童生徒の地図に 関する素晴らしい作品を是非ご覧ください。 (総務部)