• 検索結果がありません。

Vol.47 , No.1(1998)074本庄 良文「『随眠施設』『名色施設』-有部『施設論』の未知なる構成要素-」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Vol.47 , No.1(1998)074本庄 良文「『随眠施設』『名色施設』-有部『施設論』の未知なる構成要素-」"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

印度學佛 教學 研究 第47巻 第1号 平 成10年12月

『随 眠施 設 』 『

名 色施 設 』

―有部 『施 設 論 』 の未 知 な る構成 要 素―

[1]は じ め に 説 一・切 有 部 論蔵 に属 す る 『施 設 論 』 は,法 護 の 漢 訳 で 『因施 設 』 の大 部 分 が,西 蔵 訳 で 世 間 ・因 ・業 の 三 施 設(OtaniNos.5587-5589;TohokuNos.4086―4088)が,伝 え られ て い る.つ とに木 村 泰 賢 は,現 存 三 施 設 以 外 に,煩 悩,智,定 等 に関 す る 品 の 存 在 を推 定 した.1)筆 者 は それ を傍 証 す る記 述 を シ ャ マ タ デ ー ヴ ァの 『倶 舎 論 』註 の 中 に 見 出 した と考 え,簡 単 に紹 介 した こ とが あ る.2)今 回 は それ を若 干 詳 し く述 べ て み た い. も とよ り木 村 泰 賢 の推 測 を確 証 に変 え る た め に は 西 蔵 訳 を全 訳 研 究 せ ね ば な ら な い.そ の た め の 努 力 も この 間,徐 徐 に積 み 重 ね られ て き て い る.3)と ころが 最 近, 戦 前 にす で に全 訳 を果 た した研 究 者 が い た こ と,そ の遺 稿 が近 く発 表 され る予 定 で あ る こ とが 明 らか に な っ た.4)い ま は そ の発 表 を鶴 首 して待 つ こ と とし,木 村 の 推 定 を補 足 す る こ とで 満 足 して お く. [II]木 村 泰 賢 の 問 題 提 起 と暫 定 的 結 論 木 村 泰 賢 は 『阿 毘 達 磨 論 の研 究 』 に未 定 稿 「施 設 足 論 の 考 証 」 を収 録 した.当 時 この 『施 設 論 』 につ い て は学 者 た ち の 間 に 「一 恨 事 」(P.i44)が 存 在 して い た. 有 部 論 蔵,六 足 ・発 智 の 一・つ に数 え られ る重 要 書 で あ る の に,古 来,―漢 訳 の 一 品 し か 伝 わ らず,『大 毘 婆沙 論 』 を は じめ とす る阿 毘 達 磨 諸 論 書 中 の 『施 設 論 』 引 用 が ほ とん ど漢 訳 と合 致 しな い こ とか ら,は た して この漢 訳 を六 足 論 の一 つ と考 えて よ いか 否 か,判 断 に苦 しむ状 態 に あ っ た こ とで あ る.折 し も,ド ・ラ ・ヴ ァレ ・プ サ ンが 『世 親 と称 友 』5)の中 の チ ベ ッ ト訳 「因 施 設 」 「世 間 施 設 」 の 概 要 を掲 載 し た た め,木 村 は これ を有 力 な資 料 として(1)漢 訳 『施 設 論 』 は果 して 六 足 論 の 一 つ で あ るか 否 か,(2)六 足 論 の 一 つ と して の 『施 設 論 』 の面 影 は い か な る もの か,

(2)

(142) 『随 眠 施 設 』 『名 色 施 設 』(本 庄) を示 そ う と した ので あ る. 木 村 は 『大 毘 婆 沙 論 』 を 中心 と して 『倶 舎 論 』 『順 正 理 論 』 等 にお け る引用,約 706)を 得,こ れ を漢 訳(因 施設)お よび プサ ン の概 要(因 ・世 間施 設)と 対 照 し,独 自 に 「業 施 設 門 に あ る と推 定 し得 べ き もの 」14句 を列 挙 して お よ そ次 の よ うに論 じた(p.161). (1)70旬 の うち 「世 間 ・因施 設 」 に合 致 す る の は僅 か に20句 ば か りで あ る.(2) 残 る50句 の す べ て が,「業 施 設 」 か ら来 た も の とは到 底 考 え られ な いか ら,そ の う ち14句 の み を 「業 施 設 」に該 当 す る もの と仮 定 す る.(3)残 る35,6句 の うち,「世 間 施 設 」 「因施 設 」 の 中 に あ るべ くして 確 か め 得 な い もの が7句 ばか りあ る.(4) 結 局,30句 近 い 引用 文 は所 属 不 明 で あ る.そ れ ら は 「煩 悩 に 関 す る もの 」6句,「 智 慧 と禅 定 とに関 す る もの」18句,「 雑 の部 」6句 に分 類 で き る. 以 上,現 存 資 料 と合 致 す る項 目 と しな い 項 目 の両 者 が あ る こ とに も とつ い て 木 村 は,(1)現 在 の チ ベ ッ ト訳 三 施 設 論,漢 訳 施 設 論 はい ず れ も六 足 論 の 一・つ と して の 『施 設 足 論 』 と見 て よい(P.168).(2)現 存 の施 設 論 は,た と え西 蔵 所 伝 の 三 品 を 以 て して も施 設 足 論 の全 体 で はな い(P.169).全 体 と して の施 設 論 は,三 品 に加 え て 「煩 悩 品,智 品,定 品,雑 品 な どか ら な っ た もの で は な か っ た ろ うか 」(p.170) と推 論 し,「他 日西 蔵 訳 の全 体 が,明 らか に な る暁 が 来 て も」 「吾 人 の見 当 は,大 体 にお い て 的 を逸 して は い ま い とい う 自信 も あ る」(p.170)と 述 べ た. しか しそ の後80年 近 く 「西 蔵 訳 の全 体 が,明 らか に な る 暁 」 は 訪 れ ず,戦 後 最 も詳 細 な 研 究 を した と見 られ る山 口益 ・春 日井 眞也 も,(2)の 問題 につ いて は 「大 論 と して の施 設 論 は,(中 略)世 間 ・因 ・業 の三 部 よ り成 立 して い る とい ふ 事 以上 の もの を示 す 貼 は見 出 し得 な い 」7)とた い そ う冷 淡 で あ る. [m]シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ 『倶 舎 論 註 ウ パ ー イ カ ー 』 の 記 述 いず れ にせ よ,木 村 泰 賢 の 推 論 を確 認 す る作業 は,前 述 の全 訳 の 公 表 に よ っ て従 来 よ りは容 易 な もの とな るで あ ろ う.い ま は シ ャマ タデ ー ヴ ァ の倶 舎 論 註 『ウパ ー イ カ ー』 の記 述 に よっ て木 村 の 推 論 を傍 証 して み た い.そ れ は,こ の 註 の 中 に,『随 眠 施 設(phra-rgyas-btags-pa)』 『名 色 施 設(ming-dang-gzugs-btags-pa)』 の 名 が 見 え る こ と で あ る.と りあ え ず,引 用 順 に,『 ウ パ ー イ カ ー 』 に 見 え る 『施 設 論 』 関 係 の 言 及7 例 を 示 そ う.([2002]は 拙 著r倶 舎 論 所 依 阿 含 全 表1』,1984で の 第 二 章 根 品 の 第 二 の 資 料 との意 味.以 下 これ に準 ず る.第 六 の例 は 特 に重 要 な の で 詳 説 す る.)

(3)

(143)

(1) [2002] AKBh 38,17/Upayika Pek. Tu51b3/D. Ju47b3.8

入 胎 時 に ガ ン ダ ル ヴ ァ(有 部 正 統 派 に よ れ ば 「中 有 」)が 父 母 に 愛 と憎 悪 と を 抱 く と述 べ る 倶 舎 論 で の 引 用 文 に つ い て シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ は 『随 眠 施 設 』(anusaya―pr句五. apti,phra-rgyas-btags-pa)の 第 六 納 息(ucchvasaka)の 一 部 な る こ と を 言 い ,『入 胎経 』 中 に 同 じ 意 味 の こ と が 説 か れ て い る と し て 『毘 奈 耶 』 の 一 節(大 正24,253a24-cl)を 引 く.

(2) [3028] AKBh126,21/Upayika Pek. Tu149b4 ; D. Jul30a6 = [2002] 9'

倶 舎 本 論 が 『施 設[論]』(Prajnapti)よ りの 引用 とす る,前 項 と同 じ:引用 文 に つ い て シ ャ マ タ デ ー ヴ ァは 「第 二倶 舎 処(根 品)の 根 の 解 説[に お い て]『 施 設[論]』 が 説 か れ た ご と くで あ る」 とい う.

(3) [3032] AKBh127,25/Upayika Pek. Tu155a8 ; D. Ju135a5.1o'

倶 舎 本 論 が 「四種 の 入 胎 」(AK,iii,16)を い うの に反 して シ ャマ タデ ー ヴ ァは 「三 種 の 入 胎 」 を列 挙 す る経 を引 い た う えで 「この詳 細 は 『随 眠 施 設 』 の第 六 納 息 に お い て見 るべ きで あ る」 とい う.

(4) [3085] AKBh168,15/Upayika Pek. Tu205a7 ; D. Ju179al."'

倶 舎 本 論 の 説 くパ ー リジ ャー タ カ樹 の薫 風 に つ い て シ ャ マ タ デ ー ヴ ァは 「中 阿 含 七 法 品 第 四経 」 『パ ー リジ ャ ー タ カ 樹 経 』 に言 及 した あ と名 指 しの 上,『世 間 施 設 』本 文 若 干 を引 用 す る.北 京 版 に してKhu43a-44aに 該 当 す る.

(5) [3094] AKBhl79,3/Upayika Pek. Tu214b1 ; D. Ju187b3.12)

器 世 間 が 崩 壊 し よ う とす る と き 七 っ の 太 陽 が 出 現 す る と い う倶 舎 本 論 の 説 に つ い て,七p,住(AK,iii,5-6a;AKBhl15,18)に つ い て 経(『 七 日経 』)を す で に 引 用 した

と述 べ た う え に,名 指 し で 『世 間 施 設 』の____.節を 引 用 す る.北 京 版 に し てKhu65b2-66a3 に 該 当 す る.

(6) [40891 AKBh248,14/Upayika Pek. Tu277b 1 ; D. Ju242b7.13)

倶 舎 論 に 説 く邪 見 に よ る 断 善 根(AK,iv,79a)に つ い て の 資 料 で あ る.シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ が 「『随 眠 施 設 』 の 第 八 納 息 に お い て,お よ び(!)『 識 身[論]』 の 第 五 緬 に お い て 誦 さ れ る 」 と い う 引 用 文 は,漢 訳 『識 身 論 』 巻12(大 正26,587c5―588a26) に 極 め て よ く対 応 す る.こ れ は 二 つ の 問 答 か ら な っ て い る.第 ―・の 問 い は 「善 根 は だ れ に よ り,ど の よ う に,ど の よ う な 形 相 を も っ て 断 た れ る か 」 で あ る.そ の 答 え の 末 尾 あ た りか ら の 記 述 は 次 の 通 り. (記述A)か れ は 特 定 の 生 類 を故 意 に殺 し,『悪 ・不 善 の業 の異 熟 は な い 』 と,時 が 移 って も,そ れ を 悔 い る心 を,少 し も生 じ な い.さ ら に,特 定 の 人 を 殺 して,『善 ・不 善 の 業 の 異

(4)

(144) 『随 眠 施 設 』 『名 色 施 設 』(本 庄) 熟 は な い』 と,後 悔 の念 を 少 し も生 じ な い.以 上 の こ とに よ っ て,こ の 人 の三 界 の 善 根 は 断 た れ る,と 言 われ るべ き で あ る. (記述B)こ の 人 の 善 根 は,こ の現 世 に お い て 続 生 す る可 能 性 は な い.こ の 人 の 善 根 は,地 獄 よ り死 残 す るか,あ る い は[地 獄 に]生 れ る とき に,必 ず 続 生 す る こ と とな る. (記述C)[問 う.]で は,こ の よ うな[断 善根 の]人 を故 意 に殺 す の と,有 情 で あ る蟻 を殺 す の とで は いず れ が 罪 が 重 い の か.[答 え る.][殺 す人 の]纏 が 等 し けれ ば,そ の 異 熟[も また]等 しい もの とな る.次 の よ う に主 張 す る者 も あ る.「この よ うな[断 善 根 の]人 を殺 す よ りも,有 情 で あ る蟻 を 故 意 に殺 す 方 が 罪 が 重 い.そ れ は なぜ か.有 情 で あ る蟻 の 善 根 は断 た れ て い な いが,そ の人 の 善根 は 断 た れ て い るか らで あ る. 同 じ 内 容 が 『随 眠 施 設 』 お よ び 『識 身 論 』 の 両 者 に 説 か れ て い る と い う シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ の 言 明 は 俄 に 信 じ難 い 面 が あ る が,『 大 毘 婆 沙 論 』 巻 三 五(雑 蔽 第 一 中 無 漸 悦 納 息 第 五 之 二)14)に 次 の 記 述 を 見 る. (記述a)問.断 何 等 善 根.唯 欲 界 耶.通 三 界 耶.設 ―爾何 失 若 断欲 界 者,『識 身論 』 説,當 云 何 通.如 説.「若 害 蟻 卵,無 少悔 心,磨 説,是 人 断 三 界 善.」 …(大 正27,183a8-11) (記述b)問.断 善 根 已,於 現 法 中,還 能 績 不.答 且 依 『施 設 論 』説,彼 於 現 法 中,不 能 績 善 根 決 定 於 地 獄 中生 時,或 死 時,方 能 績 善.如 彼 『論 』説.「(1)若 害 蟻 卵,無 少 悔 心,慮 説 是 人,断 三 界 善.(2)彼 於 現 法,不 能 績 善 根.定 於 地 獄 中 生 時,或 死 時,方 能 績 善.」(大 正 27,184a1-7) (記述c)問.殺 断善 根 人,與 害 蟻 卵,何 者 罪 重.答.且 依 『施 設 論 』 説,若 住 等 纒,其 罪 正 等.所 受 異 熟,無 差 別 故.若 纒 不 等,罪 随 有 異.有 作 是 説.害 蟻 卵 重.非 断 善 人.所 以者 何. 蟻 卵 成 就 諸 善根 故.復 有 説者.殺 噺 善 人,得 罪 爲 重.所 以者 何.人 是 善 趣 害 之 重 故.(大 正 27,184c10-16) 記 述a下 線 部 『識 身 論 』 の 説 は,害 さ れ る 有 情 を 「若 害 蟻 卵 」 と特 定 す る 点 に 疑 問 が 残 る(漢 訳r識 身 論 』 で も この よ うに は特 定 し な い)が,記 述A下 線 部 に 対 応 す る と見 ら れ る.記 述bの 中 の 下 線 部(1)の 『施 設 論 』 の 説 は,記 述A下 線 部 に 対 応 し,直 後 の 下 線 部(2)は 記 述B下 線 部 に 対 応 す る.記 述c下 線 部 の 『施 設 論 』 に 依 る と さ れ る 説 は,記 述C下 線 部 に よ く対 応 す る.す な わ ち,新 訳 『婆 沙 論 』 は ほ ぼ 同 じ 箇 所 を 『施 設 論 』 よ り の 引 用 と も,『 識 身 論 』 よ りの 引 用 と も認 め て お り, シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ の 言 明 と呼 応 す る の で あ る.

(7) [7019] AKBh418,9/Upayika Pek. Thul04al ; D. Nyu6l a3.

倶 舎 論 に 説 く四 無 擬 解 に つ い て,シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ は そ れ ら を 列 挙 す る 短 経 を 引 い て か ら 「『施 設[論]』 の 『名 色 施 設 』(ming-dang-gzugs-btags-pa)に こ の 無 磯 解 が 説 か れ て い る 」 と い う.

(5)

(145) 以 上 の資 料 の 中 で注 目さ れ る 『随 眠施 設 』 『名 色 施 設 』 の うち,前 者 は ま さ し く 木 村 泰 賢 が そ の存 在 を 推 測 した 「煩 悩 品 」 に あ た るで あ ろ う.(1)(2)(3)の 引 用 に よ り,そ の 第 六 納 息 が 入 胎 を主 題 とす る節 で あ っ た こ とが 想 像 で き る.(6)の 引 用 は,邪 見 と断 善 根 を述 べ る.倶 舎 論 で は第 四 章 業 品 の主 題 で あ るが,邪 見 は五 見 を解 説 す る第 五 章 随 眠 品第 七 頒 に お い て も扱 わ れ る.『随 眠 施 設 』 の第 八 納 息 は見 随 眠 の説 明 を含 ん で い た可 能 性 が 高 い. 『名 色施 設 』 の 具体 的 内 容 は想 像 し難 いが,名 色 が 十 二 縁 起 の 支 分 に も数 え られ る こ とか ら推 して,基 本 的 に は 「有 漏 」 的 な 存 在 を解 説 す る も の で あ ろ う けれ ど も,倶 舎 論 で は第 七 章 智 品 で 解 説 され る,佛 の 「四無 擬 解 」 を述 べ る とされ る の で あ るか ら,そ の 名 称 に も拘 らず,木 村 の い う 「智 品 」 や 「定 品 」 に該 当 す る 内容 を も含 ん で い た とい う こ とに な る.「世 間 品,因 品,業 品 の 三 は要 す る に,い わ ゆ る輪 廻 界 の説 明 の み を主 と した もの で あ るか ら,完 全 な る阿 毘達 磨 として は,こ の外 に (中略)修 行 解 脱 に関 す る方 面 が な け れ ぼ な らぬ は ず で あ る.」(p.169)と い う 『施 設 論 』 全 体 の構 成 に つ い て の木 村 の 言 は誠 に もっ ともで あ るが,内 容 的 に は そ う で あ っ て も,そ の題 名 は 「輪 廻 界 の説 明 」 に こ そ相 応 しい 「世 間 」 「因 」 「業 」 「随 眠 」 「名 色 」 の た ぐ い 以 外 に は な か っ た 可 能 性 も あ る.あ る い は 「施 設(Prajnapti) とい う語 に は,「修 行 解 脱 に関 す る方 面 」 に そ ぐわ ぬ ニ ュ ア ンス が含 まれ て い るの で あ ろ うか.向 後 の課 題 で あ る. 1)『 阿 毘達 磨 論 の 研 究 』(序 文 執 筆 は大 正9年9月20日.拙 稿 は 『木 村 泰 賢 全 集 』第4巻, 大 法 輪 閣 第 三 版,1976,pp.143-176に 基 づ く.)2)「 シ ャマ タ デ ー ヴ ァの 引 く論 書 に就 て 」 『佛 教 論 叢 』 第27号,1983,p.140;拙 著 『倶 舎 論 所 依 阿 含 全 表1』1984,p.vi. 3)次 の よ うな 翻 訳 ・研 究 が あ る.山 口 益 ・春 日井 眞也[1952]「 施 設 論 孜 」 『小 西 ・高 畠 ・ 前 田三 教 授頒 壽 記 念 東 洋 学 論 叢 』pp.401-442./春 日井 眞 也[1953]「 西 藏 文 施 設 論 の 醗 課 な らび に そ の研 究 」 『各 個 ・助 成 研 究報 告 集 録 』(27年 度)/同[1954]「 チ ベ ッ ト文 施 設 論 の和 課 」 『佛 教 学 紀 要 』(佛 教 大 学)/同[1975]「 業施 設 論 に引 用 せ られ た るマ ガ 婆 羅 門 につ い て」 『イ ン ド仏 教 文化 の研 究 』 百 華 苑pp.241-251./山 田 龍 城[1959]『 大 乗 佛 教 成 立 論 序 説 』 平 樂 寺 書 店esp.pp.87-89./荒 井 央[1978]「 業 施 設 論 にお け る無 表 につ いて 」 『印佛 研 』27-1,p.172f/荒 井 行 央[1982]「 業 施 設 論 の翻 訳(1)」 『東 洋 大 学 大 学 院 紀 要 』 18,pp.(1)一(11)./同[1982]「 意 思 と行 動 『業 施 設 論 』 にお け る無 間業 論一 」 『印 佛 研 』31―1,122f/同[1983]「 現 存 『業 施 設 論 』の翻 訳(2)」 『智 山学 報 』46,pp.109-123./ 宮 崎 啓 作[1982]「Karma-prajnapti(『 業 施 設 論 』)解 説 」 『印 佛 研 』30-2,p.146E/松 田 和 信 [1982]「 梵 文 断 片Loka-prajnaptiに っ い て 一 一 高 貴 寺 ・玉 泉 寺 ・四 天 王 寺 ・知 恩 寺 貝 葉 ・イ

(6)

(146) 『随 眠 施 設 』 『名 色 施 設 』(本 庄)

ン ド所 伝 写 本 の 分 類 と 同 定 」 『佛 教 学 』14,pp.(1)一(21)./S.Dietz[1989]Remarkson

an Hitherto Unknown Cosmological Text in the Kanjur, in : Acta Orientalia Academiae Scientiarum Hung. Tomus, xliii (2-3), pp. 273-283. / [1989] A Brief Survey on the Sanskrit Fragments of the Lokaprajflaptisastra, Annual Memoirs of the Otani University Shin Buddhist Comprehensive Research Institute, vol. 7, pp. 79-86. / [1996] Four Stanzas from the Lokaprajnapti§astra, in : Indica et Tibetica, 28, Suhrllekhah, Festgabe far Helmut Eimer, Swisttal-Oldendorf, pp. 7-15. / [1997] Remarks on the Karmaprajnaptigastra, Tibetan Studies, vol. 1, pp. 205-211. / Ch. Willemen, B. Dessein, C. Cox [1997] Sarvastivada Buddhist Scholasticism, Leiden, esp. pp. 189-197. 4)同 朋 大 学 福 田琢 氏 の報 告(「 加 藤 清 草 稿 蔵 文 和 訳 『施 設 論 』 ノ ー ト」 『同 朋 学 園大 学 部 附 属 図書 館 報LibraryLe枕ers』No.7,1997p.6.)に よれ ば,同 大 学 の 「龍 山 文 庫 」 の 中 か ら,チ ベ ッ ト訳 『施 設 論 』 北 京 版 ・デ ル ゲ 版 に基 づ い た準 校 訂 テ キ ス ト と全 訳 との ノ ー ト が発 見 され た.見 開 き右 側 頁 の み が 使 用 され,左 側 に は時 折 漢 巴資 料 の パ ラ レル な どが摘 記 さ れ て い る.訳 了 は1934(昭 和9)年10月26日 深 夜.訳 者 の故 加 藤 清 は,昭 和6年3月 大 谷 大 学 卒.チ ベ ッ ト語 に通 じた 有 能 か つ 熱 心 な研 究者 で あ った こ とは,西 本 龍 山 の 『國 課 ―・切 経 』 律 部 二 十 二,二 十 三(大 東 出版 社)序 文 か ら も窺 え る.原 稿 の 公 表 は福 田琢 氏 に よっ て な され る予 定 で あ る. 5) Vasubandhu et Yacomitra, Louis de la Vallee Poussin, 1913.6)渡 邊 楳 雄 は 『國課 一 切 経 』 毘曇 部 三 にお い て漢 課 諸 論 よ り延 べ124を 集 め, その 後 『有 部 阿 毘 達 磨 論 の研 究 』1954,平 凡社p.83で は新 旧婆 沙 に お い て135を 数 え る と して い る.7)山 口 益 ・春 日 井 眞 也[1952]p.427f8)拙 稿 「Samathadevaの 倶 舎 論 註 一 根 品(1)一 」 『印 佛 研 』28-1,1979,p.(67)f9)拙 稿 「シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ の 伝 へ る 阿 含 資 料 一 世 品(4)[25]一[40]」 『教 育 諸 学 研 究 論 文 集 』(神 戸 女 子 大 学) 5,1991,p.93参 照.た だ し 訳 文 中 「第 二 倶 舎 処 の 解 説 」 と し た の は 誤 り で あ る.10) 前 註 拙 稿p.98参 照.ll)拙 稿 「シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ の 傳 へ る 阿 含 資 料 世 品(7) [3076]―[3090]」 『教 育 諸 学 研 究 論 文 集 』9,1995,p.170f12)拙 稿 「シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ の 傳 へ る 阿 含 資 料--世 品(9)[3094]一[3110]-」 『教 育 諸 学 研 究 論 文 集 』 10,1996,p.158fl3)拙 稿 「シ ャ マ タ デ ー ヴ ァ の 傳 へ る 阿 含 資 料 業 品(4)[4084]― [4110]」 『教 育 諸 学 研 究 論 文 集 』8,1994,p.41f(14)対 応 す る 『阿 毘 曇 毘 婆 沙 論 』 (旧 婆 沙)巻 十 九(大 正28,138f)は 典 拠 名 を 出 さ な い. 〈キ ー ワ ー ド〉 施 設 論,随 眠 施 設,名 色 施 設 (神戸女子大学助教授)

参照

関連したドキュメント

処理水 バッファ タンク ろ過水 タンク 3号機 原子炉圧力容器. 処理水より 補給用 補給用

[r]

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

地区住民の健康増進のための運動施設 地区の集会施設 高齢者による生きがい活動のための施設 防災避難施設

し未実施 ポンプ 本設 運転状態確認済

令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度

特定原子力施設の全体工程達成及びリスクマップに沿った

 現在、PCB廃棄物処理施設、ガス化溶融等発電施設、建設混合廃棄物リサ イクル施設(2 施設) 、食品廃棄物リサイクル施設(2 施設)